第5回「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議「働き方の改革分科会」議事要旨

平成19年5月18日(金)
10:00~11:34

厚生労働省 専用第19、20会議室(17階)

議事次第

【議事】

  • 1.議論の整理(中間報告案)について
  • 2.その他


○樋口主査 それでは、定刻になりましたので、ただいまから、「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議 第5回「働き方の改革分科会」を開催いたします。御多忙のところ、皆様におきましてはお集まりいただきまして誠にありがとうございます。
それでは、早速議事に入りたいと思います。本日の議事は、当分科会における議論の整理といたしまして、本日お手元に配付しております中間報告案につき、事務局から説明をいただいた後、皆様に御議論していただくというふうに考えております。
それでは、事務局から説明お願いいたします。

○山田労働政策担当参事官 それでは、中間報告案でございますが、まず1ページのところで、「問題の所在」ということで、当分科会を設置した経緯ということも含めまして、新人口推計が出て本格的な人口減少社会ということがさらに明らかになったということで本格的な少子化に対処するために働き方の改革ということが非常に重要な課題ということで、その方向性なり支援のあり方を取りまとめたということでございます。
問題の所在につきましては、シンプルにというような前回の御議論を踏まえまして、まず1点目で、労働者を取り巻く環境の変化ということで、競争の激化等々、労働者を取り巻く環境も変化をしてきていることで整理しました。
こういう状況の中で、若年非正規労働者が増加をして家族形成の困難性といったことも生じてきている。
それから、次のところで、非正規労働者の増加の下で、正規労働者への負荷というようなこともあり、特に男性正規労働者を中心とした長時間労働といった現象も起きてきている。
こういった状況の中で、ワーク・ライフ・コンフリクトが増大をしてきているということで、具体的には2ページ目のところに幾つか整理をさせていただいておりますけれども、1つは、若年非正規が増加をして、若年層の結婚・出生行動に影響を及ぼしているということ。
2点目は、正規労働者においては、過密な労働が求められる中で、仕事以外でやりたいこと、やらなくてはならないことが十分に取り組めない状況が生じてきていると。これはアンケート調査でございますが、例えば未就学児を持つ父親に聞きますと、希望としては、仕事と同じように、家事、育児を重視したいけれども、現実は仕事を優先せざるを得ない状況があるといったような報告もなされている。
こうした中で、子育てと仕事ということについても、どちらかをあきらめざるを得ない状況も生じているということで、出産を契機に離職する女性が7割にのぼっているというようなことを書いてございます。
その次の「○」のところは、やや図式的に言うと、「過密な労働が求められる正規労働者の働き方」なのか、「経済的基盤の確保が難しい非正規労働者の働き方」なのかという二者択一という状況があって、また相互の行き来も難しい構図になっているが、仕事と生活に関わるニーズが、人によっても、あるいは個人のライフステージによっても多様化をしてきている中で、労働者にとっては希望と現実の乖離が大きくなっているということを整理しています。
その次の「○」は、こうしたワーク・ライフ・コンフリクトが生じている状況の中で、企業にとっても人口減少社会で人材確保あるいは有効に活用していく上で制約要因になっているということを整理しています。
次のところが、こういったワーク・ライフ・コンフリクトというものが、単に労働者だけの問題ではなくて、社会全体への影響も大きいということを整理してございます。端的に言えば、少子化の加速あるいは労働人口の一層の減少といったことで、社会システムの持続可能性にも大きな影響を及ぼすわけでございますし、それから、上で見たように、我が国の企業における働き方は、必ずしも多様なニーズを満たすものになっていない。ただ、今後人口減少社会が到来する中で、多様なニーズを満たして、できるだけ多くの人が就業参加できる仕組みをつくっていかないと企業の経営も成り立たないというようなことがある。
このため、こういったワーク・ライフ・コンフリクトを取り除いて、ワーク・ライフ・バランスを実現するということは、持続可能な社会を構築するために不可欠なことである。こうした外部性を考えると、その実現に向けて個別の労使のみならず、社会全体で取り組んでいくことが必要であるという整理をしてございます。
それを受けまして、2番目の「目指すべき『働き方の改革』」のところですが、ワーク・ライフ・バランスの考え方、このあたりは前回の骨子案とそれほど変わっておりません。ワーク・ライフ・バランスという言葉の定義をして、そういったことを通じて働き方の改革を推進することが必要不可欠である。このワーク・ライフ・バランスというのは、労働者のみならず企業にとってもメリットのあるものにしていく必要があるということで、分科会の中で幾つか報告されました事例もここに掲げさせていただいております。
(2)「『働き方の改革』の方向性」でございますが、「どのような暮らしを実現させるか」という観点から、働き方の改革の方向性をイメージするということで、4ページのところに幾つか整理をしてございます。
1番目の「○」は、若年者のところについて経済的な自立が図れるようにすることがまず第一に大事であること。
2番目のところは、日々の生活のところでございますが、長時間労働の抑制、年次有給休暇の取得促進といったようなことによって、家族と触れ合い、絆を深めることができるような時間の確保ということができるようにすること。
3番目は、人生の様々な時期、ライフステージによりまして、仕事とそれ以外の生活に関わるニーズも変化をしていく。そういった中で柔軟な働き方、労働時間を変化させることができるといったような意味で、多様な働き方を選択できるようにすることが重要であること。
その次の「○」のところは、個人の中長期的なキャリア形成という観点からも、自らの生涯にわたるキャリアを切り拓くことができるようにすることが重要であること。
最後の「○」は、企業にとっても経営上プラスになるような形、仕事の進め方、働き方の見直しを進めることによって、そういう状況をつくり上げていくことが重要であると整理しております。
3番目の「『働き方の改革』としての支援施策」でございますが、最初のところで、以下の視点を重視したということで3点ほど整理をしてございます。
1番目のところは、ワーク・ライフ・バランスを推進するに当たっては、労使間の協調ということはもちろん重要でありますけれども、仕事の職場における上司や同僚など個別労働者間での理解の問題ということもあるので、職場風土の形成、意識改革といったことが必要であって、こういったことを推進していくためには国民運動が不可欠であるということ。
その次の「○」は、制度・政策というものについて、運用の仕組みまで視野に入れた戦略が重要であるということで、「ワーク・ライフ・バランス憲章」なり「働き方を改革する行動指針」なりを策定することが必要であること。
その次の「○」は、様々な政策を相乗的に有効性を高めるためには、ばらばらではなくて、府省間、あるいは自治体との連携を強めながら、それぞれの持つ資源やネットワークを活用していくことが必要であること。
このような視点に立ちましては、支援策として4点に整理をしてございます。
1番目のところは主に若者のところを中心として、「家族形成を可能とする経済的自立に向けた支援」ということでございます。
(1)は、学校教育段階によってしっかりキャリア教育を推進していくことが重要であるということ。
(2)は、学校を卒業した後、フリーターになったというような人たちに対しては、フリーター等の常用就職支援であるとか、あるいは非正規から正規への転換の制度の導入支援や能力開発を進めていく必要があるということ。
(3)は、非正規の中での納得性ということも重要であるということで、正規と非正規の均衡処遇のあり方について検討して、多様な働き方における働きに応じた公正処遇の実現を図るということを挙げております。
(2)「『働き方の改革』に向けた取組の支援」でございますが、ワーク・ライフ・バランスを推進していくための基本的なスタンスということで、労使の自主的な取組が基本である。ただ、政府の役割としては、こうした取組を支援するということで、社会全体のワーク・ライフ・バランスの実現に向けた基盤整備を図っていくということがその役割として非常に重要である。そういった観点から支援施策の方向性につきまして、(1)の長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得の促進等の支援がある。
(2)短時間勤務制度の普及促進やテレワークの推進に向けた環境整備で、育児等と両立をさせながら継続して働ける環境を整えるとともに、一旦子育てで仕事を離れた後、子育て後に女性の再就職支援ができるようなことを推進することも重要である。
(3)は、労働者が自律的なキャリア形成を図れるように、社会的な支援体制を検討していくことが重要である。
(4)は、ワーク・ライフ・バランスを進めていくためには、それを積極的に進める企業に対して社会的な評価を付与する仕組みを推進していくことが重要である。さらに、そういった社会的評価というものを得た企業に対して、それがインセンティブになるような仕組み、例えばそうした評価を考慮に入れた入札参加制度、これはかなりの自治体で実際に行われておりますけれども、そういった制度について推進をしていくことも重要であるということ。
(5)のところで、これを推進していくために、政労使等で、推進会議の開催等を行って、国民的運動を推進していくことが重要であることを掲げております。
(3)のところで「地域における『働き方の改革』を具体的に推進する体制の構築」ということでございます。ここの趣旨は、前回も申し上げたとおりですけれども、地域レベルで労使が中心となって、これを国や地方自治体が後押しをする形で取組を推進していくことが重要であるということで、(1)では、そうした推進体制の整備を図って、地域の実情に応じて普及、展開を図っていくことが重要である。前回も申し上げましたが、兵庫における取組等々の中でモデル事業等々を行うとともに、それを地域の中で広めていくというような取組が行われておりますが、そうしたことも参考にしながら、有効な手だてを考えていくことができないだろうかということ。
(2)は、地域において社会奉仕活動を行う団体、例えばロータリークラブ、ライオンズクラブといったような中小企業経営者が集まるようなところで、ワーク・ライフ・バランスについて動機付けをするような働きかけをしていくことも有効ではないか。
(4)でございますが、「『働き方の改革』の推進に向けた社会の仕組みの見直し」ということで、社会的な条件の整備を図ることも必要であるということで、(1)は、子育て支援等支援サービスの充実を図るということ。
(2)では、一企業だけの取組ではなかなかできないこと。例えば取引関係であるとか、消費者の理解であるとか、そういったものが鍵となっているので、そこら辺も含めた社会的気運の醸成を図ること。
(3)のところでは、税、社会保障制度などについても、多様な働き方に対して中立的な制度のあり方というものについて検討をしていくということを整理してございます。
以上のような施策を含めまして、国民の働き方についての意識、企業の行動を変えていくためには、関係府省、自治体が一体となって、総合的、体系的な施策の展開を図っていく必要があるということで、「ワーク・ライフ・バランス憲章」、政府において「働き方の改革を推進する行動指針」を策定することが必要であると書いてございます。
最後の「まとめ」のところの最後の3行でございますが、こういった議論の整理に盛り込まれた支援施策等の提言の中で、予算措置なり法制度の見直しが必要なものについては早急に検討に着手すべきである、というふうに書いてございます。
以上でございます。

○樋口主査 ありがとうございました。それでは、私から少し補足をさせていただきたいと思います。この会議はいろんな立場の方、いろんな考え方の方が参加されてまして御議論いただいたというようなことでございます。その中で、ワーク・ライフ・バランスの考え方、あるいはそれに社会全体として取り組んでいくということがどうしても必要なのだというようなことについては確認されたと考えております。
 また、ワーク・ライフ・バランスを進める施策のスタンスとしましては、基本的には企業あるいは労使の自主的な取組を基本とするわけでありますが、これを後押しするという点も重要でありまして、そのために社会としての基盤整備、枠組みの整理といったようなものも重要であると考えて、この報告書を取りまとめたわけでございます。
 さらには、ワーク・ライフ・バランスの実現のために企業における制度の見直しだけではなく、働き方に対する企業の中における各個人、あるいは企業の外における人たちについても、その意識の改革ということを進めていくことが重要であり、そのためには国民全体の運動としてこういった問題を取り上げていくことが重要ではないかというふうにさせていただきました。
 その上で、制度・政策の運用面についても考えていく必要があるというようなことでありまして、そのためには現場に近い地域レベルでの労使の取組、推進の枠組みが重要ではないか。そしてそこに国も参加し、また個々の人たち・国民も参加していく、地域住民も参加していくというような枠組みが重要ではないかということを織り込んでおります。
 こういったものを含めまして、関係省庁や自治体が一体となって総合的かつ体系的な施策の展開を図っていくために「ワーク・ライフ・バランス憲章」、政府において「働き方の改革を推進する行動指針」をつくりまして、運用面までを含めた政策のパッケージというような形でこういった問題を進めていくということが実を上げるうえでも重要ではないかと掲げさせていただいた次第です。
 皆様から、今、御説明のありました点につきまして、どうぞ忌憚のない自由な御議論をいただきたいと思います。それではどなたからでもどうぞ、山口委員。

○山口委員 事務局の方でまとめて、様々なこの分科会での意見を踏まえて変えていただいたわけですが、今、主査がおっしゃっていたような前段のところも既に確認されているところから見て、この「働き方の改革分科会」として、この報告内容で、少子化を招いている日本の働き方、暮らし方が変わってワーク・ライフ・バランスが実現するのか、これで少子化に歯どめがかかるのかという視点では若干疑問があります。なぜかといいますと、この中に記載されていますワーク・ライフ・バランスの実現の方策が、主査が今まとめていらっしゃったように、労使の自主的な取組というのは確認されているわけですが、政府の支援によると。労使の自主的な取組と政府の支援によるとされている点ですが、労使の自主的な取組は必要ですけど、政府のより積極的な役割というのがちょっと見えてこない。そこが大変弱いと思います。
労使の自主的な取組というのは私も意見を言わせていただきまして重要ではあるわけですが、それに対して政府が関与というのが支援だけでよいのだろうかということを疑問です。労使に取組を求めるだけではなくて、政府自身もワーク・ライフ・バランス実現に責任を果たすということを、この観点から明確にして、労使の自主的取組への支援にとどまらず、社会全体の基盤整備を進めるという姿勢をこの中間報告の中では明らかにしていただきたいと思います。
これも過去の分科会の中で発言させていただきましたが、労使の自主的・主体的な取組ということに任せていると、今と何ら変わらないというか、できているところはできている、取り組んでいるところは取り組んでいる、取り組んでいないところは取り組んでいないということで、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けての恩恵といいますか、そういうことをすべての働く人・国民が享受できるわけではないわけですね。特に、これは大ざっぱに言い過ぎるかもしれませんけれど、問題のあるところほど取組が遅れているというようなことを考えますと、ここにこの部分も含めて政府の関与というのはもっと強めるべきではないかと思います。
そういったような取組を含めて全体的な枠組みを明確にすることによって、この報告の中にも書かれております憲章であるとか、行動指針であるとか、そういったものがより効果を上げるのではないかと思っております。もう少し政府の取組を明確にしていただきたいというのが私の意見です。

○樋口主査 武石委員。

○武石委員 今の山口委員の御意見と私も同じような印象を持ちました。労使の自主的な取組プラス政府の取組というところで両方が相乗効果を持って進んでいくものだと思いますので、その点、私も山口委員と同様でございます。
ちょっと文章的な問題を言うと、そこが明確になっていない1つの原因として「ワーク・ライフ・バランス」という言葉と「働き方の改革」という言葉がきちんと書き分けられているのかなという気がしたのです。ワーク・ライフ・バランスという定義も意見がありますが、それは後で言います。ワーク・ライフ・バランスというのは、個人が仕事とそれ以外の生活のバランスがとれることだと思うのですが、それを実現するために働き方の改革があるという、その手段が働き方の改革だと思うんです。そうすると働き方の改革のためには現場の労使というのはすごく重要だと思うのですが、プラス後ろの方に出てきますが、社会の意識の醸成とか、一般的な話になってくると政府の取組も重要ですし、働き方の改革を促進するためにも政府の取組としてもっとやるべきことはあるだろうということで、「働き方の改革」という言葉と「ワーク・ライフ・バランス」という言葉を少し丁寧に使い分けていただけるといいかなという気がいたしました。
例えば、5ページのところで、(2)が「『働き方の改革』に向けた取組の支援」と書いてあるのですが、次の文章の頭は、「ワーク・ライフ・バランスを推進していくためには」となってしまっていて、ワーク・ライフ・バランス推進のために労使の自主的な取組が重要なのですが、どちらかといえば、働き方の改革のために必要なのではないかと思うんですね。そうしないと、再就職をしたい人は、労働市場にはいますが、働いていないので、その人たちというのは誰が考えたらいいのだろうということになってしまう。そこをきちんと書き分けていき、山口委員がおっしゃるような政府の役割を明確にするべきかな、という気がいたしました。
それで、定義のところで、前回と同じなので、前回のとき言うべきだったのですが、全体の文章を読んで改めて感じたことがあるので申し上げますと、3ページのところに定義が出てまいります。「ワーク・ライフ・バランスとは」、次に「労働者が仕事上の責任を果たしつつ」というときに、「労働者が」と限定していいかどうかなんです。「個人が」というふうに言ってもいいかどうか。私は「個人が」にした方がいいと思います。その点と、それから3行目なんですけれども、「個人や家族のライフステージに応じた」ということで、個人や家族ということで「家族」が入ってきているのですか、ここで改めて「家族」という言葉を出す必要があるかどうかなんです。ワーク・ライフ・バランスは、個人がどうしたいかということがまずあって、そこに家族をからめるかどうかはその個人の選択だと思うんですけれども、この「個人や家族の」と言ってしまうと、家族がいない人とか、そういう人たちのことが、個人や家族ですから、それが抜け落ちているわけではないのですが、どうしてもファミリーライフが念頭にあるようなイメージが来てしまう。ワーク・ライフ・バランスというのを広くイメージしてもらって、子育ては重要なライフステージですけれども、それ以外の人たちにも目配りをするというのが、私は今回の働き方改革の重要なポイントだと思いますので、定義に関しては、「労働者が」という部分と「個人や家族の」という部分については疑問があるということを申し上げたいと思います。

○長谷川委員 今の武石委員の御指摘に私は半分賛同するところがありまして、後半の部分についてはちょっとまた別の意見を持っているのですが、その2つをお話ししたいと思います。私もこの中間報告案全体を見まして、前回非常に事務局に失礼な評価を申し上げたのですが、今回は問題の所在というものがワーク・ライフ・コンフリクトという言葉でかなりはっきりしてきたと思います。それから、後半の部分も、ワーク・ライフ・コンフリクトをどう解決するかというところがかなりしっかりと出ているので、そういう意味では、働き方改革の分科会として自信を持って出せるものになっているのではないかと全体としては考えるのです。
 ただし、武石委員が御指摘になりましたとおり、3ページ以降で「ワーク・ライフ・バランス」という言葉が出てくると、途端にトーンが変わってしまう。個別の問題が指摘されていたはずなのに、それにつけても早起きと乾布摩擦をいたしましょうというようなものが唐突に入ってきて、ここだけ浮いてしまっているという感じが否めないという印象があります。
 後のところでも「ワーク・ライフ・バランスを実現するため」と繰り返されているのですが、これは実質的には、ワーク・ライフ・コンフリクトを解決するためという視点で一貫した方が全体としてインパクトのあるものになるのではなかろうかと、私も武石委員とほぼ同じ印象を持っております。
 ただ、御指摘のワーク・ライフ・バランスの考え方について、「家族」という言葉が出てくるのがいかがなものかという御意見なのですが、これについては、我々がなぜここでワーク・ライフ・バランスという言葉を使うのか、この分科会のあり方というものをもう一回考える必要があると思います。ここは確かに名前は「働き方の改革分科会」なのですが、全体としては少子化対策の一分科会というふうに位置づけられているわけです。ですからワーク・ライフ・バランスのことを考えるに当たっても、それが少子化の問題とどう絡んでくるのかということが一番の重点になるわけです。
 そうしますと、一般的にワーク・ライフ・バランスを研究し探求するということではなくて、やはり少子化というその問題に絡んでワーク・ライフ・バランスをどう考えていったらいいのかという視点がどうしても必要だろうと思います。この3ページのこの文章が必ずしも名文だとは思いませんけれども、しかし、ここからまたさらに「家族」という言葉を取り除いてしまうと、この分科会でワーク・ライフ・バランスを取り上げるというその意味が薄れてしまうのではなかろうかという危惧を持っております。

○阿部委員 私も今の長谷川委員の御発言に賛成します。私が2回前にもお話したときにも、家族の中で、個人が集まって、夫婦がいて、その中で協調し合って、家族をどうしていくか。その中でワーク・ライフ・コンフリクトが生じる場合があり、そういうときにどういうふうに解決するかというのを考えたいと話したと思います。ですから「家族」というのは、どこに置くかは別としても言葉としてはあった方がいいのではないかと思います。
 それで私の感想を少し申し上げますと、短時間の間に前回の議論をおまとめいただいて、事務局の方には大変ありがたいと申し上げたいと思います。私、問題の所在については、各委員、皆さんこういう問題の所在があるということははっきり認識されているのではないかと思います。その問題の所在を受けて、2項目以降いろいろ書いてあるのですが、ここの点で少しお話しをさせていただければと思います。
 それで今、ワーク・ライフ・コンフリクトという話が出ましたけれども、3ページ目の「目指すべき『働き方の改革』」、これは「ワーク・ライフ・バランスの考え方」、これはこれでいいのですが、その裏側にはワーク・ライフ・コンフリクトというのがあると。そうすると、どちらかというと、ワーク・ライフ・コンフリクトというのはどこで生まれるかというと、働き方もあるのですが、むしろ暮らし方の部分が非常に強いような気がします。我々は私自身も国民のひとりとして、安全で安心で健康的で文化的に暮らしたいという思いはあります。そういうことが皆さん実現できれば幸せではないかと思います。ですから、そういった部分も少し含めて書き入れることはできないかということです。
続いてライフステージの話が出てきて、すごく今回の働き方の改革というのは、少子化対策ではあったとしても、子育てプラスアルファの、例えばこれから子どもが減ったときに介護の問題をどうするか、もう既に重要な問題になっていますけれども、そういったライフステージに応じたところというのも出てきているということで非常によかったと思います。ただ、そこのところがうまくほかのところに波及されて書いているかというのが、なかなか個別なところになってくるとそういうところが少し見えてない。
それは、例えば3ページ目のちょっと前に戻って、「(1)ワーク・ライフ・バランスの考え方」の1つ目の「○」のところでは、子どもを育てるというところがメインになってきている。それはそれで良く、それがメインであることは私も認識していますけれども、プラスアルファとして、やっぱりこれからの介護の問題だとか、あるいはリカレント教育の問題だとかキャリア形成のあり方とがいろいろ出てくると思います。そういうところもお書きになった方が、前回そういう議論も出ていましたのでいいのではないかと思います。
その後、5ページ目のところで、これは山口委員も武石委員もおっしゃっていましたが、政府の役割が少しぼやけているような気がします。「問題の所在」のところで「外部性」という言葉が出ております。外部性がある場合には、私、大学で経済政策論というのを教えているのですけれども、外部性があるという場合には、積極的に政府が外部性を排除するということが望まれるわけですから、ここにはそういう外部性があると書いてあるのだから、政府の積極的役割というのをもう少し書かないといけないのではないかと思います。
それから、5ページ目のところで細かい点なのですが、「短時間勤務制度の普及促進やテレワークの推進」と書いてあるのですけれども、短時間勤務制度と特定していいのでしょうか。もう少し幅を広げて、前のどこで書いてあったか忘れましたけれども、「柔軟な働き方」と書いてあったのですから、そのあたりをうまく書き入れるべきではないかと思います。
それから、(2)のところでいくと、先ほどの家族内での協調という話があったと思いますけれども、これはそうだとすれば、男女ともに働き方を変えていく必要があるという議論をしていかなければいけないのではないかと思います。そこの部分が余り明確には書かれていないということではないかと思います。
あとは特に、今そこまでしか意見を持っておりません。

○武石委員 「家族」のところでお二人から反対意見が出たのですが、やはり私は「家族」を落としてほしいと思うので申し上げます。個人や家族ということで、この検討会は子育てを中心にしているので家族というのは当然目配りしなくてはいけない問題だとは思います。けれども、ここに「家族」が入っているために、例えば一番最後の7ページのところに、「今後、この『働き方の改革』を進めることにより、労働者個人やその家族が」と書いてあるのです。「ライフステージごとに希望する暮らしを実現し」、このときに、「労働者個人やその家族が」と言ったときに、男性が働いていてその妻というような固定的な家族というのをイメージさせてしまう懸念があります。基本は個人が仕事とそれ以外の生活をバランスすることです。先ほども申しましたように、そのときに配偶者なり子どものことを考えることは選択の中では当然ですけれども、そこまでこの定義に入れる必要があるのかどうかということは非常に疑問があります。
ほかにも意見があるので、ついでに申し上げていいでしょうか。
細かいところも含めて申し上げます、1ページのところの若年非正規のところの、中核業務に少数精鋭の人材を当てて、その他の業務は非正規労働者という言い方が、非正規労働者は精鋭ではないというような印象があるような気がして、ここでわざわざ「少数精鋭」と言わずに、中核業務に、例えば正規労働者、それ以外の業務については非正規労働者と淡々といえばいいかなということです。
それから、1ページのところで若年男性の問題があるのですが、私はもう一つ、女性の生き方とか働き方のニーズに今の働き方がマッチしていないという問題をここで若年男性と並べて書く必要があるのではないかと思っております。2ページの「○」の中に出てくるのですけれども、ここには若年男性の話も入ってくるので、ここにあるから女性の問題を削ってもいいということではないと思いますので、1ページのところに若年男性と並べて女性の問題も入れていただきたいということです。
それから、先ほど阿部委員がおっしゃった短時間勤務制度、これも私も同様の意見で非常に狭い制度に限定していますので、もっとほかの制度も含めたものにしていいのではないかと思います。
とりあえず、以上です。

○長谷川委員 今の武石委員の最初の方の御意見についてなんですが、私はそこまで意識する必要はないと思います。それから、もう一つ、大事なことは、この分科会というのは、これを私は大変評価するのですが、全くイデオロギー抜きに、現実はどうなのかという話に徹しています。現実の資料をもとにどういうワーク・ライフ・コンフリクトがあるのか。それを実際の数字で事務局の方からたくさん集めていただいて、それをもとに我々はこれをどうしたらいいのかという議論をしているわけです。そこに女性と男性の関係はかくあるべしといったイデオロギーを持ち込むべきではないと考えます。以前、私が事実に基づいた話をしようと言ったら、それが逆にイデオロギーだと批難されました。それくらい、今の世の中、男女平等イデオロギーが一般的になっている。しかし、とにかくこの分科会では、事実に基づいて今一番どこに問題があるのかを探るべきだと思います。ですから、一番問題のある順に並べていったという、私はこの事務局のご姿勢は大変評価しています。
 そういう意味では、さっき阿部委員がおっしゃったことにもそういうことが含まれているのかと思いますが、男女の関係をどうしていこうかという別の問題を持ち込むべきではないという気がいたします。
 この最後の「まとめ」のところの表現に関しては、少なくともこういうニュートラルな「労働者個人やその家族」という表現であるところをさらに変えるという必要は、私は全くないと思っております。

○小杉委員 皆さんの議論となったところの3点について、私も意見を申し上げたいと思います。第1点は3ページの「ワーク・ライフ・バランスとは」というところの書き方で、個人という問題のところですが、私も個人という方に重点を置いた書き方の方がよいと思っています。まず、最初の定義で、「労働者」としないで、これは「個人」とすべきと思います。これはまさに武石委員の言うとおりだと思います。働いていない人、あるいはこれから働こうと思っている若い人、そういう人まで含めて考えるならば、働いている人以外を十分含む表現が必要だと思います。結果として個人は確かに家庭の中での役割分担を考えながら働き方を選ぶわけで、家族が当然絡まってくる問題ではありますけれども、ここでは基本的に個人を重視して、その個人のライフステージとして家族を持つライフステージがあるというふうに思います。そういう意味では、武石委員の考え方の方で整理した方がすっきりするのではないか。それに当然ライフステージには家族形成の時期があって、その時期について、最もこの分科会では重視するという形で整理すればいいのではないかと思います。
2点目は、国の役割は、書いてはあるのですが、多分かなり遠慮された書き方をしているので、「ワーク・ライフ・バランス憲章」、と書くということは、そこに当然国の役割をはっきり書くということになると思いますので、そこで強調されることがいいのではないかと思います。
3点目は、皆さん御指摘された「短時間勤務」というところに、「柔軟な働き方」というような表現を加えればいいのではないかと思います。
以上です。

○樋口主査 今、幾つか合意できるところがあったかと思います。例えば、5ページの(2)の(2)のところで、今、御指摘のあった「短時間勤務制度」のところには「テレワークの推進に向けた」と書いてありますが、そこのところに、「テレワーク推進など柔軟な働き方の促進に向けた」という用語が入れればいいかと思いますが、それはそれでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)

○樋口主査 ありがとうございます。

○木村委員 最後のまとめに近くなってまいりましたので、企業の立場でも何か言わなければいけないだろうと思います。
幾つか御意見が出ていまして、賛同できるところは多い話ですけれども、企業の立場で見て若干の感想として幾つかお話しさせていただければと思います。まず1ページの中段のところで、先ほど「企業は中核業務に少数精鋭の人材を当てる」という話がありましたけど、これは個人的な考えかもしれませんが、企業にとっては全て必要な仕事なんです。ただ、仕事に対してどれだけの人材を当てなければいけないか、経験や知識、能力だとか、仕事によって、ある意味でいうと、払える賃金が違っているだけであって、仕事そのものに重要だとか重要じゃないという、考え方は持ってないのではないかというのが1つあります。よって「中核業務」という言葉を企業の中でうかつには使えない。
その次の「男性正規労働者を中心とした」と書いてあるのですけれども、これは恐らくこの中間報告をとりまとめると、一生懸命働いている女性の正規労働者はどう感じるのかなという懸念があります。ただ、これは統計的には事実だということだとは思いますが。
いろいろ意見があるのですけれども、1文字だけ、絶対にかえてほしいというところがあります。それは一番最後のページの、真ん中のところです。「以上のような施策を含め、国民の働き方についての意識や企業の行動を変えていく」という部分の「企業の」というところの「の」を「企業が」としていただきたい。これだけは絶対にかえてほしい。これが私の意見でございます。

○樋口主査 ありがとうございます。北浦委員。

○北浦委員 大体同じような意見になるのかもしれませんが、重なるところで、1ページのところで、コンフリクトで整理をした点は大変わかりやすくなったと私も思います。ただ、文章を見ていると、労働者を取り巻く環境の変化として3行でさらっと書いてあって、その後に2つ、家族形成の困難性と長時間労働、これは後ろとも絡んでいるんですね。せっかくコンフリクトで整理されているんなら、後ろの(ワーク・ライフ・バランスコンフリクトの増大)のところでも同じように書いているのであるのでもう少し整理した方がいいのかなという感じがいたしました。
もう一つは、特に1ページのところで、先ほど木村委員おっしゃったように、男性正規労働者云々、私も誠にごもっともだと思いまして、事実としてのところはそうだろうけれども、女性も含めて正規労働者の問題として、まずこうなんだという形がいいのだろうと思います。
それから、この全体のストーリーにもかかわるのですが、若年のところに焦点を当てている。私はそれは大事だと思います。結局これは家族形成の入り口のところがうまくいかないということが一番大きな問題意識で、これはこれで議論があったわけで、その意味で若年非正規の問題に非常に脚光を浴びさせているのは、ある意味では若年者の議論についての1つの新しい仕掛けを与えるものとして私は重要だろうと思います。ですが、ここのところをずっと後で見てくると、これは逆に若年非正規の問題だけなのかという印象も与えられてしまいますので、先ほどのワーク・ライフ・バランスの定義が非常に包括的だったということを考えますと、問題点はいろいろ指摘をし、その全体を解決するのがワーク・ライフ・バランスの問題だと。しかし、その中で喫緊性・緊急性を持っているもの、それから少子化対策にかかわるもの、そういったような意味で言うと、この若年層の問題は時間を待てないものなのだというようなメリハリをもう少しつけたほうが私はわかりやすいのかなという感じがいたしました。
あと、3ページ目のところで、家族、個人の議論がございましたが、これは全体の会議が「家族」を書いているというだけではなくて、確かにほかのところも家庭事情、家族事情のことが入っているので、もう一度ここで書くのかというようなこともあろうかと思いますが、個人の事情というものの中に家族的なことによって、個人自身にはないけれども、家族の方の事情によって個人が制約されてしまう。自分自身は頑張りたいのだけれども、家族の事情でというような様相もあると思いますので、そういったような意味で、ここは「個人や家族」という言葉でいいかどうかは御議論あるかもしれませんが、「家族」というフレーズを入れておくことは私は重要と思っております。
それから、施策の問題でございますが、これもいろいろ御議論が出ているところでありますが、5ページのところに「家族形成を可能とする経済的自立に向けた支援」というのがあります。これは正規・非正規の均衡処遇といいますか、結局そういう働き方の中に壁をなくしていきましょうということが主眼なのだろうと思います。ただ、そのねらいが、特に若年のところに当ててこういう書き方になっていると思うのですが、このこと自体は私はもう少し幅広くとらえた方がいいのかなという気はしております。特に正規・非正規の問題は、社会的に見た場合に働き方にそういう壁があるということがまずどうなんだろうというのが1点あります。
それから、正規という中の働き方においても、先ほどもありましたように、もっと柔軟性を持つことができたらどうだろうか。そんなようにした方がいいので、その結果が、先ほど言ったコンフリクトの改善につながるのだと、こんなような形にもう少しニュアンスが出ないだろうかという感じがちょっといたしました。
そのように受けとめたわけですが、最後に、これは政府の役割の問題です。これは確かにいろいろ御議論のとおりだと思うんですが、確かにばらばらになっている。ばらばらではいけないとは書いてあるのですが、出ているのを見るとばらばらなんですね。だから、そこが見えてこないのかなという感じがします。例えば、6ページに「国民的運動」と書いて、一番最後に「国民運動」と書いて、両者の違いは一体何なんだろうとか、それから、地域のところには国民運動は見えないのかとか、あるいは社会といったときに、国民運動はどうかかわっているのか。いろんな意味で見えてこないわけで、特に6ページのところに書いてある国民運動というのは、企業のところだけで焦点を当てて、そこだけをやれやれというような感じの運動みたいにとらえられがちなんですが、実は全部横串を刺した大きな運動として、むしろ最後のところでまとめて、政府の役割と一緒に、さっき言ったばらばらでいけないよということと、国民運動をすべてのレベルにおいてやっていく。こうならないと、これは政府段階で政労使会議をつくる話なのかと、このトーンの受けとめになってしまうのではないかという感じがいたします。
以上です。

○横山委員 まず、「個人と家族」というところですけれども、やはり私も「家族」という言葉は入っていた方がいいと思います。ワーク・ライフ・バランスということを考えるときに、今は子育てですとか出産ということですけれども、介護まで視野に入れますと、子どものない夫婦であっても、多い場合では4人の親がいるということで、弊社でも介護まで視野に入れたワーク・ライフ・バランスという施策に取り組んでおりますし、「家族」という言葉があっても余り違和感はないと思います。
それから、同じ3ページの「『働き方の改革』の方向性」のところで、4ページに具体的ないろいろな事例が書いてございますが、2つ目と4つ目のところで、要するに働き方の改革イコール長時間労働の抑制であったり、有給休暇とか休暇を長くとることによってライフの方の時間を捻出するというような書き方になっておりますが、これはいささかお粗末な書き方かなと思います。効率的な働き方ということを実践することで、結果として、そういった時間が捻出できるというような書き方にされた方がいいのではないかというふうに考えます。
以上です。

○藤木委員 私の印象ですと、今回の中間報告はスムーズにとれるというか、読み取れるようなレポートになっているように思いますので、確かに皆さんおっしゃるような個々の字句のところでひっかかりがあるところというのはうなずけるところも1つひとつ多いかと思うのですけれども、施策の部分についての議論が中核になるのではないのかなと思いますので、個々の字句のところに議論の中心が移るというのもいかがなものかなと正直思います。
 それと長谷川委員がおっしゃられているようなところのそもそも論のところでいえば、子どもと家族を応援するというような、そういう検討会議の主体からいっても、いろんなアプローチがあろうかと思うのですけれども、「家族」という視点がこのレポートの中に入ってくる。その字句を使っていることについてはそれほどの違和感を感じないというのが正直なところです。
 それと話が変わりますけれども、北浦委員がおっしゃられたところの7ページの「まとめ」の前のところについてですけれども、「政府において『働き方の改革を推進する行動指針』を策定すること」、その前に「ワーク・ライフ・バランス憲章」というのがありますけれども、「ワーク・ライフ・バランス憲章」に基づいて行動指針というのが恐らく策定されるようなことになるのではないのかなと思いますけれども、策定するだけではなくて、それに基づいて、各関係府省が動かれるということが統一的な動きになるのではないのかなと思います。よって策定し、それに基づいて一体となるというようなこと、それは前段の方にあるというようなことになるのかもしれませんけれども、これまでもそういった大きな命題の中で動かれてきたものがばらばらであるとかというような、議論はこれまでの議論の中であったのかと思いますので、策定したものに基づいて共同歩調というか、そういったものをとるというようなことも明言された方がいいのではないかと思いました。
 取り立てて申し上げたいところは以上です。

○樋口主査 御意見いろいろいただきましてありがとうございます。幾つか確認しておいた方が後々よろしいかなと思いますので、1つはまず1ページ目のところで、何人かの委員から出ておりました3つ目の(男性正規労働者を中心とした長時間労働)、ここは男性というのを除いた方がいいのではないか。そこに女性の話も入れてほしいというようなことがありました。それを女性という項目を立ててやるかどうかということについては検討させていただきたいと思います。
 あと、コンフリクトの話がやはり重要だということについても皆さん合意なさったのではないかと思います。そのコンフリクトのところというのは、どうしても働き方ということで、職場におけるコンフリクトというようなことを我々念頭に置いて議論してきたわけでありますが、ただ、ワーク・ライフ・バランスを実現する上ではそれだけに限るものではないというような、時には世帯・家庭内の話ということにもコンフリクトがあるでしょう。あるいは企業間の取引におけるコンフリクトというようなこともあるでしょうし、中には日常生活における社会においてもコンフリクトがあるかもしれないということで、このコンフリクトというのが、報告書の中で非常に重要な役割を演じてきますので、そこのところについて少し加筆したいというふうに御意見が出たのではないかと思いますが、その点は合意なさったということでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)

○樋口主査 ありがとうございます。あとは3ページのところで、(1)の「個人や家族のライフステージに応じた多様な希望の実現を」ということになっているところに、この「家族」というものを取り除いた方がいいのではないかという意見と、これは維持するべきだというような意見があったかと思います。ここのところは、皆さんもっと議論したいというようなこともあると思いますが、この「家族」が入ることによって、男が働いて女が家庭をというようなニュアンスで書かれているものではないと私は思います。
後でも出てきます、どのようなライフスタイルであってもというふうに書いてあるのは、中には共働き世帯もあれば、片働き世帯もある。あるいは共働きでも、正社員として両方働いているというようなこともあれば、片方はパートとして働いているというようないろんなライフスタイルがある。あるいは子どもの状態というのもその年齢であるとか、中には子どもがいる、いないというようなところもあるわけでありまして、逆にここは入れておいた方が、個人や家族のライフスタイルで、家族というのは特定の家族形態を意味しているのではないというようなニュアンスが出ればいいかと思います。もし、ここにいろんな形態の家族形態というようなところを加筆するのも1つの方法かなと思います。そうであれば、武石さんどうでしょうか。ここのところに、そういうニュアンスを入れた文言を入れることで良いですか。

○武石委員 この分科会なので、家族が重要だと皆さんおっしゃることはよくわかるので、今の主査の御意見でいいのです。しかし、この定義をすると、この定義が一人歩きしていく可能性があることを一番心配しています。厚生労働省とか内閣府が、「ワーク・ライフ・バランスとは」と定義したときに、これがワーク・ライフ・バランスの一般的な定義かというと、私はそこは違うと思います。だから、このことだけは申し上げたいと思います。

○樋口主査 わかりました。むしろここのところの2つの「○」が、「ワーク・ライフ・バランスの実現に」と書いてあるのですが、実は「ワーク・ライフ・コンフリクトの解消のために」というふうに書けば、これは必ずしも職場だけではないというようなことを念頭に置いて我々は議論しているわけですから、そういうふうにした方がそういう誤解を受けないかもしれないと思いますが、それでお許しいただけますでしょうか。

○武石委員 はい。

○樋口主査 ありがとうございます。残ってきますのは、政府の役割をもっと明確にというような御意見や、もっと強化するべきではないかというような御意見が多かったと思います。もう少し具体的に修正部分をおっしゃっていただくとありがたいのですが。全体的にと言われるのが一番困るわけで、どこをというのが出てくればと思います。長谷川委員。

○長谷川委員 ちょっとそれに関連して、これまで皆さんどなたも言及なさらなかった部分ですが、私はこれが政府の役割ということなのかなと理解しているのが、7ページの(3)なんです。税や社会保障制度を変えていくという、この(3)について、実はちょっとわからないので質問したいのですが、ここに「税や社会保障制度などにおいても、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて、多様な働き方に対して中立的な制度のあり方について検討していく必要がある」というのは、これはどういう意味なのでしょうか。これまでも、多様な家族があることに付随して、いろんな種類のワーク・ライフ・コンフリクトが出てくるので、それに対応するためには、柔軟な施策が必要だという話は繰り返し出ていると思うんですが、「多様な働き方に対して中立的な制度」というのはどういうことを指しているのか、ちょっと御説明いただきたいのですが。

○樋口主査 この点は、労働経済学の方では議論があるところでして、例えば年金の給付要件あるいは年金の加入要件といったときに、一定のところまでは加入しないでいいよと、一定の年収のところまではいいよとか、一定の労働時間以下だったらいいよとかというようなこともあって、必ずしも中立的になってないのではないかというようなことも議論されていまして、そういったところについて、働き方に中立的に、こちらで働くと得だよとか、こちらだと損になりますよというようなことが今問題になっているのではないかということだというふうに理解しております。

○長谷川委員 そういう意味でここでお使いになったわけですか。

○樋口主査 はい。

○長谷川委員 実は今ここで問題になっているのは、もちろん片方では男女ともに正規雇用の社員が長時間労働を強いられていて、それが少子化の一因になっているという問題ですけれども、もう一つ、重大なことが非正規雇用の若い人たちです。その場合に、多様な働き方の1つとして、非常に賃金が低いという働き方になる。そうすると、その低さに応じて税は当然うんと低く、あるいは免除される。年金の場合もいろんな優遇措置があるという、そういう仕方にしていかないとコンフリクトには対応できないのではないでしょうか。

○樋口主査 優遇措置があればなんですが、今のところ優遇措置が逆にないんですね。

○長谷川委員 ないとすれば、むしろつくっていかなくちゃいけない。ニュートラルなといってしまうと、その多様な問題に対して対応していくというニュアンスがむしろ消えてしまうのではなかろうかと。多様な問題はあるだろうけど、行政はニュートラルだよ、我関せずだよという、「中立的」というとどうしてもそういうニュアンスが入ってしまうと思うのです。「多様な働き方に応じて有効な対策を検討していく」とか、そういうふうな表現にしないとワーク・ライフ・コンフリクトの解決に向けてという意味にはなっていかないのではなかろうかと思うのです。

○樋口主査 この部分は全体の会議でいきますと、第1部会の基本戦略分科会のところで税制等々も、基本的には考えていくというところで、我々としては、働き方に対するアドバイスというようなことでとりまとめ、具体的にどうするのかはむしろ向こうで、あるいは別のところで御議論いただきたいというふうに考えて、漠とした書き方になっています。

○長谷川委員 わかりました。ただ、こちらから問題として持ち上げていくということになるのだと思いますが、そうしますと、むしろこちらからはワーク・ライフ・コンフリクトの問題を持ち上げていくという形になるわけですね。そうすると、むしろ書き方としては「中立的な制度」というと、向こうの結論を先取りしてしまうような形になるので、この「ワーク・ライフ・コンフリクトの解決に向けて多様な働き方」、あるいは「多様な問題のあり方に応じた有効な対策を」というような文言にした方が、この分科会としてのアピール度が高くなるのではないかという印象があるのですが。

○樋口主査 どうでしょう、木村委員。

○木村委員 政府なり行政の関与というところなんですけれども、企業の立場で申し上げますと、働き方を変えるといったときに一番重要になってくるのはいろんな意味での社会インフラだと思います。特に一番大きな障害になっている、例えば子育てをしながら働くという状況のときに、保育所に預けられない、入れない。あるいは保育時間が短い、そういった社会インフラのところをぜひ政府なり行政なりに期待したいところであって、そういうインフラがないと働き方を変えようにも変えられないというのが現実のところだと思っています。だから、そこを変えずに働き方だけ変えろと言われてもというのが本音のところでございまして、そのように言うと、そのあたりは別の分科会があるわけです。そこに具体的なところはお譲りするというか、お願いするということで、この分科会の中では余りこれ以上の立ち入った表現はなかなか難しいのかなというのが私の意見でございます。

○長谷川委員 その意味でも、「中立的な」というと、むしろこの委員会から1つの結論を出してしまうような表現になってしまうので、我々からは、こういう問題がありますということを問題提起するわけなので、この問題に応じたそういう税制や社会保障を考えてくださいという意味合いの表現になった方かいいのではないかということです。

○樋口主査 わかりました。そこのところは修正するようにしたいと思います。

○山口委員 今のところで言いますと、分科会が縦割りになっているわけですけれど、この分科会でもその部分が重要だという議論されたということは、そこで深めるということではなくて必要だと思うんですね。全体的に最終的な「子どもと家族」というときに、それが連携をしてより強化されるというところがありますので。
その部分でないところでよろしいですか。

○樋口主査 はい。

○山口委員 先ほどタイミングを失ったのですが、阿部委員がおっしゃっていた働き方の改革というのは、要は暮らし方をどうするかということにすごく関連する。そのときに、おっしゃっていた暮らし方を変えるというのは、どういう暮らし方をイメージするのかということで、安全・安心で文化的なということをおっしゃったのですが、3ページのところでも、「『働き方改革』の方向性」のところで、「『どのような暮らしを実現させるか』という観点から、以下のようなことがイメージされる」というところが、先ほど横山委員がおっしゃっていたように、余りイメージできないようなことだったのですが、ここをもう少し、阿部委員がおっしゃったように、より生活実感があるような、こういう暮らし方、各ライフスタイルとかライフステージを通してということを、ちょっと提示すると、単にこの分科会は、政策として予算措置が必要だというだけではなくて、社会全体としてワーク・ライフ・バランスの実現が重要なのだというメッセージ性があると思うんですね。そういうときにそれが生活実感のある具体的なもの、今ここで「より豊かな」とか、そういうこと以上に踏み込んだようなところが必要なのではないかと思います。
それから、先ほど国というか、政府の役割が強くというのは、先ほども申し上げましたけれど、もっと踏み込んで言うと、何度も申し上げますが、取り組むところと取り組まないところというのが起こらないようにという、そこに踏み込んでいただきたいんです。企業の方たちは負担がかかるということで、非常にそれを回避したいということはあると思いますけれど、それが負担にならないという、その程度は難しいと思いますが、枠組みを国としてつくると。すべての労使関係のあるところではそういう枠組みの下に労使で話し合わなくてはいけないのだということが徹底できるような踏み込んだ対応をしていただきたいと思います。
前回も例で申し上げましたが、例えば次世代育成支援の計画というところも、中小とは分けましたけれど、そういう計画を、国がそういう枠組みをつくったことによって前進したという成果もありますので、そういったイメージでの踏み込みをしていただきたいというのが強化についての意見です。

○樋口主査 枠組みをという話が出ておりますが、北浦委員どうでしょう。

○北浦委員 枠組みということとちょっと違うかもしれませんが、よろしいでしょうか。

○樋口主査 はい。

○北浦委員 支援施策のところですが、よく読んでみると、結局政府がやってくれということみたいなんですね。全部政府の施策にかかわってくることなので、実はないわけではない。ただ、そうは言いつつも労使がやるものだと、こういうことを書いているものですから、何となくそれは労使に責任を負わせているのか、政府がどこまでやるのか、何となくあいまいになってきているところなんですね。そこのところは整理できると思うのですが、整理の仕方として、先ほど座長がおっしゃいましたように、今回の政策の一番の柱はコンフリクトを解決していく。コンフリクトの定義も、暮らしも含めて幅広にということですから、それを解決するというような打ち出し方になれば、そこは各論に、今までとは違う一歩進んだ提起になるのかなと思います。まず全体的にそういうようなテーマにしてしまって、それで以下を書いていくとすれば良いのではないか。
そのときに1つあるのは枠組みというか、体制の話とそれから各論的に重要な2点。1点は若者です。特に今一番焦点になる若者のところの家族形成の問題のところに焦点を当て、先ほど来、ずっとこれは一貫したストーリーになっている。そのことが1つと、それだけではない働き方全体の改革の問題、このコンフリクトが中に内在しているところを解決しろという、それを具体的な問題として提起をしていくこと。
そして、最後に、もう一つ、阿部委員も言われたように、実は暮らし方の方にも提案しないと、これは解決しないのだということで、ここは他の分科会との関係で微妙なのかもしれませんが、少なくともワーク・ライフ・コンフリクトを解決するためには、ライフの部分について及ばないとだめだぞという問題提起をここに書いておくと。それは結論は出し切れないのであれば、少なくともそういうコンフリクトを解決するような視点で、こういった改革を進めていただきたいということを書くだけでも私はいいのだと思います。ですから、中立性というのは学問上の用語で、逆に国民的にはわかりにくいかもしれないわけで、それであれば、コンフリクトをむしろ解決するような、そういう制度にしていただきたいといえば、それは恐らく中立性にならざるを得ないことに多分議論としてはなるのだと思います。そういうストーリーがいいのかなと思っています。
そういったような意味で、ここの4つ書かれているような事柄を1つ何か全体としての体制、体制であれば、先ほどのような、政府全体だけでなく、地域もそこに体制に入るし、そして、そのところにもう少し、地域のところでも、書き方がよくわからないのですが、多分ロータリークラブとか、そういうことを指しているのだろうと思いますが、そういったようなすべてのいろんな民間団体の力も得てやっていきましょうという動きをつくるのだということが1つあります。

○樋口主査 ロータリークラブ。ライオンズクラブだけでなくて、NPOとか、そういったものも含めてということだろうと思います。

○北浦委員 そうです。この書き方はまたいろいろあると思うので、そういうような枠組みをつくることと、それから各論的な、先程申し上げた大きな緊急性のある若者の課題と、それから、もう一つ、「働き方改革」についての具体的な、これはむしろ労使の自主的な取組を促すような支援をやっていかないといけないということを書いて整理をしていくのが私はいいのかなと思っています。
その最後に、帰結としての憲章なのか、最初に憲章なのか、これは書きぶりだと思いますが、そういったように整理をしていくとわかりやすくなるのではないかと思います。

○木村委員 先ほどの枠組みをということでお話ありましたけれども、5ページのところに、「『働き方の改革』に向けた取組の支援」ということで、「ワーク・ライフ・バランスを推進していくためには、労使の自主的な取組が基本であり」と、これがこの分科会の、これまでの、それこそ基本的な考え方であったと思います。それに対して枠組みという形で強制力を持つということになってくると、この基本そのものが崩れるということになってしまいますので、その意味で言うと、政府なりの関与というのはそこまでのことはするべきではないし、示唆するべきではないと思います。

○樋口主査 多分皆さんの御意見伺っていますと、このようなことではどうかなという感じがいたします。例えば、今、木村委員がおっしゃった5ページのところの(2)で「『働き方の改革』に向けた取組の支援」、3行目のところから、「全体のワーク・ライフ・バランスの実現に向けた基盤整備を図っていく」と、簡単に書いてあるのですが、ワーク・ライフ・コンフリクトの解消というために、これはもちろん企業の中においても、この上に書いてありますような、労使の自主的な取組が基本なのだけれども、それだけではカバーできないような問題があるだろう。例えば家庭における問題もありますでしょうし、さらには企業間の問題もあるでしょうというようなことを考えると、ここを「ワーク・ライフ・コンフリクト解消に向けた基盤整備、枠組み、体制の整備を図っていくことである」というふうに言えば、これは全体的にそういったことが可能になるのかと思いますが、その点、どうでしょうか。会社の中だけという話だと、これがなかなか入っていきにくいということだろうと思いますが。阿部委員どうぞ。

○阿部委員 それでいいと思います。会社の立場として、とよく木村委員おっしゃるのですけれども、それこそまさに外部性が生まれる余地を残しているわけで、ある程度、自主性は尊重しつつも、最低限というか、何か枠組みを決めておくことは必要ですし、それに向けた基盤整備、支援が必要だろうと思います。

○木村委員 余りあいまいな言葉を使わない方がいいのかなと。体制とか枠組みとは何かというところが逆にあいまいになってきて、その意味で言うと、その言葉遣いがどうなのかという疑義はあります。ですから前段のところの「ワーク・ライフ・コンフリクトの解消に向けた基盤整備」というところはいいと思いますけれども、その後の「枠組み」だとか「体制」ということになると、それは一体何なのか、非常にまたわからなくなってくるところがあるので。

○樋口主査 「基盤整備」というのも、割と漠然とした言葉だし、同じ程度に漠然としたのが「枠組み」だとかということじゃないかと思いますが。

○木村委員 インフラという意味での基盤整備ととらえれば、ここは非常に当たっているのだと思っています、私は。それ以上のものが何か出てくるのかなというのは、逆に言うといかがなものかという感じがしますけれども。

○阿部委員 ここのまくらですから、私はここはこのあたりでいいんではないか。その下に(1)からずっと書いてあって、国民運動を推進する、いろいろ書いてありますから、そういうことで私はよろしいのではないかと思いますけれども、もっとはっきり書けということかどうか、ちょっと私には、そこまでやるべきかどうかわかりません。

○樋口主査 それをここでやるべきかどうかというのも、あるいはできるかどうかというのもありますので、これは方向性を出しているわけで、どこをどういうふうに具体的にやるのだということについては、また、別の機会なりでやっていく。ただ、方向性としては、こういった方向性を打ち出したいということではいかがでしょうか。

○長谷川委員 ほとんど今阿部委員がおっしゃったことと同じなんです。もうこの文章を変えないで、このままならいいんじゃないかと思います。確かに基盤整備も枠組みも両方あいまいな言葉なのですが、はっきりと語感の違いがあって、「基盤整備」というと、労使双方で話し合って、両方が自分たちの力では及ばないので、この援助を政府に向かってしてくださいよというふうにリクエストするというニュアンスが非常に強くて、「枠組み」というと、例えば労使双方で相争っていて、そこに政府が介入して、ほら、企業、おまえ、これをやれ、というふうに強制するというニュアンスが非常に強くなるので、それを木村委員は警戒していらっしゃると思いますが、その点、同じあいまいな言葉でも「基盤整備」という言葉にとどめておけば、我々の方から、こういう問題があります。そして政府の方にできるかどうかわかりませんけれども、これをリクエストしますと上げるというニュアンスが非常に強くなるので、この文章のままでいいのではないか。

○樋口主査 ただ、何人かの方からもっと強化しろという御意見があったので、それで今議論してもらっているのですが、山口委員。

○山口委員 今の長谷川委員の解釈はちょっと極端かなと思います。「基盤整備」というのは単にリクエストされたものに対して応えるというちょっと消極的なものであったら、ますますこれは弱いということで、それこそ国として整えなくてはいけないというものをきちんと整えるという、リクエストもあるでしょうけれど、そういう主体的なところが必要だと思います。
「枠組み」というのは、何も労使関係がという、先ほどおっしゃっていたようなことではなくて、フレームをつくるということで、例えば取り組んだ労使で主体的にワーク・ライフ・バランスの実現に向けて、あるいはワーク・ライフ・コンフリクト解消に向けて自主的に話し合ってくださいといっても、日常的にやっている労使関係と、全くそんなこと今までやってなかった。でも、これは社会全体でやらなくちゃというときに、どうしたらいいのとか、どう組み込んだらいいのというところがあるわけですね。もう既にどうしたらいいのがわかっているところは、それは面倒くさいとか、うるさいとか、そういうところですけれども、やはりそれが同じような、多分結果とか取組姿勢の差はすごくあると思いますけれど、取り組んだというようなことが結果として残るように、そういう枠組みをつくる、あるいは枠組みを提示する。あるいは枠組みがそんなことでしばられたくないというのだったら、これも前、申し上げましたように、好事例をたくさん出してきて、これは実際できていることですから、そういったようなことで、どういうようなことだったら取り組めるかというようなことを提示する、これも枠組みだと思います。
武石委員が中小企業での事例を多く出していただきましたが、そういうようなものであって、枠組みはそんなに厳しい内容ではないと思います。

○武石委員 先ほど樋口主査の整理、私わからないところがあったので教えていただきたいのは、「ワーク・ライフ・コンフリクトの解消のために基盤整備」というときに、いろんな基盤整備があって、労使がかかわらない部分での基盤整備もあります。国民の意識を変えるというか、そういう方向に持っていく。そこはここの(2)の中には入らないのかなと私は思っていたんです。大きな話は(4)で、ここは、私はさっきも言ったのですが、「ワーク・ライフ・バランスを推進していくために」ではなくて、「働き方の改革を進めるために」というところで、労使が主体的にできる部分を(2)は限定して書いて、そういう労使の外の話は、私は(4)の整理かなと思って、先ほどの樋口主査の整理はちょっと......。

○樋口主査 「労使」と言ったときに、個別労使で、簡単に言えば企業で一生懸命取り組んでいるところも、これはウエルカムで、それをサポートしていくというのは当然なんですけれども、そうじゃないところにも広げていきたいということもあるわけです。そのときに基盤整備ということもあるでしょうし、中には企業の中だけではなくて、社会とのかかわりとか、あるいは家庭とのかかわりというようなところもあるので、私は「基盤整備」というのと同時に、「枠組み」をどうするのかというようなことを入れた方が、多分長谷川委員も同じだろうと思うのですが、その方がはっきりするのだろうと。
それをどういうふうに、何をつくるのだと言われると、これは困るなというところですが、これはあっても別にいいのではないかと思ったんです。

○武石委員 わかりました。要は(2)と(4)の整理がうまくできればいいというのが今の件です。それともう一つ、ここが弱いと言って、今、「枠組み」とかいろんな意見が出たのですが、案としては、ここの2行目に「こうした取組を支援するため」とあるのですが、例えば、こうした取組を支援するため促進、「促進」を入れるとか、やろうとしているところは支援だと思うんですが、やろうとする気にさせるというようなニュアンスが入ればいいかなと思ったのですけど、いかがでしょうか。

○北浦委員 いずれにしても、余り言葉にこだわるのはよろしくないかもしれませんが、(2)の「基盤整備」をここにも書いておいた方が私はいいと思いますし、総論的にあった方がいいのかなという感じがちょっとしました。ですから、その中で労使の自主性のあるようなところはここでやっていきましょうという感じの、ただ、実際そう思って読んだのですけど、後ろの方へ行くと必ずしもそういう項目ばかりでないてものですから、もしこれが全体的で一番大きいところだということであれば、ここで私はいいかなと思うので、これは整理の仕方だと思います。
それから、もう一つ、言いますと、「コンフリクト」という言葉をもし使っていくとすると、コンフリクトですと紛争解決みたいな感じになりますので、余り「枠組み」、「体制」というふうにやると、何か紛争解決の委員会つくるのかという感じにもとられちゃうわけで、そういう意味で言っているわけではないということと、それから、先ほど言ったように、労使で話し合っていくところについて、例えば何か方向づけを与えていくというふうにしても、それは支援の形で与えていくのが政策のやり方なのだろうと思うので、義務づけていくわけではなくて、その解決、方向は企業によって違うわけですから、方向づけに対していろんな支援策をいわば援助の形で与えるということだろうと思います。私はそういった意味では広く支援の中にも読めるし、基盤の中にも読めるのだろうと思っております。

○阿部委員 北浦委員がおっしゃった支援というのは、私はもう少し支援の中身も書いた方がいいかなと思っていまして、支援は今までも結構やっているのではないかと実は私は思っています。ただ、それがこういう現状で、まだやり残しているところがあるということですから、これまでの支援よりももう少し踏み込んだ形でどういう支援があるか。あるいは支援ではなくて、よくわかりませんけど、何かがあるのかというところまで考えた方がいいのかなと思っていて、これは方向性を示すという意味では、これまでの支援とはどこかが違うというところを打ち出していかないと方向性としては見えないのではないかと思いますけれども。

○藤木委員 それは(1)から(5)のところに、今、阿部委員がおっしゃられたことというのは記載されて......。

○阿部委員 今までもやっていますよね、ここは。

○藤木委員 いやいや、そんなことないですよ。そういう意味ではばらばらな部分がありますので、例えば特定の都道府県でやっておられても、特定の都道府県でやっておられないとか、そういうばらばらの取組がありますので、それが後段の方の話の中では、1つの一体化した行動指針なりの中でそれを取り組んでいきましょうという話になっているわけで、さっき阿部委員御自身がまくらとおっしゃられた、確かにここのところというのは、私はそんなに議論の分かれるところではないというか、むしろ(1)から(5)の方の中で、幾つか、それがかわりばえしないと言われたら、前回の話になっちゃうわけなんですけれども、幾つかは新たな議論というのも、私はあるのではないかと思います。それは、すべてを掌握しているわけではないものでわからないんですけれども、決してそこのところで具体的な取組がないとは思わないし、そういうふうに御理解いただけないのかなと思います。

○樋口主査 武石委員がおっしゃった、今のところで、「こうした取組を支援するため」というのは、「促進・支援するため」という文言を入れたらどうかと。これはアファーマティブにやっていくということでしょうから、これはいいですよね。基盤整備と「体制」という言葉が入ってくるとだんだんわからなくなってくるから、「制度的枠組み」というところまで、「ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた」というところを、北浦委員がおっしゃったような、コンフリクトの解消ということをいったときの誤解がないよう丁寧に書き加えたいと思います。それは必ずしも企業の中だけの話ではないというようなことで、「基盤整備」とかその「枠組み」、「枠組み」は、結局後の地域における話というところでまた出てくるんですね。そういうふうにしたらどうかと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)

○樋口主査 ありがとうございました。
ほかにございますでしょうか。よろしいですか、ここをこうしろという。

○木村委員 「の」と「が」の話はよろしいんでしょうか。

○樋口主査 では確認します。7ページ(3)の後ろの行の「企業の行動を」というのを「企業が行動を変えていくためには」という、これはよろしいでしょうか。
(「納得です」と声あり)

○樋口主査 そのようにさせていただきたいと思います。

○木村委員 「国民の働き方」の「の」も、「企業の行動の」「の」も、いずれも「が」に。

○樋口主査 文章がどうなるか。「国民が働き方についての意識を変え、企業が行動を変えていくため」というふうにするということですか。

○木村委員 はい。

○樋口主査 わかりました。もし、これでよろしければ、この後、ほかの分科会との調整もあります。また、書き方についての調整もあるかと思います。主立ったところはきょう御意見をいただきましたので、それを盛り込みまして、中間報告という形で親会議である「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議に報告することにしたいと思います。
今、申し上げましたように、最終的な中間報告に向けての調整につきましては、可能であれば、私に一任させていただけたらというふうに思いますが、よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)

○樋口主査 ありがとうございます。
それでは、最後に事務局からお願いいたします。

○金子政策統括官 統括官の金子でございます。大変先生方には短い期間に、御多忙の中、会議に参加していただきいろいろ御議論いただきまして誠にありがとうございました。今、主査の方でおまとめいただいたようなことでございます。今後、また主査の御指示をいただきながら進めてまいりますけれども、とにもかくにも大かたの方向性みたいなものはまとめていただいたということでございまして、この間の主査をはじめ委員の皆様方に御尽力に対しまして重ねて御礼を申し上げておきたいと思います。
どうもありがとうございました。

○樋口主査 それでは、きょうの会議はこれで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。