1.調査の目的
内閣府では、障害者基本計画の「IV推進体制等」において、「障害者関係団体との意見交換やニーズ調査の実施等を通じて施策・事業の有効性についての検証を行うこと」とされていることを踏まえ、平成17年度から、障害のある人が社会活動をしていく上で障壁(バリア)になっている事項を抽出し、その解消に向けた課題を明確化するため、毎年、「障害者施策総合調査」を実施している。今回(平成18年度)は、「雇用・就業」分野の調査を実施した。
2.調査の概要
(1)調査期間 平成19年2月から3月
(2)調査対象 全国にお住まいの障害のある方 5,015人
社会福祉法人 日本身体障害者団体連合会
社会福祉法人 日本盲人会連合
財団法人 全日本ろうあ連盟
日本障害者協議会(JD)
特定非営利活動法人 DPI日本会議
社会福祉法人 全日本手をつなぐ育成会
財団法人 全国精神障害者家族会連合会
社団法人 全国脊髄損傷者連合会
全国「精神病」者集団
社会福祉法人 全国盲ろう者協会
社団法人 全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
(3)有効回収数
(4)性
回答者の性別では、男が67.4%、女が32.5%である。
男 | 女 | 回答なし | 合計 |
964 67.4 | 465 32.5 | 1 0.1 | 1,430 100.0 |
(5)年齢
年齢階層別では、30〜49歳層(45.3%)が最も多く、ついで50〜64歳層(28.8%)、65歳以上層(13.6%)、18〜29歳層(11.7%)の順で多い。今回の調査が、「雇用・就業」分野に焦点があったこともあって、18〜64歳の生産年齢期間の人が85.8%と多くを占めている。
18〜29歳 | 30〜49歳 | 50〜64歳 | 65歳以上 | その他 | 回答なし | 合計 |
168 11.7 | 647 45.3 | 412 28.8 |
195 13.6 | 4 0.3 | 4 0.3 | 1,430 100.0 |
(6)障害の種類
今回の調査から、「単一の障害」または「重複障害のうち主な障害」の種類をみるとその構成比は、肢体不自由27.5%、精神障害14.8%、知的障害14.0%、視覚障害(全盲・弱視・その他)13.3%、聴覚障害(ろう・難聴・中途失聴)11.3%、内部障害3.4%、難病1.5%、盲ろう0.9%、言語障害0.6%、発達障害0.5%の順で多い。「重複障害で主な障害が特定できない人」は8.3%、「その他」は0.6%、「無回答」は3.3%である。
|
| 言語障害 | 盲ろう | 肢体不自由 | 内部障害 | 知的障害 | ||
190 13.3 | 161 11.3 | 9 0.6 | 13 0.9 |
395 27.5 | 48 3.4 | 200 14.0 |
||
精神障害 | 発達障害 | 難病 | その他 |
| 回答なし | 合計 | ||
211 14.8 | 7 0.5 | 21 1.5 | 9 0.6 |
119 8.3 | 47 3.3 | 1,430 100.0 |
(7)手帳の種類
障害者手帳の種類では、「身体障害者手帳」の保有者が66.2%と約2/3を占めている。「療育手帳」は18.6%、「精神障害者保健福祉手帳」14.6%である。「どれも持っていない」と回答した人は3.1%と少ない。
なお、手帳の等級についてみると、「身体障害者手帳」の重度(1級と2級)は79.5%と多い。これに対して、「療育手帳」の重度(A1とA2)は28.9%、「精神障害者保健福祉手帳」の重度(1級)は9.6%と少ない。
| 療育手帳 |
|
どれも持っていない | 回答なし | 回答者数 | ||
947 66.2 | 266 18.6 | 209 14.6 |
44 3.1 | 16 1.1 | 1,430 100.0 |
1級 | 2級 | 3級 | 4級 |
520 54.9 | 233 24.6 | 66 7.0 | 61 6.4 |
5級 | 6級 | 回答なし | 合計 |
16 1.7 | 20 2.1 | 31 3.3 | 947 100.0 |
A1 | A2 | B1 | B2 | 回答なし | 合計 |
4 1.5 | 73 27.4 | 122 45.9 |
29 10.9 | 38 14.3 | 266 100.0 |
1級 | 2級 | 3級 | 回答なし | 合計 |
20 9.6 | 136 65.0 | 33 15.8 |
20 9.6 | 209 100.0 |
(8)障害の発生時期
障害が発生した年齢をみると「18歳未満」が51.5%と半数以上を占め最も多い。しかし、「18〜39歳」が28.3%、「40〜65歳」が11.8%と、両者を合わせると40.1%とかなりの割合を占めていることが注目できる。
0〜17歳 | 18〜39歳 | 40〜65歳 | その他 | 回答なし | 合計 |
735 51.5 | 405 28.3 | 169 11.8 |
15 1.0 | 106 7.4 | 1,430 100.0 |
(9)補助具、補装具の利用
補助具、補装具の利用をみると、「車いす」利用者が24.5%、「白杖」が12.9%、「補聴器」が10.3%と多い。
車いす | 白杖 | 補助犬 | 補聴器 |
351 24.5 | 184 12.9 | 6 0.4 | 148 10.3 |
使っていない | その他 | 回答なし | 回答者数 |
568 39.7 | 151 10.6 | 97 6.8 | 1,430 100.0 |
(10)現在の就業状態
今回の調査では、「収入になる仕事を少しでもすること」を「就業」とみている。回答者の現在の就業状態をみると、「いま働いている」人は61.4%、「以前に働いたことがあるが、いまは働いていない」人は26.4%、「いままでに働いたことがない」人が8.0%である。
いま働いている | 以前に働いたことがあるが、いまは働いていない | いままでに働いたことがない | 回答なし | 合計 |
879 61.4 | 377 26.4 | 114 8.0 | 60 4.2 | 1,430 100.0 |
(11)居住地域
居住地域についてみると、中都市(概ね15万人以上〜100万人未満)が33.3%で最も多く、以下大都市(人口概ね100万人以上)23.1%、小都市A(概ね5万以上〜15万人未満)21.5%、小都市(5万人未満)及び町村17.5%となっている。
大都市(人口概ね100万人以上) | 中都市(概ね15万人以上〜100万人未満) | 小都市A(概ね5万人以上〜15万人未満) | 小都市B(5万人未満)および町村 | 回答なし | 合計 |
330 23.1 | 476 33.3 | 308 21.5 |
250 17.5 | 66 4.6 | 1,430 100.0 |
(12)調査方法 郵送等によるアンケート調査票を配付し、郵便等で回収した。
(委員長) | |
松井 亮輔 | 法政大学現代福祉学部 教授 |
(委員) | |
佐藤 久夫 | 日本社会事業大学 教授 |
工藤 正 | 東海学園大学経営学部 教授 |
森 祐司 | 日本身体障害者団体連合会 常務理事 |
指田 忠司 | 日本盲人会連合 国際委員会事務局長 |
久松 三二 | 全日本ろうあ連盟 本部事務所長 |
太田 修平 | 日本障害者協議会 理事 |
山本 創 | DPI日本会議 |
岡部 耕典 | 全日本手をつなぐ育成会 政策委員会副委員長 |
江上 義盛 | 全国精神障害者家族会連合会 専務理事 |
大濱 眞 | 全国脊髄損傷者連合会 副理事長 |
山本 眞理 | 全国「精神病」者集団 |
塩谷 治 | 全国盲ろう者協会 常務理事 |
川井 節夫 | 全日本難聴者・中途失聴者団体連合会 副理事長 |
臼井 久実子 | 障害者欠格条項をなくす会 事務局長 |
(13)調査項目 「雇用・就業」に関する障害者のニーズ
II 調査の結果
1.この10年間の雇用・就業環境の変化に対する評価
この10年間の雇用・就業環境についての評価で、「変わらない」が39.5%で最も多い。しかし、障害がある人が「働きやすくなった」と回答した人は36.0%、逆に「働きにくくなった」と回答した人は14.1%で、前者の方が多く、プラスに評価している人が多いことが注目できる。
とても働きやすくなった | やや働きやすくなった | 変わらない | やや働きにくくなった | とても働きにくくなった | 回答なし | 合計 |
54 3.8 | 461 32.2 | 564 39.5 | 100 7.0 |
102 7.1 | 149 10.4 | 1,430 100.0 |
そして、「働きやすくなった」の理由として、「障害がある人の働く場(雇用機会)が増えたため」をあげている人が45.6%と最も多い。ついで多いのは「障害がある人が働くための情報提供が進んだため」(37.3%)、「障害がある人が働くための相談機関が充実したため」(25.8%)である。
障害がある人の働く場(雇用機会)が増えたため | 障害がある人が働くための情報提供が進んだため | 障害がある人が働くための相談機関が充実したため | 障害がある人が働くための相談機関が充実したため |
235 45.6 | 45.6 37.3 | 37.3 25.8 | 92 17.9 |
職場環境のバリアフリー化が進んだため | 雇用・労働条件の整備が進んだため | 障害者雇用に関する法制が整ったため | 職業訓練機会が充実したため |
93 18.1 | 61 11.8 | 77 15.0 | 35 6.8 |
その他 | 回答なし | 回答者数 | |
21 4.1 | 25 4.9 | 515 100.0 |
2.働くことについて社会の理解の評価とその理由
「障害がある人が働くことについての社会の理解について」は、「あると思う」と回答した人が35.4%、逆に「あると思わない」と回答した人が55.9%と、マイナスの評価をする人の方が多い。
とてもあると思う | ある程度あると思う | あまりあると思わない | あると思わない | わからない | 回答なし | 合計 |
63 4.4 | 443 31.0 | 519 36.2 | 281 19.7 |
100 7.0 | 24 1.7 | 1,430 100.0 |
そして、「あると思わない」の理由として「障害がある人の働く場(雇用機会)が少ないため」をあげる人が82.9%と最も多い。ついで多いのは、「雇用・労働条件の整備が進んでいないため」(54.3%)、「障害がある人が働くための情報提供が進んでいないため」(52.9%)、「職場環境のバリアフリー化が進んでいないため」(49.1%)、「障害者雇用に関する法制が不十分なため」(48.1%)の順で多い。
障害がある人の働く場(雇用機会)が少ないため | 障害がある人が働くための情報提供が進んでいないため | 障害がある人が働くための相談機関が少ないため | 通勤経路のバリアフリー化が進んでいないため | 職場環境のバリアフリー化が進んでいないため | 雇用・労働条件の整備が進んでいないため |
663 82.9 | 423 52.9 | 345 43.1 | 263 32.9 | 393 49.1 | 434 54.3 |
障害者雇用に関する法制が不十分なため | 職業訓練機会が不足しているため | その他 | 回答なし | 回答者数 | |
385 48.1 | 224 28.0 | 99 12.4 | 20 2.5 | 800 100.0 |
3.働くことに関して障害を理由とした差別経験
働くことに関して、障害を理由に差別を受けたと感じた人は52.1%である。
とてもある | 少しある | ない | わからない | 回答なし | 合計 |
274 19.2 | 471 32.9 | 322 22.5 | 306 21.4 | 57 4.0 | 1,430 100.0 |
そして、どのような時に差別を感じたことがあるかについてみると、「仕事を探している時」をあげる人が47.0%と最も多い。ついで多いのは、「給与などの労働条件」(38.1%)、「採用の時」(28.9%)、「職場への配置・配置転換の時」(25.9%)の順で多い。
仕事を探している時 | 採用の時 | 職場への配置・配置転換の時 | 昇進の時 | 給与などの労働条件 |
350 47.0 | 215 28.9 | 193 25.9 | 104 14.0 | 284 38.1 |
訓練・研修の時 | その他 | 回答なし | 回答者数 | |
104 14.0 | 104 14.0 | 28 3.8 | 745 100.0 |
4.障害がある人がもっと働けるようにするための法律の整備の必要性
障害がある人がもっと働けるようにするための法律の整備が必要だと思う人は79.3%と非常に多い。
思う | 思わない | わからない | 回答なし | 合計 |
1,134 79.3 | 41 2.9 | 176 12.3 | 79 5.5 | 1,430 100.0 |
5.雇用・就業支援サービスに対する評価・ニーズ
(1)仕事を探すための支援
障害がある人が仕事を探すための支援は十分だと「思わない」人が61.6%と多くを占めている。
とてもそう思う | ある程度そう思う | あまりそうは思わない | そうは思わない | わからない | 回答なし | 合計 |
59 4.1 | 233 16.3 | 624 43.6 | 257 18.0 | 171 12.0 | 86 6.0 | 1,430 100.0 |
(2)職業訓練
障害がある人に対する職業訓練は十分だと「思わない」人が53.9%と半数以上を占めている。
とてもそう思う | ある程度そう思う | あまりそうは思わない | そうは思わない | わからない | 回答なし | 合計 |
69 4.8 | 253 17.7 | 558 39.0 | 213 14.9 | 293 20.5 | 44 3.1 | 1,430 100.0 |
(3)働き続けるための職場での配慮
障害がある人が働き続けるために職場では十分な配慮がされていると「思わない」人が54.8%と半数以上を占めている。
とてもそう思う | ある程度そう思う | あまりそうは思わない | そうは思わない | わからない | 回答なし | 合計 |
76 5.3 | 289 20.2 | 531 37.2 | 251 17.6 | 228 15.9 | 55 3.8 | 1,430 100.0 |
(4)就職などの学校からの支援
障害がある人が、就職の際など働く上で学校からの支援は十分だと「思わない」人が38.3%である。「わからない」と回答した人も34.1%と多い。
とてもそう思う | ある程度そう思う | あまりそうは思わない | そうは思わない | わからない | 回答なし | 合計 |
62 4.3 | 265 18.5 | 376 26.3 | 171 12.0 | 487 34.1 | 69 4.8 | 1,430 100.0 |
(5)働く上での福祉サービスからの支援
障害がある人が働く上で、福祉サービスからの支援は十分だと「思わない」人が51.2%と半数以上を占めている。
とてもそう思う | ある程度そう思う | あまりそうは思わない | そうは思わない | わからない | 回答なし | 合計 |
52 3.6 | 257 18.0 | 495 34.7 | 236 16.5 | 328 22.9 | 62 4.3 | 1,430 100.0 |
6.収入の確保方法と希望の収入額
生活するための収入の確保方法としては、「年金と働いて得る収入(給料、賃金、事業収入など)を合わせて生活する」と回答した人が45.3%と最も多い。ついで「働いて得る収入(給料、賃金、事業収入など)だけで生活する」と回答した人が18.9%と多い。「年金だけで生活する」と回答した人は8.3%と少ない。
年金だけで生活する | 家族などからの支援だけで生活する | 働いて得る収入(給料、賃金、事業収入など)だけで生活する | 年金と家族などからの支援を合わせて生活する | 年金と働いて得る収入(給料、賃金、事業収入など)を合わせて生活する |
119 8.3 | 14 1.0 | 270 18.9 | 69 4.8 | 648 45.3 |
家族などからの支援と働いて得る収入(給料、賃金、事業収入など)を合わせて生活する | 年金と働いて得る収入(給料、賃金、事業収入など)と家族などからの支援を合わせて生活する | わからない | 回答なし | 合計 |
32 2.2 | 128 9.0 | 54 3.8 | 96 6.7 | 1,430 100.0 |
また、1ケ月の希望の収入額では、「15〜23万円未満」の階層が22.3%で最も多い。ついで多いのは、「11〜15万円未満」の階層である。
1万円未満 | 1〜3万円未満 | 3〜7万円未満 | 7〜11万円未満 | 11〜15万円未満 | 15〜23万円未満 | 23〜25万円未満 |
9 0.6 | 29 2.0 | 50 3.5 | 97 6.8 | 228 15.9 | 318 22.3 | 173 12.1 |
25〜30万円未満 | 30〜50万円未満 | 50万円以上 | わからない | 回答なし | 合計 | |
189 13.2 | 164 11.5 | 38 2.7 | 83 5.8 | 52 3.6 | 1,430 100.0 |
7.雇用・就業状態(いま働いている人)
(1)雇用・就業形態
雇用・就業形態では、「正社員」(25.0%)と「パート、アルバイト、嘱託などで1年以上の勤務」(14.9%)と「パート、アルバイト、嘱託などで1年未満の勤務」(3.9%)と「会社・団体の役員」(3.1%)を合わせた「雇用」が46.9%と多い。「正社員」と「非正社員」(パート、アルバイト、嘱託など)を比較すると、前者が25.0%と、後者の18.8%よりも多い。
「作業所・授産施設・福祉工場などへの通所」(=「福祉的就労」)は32.0%と、前述した「雇用」よりも少ない。すなわち、今回の調査対象者で、現在就業している人のなかでは、「福祉的就労」は約1/3と少なく、それ以外の「一般雇用」が多いといえる。
正社員 | パート、アルバイト、嘱託などで1年以上の勤務 | パート、アルバイト、嘱託などで1年未満の勤務 | 会社・団体の役員 | 自営業 | 家族従業者 |
220 25.0 | 131 14.9 | 34 3.9 | 27 3.1 | 110 12.5 | 2 0.2 |
内職 | 作業所・授産施設・福祉工場などへの通所 | その他 | 回答なし | 合計 | |
2 0.2 | 281 32.0 | 35 4.0 | 37 4.2 | 879 100.0 |
(2)労働時間・労働日数
平成19年1月における労働時間・労働日数の実績値をみると、「1日の労働時間」では「6時間以上8時間未満」が41.1%と最も多い。「1週間の労働時間」では「30時間以上」が48.4%と最も多い。「1ケ月の労働日数」では「21〜25日」が最も多い。
4時間未満 | 4時間以上6時間未満 | 6時間以上8時間未満 | 8時間以上 | 回答なし | 合計 |
96 10.9 | 214 24.3 | 361 41.1 | 173 19.7 | 35 4.0 | 879 100.0 |
20時間未満 | 20時間以上30時間未満 | 30時間以上 | 回答なし | 合計 |
152 17.3 | 199 22.6 | 425 48.4 | 103 11.7 | 879 100.0 |
10日以内 | 11〜15日 | 16〜20日 | 21〜25日 | 26日以上 | 回答なし | 合計 |
62 7.1 | 71 8.1 | 240 27.3 | 379 43.0 | 43 4.9 | 84 9.6 | 879 100.0 |
8.仕事探しや仕事上のことについての相談先(いま働いている人)
(1)仕事探しの方法
仕事を探した方法では、「自分で探した」人が18.5%で最も多い。ついで「ハローワーク、地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターなど」(17.3%)、「知り合いの紹介」(16.2%)、「学校、各種学校の紹介」(14.6%)の順で多い。
自分で探した | 家族、親族の紹介 | 家族・親族などの経営する会社・店で働いた | 知り合いの紹介 | 障害者団体の紹介 | ハローワーク、地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターなど | 学校、各種学校の紹介 |
163 18.5 | 80 9.1 | 26 3.0 | 142 16.2 | 93 10.6 | 152 17.3 | 128 14.6 |
職業能力開発校など職業能力開発施設の紹介 | 福祉事務所、市町村役場、福祉サービス機関のあっせん | 起業した | その他 | 回答なし | 回答者数 | |
29 3.3 | 92 10.5 | 60 6.8 | 55 6.3 | 44 5.0 | 879 100.0 |
(2)働く上で困った時の相談先
働く上で困った時に誰かに相談したことが「ある」人は60.8%である。そして、相談先として「家族、親族」(59.6%)や「知り合い(障害者団体も含む)」(49.3%)をあげる人が多い。
ある | ない | 回答なし | 合計 |
535 60.8 | 302 34.4 | 42 4.8 | 879 100.0 |
家族、親族 | 知り合い(障害者団体も含む) | ハローワーク(公共職業安定所) | 福祉サービス機関の職員 | 地域障害者職業センター | 障害者就業・生活支援センター | 学校 |
319 59.6 | 264 49.3 | 54 10.1 | 117 21.9 | 13 2.4 | 35 6.5 | 32 6.0 |
職業能力開発校など職業能力開発施設 | 医療機関(主治医など) | ジョブコーチ(職場に適応するための援助者) | その他 | 回答なし | 回答者数 | |
3 0.6 | 65 12.1 | 20 3.7 | 62 11.6 | 4 0.7 | 535 100.0 |
9.未就業の期間と就業意欲(以前に働いたことがあるが、いまは働いていない人)
(1)最後の仕事をやめてからの期間
最後に仕事をやめてから現在までの働いていない期間では、「3〜10年未満」が38.8%と最も多い。ついで「10年以上」が37.1%で多い。両者を合わせて3年以上が75.9%を占めている。
6ヶ月未満 | 6ヶ月〜1年未満 | 1〜3年未満 | 3〜10年未満 | 10年以上 | 回答なし | 合計 |
13 3.4 | 16 4.2 | 44 11.7 | 146 38.8 | 140 37.1 | 18 4.8 | 377 100.0 |
(2)これからの就業希望
これから「働きたいと思う」人は45.9%と、「働きたいと思わない」人の37.4%より多い。そして、働きたいと思わない理由では「健康上の理由のため」が38.4%と最も多く、ついで「働く自信がないため」(11.3%)が多い。
とても働きたいと思う | まあ働きたいと思う | あまり働きたいと思わない | 働きたいと思わない | わからない | 回答なし | 合計 |
81 21.5 | 92 24.4 | 56 14.9 | 85 22.5 | 26 6.9 | 37 9.8 | 377 100.0 |
家庭の事情(家事・結婚・育児、修学など)のため | 健康上の理由のため | ほかに収入があり働く必要がないため | 希望している仕事が見つからないため |
3 2.1 | 54 38.4 | 5 3.5 | 4 2.8 |
働く自信がないため | その他 | 回答なし | 合計 |
16 11.3 | 28 19.9 | 31 22.0 | 141 100.0 |
「働きたいと思う」人がどんな働き方をしたいかをみると、「企業・工場・店などで働く(一般雇用)」が34.1%と「作業所・授産施設・福祉工場などで働く(福祉的就労)」の19.7%よりも多い。すなわち、「福祉的就労」よりも「一般雇用」を希望している人が多い。
企業・工場・店などで働く(一般雇用) | 作業所・授産施設・福祉工場などで働く(福祉的就労) | 官公庁(国・地方公共団体など)で働く | 自営業 |
59 34.1 | 39 19.7 | 18 10.4 | 15 8.7 |
家族の人がしている仕事(農業や店、工場など)の手伝い | その他 | 回答なし | 合計 |
3 1.7 | 18 10.4 | 26 15.0 | 173 100.0 |
そして、「働きたいと思う」人が、「ハローワークへの登録や会社訪問などの求職活動」を「している」人は30.6%である。すなわち、求職活動を「していない」人が66.5%と多い。
している | していない | 回答なし | 合計 |
53 30.6 | 115 66.5 | 5 2.9 | 173 100.0 |
(3)再び働くための十分な支援
再び働くための十分な支援があると「思わない」人は47.8%と多い。
思う | 思わない | わからない | 回答なし | 合計 |
17 4.5 | 180 47.8 | 114 30.2 | 66 17.5 | 377 100.0 |
そして、再び働くための十分な支援があると「思わない」人は、「障害がある人の働く場(雇用機会)の確保」(71.1%)、「障害がある人が働くための情報提供」(56.1%)、「障害がある人が働くための相談機関の拡充」(48.3%)、「障害者雇用に関する法整備」(47.2%)、「職場環境のバリアフリー化」(46.7%)、「雇用・労働条件の整備」(46.1%)と、いろいろな支援が必要だと考えている。
障害がある人の働く場(雇用機会)の確保 | 障害がある人が働くための情報提供 | 障害がある人が働くための相談機関の拡充 | 通勤経路のバリアフリー化 | 職場環境のバリアフリー化 | 雇用・労働条件の整備 |
128 71.1 | 101 56.1 | 87 48.3 | 56 31.1 | 84 46.7 | 83 46.1 |
障害者雇用に関する法整備 | 職業訓練 | その他 | 回答なし | 回答者数 | |
85 47.2 | 56 31.1 | 10 5.6 | 10 5.6 | 180 100.0 |
10.未就業の期間と就業意欲(いままでに働いたことがない人)
(1)働いていない期間とその理由
学校を卒業してから、現在までの働いていない期間は「10年以上」が51.7%で最も多い。ついで「3〜10年未満」が20.2%である。そして、働いていない理由として「健康上の理由のため」をあげる人が21.1%と最も多く、ついで「働くための能力や技術を身につける機会がなかったため」(7.9%)が多い。
6ヶ月未満 | 6ヶ月〜1年未満 | 1〜3年未満 | 3〜10年未満 | 10年以上 | 回答なし | 合計 |
1 0.9 | 4 3.5 | 5 4.4 | 23 20.2 | 59 51.7 | 22 19.3 | 114 100.0 |
家庭の事情(家事・結婚・育児、修学など)のため | 求職中のため | 健康上の理由のため | ほかに収入があるから働く必要がないため | 希望している仕事が見つからないため |
6 5.3 | 4 3.5 | 24 21.1 | 1 0.9 | 6 5.3 |
働く自信がないため | 働くための能力や技術を身につける機会がなかったため | その他 | 回答なし | 合計 |
8 7.0 | 9 7.9 | 14 12.3 | 42 36.7 | 114 100.0 |
(2)これまでの就業意欲
これまで働きたいと思ったことがある人が55.3%と半数以上を占める。
ある | ない | 回答なし | 合計 |
63 55.3 | 31 27.2 | 20 17.5 | 114 100.0 |
そして、働きたいと思ったことが「ある」人で、これまでに求職活動(ハローワークへの登録や会社訪問など)した人は25.4%と少ない。
ある | ない | 回答なし | 合計 |
16 25.4 | 43 68.3 | 4 6.3 | 63 100.0 |
(3)これからの就業意欲
働きたいと思いながらこれまでそれが実現してこなかったこともあって、これから「働きたいと思う」人は39.5%と少なくなり、逆に「働きたいと思わない」人は32.4%と多くなっている。
とても働きたいと思う | まあ働きたいと思う | あまり働きたいと思わない | 働きたいと思わない | わからない | 回答なし | 合計 |
24 21.1 | 21 18.4 | 12 10.5 | 25 21.9 | 17 14.9 | 15 13.2 | 114 100.0 |
そして、これから「働きたいと思う」人の働き方では、「作業所・授産施設・福祉工場などで働く(福祉的就労)」を希望する人が33.3%と、「企業・工場・店などで働く(一般雇用)」を希望する人は26.7%よりも多い。
企業・工場・店などで働く(一般雇用) | 作業所・授産施設・福祉工場などで働く(福祉的就労) | 官公庁(国・地方公共団体など)で働く | 自営業 |
12 26.7 | 15 33.3 | 3 6.7 | 2 4.4 |
家族の人がしている仕事(農業や店、工場など)の手伝い | その他 | 回答なし | 合計 |
1 2.2 | 5 11.1 | 7 15.6 | 45 100.0 |
(4)働くための十分な支援
働くための十分な支援があると「思わない」人が51.1%と、「思う」人の6.7%比べ非常に多い。
思う | 思わない | わからない | 回答なし | 合計 |
3 6.7 | 23 51.1 | 17 37.8 | 2 4.4 | 45 100.0 |
そして、働くための十分な支援があると「思わない」人がどんな支援が必要としているかをみると、「障害がある人の働く場(雇用機会)の確保」(78.3%)、「雇用・労働条件の整備」(73.9%)をあげている人が多い。
障害がある人の働く場(雇用機会)の確保 | 障害がある人が働くための情報提供 | 障害がある人が働くための相談機関の拡充 | 通勤経路のバリアフリー化 | 職場環境のバリアフリー化 |
18 78.3 | 13 56.5 | 14 60.9 | 12 52.2 | 14 60.9 |
雇用・労働条件の整備 | 障害者雇用に関する法整備 | 職業訓練 | その他 | 回答者数 |
17 73.9 | 13 56.5 | 10 43.5 | 1 4.3 | 23 100.0 |
|
以上。