資料5 p1   障害者差別解消法の見直しに関するアンケート調査結果(暫定版)について   2019年12月12日経団連SDGs本部      T経緯 (1)政府の障害者政策委員会では、障害者差別の解消の推進のため、本年2月より障害者差別解消法の見直しが検討されており、その中で、事業者による合理的配慮の提供の義務化が議論の遡上に上がっている。 (2)障害者差別解消法に基づく事業者による合理的配慮は、個々の場面によって求められる内容の異なる、個別具体的な対応であり、定義や範囲の特定が難しいことから、義務化については、事業者や業界団体など幅広いステークホルダーの意見を聞いて慎重にその妥当性を検討する必要がある。 (3)そこで、経団連では、11月5日に「障害者差別解消法の見直しに関する懇談会」を開催し、同懇談会に出席した企業・団体を中心に、下記によりアンケート調査を実施したので、障害者政策委員会にて同調査結果を報告する。   U概要 (1)対象:「障害者差別解消法の見直しに関する懇談会」 (11月5日開催)(「障害者差別解消法の見直しに関する懇談会」は、経団連の3委員会・部会(企業行動・SDGs委員会・同委員会企画部会、消費者政策委員会・同委員会企画部会、生活サービス委員会・同委員会企画部会)の委員に案内した。) 出席企業・団体等(88社・団体104名) (2)実施期間:2019年11月6日から11月29日 (3)回答数:49社・団体より57件   V調査結果 1「合理的配慮の提供」の状況について   (1)顧客や利用者に対する「合理的配慮の提供」に関する取組みの有無 【図表1顧客や利用者に対する「合理的配慮の提供」の取組みの有無】(全体数57人) (作業者注:以下円グラフ) 行っている(青色)41件:72% 取り組む意思があるが、顧客や利用者から要望がないため行っていない(緑色)7件:12% 特に行っていない(白色)5件:9% わからない(紫色)4件 :7% (作業者注:円グラフ終了) p2   (2)顧客や利用者への「合理的配慮の提供」に対応している理由 【図表2「合理的配慮の提供」に対応している理由】(複数回答可)(全体数41人) (作業者注:以下棒グラフ) 会社の自主的な対応として36件 お客様からの要望によって19件 業法や主務官庁等からの指導によって13件 業界団体の自主的な取組として7件 義務化している自治体における対応のため6件 その他1件 (作業者注:棒グラフ終了)   (3)「合理的配慮の提供」の考え方を社内に浸透させるために行っている取組み 【図表3「合理的配慮の提供」の考え方を社内に浸透させるために行っている取組み】(複数回答可)(全体数41人) (作業者注:以下棒グラフ) 対応要領・マニュアルの策定25件 心のバリアフリーやユニバーサルマナーに関する研修21件 合理的配慮に関する研修17件 対応指針の策定14件 対応事例集の作成13件 その他12件 (作業者注:棒グラフ終了)   (4)「合理的配慮の提供」に関して、顧客・利用者から寄せられている苦情 【図表4「合理的配慮の提供」に関して、顧客・利用者から寄せられている苦情の有無】(全体数41人) (作業者注:以下円グラフ) ある(青色)23件:56% 特にない(黄色)15件:37% その他(黄緑)3件:7% (作業者注:円グラフ終了) p3   2合理的配慮の義務化について   (1)合理的配慮の義務化についての考え 【図表5合理的配慮の義務化についての考え】 (作業者注:以下円グラフ) 義務化に賛成(ねずみ色)19件:33% 義務化はやむを得ない(水色)12件:21%  義務化には反対(黄色)10件:18% どちらとも言えない、わからない(橙色)14件:25% その他(青色)2件:3% (作業者注:円グラフ終了)   (2)合理的配慮の義務化に反対と回答した理由 【図表6合理的配慮の義務化に反対と回答した理由】(複数回答可)(全体数10人) (作業者注:以下棒グラフ) 定義や範囲が不明なものは義務化にそぐわない9件 柔軟な対応をかえって阻害する7件 訴訟リスクがある6件 その他4件 (作業者注:棒グラフ終了)   (3)合理的配慮の義務化はやむを得ない、義務化に賛成と回答した理由 【図表7合理的配慮の義務化はやむを得ない、義務化に賛成と回答した理由】(複数回答可)(全体数31件) (作業者注:以下棒グラフ) 包括的で持続可能な社会の実現のため24件 国連「障害者権利条約」や「障害者差別解消法」の趣旨を実現するため14件 既に対応している11件 義務化した方が対応しやすい5件 その他1件 (作業者注:棒グラフ終了) p4   (4)「合理的配慮の提供」が義務化される場合、行政・自治体に期待すること(自由記述、主な意見) 事例集の充実(同旨の回答多数) 業種・業態別や障害特性別のガイドラインの整備(同旨の回答多数) 「合理的配慮の提供」に関する普及・啓発活動 「過重な負担」の判断基準の明確化   (5)地域協議会に期待する役割 【図表8地域協議会に期待する役割】(複数回答可)(全体数57) (作業者注:以下棒グラフ) ベストプラクティスや陥りやすい問題への対応事例の共有41件 紛争の防止や解決を図る相談体制の整備37件 紛争の防止や解決を図る関係機関の連携強化31件 個別の相談事案を取り扱う場合の守秘義務の確保23件 地域の実情にあわせた研修・啓発22件 その他2件 (作業者注:棒グラフ終了)   (6)事業を行っている自治体で「合理的配慮の提供」が義務化されたことによって生じた問題(自由記述、主な意見) 現時点では「義務化」のアピールが抑制的なため、努力義務との違いは感じないが、訴訟に発展するような事態になれば検証がしっかりなされると推測する。 過度な指摘が増えれば従業員の心理的委縮は避けられず、「義務化」がもたらす影響の大きさが心配されている。 以上