参考資料3 【参考資料3】「視覚障害者の情報機器の活用に関する実態調査」の主な結果 p1 1.調査概要 (1)事業名 視覚障害者の情報機器の活用に関する実態調査 (2)調査研究期間 令和3年1月1日から令和4年3月31日まで (3)実施団体 社会福祉法人日本視覚障害者団体連合 (4)助成団体 埼玉県民共済生活協同組合 東京都民共済生活協同組合 全国労働者共済生活協同組合連合会 (5)調査目的 本事業は、ICT機器を利用している視覚障害者及び利用することが困難な視覚障害者の現状と課題を把握し、社会全体がデジタル化へ進む中で視覚障害者が取り残されることの無いよう、「誰一人取り残されない」の実現に向けての方策を検討する。 (6)調査内容 視覚障害者のICT機器の利用状況及び課題やニーズを把握することを目的とした「視覚障害当事者調査」。 地域生活支援事業の「障害者ICTサポート総合推進事業」の対象である都道府県、政令指定都市、中核市を対象に、「ICTサポートセンター」等のサポート体制の実態、課題等を把握することを目的とした「自治体アンケート調査」。 視覚障害者のサポート体制・支援状況やICT機器のアクセシビリティの現状等を把握することを目的とした「ヒアリング調査」。 (7)出典情報 http://nichimou.org/all/news/other/2230531-jouhou/ p2 2.当事者調査の結果 有効回答数:853名 (1)デジタル化が進む中でICT機器の利用を前提とした手続きや情報のやりとりで困ることはありますか。 1 ホームページの読みにくさや手続き等で困っている 83.0% (※この数字は、結果の「困っている」「やや困っている」を集計した数字になる。) 回答数 困っている 357(41.9%) やや困っている 351(41.1%) 困っていない 43(5.0%) どちらともいえない 55(6.4%) わからない 37(4.3%) 無回答 10(1.2%) 2 ICT機器やソフトウェアを使いこなすスキルのことで困っている 68.4% (※この数字は、結果の「困っている」「やや困っている」を集計した数字になる。) 回答数 困っている 229(26.8%) やや困っている 355(41.6%) 困っていない 134(15.7%) どちらともいえない 86(10.1%) わからない 37(4.3%) 無回答 12(1.4%) 3 ICT機器やソフトウェアの購入についての経済的な問題で困っている 54.8% (※この数字は、結果の「困っている」「やや困っている」を集計した数字になる。) 回答数 困っている 181(21.2%) やや困っている 287(33.6%) 困っていない 228(26.7%) どちらともいえない 111(13.0%) わからない 36(4.2%) 無回答 10(1.2%) まとめ 視覚障害者がICT機器を使いこなして情報の取得、情報の発信を行うためには、「アクセシビリティの確保」「スキルの習得」「経済的な支援」が必要であることが読み取れる。 p3 (2)「誰一人取り残さない」デジタル化に必要な取り組みには何が必要だと思いますか。 ICT機器を行政の補助で購入できる仕組み 67.6% お住いの地域で機器の操作を学べる環境整備 76.6% ICT機器の端末の操作の簡素化 63.3% アプリ等の使用しやすさ 76.1% 特にない 1.4% その他 18.9% 無回答 2.6% まとめ 次の順で課題があることが分かった。 お住いの地域で機器の操作を学べる環境整備が必要 76.6% アプリ等の使用しやすさが必要 76.1% ICT機器を行政の補助で購入できる仕組みが必要 67.6% ICT機器の端末の操作の簡素化が必要 63.3% 「デジタル化」の推進の中で、視覚障害者が情報の取得、情報の発信を行うためには「人的支援」「アクセシビリティの確保」「バリアフリー化」「経済的支援」が必要であることが読み取れる。 p4 3.自治体調査の結果 有効回答数:124自治体(回収率96.1%) (1)地域生活支援事業の「障害者ICTサポート総合推進事業」を実施していますか。 1 全体の結果 実施している:34.7% 実施の予定はない:55.6% 回答数 実施している 42 実施に向けて作業中 2 実施について検討中 5 実施の予定はない 69 その他 5 無回答 0 2 都道府県、政令指定都市、中核市別の結果 都道府県での実施率は80.0%と高いが、政令指定都市は33.3%、中核市は1.6%となっている。 <表 1-2 事業の実施状況> 都道府県 実施 36件(80.0%) 作業中 1件(2.2%) 検討中 0件(0.0%) 予定なし 7件(15.6%) その他 1件(2.2%) 総数 45件(100.0%) 政令指定都市 実施 6件(33.3%) 作業中 1件(5.6%) 検討中 3件(16.7%) 予定なし 6件(33.3%) その他 2件(11.1%) 総数 18件(100.0%) 中核市 実施 1件(1.6%) 作業中 0件(0.0%) 検討中 2件(3.3%) 予定なし 56件(91.8%) その他 2件(3.3%) 総数 61件(100.0%) 総数(計) 実施 43件(34.7%) 作業中 2件(1.6%) 検討中 5件(4.0%) 予定なし 69件(55.6%) その他 5件(4.0%) 総数 124件(100.0%) まとめ 中核市で 「障害者ICTサポート総合推進事業」の実施率が低いことを考えると、身近な地域でサポートを受けたいと望む視覚障害者のニーズに即していないことが分った。