p1 資料2   文部科学省の障害者施策実施状況の概要(平成30年度)   1.教育の振興   (1)初等中等教育 ・平成29年度及び30年度に公示した新特別支援学校学習指導要領等において、重複障害者である子供や知的障害者である子供の学びの連続性、障害の特性等に応じた指導上の配慮の充実、キャリア教育の充実など自立と社会参加に向けた教育を充実。 ・平成30年2月に「心のバリアフリー学習推進会議」において交流及び共同学習の推進方策を取りまとめ、各自治体の積極的な取組を促す通知を発出するとともに、モデル事業の成果を全国に普及させるための取組を実施。 ・平成30年度から制度化した高等学校における通級による指導の推進を図るため、公立高等学校の教員定数の加配、指導の専門性を高めるためのモデル事業、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所における教員研修等を実施。(参考)高等学校における通級による指導の実施状況。平成30年度は45都道府県、令和元年度は全都道府県で実施予定。 ・学校における医療的ケアをより安全かつ適切に実施できるよう、平成29年10月から開始した有識者による検討内容を受けて、学校における医療的ケアの実施に関する基本的な考え方や医療的ケアを実施する際に留意すべき点等を整理し、平成31年3月に通知を発出。 ・病気療養児の教育の一層の充実のため、小中学校等において、病気療養児に対する同時双方向型の授業配信を行った場合は、指導要録上出席扱いとし、学習成果を評価に反映することができるよう、平成30年9月に通知を発出。 ・自治体において障害のある子供への就学前から学齢期、社会参加までの切れ目ない支援体制を整備する際に要する経費や看護師・外部専門家の配置に係る経費の一部を引き続き補助。また、特別支援教育支援員については、配置実績を踏まえた地方財政措置が講じられている。 ・平成30年3月に文部科学省と厚生労働省の両省連携による「家庭と教育と福祉の連携「トライアングル」プロジェクト」において教育と福祉の連携方策を取りまとめ。これを踏まえ、今年度より保護者の同意を含めた学校と放課後等デイサービス等障害児通所支援事業所との連携を促進するためのモデル事業を実施。 ・文部科学副大臣の下に発足した「障害者活躍推進チーム」において、平成31年1月に、通級による指導の充実及び教師の専門性向上に関する取組等を盛り込んだ「発達障害等のある子供達の学びを支える 〜共生に向けた「学び」の質の向上プラン〜」を取りまとめ。これを踏まえ、初めて通級による指導を担当する教員向けのガイドを作成中(今年度末完成予定)。また、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所において、発達障害に関して教師が身に付けるべき知識、内容等の整理や、 p2 研修の在り方等について検討を開始。さらに、特別支援教育に関する教師の専門性を担保する仕組みの在り方について、今年の9月に有識者会議を立ち上げ、検討を開始。研修の在り方等について検討を開始。   (2)高等教育 ・現場に個別に蓄積されてきた知見や支援手法等を共有することにより支援の一層の充実を図るため、大学等の関係機関の連携ネットワークの構築を推進。 ・独立行政法人日本学生支援機構において、大学等における障害学生支援の充実に資するよう、全国の大学等における障害学生の状況及びその支援状況について把握・分析するための実態調査、各大学等が適切な対応を行うために参考にできる事例集の作成、理解・啓発促進を目的としたセミナーや実務者育成のための研修会の開催などの取組を実施。 ・学生支援を担当する教職員が集まる会議等において、障害者差別解消法の趣旨や障害者基本計画等について説明をするなど、障害のある学生の支援の充実についての理解促進の取組を実施。 ・多様な発達特性を有する学生に対する支援人材の育成に取り組む筑波大学ダイバーシティ・アクセシビリティ・キャリアセンターについて、平成30年9月5日に教育関係共同利用拠点として文部科学大臣認定を行う。   (3)生涯を通じた多様な学習活動 ・障害者の生涯学習推進を図るため、「学校卒業後における障害者の学びの支援に関する実践研究事業」として、学校から社会への移行期や人生の各ステージにおける効果的な学習プログラム、実施体制、関係機関・団体等との連携等に関する実践研究や、障害のある人が一般の生涯学習活動に参加する際の阻害要因、促進要因を把握・分析する調査研究を実施し、その成果を普及する予定。 ・障害者がその個性や持てる能力を発揮し社会で活躍するために、学校教育、生涯学習、文化芸術、スポーツの各分野において重点的に推進すべき6つの政策プラン(「文部科学省 障害者活躍推進プラン」)を検討するため、文部科学副大臣の下に「障害者活躍推進チーム」を平成31年1月に設置。障害者の生涯学習については、「障害のある人の生涯にわたる多様な学びを応援する〜障害者の生涯学習推進プラン〜」を平成31年4月に取りまとめた。 ・令和元年度から全国6つの各ブロックで、先進的な取組を実践する団体と共催して「共に学び、生きる共生社会コンファレンス」を開催する予定。実践研究事業の成果普及、障害理解の促進、実践者同士の学びあいによる担い手の育成、障害者の学びの拡大を目指す。 ・「学校卒業後における障害者の学びの推進に関する有識者会議」において、障害者の生涯学習の推進方策について検討を行っており、平成31年3月に「障害者の生涯学習の推進方策について(報告)−誰もが、障害の有無にかかわらず共に学び、 p3 生きる共生社会を目指して−」をとりまとめた。この提言を踏まえ、地方自治体、特別支援学校、大学等の積極的な取組を推進するため、「障害者の生涯学習の推進方策について(通知)」を令和元年7月に発出した。   2.文化芸術活動・スポーツ等の振興   (1)文化芸術活動 ・平成30年6月に成立した「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」に基づく国の基本的な計画の策定に向けて、文化庁、厚生労働省、経済産業省等の関係省庁によって構成する障害者文化芸術活動推進会議を開催するとともに、障害当事者、文化芸術及び福祉関係者等を構成員とする障害者文化芸術活動推進有識者会議を開催。本年度中に計画を策定する予定。 ・障害者による文化芸術活動の充実を図るため、障害者の優れた文化芸術活動の国内外での公演・展示、映画作品のバリアフリー字幕や音声ガイド制作への支援等の取組を実施。   (2)スポーツ ・障害者スポーツの普及促進のため、「障害者スポーツ推進プロジェクト」として、各地域における課題に対して、障害者スポーツの振興体制の強化、身近な場所でスポーツを実施できる環境の整備を図る取組(平成30年度より)や、障害者スポーツ団体と民間企業とのマッチング等により障害者スポーツ団体の体制の強化を図り、他団体や民間企業等と連携した活動の充実につなげる取組(平成30年度より)、個々人での購入が容易でない障害者スポーツ用具について、地域の保有資源を有効活用し、過大な金銭的負担を負うことなくスポーツを始めることのできる仕組みを構築する取組(令和元年度より)を実施。また、令和元年度には、このプロジェクトの中で、障害者が観戦しやすい会場づくりや大会・イベント運営方法に関する事例調査を実施中。 ・また、2020年東京大会に向け、「オリンピック・パラリンピック・ムーブメント全国展開事業」として、パラリンピック競技の観戦・体験事業を重点的に実施するなど、障害当事者以外に向けた障害者スポーツ体験・理解の促進を図るとともに、「Specialプロジェクト2020」として、全国の特別支援学校でのスポーツ・文化・教育の祭典の実施に向けた先進事例を蓄積するためのモデル事業や特別支援学校等を活用した地域における障害者スポーツの拠点づくりの支援を実施。 ・令和元年10月に開催予定であった第19回全国障害者スポーツ大会(台風19号により中止)において、精神障害者の卓球を正式種目として追加した。 ・パラリンピック競技の特性等も踏まえ、各競技団体が行う強化活動や次世代アスリートの発掘・育成の支援、ナショナルトレーニングセンターの拡充など、競技力向上のための取組を実施。