資料4−9:総務省提出資料 総務省の主な障害者施策実施状況(令和5年度)の概要 (作業者注・「障害者基本計画(第5次)」の実施状況を抜粋)  p1 ○情報アクセシビリティの向上及び意思疎通支援の充実 3-(1)-1 (項目の内容) 障害者の情報通信機器及びサービス等の利用における情報アクセシビリティの確保及び向上・普及を図るため、障害者に配慮した情報通信機器及びサービス等の企画、開発及び提供を促進する。 (令和5(2023)年度実施状況) ・国立研究開発法人情報通信研究機構を通じ、身体障害者の利便の増進に資する通信・放送サービスの開発・提供を行う者に対して助成している。 →令和5年度の助成実績:6件 ・高齢者・障害者の利便の増進に資するICT機器・サービスの研究開発を行う者に対して、助成している。 →令和5年度の助成実績:5件 3-(1)-2 (項目の内容) 研究開発やニーズ、ICTの発展等を踏まえつつ、情報アクセシビリティの確保及び向上を促すよう、適切な標準化を進めるとともに、必要に応じて国際規格提案を行う。また、各府省における情報通信機器等の調達は、情報アクセシビリティの観点に配慮し、国際規格、日本工業規格への準拠・配慮に関する関係法令に基づいて実施する。特に、WTO政府調達協定の適用を受ける調達等を行うに当たっては、WTO政府調達協定等の定めるところにより、適当な場合には、アクセシビリティに関する国際規格が存在するときは当該国際規格に基づいて技術仕様を定める。 (令和5(2023)年度実施状況) ・企業等が自社で開発するデジタル機器・サービスが情報アクセシビリティ基準に適合しているかどうかを自己評価するチェックシートである「情報アクセシビリティ自己評価様式」等の普及促進のため、様式作成支援窓口の設置、セミナーの開催、情報アクセシビリティ好事例の募集及び作成ガイドブックの更新等を実施している。 p2 3-(1)-7 (項目の内容) 公共インフラとしての電話リレーサービスが、国民に広く認知及び理解され、その利活用が推進されるよう関係機関と連携して取組を推進するとともに、利用者ニーズや今後の技術の進展等を踏まえたサービス提供内容の充実を図る。また、銀行や保険会社等の金融機関に対し、顧客に対して電話にて提供されているサービスについては、電話リレーサービスを利用した場合であっても同様に提供されるよう促すとともに、その対応状況をフォローする。 (令和5(2023)年度実施状況) ・公共インフラとしての電話リレーサービスを提供しており、更なる普及促進を図るため、関係省庁と連携して周知広報を実施しているほか、電話リレーサービス提供機関が全国各地で実施する電話リレーサービスの講習会や利用登録会などに協力している。 令和5年度末時点の利用登録者数:1万5,267人 3-(2)-1 (項目の内容) 身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する法律(平成5年法律第54号)に基づく放送事業者等への番組制作費や設備整備費への助成、「放送分野における情報アクセシビリティに関する指針」に基づく放送事業者の取組等の促進により、ローカル局も含め、字幕放送、解説放送、手話放送等の普及を通じた障害者の円滑な放送の利用を図る。 (令和5(2023)年度実施状況) ・「身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する法律」に基づき、国立研究開発法人情報通信研究機構を通じて字幕番組、解説番組、手話番組等の制作に対する助成を実施。 →令和5年度の助成件数 字幕番組:51,824本 解説番組:4,146本 手話番組:21,581本 →令和5年度の字幕放送等の実績(令和4年度) 字幕放送(対象の放送番組の放送時間に占める字幕放送時間の割合) NHK総合:集計中(100%) NHK教育:集計中(95.4%) 在京キー5局平均:集計中(100%) 解説放送(対象の放送番組の放送時間に占める解説放送時間の割合) NHK総合:集計中(19.5%) NHK教育:集計中(21.7%) 在京キー5局平均:集計中(19.1%) p3 手話放送(一週間当たりの手話放送時間) NHK総合:集計中(59分) NHK教育:集計中(4時間2分) 在京キー5局平均:集計中(26分) ※令和5年度の実績については令和6年10月頃を目途に取りまとめ予定。 3-(2)-3 (項目の内容) 身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する法律に基づく助成等により、民間事業者が行うサービスの提供や技術の研究開発を促進し、障害によって利用が困難なテレビや電話等の通信・放送サービスへのアクセスの改善を図る。 (令和5(2023)年度実施状況) ・国立研究開発法人情報通信研究機構を通じ、身体障害者の利便の増進に資する通信・放送サービスの開発・提供を行う者に対して、助成している。 →令和5年度の実績:6件 ・高齢者・障害者の利便の増進に資するICT機器・サービスの研究開発を行う者に対して、助成している。 →令和5年度の実績:5件 3-(2)-4 (項目の内容) 電子出版は、視覚障害、上肢障害、学習障害等により紙の出版物の読書に困難を抱える障害者の出版物の利用の拡大に資すると期待されることから、新たな技術開発の促進や、電子書店、電子図書館、出版社その他の関係事業者への普及啓発等を通じて、アクセシビリティに配慮された電子出版の普及に向けた取組を進めるとともに、今後、これらの取組の一層の促進を図る。また、電子出版物の教育における活用を図る。 (令和5(2023)年度実施状況) ・視覚障害者等が利用しやすい電子書籍及びこれを利用するための端末機器に関して、広く障害者等の利便の増進に資するICT機器等に関する調査研究やアクセシブルな電子書籍等の普及促進を実施した。 p4 3-(4)-2・5-(3)-4 (項目の内容) 各府省において、障害者を含む全ての人の利用しやすさに配慮した行政情報の電子的提供の充実に取り組むとともに、ウェブサイト等で情報提供を行うに当たっては、キーボードのみで操作可能な仕様の採用、動画への字幕や音声解説の付与など、最新のウェブアクセシビリティ規格を踏まえ、必要な対応を行う。また、「みんなの公共サイト運用ガイドライン」について必要な見直しを行うこと等により、公的機関等のウェブアクセシビリティの向上等に向けた取組を促進する。 (令和5(2023)年度実施状況) ・公的機関におけるウェブアクセシビリティ確保の取組状況に関するアンケート調査及び公的機関ホームページのJIS対応状況調査及び全国5か所での公的機関向け講習会を開催した。 ・「みんなの公共サイト運用ガイドライン」については国際規格の動向等を追記した一部改訂を実施し、令和6年度に公表した。今後も国際規格の動向等を注視しつつ、次期JIS改正のタイミングで改定を予定。 ・ウェブサイトについては、目や耳の不自由な方にも内容を理解していただけるよう、音声読み上げ・文字拡大などアクセシビリティ支援ツールを導入するとともに、高齢者や障害者を含む誰もが利用できるものとなるよう「総務省ウェブアクセシビリティ方針」を策定している。日本産業規格「JIS X 8341-3」のレベルAA準拠を目標としている。 p5 ○防災、防犯等の推進 3-(4)-4・4-(1)-3 (項目の内容) 災害発生時若しくは災害が発生するおそれがある場合、又は事故発生時に障害者に対して適切に情報を伝達できるよう、民間事業者、消防機関、都道府県警察等の協力を得つつ、障害特性に配慮した多様な伝達手段や方法による情報伝達の体制や環境の整備を促進する。(再掲)3-(4)-4 (令和5(2023)年度実施状況) ・主に音声で情報を伝達する市町村防災行政無線(同報系)について、文字表示盤や視覚効果のあるパトライトを整備する場合も緊急防災・減災事業債の対象としているほか、文字情報表示機能を付加した戸別受信機等を配備する場合も、特別交付税措置の対象としている。 4-(1)-4 (項目の内容) 障害者に対する避難支援などの充実を図るため、福祉や防災などの関係者が連携し、避難確保計画、非常災害対策計画、業務継続計画、個別避難計画等の各種計画の策定や実効性の確保等を促進することにより、当事者参画の下、地域の関係者が協力し、安全な避難先を定めるなど計画策定を通じた災害に強い地域社会づくりにつなげる。 (令和5(2023)年度実施状況) ・都道府県の防災担当者に対する研修等において、個別避難計画の作成等について、市町村に対して適切に対応するよう助言した。 4-(1)-7 (項目の内容) 火災や救急事案の発生時に聴覚・言語機能障害者がいつでもどこからでも円滑な緊急通報を行えるよう、全国の消防本部におけるスマートフォン等を活用した音声によらない緊急通報システムの導入を推進する。 (令和5(2023)年度実施状況) ・NET119緊急通報システムについて、全国への普及を促進するため、導入に係る経費について地方交付税措置を講じている。 ・令和5年5月1日現在の全国の消防本部における導入状況及び未導入の消防本部における今後の導入予定時期を消防庁ホームページに公表した。併せて全国の消防本部に対してNET119の導入状況等を公表したことを周知するとともに、引き続きシステム導入を働きかける事務連絡を発出した。 p6 ・令和3年の電話リレーサービスによる緊急通報の開始に伴い、電話リレーサービスの提供機関等と連携しながら、同サービスの周知広報を行うなど運営の円滑化を図っている。 p7 ○行政等における配慮の充実 3-(4)-5・5-(2)-1 (項目の内容) 政見放送への手話通訳・字幕の付与、点字版、CDや音声コード等による音声版、拡大文字版又はインターネットを通じた候補者情報の提供等、ICTの進展等も踏まえながら、障害特性に応じた選挙等に関する情報提供の充実を図る。(再掲)3-(4)-5 (令和5(2023)年度実施状況) ・選挙公報掲載文の電子データでの提出を可能とし、音声読み上げデータの各選挙管理委員会のホームページへの掲載も行われている。 ・政見放送における取組として、衆議院比例代表選出議員選挙、参議院選挙区選出議員選挙及び都道府県知事選挙にあっては手話通訳を、参議院比例代表選出議員選挙にあっては手話通訳及び字幕を、それぞれ付与することができることとしている。また、衆議院小選挙区選出議員選挙及び参議院選挙区選出議員選挙にあっては、政見放送として一定の要件のもと政党又は候補者が作成したビデオを放送することができ(いわゆる「持込みビデオ方式」)、政党又は候補者の判断により手話通訳や字幕を付与することができることとしている。 ・第20回統一地方選挙に際し、候補者情報等の選挙管理委員会ホームページへの掲載を要請したほか、視力に障害のある有権者の投票環境の向上を図るため、点字、音声、拡大文字等による選挙情報のきめ細かい提供について、全国の選挙管理委員会へ要請した。 5-(2)-2 (項目の内容) 移動に困難を抱える障害者に配慮した投票所のバリアフリー化、障害者の利用に配慮した投票設備の設置、投票所における投票環境の向上に努めるとともに、障害者が障害特性に応じて、自らの意思に基づき円滑に投票できるよう、取組事例の周知等を通じて投票の秘密に配慮した代理投票の適切な実施等の取組を促進する。また、選挙人を介護する者やその他の選挙人とともに投票所に入ることについてやむを得ない事情がある者として、投票管理者が認めた者は投票所に入ることができることの周知を図る。 (令和5(2023)年度実施状況) ・障害の程度等が一定の要件に該当する者には郵便等による不在者投票が認められており、郵便等による不在者投票をすることができる選挙人で、かつ、自ら投票の記載をすることができない者を対象に郵便等による不在者投票における代理記載制度が設けられている。 ・障害のある人が投票を行うための必要な配慮として、点字による「候補者名簿及び名簿届出政党等名簿」の投票所等への備付け、投票用紙に点字で選挙の種類を示す取組、点字、音声、拡大文字等による候補者情報の提供、投票所における車椅子用スロープの設置や点字器の備え付け等を実施している。 p8 ・第20回統一地方選挙に際し、各選挙管理委員会の優良事例を集めた「代理投票時における投票の秘密に配慮した取組事例等について」を全国の選挙管理委員会に改めて周知したほか、各選挙管理委員会の投票所における障害のある方に配慮した事例を集めた「障害のある方に配慮した選挙事務の事例について」を全国の選挙管理委員会に周知するとともに、総務省ホームページに掲載した。また、視力に障害のある有権者の投票環境の向上を図るため、点字による候補者名簿等の備え付けについて、全国の選挙管理委員会へ要請した。また、車椅子用スロープの設置等、投票所のバリアフリーについても積極的に対応するよう同様に要請した。 ・令和2年に、タブレット端末などの汎用機を用いた電子投票が実施できるよう電子投票システムの技術的条件の見直しを行ったところであり、地方公共団体に対する必要な情報の提供に取り組んでいる。 ・公職選挙法第58条第3項において、選挙人を介護する者その他の選挙人とともに投票所に入ることについてやむを得ない事情がある者として投票管理者が認めた者は投票所に入ることができるとされており、第20回統一地方選挙に際し全国の選挙管理委員会にその旨を改めて周知した。 5-(2)-3 (項目の内容) 指定病院等における不在者投票、郵便等による不在者投票の適切な実施の促進により、選挙の公正を確保しつつ、投票所での投票が困難な障害者の投票機会の確保を図る。 (令和5(2023)年度実施状況) ・第20回統一地方選挙に際し、各選挙管理委員会が行っている外部立会人の優良事例を集めた「指定施設における外部立会人に関する取組事例について」を全国の選挙管理委員会に改めて周知したほか、指定病院等における不在者投票、郵便等による不在者投票の適切な実施を全国の選挙管理委員会へ要請した。 5-(3)-3 (項目の内容) 各府省において、行政情報、特に障害者や障害者施策に関する情報提供及び緊急時における情報提供等を行う際には、字幕・音声等の適切な活用や、知的障害者、精神障害者等にも分かりやすい情報の提供を徹底し、多様な障害の特性に応じた配慮を行う。(再掲)3-(4)-1 p9 (令和5(2023)年度実施状況) ・ウェブサイトについては、目や耳の不自由な方にも内容を理解していただけるよう、音声読み上げ・文字拡大などアクセシビリティ支援ツールを導入するとともに、高齢者や障害者を含む誰もが利用できるものとなるよう「総務省ウェブアクセシビリティ方針」を策定している。 ・主に音声で情報を伝達する市町村防災行政無線(同報系)について、文字表示盤や視覚効果のあるパトライトを整備する場合も緊急防災・減災事業債の対象としているほか、文字情報表示機能を付加した戸別受信機等を配備する場合も、特別交付税措置の対象としている。