資料6-2   障害者基本計画(第4次)本文案(総論部分) (骨格案との対照表)   平成29年5月29日 (作業者注:以下「障害者基本計画(第4次)本文案」と「障害者基本計画(第4次)骨格案」を横に並べた表。罫線で区切られた項目ごとに先に第4次本文案の内容を、続けて第4次骨格案の内容を配置した)   [障害者基本計画(第4次)本文案]  はじめに   [障害者基本計画(第4次)骨格案]  はじめに   [障害者基本計画(第4次)本文案] (我が国におけるこれまでの主な取組) 我が国における障害者施策に関する基本法としての位置付けを有する法律を遡ると、昭和45(1970)年に制定された心身障害者対策基本法(昭和45年法律第84号)に端を発することとなる。同法は、心身障害者対策の総合的推進を図ることを目的として、心身障害者の福祉に関する施策の基本となる事項等を定めており、心身障害があるため長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者を「心身障害者」と位置付けていた。 平成5(1993)年、同法は障害者基本法に改正され、従来の心身障害者に加え、精神障害により長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者についても、新たに「障害者」と位置付けられることとなった。さらに、法の目的も、障害者の自立とあらゆる分野の活動への参加の促進に改められた。 その後、平成16(2004)年の改正では、障害者差別等をしてはならない旨が基本的理念として新たに規定されるとともに、中央障害者施策推進協議会が創設された。さらに、平成23(2011)年の改正では、平成19(2007)年に我が国が署名した障害者権利条約(障害者の権利に関する条約をいう。以下同じ。)の批准に向けた国内法整備の一環として、障害者権利条約が採用する、いわゆる「社会モデル」の考え方や「合理的配慮」の概念が新たに取り入れられるとともに、国内において障害者基本計画の実施状況を監視し、勧告を行う機関として、障害者政策委員会が新たに設置された。 この障害者基本法に基づき、平成25(2013)年9月には、本基本計画の前身に当たる「障害者基本計画(第3次)」(以下「旧基本計画」という。)が閣議決定された。旧基本計画では、各分野に共通する横断的視点として、「障害者の自己決定の尊重及び意思決定の支援」、「当事者本位の総合的な支援」、「障害特性等に配慮した支援」、「アクセシビリティの向上」及び「総合的かつ計画的な取組の推進」の5点が掲げられるとともに、10の施策分野ごとに基本的考え方や具体的な取組が示されており、本基本計画の策定に至るまでの間、障害者政策委員会における実施状況の監視を経ながら、それぞれの施策分野で着実に取組が進められてきた。   [障害者基本計画(第4次)骨格案] (我が国におけるこれまでの主な取組) ・我が国におけるこれまでの主な取組(基本法、基本計画等)   [障害者基本計画(第4次)本文案] (障害者政策委員会における検討) ※障害者政策委員会における今後の審議状況を踏まえて記載   [障害者基本計画(第4次)骨格案] (障害者政策委員会における検討) ・障害者政策委員会における議論の経過 ・障害者政策委員会の意見取りまとめ、政府への提出   [障害者基本計画(第4次)本文案] (本基本計画の策定) ※本基本計画の策定に向けた今後の作業状況を踏まえて記載   [障害者基本計画(第4次)骨格案] (障害者基本計画(第4次)の策定) ・(障害者政策委員会の意見を受けた)政府における案文の検討 ・パブリックコメントの実施 ・障害者基本計画(第4次)の策定   [障害者基本計画(第4次)本文案] (本基本計画を通じて実現を目指すべき社会) 障害者基本法第1条は、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進することが同法の目的である旨を規定している。 本基本計画は、同法の目的の達成はもちろんのこと、次に掲げる社会の実現にも寄与することが期待されている。 ・「一人ひとりの命の重さは障害の有無によって少しも変わることはない」という当たり前の価値観を国民全体で共有できる共生社会 ・2020年東京オリンピック・パラリンピック(2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会をいう。以下同じ。)において、成熟社会における我が国の先進的な取組を世界に示し、世界の範となるべく、女性も男性も、お年寄りも若者も、一度失敗を経験した方も、障害や難病のある方も、家庭で、職場で、地域で、あらゆる場で、誰もが活躍できる社会 ・障害者施策が国民の安全や社会経済の進歩につながる社会  本基本計画に基づく施策を策定し、及び実施するに当たっては、こうした目指すべき社会の姿を常に念頭に置くとともに、その実現に向けた観点から不断に取組を進めていくことが重要である。   [障害者基本計画(第4次)骨格案] (障害者基本計画(第4次)を通じて実現を目指すべき社会) ・「一人ひとりの命の重さは障害の有無によって少しも変わることはない」という当たり前の価値観を国民全体で共有できる共生社会の実現を目指す。 ・2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会において、成熟社会における我が国の先進的な取組を世界に示し、世界の範となるべく、女性も男性も、お年寄りも若者も、一度失敗を経験した方も、障害や難病のある方も、家庭で、職場で、地域で、あらゆる場で、誰もが活躍できる社会の実現を目指す。 ・障害者施策が国民の安全や社会経済の進歩につながる社会の実現を目指す。 ・(各委員から提示された意見や課題、障害者政策委員会の議論等を踏まえ、今後加筆予定)   [障害者基本計画(第4次)本文案]  Ⅰ 障害者基本計画(第4次)について   [障害者基本計画(第4次)骨格案]  Ⅰ 障害者基本計画(第4次)について   [障害者基本計画(第4次)本文案]  1.位置付け 本基本計画は、障害者基本法第11条第1項に基づき、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策の総合的かつ計画的な推進を図るために策定されるものであり、政府が講ずる障害者のための施策の最も基本的な計画として位置付けられる。   [障害者基本計画(第4次)骨格案]  1.位置付け ・障害者基本法第11条第1項が根拠 ・政府が講ずる障害者施策の最も基本的な計画   [障害者基本計画(第4次)本文案]  2.対象期間 本基本計画は、平成30(2018)年度から34(2022)年度までの5年間を対象とする。   [障害者基本計画(第4次)骨格案]  2.対象期間 ・平成30(2018)~34(2022)年度の5年間   [障害者基本計画(第4次)本文案]  3.構成 本基本計画は、この「Ⅰ 障害者基本計画(第4次)について」、「Ⅱ 基本的な考え方」及び「Ⅲ 各分野における障害者施策の基本的な方向」で構成される。 「Ⅱ 基本的な考え方」では、本基本計画全体の基本理念及び基本原則を示すとともに、各分野に共通する横断的視点や、施策の円滑な推進に向けた考え方を示している。 「Ⅲ 分野別施策の基本的方向」では、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を11の分野に整理し、それぞれの分野について、本基本計画の対象期間に政府が講ずる施策の基本的な方向を示している。   [障害者基本計画(第4次)骨格案]  3.構成 ・全体の構成、各章の概要   [障害者基本計画(第4次)本文案]  4.障害者権利条約との関係   [障害者基本計画(第4次)骨格案]  4.障害者権利条約との関係   [障害者基本計画(第4次)本文案]  (1)障害者権利条約の概要 ①障害者権利条約の経緯 平成18(2006)年6月に障害者権利条約が採択される前から、国連総会では、障害者の人権を促進及び保護すべく、障害者の権利に関する宣言を採択するなど、様々な取組が行われてきた。 しかしながら、こうした取組にもかかわらず、依然として障害者が人権侵害に直面する状況が指摘されてきたところであり、こうした事態を改善すべく、国際社会において法的拘束力を有する新たな文書を作成する必要性が強く認識されるようになった。 このため、平成13(2001)年12月、第56回国連総会において、障害者の権利及び尊厳を保護し、及び促進するための包括的かつ総合的な国際条約を検討するためのアドホック委員会が設置された。 その後、平成14(2002)年から計8回にわたり開催されたアドホック委員会を経て、平成18(2006)年12月13日、障害者権利条約が国連総会で採択され、平成20(2008)年5月3日、効力発生の要件が整い発効した。 ②障害者権利条約の主な内容 障害者権利条約は、障害者の人権及び基本的自由の享有を確保し、障害者の固有の尊厳の尊重を促進することを目的として、障害者の権利の実現のための措置等について定めており、障害者に関する初の国際条約に当たる。その主な内容は次のとおりである。 ・一般原則(障害者の尊厳、自律及び自立の尊重、無差別、社会への完全かつ効果的な参加及び包容等) ・一般的義務(合理的配慮の実施を怠ることを含め、障害に基づくいかなる差別もなしに、すべての障害者のあらゆる人権及び基本的自由を完全に実現することを確保し、及び促進すること等) ・障害者の権利実現のための措置(身体の自由、拷問の禁止、表現の自由等の自由権的権利及び教育、労働等の社会権的権利について締約国がとるべき措置等を規定) ・条約の実施のための仕組み(条約の実施及び監視のための国内の枠組みの設置、障害者権利委員会における各締約国からの報告の検討) ③障害者権利条約に係る我が国のこれまでの取組 我が国は、障害者権利条約が国連総会で採択された翌年に当たる平成19(2007)年9月28日に障害者権利条約に署名した。一方、障害者権利条約の批准については、国内の障害当事者等から、批准に先立ち国内法の整備等を進めるべきとの意見が寄せられた。 我が国は、これらの意見も踏まえ、障害者基本法の改正(平成23(2011)年8月)、障害者自立支援法の改正(障害者総合支援法に改称、平成24(2012)年6月)、障害者差別解消法の制定、障害者雇用促進法の改正(平成25(2013)年6月)など、様々な国内法の整備を進めてきた。 こうした国内法整備を経て、平成25(2013)年10月から、国会で障害者権利条約の締結に向けた審議が開始され、同年11月19日に衆議院本会議において、12月4日に参議院本会議において、それぞれ全会一致で締結が承認された。 その後、我が国は、平成26(2014)年1月20日に障害者権利条約の批准書を国連事務総長に寄託し、同年2月19日、障害者権利条約が我が国について効力を生じた。 障害者権利条約は、締約国に対し「条約に基づく義務を履行するためにとった措置及びこれらの措置によりもたらされた進歩に関する包括的な報告」の定期的な提出を求めており、我が国は、障害者権利条約が我が国について効力を生じてから平成28(2016)年2月までの期間を対象とした政府報告を取りまとめ、同年6月30日に、国連事務総長を通じて障害者権利委員会に提出した。 政府報告には、我が国において障害者権利条約第33条に規定する「条約の実施を監視するための枠組み」の機能を担う障害者政策委員会のコメントを反映させるとともに、付属文書として、政府報告の提出を視野に入れて障害者政策委員会が実施した旧基本計画の実施状況の監視の結果を取りまとめた文書(「議論の整理」)を添付している。また、政府報告の作成に当たっては、障害者政策委員会以外の関係者からの意見も広く求めるべく、案文に対する意見募集(パブリックコメント)を実施している。   [障害者基本計画(第4次)骨格案]  (1)障害者権利条約の概要 ・条約の経緯 ・条約の概要 ・条約に係る我が国のこれまでの取組   [障害者基本計画(第4次)本文案]  (2)障害者権利条約の基本的な考え方 ①「障害」のとらえ方 従来の「障害」のとらえ方は、心身の機能の障害のみに起因するとする、いわゆる「医学モデル」の考え方を反映したものであった。一方、障害者権利条約では、障害者が日常生活又は社会生活において受ける制限は、心身の機能の障害のみに起因するものではなく、社会における様々な障壁と相対することによって生ずるものとする、いわゆる「社会モデル」の考え方が貫かれている。 ②平等・無差別及び合理的配慮 障害者権利条約は、第1条において「全ての障害者によるあらゆる人権及び基本的自由の完全かつ平等な享有を促進し、保護し、確保すること並びに障害者の固有の尊厳の尊重を促進すること」を目的と定めている。 また、第2条では、障害者の人権と基本的自由を確保するための「必要かつ適当な変更及び調整」であって、「均衡を失した又は過度の負担を課さないもの」を「合理的配慮」と定義し、第5条で、締約国に対し、障害に基づくあらゆる差別を禁止することや、合理的配慮の提供が確保されるための適当な措置をとることを求めている。 さらに、第4条では、締約国に対し、障害者に関する問題についての意思決定過程において、障害者と緊密に協議し、障害者を積極的に関与させることを求めている。 ③実施に関する仕組み 障害者権利条約は、第33条において、自国の法律上・行政上の制度に従って「条約の実施を監視するための枠組み」を自国内に設置することを締約国に求めている。我が国では、障害者、障害者の自立・社会参加に関する事業の従事者及び学識経験者から構成される障害者政策委員会が設置されており、障害者基本計画の実施状況の監視を通じて障害者権利条約の実施状況を監視している。この「条約の実施を監視するための枠組み」は、これまでの人権条約には見られない新たな規定である。 また、第35条において、締約国に対し、「条約に基づく義務を履行するためにとった措置及びこれらの措置によりもたらされた進歩に関する包括的な報告」を、国連事務総長を経由して障害者権利委員会に提出することを求めている。この報告の作成に当たっては、公開された透明性のある過程を踏むことを検討するとともに、障害者の関与について十分な考慮を払うことが求められている。 障害者権利委員会は、締約国から選ばれた18名の専門家から構成され、締結国による報告を検討し、提案や勧告を行うことが定められている。この仕組みにより、締約国は条約の実施について国際的に審査されることになる。   [障害者基本計画(第4次)骨格案]  (2)障害者権利条約の基本的な考え方 ・条約の基本的な考え方(目的、社会モデル、一般原則等) ・条約の基本的な考え方を踏まえ障害者施策を講じることが重要。   [障害者基本計画(第4次)本文案]  (3)障害者権利条約と障害者基本計画(第4次)との関係 本基本計画は、我が国が障害者権利条約を批准した後に初めて策定される障害者基本計画であり、障害者権利条約との整合性の確保が強く求められている。このため、本基本計画では、障害者権利条約の理念を随所に反映するとともに、「Ⅲ 分野別施策の基本的方向」で掲げる各分野と、障害者権利条約の各条項の対応関係を明示している。これにより、本基本計画の実施状況と、障害者権利条約の国内実施の状況との対応関係が明らかとなり、本基本計画の実施状況の監視を通じた障害者政策委員会による障害者権利条約の実施状況の監視の円滑化に資することが期待される。 また、我が国は、障害者権利条約の実施状況について、今後、障害者権利委員会による審査を受けることとなるが、当該審査で受けた勧告、意見等について、本基本計画に掲げる施策のPDCA(企画(Plan)、実施(Do)、評価(Check)及び見直し(Act)をいう。以下同じ。)に活かしていくなど、本基本計画と障害者権利条約に係る取組の適切な連携に努めていく。   [障害者基本計画(第4次)骨格案]  (3)障害者権利条約と障害者基本計画(第4次)との関係 ・条約批准後初の基本計画であり、条約との整合性確保に重点。 ・障害者基本計画(第4次)の各分野と、条約の条項の対応関係を明確化。 ・障害者基本計画(第4次)は、条約の国内実施の強化に資するものであり障害者政策委員会による条約の国内監視機能の強化につながる。 ・今後、障害者権利委員会による条約の実施状況の対日審査(国外監視)と障害者基本計画(第4次)のPDCAサイクル(国内監視)を適切に連携させていく。   [障害者基本計画(第4次)本文案]  Ⅱ 基本的な考え方   [障害者基本計画(第4次)骨格案]  Ⅱ 基本的な考え方   [障害者基本計画(第4次)本文案]  1.基本理念 障害者権利条約は、障害者の人権及び基本的自由の享有を確保し、障害者の固有の尊厳の尊重を促進することを目的として、障害者の権利の実現のための措置等について定めている。 こうした障害者権利条約の理念に即して改正された障害者基本法第1条に規定されているように、障害者施策は、全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるという理念にのっとり、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指して講じられる必要がある。 本基本計画では、このような社会の実現に向け、障害者を、必要な支援を受けながら、自らの決定に基づき社会のあらゆる活動に参加する主体としてとらえ、障害者が自らの能力を最大限発揮し自己実現できるよう支援するとともに、障害者の活動を制限し、社会への参加を制約している社会的な障壁を除去するため、政府が取り組むべき障害者施策の基本的な方向を定めるものとする。   [障害者基本計画(第4次)骨格案]  1.基本理念 ・障害者権利条約の理念 ・障害者権利条約の理念に即して改正された障害者基本法の理念 ・障害者を社会のあらゆる活動に参加する主体としてとらえ、その自己実現の支援と社会的障壁の除去のための障害者施策の基本的方向を定める。   [障害者基本計画(第4次)本文案]  2.基本原則 障害者を、必要な支援を受けながら自らの決定に基づき社会のあらゆる活動に参加する主体としてとらえた上で、政府は、障害者権利条約の理念に即して改正された次に掲げる障害者基本法の各基本原則にのっとり、当該理念の実現に向けた障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に実施する。   [障害者基本計画(第4次)骨格案]  2.基本原則 ・障害者権利条約の理念に即して改正された障害者基本法第3~5条の基本原則にのっとり、障害者施策を総合的かつ計画的に実施する。   [障害者基本計画(第4次)本文案] (地域社会における共生等) 障害者権利条約は、「全ての障害者によるあらゆる人権及び基本的自由の完全かつ平等な享有を促進し、保護し、確保すること並びに障害者の固有の尊厳の尊重を促進すること」を目的としており、本基本計画に関しても、全ての障害者が、障害者でない者と平等に、基本的人権を享有する個人として、その尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有することを前提としつつ、次に掲げる機会の適切な確保・拡大を図ることを旨として障害者施策を実施するものとする。 ・社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会の確保 ・地域社会において他の人々と共生することを妨げられず、どこで誰と生活するかについて選択する機会の確保 ・言語(手話を含む。以下同じ。)その他の意思疎通のための手段について選択する機会の確保 ・情報の取得又は利用のための手段について選択する機会の拡大   [障害者基本計画(第4次)骨格案] (地域社会における共生等) ・障害者の尊厳、自律及び自立の尊重を目指す障害者権利条約の理念 ・障害者権利条約の理念に即して改正された障害者基本法第3条の趣旨   [障害者基本計画(第4次)本文案] (差別の禁止) 障害者権利条約第5条において、障害に基づくあらゆる差別を禁止するとともに、合理的配慮の提供が確保されるための適当な措置をとることが求められていること、また、障害者基本法第4条及び障害者差別解消法においてその趣旨が具体化されていることに鑑みれば、障害者差別その他の権利利益を侵害する行為を禁止するとともに、社会的障壁を除去するための合理的配慮が提供される必要がある。 我が国においては、障害者差別解消法が制定され、既に施行されるなど、法制的な整備は講じられているところであるが、今後、障害者差別解消法の実効性の確保のため、その施行状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に応じて所要の見直しを行うものとする。   [障害者基本計画(第4次)骨格案] (差別の禁止) ・障害者権利条約第5条(平等及び無差別)の理念 ・障害者権利条約の理念に即して改正された障害者基本法第4条の趣旨 ・第4条を具体化した障害者差別解消法については、その施行状況を踏まえ、見直しについて必要な検討を行っていく。   [障害者基本計画(第4次)本文案] (国際的協調) 障害者権利条約第32条において、国際協力及びその促進の重要性について規定されていること、また、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策が国際社会における取組と密接な関係を有していることに鑑みれば、国際的な協調の下で共生社会の実現が図られる必要がある。 我が国においては、障害者権利条約を批准するとともに、政府報告を障害者権利委員会に提出するなど、これまでも国際的な枠組みとの連携を深めてきたところであるが、今後、こうした連携をより一層推進し、国際的協調の理念を体現していくことが求められる。   [障害者基本計画(第4次)骨格案] (国際的協調) ・障害者権利条約第32条(国際協力)の理念 ・障害者権利条約の理念に即して改正された障害者基本法第5条の趣旨 ・障害者権利条約の批准を受け、今後は国際的枠組みとの連携の推進を図っていく。   [障害者基本計画(第4次)本文案]  3.各分野に共通する横断的視点   [障害者基本計画(第4次)骨格案]  3.各分野に共通する横断的視点   [障害者基本計画(第4次)本文案]  (1)障害者権利条約の理念の尊重及び整合性の確保 障害者に係る施策、制度、事業等を策定し、及び実施するに当たっては、障害者権利条約の理念を尊重するとともに、障害者権利条約との整合性を確保することが重要である。 「私たちのことを、私たち抜きに決めないで」(Nothing About Us Without Us)の考え方の下、「インクルージョン」を推進する観点から、障害者を施策の客体ではなく、必要な支援を受けながら、自らの決定に基づき社会に参加する主体としてとらえるとともに、障害者施策の検討及び評価に当たっては、障害者が意思決定過程に参画することとし、障害者の視点を施策に反映させることが求められる。その際、障害者の社会参加は、障害者の自立にもつながることに留意する。 また、障害者の政策決定過程への参画を促進する観点から、国の審議会等の委員(臨時委員、特別委員及び専門委員を含む。)の選任に当たっては、障害者の委員の選任に配慮する。特に、障害者施策を審議する国の審議会等については、障害種別等にも配慮して障害者の委員への選任を行うものとする。その際、障害者である委員に対する障害特性に応じた適切な情報保障等を確保する。 あわせて、障害者本人の自己決定を尊重する観点から、障害者本人が適切に意思決定を行い、その意思を表明することができるよう、相談の実施等による意思決定の支援とともに、言語その他の意思疎通のための手段を選択する機会の提供を促進する。   [障害者基本計画(第4次)骨格案]  (1)障害者権利条約の理念の尊重及び整合性の確保 ・障害者に係る施策、制度、事業等の策定・実施等に当たっては、障害者権利条約の理念を尊重するとともに、障害者権利条約との整合性を確保することが求められる。 ・「Nothing About Us Without Us」を原則とし、「インクルージョン」の考え方の下、障害者を社会参加の主体としてとらえるとともに、障害者施策の検討及び評価に当たっては、障害者が意思決定過程に参画することとし、障害者の視点を施策に反映させることが求められる。その際、障害者の社会参加は、障害者の自立にもつながることに留意する。 ・意思決定過程における障害者の参画を促進するため、審議会等で障害者の委員を選任するよう配慮する。また、障害者本人の自己決定を尊重する観点から、障害者の適切な意思決定・意思表明のため、意思決定の支援と言語(手話を含む)その他の意思疎通手段の選択機会の提供を促進する。   [障害者基本計画(第4次)本文案]  (2)社会のあらゆる場面におけるアクセシビリティの向上 障害者権利条約が採用している、いわゆる「社会モデル」の考え方に即して改正された障害者基本法第2条においても、障害者を「障害がある者であって、障害と社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」と定義しており、障害者が経験する困難や制限が障害者個人の障害と社会的な要因の双方に起因するという視点が示されている。 こうした視点に照らして、障害者の活動を制限し、社会への参加を制約している事物、制度、慣行、観念等の社会的障壁の除去を進めることにより、障害者の社会への参加を実質的なものとし、障害の有無にかかわらず、その能力を最大限に発揮しながら安心して生活できるようにする必要がある。そのためには、障害者のアクセシビリティ向上の環境整備を図ることが重要であり、社会的障壁の除去に向けた各種の取り組みをより強力に推進していくため、社会のあらゆる場面でアクセシビリティ向上の視点を取り入れていく。 また、社会のあらゆる場面でICT(情報通信技術)が浸透しつつある。こうした新たな技術を用いた機器やサービスは、新たな社会的障壁となる可能性がある一方で、アクセシビリティとの親和性が高いという特徴もあり、社会的障壁の除去の観点から、アクセシビリティに配慮したICTを始めとする新たな技術の利活用について検討を行い、利活用が可能なものについては積極的な導入を推進する。 また、障害を理由とする差別は、障害者の自立又は社会参加に深刻な悪影響を与えるものであり、社会のあらゆる場面においてその解消に向けた取組が行われる必要がある。このため、障害者差別解消法及び障害者雇用促進法に基づき、地方公共団体や障害者団体を始めとする様々な主体の取組との連携を図りつつ、事業者・事業主や国民一般の幅広い理解の下、障害者差別の解消に向けた取組を積極的に推進する。 あわせて、社会のあらゆる場面におけるアクセシビリティの向上と心のバリアフリーを推進する観点から、積極的な広報・啓発活動に努めるとともに、企業・市民団体等の取組を積極的に支援する。 さらに、審議会等の開催時を含め、障害者施策に関する情報を公開する際や、障害者施策に関連する命令、計画等に関する意見募集(パブリックコメント)を行う際には、障害特性に配慮した適切な情報保障を実施するなど、アクセシビリティの向上を進める。   [障害者基本計画(第4次)骨格案]  (2)社会のあらゆる場面におけるアクセシビリティの向上 ・障害者権利条約における「社会モデル」の考え方 ・社会モデルの考え方に照らして、障害者差別の解消に向けた社会的障壁の除去のため、障害者のアクセシビリティ向上の環境整備を図ることが重要であり、社会的障壁の除去に向けた各種の取組をより強力に推進していくため、社会のあらゆる場面でアクセシビリティ向上の視点を取り入れていく。 ・社会のあらゆる場面でICTが浸透しつつある。こうした新技術を用いた機器やサービスは、新たな社会的障壁となる可能性がある一方で、アクセシビリティとの親和性が高いという特徴もあり、社会的障壁の除去の観点から、アクセシビリティに配慮したICT等の新技術の利活用について検討を行い、可能なものについては積極的導入を推進する。 ・特に、社会のあらゆる場面において障害者差別の解消に向けた取組が行われる必要があり、障害者差別解消法等に基づき、様々な主体の取組との連携を図りつつ、事業者、国民一般等の幅広い理解の下、取組を積極的に推進する。 ・社会のあらゆる場面におけるアクセシビリティの向上と心のバリアフリーを推進する観点から、積極的な広報啓発活動に努め、企業・市民団体等の取組を積極的に支援する。 ・審議会等の開催やパブリックコメントの実施に当たり、障害特性に配慮した適切な情報保障を実施するなど、アクセシビリティを向上させる。   [障害者基本計画(第4次)本文案]  (3)当事者本位の総合的かつ分野横断的な支援 障害者の尊厳、自律及び自立の尊重を目指す障害者権利条約の趣旨を踏まえ、障害者が各ライフステージを通じて適切な支援を受けられるよう、教育、福祉、医療、雇用等の各分野の有機的な連携の下、施策を総合的に展開し、切れ目のない支援を行う。 支援に当たっては、障害者基本法第2条の障害者の定義を踏まえ、障害者施策が、障害者が日常生活又は社会生活で直面する困難に着目して講じられる必要があること、障害者の支援は障害者が直面するその時々の困難の解消だけに着目するのではなく、障害者の自立と社会参加の支援という観点に立って行われる必要があることに留意する。 また、複数の分野にまたがる課題については、各分野の枠のみにとらわれることなく、関係する機関、制度等の必要な連携を図ることを通じて総合的かつ横断的に対応していく必要がある。   [障害者基本計画(第4次)骨格案]  (3)当事者本位の総合的かつ分野横断的な支援 ・障害者の尊厳、自律及び自立の尊重を目指す障害者権利条約の趣旨を踏まえ、障害者が各ライフステージを通じて適切な支援を受けられるよう、各分野の有機的連携の下、施策を総合的に展開し、切れ目のない支援を行う。 ・当該支援は、障害者が日常生活・社会生活で直面する困難に着目して講じられる必要があり、かつ、障害者の自立・社会参加の支援の観点から行われる必要。 ・複数の分野にまたがる課題については、各分野の枠のみにとらわれることなく、必要な連携を通じて総合的かつ横断的に対応していく必要。   [障害者基本計画(第4次)本文案]  (4)障害特性等に配慮したきめ細かい支援 障害者一人ひとりの固有の尊厳を重視する障害者権利条約の理念を踏まえ、障害者施策は、障害特性、障害の状態、生活実態等に応じた障害者の個別的な支援の必要性を踏まえて策定及び実施する。その際、外見からは分かりにくい障害が持つ特有の事情を考慮するとともに、状態が変動する障害は、症状が多様化しがちであり、一般に、障害の程度を適切に把握することが難しい点に留意する必要がある。 また、発達障害、難病、高次脳機能障害、盲ろう・重症心身障害その他の重複障害等について、社会全体の更なる理解の促進に向けた広報・啓発活動を行うとともに、施策の充実を図る必要がある。   [障害者基本計画(第4次)骨格案]  (4)障害特性等に配慮したきめ細かい支援 ・障害者一人ひとりの固有の尊厳を重視する障害者権利条約の趣旨を踏まえ、障害者施策は、障害特性、障害の状態、生活実態等に応じた障害者の個別的な支援の必要性を踏まえて策定・実施する。 ・外見からは分かりにくい障害が持つ特有の事情を考慮する必要。また、状態が変動する障害は程度が分かりにくく、多様化しがちな点に留意が必要。 ・発達障害、難病、高次脳機能障害、盲ろう・重症心身障害その他の重複障害等の社会全体に対する理解の促進、施策の更なる充実が必要。   [障害者基本計画(第4次)本文案]  (5)障害のある女性、子供及び高齢者の複合的困難に配慮したきめ細かい支援 障害者権利条約第6条、第7条等の趣旨を踏まえ、障害のある女性をはじめ、複合的に困難な状況に置かれた障害者に対するきめ細かい配慮が求められていることを踏まえて障害者施策を策定し、及び実施する必要がある。 障害のある女性は、障害に加えて女性であることにより、更に複合的に困難な状況に置かれている場合があることから、こうした点も念頭に置いて障害者施策を策定し、及び実施することが重要である。 また、障害のある子供は、成人の障害者とは異なる支援を行う必要性があることに留意する必要がある。 さらに、障害のある高齢者に係る施策については、障害者権利条約の理念も踏まえつつ、高齢者施策との整合性に留意して実施していく必要がある。   [障害者基本計画(第4次)骨格案]  (5)障害のある女性、子供及び高齢者の複合的困難に配慮したきめ細かい支援 ・障害者権利条約第6条(障害のある女子)、第7条(障害のある児童)等の趣旨を踏まえ、障害者施策は、複合的な困難に直面する障害者に対するきめ細かい配慮が求められていることを踏まえて策定・実施する。 ・障害のある女性は複合的に困難な状況に置かれる場合があり、こうした点も念頭に置いて障害者施策を策定・実施することが重要。 ・障害のある子供は成人の障害者とは異なる支援を行う必要。 ・障害のある高齢者に係る施策については、障害者権利条約の理念も踏まえつつ、高齢者施策との整合性に留意して実施していく必要。   [障害者基本計画(第4次)本文案]  (6)PDCAサイクル等を通じた実効性のある取組の推進 障害者権利条約第31条、第33条等の趣旨を踏まえ、「証拠に基づく政策立案」(Evidence-Based Policy Making)の実現に向け、次に掲げるところにより、必要なデータ収集及び統計の充実を図るとともに、障害者施策のPDCAのサイクルを構築し、着実に実行する。また、当該サイクル等を通じて施策の不断の見直しを行っていく。   [障害者基本計画(第4次)骨格案]  (6)PDCAサイクル等を通じた実効性のある取組の推進 ・障害者権利条約第31条(統計及び資料の収集)、第33条(国内における実施及び監視)等の趣旨を踏まえ、「Evidence-Based Policy Making」の実現に向け必要なデータ収集及び統計の充実を図るとともに、PDCAサイクルを構築し、着実に実行する。また、PDCAサイクル等を通じて施策の不断の見直しを行っていく。   [障害者基本計画(第4次)本文案] ①企画(Plan) 「証拠に基づく政策立案」を実現する観点から、障害当事者の実態把握を適切に行うため、障害者の性別、年齢、障害種別等の観点に留意しつつ必要なデータ収集や統計の充実を行うことが重要である。 このため、各分野における障害者施策の一義的な責任を負うこととなる各府省は、障害者の状況や障害者施策等に関する情報・データの適切な収集・評価の在り方等を検討するとともに、本基本計画に掲げる施策に関し、具体的な成果目標を設定するよう努める。 本基本計画の着実な推進を図るために策定する各分野における成果目標は別表のとおりである。なお、これらの成果目標は、それぞれの分野における具体的施策を、他の分野の施策との連携の下、総合的に実施することにより、政府全体で達成を目指す水準であり、地方公共団体や民間団体等の政府以外の機関・団体等が成果目標に係る項目に直接取り組む場合においては、成果目標は、政府がこれらの機関・団体等に働きかける際に、政府として達成を目指す水準として位置付けられる。   [障害者基本計画(第4次)骨格案] ①企画(Plan) ・「Evidence-Based Policy Making」の実現の観点から、障害当事者の実態把握を適切に行うため、障害者の性別、年齢、障害種別等の観点に留意しつつ必要なデータ収集や統計の充実を行うことが求められており、各府省は、適切な情報・データの収集・評価の在り方等を検討するとともに、具体的な達成目標の設定に努める。   [障害者基本計画(第4次)本文案] ②実施(Do) 各府省は、障害者やその家族を始めとする関係者の意見を聴きつつ、本基本計画に基づく取組の計画的な実施に努める。また、障害者施策を適切に講ずるため、障害者の実態調査等を通じて、障害者の状況や障害者施策等に関する情報・データの収集・分析を行うとともに、障害者の性別、年齢、障害種別等の観点に留意しつつ、その充実を図る。 また、効果的かつ効率的に施策を推進する観点から、高齢者施策、医療関係施策、子ども・子育て関係施策、男女共同参画施策等、障害者施策に関係する他の施策・計画等との整合性を確保し、総合的な施策の展開を図る。   [障害者基本計画(第4次)骨格案] ②実施(Do) ・各府省は、取組の計画的な実施と、障害者の状況や障害者施策等に関する情報・データの収集・分析を行う。また、障害者の性別、年齢、障害種別等の観点に留意し、情報・データの充実を図る。 ・高齢者施策、医療関係施策、子ども子育て関係施策、男女共同参画施策等、他の施策・計画等との整合性を確保し、総合的な施策の展開を図る。   [障害者基本計画(第4次)本文案] ③評価(Check) 各府省は、障害者施策の推進に係る取組の実施状況の継続的なモニタリングが重要であることを踏まえ、数値等に基づき取組の実施状況及びその効果の把握・評価を行う。また、障害者施策の実施に当たり課題や支障が生じている場合は、その円滑な解消に資するよう、具体的な要因について必要な分析を行う。 障害者政策委員会は、障害者基本法に基づき、政府全体の見地から本基本計画の実施状況の評価・監視を行う。   [障害者基本計画(第4次)骨格案] ③評価(Check) ・取組の実施状況を継続的にモニタリングしていくことが重要であり、各府省は、その実施状況及び効果の把握・評価を行う。また、施策の実施に当たり課題や支障が生じている場合は、その円滑な解消に資するよう、具体的な要因について必要な分析を行う。 ・障害者政策委員会は、政府全体の見地から本基本計画の実施状況の評価・監視を行う。   [障害者基本計画(第4次)本文案] ④見直し(Act) 各府省は、障害者施策の推進に係る取組の実施状況やその効果に係る評価結果を踏まえ、不断に取組の見直しを行う。その結果を踏まえ、必要があると認められる場合には、所要の法制的な整備を含め検討を行う。 障害者政策委員会においては、障害者基本法に基づき、政府全体の見地から本基本計画の実施状況を評価・監視し、必要に応じて内閣総理大臣又は内閣総理大臣を通じて関係各大臣に本基本計画の実施に関して勧告を行う。また、障害者政策委員会の円滑かつ適切な運営のため、事務局機能の充実を図る。 社会情勢の変化等により本基本計画の変更の必要性が生じた場合、あるいは本基本計画の推進及び評価を通じて本基本計画の変更の必要性が生じた場合には、計画期間の途中であっても、政府は本基本計画を柔軟に見直すこととする。 また、障害者の実態調査等を通じて得られた知見については、本基本計画の推進状況の評価及び評価を踏まえた取組の見直しへの活用に努める。   [障害者基本計画(第4次)骨格案] ④見直し(Act) ・各府省は、取組の実施状況や効果に係る評価結果を踏まえ、取組の見直しを行う。必要がある場合は、所要の法制的な整備を含め検討を行う。 ・障害者政策委員会は、本基本計画の実施状況の評価・監視の結果を踏まえ、必要に応じ勧告を行う。その結果によっては、必要に応じ、基本計画を柔軟に見直すこととする。また、障害者政策委員会の円滑かつ適切な運営のため、事務局機能の充実を図る。 ・調査により得られた知見については、基本計画の推進状況の評価及び評価を踏まえた取組の見直しへの活用に努める。   [障害者基本計画(第4次)本文案]  4.施策の円滑な推進   [障害者基本計画(第4次)骨格案]  4.施策の円滑な推進   [障害者基本計画(第4次)本文案]  (1)連携・協力の確保 政府の障害者施策を一体的に推進し、総合的な企画立案及び横断的な調整を確保するため、各府省相互間の緊密な連携・協力を図る。 また、本基本計画は政府の障害者施策の基本的方向を定めるものであるが、障害者の地域移行を推進し、障害者が必要なときに必要な場所で、地域の実情に即した適切な支援を受けられるようにするなど、実効性ある形で取組を実施していくためには、地方公共団体との連携・協力が必要不可欠である。このため、適切な役割分担の下、地方公共団体との連携・協力体制の一層の強化を図るとともに、地方公共団体において優良かつ先進的な取組やモデルを実施している場合は、その知見も活かしつつ施策を展開する。 さらに、障害者の自立と社会参加に関する取組を社会全体で進めるため、政府における様々な活動の実施に当たっては、障害者団体、専門職による職能団体、企業、経済団体等の協力を得るよう努める。特に、障害者の自立及び社会参加の支援に当たり、障害者団体等の自主的な活動は重要な役割を果たしており、本基本計画の推進に当たっては、これらの団体等との情報共有等の一層の促進を図る必要がある。 国際機関、諸外国政府等との連携に努めるとともに、関係行政機関相互の緊密な連携の下、障害者権利条約の国内実施に十分留意しつつ、持続可能な開発目標(以下「SDGs」という。)の実施を総合的かつ効果的に推進する。 障害者政策委員会において、必要があると認められる場合は、他の審議会等との必要な情報共有を行うことについて検討を行う。   [障害者基本計画(第4次)骨格案]  (1)連携・協力の確保 ・政府の障害者施策を一体的に推進し、総合的な企画立案及び横断的な調整を担保するため、各府省相互間の緊密な連携・協力を図る。 ・障害者の地域移行を推進する観点から、障害者が、必要なときに必要な場所で、地域の実情に即した適切な支援を受けられるよう、適切な役割分担の下、地方公共団体との連携・協力体制の一層の強化を図る。また、地方公共団体において優良かつ先進的な取組やモデルを実施している場合は、その知見も活かして施策を展開することが重要。 ・障害者団体、専門職による職能団体、企業、経済団体等の協力を得るよう努めるとともに、基本計画の推進に当たり、これらの団体等との情報共有等の一層の促進を図る必要。 ・国際機関、諸外国政府等との連携に努めるとともに、関係行政機関相互の緊密な連携の下、障害者権利条約の国内実施に十分留意しつつ、持続可能な開発目標(SDGs)の実施を総合的かつ効果的に推進する。 ・障害者政策委員会において、必要がある場合は、他の審議会等との必要な情報共有について検討を行う。   [障害者基本計画(第4次)本文案]  (2)理解促進・広報啓発に係る取組等の推進   [障害者基本計画(第4次)骨格案]  (2)理解促進・広報啓発に係る取組等の推進   [障害者基本計画(第4次)本文案] ①重点的に理解促進等を図る事項 「命の重さは障害の有無によって少しも変わることはない」という当たり前の価値観を社会全体で共有し、障害のある者と障害のない者が、お互いに障害の有無にとらわれることなく社会で共に暮らしていくことが日常となるように、国民の理解促進に努める。また、本基本計画の実施を通じて実現を目指す「共生社会」の理念や、障害者権利条約が採用する、いわゆる「社会モデル」の考え方について、必要な広報啓発を推進する。 2020年東京オリンピック・パラリンピックを通じて実現を目指す共生社会の姿について広く発信を行い、パラリンピックに向けた国民の機運を醸成するとともに、障害者施策の意義について更なる理解の促進を図る。 あわせて、障害者が自立した日常生活及び社会生活を確保することの重要性に対する国民の理解を深め、様々な心身の特性や考え方を持つ全ての人々が、相互に理解を深めようとコミュニケーションをとり、支え合う「心のバリアフリー」を推進する。 知的障害、精神障害、発達障害、難病、高次脳機能障害、盲ろう・重症心身障害その他の重複障害など、より一層の国民の理解が必要な障害や、外見からは分かりにくい障害について、その障害特性や必要な配慮等に関する理解の促進を図る。 一般国民における、障害者が利用する視覚障害者誘導用ブロックや身体障害者補助犬、障害者用駐車スペース等に対する理解を促進するとともに、その円滑な利活用に必要な配慮等について周知を図る。また、障害者団体等が作成する啓発・周知のためのマーク等について、関連する事業者等の協力の下、国民に対する情報提供を行い、その普及及び理解の促進を図る。 児童、生徒や地域住民等のボランティア活動に対する理解を深め、その活動を支援するよう努めるとともに、企業等の社会貢献活動に対する理解と協力を促進する。   [障害者基本計画(第4次)骨格案] ①重点的に理解促進等を図る事項 ・「命の重さは障害の有無によって少しも変わることはない」という当たり前の価値観を社会全体で共有し、障害のある者と障害のない者が、お互いに障害の有無にとらわれることなく社会で共に暮らしていくことが日常となるように、国民の理解促進に努める。 ・共生社会の理念や障害者権利条約の「社会モデル」について必要な広報啓発を推進する。 ・2020年オリンピック・パラリンピック競技大会を通じて実現を目指す共生社会の姿について広く発信を行い、パラリンピックに向けた国民の機運を醸成するとともに、障害者施策の意義について更なる理解の促進を図る。 ・「心のバリアフリー」を推進する。 ・知的障害、精神障害、発達障害、難病、高次脳機能障害、盲ろう・重症心身障害その他の重複障害など、より一層の国民の理解が必要な障害や、外見からは分かりにくい障害について、その障害特性や必要な配慮等に関する理解の促進を図る。 ・視覚障害者誘導用ブロック、身体障害者補助犬、障害者用駐車スペース等について周知を図る。 ・関係する事業者等の協力の下、障害者団体等が作成する啓発・周知のためのマーク等の情報提供、普及、理解促進を図る。 ・ボランティアに対する理解促進、活動支援に努めるとともに、企業等の社会貢献活動への理解・協力を促進する。   [障害者基本計画(第4次)本文案] ②理解促進等に当たり配慮する事項 障害者施策は幅広い国民の理解を得ながら進めていくことが重要であり、行政はもとより、企業、民間団体、マスメディア等の多様な主体との連携による幅広い広報・啓発活動を計画的かつ効果的に推進する。その際、効果的な情報提供や、国民の意見の反映に努めるとともに、障害当事者以外に対する訴求も重要であることに留意する。 また、地域社会における障害者への理解を促進するため、福祉施設、教育機関等と地域住民等との日常的交流の一層の拡大を図るとともに、特定非営利活動法人、ボランティア団体等、障害者も含む多様な主体による障害者のための取組を促進するため、必要な活動環境の整備を図る。 国内外の取組等に関する調査研究や先進的な事例の紹介等に努める。その際、障害に係る訳語の統一を図ることが分かりやすさや比較の便宜に資することに留意する。 また、障害者基本法に定められた障害者週間(毎年12月3日から9日まで)における各種行事を中心に、一般市民、ボランティア団体、障害者団体など幅広い層の参加による啓発活動を推進する。 障害のある幼児、児童、生徒と障害のない幼児、児童、生徒との相互理解を深めるための活動を一層促進するとともに、小中学校等の特別活動等における、障害者に対する理解と認識を深めるための指導を推進する。   [障害者基本計画(第4次)骨格案] ②理解促進等に当たり配慮する事項 ・障害当事者以外に対する訴求も重要であることに留意しつつ、障害者や障害者団体等を始めとする多様な主体との連携による幅広い広報・啓発活動を計画的かつ効果的に推進する。その際、効果的な情報提供や、国民の意見の反映に努める。 ・地域社会における障害者への理解を促進する。また、多様な主体による取組を促進するため、必要な活動環境の整備を図る。 ・国内外の取組等に関する調査研究や先進的な事例の紹介等に努める。その際、障害に係る訳語の統一を図ることが分かりやすさや比較の便宜に資することに留意する。 ・障害者週間における各種行事を中心に、幅広い層の参加による啓発活動を推進する。 ・幼児・児童・生徒間の相互理解を深めるための活動を一層促進するとともに、障害者に対する理解と認識を深めるための指導を推進する。   [障害者基本計画(第4次)本文案]  Ⅲ 各分野における障害者施策の基本的な方向 (略)   [障害者基本計画(第4次)骨格案]   Ⅲ 各分野における障害者施策の基本的な方向 (略)   [障害者基本計画(第4次)本文案]  おわりに ~障害者権利条約が目指す社会の実現に向けた今後の長期的課題~ 本基本計画は、障害者権利条約が目指す社会の実現に向けた強力なエンジンの機能を果たすことが期待されており、その機能を最大限に発揮するためには、障害者施策を総合的かつ効果的に実施するに当たっての課題となっている事項を一つひとつ解消していくことが求められる。 しかしながら、こうした課題の中には、短期的な取組により解消できるものもあれば、長期的な対応が求められるものもある。とりわけ、後者については、必ずしも本基本計画の計画期間に拘泥されることなく、長期的な視野の下で対応していく必要がある。こうした今後の長期的課題としては、次のようなものが挙げられる。 ・社会環境の変化と未来予測を踏まえた具体的な指標の設定が求められる。その際、SDGsに係る指標との整合性も考慮する必要がある。 ・三権分立に留意しつつ、合理的配慮の提供やそれを的確に行うための環境の整備を含め、立法府及び司法府から必要な協力を得られるよう努めることが求められる。 ・必要に応じ、国際比較を通じて得られた知見に基づいて施策の検討を進めていくことが求められる。その際、訳語の統一を図ることが分かりやすさや比較の便宜に資することに留意する必要がある。   [障害者基本計画(第4次)骨格案]  おわりに ~障害者権利条約が目指す社会の実現に向けた今後の長期的課題~ ・社会環境の変化と未来予測を踏まえた具体的な指標の設定が求められる。その際、SDGsの指標との整合性も考慮する必要。 ・三権分立に留意しつつ、合理的配慮の提供やそれを的確に行うための環境の整備を含め、立法府及び司法府から必要な協力を得られるよう努めることが求められる。 ・必要に応じ、国際比較を通じて得られた知見に基づく施策の検討が求められる。その際、訳語の統一を図ることが分かりやすさや比較の便宜に資することに留意する必要がある。 ・(各委員から提示された意見や課題、障害者政策委員会の議論等を踏まえ、今後加筆予定)   [障害者基本計画(第4次)本文案]  (別表)障害者基本計画関連成果目標 (略)   [障害者基本計画(第4次)骨格案]  (別表)障害者基本計画関連成果目標 (略)