(パンフレット扉) 障害者権利条約 Convention on the Rights of Persons with Disabilities 外務省 今パンフレットの点字データ・音声データURLはこちら 【点字データ】http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinken/data/tenji.bes 検索→ 障害者権利条約パンフレット 点字データ 外務省 【音声データ】http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinken/data/onsei.mp3 検索→ 障害者権利条約パンフレット 音声データ 外務省 (パンフレット中身) 「障害者の権利に関する条約」の締結 ◎障害者の権利に関する条約(障害者権利条約)とは  障害者権利条約は、障害者の権利を実現するために国がすべきことを決めています。条約とは、国際的な約束のことです。障害者権利条約は、障害者の人権や基本的自由を守るための約束です。障害者権利条約は、障害者がもともと持っている自分らしさを大事にしています。 ◎障害者権利条約ができるまで 条約は、国どうしの話し合いで作られることが普通です。でも、障害者権利条約を作るための話し合いには、障害者団体も参加することができました。それは、障害者の間で広く知られている「私たちのことを、私たち抜きに決めないで」(英語でNothing About Us Without US)という考え方が大事にされたからです。どの国も、本当に障害者のためになる条約を作ろうと思っていたからです。  日本を代表して話し合いに参加した人たちの中には、障害のある人もいました。日本は話し合いがうまくいくよう協力しました。200人ぐらいの日本の障害者団体の人たちが、ニューヨークにある国連本部まで行きました。そして、国連での話し合いの様子を聴きました。話し合いは5年近く続きました。そして、2006年12月13日に国連で障害者権利条約の全ての内容が決められました。 ◎日本が障害者権利条約を締結(※注)するまで  日本は、2007年に条約に署名(サイン)をしました。署名は、条約の内容に基本的に賛成しいていることを表します。署名の後、日本はまず、障害者制度の改革に力を入れました。(右上の表を見て下さい。)  このような改革が行われたことから、2014年1月20日に、日本は条約を締結しました。 ※ 締結とは、国が条約の内容を守ることを約束することを表します。 (囲みコラム) ◆ 2011年 障害者基本法の内容が新しくされました。  障害者基本法は、障害者についての法律や制度の基本的な考え方を決めています。 ◆ 2012年 障害者総合支援法が作られました。 障害者総合支援法は、障害者福祉を新しくしたものです。 ◆ 2013年 障害者差別解消法が作られました。  障害者差別解消法は、障害があるという理由で障害者を差別することを禁止しています。また、その人に合った工夫、やり方を配慮することで、障害者が困ることをなくしていくことなどを決めています。障害者への差別をなくすことで、障害のある人もない人も共に生きる社会を作ることを目指しています。 ◆ 2013年 障害者雇用促進法の内容が新しくなりました。  障害者雇用促進法は、障害者が働くとき、働きたいときの差別を禁止しています。障害者が働くとき、働きたいときに困ることなどをなくしていくことも決めています。 ◎障害者権利条約の主な内容  ここから、障害者権利条約の大事な内容を説明します。障害者権利条約の中には、「社会モデル」と呼ばれる考え方が反映されています。「社会モデル」とは、「障害」は障害者ではなく社会が作り出しているという考え方です。 ◯平等、差別しないこと、合理的配慮  障害者権利条約の第2条では、障害者に「合理的配慮」をしないことは差別になると決めています。「合理的配慮」とは、障害者が困ることをなくしていくために、周りの人や会社などがすべき無理のない配慮のことです。第5条では、国が障害に基づくあらゆる差別を禁止し、「合理的配慮」がされるよう手続きをとることも決めています。 「障害者の権利に関する条約」の締結(わかりやすい版) ◯障害者が積極的に関わること  第4条では、障害者に関わることを決めるときなどに、障害者とよく相談することを決めています。 ◯バリアをなくしていくこと(施設やサービスの利用のしやすさ)  第9条では、建物や公共の乗り物、情報や通信などが障害者にとって使いやすくなるよう決めています。生活するうえで、なるべく妨げ(バリア)になるものを取り除いていくための決まりを、国が作ることなどを決めています。 ◯自立した生活と地域で共にくらすこと  第19条では、国は、すべての障害者が地域社会で生活できるよう決めています。障害者が障害のない人と平等の権利を持ち、地域社会に参加しやすくするために必要な手続きを国がとることを決めています。 ◯教育 第24条では、教育についての障害者の権利を決めています。国が、障害者があらゆる段階の教育を受けられるようにすべきことを決めています。また、教育を受けるとき、それぞれの障害者にとって必要な「合理的配慮」がされることを決めています。 ◯雇用  第27条では、障害者が働く権利を障害のない人と平等に持つことを決めています。どんな形の働き方でも障害に基づくあらゆる差別を禁止するよう決めています。また、障害者が職場で「合理的配慮」を得られるように国が必要な手続きをとるよう決めています。 ◯文化・スポーツなど  第30条では、障害者が生活の中で文化やスポーツを楽しむ権利について決めています。また、国は障害者が文化的な公演などを楽しみやすいようにするよう決めています。国は障害者がレクリエーションやスポーツに参加できるようにすることも決めています。 ◯国際協力  第32条では、世界の障害者の権利を守っていくため、世界の国々と力を合わせていくことが大事であるということを決めています。 ◯国内の実施と監視  第33条では、国の中で条約が守られているかどうかをチェックするしくみを作るよう決めています。日本では、この仕組みとして内閣府に「障害者政策委員会」が作られました。「障害者政策委員会」には、障害者や障害者団体の人たちが委員として参加しています。 ◯国による報告  第34条では、「障害者の権利に関する委員会」につて決めています。「障害者の権利に関する委員会」の委員は、条約を締結した国の中から18人が選ばれます。第35条では、条約がどのように実施されているかについて、国が「障害者の権利に関する委員会」に報告しなければならないことを決めています。また、障害者の権利に関する委員会」が国からの報告の内容をくわしく調べることも決めています。