第4回「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議「働き方の改革分科会」議事要旨

平成19年5月8日(火)
16:59~18:55

厚生労働省 共用第8会議室(6階)

議事次第

【議事】

  • 1.「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議の各分科会における検討状況について
  • 2.働き方の改革分科会における議論の整理について
  • 3.その他


○樋口主査
 ちょっと定刻前ですが、皆さんお集まりですので、「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議 第4回の「働き方の改革分科会」を開催いたします。御多忙のところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
議事次第にございますように、きょうは3つの議事を用意してございます。それでは議事次第に従いまして、1の当働き方の改革分科会のほかの、「基本戦略分科会」及び「地域・家族の再生分科会」、「点検・評価分科会」の3つの分科会におきまして、これまでどのような議論がなされているかということにつきまして、事務局から説明をお願いいたします。

○岩井統労政策企画官
 それでは事務局より御説明申し上げます。資料1をごらんください。
 4分科会におきましては、それぞれ5月の中下旬までに議論の整理を行いまして、親会議である「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議に報告することとなっております。当分科会におきましても報告書の取りまとめに向けた議論を行っておりますことから、他分科会の検討状況について御説明申し上げます。
各分科会におきまして、それぞれ第1回において、人口構造の変化に関する特別部会の議論の整理というものを踏まえまして、新人口推計及び今後の人口構造の変化に伴う課題についてレビューを行っております。これは当分科会においても行ったものでございますが、全分科会におきまして、共通して行っております。そうした上で、各分科会でどのような議論が行われているかにつきまして簡単に御説明したいと思います。
まず第1番目に「基本戦略分科会」でございます。この基本戦略分科会の検討テーマにつきましては、まず第1に、経済支援のあり方、具体的には子育て支援税制や現金給付といったものです。第2に、働き方の改革を踏まえた子育て機能、所得保障のあり方であります。第3に、子育て支援策の財源であり、第4に、制度的枠組みの再構築といったことにつきまして検討テーマとすることとされております。
基本戦略分科会は、これまでに第1回目を2月27日、第2回目を4月11日に行っております。第1回目におきましては、先ほど申し上げましたとおり、新人口推計「人口構造変化に伴う課題」、それから議論の進め方について議論を行っております。第2回におきましては、資料に基づきまして、海外の家族政策の状況等について議論が行われております。
具体的な議論の内容ですが、まず諸外国、特にフランス、スウェーデン、ドイツにつきまして、家族政策の内容あるいは政策の動きなどを検証いたしまして、何が効果的な対策であるかについての検討が行われております。もう少し具体的に申し上げますと、論点といたしましては、例えばフランスやスウェーデンでは単なる現金給付よりも保育・就学前教育に対する公的支出の方が大きいといったことがあります。また、フランスでは1990年代以降保育対策を強化(支出を増加)しているということがあります。第3に、現金給付が家族政策の中心だったドイツにおきましても、近年政策転換を行っている。そして保育と育児休業制度の充実を相次いで実行しているということであります。第4番目に、既婚女性の労働力率が8割程度のフランスやスウェーデンにおいては、3歳未満児の4割から5割が認可保育サービスを利用しているということでありますが、これに対しまして日本においては、その利用率が2割程度であるといったことが論点として挙がっております。
また、第2番目の検討事項でございますが、効果を上げていると言われるフランスにつきまして、日本並みの人口規模・構成であった場合、どの程度の家族政策の支出額になるかという試算を行っております。これは具体的に、フランスの例をそのまま適用するというわけではありませんが、相場観を把握するということから、この分科会におきまして試算が行われたものでありまして、その結果、10.6兆円程度の規模になるということが試算として行われております。
具体的な内容につきましては、担当がおりますので、私の説明の後に御質問いただければ御説明申し上げたいと思っております。
続きまして、第2番目に「地域・家族の再生分科会」でございます。こちらにつきましては、これまで3回開催しておりまして、第1回目が3月13日でございます。第1回目につきましては、やはり同じように人口構造の変化に関する特別部会議論の整理を踏まえた議論を行うとともに議論の進め方を行っております。
第2回目につきましては、自治体の取組ということで、幾つかの自治体からの説明を受けております。また、厚生労働省から地域の子育て支援に関する施策の説明を行っております。さらに文部科学省からも子育て支援に関する主な取組についての御説明いただいております。それから、内閣府におきまして、家族・地域のきずなを再生する国民運動についての御説明をいただいているという状況です。
第3回目につきましては、4月17日に行っておりまして、これも厚生労働省から、働き方の多様化に対応した子育て支援サービスについての説明が行われております。さらに国土交通省から、バリアフリー新法についての御説明がありました。
この分科会におきます大きな論点ですが、当働き方の改革分科会におきましても、前回御報告いたしました経済財政諮問会議労働市場改革専門調査会第1次報告の内容とその中で掲げられました「働き方を変える行動指針」につきまして、その策定に向けた総理指示を紹介されております。それを踏まえまして、働き方の多様化に対応する子育て支援・サービスの課題の整理が行われております。
これまでの議論におきまして、大きな論点としては以下の3点でございます。
第1点目が、多様で公正な働き方が実現していく中で、家族の機能が営めるように地域において家族を支援するということ。
第2点目が、多様な働き方の選択肢の中から選択して働くことと、結婚や出産・子育てが二者択一にならないための社会的な制度や地域のサービス基盤整備が課題(特に3歳未満児の保育サービス量の拡大とサービス内容の多様化、弾力化)ということが論点として挙がっております。
第3番目の論点でございますが、これは、どのようなライフスタイルを選択していたとしても共通する家庭において子育てを行うことへの支援ということでございます。
これらの論点につきまして議論の整理が行われておりまして、自治体や関係省の説明を受けながら、議論の整理が行われている状況でございます。
第3番目の「点検・評価分科会」でございます。これにつきましては、これまで第1回から第4回までの開催が行われております。
第1回につきましては、やはり同じく新人口推計「人口構造の変化」に伴う課題についてのレビューが行われまして、議論の整理、そして進め方の整理が行われております。また、「子ども・子育て応援プラン」等の政府がこれまで決定しております計画につきましての進捗状況の点検も行われております。
第2回目でございますが、これは専ら働き方に関する、もう少し言いかえますと、「継続就業環境整備」に関する議論が行われておりまして、厚生労働省や中小企業、あるいは子育て世代の親の方からのお話を伺って議論が行われております。
第3回目でございますが、4月10日に開かれておりまして、この回はどちらかといいますと、「保育環境の整備」あるいは「育児不安の解消」といったテーマにつきまして自治体の取組の御説明を受けるとともに、厚生労働省からの説明が行われております。
第4回目、4月23日でございますが、このときには、これまでの議論を踏まえまして論点整理の議論が行われております。
大きく見ますと、この分科会におきましては、「子ども・子育て応援プラン」等の進捗状況の点検を行うとともに、先ほども申し上げましたが、3つの大きな重点テーマを絞っておりまして、第1点目が「継続就業環境整備」、第2点目が「保育環境の整備」、第3点目が「育児不安の解消」でございますが、この3つの重点テーマにつきまして、関係省庁からの報告、企業・地方公共団体からのヒアリングなどを行っており、これから議論の整理をしていくという状況でございます。
簡単でございますが、説明を終わらせていただきます。

○樋口主査
 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの説明につきまして、3つの分科会における議論内容について、御質問、御意見ございましたら、どうぞ御自由にお願いいたします。よろしいでしょうか。
 それでは、御質問等ないようですので、2番目の議題に入りたいと思います。当分科会における議論の整理といたしまして、私から事務局の方に指示しまして、また相談し作成しました中間報告骨子案につき、事務局から御説明いただきます。その後、皆様に御議論をお願いしたいと考えております。では、まず事務局から説明お願いいたします。

○山田労働政策担当参事官
 参事官の山田でございます。説明の前に、今朝一部の新聞に作成途上の資料が漏れてしまいまして、皆様方には大変不愉快な思いをさせたことにつきまして、深くお詫びを申し上げたいと思います。
それでは、お手元の資料でございますが、骨子案それぞれの項目が書いてございますけれども、これまで3回ほどの議論の中でどのような御指摘があったのか、それぞれの項目について、そのあたりを付言しながら御説明をさせていただきたいと思います。
まず1番目の「問題の所在」でございます。「働き方の改革」というものを考えるときに、どういった問題が今進行しているのかということにつきましては、事務局からの報告あるいは委員の皆様方からの御所見等々をいただいております。
1番目のバブル景気崩壊後の長期不況や国際競争の激化、これは特段コメントするものではございませんが、そういった状況の中で、非正規労働者の増加、労働時間の長短二極化といったような状況が生まれてきていることがあります。
少し御紹介いたしますと、長谷川委員からは、特に男性において、非正規の有配偶率が正規に比べて低く、非正規の増加が少子化の要因になっているということが大きいのではないかという御指摘がありました。
それから、前回、事務局の方からは、労働時間の長短二極化ということで、子育て世代の男性の約4分の1は、週60時間以上の長時間の労働をしていることが少子化の原因になっている可能性があるというようなことについて御報告をさせていただいております。
3番目の「○」で子育てに伴う就業継続を断念する女性労働者割合が高水準ということでございますが、これも前回、事務局からの報告で、21世紀出生児縦断調査によりますと、第1子出産を機に約7割の女性が離職をしていることを報告いたしました。
前回、阿部委員からの御報告で、内閣府調査「ライフステージの変化に即した働き方の希望と現実」という調査の御紹介がありましたけれども、それによりますと、3歳以下の子どもを持つ女性のうち2割は「働きたい」と回答をしている。人口減少社会の中で、こういった人たちも働けるという多様な選択肢が用意されることが重要ではないかという阿部委員の御指摘がございました。
4番目の「○」のところで、企業内でのキャリア形成機会の減少ということで、これは横山委員から、正規の社員に求められる仕事がかなり高度化をしてきている。そういう一方で、若者の能力、やる気が必ずしも仕事に追いついてきていない実態も出てきているのではないかという御指摘がございました。
北浦委員からは、これまでの企業中心の人材育成から個人による生涯にわたるキャリア設計が必要になってきている。キャリア教育の必要性から文教教育施策との連携が必要であるといった御指摘がございました。
こういった状況の中で、ワーク・ライフ・コンフリクトの増大ということが書かれていますけれども、これは前回、阿部委員からは、従業員は上記の状況で非常に過密な労働を要請されている。そういった中で仕事以外の生活でやりたいこと、あるいはやらなくてはならないことに取り組めないという状況が生まれてきているのではないかといった御指摘を踏まえたものです。それから、結婚や子ども数に対する国民の希望と現実が大きく乖離をしている。これにつきましては、第1回、事務局から新人口推計にかかわる研究会の報告の中で、生涯結婚を希望しない未婚者は10%に満たないけれども、1990年生まれで見ると、生涯未婚率が23.5%になってしまうといった数字を示させていただきました。また、あるいは夫婦の希望する出生児数、実際は2人以上であるわけですけれども、1990年生まれて見ますと、1.70人にとどまっているといったことで、国民の希望と現実というものが大きく乖離をしていると、こういった希望がかなえられない状況をどう考えていくのかといった議論がございました。
次のところで、従来の商取引慣行等による企業における働き方の見直し努力の限界ということですが、これにつきましては、藤木委員から、取引先からの納期の制約など個別企業の取組だけでは限界のあるものもあるのではないか。あるいは武石委員からは、ワーク・ライフ・バランスの達成のために働く人の多様性を認めるといったときに、消費者としての生活をどのように考えるのかといったような視点も重要ではないか、といったような御指摘がございました。
これが問題の所在にかかわる論点ですが、2番目に「目指すべき『働き方の改革』」ということで、(1)として「ワーク・ライフ・バランスの考え方」ということを整理してございます。
1番目の「○」ですが、ワーク・ライフ・バランスとは、労働者が仕事上の責任を果たしつつ、結婚や育児をはじめとする家族形成のほか、介護やキャリア形成、地域活動への参加等、個人や家族のライフステージに応じた多様な希望の実現を可能とすることである。このワーク・ライフ・バランスを実現することにより、安心して子どもを育てることができるようにするなど、将来の社会を担い、支える国民を応援する社会環境の整備を図る。このようなワーク・ライフ・バランスの実現には、企業と労働者の双方が協調して「働き方の改革」を推進することが必要不可欠である。
これについての御議論としては、まず武石委員から、子どもの有無、あるいは結婚、非婚化など、国民は様々なライフスタイルを持っている。多様な状況の中で、多様な希望を実現するという発想でワーク・ライフ・バランスを考えるべきであるという御指摘がありました。
それから、北浦委員から、人生における時間軸の中でワーク・ライフ・バランスをとらえることやライフステージによって働き方を変えられるということがこの問題を考えるときに非常に重要ではないかといった御指摘がございました。これも北浦委員の方からですが、少子化とのかかわりの中でワーク・ライフ・バランスを意義づけるとすれば、少子化の原因の1つとなっている働き方を変えることによって少子化の流れを変えようという側面と、少子化の帰結としての人口減少の中でできるだけ多くの人が就業参加できる社会を作っていかねばならないという2つの側面がワーク・ライフ・バランスとのかかわりの中ではあるのではないか、といった御指摘がございました。
それから、2番目の「○」でございますが、「働き方の改革」により、労働者が自己実現を図る環境を整えることを通じて、仕事におけるモチベーションを高めると同時に、効率的な仕事の進め方等労使の自主的な取組による生産性の向上を一層を図り、企業と労働者を含めた家族の双方にとってメリットのある社会を形成するということでございます。
ここにつきましては、前回、阿部委員から、これはニッセイ基礎研究所で行われた調査研究であろうと思いますが、人材育成策と両立支援策を先進的に講じている企業においては従業員一人当たりの経常利益も高いという分析があるという御指摘がありました。
それから、木村委員の方から、これは2回目にNECについての御報告があった際でございますけれども、せっかく教育投資をした女性社員が出産を機にやめてしまうことが多かったが、ファミリーフレンドリー施策で仕事をしていく上での選択肢が増えたことによって女性の勤続年数が長くなった。ただし、ワーク・ライフ・バランスで企業の競争力が落ちてしまってはそれはだめであると、こういう御指摘もございました。
それから、横山委員から、これも2回目にIBMの御報告があった際ですが、時間や場所の制約から開放した多様な働き方を進めることにより、社員の満足度を高め、事業の成長に結びつくという考え方でワーク・フレキシビリティー施策を実施しているのだというお考えを御指摘されております。いずれにしても、企業と労働者双方にとってプラスになるような形でワーク・ライフ・バランスというものを考えていく必要があるといったような御主張でございました。
こういったワーク・ライフ・バランスにかかわる考え方を前提において「『働き方の改革』の方向性」をどう考えるかというのが(2)でございます。
4つほど「○」がございますが、この中で(1)のような考え方のもとでの今後の働き方としての望ましい姿というものを幾つか提示をしてございます。
1番目の「○」は個人の家族形成維持が可能となるよう、就業による経済的自立の支援を図る。
2番目は、労使の自主的取組等を通じて、長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進等を図り、家族が共に触れ合う時間を確実に増加させるようにする。
3番目の「○」では、個人や家族の置かれたライフステージに応じて、多様な働き方を自己選択できるようにする。
4番目の「○」は、家族との協力の中で、ワーク・ライフ・バランスを実現するとともに、個人としても中長期的な観点から、自らのキャリアを切り拓くことができるようにする。
この4番目の「○」につきましては、少し御指摘を御紹介いたしますと、これは前回でございましたが、長谷川委員から、ワーク・ライフ・バランスというものを個人単位ではなく家族単位で見ることも重要ではないかという御指摘がございました。
そのことにつきまして、阿部委員から、家族単位で考えることも重要であるが、ただ、その場合であっても、家族構成員それぞれが何を望んでいるのか、そのことを家族の中で、どう調整しどう協調していくのか。あるいはそのことについて企業がどのように支援をしていくのか、そういったことも重要な視点ではないかというような御指摘がございました。
4つぐらい「働き方の改革」の方向性について整理をさせていただいておりますが、その後の2つは、こういったことを実現するための道筋といいますか、そういったものを2つ「○」で整理してございます。
5つ目の「○」のところにございますのは、国民の働き方についての意識や企業の行動を変えるために「ワーク・ライフ・バランス憲章」及び政府における「働き方の改革を推進する行動指針」の策定について検討するということでございます。
これにつきましては、前回、事務局から経済財政諮問会議の労働市場改革専門調査会第1次報告におきまして、「ワーク・ライフ・バランス憲章」の策定というものが提案されている。また、この報告が行われました4月6日の諮問会議におきまして、総理の方から、働き方を変える行動指針について政府部内で十分連携をして取りまとめると、こういった発言があったということを御紹介してございます。
また、この分科会の議論の中かでも、北浦委員から、生産性本部でまとめられた報告書を御報告された際に、ワーク・ライフ・バランス施策が各省庁ばらばらにならないように総合的に進めていくことが重要であるといった御指摘をいたただいております。
その次の「○」ですが、働き方の改革を推進するに際しては、地域の労使団体の積極的な参画・協働を基本とし、これに国や地方自治体の資源やネットワーク等を活用した、地域におけるワーク・ライフ・バランスを具体的に推進する枠組みを構築するということが書いてございます。
これにつきましては、第1回、樋口主査から、地方公共団体でもワーク・ライフ・バランスについての取組をかなり積極的に行っており、実効力の高い政策運営のためにどのような連携をとっていくのかということを具体的に検討すべきではないかという御指摘がございました。
北浦委員の方からは、国民の生活を考える上では、地域レベルでその実情に応じた施策を講ずるべきであり、国と地方自治体が一体となって取り組む体制が必要であるという御指摘をいただいております。
3番目のところは、こういった考え方なり方向性の下で、支援施策というものをどう考えていくかということでございます。
(1)は、家族形成を可能とする経済的自立に向けた支援の推進ということでございます。これも幾つか御紹介しますと、まず1つは、若者のニート・フリーター問題に関してでございますが、長谷川委員から、結婚して安心して子どもを産める環境をつくり出すためには、男性若年層の正規雇用化を推進すべきである。
小杉委員の方からは、特に低学歴層にニートやフリーターが多い。能力やスキルがないということに問題があるということであって、この部分を埋め合わせる施策が必要であるといった御指摘がございました。
それから、これに関連して、非正規の問題も含めて、多様な働き方における公正処遇について北浦委員から御指摘がございましたが、働き方が多様化すると不安定な働き方も出てくることが相案されるため、正社員、パートの均衡処遇など処遇面も含め安定的な働き方にすることが必要であるといった御指摘がございました。
それから、学校教育の問題につきましては、内閣府の方から前回御報告がございましたが、青少年が主体的に進路を選択し社会的な自立ができるようにキャリア教育の推進が必要であるといった御指摘がございました。
(2)は、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた労使の自主的取組等の促進ということでございます。全体的な話といたしましては、木村委員から、これは第2回においては、ワーク・ライフ・バランスは、本来企業が自主的に進めるべきものである。行政は、企業の取組について尊重し、あくまでそれを支援していくというスタンスに立つべきであるといった御指摘をいただいています。
それから、前回、藤木委員からありましたのは、これは武石委員の方からもございましたが、中小企業におきましてワーク・ライフ・バランスを進めるという面において、事例を見て感じられるのは、経営トップの強いリーダーシップというものが非常に大きく左右しているということであると。藤木委員から御提案がありましたのは、これからワーク・ライフ・バランスというものを世の中に広げていくという1つの方法として、ロータークラブであるとか、ライオンズクラブといったところへの働きかけをしていくというのが有効なのではないか、という御指摘がございました。それから、これも藤木委員の方からですけれども、ワーク・ライフ・バランスを推進していくということを考えるときに、1つは、次世代法の認定の仕組みの見直しや、あるいはもう少しハードルの低い認定の仕組みといったものによりまして、こういったことを積極的に取り組む企業への社会的な評価を高めていくことが重要ではないかと。具体的にはこうした評価をされた企業に対して入札資格要件の考慮であるとか、金融税制優遇措置の見直しなどが考えられないか、といった御指摘がございました。
それから、これは山口委員からでございますが、経営側と組合側が別々にワーク・ライフ・バランスに取り組むのではなく、労使が協調していろいろな取組を合意し推進していくシステムが必要ではないか。労使共同宣言のようなものが考えられないかといった御指摘がございました。
それから、少し個別のことでございますが、長時間労働の抑制を図っていくということにつきましては、単に時間を短縮すればいい、弾力化をすればいいということではなくて、その際の労働時間管理のあり方などいろいろ工夫の余地があるはずではないかといった北浦委員からの御指摘もございました。
ライフステージに応じた多様な働き方という点につきましては、これは前回、長谷川委員からでございますが、女性の場合、一時期育児に専念したいという希望を持っている人が非常に多く、女性が子どもを産み育てた後に安心して職場復帰ができるような仕組みの確保というものが非常に重要なのではないか、といった御指摘がございました。
それから、キャリア形成に関してでございますが、北浦委員から、終身雇用が変化をしてきている中で個人の自律的なキャリア形成によって職業の安定を確保できるようにしていくことが重要ではないかという御指摘があり、小杉委員からは、特に若年者、子育て女性について言えるのだけれども、長期雇用のみならず、職業に対する能力強化などによって社会全体で職業の安定性を持たせる仕組みづくりが重要ではないかといった御指摘がございました。
これが(2)のワーク・ライフ・バランス実現に向けた労使の自主的取組の促進についていろいろ御指摘があった点でございます。
(3)で、地域における「働き方の改革」を具体的に推進する体制整備強化というところですが、ここにつきましては、前回、事務局の方から兵庫の事例を御紹介させていただいております。行政が地域の労使を巻き込んだ形の中で地域における好事例を拾いだして、それを地域の中で広げていくという取組を行っているという事例を御報告させていただいたところでございます。
(4)の「働き方の改革」の推進に向けた社会の仕組みの見直しということですけれども、これは先ほど問題の所在の一番最後の「○」のところで、従来の商取引慣行等による企業における働き方の見直し努力の限界ということで、取引慣行であるとか、あるいは消費者への対応といったようなことについて、社会の仕組みを見直しをしていくことが必要ではないかという御指摘をいただいておりまして、こういったことについてどう考えていくかという課題があろうかと考えております。
最後、4の「まとめ」のところですけれども、いろいろと3のところも含めて、今後の支援施策について検討していくということになると思われるわけですけれども、政府としては、この中間報告に盛り込まれた提言のうち、予算措置、法制度の見直しが必要な措置については早急に検討に着手すべきである。
こういったまとめを最後にしてはいかがというふうに考えております。
以上でございます。

○樋口主査
 ありがとうございました。事務局と相談しまして、このような骨子案を作成させていただきましたが、これにつきまして御意見、御質問ございましたら、どうぞ、御自由にお願いいたします。

○長谷川委員
 まず、ここに(中間報告骨子案)とあって、今、たくさん説明をいただきましたが、中間報告というのは、どのぐらいのボリュームででき上がるのですか。ここにいただいたこのプリントしてあるものが中間報告として上げられるのか。それとも今御報告になった、口頭でお話になったようなことが全部中間報告の中に盛り込まれるのか。どういうイメージで思い描いたらいいのか、ちょっとわからないので説明いただけたらと思います。

○山田労働政策担当参事官
 委員の方々との御相談でございますけれども、事務局といたしましては、それほど大部なものをつくるというふうには思っておりませんで、簡潔なものをつくりたいと思っています。ただ、これはあくまでも骨子案でございますので、これに少し肉付けをした形で報告書案というものをつくりたいと思っています。今日これからいただく御議論なども踏まえまして、少し事務局の方で練りたいと思っています。

○長谷川委員
 よくわかりました。そうしますと、これは大体このいただいたプリントぐらいのボリュームでもう少し肉付けをしたような形ででき上がると考えていいということですね。これは最初にも確認したことなのですが、これは全体の重点戦略検討会議全体のところに上げるわけですね。全体会議の名前も「子どもと家族を応援する日本」という非常にぼやけた名前になっていますけれども、少なくとも「重点戦略」と言っている以上、少子化対策ということがどの分科会も非常に大事な目標になっているということが、資料1を拝見しても、ひしひしと伝わってまいります。
そういう観点から考えますと、この「働き方の分科会」についてはちょっと恥ずかしいという気がいたします。一体ここで、例えば最初「問題の所在」とあります。本来でしたら、少子化の問題というのは、こことここにポイントがあるぞということを我々の議論の中から、事務局がピックアップして、そしてこことここに少子化の一番の問題があるという格好で取り上げるべきところですね。ところがここにずらっと並んでいるのは、これは多分私どもの議論にお気遣いいただいたのだと思うのですが、ここで何か労働関係で問題になっていることを漫然と我々が語ったそのまんまが出ているという、そういう格好になってしまっているという印象が非常に強いんです。
もっと事務局の方で、イニシアチブをとっていただいて、我々いろんなことを申しましたけれども、長谷川委員のあんな意見は問題に本当にかかわってはいない、と思ったら、御自由にばっさり切っていただいていい。そのかわり、少子化対策には、こことここが本当に問題ですよと言って、自信を持ってこの全体の戦略会議に上げられるような、そういう的を絞った中間報告をつくっていただきたいという気がいたします。
私ども大学で学生の指導をして、卒論中間発表会というのをいたしますけど、こういう発表をしたら、出直して来いと。あなたのポイントを絞りなさいという指導をいたします。多分私ども一人ひとりの意見を拾い上げなくちゃという、非常にやさしいお心遣いから出たことだと思うんですが、私はもっと勇断を持って、本当に大事な問題だけをピックアップするような、そういう中間報告をつくっていただきたいと願っております。

○山口委員
 今、長谷川委員から御意見がありましたが、私はこの「働き方の改革」というまとめ方の方向でこの分科会はまとめるべきだというふうに思っております。この分科会だけではなくて、あらゆるところで、なぜ少子化が進んでしまうのか、なぜ働きながら子育てができないのか、いろいろ議論がされてきた経過の中で、やはり根本的に問題は働き方、特に今まで働き方というと、子育てをしながら働き続けられる女性というようなところに視点を置いたものでしたが、今回は男性の働き方にこそ問題があるというところからスタートしたというと言い過ぎかもしれませんが、そういったようなところも含めて働き方を見直さないと最終的に少子化への対応、あるいは子どもと家族を応援するに資するところに行かないのだということで、この分科会はそういう議論がされてきたのだろうと私は認識しております。この内容すべてではなくて、まとめ方として、4つの分科会がそれぞれ役割を担っているわけですから、この分科会においては、こういうまとめ方をするべきではないかと思います。

○木村委員
 いろんな御意見が出ているみたいですけれど、私の目から見ますと、これまでに出されてきたワーク・ライフ・バランスについての、例えば経済諮問会議でしたか、あるいは社会経済生産性本部の出された内容とどこが違うのかといった感じで受け取らせていただいているというのが実感でございます。
それはそうとして、多少の御質問と意見ということで伺わせていただきますけれども、2の(2)の今後の方向性というところで、「個人の家族形成・維持が可能となるよう、就業による経済的自立の支援を図る」ということですけれども、これは何を意味しているのか。例えば企業が当然人を雇うということになると思いますけれども、企業が人を雇う場合、どういう雇用形態で雇うのか、どういう賃金で雇うのかということについては、当然のことながら需要と供給の中で企業が判断して決める話でして、これに対して何をどういうような形で係わろうとしているのか。あるいは、場合によっては賃金の底上げみたいな、最低賃金の底上げみたいなことを政府が強制的にやるのかと。これまで労使で最低賃金について話し合いをしてきたのは一体何なんだということになってくると非常に嫌だなという印象を受けております。
それから、2番目の「○」のところでございまして、「労使の自主的取組等を通じて」とございますが、これは私どもが報告させていただいたように、労使の個別自治の中で取組をしてきております。逆に言うとそれ以外の取組というのは基本的には余り考えられないのですけれども、ここに「等」というのが入っていて、この「等」というのは何かというところが非常に気になります。
それから、「長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進を図り、家族が共に触れ合う時間を確実に増加させるようにする」というところは、ある意味で言うと方向性としては時短の方向しかないというような表現になっております。しかし、働き方ということで言いますと、これまで何人の委員からも話がありましたように、もっと働きたいということももちろん個人の選択肢の1つでありまして、必ずしも時短の方向だけを殊さら強調する、あるいはそちらの方向しか示さないというのはいかがなものかという気がしております。あくまで個人の価値観を優先するのだといった報告でないといけないのではないかと思っております。
その後の2つ、「個人の家族の置かれたライフステージに応じて、多様な働き方を自己選択できるようにする」、それから「家族との協力の中で」とありますけれども、これはあくまで理想ですけれども、こういったことを企業としてどうするのかということについては、これは企業の実力なり、個別労使の話し合いの中で決まってくる話であって、これについてどうした方がいいのではないかという意見を報告書の中で言うことについてはいいのかもしれませんけれども、それ以上に立ち入ってくることについては非常に問題があるのかなと思っております。
それから、その次、「国民の働き方についての意識や企業の行動を変えるために、『ワーク・ライフ・バランス憲章』及び政府における「働き方の改革を推進する行動指針」の策定について検討する。」ということで、ある程度規定路線のようになっておりますけれども、もし、こういうものをつくるのであれば、その中でうたわれるべきことは、個別労使に対する規制であってはならないと思っております。行動指針についても、それを前提としたものでなくてはならないと思います。
それから、最後の「○」のところですけれども、自治体関係の取組についてですが、当然自治体によって、例えば人口との関係で保育関係が物すごく整っていたり、整っていなかったり、あるいは財政的によかったり悪かったり、変な格差問題が出ているというところもありますので、これに対してどういったことを政府としていくのか。あくまでこれも各自治体の地域事情ですとか、個別事情に応じて取組を図るというのが趣旨ではないかと思っておりますので、このあたりも余計なことを書き込んでくると問題が出てくるのかなというふうに思っております。
それから、3のところ「『働き方の改革』としての支援施策」ということで、「家族形成を可能とする経済的自立に向けた支援の推進」は先ほどの2の一番最初のところにもありますけれども、企業に過大な期待をされてもちょっと困るかなという気がしております。
「ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた労使の自主的取組等」、ここにも「等」と書いてありますけれども、さらにここでは「促進」ということで、もうしなければいけないという書き方になっていますけれども、これも「支援」ということだと思います。
それから、「『働き方の改革』の推進に向けた社会の仕組みの見直し」について、先ほど商取引の話だとかいろいろありましたけれども、商取引の慣行を見直すというのは非常に難しい話です。余り安易に、本当にこれを言ってしまっていいのか、非常に危惧される感じがしてます。余りきれいごとを言って、例えばそういったことを本当にやろうとしたときに、ある意味で言うと、やらない企業に仕事をとられるとか、いろんな問題が実際には出てきます。これはよほど注意しないと非常に危険な議論になってくるという気がします。
最後の「まとめ」のところで、これはよくわからなかったんですけど、「予算措置や法制度の見直しが必要な措置については」とありますけれども、その必要性について、だれがどうやって決められるのかについてわかりませんでした。
意見と質問が混在しましたけれども、以上でございます。

○樋口主査
 ほかにいかがでしょうか。山口委員。

○山口委員
 木村委員が意見をおっしゃったので、私も同様に申し上げたいと思います。最初に木村委員がおっしゃっていたように、今の段階でこれを読んでくると、今まで取り組んできた働き方の改革とどう違うのか、そういう感想は否めないと思います。ですから今回、この働き方の改革分科会で何を一番優先して、これだけは今までと違うのだというものを出せるかというところが、ここの分科会にかかっていると思います。この分科会に取り組むときにもそのようなことをつくらなくてはというふうに意識はしてきたのですが、例えば個人の価値観はばらばらであるとか、企業に負担がかからないようにとか、いろいろリクエストをそのままにしていると、今までと同じになってしまうということで、ちょっとここに記載していることを幾つかミックスして、今までと違うという大きな前進になるかどうかわかりませんけど、少し案を申し上げさせていただきたいと思います。NECの例でも言っていましたように、労使で協議をするという、それはワーク・ライフ・バランスについての取組というものは非常に重要だと思います。労使で取り組むということが重要で、また、それがすごく成果が大きいのだろうと思います。
それで、この方向性の中では、例えば「ワーク・ライフ・バランス憲章」であるとか、政府における行動指針というところが出ているのですけれど、それから、4つ目の「○」のところに、ここでは地域におけるということになっておりますが、「ワーク・ライフ・バランスを具体的に推進する枠組みということで、私は労使でワーク・ライフ・バランスを進めるという、例えば行動計画というような枠組み、また新たに付加するというと反論があるかもしれませんが、そういったような枠組みをここでつくってはどうかというふうに考えております。
労使でワーク・ライフ・バランスを進めるというようなテーマでありますと幅広くなるのですが、要は長時間労働であるとか、労働時間の短縮について労使できちんと議論をするということを枠組みとして設置をするということです。時短といいますと、一律に労働時間短縮とか、あるいは残業なしで早く帰りましょうとか、そういうことになりがちですけれど、以前にも申し上げましたとおり、企業における全体の仕事量と要員というものを考えると、今それがいっぱいいっぱいでという中で、バランスをしていて、結果的に長時間労働になっているというようなことであるとしたら、その長時間労働を是正するためには要員を増やすか、あるいは一人当たりの労働時間を長くするか、あるいは全体の枠である仕事量を大幅に減らすかということになると思います。しかし、利益の源泉である生産に結びつく労働時間の縮小は大変難しいと思いますけれど、本当に今現在、企業が抱えている要員、その要員にとっての長時間労働である全体の仕事量のすべてが生産性に資しているのかどうかということについて一番わかっているのが労使であります。そういったようなところで、例えば業務の改革ではないですけど、業務の見直しであるとか、仕事の流れの見直し、あるいは要員の配置の見直しとか、そういったようなことを1つずつでもしっかり労使で議論して、結果、大変な無駄があった場合に、それを排除しただけでも労働時間の短縮につながったという例はあるわけでして、そういった意味で、何かするとコストにすぐつながってしまうというようなことに考えがちかもしれませんけど、コストにつながらないで、多少労力であるとか、労使双方の努力であるとか、そういう次元でできる行動計画の作成というようなことは考えられるのではないかと思います。
これも行動計画というと、次世代支援の行動計画というものが例として思い浮かぶわけですけれど、これについては少し労使ではなくて企業に課せられたものでありましたし、ちょっと時間的に早急だったというようなこともありますし、また、一方では、中小企業と大企業といいますか、企業の規模別に分けたということで、大手は進んだけれど、中小企業がなかなか進まなかったというような反省も今現在ありますので、それは区別をしないでということで、それから少し長い、ロングタームでの取組でというような計画がつくる枠組みを作ってはどうかということです。
NECとか、日本IBMのような大手でしたら、既にできているところでありますし、そういった大手で進んでいる事例を公表して、こんなことで行動計画やってくださいといっても、何から手つけていいかわからないとか、そういうような中小企業だけに限らず、そういう企業も多いわけですから、そこにこういうところから取り組んだらどうでしょうかというようなことの事例となるようなものも公表してということであれば、すべての企業、すべての労使関係の中で取り組めるということにつながると思いますので、そういった一歩進んだ枠組みというようなことで取り組むべきではないかということを私は提言したいと思います。

○木村委員
 個別労使での話し合いというのはもちろん重要でして、それは大いにやりたい。私も現実にやっているわけでございますけれども、その個別労使の話し合いを法の下でやらされるのかどうかというところが重要だと思っていまして、もしそういった法なり規制なり、信頼の力がなければ労使の話し合いができないというようなことであれば、逆に言うと労働組合としての存在感の自己否定につながってくるようなところがあります。あくまでそういった議論をするかしないかも含めて、それは個別労使の話であって、そういったことをやろうとしていることに対して政府がどんな支援をしてくれるのか、そういった方向ではないかと思っております。
 それから、今既に少子化に対する企業行動計画をつくって、あれは10年の時限法で、まだ4年ぐらいしかたってないですが、それに新たにまた行動計画をつくらせるとかという話は、内容の問題も含めて非常に重なりが多いところがありまして、必要であれば、今ある企業行動計画策定の中にそういったワーク・ライフ・バランスの視点を単に盛り込めばいい話であって、新たな行動計画をつくらせるというような話ではないのかなという気がしてます。

○山口委員
 今、後段でおっしゃったような、次世代育成に関する行動計画というのがありまして、イメージして労働時間短縮であるとか、ワーク・ライフ・バランスというようなことでの行動計画とかなりの部分オーバーラップすると思います。ですから、これから手続的にそれを一体化するというような手続が必要になると思います。別個でつくるということはおっしゃるとおり、かなりむだなところであります。
それから、既に労使関係があるというところで、それを法律で規制しなくては、労使でこういうことを取り組まないのか、取り組めないのはということの御指摘ありましたけれど、残念ながら、私どもの組織率の視点で労働組合があるという事業所は本当に大変少のうございます。これは第1回目のときに議論をしたと思いますが、どんなところに働いていても、あるいはどういう働き方をしてもということで、私たち国民が求める生活なりができるというところで考えていくと、なかなか何かきっかけとして、半ば半強制的という形になるのでしょうか。法律というものがあって初めてきっかけとなるというようなところもありますし、そういうところでないとなかなか弾みがつかないというところも実際はあると思います。
そういう意味で、受け身的にやらされるということではなくて、何度も申し上げますが、大手企業のところは問題なくて、なかなかそういうことにも取り組めない、あるいは労使でそういう余裕がないとか、ちょっとそこまで考えが及ばないとか、いろいろある。その方が事業所数的には大きいと思います。ですから、そういうところに触発をするような意味で、法律といっても、どういう法律でというのは根拠法みたいのを具体的に持っているわけではなくて、何かそういうような形で進められないかというところで提言をした次第です。

○北浦委員
 大体重なるところがあると思うんですが、3つほど申し上げたいと思います。1番目は、まず長谷川委員から御指摘があったメリハリの問題といいますか、的が絞れてないということについては、確かにこの会議においての前提として少子化に対してどう応えていくのか、このトーンが出てないといけないのだろうと思います。そういった意味で、文章上で出ているかどうかというのは確かに御指摘のある点だろうと思いますが、先ほどの御説明があったところでは、そういうことも含んで御説明があったように思いますので、むしろ肉付けのときに工夫されれば良いのではないか。
もう少し具体的に申し上げますと、先ほどの中で重要なことは、例えば男性の若年層のところの正規化の問題であるとか、そういった結婚する段階、あるいは結婚して子どもを産む段階、そういったところでの雇用の不安定さというところの面を見ていくという、若年の問題に結構焦点を当てているということは、これはほかのところでも指摘はされていますけれども、1つ大きな点だろうと思います。
それだけではなくて、どちらかというと、今、これは子どもを産んでという、女性であり、あるいは子どもを産んで育ててというところに着目しがちですが、それだけでなくて、それが男性も含めてという御説明もありましたが、恐らくそういったようなところを改善していくと、全体の働き方を変えないといけないのだということでこの議論が出ているのだろうと思いますので、私はここに書いてあることが全部無関係では恐らくはないと思います。それにしても、今言ったような、非常に切実なというか、一番鮮烈なところを示すことでその辺が見えてくるのかなという感じはいたしました。
それから、2点目にこの問題についての解決の前提として、先ほど何回も御説明あったように、ワーク・ライフ・バランスの考え方、それは結局個人のところに帰着をしていく。つまり多様な考え方があるという御指摘があったわけです。ですからそこのところを踏まえて政策手法を考えていかないといけない。そうすると一律、一律という言い方がなかなか厳しい。これまでのいろんな方針などを見てみますと、こうしましょうというわりと画一とは申し上げませんけれども、一定の枠をはめて、それで行くという形になるけれども、より実効を深めていくためにはそれぞれの違いというものを見きわめていく。それぞれの自立性の中でやっていただくという議論なのかなと思います。そういった意味で大事なポイントというのは、企業という単位と企業に近いところの地域という単位、そういったレベルで議論してやっていかなければいけないと思います。
そのときに、いろいろ先ほども御議論ありましたけれども、行政手法の問題としてどうやってやっていくのか。つまり何か強制をしてやらせていくのかというような懸念は皆さんいろいろ持っているのではないかと思いますが、それではこの問題は多分解決はしないと思います。個別個別の違いがあるわけですから、個々の自立性の中で解決してもらうような形で、むしろ重きを置くのは支援の方です。先ほども議論がありましたが、いかにそれを支援をしていくか。そういう支援の枠組みをつくっていくというところに違いをもっと出していった方がいいのではないか。行動計画というのはそういう意味も入っているんですけれども、どちらかというと何か画一的な目標を示してそれに引っ張っていこうと、こういう感じに見えてしまいますので、恐らくそのような支援的な意味合いも込めた新しい方向性・方針なりを示されるということなのかなと感じました。
とりわけその中で、一番ポイントになるのは、企業の場合ですと私も基本的にこれは労使の間の中で決めていく、あるいは話し合って決定していく、これが非常に大事だろうと思います。先ほど、それをまたお仕着せのようにという御批判が確かにあったわけで、そこは慎重に考えないといけないと思うのですが、少なくともやりましょうという啓発はあっていいのかなと思っております。
そういうような流れの中で、そういうような議論をしたときの枠組みに対しての支援の枠組みが必要だと思います。1つはいろんな援助措置もあるでしょうが、そういうものに対して、例えばいろんな計画などをつくっても、計画をつくるというよりも、結局これは企業のレベルだと実践でしかないわけです。ですから今まである計画にまたもう一枚つくるというのではなくて、それに加えて、それを実践するということですから、その姿をつくっていく。つまり事例をつくっていくことにほかならないわけです。ですから、そういった事例を、もっといろんな形で集積をし、それを情報提供していくというような形で、いわば啓発し普及をしていくというような、そういった緩やかな形でこれを広げていくような方向性というのはあっていいのかなという感じは少しいたしました。
いずれにしても、そのベースとなるのは労使の話し合いということになりますが、労使自身において、そういった状況を計画的に、計画よりも私はフォローアップではないかと思っているわけで、それを実践の段階でどれだけ実現をしたのかということを把握して、そしてその問題点の中で積み重ねていくような形をつくっていく。そのための何か枠組みというのが考えられるのかどうか。あるいはその枠組みに対しての支援というのが考えられるのか。その辺は議論がいろいろあるのではないかと思いますが、そのような実践を支援していくような形と、その実践したものを把握し、それを普及していくようなことで考えていったらいいのではないかと思います。いずれにしても、労使でというところは非常にポイントだと思いますので、手法の問題についての御議論はいろいろあると思いますが、そういった取組がないと動いていかないということは大事なポイントとは思っております。

○阿部委員
 今いろいろ議論が出ていて、私もそれに賛成の部分とそうではない部分も実はあるのですけれども、私が1つ指摘したい点が、問題の所在のところで長谷川委員おっしゃったように、焦点をもう少し絞ってお書きになった方がいいかもしれません。そのときに、長谷川委員の発言というか、皆さんがそんなようなイメージでお話になっているなと思うのは、働き方の改革というのがどうしても少子化対策というと、出生率回復といったところにどうも話が行きがちなのではないかと思いますが、私は実はこの段階になったら、出生率回復だけではなくて、同時に子どもが少なくなっているという、人口が減少する中で、この社会をどう維持していくかというのも同時に考えていかないと、社会がもたなくなる可能性が十分あるだろうと思っています。
そういう中で仕事もしないといけないし、一方で暮らしも十分豊かになっていかなければいけない。これをどうやって個人が実現し、それは同時に社会全体の問題でもあるのだろうと思います。そういうふうな書き方をしていただいて、従来の次世代法というのは、どちらかというと出生率の方に少し重きが置いてあるのではないかと思います。そうではなくて、これから人口減というところにも焦点当ててあげると違った形で書けるのではないか。
そういう意味では「ライフステージ」という言葉が何度か出てきますけれども、子育て前、子育て期、子離れ期、それから第2の人生といろんなライフステージがあるわけです。その中でどういう働き方とどういう暮らし方をしていくか。豊かな暮らしが日本人が送れるようにするためには、企業が社会全体が、家族がどうやっていくかということももう少しわかりやすくお書きになったらどうかと思います。
その中で、個人がどうするとか、個別労使がどういうふうにしていくか。そういう議論があるのはわかりますが、さはさりながら、豊かな暮らしというところになってきますと、今のような長時間労働はどうなのかとか、遠距離通勤がどうなのかとか、あるいは在宅労働だっていいんじゃないかとかいろんなことが書かれてくるのではないかと思います。あるいは有給休暇の取得率はまだまだ100%じゃないとか、そういったことをもう少しお書きになったらどうかというふうに私は思います。
確かに個人に任せる、個別労使に任せる。それは重要ではあるのですが、ほっとけば、どうなっちゃうというのも片方ではやはりあります。ですからそのあたりを、最低のラインをどこに示すかといったところも少し考えるべきなのではないかと思います。

○長谷川委員
 今の阿部委員の問題提起については、私は問題をわかりやすく絞るという点からは非常に問題があると思います。ただでさえ問題が絞り切れていないところに、また一つ別方向の話が出てきては、ますます混乱してしまいます。少なくとも少子化対策、出生率の回復を目指すということを大筋にした上でなら、ワーク・ライフ・バランスの問題も、これ自体悪いとは思っておりません。たしかに、これは急病患者に、あなたは栄養のバランスをとって運動もしっかりなさいよ、これが健康にいいですよと言っている、何かそういう見当はずれの感じが否めないというところが私のワーク・ライフ・バランス論に対する違和感であって、これが出生率回復に悪く働くとは思っておりません。男性でも女性でも、非常に長時間労働だとどうしても出生率が下がるということはある。そういう点では、この報告書は終始一貫していると思うんです。
ところが、今、阿部委員がおっしゃった、いざ人数が減ってくるとなると働き方を変えなくてはいけないという問題―これは或る意味で方向が逆になってきます。働く人数が少なかったら、ますます一人あたりの働かなくてはならない時間は増える勘定になる筈です。いろんなところで出生率を上げようという、努力を重ねているときに、少子化後の対策をもり込むのは、一緒にうまく同じ方向を目指せるものもあるかもしれませんけれども、事柄によっては大変対立する可能性も高い。
しかも、この問題に関しては、少なくともこの委員会ではほとんど検討されてこなかったといっていいと思います。それをいきなり骨子案のところに埋め込めと事務局におっしゃられても、ちょっと事務局の方は苦しいのではないかという気がいたします。

○阿部委員
 ただ、山田参事官のお話の中には、私が言ったことはお話をされていたと思います。それから、木村委員がおっしゃったように、今まで教育投資をした女性がやめていくというのはむだ遣いであるというようなことをおっしゃったとお聞きしています。これは結果的に、人口減少の中でどうやって質の高い労働者を確保していくかという意味では重要だと思います。そのことを言ったまでで、そこをもう少し問題の所在のところで書いたらどうかと。下の方は、それに関連しては全く問題ないと思っております。

○長谷川委員
 もちろん書き方によっては、ついでにというような感じで、混乱しないつけ加え方はできると思いますけれども、問題全体の筋をはっきり示すという場合には、これを同じバランスで出したら混乱する、というのが私の個人的な印象です。

○樋口主査
 皆さんメリハリをつけるということが必要だろうというふうなことについては意見が同じかなと思いますが、問題はどこにメリハリをつけるかというところについてはそれぞれの考え方があるなと思って聞いておりました。
メリハリを事務局につけろといっても、それは事務局としては越権行為だろうというふうに私は思います。やはりこの委員会として各自の考え方を、私に任せてくれるということであれば、またそれも1つかと思いますが、それを事務局に丸投げということは避けた方が良く、それでなければ我々の主体性を発揮できないという問題としてあるのではないかと思います。
それと個別労使の話が非常に重要だということは確かにそうだろうと思います。企業の中で経営をうまくやっていく。また、個々の労働者が豊かさを味わうことができるように、持つことができるようにということについては、これは重要であることは間違いないのです。ただ、ここで議論しているのは少子化の問題でありまして、個別企業にとっては、たとえ子どもが生まれようと生まれなかろうと直接的には個別の企業にとっては何ら影響がないというようなところがあるわけです。よって、この外部経済の問題を考える上では政策によるある程度の介入といったものも必要だということで、おそらく重点戦略会議がもともと開かれたというのが趣旨だろうと思います。個別労使で相談して問題が解決するのだというようなことであれば、これは我々何もそこに立ち入って議論する必要はないということでありますが、そうじゃないというところに今問題が起こってきているわけでありまして、それを解決するための施策として、一定の土俵を用意していく。その上で個別労使で相談し、また、それを支援していくというようなことが必要なのではないかと思っておりますので、すべて個別労使に任せてくれというようなことであれば、これは最初から、それで問題が解決できるのであれば一番いいわけでありますが、解決してないところがありますという現状をどう認識するかという問題も私はあるのではないかと思っております。

○木村委員
 阿部委員から最低ラインを示すという話がありましたけれども、我々からすると何が最低ラインで、何がベストなのか、ベターなのか。例えば100%休暇を取得することがいいことで、取得しないことが悪いことなのか。これも個人の価値観の問題になってくる話でして、その意味で言うと最低ラインというのはなんぞやということです。最低賃金であるとか、あるいは労働時間については既に労働基準法なり指針なりで規制が出ているわけでして、ここで何か新たな規制をつくる、指針をつくるのかというところに少し疑義がある。
そもそも最初からの違和感ですけれども、ワーク・ライフ・バランスで本当に少子化対策になるのかというところが一番の疑義でして、恐らくそういう方向に持っていくとするとワーク・ライフ・バランスというはやり言葉をある意味で言うと利用した別の政策をするということになってくるのではないかという非常に懸念が実はあります。例えば、労働時間を短くするという話が1つ出てきております。もう一つ、就業による経済的自立の支援を図る。この2つだけ取り上げてワーク・ライフ・バランスという言葉を外すと、ちょっと前に流行したワークシェアリングで就業機会を広げるということとほとんど変わりがない話です。ワーク・ライフ・バランス憲章というのはそれとどう違ってくるのか。どうやって少子化に結びつけるのかというところについてはちょっと素直に飲み込めないところがどうしても出てきます。
そういった意味で、本当にこれをどうやってまとめていくのか、自分でも意見は言うもののよくわからないというところはあるのですけれども、そういった点も含めて、少なくともこの間、問題になったゆとり教育の問題じゃないですけれども、ああいった二の舞にならないようにまとめていきたいなというふうに思っております。

○小杉委員
 今までの議論を聞いていまして、少子化という話では、これは子どもを産む、産まないというのはまさに個人の選択の問題ですので、ここのペーパーのまとめ方の中にありますワーク・ライフ・コンフリクトの中で国民の本来の希望どおりには子どもが生めない状態があるという認識から出発するのが一番いいのではないかと思っております。個人の選択をある意味では強制するというものではなくて、本人が産めない状態、それについてのコンフリクトを解消するということが一番大事だと思いますので、基本的にはここにある認識、現在の中の障壁をどう取り除くかという考え方でいいのではないかと思います。
その中で、私は子どもを産むという、一時期の話ではなくて、ある程度長いスパンの生涯にわたるデザインというのがその背景にはなければいけないのだと思います。この中で「キャリア」という言葉がよく出てきていますけれども、キャリアというのは、よく職業的なキャリアだけを問題にされますけれども、「キャリア」という言葉はより広く「生活キャリア」という意味合いもあります。広い意味でのキャリアは、個人にとってのこれまでの人生、そしてこれからの人生、トータルの一人の人生であって、職業的なキャリアというのがメインにありますが、それ以外に子どもを育てるというのもキャリアの中の一部ですし、あるいは親の介護をするとか、あるいは自分がもう一回学ぶとか、そういう多様な選択肢が含まれる。過去から未来への時間と、職業とそれ以外の生活の局面への広がりを持つ概念です。その広がりの中で、コンフリクトを解消するという発想が重要だと思います。若い人にとって、今の不安や将来展望のなさは、将来の結婚や子供を持つことをためらわせるコンフリクトでしょう。コンフリクトを解消する手立てを、個人の視点から見て選択肢として用意できるような仕組みが必要だと思います。これが多分子どもを産むとか、生活を充実するというときに豊かな選択ができる社会ではないかと思うんですね。
そういう発想で、職業キャリアだけではなくて、生活キャリア全般を考えてキャリアを全うできるといいますか、自分で設計できるような社会をどうつくっていくか。その辺まで視点を広げると、阿部委員のおっしゃっていたような、子どもを産むという一時期だけに焦点を当てるのではなくて、社会全体としての労働力という社会全体の視点もありますし、個人としてこの時期にどのような選択をしていくのか。社会全体としてのデザインと個人のデザイン等をうまくマッチさせていく。それがこれからの課題ではないかと思います。
ということで、基本的には個人の選択をしやすいという仕組みをつくるという発想そのものは今のこの議論で十分いいのではないかというのが私の意見です。

○武石委員
 新しさがないとかいろんな意見が出ていて、そういう面もあるとは思いますが、やはり1つワーク・ライフ・バランスというのが今重要なのだということをきちんと提言に盛り込むということは必要だろうと思っております。
「ワーク・ライフ・バランス」という言葉は、はやり言葉というような御意見もありましたが、実は人によって使い方に結構差があって、ワーク・ライフ・バランスというときに、女性の育児支援と非常に限定的にとらえる人もいれば、非常に幅広くとらえる人もいると思いますから、こういう機会にしっかりとこのようなワーク・ライフ・バランスの考え方を提起していくということは、この委員会として重要なことではないかなと思います。
要は働き方の改革ということなのですが、裏返していえば、多分生活とか、先程阿部委員も暮らし方というお話をされていましたが、どういう暮らし方をこれから私たちはするのかということを考えなくてはいけなくて、問題の所在もそういう生活者の視点を主語にしながら書いていくと、少し一味違ったものになっていくのかなという気がしています。暮らし方を変えて、働き方も変えて、そしてワーク・ライフ・バランスを実現しようという社会を私たちは目指すのだということがメッセージとして伝わっていかないと、私は大学でキャリアデザイン学部というところで若い人達に教えていますが、今までの私たちの上の世代を見ながら若い人達はキャリアデザインをしてしまっているわけです。若い人たちがこれから違う社会が来て、自分たちが新しくキャリアを拓けるんだというようなメッセージを送るということだけでも、そういうことがこの分科会の議論としては重要なことなので、同じことを繰り返してもそれはいいし、そういうメッセージをしっかりと伝えるということは非常に重要なのではないかと思います。
それと関連すると、例えば「『働き方改革』の方向性」というところで幾つか挙がっていますが、ここも働き方改革なんですが、これによって生活がどう変わるのか、暮らし方がどう変わるのかという生活実感に合ったような書き方をしていくということが必要なのかなという気がいたします。
労使の自主的な取組ということは先程から何回も出てきていて、私はワーク・ライフ・バランスというのは、実は企業の方が感度が高くて、労働者の方はもうちょっと頑張ればいいのにというのが第三者から見ていて思っています。山口委員もいらっしゃいますが、ワーク・ライフ・バランスというと、例えば働き方と賃金や処遇とかセットにして選択をしていく社会になっていくと思うのですが、そのときに今までの既得権にしばられて、もっと自由な選択ができるのに、そこをあえてしないというような労働者の方もいらっしゃると思いますので、このワーク・ライフ・バランスが実現する社会というのがどういう社会で、そこにはどういう選択があって、そういうものを労使が自主的につくり上げていくのだというようなことがこの中でしっかりと提示されていけば、労働者の方たちの選択をもっと自由にできるのかなという気がしております。「労使」と言ったときに私はもう少し労働者の人たちのバランス感覚がむしろ企業の方よりも、端的に言ってしまえばちょっと遅れているのかなというような気がしていて、そこら辺はぜひ山口委員をはじめ頑張っていただきたいなということです。
それともう一つは、この委員会で前回、中小企業の話をしましたが、中小企業ではこういうことが無理というふうに考えられてしまうような風潮があって、ワーク・ライフ・バランスというのがすごく立派なもので、すごいことをやらないとワーク・ライフ・バランスなんだというようなことではなくて、一歩一歩進めていくことによってそのバランスがだんだんとれていくというようなことがあります。要は大企業モデルだけではなくて、中小企業モデルのようなものもイメージしながら、多様なワーク・ライフ・バランスの施策というようなものも提言していくと発想が広がっていくと思いますので、ちょっとまとまりがないことをいろいろ申し上げたのですが、私はここに書いてあることは基本的に中身としては問題ないと思うのですが、少し書き方を、働く側の視点とか、生活実態からの視点とかを取り入れながら、もっと多様性を国民にいろんな選択肢を提示していくというような方向でまとめていくというのはいかがなというふうに思います。

○阿部委員
 追加で、今、武石さんがおっしゃったことと、それから、先ほど木村さんに、私が最低ラインというのはどこなんだということで言われましたので、そこを少し、武石さんの意見と組み合わせてお話したいと思います。生活者の視点に立つと、我々ヘテロジーニアスな属性を持つ生活者ですから、個々の人によって違った面がいっぱい出てくると思います。ところが、企業の方を見て考えると、みんな従業員はホモジーニアスであり、同じような人、同じような働き方をしてもらいたいというふうに思っているのではないかと思います。
一方で暮らし方はばらばらなのに働き方は一緒にする。そこをうまく最低ラインを見つけ出すというところではないかというふうに思っています。例えば、先ほど有給休暇のところ、あるいは長時間労働のところで、やりたい人、あるいは有給休暇とりたくない人もいるんじゃないか。確かにそういう方はいらっしゃるかもしれませんが、一方で、もっととりたい方とか、あるいはもっと短い時間で働きたい方もいらっしゃるかもしれない。ところが一方で長時間で働くとか、あるいは有給休暇はこの程度まででというのが一般化すると、それを超えてとるということは多分一人の従業員にとってみると非常に難しいことだろうと思います。ですから、私は先ほど、それをどこのラインでするかというのを最低ラインで決めたらどうかとお話ししたわけです。
労働基準法の話が出ましたけれども、労働基準法もそれに応じて、我々が今後の社会とか、これからの社会のことを考えてあり方を見直しても私は別に問題ないのではないかと思いますけれども、そこまで言うと、また、お叱りを受けるかもしれませんので、それはやめておきます。私はそんなにふうに思っているということです。

○藤木委員
 皆さんのいろいろお話を伺っている中で非常に論点の難しさを感じるわけです。これまでのこの問題に関してのいろんな議論も勉強させていただいたりしている中でも、帰結するところが似かよったものになるというのは、先ほどお話がありましたように、ある程度はやむを得ない部分ではないのかなというふうに思います。ただ、この中で幾つかのことが今回新たにもし出てくることが1つでも2つでもあるのであれば、それはこの分科会の意義があるのではないかと思います。それはよくお知りになっている事務局の方から、これは初物ですというような感じでおっしゃっていただけるといいのではないのかなと思います。前回、報告というか、時間いただいてお話しさせていただいたりもしましたけれども、私が意見を述べさせていただいた視点というのは、すごい少子化対策というか、少子化問題というか、日本全体のこういう大きい問題に対して企業とか、特に中小企業とかというすごい微々たる存在は個々の取組というのは、もしかしたら何らそれに対して効力も何もないのかなと思っています。しかし、思って何もしなかったら何も始まらないのではないかと思わないと、この問題に対して直面する資格がない。意味もないのではないのかなと思います。少なくともそういう人が多く増えてくるのに、何かうまくそれを促進する、後押しする材料があるといいなというような辺で、それが幾つかの優遇条件とか何とかということがあると、中小企業も目を向けるのではないのかなということを前回お話しさせていただいたような次第です。ですから、そういう意味で世の中全体とか、全企業がそこにぐっと乗っかってくれば本当にいい話なんだろうと思いますけれども、そういうふうにいかないことも想定されることもやむを得ないと思います。
ここで、それではといって最小の部分だけで、皆さん御異議のない点だけで抽出したことだけでいいにしましょうという話にするということであれば、それもいたし方がないのかなと思いますけれども、幾つかの異議があっても、この分科会でこんなことですと報告したことが、すべて明日から安倍総理がそういうふうにやられて、そういう制度だというほど簡単なものではないのかなと思います。よってその後、いろんなことを整理されて、いろんな対立軸というのが出てくる中で整理されていくことがほとんどだと思いますし、その中では、言ったけれども、消えていくものもたくさんあるのではないかと思うし、庶民からすると、また、消えたなみたいな感じというのもあるのではないのかと思います。研究者ではないものですからわかりませんが、そんなに一般市民の目から見て、この骨子案にそんなに問題点があるようなふうには正直思えない部分があります。
ただ、もし、この中に幾つかの目新しい点がないのだったら、武石先生、さっきなくてもいいというふうにおっしゃられたけれども、ないのだとしたらば、残念ありませんでしたという話なんでしょうけど、あるとしたのだったら、それでいいのではないのかなというのはすごくいいかげんですか。いいかげんでもないように思うんですけれども、私が言ったことを取り上げていただいて本当にありがたく思う部分としては、例えば取引慣行の見直しに関しては、それがどうなるかわかりません。確かに木村委員がおっしゃるように、やっぱりそれは難しいですね、みたいな話の中で消えてしまう話なのかもしれないのですけれども、ただ、そういったものでいじめられている部分というか、丸くなっちゃっている部分というのはあるのかなと思います。それはどうしよう、こうしようという中で、また、次のステージで恐らく議論はなされて、今度は大企業と中小企業なのかもしれませんけれども、その問題点を整理したりするのではないのかなと思いますので、この骨子案としては、そんなに問題があるというふうには思わないというのが正直なところです。

○樋口主査
 ありがとうございました。新鮮味がないということで、実は私が事務局と相談したときに、私が考えていることを少し申し上げたことがあります。それは何かというと、この少子化対策についていろんな施策がとられてきた。これはここ2~3年の話でなくてずっととられてきたわけです。にもかかわらず、なぜ、それが成果をあらわしてこないのかというようなところについて考えるべきだということがあります。それは単に政策をつくるということだけではなくて、その運用面の問題点もあるのではないか。国の施策と国民一人ひとりの間に距離があり過ぎるというようなことが問題として1点あるのではないか。特に暮らしというようなことで考えれば、これはそれぞれの地域によっても暮らし方というのは違いますし、通勤時間も違っているというようなことを考えれば、その地域の実情に合ったような施策というものをとっていくべきだろうし、さらには自治体がいろんなところで施策を打っているわけで、そういったものと連携するというようなことが必要なのではないかということがあります。
木村委員は、先ほど地域によって格差が出るではないかというようなお話がありましたが、確かに格差という問題があるのですが、全国一律のことをやっても、それはなかなかうまく成果があらわれてこないというようなこともあるのではないかということで、この地域問題というようなことも入れさせてもらったということはあります。
2番目に、なぜ政策が効果あらわれてこないのだろうかということを考えたときに、それぞれの施策、個別の施策としては立派なものがあるわけですが、それが連携してない。同じ方向を見てない。その結果として、時には相反するような効果を生んでしまってキャンセルアウトして、結果として何も出てきませんというようなこともあるわけでして、その点はやはり憲章として形で織り込んでいくということがいいのではないか。これはそれぞれの役所間の話もありますし、役所内における連携の話もあります。また、そこに今度は、地域も含んで自治体の連携もありますでしょうし、さらに政労使における連携というようなこともあって、そういったところをぜひ考えてみたいということで織り込んだところです。それが新鮮味ないということであれは、甘んじてお叱りは受けるわけでありますが、そんなことを考えながら、この骨子案を用意したということがあります。
もう一つは、個々人というのは考え方も多様ですし、ライフステージにおける位置しているところも多様である。そこに一律の何かをやろうということはこれは難しいのではないか。これは皆さん多分合意して、それぞれの考え方がありますねというようなことだったと思います。そうしたときに、例えばワーク・ライフ・コンフリクトという問題によって、実は自分たちが希望しているものは実現できないというようなことがあるのだとすれば、そのコンフリクトを緩和する。全てを解消するというのがベストなのかもしれませんが、そうはいかないとすれば、コンフリクトを解消するというような視点からこの問題を考えたらいかがでしょうかということで、これまで事務局と相談してきたというようなことがあります。ここのところは、皆さんどう考えるかということは議論していただければいいと思うのですが、いかがでしょう。

○長谷川委員
 私も、最後のワーク・ライフ・コンフリクトに重点を置くということ、先ほども小杉委員がおっしゃったのですが、それが大変いいのではないかと思います。ワーク・ライフ・バランスという言葉が、我々に違和感を与えるのも、どうしてもいろんな難しい問題をこぎれいな言葉で言い繕ってしまっているのではないかという印象を与えてしまうからです。それに対して、むしろここではワーク・ライフ・コンフリクトに注目して、どう解決していくのかというところを中心にするというのは大変いいと思います。
最初、事務局に大変失礼な、からい評価をしてしまったのですが、実はほんのちょっと工夫なさるだけで大変真実身のある中間報告になると思います。私はこういう審議会あまり出たことがないので知らないのですが、大変この分科会はいいなと思うのは、すごく立場の違う方が同じ席にいらして、しかも、その立場の違う意見を、本当にお互い同士きちんとぶつけ合って議論なさっている。きれいごとでまとめるのではなくて、こういう問題が一方から出されると、逆からでもこんな難しい問題がありますよという投げ返しがあったり、そういうここでの議論のまとまらなさというか、むしろそれをコンフリクトの問題点として鮮明に出していただければ非常に真実身のあるものになるのではないかと思っております。

○横山委員
 私も連携ということを伺っていて、ほかにも分科会が3つほどございますので、その中でも、多様な働き方の選択肢の中から、0か100という二者択一ではない働き方を選んだときにどういった社会の基盤整備が必要かというような議論もされているようですので、私どもの分科会の方でも、多様な働き方を実現した場合に、育児休職を長くとる社員もいますし、産休だけで戻って来る社員もいた場合に、やはり社会の整備がどうあるべきかというようなこともこの働き方の改革という中でも提言することで、分科会同士でよい連携ができると思います。
実際、弊社でも育児休職は2年可能なのですけれども、ここ数年、1歳の誕生日前に戻ってくる社員がとても多うございます。それは女性社員であってもキャリアを継続して、自分のスキルの疲弊のない期間で戻ってくることを望むときに、やはり圧倒的に0歳児保育の待機の確率が高いですとか、その後、出産の後の学童保育の敷居の高さ、サービスレベルの地域間の格差があるということ、あるいはもう少し学齢が下がりますけれども、病児保育の問題、入所するときのならし保育の問題とかいろいろ労働者から本当に悲鳴に近い意見が上がってきていますので、企業だけでは取り組めない部分のそのような支援ということも是非国なり自治体に対して提言していきたいと思います。

○山口委員
 先ほど武石委員からエールを送られたとワーク・ライフ・バランスに対しての労働組合の取組は大変おくれているのは事実ですから反論の余地がないのですが、その実態を少し申し上げて、だからこそこの分科会で取組が必要だということにつなげていきたいと思います。実際、例えば年次有給休暇の取得率が大変低いというところで、私どもも意識調査とかするのですけれど、なぜとらないのか、とりたくないのかというと圧倒的にとりたいのですが、なぜとらないのかというところで、そこが具体的にとってはいけないとか、労基法上とってはいけないと言えないのですけれども、そういうことではなくて、周りの状況を見たらとれないとか、あるいは上司に申請をしにくいとか、そういったようなことがあって大変取得率が低いというところがあります。
それから、労働時間というところでも、長時間労働、あるいは不払い残業といって、労働の現場では労働時間問題が多いわけです。さらに極端になりますと過労死とかにつながる。なぜ死ぬほどルール違反をしてまで働くのかというと、自分の意思で死ぬまで働くというのはほとんどないと思います。要は働かざるを得ない。それも上司からの具体的な指揮命令ではなくて、環境的にこの仕事をやり終えるためにはそれだけの自分には労働時間が必要だといったようなところで働かざるを得ないという状況があって、要はワーク・ライフ・バランスのベースになっている労働時間、長時間労働の是正とか時間短縮というのは、従来は要求という、働く者にとって、企業に対しての要求という形でしかできなかったですし、また、この要求というものも具体的に達成するのはかなりハードルの高い項目であるわけです。
そういったような視点から取組が低いわけですけれども、昨今は労働時間問題がいろいろなところで、例えば労基法関連でも話題になってきているということで、逆に企業の方が、労働時間の短縮とかということではなくて、ワーク・ライフ・バランスの視点でというようなことで大手を中心に取り組んできた。それに対して後追いかもしれませんけれども、そういう労使が一体となった場であれば、その改善ができるのではないかというような期待に向けて労使で議論する場面が出てきているわけです。
中には好きで働いているとか、特に家に帰ってもしようがないからとか、休んでもしようがないからとか、そういうのは実際現場を見るといるのですが、それは本当にレアでして、実際の労働者・働く者の立場では、大きな声を上げて、ワーク・ライフ・バランスの主張というのがなかなかできないという状況を多分御存じだと思います。そういうところに関連してくると、先ほど藤木委員がおっしゃっていたような中小企業が取引慣行についてというのは、本当に私どもでも中小の労働者から大きな声で出てくるのは、あれだけ大手が利益を上げていながら、それが回ってこないのは何なんだというような、でもそれを大きな声で主張すると、もう次からは注文が来ないとか、そういう意味を含めて、木村委員は難しいというふうにおっしゃったのかもしれませんけれども、弱い立場の者の取組の難しさというのがある。
そういったことからすると、過去もそうでしたけれども、これからはワーク・ライフ・バランスというようなことを主眼に、例えば労使で議論していって改善できるんだとか、中小企業もそういう取引慣行をすぐに改善ということではないけど、そういうことに対して問題だということが社会的に認知されることによって流れが変わってくる。そういう役割でもいいのではないかというふうに思いました。
もう一つ、武石委員が冒頭おっしゃっていた、どのような暮らしを実現させるのかということをイメージするというのはすごくいいフレーズで取組だと思います。そういったような意味では、支援の施策のところをちょっと見ているんですけれども、要は子育てとか介護しながらも働き続けられる社会的インフラが整備されていて、横山委員もおっしゃったように、大変欠けている地域であるとか、東京みたいに大変難しいところでも働き続けられるというような社会的インフラの整備というのも必ずこの働き方改革の中には暮らし方という視点で見たら入ってなくてはいけないと思います。
一方で、そういう社会インフラ、公的インフラに頼ることなく、企業で、昨今企業内託児所などを設置している動きが多くあるのですけれど、これについて、助成金があるということで企業が一歩前進するのですが、なかなかその希望に対して応えてもらえない、難しいという実態がありますので、そういったようなことは後での予算措置とかになるのでしょうが、それもきちんとしなくてはいけないというふうに思います。

○北浦委員
 施策のありようということで1つ2つだけ申し上げたいと思います。その前に暮らし方の視点が大事だということはおっしゃるとおりで、働き方、暮らしと両方だと思うんですが、暮らし方のところは余りこれを掘り下げて決め込んでいくと、これはもっと難しい議論になってしまうので、そこのところは余り決め込むというのは私はどうかなという感じがしております。その視点を持っていることは大事なんだけれども、暮らし方そのものはどうあるべきか、とか、そんな議論になってしまいますと、また、家族のあり方はどうだという議論までに入ってしまいます。
もう一つは、暮らし方は働き方と無関係ではないので、経済的基礎というのはそこにあって、一対のもので考えていかなければいけないので、余りそこのところを遊離させるのはどうかなという感じはしております。ただ、視点として持つということは非常に大事であろうと考えます。
施策については、これはだれに対して言うのだという視点が1つ大事かなと思いまして、行政に対して、こういうことを言っているというのが一つあるのではないか。先ほど樋口主査がおっしゃったように、過去、個々の施策がばらばらに展開されることがいろいろ問題を生じている。少なくともそれが各省庁、あるいは国と自治体における施策の方向性を1つに整合性を持ったように取り組んでいただく、そういったしばり方を求めていくという、行政に対して、そういう施策のありようを変えていっていただきたいという視点というのがまず一つあると思います。それが例えば教育関係の施策と職業との関係で、若者の問題なんていうのは、まさに学校から職業への移行の問題である。こういったところにおいて、これは連携の問題が言われているわけですけれども、まさに先ほどワーク・ライフ・コンフリクトなりいろんな現在の先鋭的な現象として起きているような諸問題の解決のためにどうそれを取り組むのかというふうに見ていくのがいいのかなと思います。
とりわけ、そこで一番重要なのは自治体レベルになりますと、自治体がどちらかというと、暮らしの対策を重点にやっていく。それに対して別のところで国の機関のそれぞれの施策のところがある。そういったものが自治体レベルになるとますますその連携というのがもっと難しくなっている。そこのところのありようというものをやはり変えていってもらう。つまり行政に対してまずそれを1つ変えていただくという提言というのは、私は変な話ですが、余り少なかったのかなという感じはしております。
そういうものを前提にして、それぞれの方向性をどう与えていくかということは先ほど来いろいろ議論があったと思いますが、いずれにしても、企業や地域でのいろんな自主的な取組を支援していく枠組みをつくっていくというもう一つの政策の方向性があるのだろうと思います。
とりわけ、そういったような意味で言うと、商取引慣行の問題とか、消費行動を変えるという問題は、確かに関係ありますし、そういったところも含めて大きく考えていかないといけないのだと思います。ただ、そのことを議論していると、それ自体の問題というのがあるわけで、そのこと自体とワーク・ライフ・バランスの問題とがごっちゃになっていく危険もあると思います。そこは峻別していかないといけない。だから関係ないというわけではないですが、すべてワーク・ライフ・バランスの視点だけでその問題が解決できるかというと、別の視点を、やはり産業の問題であるとか、そういう経済的な視点で考えていかないといけないということもあると思いますので、両方含めて解決しなければいけない。問題はそこのところにそういう視点を持って両方考える形ができるかどうかということで、先ほど申し上げたように、行政のありようもしばっていくような、そんなところが1つ施策の方向としてはあるのかなという感じがいたしました。

○長谷川委員
 ひとつ、言葉の使い方についてちょっと注意していただきたいところがあると思いますが、しきりに「多様で柔軟な」という言葉が使われていまして、これはある意味では非常に大事なんですね。つまり先ほどからの少子化対策ということを考える上でもいろんなコンフリクトがあって、それぞれの家庭によって、あるいはそれぞれの個人にとって何がコンフリクトであるかは決して一様ではないので、きめ細かく多様な対応が必要であるということは事実なんです。ただし、多様ということがスローガンになってしまうと、これは実は少子化対策ということは、子どもをたくさん産んでもらわないと社会は成り立っていかないという1つの統一された目標があるわけですね。
皆さん多様になってください、柔軟になってください。子どもを産むのが当たり前なんていう常識を取っ払ってくださいという多様な柔軟な社会を目指したのでは、実はこの全体の対策にとって反対の方向を向くことになってしまうんですね。往々にして「多様」、「柔軟」という言葉が出てくると、根本の、今こんなにたくさん8割、9割の人が子どもを持ちたいと思っているのですが、意識改革して、これを5割にしましょうという方向になっては正反対の方向を向いてしまうので、「多様」、「柔軟」という言葉の使い方には十分気をつけていただきたいということをちょっと一言つけ加えたいと思います。

○樋口主査
 ほかにいかがでしょうか。新鮮味を出してメリハリをつけろということについては、皆様から御指摘を得ましたので、どこに新鮮味をつけようかなというようなことをぜひ皆さんとまた相談しながら決めていきたいと思っています。どうも問題の提起、それと必ずしも解決策が、これをやれば大丈夫だということはまだ見えない問題というのもありそうだと思われます。中には、こうすればというような具体的な施策を出すことができる問題もありそうで、幾つか社会に対する啓発的なことも含めて、こういったところは問題じゃないですかという投げかけもあってもいいのかなというふうに思ってきましたので、そこら辺で、また事務局と相談して、案を練らしていただきたいというふうに思っております。
そろそろ時間も7時ということでありますので、終わりたいと思いますが、次回のことにつきまして、あるいは中間報告の骨子案について、何かこの後のやり方について何かございましたら、事務局の方からお願いします。

○金子政策統括官
 統括官の金子でございます。今日は大変長時間にわたりまして遅くまでありがとうございました。事務局といたしまして、資料の準備に当たりまして、どうも至らない点もございまして誠に恐縮でございます。
事務局の立場でお話をするのもいかがという面もあるわけでございますが、私どもの事務局としての気持ちということで、若干1~2分時間いただけたらと思います。まさに働き方の見直しという議題でございますので、これは議論いたしますと物すごく広がりのある分野であります。そういうことで様々なことを御議論いただいているわけでございますが、私どもとしては、社会経済の様々な主体というのがあるわけで、こういった様々な主体が大きな方向で気持ち合わせて少子化問題であるとか、働き方の問題に取り組んでいくというコンセンサスといいますか、そういう大きな方向づけができたらいいのではないかと考えております。
そういうことでございますので、少なくとも対策としてこれをやっていくということになりますと、大きな方向づけをしていただいて、それに取り組まれる労使やあらゆる主体の方々に対して行政として何か支援をする枠組み、こういったものを中心にしたスキームにしてまとめていくイメージなのかなと、考えていたわけでございます。
今日いろいろな御意見もございましたので、本日の議論も踏まえまして、また、主査の方から御指示をいただきまして、次回5月18日を予定させていただいておりますけれども、実際に書き下した中間報告案を、御用意をさせていただきたいと思っております。繰り返しになりますけれども、本日の議論を踏まえまして、また、主査からの御指示をいただいて詰めていきたいと思いますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。

○樋口主査
 そうしましたら、本日いただいた議論、あるいはこれまでの議論を踏まえまして、次回は当分科会としまして、中間報告案を事務局に提示してもらうということにしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日は遅くまで、どうもありがとうございました。