アクセシビリティ確保に関するCIAJの取組 障害者による情報取得等に資する機器等の開発及び普及の促進並びに質の向上に関する協議の場(第2回) 2023年3月8日 一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会 p1 1.CIAJの概要(1) CIAJは、ICT利活用の一層の促進により、利活用分野を含めた情報通信ネットワークに関わる全ての産業の健全な発展を図るとともに、様々な産業をつなぎ、社会課題の解決に寄与すること、情報利用の拡大・高度化に寄与することで、豊かな国民生活および持続可能な国際社会の実現に貢献することを目的とする。 会長:森川博之(東京大学大学院教授) 名称:一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会 沿革:1948年「有線通信機械工業会」として創立、1958年「通信機械工業会」に改称、2002年「情報通信ネットワーク産業協会」に改称、2009年一般社団法人として法人化 会員:正会員94社・団体、賛助会員53社・団体 p2 1.CIAJの概要(2) 組織 社員総会 理事会 運営幹事会 事業政策部会、戦略企画部会、新規事業調査検討EG、予算管理部会、委員会・研究会・協議会 保健医療福祉ICT推進委員会、製品安全技術委員会、コネクテッド・カー利活用推進委員会、標準化推進委員会、トラフィックデータ活用委員会、ネットワークシステム委員会、5G/Beyond5Gシステム委員会、装置実装委員会、IPネットワークシステム委員会、ルーター・スイッチ技術委員会、オプティカルネットワーク委員会、通信ネットワーク機器セキュリティ委員会、無線通信システム委員会、調査統計委員会、画像情報ファクシミリ委員会、loT推進委員会、ユーザーネットワークシステム委員会、ワイヤレスビジネス委員会、マルチメディア通信委員会、グローバル戦略委員会(小池研究会、中国アジア情報通信研究会)、通信品質委員会、電磁妨害対策技術委員会、適合性評価委員会、QMS委員会、環境委員会、総務協議会 p3 2.情報通信アクセス協議会の設立経緯と目的 旧郵政省、旧厚生省の提言により、CIAJが設立発起事務局となり、1998年に発足。 障害者・高齢者を含む全ての者が電気通信設備及びサービスを円滑に利用可能なものとする(アクセシビリティを確保する)ことを通じて、我が国の電気通信の均衡ある発展に貢献することを目的とする。 p4 3.情報通信アクセス協議会の体制(2022年6月現在) 情報通信アクセス協議会 会長:齊藤忠夫(東京大学名誉教授) 事務局:一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会 提供者部会 部会長:小坂直敏(東京電機大学教授) 利用者部会 部会長:君島淳二(公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会) 調整作業班 電気通信アクセシビリティ標準化委員会 JIS X 8341-4原案作成 電気通信アクセシビリティ標準化検討WG 電気通信アクセシビリティ国際提案等対応委員会 ITU-T等国際提案に関する検討 ウェブアクセシビリティ基盤委員会 JIS X 8341-3原案作成 WG1 理解と普及 WG2 実装 WG3 試験 WG4 翻訳 総務省・厚生労働省・経済産業省(オブザーバ) p5 4.情報通信アクセス協議会の活動(1) (1)電気通信設備及びサービスのアクセスビリティガイドライン制定と普及 電気通信設備及びサービスの企画・開発・設計にあたってアクセシビリティ上、考慮すべき事項について自主的指針として規定 ・アクセスビリティガイドライン制定 「障害者等電気通信設備アクセシビリティガイドライン第1版」の制定(2002年7月) ・アクセシビリティシンボルマークの制定 商品選択の容易性等を目的にパンフレット、取扱説明書、製品本体等に記載 Uはユニバーサルであることを現し、2つの●は、人と人の触れ合い、コミュニケーションや、作り手と利用者の良好な関係を表現しています。 p6 4.情報通信アクセス協議会の活動(2) アクセシビリティ考慮商品例 IPテレホンUD(UD-標準電話機) NTT東日本、NTT西日本 らくらくスマートフォン2 NTTドコモ 骨伝導レシーバマイク Sound Leaf NTTドコモ p7 4.情報通信アクセス協議会の活動(3) (2)電気通信設備及びサービスのアクセスビリティの標準化への取り組み JIS規格策定 情報通信アクセシビリティに関するJIS規格原案作成 ・2005年初版制定:JIS X 8341-3,JIS X 8341-4原案作成 ・2018年改定:アクセシビリティ向上に向けた記述の追加 ・電話リレーサービス制度化によるJIS X 8341-4改定(作業中) JIS X 8341-1 高齢者・障害者等配慮設計指針 情報通信における機器、ソフトウェア及びサービス 第1部:共通指針 JIS X 8341-2 第2部 情報処理装置 JIS X 8341-3 第3部 ウェブコンテンツ 情報通信アクセス協議会で原案作成 JIS X 8341-4 第4部 電気通信機器 情報通信アクセス協議会で原案作成 JIS X 8341-5 第5部 事務機器 JIS X 8341-6 第6部 対話ソフトウェア JIS X 8341-7 第7部 アクセシビリティ設定 p8 4.情報通信アクセス協議会の活動(4) アクセシビリティの向上 2018年に改正したJIS X 8341-4では、アクセシビリティの向上に向け、記述を追加した。これはスマートフォンのアプリケーション操作画面にも適用される。 <引用(抜粋)> 電気通信アクセシビリティ開発者が,電気通信機器の電気通信アクセシビリティを確保し,向上させるために守らなければならないこと a)高齢者・障害者等が可能な限り独力で電気通信機器を利用できるようにする。 注記3 アクセシビリティを十分に確保するためには,人的支援が必要な場合がある。ただし,アクセシビリティ確保のための解決手段は,個別の人的支援(支援者,家族による支援など)を利用することを前提としないことが望ましい。 p9 4.情報通信アクセス協議会の活動(5) 電話リレーサービス制度化 令和2年6月、「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律(令和2年法律第53号)」が制定(同年12月1日施行)され、公共インフラとしての電話リレーサービスが制度化 →JIS X 8341-4 付属書Aで定義されている「電話リレーサービス」に関する記述を本文で明確にすべく、原案を作成中。 附属書A (参考)電気通信サービスに関する配慮事項 (抜粋) A.3.1.3 メディア変換 メディア変換サービス(音声から文字,文字から音声など)を、できる限り提供することが望ましい。 例1 音声による通信が利用できない聴覚言語障害者等のために電話リレーサービスが提供されている。 注記.電話リレーサービスとは,オペレータを介して,テキスト通信と音声通信とを仲介するサービスである。オペレータはテキストによる通信をする聴覚言語障害者等(以下,テキスト通信者という。)とのテキスト通信と,その人と会話をする音声による通信をする相手(以下,音声通信者という。)との音声通信を同時に行う。さらに,テキスト通信者が入力した文字を読み上げ,音声通信者に伝える。逆に,音声通信者の話した内容をそのまま文字入力してテキスト通信者に伝える。また,テキスト通信の代わりに,テレビ電話を使って,手話を用いる利用者と音声通信者とをリレーするサービスもある。この場合のオペレータは,手話通訳者となる。 例2 電子メールを音声合成で読み上げ,電話などで聞けるサービスが提供されている。 p10 5.今後の取り組み 情報通信アクセス協議会は、今後も情報通信機器・システムのアクセシビリティの向上に取り組んで行きます。 1.新たなスマートデバイス等を見据えた電気通信機器アクセシビリティ規格 (JIS X 8341-4)の改版と活用 2.Uマークの活用拡大の検討 3.ウェブアクセシビリティ規格(JIS X 8341-3)の理解と普及拡大 4.ITU-T等での国際標準化とITU-Dでの日本の取り組みのアピール