少子化社会対策に係る文部科学省の取組方針
資料2‐2
1.保育サービス等の充実
【取組方針】- 地域における保護者のニーズに応えるため,幼稚園における子育て支援の充実に努めていく。
- 保護者や地域の実情に応じ,幼稚園と保育所のそれぞれの特性を活かしつつ,多様な教育・保育を提供できるよう,幼稚園と保育所の連携を進める。
- 平成16年度予算案において,平成15年度税制改正における「配偶者特別控除の廃止」に関連した「少子化対策の施策」として,待機児童ゼロ作戦の一層の推進や次世代育成支援を図るため,「私立高等学校等経常費等助成費補助」事業による「幼稚園における預かり保育の機会の拡充」を計上。
- 就学前の教育・保育を一体として捉えた一貫した「総合施設」については,幼児教育の充実を図る観点から検討を進め,平成17年度に試行事業を先行実施した上で,平成18年度から本格実施を行う。
2.ゆとりある教育の推進等
【取組方針】- 子どもたちに[確かな学力],豊かな人間性,健康と体力などの[生きる力]をはぐくむ新学習指導要領のねらいの実現に向けた取組を推進する。
また,[確かな学力]をはぐくむため,子ども一人一人の理解や習熟の程度に応じたきめ細かな指導を充実する。各学校においても,「わかる授業」の実現に向けた取組が進められている。 - 地域の大人の教育力を結集し,子どもたちの多様な活動が可能な居場所づくりを推進する。
- 地域や学校を通じて,保育体験等の様々な体験活動を推進する。
- 学習機会の提供等,すべての教育の出発点である家庭教育への支援を充実する。
- 平成16年度予算案において,子どもたち一人一人に応じた指導を推進するため,教職員定数改善計画の着実な実施や[確かな学力]の向上のための総合的施策である「学力向上アクションプラン」を引き続き計上。
- 心身ともにたくましい次世代を担う子どもたちを社会全体ではぐくむため,「子どもの居場所づくり新プラン(仮称)」等を実施する。
- 平成16年度予算案において,学校等を活用して,子どもたちが放課後や週末に安全・安心して様々な体験活動や地域住民との交流活動等ができる活動拠点を確保する「地域子ども教室推進事業」を新たに計上。
- 平成16年度予算案において,「地域と学校が連携協力した奉仕活動
- 体験活動推進事業」や「豊かな体験活動推進事業」等を引き続き計上。
- 平成16年度予算案において,子育てサポーターの資質向上を図るリーダーの養成や子育て中の親等に対する様々な機会を活用した家庭教育に関する学習機会の提供等を行う「家庭教育支援総合推進事業」等を新たに計上。
3.経済的負担の軽減
【取組方針】- 教育に伴う経済的負担の軽減のため,奨学金事業や私学助成,幼稚園就園奨励費補助等を充実する。
- 奨学金事業について,平成16年度予算案においては,事業全体で対前年度比1,030億円増の6,820億円を計上。
- 私立学校の経常費等補助について,平成16年度予算案においては,対前年度比72億円増の4,291億円を計上。
- 幼稚園就園奨励費補助について,平成16年度予算案においては,対前年度比1億円増の181億円を計上。
4.教育及び啓発
【取組方針】- 生命の尊厳,家庭の役割や子育ての意義等に関する教育・啓発を推進するため,これから親になる者や子育て中の親を対象に,家庭教育に関する学習機会や情報の提供を行う。また,学校教育において,男女が互いに協力して家庭を築き,子どもを生み育てることの意義,人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念などについて指導する。
- 平成16年度予算案において,子育てのヒント集として,子どもの発達段階に応じた内容で作成している「新家庭教育手帳」について,中学生以下の子どもを持つ親へ配布するための経費を引き続き計上。
- 学校教育において,児童生徒の発達段階に応じ,中学校の「技術・家庭科」や高等学校の「家庭科」を中心に,男女が互いに協力して家庭を築き,子どもを生み育てることの意義などを指導する。