参考資料2 【参考資料2】日本視覚障害者団体連合 弱視部会「弱視者の困り事 資料集」 主な事例 p1 テーマ ウェブサイトアプリ(資料集第6号) ジャンル 文字色や背景色、デザイン 主な事例 ※一部の事例は要約したものを掲載している。 ウェブサイトでグレーや中間色といったデザイン的に凝った配色をしていると、文字や背景の色を反転させても文字等が読みにくいことがある。弱視者(ロービジョン)としては、お洒落なものより見やすさを優先してほしい。 もしかしたら、自分が弱視(ロービジョン)であると気付いていない人が、デザインが凝っているホームページを閲覧したら、文字が書いてある部分に気付かず、大切な部分を見落としてしまうかもしれない。誰にとっても見やすいウェブサイトやアプリを広めてほしい。 テーマ ウェブサイトアプリ(資料集第6号) ジャンル アイコンや絵文字、スタンプ等の画像 主な事例 ※一部の事例は要約したものを掲載している。 LINEの絵文字やスタンプを利用しようと思っても、スマートフォンの画面で小さく表示されていて、目当てのものが見つけられない。そのため、絵文字やスタンプに代替テキストを付加させておき、内容を読んでくれる仕組みがあるとよい。 ここ最近、スマートフォン用のアプリでは、設定に関するものは「歯車」のアイコン、検索に関するものは「虫眼鏡」のアイコンになっていて、何でも絵のアイコンで表現することが多い。こういったアイコンは、弱視者(ロービジョン)が見ると、人によっては「歯車」が「少しギザギザした丸の絵」に見えるかもしれない。こういった絵のアイコンがあることで、目的のアイコンが見つけられない弱視者(ロービジョン)もいるだろう。 テーマ ウェブサイトアプリ(資料集第6号) ジャンル 入力方法 主な事例 ※一部の事例は要約したものを掲載している。 色々な自治体や企業のホームページから手続きや申し込みを行っていると、ホームページによっては入力画面の配色、ボタン・アイコン等のデザイン、入力に関する説明文章が違っていて、記入する所が見つけられなかったりすることがある。全てを統一してほしいとは言わないが、弱視者(ロービジョン)にとっては、内容が統一されていた方が探しやすく、記入もしやすいので、一定の基準や規格を作ってほしい。 テーマ ウェブサイトアプリ(資料集第6号) ジャンル 画像認証やパズル認証 主な事例 ※一部の事例は要約したものを掲載している。 ウェブサイトで申し込みの手続きをしていて、最後に画像認証やパズル認証等があると、私は完全にお手上げです。アカウントの作成等の簡単な会員登録でも、この認証が出てくるので困っている。視覚障害者が入力できる代替手段を用意してほしい。 テーマ ウェブサイトアプリ(資料集第6号) ジャンル 掲載内容 主な事例 ※一部の事例は要約したものを掲載している。 ウェブサイトで情報を得ようとすると、図や表、写真で説明しているものが多く、視覚障害者の大半はその情報を得ることができない。特に、商品を紹介するものだと、ヴィジュアルを重視した写真を多用しており、弱視者(ロービジョン)にとっては読みにくいものが多い。こういった情報を掲載する際は、図や表、写真と併せて言葉や文章で分かりやすく伝えるようにしてほしい。 自治体や企業のホームページ等では、資料やチラシを掲載する時、PDF版だけを掲載することが多い。そして、大半のものは、視覚障害者には音声で読み取れなかったり、デザインが複雑で読むことができないものが多い。これは困るので、PDF版と併せてテキスト版を掲載してほしい。 テーマ ウェブサイトアプリ(資料集第6号) ジャンル フォント 主な事例 ※一部の事例は要約したものを掲載している。 近年、掲載内容の読みやすさを考慮したホームページが増えてきている。ただ、ホームページによって使用しているフォントはバラバラになっている。恐らく、ホームページを作っている人が「このフォントが誰にでも読みやすいだろう」と思ったものを採用しているのだろう。ただ、弱視者(ロービジョン)は人によって読みやすいフォントが違うので、ホームページの提供側でそれぞれの考えでフォントを決められてしまうと、結果的に弱視者(ロービジョン)にとって読みにくいものになってしまう。 弱視者(ロービジョン)は、人によって読みやすいフォントが違うので、それぞれが読みやすいフォントに変えられることが理想だと思う。情報を提供する側がフォントを決めるのではなく、情報を得る側が読みやすいフォントに変えたり、選べたりすることが大切だと思う。 テーマ ウェブサイトアプリ(資料集第6号) ジャンル アップデート 主な事例 ※一部の事例は要約したものを掲載している。 OSのアップデートをしているかどうかは、画面上では何らかの動きがあり、分かる人には分かるのかもしれないが、視覚障害者には分かりにくいものだ。アップデートしていることを視覚障害者にも分かるようにしてほしい。 テーマ ウェブサイトアプリ(資料集第6号) ジャンル 経済的支援 主な事例 ※一部の事例は要約したものを掲載している。 スマートフォンやタブレットが世界中で浸透し、視覚障害者の中でも生活必需品になりつつある。ただ、これらは金額が高いことから、自治体から費用の補助を受ける「日常生活用具給付等事業」の品目に入れてほしいという声が根強い。実際、一部の自治体では、これらを日常生活用具として認めているので、全国で認められるようになってほしい。 テーマ オンライン会議(資料集第5号) ジャンル 会議の開催方法 主な事例 ※一部の事例は要約したものを掲載している。 見ることを前提とした会議等をオンライン会議で開催することは、視覚障害者にとっては大変困ることだ。それこそ、画面共有で資料を映しても、多くの視覚障害者はその資料を見ることができないので、会議の中で置いてきぼりになってしまう。 テーマ オンライン会議(資料集第5号) ジャンル 録音機能 主な事例 ※一部の事例は要約したものを掲載している。 Zoomには録音機能があるが、主催者側で録音を開始すると、参加者側の画面に録音の同意を求める確認画面が出てきて、これに了承しないとミュートを解除できないため、会議で発言できないことがあった。これは、音声だけで確認しているユーザーには分かりにくい動作だ。 テーマ オンライン会議(資料集第5号) ジャンル チャット 主な事例 ※一部の事例は要約したものを掲載している。 仕事でオンライン会議に出席していると、オンライン上の会話の裏で、参加者がチャットでやりとりをしていて、そのチャットの内容を理解しながらでないと会議に参加できないことがある。視覚障害者がオンタイムでチャットの内容を把握するのは難しいので、大変困っている。 p2 テーマ オンライン会議(資料集第5号) ジャンル アップデート 主な事例 ※一部の事例は要約したものを掲載している。 以前利用していたオンライン会議用アプリは、アプリのバージョンが変わったら、スクリーンリーダーでの読み上げができなくなり、私の周りではこのアプリを使う人がいなくなった。視覚障害者にとって、これらのオンライン会議用アプリが音声で確認できるかどうかは大変重要なことだ。 テーマ 金融機関(資料集第5号) ジャンル 代筆拒否 主な事例 ※一部の事例は要約したものを掲載している。 地元のある銀行で代筆のお願いをしたら、「代筆はやってはいない。時間がかかる。」と言われ、自分で書くことになった。銀行側から指図され、細かい部分まで書かされ、とても時間がかかった。やっと書き終えたと思ったら、他の書類にも記入を求められ、仕方がないので、自宅に帰って拡大読書器を使って記入することにした。そして、再度銀行へ行ったら、キャッシュカードを受け取るにはもう一つ記入が必要と言われた。しょうがないので通帳にだけ入金してもらった。結局、窓口の行員からは、代筆等の手助けは一切受けられなかった。 銀行側は「全盲の人は困っているけど、弱視(ロービジョン)の人はそれほど困っていない」といった偏見があるのかもしれない。銀行側には、様々な見え方の視覚障害者がいることを理解してほしい。 テーマ 金融機関(資料集第5号) ジャンル 利用明細 主な事例 ※一部の事例は要約したものを掲載している。 拡大読書器を使って通帳を読んでいるが、銀行の通帳は印字が薄く、拡大読書器では読むことができないことがある。もっと濃い文字で印字してほしい。 私はデータで見たいから、明細をメールで送ってくれるサービスがあると良いと思う。もちろん、ネットバンキングやアプリから見れるのかもしれないが、これらは入力が難しいため、私の中で面倒くささがあり、少しハードルを感じている。 テーマ 金融機関(資料集第5号) ジャンル ATM 入力 主な事例 ※一部の事例は要約したものを掲載している。 ATMの振り込みで一番困るのは、振込先を入力することだ。そもそも、弱視者(ロービジョン)にとって入力することは大変なことで、画面に目を近づけると自分の髪や鼻がタッチパネルに当たって誤った入力をすることがある。また、入力に時間がかかるので、気付いたら元の画面に戻ってしまうこともある。 今のATMは、暗証番号の入力を間違えると、数字の配列が変わり、どこにどの数字があるか分からなくなってしまう。セキュリティーの観点から必要なことかもしれないが、弱視者(ロービジョン)にとっては困ることだ。 テーマ 金融機関(資料集第5号) ジャンル ATM 画面 主な事例 ※一部の事例は要約したものを掲載している。 ATMの液晶画面の見やすさをもっと考えてほしい。私の経験では、銀行によってATMの画面の文字の大きさや色合いが異なり、文字が大きい銀行があれば、逆に文字が小さい銀行もある。弱視者(ロービジョン)としては、自分にとって見やすいサイズ・色合いに変えられるものだと助かる。 一部の銀行のATMは、背景がグレー、文字が黒というものもある。見やすさを考えた画面設定にしてほしい。 テーマ 金融機関(資料集第5号) ジャンル ネットバンキング 主な事例 ※一部の事例は要約したものを掲載している。 どの銀行のネットバンキングが視覚障害者にとって使いやすいのかが分からない。この銀行の画面は見やすい、指紋や顔だけで認証できる、振込先の登録が多くできる等の色々な情報があり、よく分からない。 銀行によってネットバンキングのサービス、アプリの内容は異なっている。例えば、ある銀行では入出金があるとメールで教えてくれるものもある。また、ログインが視覚障害者にとって難しいとよく聞くが、顔認証が可能なものもある。私たち自身で、どの銀行のアプリが視覚障害者にとって便利なのかを整理しておく必要があるのかもしれない。