資料3−2:佐藤委員提出資料 iii 各分野における障害者施策の基本的な方向8、10、11への意見 佐藤 聡 1. 8.教育の振興 (1) 8-(1)-1について 1 子どもが減っている中で支援学校や支援学級に在籍する数が増えているのは通常学級にいられない子供が増えたとみなすべきである。将来的には特別支援学級と通常学級の学籍一元化(特別支援教室構想)も検討すべきだと考えるが、如何か。 2 本人保護者が公立小・中学校の通常学級で学ぶことを希望したものの、学校と教育委員会から受け入れられず、相談の際に保護者と子どもの心を傷つけるような人権侵害があったとして、人権救済の申し立てがあった。国連の勧告においても通常学校への入学拒否禁止規定の設置が言われているが、貴省が作成した障害者差別解消法対応指針では、この点が徹底できない。差別禁止の徹底についてどのように進めるお考えか。 (2) 8-(1)-3について 3 障害者権利条約や総括所見等からみれば、心のバリアフリーも必要だが、障害の社会モデルや、障害者だけに例外規定を原則認めない「障害の人権モデル」の理解が教職員や児童生徒に必須であると考えるが、この点はどのように取り組んでいるか? 2. 10.文化芸術活動・スポーツ等の振興 (1) 10-(1)-8について 4 スタジアム等の運用のガイドラインの策定 国立競技場は車椅子席が500席あるが、主催者によって一部の席しか売らない、限定した場所しか売らないという問題が起きている。せっかくバリアフリー整備されたのに主催者が理解せず不適切な運用をしている。国として劇場・スタジアムの運用のガイドライン策定が必要と考えるが、如何か。 5 バリアフリー整備の進めるための税制優遇措置の改善 現在の劇場・音楽堂のバリアフリー改修の税制優遇措置は改修だけだが、さらなる推進を図るために、新築と改築も対象にし、2年間の時限措置の恒久化が必要と考えるが如何か。 3. 11.国際社会での協力・連携の推進 (1) 11-(3)-1について 6 外務省として、国際協力における障害の主流化の方針を明確に 例えば、草の根・人間の安全保障無償資金協力により建設される学校や診療所等は、障害のある人も利用できるようにアクセシビリティの確保が必要。こういったことを的確に進めるためには、障害者団体が事業の採択時から参画する、障害者団体と共にガイドラインを作成するなど、アクセシビリティの意見反映を行うことが必要と考えるが如何か。 7 日本NGO連携無償資金協力事業における障害の主流化 申請、採択時に受益者から障害者が排除されないようにするために、障害のある受益者及び専門家等が参加する際には、障害ゆえに必要となる合理的配慮を確保する仕組みが必要。これにより、国際協力への障害者の参加促進も期待できるが如何か。 8 合理的配慮基金の創設 上記7 を実現するためにも、外務省、JICA事業その他国際協力への障害者の参加を促進するためには、事業費とは別建で合理的配慮を確保するために基金(いつでも出せるようにプールしておくための予算)の創設が必要と考えるが、如何か。 9 障害主流化及び合理的配慮に関する相談体制 上記事業を立案・申請・実施する機関・団体に対して、具体的な主流化の手法、合理的配慮の提供に関して障害者団体による相談を受け付ける仕組みを整備し、効果的かつ効率的な障害主流化を進めると共に、知見の蓄積が必要と考えるが如何か。 (2) 11-(3)-2について 10 JICAでの合理的配慮予算の拡充 2021年から草の根技術協力等で、障害ゆえに必要となる費用(介助者、情報保障)は事業費とは別建てで出される合理的配慮予算を実現して頂いた。これにより重度障害者の参加が可能となった素晴らしい取り組み。これをJICAの他の事業にも拡大し、どの事業でも障害者が参画できるようにすることが必要と考えるが、如何か。