表紙 平成29年度体制整備事業報告(アドバイザー報告) 内閣府障害者差別解消法アドバイザー 又村あおい p2 今日お話すること 1 今年度のアドバイザー派遣といただいた主なご質問など 2 地域協議会を安定的に開催していくためには、何をどうすれば良いのか p3 今年度のアドバイザー派遣と、いただいた主なご質問など p4 今年度のアドバイザー派遣について 1. 今年度のアドバイザー派遣も、主に地域協議会の立ちち上げや運営に関することがテーマ 2. 又村がお伺いした⾃治体は次のとおり 3. 又村以外のアドバイザーがお伺いした⾃自治体については、別添「アドバイザー派遣実施状況」をご参照ください 滋賀県大津市/東京都野市/愛知県半半田市/広島県廿日市市 p5 アドバイザー派遣でのご質問など 1. 窓⼝レベルにおける差別や合理的配慮の認識が不十分だと、相談している人は多いのに「差別事案なし」と扱われてしまわないか 2. 地域協議会の開催頻度はどれくらいが適当なのか。そもそも「年○回」のように定期開催を前提とするものなのか 3. 障害のある従業者に対する差別や合理的配慮の案件は地域協議会の議題となるのか p6 アドバイザー派遣でのご質問など 4. 障害者差別解消に向けた啓発について、研修会などを開いても固定メンバーになりやすいが、どうしたら初めての人を取り込めるか 5. 地域協議会にはなるべく多くの関係機関に参画して欲しいが、どのような誘い⽅、声かけが良いのか 6. グループホームなどの障害者施設建設反対運動は、地域協議会の取扱い案件となるか p7 アドバイザー派遣でのご質問など 7. 市町村における職員研修(新採⽤向け・管理職向け)の持ち方はどのようにすれば良いか 8. 障害者差別の実態把握をするためのアンケート調査を考えているが、より多くの意⾒をもらうにはどうすれば良いか 9. 障害者差別と思われる事案が発⽣しても、本人からの相談にはつながらないことが多い 10.標準的な受付票や相談フローがあると良い p8 地域協議会を安定的に開催していくためには何をどうすれば良いのか p9 又村の考えるポイント(1) 議題は両にらみ、二段構えで用意しておく 1. 地域協議会の役割は「障害を理由とする差別に関する相談及び当該相談に係る事例を踏まえた障害を理由とする差別を解消するための取組を効果的かつ円滑に行う」こと 2. そのためには障害者差別と思われる事案の解決方策などを意見交換する役割と、相談体制の整備や啓発活動などの役割がどちらも必要 p10 障害者差別解消法での規定は 【第17条・障害者差別解消⽀援地域協議会】 国及び地方公共団体の機関であって、医療、介護、教育その他の障害者の自立と社会参加に関連する分野の事務に従事するもの(以下この項及び次条第⼆項において「関係機関」という。)は、当該地⽅公共団体の区域において関係機関が⾏う障害を理由とする差別に関する相談及び当該相談に係る事例を踏まえた障害を理由とする差別を解消するための取組を効果的かつ円滑に行うため、関係機関により構成される障害者差別解消支援地域協議会(以下「協議会」という。)を組織することができる。(以下略) p11 又村の考えるポイント(2) 事案解決に向けた協議はアイディア勝負で 1. 個別の相談事案に関する協議では、差別的取扱いであれば法の遵守を確保する⽅策が中心、合理的配慮の提供であれば想定される配慮のあり方や実効性の担保が中心となる 2. いずれの場合も、単に原則論で迫るだけではなく、実質的に、双方が受入れ可能な形で前向きな方向へ進めることが重要 p12 又村の考えるポイント(3) 事案がなければ架空事例でも問題なし 1. 個別具体の相談案件が出てこないから地域協議会を開かない・・では、構成員にも事務局にもノウハウが蓄積されず、実働を期待できず 2. 事例検討は実例でなくても構わないので、構成員から過去の事例や架空の事例を挙げてもらう方法も有効(ゆえに障害者構成員が重要) 3. そこで出された意⾒は、貴重なデータベースに p13 又村の考えるポイント(4) 新しい法律だから、スタートアップは丁寧に 1. たとえば、障害者差別の実態把握調査(アンケート・ヒアリング)項⽬を議論する(障害特性に応じた項目、合理的配慮のデータベースにつながるような項⽬など) 2. たとえば、実態把握を踏まえた法の普及啓発活動を議論する(法律の説明は障害特性ごとに行うべきか、障害当事者に何を話してもらうか) p14 又村の考えるポイント(4) 新しい法律だから、スタートアップは丁寧に 3. たとえば、窓⼝応対する際の共通受付シート様式を議論する(体裁や盛り込む内容をどうするか、障害者差別だけでなく前広に⽣活課題を受け止める様式とするか) 4. たとえば、相談を受けてから事案が終結するまでのフローを議論する(地域で使える紛争解決手段の共有、権限⾏使の段取り確認) p15 又村の考えるポイント(4) 新しい法律だから、スタートアップは丁寧に 5. たとえば、市町村職員(新採⽤・管理職など)向け研修のコンテンツを議論する(職員に求められる対応、障害当事者の登壇) 6. たとえば、法を周知するパンフレットやハンドブックの内容を議論する(全体の分量、障害特性に応じた分かりやすい配慮の見せ方) 7. たとえば、職員対応要領の⾒直しを議論する p16 又村の考えるポイント(5) それでも議題がない・・ということであれば 1. 差別解消法第3条では、市町村に対して障害者差別の解消に向けて「必要な施策を策定し、及びこれを実施しなければならない」と規定 2. とすれば、施策の策定に関する意⾒聴取と実施した施策の取組み報告をする場が必要では? 3. 少なくとも年に1回は取組みの年度報告という議題が確保されているということ p17 障害者差別解消法の概要(第3条) 国及び地方公共団体の責務 (国及び地⽅公共団体の責務) 第三条国及び地⽅公共団体は・・障害を理由とする差別の解消の推進に関して必要な施策を策定し、及びこれを実施しなければならない。 第3条は、国・都道府県・市町村の責務として、障害者差別の解消に関する施策を策定、実施しなければならない規定(地域の実情に応じて、障害者差別解消に関する条例(いわゆる上乗せ・横出し条例)を制定することも含む) p18 以上をまとめるとこんな感じ 1. 窓⼝等での対応のばらつきが生じないような情報や注意点などの共有 2. 障害者へのアンケートなどによる差別実態や望ましい合理的配慮の把握 3. ⺠間事業者、⾏政へのアンケートなどによる合理的配慮事例などの収集 4. アンケート等も踏まえた、効果的な差別解消法の広報周知や普及啓発、研修会やフォーラム開催の検討 p19 以上をまとめるとこんな感じ 5. 事例の収集を通じた合理的配慮、建設的対話に向けたアイディアの蓄積と、それを踏まえた、対応困難事例における合理的配慮や建設的対話の促進(助⾔や情報提供など) 6. 見過ごせない差別と判断した場合の事案解決の後押し(紛争解決⼿段の情報提供など) 7. 特にグループホームなどの建設に関する反対運動や地元同意問題への対応(啓発など) 8. 法第3条関係の施策検討や進捗状況報告 p20 昨年度もお話しましたが・・ 1. 窓⼝ごとに対応がばらつき、要らぬトラブルを招く(同⼀組織としては⼤問題) 2. 障害福祉担当部署(問題発⽣部署)が課題解決のすべてを背負わなければならなくなる 3. 合理的配慮や建設的対話のレベルが上がらない、行政・事業所側、障害のある人側双方の理解(法の理解を含む)が進まない 同じ問題が繰り返されてしまう p21 地域協議会を広めるために 福祉分野は市町村の業務負担がとりわけ重くなっている分野なので、都道府県・内閣府のバックアップが求められる 全国各地で地域協議会が設置され障害の有無に関係なく、住みよいまちが増えていくことを願っています p22 ご清聴ありがとうございました