女性のライフプランニング支援に関する調査 結果概要~30代・40代女性のライフコース選択の希望と現実~

<説明資料>

<調査概要>

調査目的:
女性のライフプランの希望と現実について把握することを目的30代~40代の女性を対象にアンケート調査を実施した。調査実施にあたっては、未既婚、子どもの有無に関わらず、該当する年代の全ての女性を対象とし、結婚、出産時の選択とそれらの選択に影響を与えるとみられる要因に焦点を当て、長期的なライフプランニングに関する実態や意識を把握することとした。なお、本調査は、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)に委託して実施した。
調査対象:
30代~40代の女性
調査方法:
インターネット上でのモニター調査
※登録モニター43万人を対象に、国勢調査の地域ブロック別年代別の女性人口比率で回収予定数を割付した上で調査を実施。各割付層が回収必要数(3000件)に達した時点で回収を終了。
調査実施時期:
2006年12月26日~27日
有効回答数:
3100件

1.ライフコース選択の実状

2.ライフステージの変化に即した働き方の希望と現実

働き方は、結婚・出産や子どもの年齢と共に変化している。子どもが小さな時期は、働きたくないという人もいるが、子どもが中学生以上では9割以上の人が働くことを希望している。働き方も子どもの年齢があがると共にフルタイムで働くことを希望する人が増えるなど変化がみられる(図表2)。一方、現状をみると、働いていない人が希望よりも多く、働き方も多くがパート・アルバイトに集中しており、希望との間にギャップがみられる(図表3)。

図表2 ライフステージの変化に応じた働き方の希望
単数回答 n=3,100

図表3 ライフステージ別 働き方の現状 n=3,100

注)
  • 「自営・家族従業等」には、「自ら起業・自営業」、「自営の家族従事者」を含む。
  • 「契約・派遣等」には、「有期契約社員、嘱託社員」、「派遣社員」を含む。

3.離職の理由

これまでに仕事を辞めた経験がある人の離職理由のトップは、「主として結婚」となっている(図表4)。さらに、結婚を機に仕事を辞めた人の理由としては、「体力・時間的に厳しかったから」が最も多くなっている(図表5)。

図表4 仕事を辞めた理由:複数回答 :n=2,613


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図表5 結婚時に離職した理由:複数回答 n=908


図表5 結婚時に離職した理由(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます

4.離職・転職の影響(1年以上の離職前後の変化)

理由を問わず1年以上の離職があった人について、離職前後の年収変化をみると、3割以上が「半分以下になった」と答えている。「ほとんど変わらない」や「上がった」は、合わせて全体の約4分の1にとどまっている(図表6)。配偶関係や子どもの有無別にみると、特に、結婚して子どものいる人で収入の減少幅が大きい傾向がみられる(図表7)。

図表6 1年以上の離職前後の年収の変化
:単数回答 n=755


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図表7 婚姻・子どもの状況別1年以上の離職前後の年収の変化:単数回答


図表7 婚姻・子どもの状況別1年以上の離職前後の年収の変化(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます

5.継続就労層の職場の特徴:現在・初職時

「子どものいる継続就労層」の職場は、「全体」と比較して、両立や仕事のやりがいなどの面で、比較的よい環境が整っている。具体的には、現在の職場では「やりがいのある仕事ができる」、「両立支援の制度が活用できる雰囲気がある」、「両立しながら働き続ける先輩がいる」、「個人的な生活時間に配慮がある」といった項目が多くあげられている(図表8)。初職においても、ほぼ同様の傾向が見られる(図表9)

図表8 ライフコース別職場の特徴(現職):複数回答
<「既婚―子どもあり―継続(n=258)」と「全体(n=1,737)」の比較>


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図表9 ライフコース別職場の特徴(初職):複数回答
<「既婚―子どもあり―継続(n=257)」と「全体(n=3,066)」の比較>


図表9 ライフコース別職場の特徴(初職)(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます

6.ライフコース選択への配偶者・パートナーの関わり

既婚者の夫婦間の家事分担状況をみると、「ほとんど妻が家事・育児を担う」家庭が7割弱を占める。「妻と夫で同じ程度担っている」家庭は、約6%にすぎない(図表10)。夫婦の家事分担の状況別に夫の働き方をみると、家事・育児分担の少ない家庭では、残業が多く、時間の融通性もない働き方をしている夫が多い(図表11)。

図表10 夫婦間の家事の分担状況:単数回答 n=2,298


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図11 夫婦間の家事の分担別 配偶者・パートナーの働き方:単数回答


図11 夫婦間の家事の分担別 配偶者・パートナーの働き方(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます

7.子育てしながら働くために必要な環境

子育てしながら働く場合に、家族の状況として最も必要なのは、配偶者・パートナーの「平日の家事・育児参加」や「子どもを育てながら働くことに対する理解」という回答が多くなっている(図表12)。家族の中でも、主に配偶者・パートナー、つまり夫の関わりが重要であることがわかる。子育てしながら働く場合に重要な職場の環境・制度としては、「子どもが病気の時や学校の行事などで休みがとれること」が最も多くなっている。ついで、「上司に理解があること」、「フレックスタイム制度や在宅勤務など柔軟な働き方ができること」などが多くあげられている(図表13)。

図表12 家族の状況として最も必要なこと:単数回答 n=3,100


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図表13 職場の環境・制度として最も重要なこと:単数回答 n=3,100


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8.結婚・出産時の希望と現実の一致度と働き方の選択に対する評価

結婚時や第一子の出産・子育て時の働き方の選択において、希望と現実が一致した人で、満足度が高くなっている。特に、「これまでどおり働くことを希望し、実現した」人がもっとも満足度が高く、結婚時では、9割、第一子出産・子育て時でも8割弱が満足しているという結果となっている(図表14)。

図表14 結婚および第一子出産・子育て時の希望と現実別 働き方の選択に対する評価:単数回答

<結婚時>


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<第一子出産・子育て時>


第一子出産・子育て時(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます

9.ライフプランニングに関して求められる支援

結婚や出産・子育てなどでライフコースの選択をせまられる女性にとって、ライフプランを立てる際に必要なこととしては、「勤務先の会社での情報提供・相談」が最も多い(図表15)。特に、今後「子どもを産みたい」、「末子が乳幼児」といった支援を切実に必要とする人や、「第一子出産に際して育休を取得した」、「配偶者・パートナーが育児休暇をとれること」を期待する人など、積極的に制度を活用したいと考えている人で、「勤務先の会社での情報提供・相談」を期待する人が多い。ついで、「自治体が提供する子育て・介護支援の情報提供・相談」、「女性の働き方に関する情報提供」などが必要とされている。

図表15 ライフプランを立てる際に必要だと思うこと:3つまで選択 n=3,100


図表15 ライフプランを立てる際に必要だと思うこと(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます

「勤務先の会社で、法律上、受けられる支援についての情報提供・相談」を必要とする割合が特に高い層
  • 子どもを産みたい(今いる子どもの人数よりも希望する子どもの人数が多い)
  • 末子が乳幼児(年齢が0歳~2歳)
  • 第一子出産に際して、育休を取った
  • 「子育てしながら働く場合に最も必要な家族の状況として「配偶者・パートナーが育児休暇をとれること」をあげる

まとめ

  • 女性の働き方の希望は、結婚や子どもの状況などのライフステージに応じて変化するが、現実は、希望するような選択が十分できていない。
  • これまでの選択に対する満足度は、本人の希望と現実が一致した場合に高くなる。特に、結婚や子どもを持っても、継続的に働くことを希望して、それを実現できた層で、満足度が高い。
  • 子育てをしながら継続的に働いている人の職場の特徴としては、「仕事のやりがい」、「両立支援制度を活用できる雰囲気」、「両立しながら働く先輩の存在」などがあげられる。
  • ライフコース選択には、配偶者・パートナーや母親の働き方、考え方などが影響しているとみられる。
  • 子育てしながら働くために、夫には「平日の育児参加」、職場には「子どもの病気や学校行事などのために休みがとれること」や「柔軟な働き方ができること」などが必要とされている。
  • 結婚や出産時に仕事を辞めることを希望している人も少なくないが、背景には、残業などを含む厳しい働き方の状況もある。また、現在働いていない人では、将来的には働く意向を持っている人が多く、再就職希望の割合は高い。
  • ライフプランを立てる際に求められているものとしては、「勤務先での支援についての情報提供・相談」をあげる人が最も多く、次いで、「自治体の支援等に関する情報提供・相談」や、女性の一般的な働き方や将来設計に関する情報提供・相談などがあげられる。
  • すでに、一部の自治体や企業において、従来の再就職支援やキャリアプランニング支援を拡大する形で、ライフプランニング支援を行っている例もみられ、今後、さらに支援が広まることが期待される。