資料2-2   障害者基本計画(第4次) 骨格案   平成29年4月21日 (作業者注:見え消しの挿入部分は《二重山形かっこ書き》とし「挿入」と「挿入ここまで」で前後をはさんでいる。削除部分も同様にした)   はじめに  (我が国におけるこれまでの主な取組・我が国におけるこれまでの主な取組(基本法、基本計画等)  (障害者政策委員会における検討) ・障害者政策委員会における議論の経過 ・障害者政策委員会の意見取りまとめ、政府への提出  (障害者基本計画(第4次)の策定) ・(障害者政策委員会の意見を受けた)政府における案文の検討 ・パブリックコメントの実施 ・障害者基本計画(第4次)の策定  (障害者基本計画(第4次)を通じて実現を目指すべき社会) ・2020 年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会において、成熟社会における我が国の先進的な取組を世界に示し、世界の範となるべく、女性も男性も、お年寄りも若者も、一度失敗を経験した方も、障害や難病のある方も、家庭で、職場で、地域で、あらゆる場で、誰もが活躍できる社会の実現を目指す。 ・「一人ひとりの命の重さは障害の有無によって少しも変わることはない」という当たり前の価値観を国民全体で共有できる社会の実現を目指す。 ・障害者施策が国民の安全や社会経済の進歩につながる社会の実現を目指す。 ・(各委員から提示された意見や課題、障害者政策委員会の議論等を踏まえ、今後加筆予定)   Ⅰ 障害者基本計画(第4次)について  1.位置付け ・障害者基本法第11条第1項が根拠 ・政府が講ずる障害者施策の最も基本的な計画  2.対象期間 ・平成30(2018)~34(2022)年度の5年間  3.構成 ・全体の構成、各章の概要  4.障害者権利条約との関係  (1)障害者権利条約の概要 ・条約の経緯 ・条約の概要 ・条約に係る我が国のこれまでの取組    (2)障害者権利条約の基本的な考え方 ・条約の基本的な考え方(目的、社会モデル、一般原則等) ・条約の基本的な考え方を踏まえ障害者施策を講じることが重要。    (3)障害者権利条約と障害者基本計画(第4次)との関係 ・条約批准後初の基本計画であり、条約との整合性確保に重点。 ・障害者基本計画(第4次)の各分野と、条約の条項の対応関係を明確化。 ・障害者基本計画(第4次)は、条約の国内実施の強化に資するものであり障害者政策委員会による条約の国内監視機能の強化につながる。 ・今後、障害者権利委員会による条約の実施状況の対日審査(国外監視)と障害者基本計画(第4次)のPDCAサイクル(国内監視)を適切に連携させていく。   Ⅱ 基本的な考え方  1.基本理念 ・障害者権利条約の理念 ・障害者権利条約の理念に即して改正された障害者基本法の理念 ・障害者を社会のあらゆる活動に参加する主体としてとらえ、その自己実現の支援と社会的障壁の除去のための障害者施策の基本的方向を定める。  2.基本原則 ・障害者権利条約の理念に即して改正された障害者基本法第3~5条の基本原則にのっとり、障害者施策を総合的かつ計画的に実施する。  (地域社会における共生等) ・障害者の尊厳、自律及び自立の尊重を目指す障害者権利条約の理念 ・障害者権利条約の理念に即して改正された障害者基本法第3条の趣旨  (差別の禁止) ・障害者権利条約第5条(平等及び無差別)の理念 ・障害者権利条約の理念に即して改正された障害者基本法第4条の趣旨 ・第4条を具体化した障害者差別解消法については、その施行状況を踏まえ、見直しについて必要な検討を行っていく。  (国際的協調) ・障害者権利条約第32条(国際協力)の理念 ・障害者権利条約の理念に即して改正された障害者基本法第5条の趣旨 ・障害者権利条約の批准を受け、今後は国際的枠組みとの連携の推進を図っていく。  3.各分野に共通する横断的視点  (1)障害者権利条約の理念の尊重及び整合性の確保 ・障害者に係る施策、制度、事業等の策定・実施等に当たっては、障害者権利条約の理念を尊重するとともに、障害者権利条約との整合性を確保することが求められる。 ・「Nothing About Us Without Us」を原則とし、「インクルージョン」の考え方の下、障害者を社会参加の主体としてとらえ、障害者施策の策定・実施に当たっては、障害者及びその家族等の関係者の意見を聴き、尊重する。その際、障害者の社会参加は、障害者の自立にもつながることに留意する。 ・意思決定過程における障害者の参画を促進するため、審議会等で障害者の委員を選任するよう配慮する。また、障害者本人の自己決定を尊重する観点から、障害者の適切な意思決定・意思表明のため、意思決定の支援と言語(手話を含む)その他の意思疎通手段の選択機会の提供を促進する。  (2)社会のあらゆる場面におけるアクセシビリティの向上 ・障害者権利条約における「社会モデル」の考え方 ・社会モデルの考え方に照らして、障害者差別の解消に向けた社会的障壁の除去のため、障害者のアクセシビリティ向上の環境整備を図ることが重要。 ・社会のあらゆる場面でアクセシビリティ向上の視点を取り入れることを通じ、強力にアクセシビリティ向上に向けた取組を推進していく。その際、ICT等の新技術の利活用について検討を行い、可能なものについては積極的導入を推進する。 ・特に、社会のあらゆる場面において障害者差別の解消に向けた取組が行われる必要があり、障害者差別解消法等に基づき、様々な主体の取組との連携を図りつつ、事業者、国民一般等の幅広い理解の下、取組を積極的に推進する。 ・社会のあらゆる場面におけるアクセシビリティの向上と心のバリアフリー化を推進する観点から、積極的な広報啓発活動に努め、企業・市民団体等の取組を積極的に支援する。 ・審議会等の開催やパブリックコメントの実施に当たり、障害特性に配慮した適切な情報保障を実施するなど、アクセシビリティを向上させる。  (3)当事者本位の総合的かつ分野横断的な支援 ・障害者の尊厳、自律及び自立の尊重を目指す障害者権利条約の趣旨を踏まえ、障害者が各ライフステージを通じて適切な支援を受けられるよう、各分野の有機的連携の下、施策を総合的に展開し、切れ目のない支援を行う。 ・当該支援は、障害者が日常生活・社会生活で直面する困難に着目して講じられる必要があり、かつ、障害者の自立・社会参加の支援の観点から行われる必要。 ・複数の分野にまたがる課題については、各分野の枠のみにとらわれることなく、必要な連携を通じて総合的かつ横断的に対応していく必要。  (4)障害特性等に配慮したきめ細かい支援 ・障害者一人ひとりの固有の尊厳を重視する障害者権利条約の趣旨を踏まえ、障害者施策は、障害特性、障害の状態、生活実態等に応じた障害者の個別的な支援の必要性を踏まえて策定・実施する。 ・外見からは分かりにくい障害が持つ特有の事情を考慮する必要。また、状態が変動する障害は程度が分かりにくく、多様化しがちな点に留意が必要。 ・発達障害、難病、高次脳機能障害、盲ろう・重症心身障害その他の重複障害等の社会全体に対する理解の促進、施策の更なる充実が必要。  (5)性別、年齢による複合的困難に配慮したきめ細かい支援 ・障害者権利条約第6条(障害のある女子)、第7条(障害のある児童)等の趣旨を踏まえ、障害者施策は、複合的な困難に直面する障害者に対するきめ細かい配慮が求められていることを踏まえて策定・実施する。 ・女性の障害者は複合的に困難な状況に置かれる場合があり、こうした点も念頭に置いて障害者施策を策定・実施することが重要。 ・障害のある子供は成人の障害者とは異なる支援を行う必要。 ・高齢の障害者に係る施策については、障害者権利条約の理念も踏まえつつ、高齢者施策との整合性に留意して実施していく必要。  (6)PDCAサイクル等を通じた実効性のある取組の推進 ・障害者権利条約第31条(統計及び資料の収集)、第33条(国内における実施及び監視)等の趣旨を踏まえ、「Evidence-Based Policy Making」の実現に向け必要なデータ収集及び統計の充実を図るとともに、PDCAサイクルを構築し、着実に実行する。また、PDCAサイクル等を通じて施策の不断の見直しを行っていく。 ①企画 (Plan) ・「Evidence-Based Policy Making」の実現の観点から、障害当事者の実態把握を適切に行うため、必要なデータ収集や統計の充実が求められており、各府省は、適切な情報・データの収集・評価の在り方等を検討するとともに、具体的な達成目標の設定に努める。 ②実施 (Do) ・各府省は、取組の計画的な実施と、障害者の状況や障害者施策等に関する情報・データの収集・分析を行う。また、障害者の性別、年齢、障害種別等の観点に留意し、情報・データの充実を図る。 ・高齢者施策、医療関係施策、子ども子育て関係施策、男女共同参画施策等、他の施策・計画等との整合性を確保し、総合的な施策の展開を図る。 ③評価(Check) ・取組の実施状況を継続的にモニタリングしていくことが重要であり、各府省は、その実施状況及び効果の把握・評価を行う。また、施策の実施に当たり課題や支障が生じている場合は、その円滑な解消に資するよう、具体的な要因について必要な分析を行う。 ・障害者政策委員会は、政府全体の見地から本基本計画の実施状況の評価・監視を行う。 ④見直し(Act) ・各府省は、取組の実施状況や効果に係る評価結果を踏まえ、取組の見直しを行う。必要がある場合は、所要の法制的な整備を含め検討を行う。 ・障害者政策委員会は、本基本計画の実施状況の評価・監視の結果を踏まえ、必要に応じ勧告を行う。その結果によっては、必要に応じ、基本計画を柔軟に見直すこととする。また、障害者政策委員会の円滑かつ適切な運営のため、事務局機能の充実を図る。 ・調査により得られた知見については、基本計画の推進状況の評価及び評価を踏まえた取組の見直しへの活用に努める。  4.施策の円滑な推進  (1)連携・協力の確保 ・政府の障害者施策を一体的に推進し、総合的な企画立案及び横断的な調整を担保するため、各府省相互間の緊密な連携・協力を図る。 ・障害者の地域移行を推進する観点から、障害者が、必要なときに必要な場所で、地域の実情に即した適切な支援を受けられるよう、適切な役割分担の下、地方公共団体との連携・協力体制の一層の強化を図る。また、地方公共団体において優良かつ先進的な取組やモデルを実施している場合は、その知見も活かして施策を展開することが重要。 ・障害者団体、専門職による職能団体、企業、経済団体等の協力を得るよう努めるとともに、基本計画の推進に当たり、これらの団体等との情報共有等の一層の促進を図る必要。 ・国際機関、諸外国政府等との連携に努めるとともに、関係行政機関相互の緊密な連携の下、障害者権利条約の国内実施に十分留意しつつ、持続可能な開発目標(SDGs)の実施を総合的かつ効果的に推進する。 ・障害者政策委員会において、必要がある場合は、他の審議会等との必要な情報共有について検討を行う。  (2)理解促進・広報啓発に係る取組等の推進 ①重点的に理解促進等を図る事項 ・「命の重さは障害の有無によって少しも変わることはない」という当たり前の価値観を社会全体で共有し、障害者と障害のない者が、お互いに自然な態度で接することが日常となるように、国民の理解促進に努める。 ・共生社会の理念や障害者権利条約の「社会モデル」について必要な広報啓発を推進する。 ・2020年オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会を通じて実現を目指す共生社会の姿について広く発信を行い、パラリンピックに向けた国民の機運を醸成するとともに、障害者施策の意義について更なる理解の促進を図る。 ・「心のバリアフリー」を推進する。 ・知的障害、精神障害、発達障害、難病、盲ろう、高次脳機能障害など、より一層の国民の理解が必要な障害や、外見からは分かりにくい障害について、その障害特性や必要な配慮等に関する理解の促進を図る。 ・視覚障害者誘導用ブロック、身体障害者補助犬、障害者用駐車スペース等について周知を図る。 ・関係する事業者等の協力の下、障害者団体等が作成する啓発・周知のためのマーク等の情報提供、普及、理解促進を図る。 ・ボランティアに対する理解促進、活動支援に努めるとともに、企業等の社会貢献活動への理解・協力を促進する。 ②理解促進等に当たり配慮する事項 ・障害当事者以外に対する訴求も重要であることに留意しつつ、障害者や障害者団体等を始めとする多様な主体との連携による幅広い広報・啓発活動を計画的かつ効果的に推進する。その際、効果的な情報提供や、国民の意見の反映に努める。 ・地域社会における障害者への理解を促進する。また、多様な主体による取組を促進するため、必要な活動環境の整備を図る。 ・国内外の取組等に関する調査研究や先進的な事例の紹介等に努める。その際、障害に係る訳語の統一を図ることが分かりやすさや比較の便宜に資することに留意する。 ・障害者週間における各種行事を中心に、幅広い層の参加による啓発活動を推進する。 ・幼児・児童・生徒間の相互理解を深めるための活動を一層促進するとともに、障害者に対する理解と認識を深めるための指導を推進する。   Ⅲ 各分野における障害者施策の基本的な方向  1.安全・安心な生活環境の整備  【関連:障害者権利条約第9,19,20,28条】 (1)住宅の確保 (2)移動しやすい環境の整備等 (3)アクセシビリティに配慮した施設、製品等の普及促進 (4)障害者に配慮したまちづくりの総合的な推進  2.情報アクセシビリティの向上及び意思疎通支援の充実  【関連:障害者権利条約第9,21,24条】 (1)情報通信における情報アクセシビリティの向上 (2)情報提供の充実等 (3)意思疎通支援の充実 (4)行政情報のアクセシビリティの向上  3.防災、防犯等の推進  【関連:障害者権利条約第9,11条】 (1)防災対策の推進 (2)復興の推進 (3)防犯対策の推進 (4)消費者トラブルの防止及び被害からの救済  4.差別の解消、権利擁護の推進及び虐待の防止  【関連:障害者権利条約第10,12,14,16条】 (1)権利擁護の推進、虐待の防止 (2)障害を理由とする差別の解消の推進  5.自立した生活の支援・意思決定支援の推進  【関連:障害者権利条約第12,19,20,23,26,28条】 (1)意思決定支援の推進 (2)相談支援体制の構築 (3)地域移行支援、在宅サービス等の充実 (4)障害のある子供に対する支援の充実 (5)障害福祉サービスの質の向上等 (6)福祉用具その他アクセシビリティの向上に資する機器の普及促進・研究開発及び身体障害者補助犬の育成等 (7)障害福祉を支える人材の育成・確保  6.保健・医療の推進  【関連:障害者権利条約第12,14,19,25,26条】 (1)精神保健・医療の適切な提供等 (2)保健・医療の充実等 (3)保健・医療の向上に資する研究開発等の推進 (4)保健・医療を支える人材の育成・確保 (5)難病に関する保健・医療施策の推進 (6)障害の原因となる疾病等の予防・治療  7.行政等における配慮の充実  【関連:障害者権利条約第13,14,29条】 (1)司法手続等における配慮等 (2)選挙等における配慮等 (3)行政機関等における配慮及び障害者理解の促進等 (4)国家資格に関する配慮等  8.雇用・就業、経済的自立の支援  【関連:障害者権利条約第19,24,26,27,28条】 (1)総合的な就労支援 (2)経済的自立の支援 (3)障害者雇用の促進 (4)障害特性に応じた就労支援及び多様な就業の機会の確保 (5)福祉的就労の底上げ  9.教育の振興  【関連:障害者権利条約第24条】 (1)インクルーシブ教育システムの推進 (2)教育環境の整備 (3)高等教育における支援の推進  10.文化芸術活動・スポーツ等の振興  【関連:障害者権利条約第30条】 (1)文化芸術活動の振興、余暇・レクリエーション活動の充実 (2)スポーツの振興、パラリンピックに係る取組の推進  11.国際協力の推進  【関連:障害者権利条約第31,32条】 (1)国際社会に向けた情報発信の推進等 (2)国際的枠組みとの連携の推進 (3)政府開発援助を通じた国際協力の推進等 (4)障害者の国際交流等の推進   おわりに ~障害者権利条約が目指す社会の実現に向けた今後の長期的課題~ ・社会環境の変化と未来予測を踏まえた具体的な指標の設定が求められる。その際、 (SDGs)の指標との整合性も考慮する必要。 ・三権分立に留意しつつ、合理的配慮の提供やそれを的確に行うための環境の整備を含め、立法府及び司法府から必要な協力を得られるよう努めることが求められる。 ・必要に応じ、国際比較を通じて得られた知見に基づく施策の検討が求められる。その際、訳語の統一を図ることが分かりやすさや比較の便宜に資することに留意する必要がある。 ・(各委員から提示された意見や課題、障害者政策委員会の議論等を踏まえ、今後加筆予定)   (別表)障害者基本計画関連成果目標