資料3−13:厚生労働省提出資料 厚生労働省における令和5年度の障害者施策実施状況について(概要) p1 <令和6年度障害福祉サービス等報酬改定> (参考:平成29年度、令和2年度の実施状況の障害者政策委員会提出資料や、令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要(令和6年2月6日障害福祉サービス等報酬改定検討チーム)の基本的な考え方) ○改定率 令和5年末の令和6年度予算の編成過程において、令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の改定率は全体で(作業者注・下線ここから)+1.12%(作業者注・下線ここまで)を確保(改定率の外枠で処遇改善加算の一本化の効果等があり、それを合わせれば改定率+1.5%を上回る水準)。 ○主な改定内容 1 障害者が希望する地域生活を実現・継続するための支援の充実 2 医療と福祉の連携の推進 3 精神障害者の地域生活の包括的な支援 4 障害児に対する専門的で質の高い支援体制の構築 5 障害者の多様なニーズに応じた就労の促進 6 持続可能で質の高い障害福祉サービス等の実現のための報酬等の見直し 1.差別の解消、権利擁護の推進及び虐待の防止 (項目番号:1-(1)-1、1-(2)-2) ○令和6年度報酬改定において、「令和4年度に義務化された障害者虐待防止措置を未実施の場合の減算措置の導入」や「身体拘束廃止未実施減算について、入所施設・居住系サービスにおける減算額の引上げ」を実施。 ○事業者による合理的配慮の提供の義務化等を改正内容とする、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の一部を改正する法律(令和3年法律第56号)の令和6年4月施行に向け、令和5年3月に閣議決定された「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針」(令和5年3月14日閣議決定)に即して、「厚生労働省所管事業における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針」(以下「対応指針」という。)及び「厚生労働省における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領」を改正し、令和6年3月に公表・周知。 ※厚生労働省の所管する対応指針は以下の4指針。 1 福祉事業者(生活保護、高齢者福祉、障害福祉関係事業者等)向けガイドライン 2 医療関係事業者(病院、診療所、助産所、調剤を実施する薬局等)向けガイドライン 3 衛生事業者向け(飲食店営業、理容業、美容業、旅館業等)ガイドライン 4 社会保険労務士の業務を行う事業者向けガイドライン ○全職員を対象とした年2回のeラーニング研修や、新規採用職員研修、階層別研修において、障害者差別解消法の内容等の周知啓発を実施。 p2 2.安全・安心な生活環境の整備 (項目番号:2-(1)-4、2-(1)-5) ○令和4年に成立した精神保健福祉法を含む障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部改正法に基づき、精神保健に関する相談支援体制の整備に関する規定を創設する等の措置を講じられたことを踏まえ、令和5年度に「保健所及び市町村における精神保健福祉業務運営要領」を改正(令和6年4月施行)。 ○障害福祉計画に基づきグループホームの計画的な整備を推進。 令和5年度末時点で障害福祉計画に基づき整備されたグループホーム数:13,577事業所(令和4年度末:12,572事業所) ○社会福祉施設等施設整備費補助金により、建築基準法や消防法の基準に適合させるために必要な改修整備や消防設備の設置を支援。 3.情報アクセシビリティの向上及び意思疎通支援の充実 (項目番号:3-(1)-6、3-(3)-1) ○障害者自立支援機器等開発促進事業により、障害当事者と連携した企業における障害者自立支援機器の開発に対して助成を行うとともに、障害者自立支援機器の実用化・利活用を推進するため、障害当事者のニーズと開発者のシーズ(技術)のマッチングを図る交流会を開催。 ○障害者のICT機器の利用機会の拡大や活用能力の向上を図るための総合的なサービス拠点として、障害者ICTサポートセンター(ICT機器の紹介や貸出、利用に係る相談等を実施)を設置・運営する事業を実施するとともに、障害者等とその他の者の意思疎通の円滑化を図るため、意思疎通支援を行う者の養成や派遣等を推進。 4.防災、防犯等の推進 (項目番号:4-(2)-2、4-(2)-3、4-(1)-12) ○令和6年能登半島地震による災害に伴う障害福祉サービス等の提供の継続性について、事務連絡を発出し、避難所において居宅介護等を提供した場合も報酬の対象とすることができるなどの取扱いを周知。 ○被災者の心のケアを継続的に実施するため、被災3県(岩手、宮城、福島)に設置した「心のケアセンター」において、相談支援等を実施。令和6年能登半島地震においても「こころのケアセンター」を設置し、電話相談等を実施。 ○国立障害者リハビリテーションセンターのホームページにおいて、避難所や在宅避難における障害のある方の支援方法をまとめたリーフレット及び発達障害児・者に対する障害特性を踏まえた支援方法をまとめたパンフレットを公開。 5.行政等における配慮の充実 (項目番号:5-(1)-4) ○高齢又は障害により特に自立が困難な矯正施設出所者等に対し、都道府県に設置された地域生活定着支援センターが地域の関係機関等と連携して支援を行う「地域生活定着促進事業」を実施。 ○医療観察法に基づく通院医療を利用または刑務所を出所等した障害者に対して、共同生活援助事業所等において地域で生活するために必要な相談援助や個別支援等を行った場合に加算で評価。 p3 6.保健・医療の推進 (項目番号:6-(1)-1、6-(1)-7、6-(1)-8、6-(2)-1) ○精神保健・医療の適切な提供等  精神障害者が地域の一員として安心して自分らしい暮らしをすることができるよう、以下の取組を実施。 1 精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築 精神障害の有無や程度によらず地域生活に関する相談に対応できるよう、「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」及び社会保障審議会障害者部会の報告書等を踏まえ、保健・医療・福祉関係者による協議の場を通じて、行政、事業者、当事者等の様々な立場の者が協働し、地域における重層的な支援体制を構築するために必要な取組を実施。 2 普及啓発 各地域でのシンポジウムの開催等の普及啓発事業の実施により、精神障害者に対する地域住民の理解を深めるため、10月10日の世界メンタルヘルスデーに合わせて、東京タワーのライトアップや著名人らによるメンタルヘルスに関する対談や国民に向けたメンタルヘルスにまつわるメッセージの配信等を実施。また、精神疾患の予防や早期介入を図る観点から、メンタルヘルス・ファーストエイドの考え方を活用した「心のサポーター養成事業」を実施。 ○難病に関する施策の推進 (項目番号:6-(5)-3、6-(5)-7) 1 難病患者に対する医療費助成 難病法の一部改正により、難病患者に対する医療費助成について、助成開始の時期を申請日から重症化したと診断された日に前倒しし、円滑に医療費支給を受けられる仕組みを創設(令和5年10月より施行)。 2 障害者総合支援法の対象疾病(難病等)の見直し 令和5年3月24日に開催した障害者総合支援法対象疾病検討会で取りまとめ366疾病から369疾病に対象を拡大(令和6年4月1日以降適用)。 7.自立した生活の支援・意思決定支援の推進 (項目番号:7-(3)-5、7-(5)-2、7-(5)-4) ○令和6年度報酬改定において、地域生活支援拠点等の整備を推進すると共に機能の充実を図るものとして、「地域生活支援拠点等機能強化加算」や「緊急時受入加算」を新設。 ○共生社会の理念等について、障害福祉従事者や事業経営者等が改めて学び、それを実践につなげていくことを目的とした研修等を全国3か所にて実施。 ○成年後見制度の利用促進のための普及啓発事業を補助する成年後見制度普及啓発事業を地域生活支援促進事業として実施。また、成年後見制度の申立てに要する経費(登記手数料、鑑定費用等)及び後見人等の報酬等の全部又は一部を補助する成年後見制度利用支援事業を市町村地域生活支援事業の必須事業として実施。 ○都道府県及び市町村が策定する「第7期障害福祉計画」及び「第3期障害児福祉計画」(計画期間:令和6年4月から令和9年3月)に係る基本指針について、改正法を含む直近の障害保健福祉施策の動向等を踏まえて改正し、令和5年5月19日に告示。 p4 8.教育の振興 (項目番号:8-(2)-6) ○教育・医療・保健・福祉・労働と連携した切れ目ない支援のための情報発信及び発達障害のある本人や家族等が活用しやすい情報提供のため、発達障害に関するポータルサイト「発達障害ナビポータル」を独立行政法人国立特別支援教育総合研究所と国立障害者リハビリテーションセンター共同で運用。 9.雇用・就業、経済的自立の支援 (項目番号:9-(4)-2、9-(3)-1、9-(3)-7) ○障害者雇用促進法の一部改正を含む、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律が令和4年12月に成立し、障害特性等により長時間勤務が困難な障害者の就労機会の拡大のため、週所定労働時間が特に短い(10時間から20時間)重度身体障害者、重度知的障害者又は精神障害者を事業主が雇用した場合にも実雇用率に算定することとなったことを踏まえ、令和6年4月の施行に向けた改正内容の周知等を実施。 ○労働局・ハローワークにおいて法定雇用率未達成企業等を指導・支援するとともに、今後予定される法定雇用率の引上げ(民間企業は令和6年4月から2.5%、令和8年7月から2.7%、国等の公的機関は令和6年4月から2.8%、令和8年7月から3.0%)や除外率引下げ(令和7年4月から10ポイント引下げ)により、法定雇用率が未達成となることが見込まれる企業に対して早期の働きかけを実施。 ○令和6年3月に「障害者への合理的配慮好事例集」を改訂。 10.文化芸術活動・スポーツ等の振興 (項目番号:10-(1)-4) ○石川県において、「文化絢爛」のキャッチフレーズの下、障害の有無に関わらず、誰もが文化芸術を楽しめる環境づくりに取り組み、交流の輪を広げていく大会として「いしかわ百万石文化祭2023」(第38回国民文化祭・第23回全国障害者芸術文化祭)を開催。 11.国際社会での協力・連携の推進 (項目番号:11-(4)-3) ○国際障害者交流センター(ビッグ・アイ)において国際交流事業を実施。