資料3-● 資料26ページ「精神障害者の地域生活を保障する住居確保と居住支援の充実について(意見)」2-(1)-4に関する意見・提案 公益社団法人 全国精神保健福祉会連合会 新銀輝子 令和7年度の取組では、精神障害のある人とその家族が地域の一員として安心して自分らしく暮らせるよう、当事者、家族、保健・医療・福祉・教育などの関係者による協議の場を設け、住まいの確保支援を含む地域の基盤整備を進めるとされています。また、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築を推進することが掲げられています。 この取組を実効性のあるものにするには、住まいの確保に加え、入居後も安心して暮らし続けるための居住支援が必要です。 一例を申し上げます。精神障害のある知人は、同じ住居で20年間暮らしていました。しかし、家主の交代後に再契約を求められた際、家賃債務保証会社の審査が通らず、住まいを失いかねない状況になりました。新しい家主から障害について突然尋ねられ、本人は大きな不安を感じていました。その方は、訪問看護や居宅介護を利用し、就労継続支援B型事業所に通い、日常生活自立支援事業も利用しながら地域で暮らしていました。最終的には知人の紹介で転居できましたが、個人的なつながりに頼らなければ住まいを確保できない現状には、改善すべき課題があると考えます。 また、保証制度を利用できる住宅があっても、交通、通院、買い物、福祉サービスや就労へのアクセスが乏しければ、地域で暮らし続けることは困難です。入居できる住宅があることと、地域で自分らしく暮らせる住宅が確保されることは同じではありません。本人の希望と生活に必要な環境を踏まえ、住宅の選択肢を広げることが必要です。 以上を踏まえ、次の点について検討を求めます。 1. 精神障害を理由とする入居拒否や、保証会社の審査における不利益の実態を把握し、必要な対応を進めること。 2. 親族の保証人や個人的な人脈に頼らず住居を確保できるよう、家賃債務保証制度と居住支援を充実させること。 3. 交通、通院、買い物、福祉サービス、就労など、地域生活に必要な条件を踏まえた住宅の選択肢を広げること。 4. 医療・福祉・不動産・行政が連携し、入居前の調整から入居後の生活まで継続して支える体制を整えること。 5. 本人の希望に沿った住まいと暮らしを実現できるよう、住宅施策と障害福祉施策の連携を強化すること。 精神障害のある人が地域で暮らす権利を実現するには、住居を確保できるだけでなく、安心して住み続け、必要な支援を受けながら社会参加できることが必要です。これらの課題を地域包括ケアシステムの構築と住宅・障害福祉施策に反映し、住居確保と居住支援を一層充実させる方策について、検討を求めます。