p1 表紙   アドバイザー派遣事業の報告 明石市福祉局障害福祉課 共生福祉担当課長金政玉(きむじょんおく) P2   訪問自治体の現況 【沖縄市】(沖縄県) ・県の差別解消条例に基づき県作成の「公共サービス窓口における配慮マニュ アル」で職員が窓口対応等を行なうよう周知を進めている。 ・「県条例も十分に理解できない中で、法律が施行されたことにより、何を見て判断して良いかもよくわからない。」(障害当事者の声)ことがあり、現時点では先行した県条例の推進を行っている状況。 ・2月議会の施策方針に合理的配慮の提供の促進が記載できる見込み。 ・新年度からは、自立支援協議会の権利擁護部会が起案して、差別解消支援地域協議会の活動について話し合う予定。 【酒田市】(山形県) ・平成30年度中に差別解消支援地域協議会を設置。同協議会で差別解消条例を検討する。パブリックコメントを実施して平成31年9月から12月にかけて最終条例案をまとめる予定。 〇県が条例を制定しており、市でさらに条例を策定する必要性について検討中。(県内では条例制定済が3市町、平成30年度制定予定が3市町) P3 【諏訪市】(長野県) ・諏訪地域障がい福祉自立支援協議会の運営委員会のもとに、6つの部会(地域生活支援、療育支援、医療的ケア、就労支援、相談支援、権利擁護)を置いている。 ・権利擁護部会において、差別事例のアンケート調査等を行ってきたが、これからは差別解消支援地域協議会の活動に向けて同部会で検討し、圏域の市町でつくっている地域自立支援協議会に報告し協議ができるようにしていきたい。 ・差別解消支援地域協議会を設置する場合、ネットワークのつくり方、とくに関係機関が多岐に渡るため、参集機関をどのように広げていくか検討している。 【八潮市】(埼玉県) ・八潮市自立支援協議会と3つの部会(はたらく・相談支援・居住)の間で「運営会」をおいて、差別解消支援地域協議会の活動ができるようにしていく。 ・運営会は年12回の開催予定になので、3回から4回を地域協議会の会議にあて、構成機関をどこまで広げるか検討している。 【中野区】(東京都) ・平成31年度中野区障害者自立支援協議会の専門部会として、新たに「障害者差別解消部会」を設置する。 ・同部会に、障害者差別解消支援地域協議会の役割を担わせ、差別解消に向けた事項の協議の場とする。 P4   主な説明 ・障害者差別解消法の背景(障害者権利条約、社会モデルの考え方等) ・差別解消法の主な概要(社会的障壁と障害を理由とする差別について(不当な差別的取扱い、合理的配慮の不提供、差別解消支援地域協議会の役割など) ・明石市の差別解消の取り組み事例について ※障害者配慮条例の制定までの取り組み ※条例施行後の取り組み ・明石市の地域づくり協議会の運営の反省とこれからの方向性について ※協議会の構成員がより積極的に協議会の運営に参画できるようにしていくために ・明石市の経験を踏まえ、地域協議会の運営と主な活動について以下の点に言及。 ※地域協議会の運営に関する留意点(相談事例の協議の場合など) ※合理的配慮の好事例(お店の利用など)に関する情報の地域への発信や共有 ・地域協議会の全国的な設置状況(内閣府資料平成28年10月)の報告と、地域の実情に適した構成機関の絞り込みについて ・地域協議会の運営の核となる事務局の在り方について ※障害者の権利擁護に積極的な社会福祉法人やNPO法人等と協働して事務局機能を充実させることも考えられる。(参考:「障害者差別解消地域協議会の設置・運営等に関するガイドライン」平成29年5月/内閣府政策統括官) P5   【コメント】 1市区町村レベルの障害者差別解消支援地域協議会(以下「地域協議会」と略)の設置は、現状では、当該市区町村の自立支援協議会の運営の中に位置づけられる傾向が目立つ(専門部会方式、運営会方式) 2上記のように、自立支援協議会の部会または運営会で地域協議会の活動を担う場合には、少なくとも最初の1年くらいは差別解消のベースとなる差別事例(地域の差別事例の募集やアンケート調査等で集めた事例など)を題材に適切な理解と対応ができるための学習トレーニングに重点的に取り組むことが必要(助言者については、地元に適任者がいなければ、当該都道府県と内閣府で連携して派遣ができるようにする)。 3構成機関については、地元の実情を踏まえて最初は協力してもらいやすい事業者、例えば商工会議所、商店街連合会や自治会役員などになってもらう。 42年から3年任期で交代をする任期満了の構成機関も地域協議会の外枠(周辺)にネットワークをつくり、例えば年1回の(仮称)「差別解消・共生のまちづくりフォーラム」の開催などに参加してもらい、何かあったときには継続的に連携・協力していく。 P6   明石市障害者に対する配慮を促進し誰もが安心して暮らせる共生のまちづくり条例 (作業者注:以下ポンチ絵)   第1章 総則(第1条から第7条) ・基本理念 1障害を理由とする差別を解消するにあたっては、障害のある人とない人との権利の平等が最大限尊重されなければならない。 2共生社会の実現は、障害のない人も含めたすべての人の問題として認識し、相互理解と人格の尊重を基本として行われなければならない。 3障害を理由とする差別の解消は、差別する側とされる側がお互いを一方的に非難するのではなく、ともに協力し合う事によって実現しなければならない。 4合理的配慮の提供は、障害のある人もない人も等しく基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられることを基本として行われなければならない。 ・市の責務〜積極的な合理的配慮の提供支援〜 1合理的配慮の提供のあり方について積極的に調査及び研究し、率先して合理的配慮の提供を行う。 2市民、事業者、及び行政機関等が合理的配慮の提供を行うための支援(合理的配慮の提供支援)を行う。 3市民及び事業者の協力を得て、障害に関する理解に関する取組を行う。 4障害を理由とする差別の解消に関する相談を受け、紛争解決に向けて必要な支援を行う。 ・市民・事業者の役割 基本理念に対する理解を深め、合理的配慮の提供支援をはじめとする障害を理由とする差別の解消に関する取組の普及及び啓発を市と協力して取り組むよう努める。   第2章 合理的配慮の提供支援及び障害理解の啓発(第8条・第9条) 合理的配慮の提供支援 市は、市民、事業者及び行政機関等が合理的配慮の提供を容易に行うことができるよう、合理的配慮の提供支援に関する施策を実施。 合理的配慮の提供に伴う経済的な負担の一部を公的に助成 ・点字メニューなどのコミュニケーションツールの作成にかかる費用 ・折りたたみ式スロープや筆談ボードなどの物品の購入にかかる費用 ・手すりやスロープの工事施工にかかる費用 ※要綱で実施 ・障害理解の啓発 障害と障害者に対する市民の理解を深めるため、障害理解に対する研修などの必要な取組を行う。 ・高齢者大学での研修 ・小学校手話教室(手話言語コミュニケーション条例) ・市民フォーラムの開催 障害のある者とない者との相互理解を深めるため、交流の機会を提供するなどの必要な取り組みを行う。 ・タウンミーティングを開催し当事者の声を聴く P7 ・不当な差別的取扱い 正当な理由なしに、障害又は障害に関連する事由を理由として、障害者を排除し、その権利の行使を制限し、その権利を行使する際に条件をつけ、その他障害者に対する不利益的な取り扱いをすること。 ・合理的配慮の提供 1その生涯のある人が困っていそうだな、と思われるとき 2障害のない人と同じ権利を行使できるようにするため 3ご本人の意思を尊重しながら 4性別、年齢、障害の状況に応じて、必要かつ適切な措置を講じる。 ※その実施が、措置を行う者にとって、社会通念上相当な範囲を超えた過重な負担をならない程度で。 ◆差別=「不当な差別的取扱」+「合理的配慮の提供をしないこと」 何人も、障害を理由とする差別をしてはならない(第10条)。   第3章 障害を理由とする差別の解消(第10条〜第15条)      第2節 障害を理由とする差別の解消に関する施策 相談助言 ・障害者、家族等関係者、事業者は、市等へ障害を理由とする差別に関する相談ができる。 ・内容に応じて相談員が解決に向けた助言、調整を行う。 あっせん申立 ・相談・助言で解決しない場合は、障害者、その関係者からの申立によってあっせん手続きに移行する。 ・あっせん手続きは、第三者委員会(地域協議会あっせん部会)が行う。 勧告公表 ・一部悪質事業者については、明石行政手続条例の手続等による手続保障を行ったうえで、勧告し、公表することがある。 ※勧告公表まで完了しても、障害を理由とする差別が解消されていない場合は、市長は引き続き差別解消に向けた対応をすることができる。   第3節 明石市障害者の差別の解消を支援する地域づくり協議会 障害を理由とする差別に関する地域課題について、明石市を中心とした地域ぐるみで解決できる協議会を立ち上げる。 【所管事項】 ・障害を理由とする差別を解消するために必要な施策について支庁に意見を述べること。 ・この条例の施策状況の検討と見直し。 ・あっせんの審理。 ・その他差別解消に必要なこと。 (作業者注:ポンチ絵ここまで) p8   (明石市)合理的配慮の提供を支援する公的助成制度について  明石市では、障害のある人もない人もともに安心して暮らせる共生のまちづくりを推進していくために、商業者や地域の団体が障害のある人に必要な合理的配慮を提供するためにかかる費用を助成する。 1制度を利用できる団体 @商業者など民間の事業者 A自治会など地域の団体 Bサークルなどの民間団体 2助成の対象になるもの 合理的配慮が簡単に提供できるようにするためのもので、以下にあたるもの ・コミュニケーション ツールの作成 点字メニュー、チラシの音訳、コミュニケーションボードなど上限額5万円 ・物品の購入 折りたたみ式スロープ筆談ボードなど上限額10万円 ・工事の施工 簡易スロープや手すりなどの工事の施工にかかる費用上限額20万円 p9     参考資料 合理的配慮の提供支援 p10     合理的配慮の提供を支援する公的助成制度(自治体一覧※1)(2019年(平成31年)現在) 自治体:明石市(兵庫県) 対象団体:事業者、自治会園が市長が特に必要と認める団体 助成メニューの例※()は限度額:点字メニュー、チラシの音訳など(5万円)折りたたみ式スロープ、筆談ボードなど(10万円)スロープや手すりなど簡易な工事(20万円)施行日:2016年(平成28年)4月1日 根拠規定:明石市障害者配慮条例第8条 自治体:加古川市(兵庫県) 対象団体:事業者(飲食、物販、医療など)、市民参加のイベント運営団体 助成メニューの例※()は限度額:点字メニュー、チラシの音訳、筆談ボード、折りたたみ式スロープ、車いす昇降機など(5万円)/スロープや手すりなど簡易な工事(20万円)/イベント等への手話通訳者・要約筆記者の派遣(3万6千円)施行日:2017年(平成29年)6月20日 根拠規定:障害者差別解消法 第8条2項 自治体:苫小牧市(北海道) 対象団体:事業者(飲食、物販、医療など) 助成メニューの例※()は限度額:点字メニュー、会話ボードなど(5万円)/筆談ボード、折りたたみ式スロープ、簡易様式トイレなど(10万円)/階段や便器等の手すりの設置工事(20万円)※補助率は対象経費の2分の1額  施行日:2018年(平成30年)4月1日  根拠規定:障害者差別解消法 第8条2項 自治体:茨木市(大阪府) 対象団体:事業者(飲食、物販、医療など) 助成メニューの例※()は限度額:@点字メニュー、会話ボードなど(5万円)/筆談ボード、折りたたみ式スロープ、高さ可動式テーブルなど(10万円)/手すりの設置やドアの改修・取替工事(20万円) 施行日:2018年(平成30年)4月1日 根拠規定:茨木市共に生きるまちづくり条例第4条 自治体:所沢市(埼玉県) 対象団体:事業者(飲食、物販、医療など) 助成メニューの例※()は限度額:1点字メニュー、コミュニケーションボードなど(1万円)/2筆談ボード、折りたたみ式スロープなど(3万円)/3スロープ、手すりの設置などの工事(10万円)※1・2は全額補助、3は半額補助 施行日:2018年(平成30年)7月1日 根拠規定:所沢市共に生きる社会づくり条例 第2条、第5条 p11  合理的配慮の提供を支援する公的助成制度(自治体一覧) 自治体:丹波市(兵庫県) 対象団体:事業者、自治会及び自治協議会その他市長が必要と認める団体 助成メニューの例※()は限度額:点字メニュー、コミュニケーションボードの作成費、チラシの音訳など、イベント等への手話通訳者・要約筆記者の派遣(5万円)/筆談ボード、折りたたみ式スロープなど(10万円)/ 簡易型のスロープ、手すりの設置など(20万円) 施行日:2018年4月1日から2024年3月31日 根拠規定:障害者差別解消法 第8条2項 自治体:山口市(山口県) 対象団体:事業所、事務所店舗など 助成メニューの例※()は限度額:点字メニュー、コミュニケーションボードの作成費、チラシの音訳など、筆談ボード、段差解消スロープなど(5万円) 施行日:2018年8月1日から2021年3月31日 根拠規定:障害者差別解消法 第8条2項 自治体:世田谷区(東京都)※2 対象団体:商店、事業所など 助成メニューの例※()は限度額:点字メニュー、写真付き音声コードメニュー、コミュニケーションボード等の作成費(5万円)/段差解消用簡易スロープ、筆談ボードなど(7万円) 施行日:2018年8月1日から2021年3月31日 根拠規定:実施要綱 自治体:奈良市(奈良県)※3 対象団体:事業者、自治会等 助成メニューの例※()は限度額:簡易スロープ(主に店や集会所等で段差がある場所に設置するもの)※上限5万円※補助額は2分の1額 施行日: 2018年(平成30年)8月1日 根拠規定: 新バリアフリー法第2条、第5条、第6条 ※1本「自治体一覧表」は、静岡県も含め、各自治体の交付要綱などを参考に作成、今後も追加修正等をする予定。 ※2事業名:世田谷区商店等における共生社会促進助成事業 ※3事業名:奈良市移動等円滑化推進補助事業(担当:交通政策課) p12  静岡県合理的配慮理解促進事業費補助金交付要綱(別表から) 事業の区分:講演会開催事業 事業の内容:合理的な配慮の理解の促進に関する講演会の開催に関する取組 補助対象経費:賃金、報償費、旅費、需用費、役務費、委託料、使用料及び賃借料、負担金並びに備品購入費  補助基準額:300千円 補助額:補助対象経費の実支出額から寄附金その他の収入額を控除した額以内とし、補助基準額を限度とする。  事業の区分:研修会開催事業 事業の内容:合理的な配慮の理解の促進に関する研修会の開催に関する取組 補助対象経費:賃金、報償費、旅費、需用費、役務費、委託料、使用料及び賃借料、負担金並びに備品購入費 補助基準額:300千円 補助額:補助対象経費の実支出額から寄附金その他の収入額を控除した額以内とし、補助基準額を限度とする。  事業の区分:その他事業 事業の内容:上記以外の合理的な配慮の理解の促進に関する取組であって、講演会又は研修会の開催と同程度の効果があると知事が認めるもの 補助対象経費:賃金、報償費、旅費、需用費、役務費、委託料、使用料及び賃借料、負担金並びに備品購入費 補助基準額:300千円 補助額:補助対象経費の実支出額から寄附金その他の収入額を控除した額以内とし、補助基準額を限度とする。  ※施行日:2017年(平成29年)12月1日 ※根拠規定:静岡県生涯を理由とする差別の解消の推進に関する条例(平成29年静岡県条例第17号)第2条第5号 p13  ご清聴ありがとうございました。