資料2 基本方針改定に係る事業者団体等からの意見一覧 目次 一般社団法人 全国警備業協会・・・・・・・・・・・・・・1 一般社団法人 全日本指定自動車教習所協会連合会・・・・・6 一般社団法人 全国高等教育障害学生支援協議会・・・・・・9 一般社団法人 全国生活衛生同業組合中央会・・・・・・・・15 公益社団法人 日本歯科医師会・・・・・・・・・・・・・・20 全国石油商業組合連合会・・・・・・・・・・・・・・・・・25 全国商工会連合会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29 一般社団法人 日本経済団体連合会・・・・・・・・・・・・33 日本商工会議所・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37 一般社団法人 日本書籍出版協会・・・・・・・・・・・・・43 p1 基本方針に関する御意見等(資料1 ヒアリング項目への回答) 団体名 一般社団法人 全国警備業協会 1.(1)1 アについて (御意見等) 「不当な差別的取り扱いの基本的な考え方」及び「正当な理由の判断の視点」について、特に変更すべき点はないものと思料します。ただし、合理的配慮とは別に、「正当(作業者注・下線ここから)及び合理的(作業者注・下線ここまで)な理由の判断の視点」と付け加えた方が、より基本的な考え方が強固になるものと思われます。 (事例等) 障害者とは、法の対象範囲でも記載されている通り、「身体・知的・精神・その他心身の障害」と定義されています。オリンピックやパラリンピックが分かれているように、さらにはパラリンピックでも障害程度で競技が分かれています。これは、あらかじめ障害の程度を把握しているから可能な事象であります。一方、通常の日常及び社会生活において、障害者の判断がつかないことも多いと思われます。故に、警備対象施設の受付等の入口部分で障害者判断がつかないために意に沿わない差別的な取り扱いが発生してしまう懸念があります。 1.(1)1 イについて (事例等) 特にありません (御意見等) 特にありません 1.(1)2 アについて (御意見等) 特にありません (事例等) 特にありません p2 1.(1)2 イについて (事例等) 特にありません 1.(1)2 ウについて (御意見等) 特にありません 1.(1)2 エについて (御意見等) 特にありません (事例等) 特にありません 1.(2)アについて (御意見等) 「合理的配慮の基本的な考え方」において権利条約第2条の中で記載されている通り、「均衡を逸した又は過度の負担を課さないもの」と定義されている一方で、説明文には「行政機関等及び事業主に対し、(中略)社会障壁の除去を必要としている旨の(作業者注・下線ここから)意思表明があった場合(作業者注・下線ここまで)において、(中略)必要かつ合理的な配慮を行うことを求めている。」の下線部分に「意思表明があり、一般的に正当な措置である場合」と変更することも検討する必要があると思われます。 「(作業者注・下線ここから)過重な負担(作業者注・下線ここまで)の基本的な考え方」が記載されていますが、行政機関はともかく、事業者の場合、事業規模や業種により「物差し」が大きく異なってきます。これは「適正な負担」あるいは「可能な負担」とするべきではないかと思料します。 「合理的配慮」に記載の一例にあげられるみっつの例のほかに、知的障害、精神障害における具体的例も多く追記されてはいかがでしょうか。 (事例等) 一方的な意思の表明で対応する場合、障害者各人の捉える社会的障壁は様々であり、例え、一般的に正当な措置であっても社会的障壁が無くならなければ意思の表明に対応したとは言えません。一方、過重でなければ一般的に正当な措置以上でも対応しなければならないのは「合理的配慮」と言えるか疑問であり、まして障害者の権利利益を侵害するとは言えないと思料します。 p3 過重な負担とはどの程度なのか?また、複数障害者がいる場合、複数の社会的障壁を除去する優先順位についても不明確であり、かつ曖昧でもあり対応に苦慮しかねないことが懸念されます。 1.(2)イについて (事例等) 特にありません 1.(2)ウについて (事例等) 特にありません 1.(2)エについて (御意見等) 特にありません 1.(2)オについて (御意見等) 最も重要な事象だと思料します。いくつか必要な事があると思います。一番重要なのは、お互いに「相手の立場および状況を理解しあうこと」です。また、対話を行う場合は、事業主は随時報告できる専属的対応者を決めることです。また、対話の内容について両者が確認しあうことも大切です。お互いの信頼関係の構築と安心感の醸成には欠かせないことだと思います。 ハード面では、事務所内やトイレなどの回収費用の補助が円滑に行われるような制度作りが必要と考えます。ソフト面では、一般従業員に対する教育・研修を実施する必要があり、時間や費用の負担が事業者に過度にならないような仕組みが必要と考えます。 企業の上司の対応が障害者にとって建設的対話ができるかどうかが左右されると思います。特に精神障害者に関しては相手の気持ちをどこまで汲み取れて、適材適所の業務に従事させるかを考えることが重要であると思料します。 p4 事案に対して、一方的にどちらからSNS等に発信することに対しての制限は必要な気がします。第三者から見たときに、どちらが正しい、悪いの判断になりやすく、炎上状態になれば事業にとってマイナスになる等、リスクが高いと思われます。事案が発生した際に、交通事故のようにきちんと届出をして様々な状況をまず社会全体として共有することが必要だと思料します。 (事例等) 信頼関係を構築する場合、どのような環境であっても互いに交流しあうことが一番であると思います。立場や職責等ではなく個人信頼関係が構築されて、真の建設的対話が可能になると思われます。 2.(1)について (御意見等) ハラスメントのように各企業が専門相談窓口を設けていなく、公的な機関も支援地域協議会のみで相談窓口が圧倒的に少ないと思われます。したがって、障害者差別についての専門的知識を有する専門家が不足していると思われます。さらに、企業にいたっては、相談する人材がいません。以上のことから、障害者差別の相談を受けることが可能な人材育成が第一に必要と考えます。さらには、専門的に相談や仲裁機能を有する公的な相談所も障害者差別解消支援地域協議会のほかにも必要と考えます。 相談窓口における相談に対応いただく人員の確保と、育成が重要と思います。相談者と相手方との間で、問題解決についての調整・あっせんにおいて、複数回にわたる面談等が必要と思われますので、十分に機能するために重要であると思います。 2.(2)アについて (御意見等) 企業側等において、どの様な行為が該当し、どの様な点に留意するかを考えるためにも、集まった相談事例をもとに、事例集等が必要になると思いますが、作成時に、相談者等のプライバシーの保護を考える必要があり、その判断基準等を国の方で明示しておく必要があると思います。このようなものがないと、各自治体等で対応に苦慮することになると思います。 p5 2.(2)イについて (御意見等) 特にありません 3.について (御意見等) 交通事故のように、事案発生時に通報できる仕組みは必要ではないかと思料します。障害者には障害者側の、事業主には事業主側の言い分があると思いますので、それらを第三者に即時通報できるようにならないと、事業主内で情報が留まる、もしくは現場で対応して終了となってしまう可能性が高いためです。 (以上) p6 基本方針に関する御意見等(資料1 ヒアリング項目への回答) 団体名 一般社団法人 全日本指定自動車教習所協会連合会 1.(1)1 アについて (御意見等) 特にありません。 (事例等)(空欄) 1.(1)1 イについて (事例等) 身体障害者の方が自らの車両を持ち込む場合は、多くの教習所で入所が可能ですが、教習所に備え付けられている車両による教習を希望する身体障害者の方については、身体障害者用教習車両を備えていない教習所において、入所できなかったことがあります。 (御意見等) 設備の整備が進んでいない教習所では、どうしても対応が困難な場合があります。 1.(1)2 アについて (御意見等) 特にありません。 (事例等)(空欄) 1.(1)2 イについて (事例等) 特に把握していません。 1.(1)2 ウについて (御意見等) 一般私人から、証拠となる資料を求められた場合に応じることを義務づけることは、要求の態様や求められる証拠の内容によっては事業者にとって過大な負担となる場合があると考えます。 p7 1.(1)2 エについて (御意見等) 事業者側からは、丁寧に説明する姿勢が必要であると考えます。 (事例等)(空欄) 1.(2)アについて (御意見等) 特にありません。 (事例等) 身体障害者の教習生に対し、送迎時における車椅子の積み下ろし、段差がある場所を移動する際の職員の補助、必要があれば車椅子に乗車状態での持ち運び(職員5名が必要であった)、極力段差のない教場の活用、休憩時は畳敷きの応急室を提供等の綿密な指導計画を立てて教習を行った。 1.(2)イについて (事例等) 特に把握していません。 1.(2)ウについて (事例等) 特に把握していません。 1.(2)エについて (御意見等) 一般私人から、証拠となる資料を求められた場合に応じることを義務づけることは、要求の態様や求められる証拠の内容によっては事業者にとって過大な負担となる場合があると考えます。 1.(2)オについて (御意見等) 筆談ボードやヘルプカードなども活用して、密な連絡体制を構築することが必要であると考えます。 p8 (事例等) 発達障害者の教習生に対し、技能教習時の説明は丁寧に行い理解度を確認しながら実施するなどの配慮をした。また、技能教習を週1回から2回に限って実施するなど、面談時の申し出に配慮した対応に努めた。 2.(1)について (御意見等) 特にありません。 2.(2)アについて (御意見等) テレビCMが有効ではないかと考えます。 2.(2)イについて (御意見等) イラストなどを用いたわかりやすいものが活用しやすいです。 3.について (御意見等) 特にありません。 (以上) p9 基本方針に関する御意見等(資料1 ヒアリング項目への回答) 団体名 一般社団法人 全国高等教育障害学生支援協議会 1.(1)1 アについて (御意見等) A.ひとつの事案において、不当な差別的取扱いと合理的配慮とが同時に問題となることがあるため、事業者はいずれの事案に向き合う際にもその点に留意する必要がある、ということを基本方針に明記すべきである。 B.事業者が障害者に合理的配慮を提供したことを理由として、その障害者を不利益に扱うことは、不当な差別的取扱いになる、ということを基本方針に明記する必要がある。 (事例等) Aについて、たとえば、「障害者だから授業に参加させない」と「授業で障害者のためのノートテイカーをつけない」という問題がひとつの事案で同時に発生することがある。「教員が、大学が過重負担だとして、ノートテイクの提供を行わないことを理由に、自分の授業を履修しないように学生に指導した」のようなケースである。 Bについて、たとえば、「障害学生にノートテイカーをつけるという合理的配慮をしたから、その分だけ成績を少し下げる」ことは、不当な差別的取扱いとなりうる。文科省の対応指針には「試験等において合理的配慮の提供を受けたことを理由に、当該試験等の結果を学習評価の対象から除外したり、評価において差を付けたりすること。」という文言があるが、試験等に限定された例に止まるため、基本方針に一般化された考え方となる方が望ましい。 1.(1)1 イについて 間接差別については、これを障害者差別と明確にすることは、障害者の権利擁護から求められてしかるべきだと考える。これまでも現場で意見の多かった実習を伴う科目やカリキュラムについては、現実的に間接差別に該当するものも多いと考えられ、社会的障壁解消のための努力が必要である。 p10 1.(1)2 アについて (御意見等) A.ある差別的取扱いが「不当」である(「正当な理由」がない)か否かを判断する際には、合理的配慮(「過重負担」)の有無(建設的対話や変更・調整の実施の努力を尽くしたかどうか)を考慮に入れる必要がありうる、ということを基本方針に明記すべきである。 B.正当な理由は、非常に個別性が高いと考えられるので、個々の事例ごとに検討されることが必要であるが、いち事業者内のみでそれを検討し判断するのは難しい。よって、何らかの第三者機関や専門性を有する団体等の相談窓口があると望ましい。 (事例等) Aについて、たとえば、主催者が「車いす利用者の学生はイベントに参加できません」と言うのは、車いす利用者(障害者)だからイベントに参加できないという意味では差別的取扱いであるが、そのような差別的取扱いが「不当」である(「正当な理由」がない)か否かを判断するにあたっては、開催場所(仮に建物の三階で開催されたイベントだったとする)について、合理的配慮のために三階のイベント会場を変更しようと主催者が努力したか否かという対応の有無(イベント会場の変更に「過重負担」があったか否か)も問われることになる。 1.(1)2 イについて (事例等)(空欄) 1.(1)2 ウについて (御意見等) 追記すべきである。なぜなら、具体的な根拠もなく、抽象的な理由で、差別的取扱いがなされる事例があるためである。 1.(1)2 エについて (空欄) p11 1.(2)アについて (御意見等) A.障害者の意向の十分な尊重という原則(とともに障害者の意向を尊重しなければ合理的配慮が不当な差別的取扱いに転化しうる虞があること)を基本方針に明記すべきである。 (事例等) A.たとえば、ある教員が合理的配慮のつもりで聴覚の障害のある学生を授業中にあてなかったが、実はその障害学生は授業中にあててほしかったため、不当な差別的取扱いが問題となった事例がある。その教員が本人の意向を確認しないまま勝手な判断で合理的配慮をしたつもりでいたため、不当な差別的取扱いが生じたのである。障害者雇用促進法36条の4は、合理的配慮にあたっては「(事業主は)障害者の意向を十分に尊重しなければならない」と定めている。 (「1.(2)イ」から「1.(2)ウ」まで空欄) 1.(2)エについて (御意見等) 「基本方針改正に関するヒアリング項目」(別紙7)のいう、「基本方針に、「過重な負担」について、事業者側において根拠を交えて説明することや、証拠となる資料を求められた場合には応じることを追記すべきとの意見」を支持する。なぜなら、具体的な根拠もなく、抽象的に過重負担の抗弁が援用される事例があるためである。 1.(2)オについて (御意見等) 大学において障害のある人々への合理的配慮のための環境・慣行の変更・調整に関する専門性と、権利保障の考え方に基づく支援マインドを有する人材を擁した支援体制が必要である。および、大学内での権利擁護に関する継続的な理解啓発の取り組みに支えられた構成員のインクルーシブな態度の涵養。これらを通じて、障害のある学生・構成員と事業者側が、(作業者注・下線ここから)テーブルで向かい合って(作業者注・下線ここまで)対話するというよりも、テーブルの同じ側に座って並び、課題の解消や参加の実現という目標に向かって協働する関係性が文化として備わった大学となることが必要。 p12 (事例等) AHEADJAPANでは、毎年の大会での各大学からの事例報告、協議会誌での障害学生支援に関する専門的な知見の収集と共有を行なっている。また、AHEADJAPANの理事・関係者が協力者として多く参加するJASSO「障害学生支援に関する調査及び事例集」等のコンテンツ、AHEADJAPANが東京大学および京都大学等と連携して運営している「障害と高等教育に関するプラットフォーム」の障害学生支援スタンダード・専門的研修CBI等のコンテンツ、「高等教育アクセシビリティプラットフォーム」のQ&A集等のコンテンツでも、上記の意見に関わる事例や考え方の蓄積と集約を行なっている。 2.(1)について (御意見等) 行政機関等の相談窓口では、高等教育機関の状況(位置づけ、内容等)を理解した上で、第三者的立場でのアドバイス、紛争事例の調停(調整)、他、その個別のケースに対して、適切な形で参考となる合理的配慮や紛争解決に関する具体的な事例の提供が行われることなどを期待する。また、学外の支援リソース、例えば地域協議会を通じた地域の支援リソース・紛争調停の機能との接続なども必要である。また、これらを効果的に実施できる、メディエーター(紛争解決を支援する人)の養成の制度的支援も行政機関等に期待する。 2.(2)アについて (御意見等) 障害を理由とする差別に関すること、合理的配慮の事例等に関する研修会を、定期的に事業者内で開催すること(定期的に実施することが重要)。事業所内研修会が行えるように専門性を有する団体による研修会開催補助や、オンラインコンテンツを公開できるようにすること。行政機関等の相談窓口の担当者等による、その相談窓口の活用法に関する研修会を実施すること。 今後、合理的配慮が義務化される私学向けに、かつて差別解消法の試行前に主として国公立大学の副学長級を対象に、文科省および内閣府により行われた説明会と同様のイベントを、(効果的な学内支援体制を構築する準備期間を設けるために)できるだけ早期に開催し、法の精神と大学の果たす役割、行政による大学への制度的な支援について、文科省および内閣府から具体的な説明が行われること。 p13 2.(2)イについて (御意見等) 「1.(2)オについて」で述べたように、好事例についてはAHEADJAPANが協働する組織・団体により蓄積されているが、それは主体が大学(事業主)の事例である。行政が大学での紛争事例について、調停・斡旋の役割を具体的にどのように果たすのかについては事例提供がなく、具体的な事例提供が期待される。 3.について (御意見等) 環境の整備について 障害者差別解消法5条と関連して、基本方針は「環境の整備には、ハード面のみならず、職員に対する研修等のソフト面の対応も含まれることが重要である」と記しているが、さらに踏み込んで、「紛争解決に関する機関(委員会等)を事業者(私立大学を含む)の内部に設けることが望まれる」という文言を基本方針に含めるべきである。 また、同法5条と関連して、事業者の合理的配慮が法的義務になるにあたり、「事業者(私立大学を含む)の内部に専門の担当窓口(障害学生支援担当部署と障害学士支援担当者を含む)を設けることが望まれる」という文言も基本方針に含めるべきである。「令和2年度(2020年度)障害のある学生の修学支援に関する実態調査」によれば、専門の障害学生支援担当部署の設置率は国立では58.4%、私立では19.9%であり、専任の障害学生支援担当者の配置率は国立が50.4%、私立が16.9%であった。 さらに、同法5条と関連して、環境の整備には、現状の過重な負担を解消するための予算計上と予算編成も含むことを明記する必要がある。 p14 高等教育機関における合理的配慮の提供は、高等教育が持つ教育・研究等の事業のバリエーションの豊富さから、画一的な判断や提供は難しいという側面がある。初等・中等教育と比べても、社会的障壁の背景となる環境的要因の有り様が多様であることから、個別具体的に、つまりオーダーメイドでの合理的配慮の提供には、障害特性等に関する専門性のみならず、各機関の性質を十分に理解した上でのケースワークが必要である。しかしながら、現在の高等教育機関においては、専門的人材の育成や安定的な配置に至っていない機関がほとんどで、今後ますます増加すると思われるニーズに対して、効果的・安定的な合理的配慮の提供が困難な組織体制になっている。障害のある学生の意思表明のキャッチアップや建設的対話のプロセスをスムーズ且つ質の高いものとするためにも、専門的人材の育成や安定的な配置は不可欠であるため、そのような体制整備を後押しするための公的な予算的補助は不可欠である。このような措置については、初等・中等教育における特別支援教育に関する予算的措置とのギャップが著しく、初等・中等教育での権利保障が高等教育においての権利保障に十分に接続していかないという懸念もある。障害のある生徒・学生の学びの機会を保障し、社会進出にむけての選択肢を増やすためには、高等教育における支援体制の強化は不可欠であるため、それを実現するための予算的措置は不可欠であると考える。 紛争の解決について 障害者差別解消法14条との関係では、紛争の防止と解決にあたっては社会モデルの視点が不可欠であることを基本方針に明記すべきである。障害学生の紛争の防止と解決の際には、障害学生が自己の希望を表明せず、いわば我慢することにより、紛争の防止と解決が進められることがあるが、それは障害者差別解消法の趣旨と目的に反する。紛争の防止と解決は、社会の側のバリアを除去することによってこそ進められる必要がある。 (以上) p15 基本方針に関する意見等(資料1 ヒアリング項目への回答) 団体名 一般社団法人 全国生活衛生同業組合中央会 (注)以下の回答内容は、当中央会傘下の生活衛生業16業種の同業組合全国組織によるヒアリング項目への回答報告等を取りまとめるなどして記載したものです。 1.(1)1 アについて (御意見等) 当中央会傘下組合においては、障害者に対する不当な差別的取扱いの解消を進めることに異論はありません。基本指針の該当部分に関しては、事業主や従業員の感性、経験、理解度等によって受け取り方は多少異なるものと考えていますが、今回、基本方針の記載について不明点、追加意見はありませんでした。引き続き理解向上、普及に努めて参ります。 また、昨今の世情を踏まえて積極的に取り組んでいく必要があるとの意見や、当生活衛生業界は、特に地域に密着している店舗・施設や、永年にわたり営業している事業者も多いことから、障がい者差別の解消に積極的に取り組んでいくことは、地域や他業界の模範になることが期待されるとの前向きな意見がありました。 しかし、当組合の事業者は中小企業・小規模事業者の法人・個人が多いため、過度な要請には応えることは難しく、現行の基本方針への対応にも苦慮するものと考えられるなかで、さらに厳しい要請、方針の改正となれば多くの事業者には実現困難と言わざるを得ません。 (事例等) 事例報告なし 1.(1)1 イについて (事例等) 事例報告なし (御意見等) 間接差別、ハラスメント等の見極めが明確にできない現状において、これらを「差別に含む」となれば、営業の現場においては大変な混乱が生じるものと考えます。 1.(1)2 アについて (御意見等) 基本方針に示された「正当な理由の判断」については、傘下組合から意見提出はありませんでしたが、これは、意見の出しようがないと感じているものと考えられます。実際の店舗、施設で「正当な理由」についてお客様とやり取りすることとなれば、方針の文章のみでは事業者として苦慮すると考えられます。特に小規模店舗においては、お示しいただいている具体的な事例を参考としつつ、その積み重ねで判断していくことになると考えられます。 p16 (事例等) 事例報告なし 1.(1)2 イについて (事例等) 事例報告なし 1.(1)2 ウについて (御意見等) 店舗、施設の規模、従業員の体制等によって、説明・証拠資料への対応能力は異なります。どの店舗でも対応できる、また店舗の特性に応じて取り組める基準を明確に示していただかなければ、お客様に理解・納得いただける対応ができず、係争に至ることが懸念されます。よって、現段階で基本方針に記載することは困難であると考えます。 1.(1)2 エについて (御意見等) 事業者側もお客様側も客観的に理解、納得できる詳細な基準を示すことが不可欠ですが、現実には難しいと思われます。双方が歩み寄ることができる基準の策定が望まれます。 (事例等) 事例報告なし 1.(2)アについて (御意見等) 総論としての「合理的配慮」は理解しますが、営業の現場で理解、適用していくためには、より具体的、詳細な基準・考え方、事例を明確に示すことが不可欠と考えます。 「過重な負担に当たると判断した場合は、障害者にその理由を説明するものとし、理解を得るよう努めることが望ましい。」との考え方は理解できますが、現場においては非常に困難な事例に発展する可能性を含んでいると懸念する組合の意見があります。 外国人に対しては、コミュニケーション(ソフト)によって対応することが可能ではないかとの意見があります。 p17 (事例等) 過去に事例はないが、昨今のSNS社会においては、大きな事件に繋がる可能性を懸念する。 店舗の構造上スロープが設置できない、段差が解消できない。 1.(2)イについて (事例等) 事例報告なし 1.(2)ウについて (御意見等) お客様がシャンプーを行える姿勢になれるか、耐えられるかによって、提供できるサービスと、それによる利用者の満足度に差が生じることになりますが、過重な負担としてどのような説明をし、利用者に納得いただけるか事業者判断の拠り所が必要です。 1.(2)エについて (御意見等) 各業種別、店舗等の規模別に「過重な負担」の考え方、基準を検討・策定し、十分理解したうえでなければ、基本方針に「説明せよ」「資料を示せ」と記載されても事業者はとても対応できませんので、基本方針への記載には反対です。 1.(2)オについて (御意見等) 「多様性と調和」をテーマに、障がいの有無にかかわらず、お互いを認め合う共生社会の実現を目指した2020東京パラリンピックが好評のうちに閉幕した。新国立競技場の車イス席や多機能型トイレが利用者の高評価を得られたように、当事者側と障がい者の皆様の意見交換は非常に重要であると思います。 従来は業界と行政の検討が主で、障がい者の皆様の意見があまり反映されていないと思われ、業界と障がい者の皆様との間の意思疎通が必ずしも十分できないため、対応できる事、できない事が明確化されてこなかったと考えており、障がい者の皆様の要望とそれが実現可能であるのかを業種ごと、規模、環境別によく検討することが必要です。 事業者の基礎知識の習得が不可欠であり、自治体と事業所の連携を強化して研修等による知識普及や事業所に対する相談体制が必要。 p18 (事例等) 前記意見に一部含まれる。 2.(1)について (御意見等) 「相談窓口の設置」とは、どの程度の規模を想定しているのかご教示いただきたい。 ※専任や専用の窓口の設置が必要なのか、それとも障害者からの相談を受ける担当者を設ける程度でよいのかなど。 差別に関する相談場所等がどこに設置されているか広報していく必要があります。 障がい者に対する物理的な対応(スロープ、障害者用バージョン、ホワイトボード、介助犬)は、整ってきているものの、実質面の相談体制は充実されていない。その場に立ち会った際のQ&Aなどは、経験値のある指導員からの教育が必要です。 実際に問題が発生した際の相談窓口が明確でないと思われる。組合連合会で、直接的に障がい者からの苦情等を聞いたことはほとんどありませんが、今後そうした事案が発生した際の相談窓口を明確化していただきたい。 2.(2)アについて (御意見等) ポスター等の啓発活動で、改善されるものではなく、障がい者と普通に共存する社会(受け入れる社会)を目指すためには意識改革、戦略をもった意識改革から、指導員体制を整え、事業者などの教育までを含めたトータルの計画・対策が必要です。 事業者における研修の項目について、事業者にも事業規模の差があり、ごく小規模の事業者が独自に研修を実施すること及びその機会を得ることは困難であることから、業界の研修制度等に組み込み、企業の代表者が習熟して自らの店舗及び企業に還元することによってその努めを果たしたと見なしていただきたい。 2.(2)イについて (御意見等) 事業者が店舗、施設で基本方針の施策を実践するうえで必要とするのは具体的な実践事例です。よって、業種別、店舗、施設の規模別の具体的かつ詳細な事例集を様々な媒体を活用して周知願います。 p19 3.について (御意見等) 基本方針に基づく施策の推進は、障がい者団体等の意見を尊重して進めていただくことは理解しますが、当傘下組合の店舗、施設の多くは小規模企業、個人事業者であり、障がい者差別の解消についての総論に異論を唱えるものではありませんが、障がい者の皆さんの満足を得るためには施設、設備の整備をはじめ費用負担が生じる対応が必要になるとともに、お客様との係争状態となった場合には大きな負担となります。 この様な情況への制度的、財政的な支援がなく、事業者自身で何とか対応せよということでは、基本方針の目的達成は遅れると言わざるを得ません。 障がい者差別の解消についての考え方の普及と、バリアフリー等に必要な施設・設備の整備促進に関する「行政の連携を強化」していただきたい。多くの事業者・従業員、店舗・施設関係者は、差別解消の考え方(精神)の普及と施設・設備等の整備は一体のものと感じていますので行政も精神面・施設整備施策の普及・促進を一体化して進めるべきと考えます。 業界としては、基本方針に真摯に取り組んでいる店舗、施設であっても、障がい者の皆様等が満足できず、SNS等によって当該店舗、施設を批判することによって、大きな影響を受ける事態を懸念していますし、この様な情況について相談できる体制の整備を望んでいます。 映画館はデジタル化によるバリアフリー(視覚障がい・聴覚障がい者のためのアプリ)へ、さらに究極的には、人種(言語)を超えたバリアフリーにより、誰もが利用できる劇場にとの考えがあり、また、日本語字幕用の聴覚障がい者用のメガネが開発されているものの、これらの整備には多額の費用が必要となりますので、官民連携して障がい者バリアフリーのための補助金等の財政支援体制の確立が必要です。 飲食店におけるバリアフリーは、飲食組合においても標準営業約款制度の登録に際しての努力義務となっていますが、今後は全ての店舗も求められます。しかし、組合員店舗の多くは小規模事業者であり、対応能力は店舗によってかなり差異があるため、最低限取り組むべきこと、その他各店舗で対応可能なものについて情報発信でカバーすることが望ましいと考えます。そのため、業種毎に基本方針をわかりやすく啓発する資料の作成が必要です。 (以上) p20 基本方針に関する御意見等(資料1 ヒアリング項目への回答) 団体名 公益社団法人 日本歯科医師会 1.(1)1 アについて (御意見等) 全国的に障害者(児)への歯科口腔保健事業が展開されているが、歯科医療の提供に係る人的・物的環境の整備が不十分であることは否めず、地域間格差も生じており、障害者(児)に等しく十分な摂食機能支援などの口腔機能の維持向上を含めた歯科医療を提供できない状況下にある。これは、差別の観点から招いているものではないが、「不当な差別的取扱いの基本的な考え方」にある「障害者の権利利益の侵害」に抵触する恐れがある。 障害者(児)に適切に対応するための人材育成や受け皿の整備等の措置が求められることは論を待たないので、「不当な差別的取扱いではない」としている「障害者の事実上の平等を促進し、又は達成するために必要な特別の措置」につき、歯科医療機関の環境整備が該当していると読むことができるよう、具体的な例を示していただきたい。 (事例等) 障害者が歯科医療を受診できる施設が少ない 障害者歯科治療の一次医療、二次医療、三次医療の体制が整備されておらず、十分に機能していない 地域格差が大きい 障害者歯科センターでの待機患者が多い 1.(1)1 イについて (事例等) (御意見等) バリアフリーについて、全国的に対応しているが、物理的・精神的にも十分であるとは言えない。 また、ビルの2階以上に歯科診療所がある場合、エレベーター等の対応も十分とは言えない。 p21 1.(1)2 アについて (御意見等) 「1.(1)1 ア」に同じ。 (事例等) 「1.(1)1 ア」に同じ。 1.(1)2 イについて (事例等) 「1.(1)1 ア」に同じ。 1.(1)2 ウについて (御意見等) 追記することに異論はない。ただし、歯科医療機関において状況に応じて総合的・客観的に判断することが求められるため、環境整備への配慮及び具体的な対応事例の共有が必要と考える。 1.(1)2 エについて (御意見等) 等しく障害者(児)に適切に対応していくための人材養成(研修)、公的機関の整備、歯学教育の整備が必要と考える。 (事例等) 「1.(1)1 ア」及び「1.(2)ア」に同じ。 1.(2)アについて (御意見等) 歯科医療機関においては場面や状況に応じて総合的・客観的に判断することが求められるところであるが、地域の歯科診療所が全て障害者(児)を受け入れるのは難しく、地域の病院歯科や都道府県の障害者歯科センター等での受け入れをお願いしている現状である。 そのため、合理的配慮の留意事項である「障害者でない者との比較において同等の機会の提供を受けるためのものであること」に抵触し、「障害者の権利利益の侵害」につながりかねない。また、「実現可能性の程度(物理的・技術的制約、人的・体制上の制約)」として、過重な負担に当たると判断されかねない。 p22 地域の歯科医師への研修は、地域の病院歯科や障害者歯科センター等との連携で実施されているが、人材育成はなかなか難しく、障害者歯科に関する研修システムが必要と考えるが、そうした状況への配慮をしていただきたい。 (根拠となる事例) 日本全国に実働している障害者歯科の専門医は、まだ200名ほどである。 指示の通る障害者を診ることができる歯科診療所は多いが、指示に従えるように行動調整のトレーニングができる歯科診療所は少ない。そのため、「指示が通らない障害者」に対して適切な対応ができない 1.(2)イについて (事例等) 「1.(1)1 ア」及び「1.(2)ア」に同じ。 1.(2)ウについて (事例等) 「1.(1)1 ア」及び「1.(2)ア」に同じ。 1.(2)エについて (御意見等) 追記することに異論はない。ただし、人材養成(研修)や歯学教育の整備への配慮、具体的な対応事例の共有が必要と考える。 1.(2)オについて (御意見等) 等しく障害者(児)に適切に対応していくための人材養成(研修)、公的機関の整備、歯学教育の整備が必要と考える。 (事例等) 五つの歯科大学に障害者歯科学が開設されているにとどまっている。 p23 その他の歯科大学・歯学部では、小児歯科や麻酔学の一環として教育が行われている。 日本障害者歯科学会の専門指導医は33名、専門医は149名、専門医研修施設は40施設である。そのため、地域の歯科診療所が全て患者を受け入れるのは難しく、地域の病院歯科や都道府県の障害者歯科センター等での受け入れをお願いしている状況であり、歯科医療提供体制として不十分である。 2.(1)について (御意見等) どこで障害者(児)サービスを受けることができ、どこに相談できるのかを分かりやすく示す必要があると考える。また、そのための関係機関・団体によるネットワークの構築に基づく情報の共有及び相談体制の整備も必要と考える。 2.(2)アについて (御意見等) 「啓発活動」として、「障害者に対して適切に対応し、また、障害者及びその家族その他の関係者からの相談等に的確に対応するため、研修等を通じて、法の趣旨の普及を図るとともに、障害に関する理解の促進に努める」との記載の通り、研修の充実は重要と考える。 また、「障害者差別解消支援地域協議会」に歯科関係者が参画することにより、問題点の共有や課題解決に向けての対応等を図ることがより円滑になると思われる。そのため、「障害者差別解消支援地域協議会の設置・運営等に関するガイドライン」(平成29年5月)には「国及び地方公共団体の機関のうち、医療、介護、教育など障害者施策に関連する部署をはじめ、NPO法人などの団体、学識経 験者、その他必要と認める者」とあるが、基本方針においてはより踏み込んだ形で職能団体や特別支援学校医など、構成メンバーの一定程度の明示を行うべきと考える。 2.(2)イについて (御意見等) 事例の提供方法については、関係する職能団体が「障害者差別解消支援地域協議会」に参画することで、協議会において「事例の収集・共有」を図ることができると考える。 また、障害者白書や内閣府のホームページ等を通じて提供することに異論はないが、関係団体等にメールを通じて情報提供・周知することも必要と考える。 p24 なお、事例に限らず、留意点等の周知は不可欠であり、PR動画を作成することも有効と考える。 3.について (御意見等) 障害者(児)の歯科医療に関する協力医や相談医などを設置しているのは、令和元年度末現在で40都道府県である。また、近年、多くの都道府県や市区町村において歯科口腔保健の推進に関する条例が制定されており、障害者に係る対応を盛り込んでいるところも増えてきているなど、厚生労働省の「8020運動・口腔保健推進事業」や都道府県・市区町村での事業などを通じて健診や研修、人材育成等の事業が全国各地で展開され、障害者(児)への歯科口腔保健に係る環境整備が図られているところである。 しかしながら、障害者(児)への歯科医療提供体制が十分に整っていないことや、地域間格差がある現状に鑑み、より障害者(児)に適切に対応していくためには人材育成を含めたさらなる充実が不可欠であり、協力医の設置や相談体制の拡充と、円滑な対応に向けての研修などの環境整備が必要である。 以上を踏まえ、国の責務については、現状では表現が弱いため、「環境整備を行う」など、より踏み込んだ表現とすべきと考える。また、「事業者における研修」で掲げているが、そのための財政支援も必要である。 (以上) p25 基本方針に関する御意見等(資料1 ヒアリング項目への回答) 団体名 全国石油商業組合連合会 1.(1)1 アについて (御意見等) 特になし (事例等) 特になし 1.(1)1 イについて (事例等) 特になし (御意見等) 別紙7に記載のある例示のような行為が企業・団体によって障害者に行われることが良いこととは思わない。その一方で、間接差別等について「わが国では定まった定義はない」と記載されている。定義があって、それが広く国民に浸透して初めて主観的・客観的に差別であるとの認識ができるものと考える。よって、定義を固める事が先決だと考える。 1.(1)2 アについて (御意見等) 特になし (事例等) 特になし 1.(1)2 イについて (事例等) 特になし p26 1.(1)2 ウについて (御意見等) 根拠を交えて説明を行うこと自体は必要だと思うが、証拠となる資料を提示することを義務化するとなると、事業者の規模や人員体制によっては過重な負担となる可能性を懸念する。 1.(1)2 エについて (御意見等) 説明を求められた現場にいる従業員による説明で障害者側から理解が得られなかった場合には、専門的な知識を持つ中立な立場の第三者を交えて対話をする場所が国等によって準備されていることが望ましい。 (事例等) 特になし 1.(2)アについて (御意見等) 「過重な負担の基本的な考え方」について、考慮すべき要素の『実現可能性の程度』に記載のある括弧内の例示に「法令上の制約」を追記していただきたい。理由は、石油販売業界は消防法の規定により、運営形態によっては対応ができない場合があるため。例示中の「人的・体制上の制約」で読み取れなくもないが、法令上の制約と記載のあった方が、より理解を得られると考える。 (事例等) 消費者自らが給油することとなるセルフ給油所では、夜間は最低限の人員で運営する事業者がいる。消防法令上、セルフ給油所では、安全対策として給油を制御する「制御卓」の設置と従業員による制御が義務付けられているため、従業員は制御卓前から離れることができない。よって、状況に応じて支援を求められても、法令上の制約により対応することができない場合がある。 1.(2)イについて (事例等) 特になし。 1.(2)ウについて (事例等) 特になし。 p27 1.(2)エについて (御意見等) 「1.(1)2 ウについて」の回答に同じ。 1.(2)オについて (御意見等) 「1.(1)2 エについて」の回答に同じ。 (事例等) 特になし。 2.(1)について (御意見等) 事業者が障害者側に合理的配慮の提供ができない旨を説明しても、理解していただけない時や議論が平行線となった時に、仲裁を行うサービスを希望する。 基本方針の「第5の2」には「障害者及びその家族その他の関係者」との記載がある。「その他の関係者」に障害者の相手方となる事業者が含まれると推察するが、明確に「事業者」と記載してもらいたい。また、相談等に対応する際に、「障害者の性別等に配慮」とあるが、「事業者の匿名性の確保」を加えてもらいたい。 2.(2)アについて (御意見等) 昨今ではSNS等の普及により、消費者が事業者の風評を貶めるような投稿をする事例も散見される。仮に事業者側に落ち度がなく、投稿者の勘違いによる投稿であっても、投稿された側の事業活動に影響が出る可能性がある。このような事態にならないようにするためにも、広く法の趣旨等を理解していただく事は必要だと考える。 しかしながら、障害者差別解消法が改正されたことは新聞報道等により認知しているが、その他の場面で周知・啓発の活動を見聞することは無い。合理的配慮を提供する事業者側はもとより、障害者やサポートされている健常者にも正しく理解していただかなければ、現場でのトラブル等は起きやすく、何か意見の食い違い等が生じた時に、解決に向けて時間がかかるのではないかと思われる。 p28 このような状況を招かないためにも啓発活動は重要であると考えるが、その活動をホームページ等による広報を中心に考えると広がりにくいのではないかと考える。理由は、ホームページ等は自らが見に行かなければ目にしない媒体だからである。 そのほか、多様なメディアがある時代なので、有名なユーチューバーや、SNSのインフルエンサー等にも協力してもらい、普及広報を進めるのも一手かと考える。 2.(2)イについて (御意見等) 「どのような事例」で、「その時の対応の詳細」、及び「対応のポイント解説」等が記載されたものを提供してもらいたい。 3.について (御意見等) 別紙3の7ページ、「第4 事業者が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する基本的な事項」の「1 基本的な考え方」3行目に、「合理的配慮の提供については、努力義務とされている」旨の記載があるが、今般の法令改正により合理的配慮の提供は「義務化された」との認識でいる。当該箇所の「努力義務」との表記は正しいのかどうか、念のために確認をお願いしたい。 (以上) p29 基本方針に関する御意見等(資料1 ヒアリング項目への回答) 団体名 全国商工会連合会 1.(1)1 アについて (御意見等) 特になし。 (事例等) 特になし。 1.(1)1 イについて (事例等) 特になし。 (御意見等) 差別の概念に含む点については、特に、異論はないが、間接差別等を差別の概念に含める場合は、定義や例示により、どのような行為が間接差別等に該当するのか、事業者にも判別できるよう、具体的に記述するべきである。 1.(1)2 アについて (御意見等) 現行の、「行政機関等及び事業者においては、正当な理由に相当するか否かについて、個別の事案ごとに、障害者、事業者、第三者の権利利益(例・安全の確保、財産の保全、事業の目的・内容・機能の維持、損害発生の防止等)及び行政機関等の事務・事業の目的・内容・機能の維持等の観点に鑑み、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断することが必要である。」というのは、事業者の視点からは、どのような理由が「正当な理由」と判断されるのかわかりにくい。 今回の法改正で努力義務から義務に格上げされているため、少なくとも、正当な理由に相当する事例を例示するべきである。 (事例等) 特になし。 1.(1)2 イについて (事例等) 特になし。 p30 1.(1)2 ウについて (御意見等) 事業者の視点からは、どのような理由が「正当な理由」と判断されるのかわかりにくい状況の中で、根拠を交えて説明することや証拠となる資料を求められた場合には応じることについては、どの程度の負担が生じるか不明であるため、現段階では、反対する。 1.(1)2 エについて (御意見等) 上記のとおり、「正当な理由」の判断基準を明確化することにより、障害者の方と事業者の間に共通認識が生まれ、それに基づき建設的対話も進展すると考えられる。 (事例等) 特になし。 1.(2)アについて (御意見等) 合理的配慮の定義や範囲、過重な負担と認められる事項等について、事例を用いて、特に事業者に分かりやすい形で明確化することが必要であると考える。 現行の指針にも若干の例が記載されているものの、抽象的なものに過ぎない。 今回の法改正で努力義務から義務に格上げされているため、事業者が読んで、何をすれば良いか、また、どのようなものが許容されているのか示す必要があると考える。 (事例等) 特になし。 1.(2)イについて (事例等) 特になし。 1.(2)ウについて (事例等) 特になし。 p31 1.(2)エについて (御意見等) 事業者の視点からは、どのようなものが「過重な負担」と認められる事項等と判断されるのかわかりにくい状況の中で、根拠を交えて説明することや証拠となる資料を求められた場合には応じることについては、どの程度の負担が生じるか不明であるため、現段階では、反対する。 1.(2)オについて (御意見等) 上記のとおり、「過重な負担」と認められる事項を明確化することにより、障害者の方と事業者の間に共通認識が生まれ、それに基づき建設的対話も進展すると考えられる。 (事例等) 特になし。 2.(1)について (御意見等) 現行の相談体制は、指針で「障害者及びその家族その他の関係者からの相談等に的確に応じる」と定められているため、必ずしも各地で事業者の側から相談する体制が整っていないのが現状である。 今回の法改正で努力義務から義務に格上げされているため、事業者からの相談にも対応する体制について明確化するべきである。 2.(2)アについて (御意見等) 本会、各都道府県の商工会連合会、各地の商工会は、商工会の会員や地域の事業者に対して、本件についての啓発に協力する立場であるが、事業者が本件について知りたいことは、「どのような場合に」・「どのような行為をする」と義務違反になるのかであり、現行の規定ぶりでは、事業者の疑問に対して明確に答えることはできないので、啓発への協力も形式的なものとなりがちと考えられる。 内閣府が作成しているパンフレットや内閣府のHPに掲載される事例集については、障害者の方の視点で作成されているものが多く、事業者の視点で作成された広報物が必要であると感じる。 p32 2.(2)イについて (御意見等) イラスト・マンガを交えたパンフレットや事例を交えた動画が望ましい。 3.について (御意見等) 特になし。 (以上) p33 基本方針に関する御意見等(資料1 ヒアリング項目への回答) 団体名 一般社団法人 日本経済団体連合会 1.(1)1 アについて (御意見等) 「不当な差別的取扱い」を詳細に明記することは、個々の事案において、チェックリスト的で画一的な対応につながりかねず、事業者と障害者の間の建設的な対話や、それぞれの事案にあわせた対応を阻害することも懸念される。そのため、現在の基本方針の記述を変更する必要はないと考える。 (事例等) 全ての項目に関して、「事例等」はございません。 1.(1)1 イについて (御意見等) 差別を解消すべく実際に行動するのは国民であり、「差別」を細分化することが実践的な解決に繋がるとは考えにくい。それぞれの概念に関して、事業者による障害者に対する差別について具体的な事例が蓄積されているとは言えず、事業者が何を行うことが求められるのか、不明確である。 認識の共有がないまま新たな概念を導入するよりは、現在の「障害を理由とする不当な差別的取り扱いの禁止」や、「合理的配慮の提供」、「環境整備の実施」に取組み、着実に解決をはかっていくことが、差別の解消に資するのではないか。 また、ハラスメント防止や女性活躍推進など、他の法令により対応しているものもあり、より幅広い観点から推進することが「共生社会の実現」につながるのではないか。 1.(1)2 アについて (御意見等) 「正当な理由」に相当するか否かについて、個別の事案ごとに何をもって判断するかという点については、現行の基本方針通り、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断すべきものと考える。 p34 1.(1)2 イについて (事例等) 特にありません。 1.(1)2 ウについて (御意見等) 法において事業者に説明責任等を義務付ける規定はなく、基本方針で義務付けることはできない。特に、証拠となる資料を求められた場合に応じることが、必ずしも「理解を得る」ことにつながるとは言えないなか、現場には過度な負担を強いることになり、却って状況に即した柔軟な対応がしにくくなる恐れがあるので、現行の基本方針の記述を変更する必要はないと考える。差別解消や共生社会の実現を図るためには、事業者に対して立証責任を求めることではなく、事業者と障害者の間の相互理解を進めることが肝要である。 1.(1)2 エについて (御意見等) 事業者側、障害者側の双方が建設的対話と相互理解の重要性を理解する必要がある。その旨を記載すべきではないか。 1.(2)アについて (御意見等) 合理的配慮の内容や範囲については、既に基本方針に記載されており、提供の義務化に伴い、合理的配慮自体の内容が変更されるものではないことを明記すべき。 1.(2)イについて (事例等) 特にありません。 1.(2)ウについて (事例等) 特にありません。 p35 1.(2)エについて (御意見等) 法において事業者に説明責任等を義務付ける規定はなく、基本方針で義務付けることはできない。特に、証拠となる資料を求められた場合に応じることが、必ずしも「理解を得る」ことにつながるとは言えないなか、現場には過度な負担を強いることになり、却って、状況に即した柔軟な対応がしにくくなる恐れがあるので、現行の基本方針の記述を変更する必要はないと考える。事業者と障害者の双方が、共生社会に向けて、合理的配慮は、建設的対話による相互理解を通じて実施されるべきものであることに留意すべきである。 1.(2)オについて (御意見等) 事業者側、障害者側の双方が建設的対話と相互理解の重要性を理解する必要がある。その旨を記載すべきではないか。 2.(1)について (御意見等) 合理的配慮の義務化に伴い、事業者もこれまで以上に相談窓口を活用するニーズが高まる。相談できる窓口を明確にし、障害者および事業者双方の立場を理解した上で、中立・公正に建設的対話を促すための相談対応を促進すべきである。 相談対応にあたり、類似事例や事業者側の対応能力などの状況も踏まえて双方にとって納得性の高い解決策の提案ができることが望ましい。 そのためにも、相談対応を行う人材の専門性を高めることが必要である。相談対応マニュアルの整備、全国やブロック単位での研修による経験交流、相談者間のネットワーク構築が、地域の相談力の底上げをはかることにつながると考える。 また、障害者差別解消支援地域協議会への事業者や事業者団体等の参画を促し、建設的対話や相互理解に資する場づくりをしていくことが有効である。 2.(2)アについて (御意見等) 「合理的配慮の提供」について啓発する上では、共生社会の実現に向けて、建設的対話と相互理解が重要である旨を前面に出すことが重要である。現在の障害者差別解消法ポスターやリーフレットでは、その点が弱いと思われる。 p36 2.(2)イについて (御意見等) 内閣府の「合理的配慮の提供等事例集」は障害の種別毎に事案が列挙されている。他方、自治体の中には、場面ごとの事例を掲載しているところもある。ただし、双方ともPDFで掲載されており、広く共有が難しい。 内閣府ホームページの「合理的配慮サーチ」の障害の種別をクリックしても、マルとバツの事例は少なく、さまざまな資料のPDFを参照することになる。 将来的には、行政のIT化を進め、事業者が障害者に対して合理的配慮を提供する場面で困った時に示唆が得られるように、障害の種別や場面等で検索可能なサイト、人工知能を活用した自動会話プログラム「チャットボット」なども考えられる。その際には、事前学習させるデータにバイヤスがなく、障害者、事業者双方の意見が反映されるよう、配慮が必要である。 3.について (御意見等) 経団連では、昨年11月、「。新成長戦略」を公表し、Society5.0によるサステイナブルな資本主義の確立に向けて、マルチステークホルダーとの対話を通じた多様な価値の包摂と協創による持続可能な成長を目指している。これは、「誰一人取り残さない」国連のSDGsとも軌を一にしており、障害者差別解消法の目的である、「全ての国民が、(障害の有無によって分け隔てられることなく、)相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現」が益々重要になっている。 この誰もが賛同する目的に沿った取り組みを推進するためには、定義や論理よりも、具体的な実践の積み重ねと、それぞれの場面での建設的な対話が重要である。 「基本方針」に新たな定義や概念を導入するのではなく、法改正により追加された事項の基本的方向性を示すことに留めるべきである。 (以上) p37 基本方針に関する御意見等(資料1 ヒアリング項目への回答) 団体名 日本商工会議所 1.(1)1 アについて (御意見等) 基本方針に記載されている「不当な差別的取扱いの基本的考え方」や「正当な理由の判断の視点」について、追加すべき点や要素はなく、現在の記載内容は妥当であると考える。 なお、正当な理由に相当するか否かは、個別の事案ごとに、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断すること必要とされているが、判断基準は個別性が強いことから、「正当な理由に該当する例」、「しない例」を提示することで、差別解消に対する理解がより一層進むのではないか。 (事例等) 特になし。 1.(1)1 イについて (事例等) 特になし。 (御意見等) 「間接差別」等に関しては、事業者が行う差別としての具体的な事例が不明確であり、事例の蓄積も十分と言える状況ではないと考える。 差別にあたるか否かは、あくまで「不当な差別的取扱いの基本的考え方」や「正当な理由の判断の視点」等に基づいて判断されるべきである。 なお、「ハラスメント」に関して、「職場におけるパワーハラスメント」には明確な定義があることから、「障害者に対する不当な差別的取扱い」とは一線を画すべきである。 1.(1)2 アについて (御意見等) (再掲)基本方針に記載されている「不当な差別的取扱いの基本的考え方」や「正当な理由の判断の視点」について、追加すべき点や要素はなく、現在の記載内容は妥当であると考える。 p38 (再掲)なお、正当な理由に相当するか否かは、個別の事案ごとに、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断すること必要とされているが、判断基準は個別性が強いことから、「正当な理由に該当する例」、「しない例」を提示することで、差別解消に対する理解がより一層進むのではないか。 (事例等) 特になし。 1.(1)2 イについて (事例等) 事例は特になし。 「財・サービスや各種機会の提供をやむを得ず拒否する場合の理由の説明において、障害者の理解を得るように努めることが望ましい」ことはその通りであるが、法の「共生社会の実現」の趣旨に鑑みると、事業者の側はもとより、障害者の側においても相互理解に向けたより一層の姿勢を持つことが望まれる旨を、基本方針に盛り込むことは意義があると考える。 なお、事業者の側と障害者の側との間で対立軸のように捉えるのではなく、何よりも「建設的な対話」や「相互理解」といった姿勢、「共助」の考え方が重要であり、こうした点を共有していきたい。 1.(1)2 ウについて (御意見等) 業者の側が「正当な理由」について根拠を交えて説明することや、証拠となる資料を求められた場合に応じることに関しては、事業者にとっては、事務・事業への影響や費用等の負担が大きい場合も想定され現実的に困難であると考える。 特に、マンパワーやノウハウが十分ではない中小・小規模事業者においては、対応が難しいと思われる。 法には、事業者に説明責任や証拠の提示を求める規定はないことから、基本方針をもって義務付けすることはできないことを確認・共有しておくことも重要である。 (一部再掲)なお、法の「共生社会の実現」の趣旨に鑑みると、事業者の側、障害者の側の双方が相互理解に向けたより一層の姿勢を持つことが望まれる旨を、基本方針に盛り込むことは意義があると考える。 p39 1.(1)2 エについて (御意見等) (再掲)法の「共生社会の実現」の趣旨に鑑みると、事業者の側、障害者の側の双方が相互理解に向けたより一層の姿勢を持つことが望まれる旨を、基本方針に盛り込むことは意義があると考える。 また、法や条例の認知度が低い状況を踏まえると、幅広い主体に対して法や条例の周知を行っていくことが重要である。 (事例等) 特になし。 1.(2)アについて (御意見等) 基本方針に記載されている「合理的な配慮の基本的考え方」や「過重な負担の基本的な考え方」について、追加すべき点や要素はなく、現在の記載内容は妥当であると考える。 「合理的配慮」は、障害の特性や社会的障壁の除去が求められる具体的場面や状況に応じて異なり、多様かつ個別性が高いものであることを踏まえると、事業者における対応を促進し、差別解消の機運を高めていくには、国や地方公共団体が「合理的配慮」に係る好事例の情報提供により一層取り組んでいくことが有効であると思う。 また、好事例に加えて、「合理的配慮」の提供義務違反とならない事例の提供も有効である他、「合理的配慮」と「環境整備」との関係も分かりやすく周知していくべきである。 加えて、事業者による「合理的配慮」の提供が義務化されたことにより、「合理的配慮」自体の内容が変更されるものではないことを、あらゆる主体が再確認し、共有していくことが望ましい。 (事例等) 事例は特にないが、小規模な飲食店等では「合理的な配慮」の提供が困難なケースがあるのではないか、との声や指摘がある。 p40 1.(2)イについて (事例等) 事例は特になし。 なお、性別や年齢等による複合的な困難について、留意すべきことを基本方針に盛り込むことは意義があると考える。また、国や地方公共団体が、複合的な困難の解消に向けた好事例を提供していくことも有効である。 1.(2)ウについて (事例等) 事例は特になし。 なお、「合理的配慮」の趣旨に鑑みると、事業者の側、障害者の側の双方が相互理解に向けたより一層の姿勢を持つことが望まれる旨を、基本方針に盛り込むことは意義があると考える。 事業者の側と障害者の側との間で対立軸のように捉えるのではなく、何よりも「建設的な対話」や「相互理解」といった姿勢、「共助」の考え方が重要であり、こうした点を共有していきたい。事業者にとっては、サービスやおもてなしの向上といった観点でも重要ではないかと思う。 1.(2)エについて (御意見等) 「合理的配慮」は、障害の特性や社会的障壁の除去が求められる具体的場面や状況に応じて異なり、多様かつ個別性が高いものである。また、現場での判断によるところが大きいことも考慮すべき要素である。 また、「合理的配慮」は障害者と事業者等双方の「建設的対話」による相互理解を通じて、「過重な負担」がない必要かつ合理的な範囲で、柔軟に対応がなされるものである。 事業者の側が「過重な負担」について根拠を交えて説明することや、証拠となる資料を求められた場合に応じることに関しては、「過重な負担」の要素である「事務・事業への影響の程度」や「実現可能性の程度」、「費用・負担の程度」等に照らしても、現実的に困難であると考える。 特に、マンパワーやノウハウが十分ではない中小・小規模事業者においては、対応が難しいと思われる。 「合理的配慮」は障害者と事業者等双方の「建設的対話」による相互理解を通じてなされるものであり、相互理解が重要であり留意すべき旨を、基本方針に盛り込むことは意義があると考える。 p41 1.(2)オについて (御意見等) 障害者と事業者等双方の相互理解の促進や、国・地方公共団体における好事例の提供、また差別解消に向けた機運の醸成が必要であると思う。 (事例等) 機運醸成に係る取組として、高齢者や子ども、妊婦、子ども連れの方、障害者、外国人をはじめ、街なかなど様々な場面で困っている人に気付いたら、積極的に「声かけ」をし、相手が求める範囲でのお手伝いに努める「声かけ・サポート運動」を商工会議所は推進している。 2.(1)について (御意見等) 事業者による「合理的配慮」の提供が義務化されたことにより、事業者からの相談ニーズは増えると思う。国や地方公共団体は事業者からの相談体制を強化するとともに、きめ細かに対応していただきたい。 なお、国・地方公共団体による事業者への相談対応にあたっては、下記の点に留意していただきたい。 中立・公正で信頼性が高いこと。 企業の実態(特にマンパワーやノウハウが十分ではない中小・小規模事業者の実態、B to C産業の実態等)を把握した上で、「正当な理由に該当するか否か」、「過重な負担に該当するか否か」に関して的確な助言ができること。また、「代替措置の選択」など解決策に関して、現実性のある的確な提案ができること。 「合理的配慮」に係る好事例や、国・地方公共団体による支援策など、差別解消に係る豊富な情報を有していること。 相談体制の整備に関しては、政府や都道府県等による広域的・専門的な相談対応や、国と地方公共団体の効果的な連携も重要である。 また、企業における研修ニーズも増えると思われることから、相談対応のみならず、講師紹介や無料の講師派遣、研修資料等の提供等の支援策を強化・拡充していただきたい。 加えて、厚生労働省が実施しているハラスメント対策関連のポータルサイトのような企業に対する総合的な情報提供や、「合理的配慮の提供を支援する助成制度」等も有効である。 国は地方公共団体とも連携し、事業者による合理的配慮の義務化を契機に、特にノウハウやマンパワーが十分ではない中小・小規模事業者向けのソフト・ハード両面にわたる支援策を強化・拡充していくべきである。 p42 2.(2)アについて (御意見等) 障害者と事業者等双方の相互理解の促進や好事例の提供等を通じた機運の醸成が考えられる。 例えば、政府広報やポスター掲出のように幅広く機運を盛り上げていくことに加えて、企業活動の現場に根差した機会を上手く捉えて法や条例を周知し、機運を醸成していくこともあり得るのではないか(例・法定の講習、公的支援策の説明会など)。 また、地域支援協議会にはあらゆる主体が参画しており、地域の特性や課題に則した活動が可能であることから、協議会が啓発活動や事例の共有等の活動に主体的に取り組んでいくことも期待されるのではないか。 2.(2)イについて (御意見等) 国が、地方公共団体等を含めてあらゆる主体が把握している好事例を一元的に集約し、事例に関する情報を業種・業態や企業規模、配慮の場面や内容等で検索できる機能を合わせて提供できると有能だと思う。 また、地方公共団体による紛争解決の事例も参考になると思う。 その他、パンフレット、ホームページ(ポータルサイト)、国・地方公共団体主催の研修会等において事例等の情報を提供することも考えられる。 3.について (御意見等)(空欄) (以上) p43 基本方針に関する御意見等(資料1 ヒアリング項目への回答) 団体名 一般社団法人 日本書籍出版協会 (「1.(1)1 ア」から「1.(1)1 イ」まで空欄) 1.(1)2 アについて (御意見等) 正当な理由に相当するか否かについて、「個別の事案ごとに、障害者、事業 者、第三者の権利利益及び行政機関等の事務・事業の目的・内容・機能の維持等の観点に 鑑み、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断することが必要」とされていることは適切であると考えます。 (事例等) 視覚障害者等にアクセシブルな媒体への変換のために、出版物のテキストデータの提供を出版社に求められることがありますが、出版された最終版のテキストデータは出版社に常置されているわけではなく、印刷用データから別途抽出することが必要でそのためには費用が必要です。このような場合に、その費用がすべて出版社の負担で行うことは適当ではなく、そのようなテキストデータの提供を行うことができない正当な理由に相当すると考えます。 1.(1)2 イについて (事例等) 上記の通り最終版のテキストデータは、印刷の過程で生じるものではありません。著作者の原稿は電子データで入稿されることが大部分ですが、その原稿はその後の編集作業、校正を経て最終版が作成されますが、その過程では印刷用の組版ソフト上で行われるので、プレインのテキストデータを抽出するのは本来の印刷工程とは別の作業となり、費用もかかります。このような印刷工程について詳しくない方は、テキストデータが容易に無料で提供できるものであると誤解されてしまう場合があります p44 1.(1)2 ウについて (御意見等)(空欄) 1.(1)2 エについて (御意見等)(空欄) (事例等) 読書バリアフリー法の基本計画を受けて、出版界では、日本出版インフラセンター内に、「アクセシブル・ブックス・サポートセンター(ABSC)」を設立し、ワンストップで障害者団体からのリクエストを受け付け、出版社にとってもセキュアな環境でテキストデータの提供などを可能にするための準備を始めています。また、このABSCのカウンターパートとして、障害者団体等からの個別具体的な要望をとりまとめる窓口団体の設立をしていただくことを要望しています。 1.(2)アについて (御意見等)(空欄) (事例等) 過重な負担とは、現実に発生するものだけではなく、出版物のテキストデータ提供にあたっては、当該データが目的外に使用されることの懸念、ひいては当該データが海賊版等の違法な流出につながってしまうのではないかという不安がつきまといます。現実に障害者団体やボランティアグループに渡されたデータがそのような不正な使用に供された事実が明確になっているわけではありませんが、出版物の海賊版被害が深刻な問題になっている昨今、出版社が安心してテキストデータを提供できるためのセキュアな環境づくりが必要であると考えます。 p45 (「 1.(2)イ」から「3.」まで空欄) (以上)