資料4−12:文部科学省提出資料 文部科学省の主な障害者施策実施状況(令和5年度)の概要 p1 1.教育の振興 (1)初等中等教育 ○「通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方に関する検討会報告」を踏まえ、特別支援学校と小中高等学校を一体的に運営するインクルーシブな学校運営モデルについて、障害のある児童生徒と障害のない児童生徒が交流及び共同学習を発展的に進め、一緒に教育を受ける状況と、柔軟な教育課程及び指導体制の在り方などについて実証的な研究について事業化し、令和6年度からの開始に向けた準備を進めた。(8-(1)-1) ○学校における交流及び共同学習を通じた障害者理解(心のバリアフリー)の推進に関する教育委員会等の好事例を取りまとめた広報資料を作成して教育委員会等に周知した。(8-(1)-3) ○児童生徒の心理に関して、専門的な知識及び経験を有するスクールカウンセラー及び福祉に関して、専門的な知識・技術を有するスクールソーシャルワーカーの配置に係る経費を補助すること等により、学校における相談体制を充実させた。(8-(1)-5) ○特別支援教育支援員については、特別な支援を必要とする幼児児童生徒が増加傾向にあり、その活用が一層重要となっていることから、各地方公共団体における配置実績等を踏まえ、令和5年度において、対前年度2,200人増の69,500人分の配置に必要な地方財政措置が講じられている。(8-(1)-5) ○自治体等による、学校において医療的ケアを実施する医療的ケア看護職員等の配置を支援している。(8-(1)-7) ○各都道府県教育委員会に対して、高等学校入学者選抜における、障害のある生徒への受検上の配慮の状況に関する調査を実施した。調査結果も踏まえ、高等学校入学者選抜の実施に際し、別室実施や時間の延長等の実施方法の工夫等を示すとともに、適切な配慮を行うよう、都道府県教育委員会に周知した。(8-(1)-8) ○「通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方に関する検討会議報告」において、児童生徒が慣れた環境で安心して通級による指導を受けられるように自校通級や巡回通級を促進すること等について提言されたことも踏まえ、「効果的かつ効率的な巡回指導の実施に向けたモデル構築事業」において、従来の方法等に基づいた巡回指導に留まらず、地理的条件等を踏まえた新たな巡回指導の方法や環境整備等に係る検討・実証を実施した。(8-(1)-9) ○4月にこども家庭庁が発足したことを踏まえ、家庭・教育・福祉による更なる連携推進を図るため、こども家庭庁、文部科学省及び厚生労働省合同で課題の共有・検討を行う「障害や発達に課題のあるこどもや家族への支援に関する家庭・教育・福祉の連携についての合同連絡会議」を設置し、各省庁間の連携体制を構築した。(8-(1)-11) ○全ての新規採用職員が概ね10年以内に特別支援教育を複数年経験することとなるよう人事上の措置を講ずるよう努めることや、管理職の登用等にあたっては特別支援教育の経験も含めて総合的に考慮することなど、各教育委員会における特別支援教育に関する人材育成に関する取組の促進について、教育委員会へ通知した。(8-(2)-1) ○特別支援教育就学奨励費において、新たに高等学校に就学する視覚障害のある生徒への「教科用図書購入費」についても補助対象とした。(8-(2)-4) p2 ○子供の障害種ごとに特徴的な指導方法をまとめた、一人一台端末の学校現場における活用等についての啓発動画を作成し、各学校等に動画視聴のためのURLを共有した。(8-(2)-4) (2)高等教育 ○障害のある学生の修学支援に関する検討会を開催し、障害のある学生の意思表明を促す取組や合理的配慮の提供における諸課題への考え方や具体的な対処の取組について「第三次まとめ」として取りまとめ、文部科学省ホームページへの掲載や各大学等へ通知する等により周知を行った。(8-(3)-1) ○「障害のある学生の修学・就職支援促進事業」において、先進的な取組や多くの知見を持つ2大学を拠点としたプラットフォームを形成し、組織的なアプローチにより障害のある学生への支援の充実を図った。(8-(3)-2) ○大学入学共通テストにおいて、点字による出題・解答、拡大文字による出題、試験時間の延長、マーク方式によらない文字又はチェックによる解答、代筆による解答、介助者・手話通訳士等の配置、特定試験室の指定、タブレットによる問題閲覧、パソコンの利用等など、受験者のニーズに応じ多様な受験上の配慮を実施している。(8-(3)-6) (3)生涯を通じた多様な学習活動 ○「学校卒業後における障害者の学びの支援に関する実践研究事業」として、学校から社会への移行期や人生の各ステージにおける効果的な生涯学習プログラムの開発や大学・専門学校等における生涯学習機会の創出、都道府県を中心とした地域コンソーシアム形成による障害者の生涯学習支援体制のモデル構築を行うとともに、これまでの研究成果の普及、担い手の育成、実践の拡大を目指し、「共に学び、生きる共生社会コンファレンス」を全国7ブロック13カ所において開催した。(8-(4)-1) ○障害者の生涯を通じた多様な学習を支える活動を行う個人又は団体への文部科学大臣表彰として、51件の対象者を決定・公表し、12月に表彰式を開催した。また、10月には、障害の有無にかかわらず共に学び、生きる共生社会の実現に向けた啓発として、「超福祉の学校@SHIBUYA 〜障害の有無をこえて、共に学び、創るフォーラム〜」をハイブリッド開催した。(8-(4)-1) ○全国における障害者の生涯学習の活動を支援するため、新たに取組を実施・検討しようとする団体等に対して、要請に応じて、障害者の生涯学習推進に関する様々な知見を有する人材をアドバイザーとして派遣した。(8-(4)-1) ○共生社会の実現にも資する特別支援学校における取組を含め、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の取組を一体的に推進するため、校種特性も踏まえつつ、全国フォーラムや教育委員会担当者向け説明会・協議会等を通じた好事例の周知、豊富な知見を有するCSマイスターの教育委員会等への派遣、都道府県・市区町村を対象とした「地域と学校の連携・協働体制構築事業」の実施等による学校と多様な地域関係者をつなぐ地域学校協働活動推進員等の配置促進等を行った。(8-(4)-2) ○放送大学においては、テレビ授業科目への字幕付与を進めているほか、放送授業の印刷教材及び通信指導問題のテキストデータ化を行い、全科目について提供を行った。また、国立国会図書館と視覚障害者等用データ送信サービスに係る覚書を締結し、同サービスへの印刷教材テキストデータを提供しているところ、テキストデイジーデータを新たに提供した。(8-(4)-3) ○司書や司書教諭・学校司書、職員、ボランティアが図書館における障害者サービスの内容を理解し、支援方法を習得するための研修や、読書支援機器の使用方法に習熟するための研修等を実施している。(8-(4)-4) p3 ○様々な館種の図書館等が連携した読書バリアフリーコンソーシアムを組織し、図書館における障害者サービスに関するアンケート調査や読書バリアフリーの理解促進を図るシンポジウムを開催している。(8-(4)-4) 2.文化芸術活動・スポーツ等の振興 (1)文化芸術活動 ○「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」(平成30年6月施行)に則り、厚生労働省と共同で策定した「障害者による文化芸術活動の推進に関する基本的な計画(第2期)」を踏まえ、障害者等による文化芸術の鑑賞や創造機会の拡大、発表の機会の確保等に関する先導的な取組への支援や、取組成果を普及・展開する支援人材育成、障害者等による文化芸術へのアクセスの改善・鑑賞サポート、地方自治体に対する支援等、共生社会を推進するための様々な取組を実施した。(10-(1)-1) ○障害者による文化芸術の鑑賞や創造、発表の機会を確保するため、障害者の優れた文化芸術活動の国内外での公演・展示の取組の普及展開に向けた人材育成、映画作品のバリアフリー字幕や音声ガイド制作への支援、特別支援学校の生徒による作品の展示や実演芸術の発表の場の提供の取組を実施した。(10-(1)-5) ○国立美術館、国立博物館等において、障害者手帳を持つ人について入場料等の無料・割引の適用や、字幕・音声を用いた展示案内等を行った他、全国各地の劇場、コンサートホール、美術館、博物館などにおいて、施設のバリアフリー対応や社会包摂に関する取組の支援等、障害のある人に対する環境改善の取組を推進した(10-(1)-3・4) (2)スポーツ ○障害者スポーツの課題について専門的見地から具体的な施策を検討することを目的として、健康スポーツ部会の下に障害者スポーツ振興ワーキンググループを設置した。6月には、中間まとめにおいて、地域の障害者スポーツ振興拠点としての「障害者スポーツセンター」を広域レベル(都道府県単位)で1つ以上整備することを提言し、その役割や機能等を整理した。(10-(2)-1) ○障害者の継続的なスポーツ実施促進に向けて、「障害者スポーツ推進プロジェクト」を通じて、障害者のスポーツ実施状況及びスポーツ参加の阻害要因・促進要因を障害者種別や程度別に把握・分析する調査研究や、各地域における課題に対応して障害者スポーツの振興体制の強化、身近な場所でスポーツを実施できる環境の整備等を実施した。(10-(2)-1) ○日本パラスポーツ協会が実施する障がい者スポーツ指導員養成事業等を支援した。(10-(2)-1) ○2020年に開催予定であったが新型コロナウイルスの延期となっていた大会が、県内初の特別全国障害者スポーツ大会として鹿児島県で開催された。(10-(2)-2) ・参加者数 正式競技14競技:約5万2000人 オープン競技3競技:約1200人 p4 ○パリ2024パラリンピック競技大会をはじめとする国際競技大会等に向けて各競技団体が行う日常的・継続的な強化活動や次世代アスリートの発掘・育成、国立障害者リハビリテーションセンターと国立スポーツ科学センターとの連携に向けた働きかけ、ナショナルトレーニングセンター屋内トレーニングセンター・イーストをはじめとするアスリートのトレーニング環境の整備など、競技力向上のための取組を実施した。(10-(2)-3) ○スポーツ施設におけるユニバーサルデザイン化について、有識者等を招きオンラインセミナーを開催した。(10-(2)-4)