第2回「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議 「基本戦略分科会」議事要旨

平成19年4月11日(水)
17:00~19:00
厚生労働省 省議室(9階)

議事次第

【議事】

  • 1.諸外国の家族政策の状況等について
  • 2.その他

(配付資料)

○城政策企画官
 定刻になりましたので、ただいまから第2回「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議「基本戦略分科会」を開会いたします。委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただき、誠にありがとうございます。
本日は、土居委員が遅れておられますが、御出席というお話をいただいておりますので、後ほど見えられると思います。それから、西川委員につきましては、本日御都合によりまして欠席でございますので、代理で飯島副知事に出席をいただいております。
それでは、進行につきまして、吉川主査にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○吉川主査
 本日も御多忙のところ、御参集いただきまして、誠にありがとうございます。早速議事に移りたいと思います。
まず第1に、議事1といたしまして、「諸外国の家族政策の状況等について」、事務局から幾つかありますが、一括して御説明をいただいて、その後、我々委員の間で質疑を行いたいと思っております。では事務局、早速お願いいたします。
○度山少子化対策企画室長
 少子化対策企画室長の度山と申します。お手元の資料1から順に御説明をさせていただきます。
まず資料1でまとめておりますのは、主要国の家族政策の概況と、それから、家族政策の中身もいろいろあるわけでございますが、主にOECDの社会支出データベースを用いまして、最近の家族政策の、特に主要国の動きというものの中から何が効果的な政策であるかということの検討をということで準備をいたしました。
1ページをおめくりいただきますと、まずレファレンス用ということで、諸外国の合計特殊出生率の推移のグラフ、最新年度のデータまで載せております。基本的に2005年ですが、ぼちぼち2006年のデータが入り始めておりますので、それを御紹介しております。
続きまして2ページ目でございますが、2ページ目、3ページ目、4ページ目とフランス、スウェーデン、イギリス、ドイツ、イタリア、アメリカ、4ページ目には日本という形で家族政策のアウトラインをまとめております。ちょっと細かい字で大変恐縮ですが、一つひとつ説明をしておりますと時間もかかりますので、これもちょっとレファレンス用にということで後ほどまた見ていただければというふうに思います。
5ページ目になりますが、よく言われます日本は家族政策に対する支出割合がほかの国と比べて小さいということのデータでございます。左側のグラフから、まずOECD基準による家族分野への社会支出の対GDP比、言いますれば、家族関係の給付の国民経済全体に対する割合ということになります。例えば家族政策に大変熱心であると言われていますフランスとかスウェーデンが大体3%という水準なのに比べまして、我が国は0.75%という水準になっているということです。
次に真ん中の方のグラフにまいりますが、こちらの方は社会支出全体に占めます家族分野への支出割合ということです。よく日本の場合に、高齢者関係給付の割合が高くて、子どもの関係の給付の割合が低いというふうに申しますが、そういったことに相当するデータとお考えいただきたいと思います。高い国ではイギリス、フランス、スウェーデンが10%ちょっと上回るぐらいの、言ってみれば、社会保障給付全体の1割強をこの家族分野につぎ込んでいるということに対しまして、我が国の場合には、この割合が4%ぐらいという率になっております。
右側に備考ということで示しましたが、社会支出全体の対GDP比、国民負担率というものを載せておりますが、ごらんいただきますとわかるように、我が国の状況でいいますと、社会支出全体の対GDP比が決してほかの国と比べて高い割合ではないということです。社会支出のウエイト自体がそう高くないところに家族分野への支出割合もほかの国に比べて低いということですので、全体として、この分野に対する社会支出の国民経済全体に対する割合が低くなっているというふうに説明ができようかと思います。
続きまして6ページ目にいきますけれども、次はデータベースを用いまして、家族政策といっても、例えば児童手当のようなもの、あるいは出産・育児休業に関する給付、そして保育サービスといったようないろんな種類があるわけでございますけれども、このデータベースからわかる範囲で、それぞれどの分野にどれぐらいの費用が投じられているのかということを比較しております。全部で5つのグラフを重ねておりますが、下から家族手当、我が国で申しますと児童手当ですとか児童扶養手当のような、いわゆる現金給付が相当いたします。
その上の黄色いところ(グラフの下から2番目)ですが、出産・育児休業給付、これは出産にかかります給付でございますとか、産前産後の休業あるいは育児休業中の所得保障が該当いたします。
緑の部分はそれ以外の現金給付ということになります。
その上のベージュ色でございますけれども、保育あるいは就学前教育、これはスウェーデンのように幼稚園と保育園が一体化しているような国もございますので、比較可能なということで、保育と就学前教育全体をとらえましてデータベースでは集計をしております。
一番上の紫の部分が保育・就学前教育以外の現物給付ということになります。
右側の方、例えばフランスとかスウェーデンを見ていただきますと、フランスという国は大変家族手当の充実をした国だということで知られておるわけですけれども、確かに家族手当に割いているお金の割合も高いわけでございますが、全体としてはそれを上回る比重で保育や就学前教育というものにお金が投じられていることがわかると思います。一番右のスウェーデンも同様だと思います。
イギリスの欄で、緑色(グラフの1番下)がその他の現金給付のウエイトが大きくなっておりますのは、これは恐らくイギリスの場合には、いわゆる負の所得税方式で税額控除制度をとっておりますので、この関係の低所得者に対します給付になっている税額控除の部分がここに入ってきているということではないかと思います。
総じて申し上げますと、先ほど申し上げたとおり、家族政策ということについてもかなりいろんな中身があるわけですけれども、例えばドイツのように、比較的現金給付の割合が高いという国もあれば、フランスやスウェーデンはかなり現物給付の割合も高いということがごらんいただけるかと思います。
今、見ていただきましたのは2003年の現状ということでございますけれども、次の7ページ目から、大体1960年代以降のフランス、スウェーデン、ドイツにつきまして、出生率がどのように推移をいったかということと、その時々で政策がどのように構築をされてきたかということを一覧にまとめてみました。
7ページのフランスでございますけれども、まずフランスで有名な家族手当ですとか、税制におけるN分N乗方式といった基本的な仕組みについては、1930年代から40年代にかけて制度が創設をされたという経過がございます。その後、ヨーロッパの場合には人口転換が早くから起きておりましたので、戦後のベビーブームの間、それから、高度成長の間に女性の社会進出というものが進んで、出生率がベビーブームの時期から1960年代から80年代にかけて落ちていくわけですが、1980年代以降、フランスにおいては、例えば家族給付の全国金庫によります保育施設拡大といったようなものですとか、あるいは乳幼児を持つ家族への直接的な支援の拡充といったような形で、いわゆる両立を支援するような形の給付というものの充実が図られてきたということが言われております。
2003年には乳幼児迎入れ手当、また後ほど出てまいりますけれども、育児休業をとっている間は従前所得保障。今度は子どもを預けて働き出すときには、保育ママさんの雇用の女性というのをうまく結びつけた制度をつくっておりまして、そういった形で出産育児と就労に関する幅広い選択のできるような環境整備が手当制度の中に構築をされたというふうに言われているということでございます。
それから、次に8ページ目にまいりまして、今度はスウェーデンでございますけれども、スウェーデンでも同様に、1960年代のベビーブームから、1980年代にかけて出生率が低下をしてきております。この時期に、特に1970年代以降、包括的な家族政策が推進されたということでございまして、スウェーデンの場合には、出産育児と家庭外就労を両立させるという形の政策が強くとられまして、書いておりますように、1974年には「親保険」制度といいまして、育児休業中の所得保障を行う保険制度を導入する。それから、1975年には保育施設を拡充するコミューンとの計画の策定といったものが行われまして、言ってみれば、育児休業の仕組み、保育の仕組みを充実させていって、基本的にはそういった仕組みが1980年代から90年にかけて完成をされたと言われております。1980年代から90年代にかけて一時期出生率が物すごく上がったことが国際的にも注目をされましたが、これは右側のベージュ色のところに書いておりますように、「親保険」制度を改正いたしまして、子どもを続けて産んだときに比較的有利になるような制度改正が行われたので、子どもさんを産む間隔が短くなって、これがタイミング効果という形で出生率の上昇に反映をしたということが言われております。
ただ、いっときスウェーデンも1990年代出生率が低下をいたしました。スウェーデン国内の研究機関による分析では、この時期、スウェーデン経済は大変厳しいマイナス成長なども経験をいたしまして、失業が多くなったということと、政府規模も小さくしなければということで、児童手当、「親保険」の給付削減が行われたということで、この時期には、今度は皆さんが比較的産み控えるというような傾向になったということが言われております。ただ、近年、出生率も低下傾向に転じまして、それから一たん削減をされた児童手当や親保険給付も給付改善が行われて、再び子どもさんが生まれるようになりまして、直近の年度で申しますと1.85まで出生率は回復しているという状況でございます。
下の紫のところに書いておりますが、スウェーデン国内の研究機関による分析ですと、各年代の女性が最終的に産み終える子どもの数はおよそ2人ぐらいで余り変わってないと。皆さんが比較的多く集中して産んだ時期と産み控えた時期があったので、このように出生率が乱高下したというようなことが分析をされております。
9ページ目でございますが、次はドイツでございます。ドイツは見ていただきますとわかるように、1980年代以降出生率が1.3、あるいは1.4あたりを推移をずっとしてきているという状況でございます。ドイツの場合には、見ていただきますとわかるように、児童手当制度を創設をし、税制の扶養控除等の一元化をしたり並列をしたりということで、基本的には子どものいる家庭といない家庭の経済的な調整ということが家族政策のメインテーマということで、これがずっと来ているというのが特徴ではないかと思います。
1990年代に入りまして、若干他国にも見られますように、育児休業とか育児手当というものの充実に着手したわけですが、なかなか出生率が他の国に比べて低いということで、最近ドイツ国内でもいろんな議論がなされまして、大連立政権になりましてから、一番下の右下になりますけれども、2005~2007年の欄でございますが、急速に、ある意味ではフランスやスウェーデンのような形で、保育・育児休業の充実、出産・子育てと職業・家庭の両立ができるような施策というふうにかなり急激に政策の転換が見られているという状況でございます。
2005年には保育整備法というものが施行されまして、3歳未満児の保育の割合を20%に引き上げるというようなことで自治体が取り組むと。連邦はそれに対して財政支援をするという法律が施行されております。
それから、今年に入りまして両親手当という形で、生後12か月間(両親でとる場合は最大14か月間)従前手取りの67%ですので3分の2を保障するという形の育児休業中の保障という制度がとられているということでございます。
こういったのが近年の政策の流れですが、10ページ以降は、これを金額的にどういった充実が図られてきたかということで、データベースで確認ができます1980年から2003年までをグラフ化してみたものでございます。
フランスも1990年代ぐらいまでは、どちらかというと家族手当中心の家族政策だったということだと思いますが、90年代以降、大きくウエイトを上げているのは保育・就学前教育の部分であるということがおわかりいただけるかと思います。
次の11ページでございますが、同じような形でスウェーデンについても書いてございますが、スウェーデンの場合、児童手当もそこそこの水準なのでございますけれども、黄色(グラフの下から2番目)の出産・育児休業の給付のウエイトがかなり高い。これは最大一番高かった時期には、従前給与の9割を保障していた。現在は8割でございますが、そういったことで、この黄色(グラフの下から2番目)の部分のウエイトが高くなっております。
もう一つは、ベージュ色の保育のところでございまして、スウェーデンの場合、2歳児以降は大体9割以上が保育所と幼稚園といいますか、プレスクールと申しておりますけれども、そういうような施設を利用しているということでこの割合が高くなっているということでございます。ちょっと出生率が変動しておりますので、一時期、家族政策の支出額が減った時期もございますけれども、近年また増えてきているという状況です。
12ページは、同じようにドイツを分析しております。ドイツの場合には、1990年と91年のところで額がかなり大きく違っておりますが、東西ドイツの統合がございまして、東ドイツ分のデータが入り込んでおりますのでこうなっております。西ドイツに比べまして東ドイツの場合共産圏でしたので比較的保育の整備水準が高かったということがございます。後ほどまたデータも御紹介いたしますが、それで1990年以降のデータでは保育のウエイトが高くなっておりますが、90年以前の西ドイツのデータを見ていただきますと、前のページで見ていただきましたフランスやスウェーデンに比べて現金給付がどちらかというと中心であるということがおわかりいただけるかと思います。
最後に、御参考までにということで、日本で同じようにグラフ化をしてみました。この割合でいうと、割と黄色(グラフの下から2番目)ですとかベージュの部分も大きく見えますので、構造としてスウェーデンに似ているのかなというふうにも見えますが、一番上に対GDP比ということで0.75%と書いております。ほかの国が大体GDP比3%ということなので、仮に右側のスケールをGDP比でとりますと、もっともっと小さいグラフになってしまうということでございます。
以上、主要国の家族政策と家族関係社会支出からどういったことが見えるかということについての御説明を終わりまして、次は資料2でございますけれども、主に女性の就労状況と家族政策というものを見てみようということでございます。
1ページ目でございますが、女性の労働力率の国際比較ということで、よく知られておりますように、日本の場合には、子育てする20代後半から30代のところで一度労働力率が落ちて、その後また回復をするといういわゆるM字カーブの形状を描くということが言われてきております。
2ページ目でございますが、女性全体で見た場合には、M字カーブの形状は少しずつカーブの底が上がってきているということがございます。ただ、このグラフを、まだ結婚していない方と、それから有配偶の方に分解をしてみますと、若干有配偶の女性の労働力率も上がり始めてはきておるわけでございますが、基本的な形状が変わっていない。したがって、どちらかというと、女性の労働力率のM字カーブの底が上がってきているのは未婚者の割合が増えているということが要因としては大きいということが言われているところでございます。
それでは、他の国ではこの状況というのはどうなのかということで、3ページ以降、3ページ目はスウェーデンでございますけれども、大変女性の労働力率の高い国で知られておりますけれども、見ていただきますとわかるように、singlemarried の労働力率がほとんど形状が変わらないことがおわかりいただけるかと思います。
続きまして4ページ目、フランスの場合、有配偶者の形状が若干未婚の方よりも低いということはありますけれども、日本のように差が顕著ではないということでございます。
5ページ目、同様にイギリス。
6ページ目はドイツでございます。ドイツの場合には、有配偶の方、日本よりは高いわけですけれども、形状としてはちょっと日本と共通の傾向が見られるということがおわかりいただけるかと思います。
このように、有配偶女性の高い労働力率を可能にしている要素というものはどのようなものであろうかということで、ちょっと幾つか準備をしておりますが、7ページ目は、1つは働き方の問題ということで、労働時間、特に長時間労働をする者の割合を拾ってきております。概してヨーロッパ諸国については平均の労働時間も短いですし、長時間の労働をしている者の割合も低いということでございます。日本の場合にも、パート労働者が増えてきておりますので、年間平均労働時間は減少傾向にあるわけでございますが、ただ、一方で、正規職員の長時間労働というものが指摘をされておりますように、週労働時間が50時間以上の者の割合は他国に比べて大変高い割合になっているということでございます。
次の8ページ、9ページ、10ページは、それぞれ20代後半、30代前半、30代後半の男性と女性の、これはデータの制約がありまして、35時間未満と35~40時間未満、そして40時間以上というこの3区分しかとれないわけでございますけれども、比較をしております。特にフランスは労働時間を35時間労働にしたということで、このブルーのところのウエイトが男女ともに高いということが特徴的だと思います。
それから、女性のところで、20代後半、30代前半、30代後半を見ていただきますとわかるように、短時間労働の割合も高いですし、そういう意味では働き方が大変多様であると。いわゆる短時間就業も含めまして大変多様な選択ができるような形の働き方になっているということも言えようかと思います。
それから、11ページ、12ページ、13ページは、もう一つの要素として、いわゆる保育サービスといった問題があるかということで資料を準備しております。11ページと12ページにつきましては、フランスもドイツも比較的家族政策については熱心に取り組んでいるのに出生率の差はかなり大きいと。この差はどういったところから生まれてくるのだろうかという問題意識から、内閣府の経済社会総合研究所が研究をされた成果をもとに、多少私どもの方でデータを補強してまとめた資料でございます。例えば真ん中ほど、「家族給付制度」と書きましたが、いわゆる家族手当で言いますと、フランスは第2子以降ではありますけれども、第2子については1万8,000円ぐらい、第3子以降については2万3,000円ぐらいと、大変国際的にも手厚うございますし、右側のドイツにつきましては、1番目の子どもから、既に2万3,000円という手当になっておりまして、国際的にもかなり高水準の児童手当を出しているということだと思います。
ただ、どこに大きな差があるかと申しますと、その下の「保育サービス」の欄を見ていただきますと、フランスの場合には、集団託児所ですとか、認定保育ママなど各種の保育サービスが充実をしておりまして、3歳未満の方がこのような保育サービスをどのぐらい利用しているかということのデータを拾いますと、大体42%ぐらいのキャパシティーが準備をされているということでございます。この他に大体2歳児の4分の1ぐらいが幼稚園に早期入学されているということもございまして、総じて言いますと、大体3歳未満の半分ぐらいの方が保育サービスを利用されているということがいえるかと思います。
それに比べまして、右側のドイツですが、特に旧西ドイツ地域においては、保育サービスの供給はかなり限られたものでございました。2006年の最新データで言いますと、ドイツ全体で3歳未満児の13.5%ぐらいの方が保育サービスを利用されておられると。ただ、旧西ドイツ地域は7.8%、旧東ドイツ地域は39%とかなり大きな格差があるということでございます。最近7.8%まで上がってきているわけですが、2002年のデータですと、これが2.8%ということですので、かなり旧西ドイツ地域におきましては保育サービスは限られた供給しかなかったということがございます。
その分、ページをめくっていただきますと、育児休業制度のところにつきましては、3歳まで育児休業が取得できるという形になっていたわけですけれども、育児休業が3年とれるからといって、それで両立ができるかというとそうではなくて、やはり保育サービスの充実ということもかなり大きな要素だったのではないかということが言えるのではないかと思います。
次の13ページですが、今、御説明したことにも重なりますが、日本、フランス、スウェーデン、ドイツの4か国で女性の労働力率20代後半から30代後半までの割合と、それから、3歳未満児のうち、いわゆるその国で認可された保育サービスを利用する者の割合をとってみたところでございます。フランスが大体42%ぐらい、ドイツが14%ぐらいと、先ほど御説明申し上げましたが、スウェーデンではこの割合が計算いたしますと大体44%ぐらいになるということでございます。スウェーデンの特徴は、0歳児はほとんど保育所を利用せずに育児休業で対応しておられると。1歳児45%、2歳児87%というデータですので、恐らく1歳半を超えたぐらいのところから、ほとんどの方が今度は保育所を利用されるという形になっているというのが特徴だと思います。
我が国の場合はということで、同じように計算してみますと、この割合が20%ぐらいということになっております。
フランスもスウェーデンも、この有配偶の女性の労働力率が大体70%台~80%台ということで、このような労働力率を支える保育サービスの水準ということになりますと、認可された保育サービスを利用する者の割合でいいますと、大体40%ぐらいと、そういった相場観になるのかなということではないかと思います。
以上、資料1と2を御説明させていただきました。
○城政策企画官
 引き続きまして資料3の御説明をさせていただきます。
これは前回、委員、主査の方から、特に最近出生率を回復しているフランスについて、その制度を日本に持ってくるかどうかということは別として、どういった額、規模になっているかということをわかる形で試算できないかというお求めがございましたので、それに合わせてつくったものでございます。
1ページ目をごらんいただきたいと思います。先ほどのOECDのデータ等をもとにしまして、2003年のフランスの家族関係の支出、いわゆる社会保障関係の支出の中の家族の分でございますが、これの日本の人口規模に換算をしたものでございます。これは上の囲みにございますように、機械的に日本の人口に当てはめるということでございまして、それから、レートもございますが、これはございますように1ユーロ=149円というレートでやっているものでございます。
一番左に欄として項目がございますが、家族手当、出産・育児休業、保育・就学前教育という大きな主なもの、それとその他ということで分けて、それぞれフランスで幾ら使っているかというのがわかっておりますので、家族手当であれば、一番上にありますような、そういう数字でございますが、これを対象となるフランスの人口で割り戻しまして、3つ目の欄、「1人当たり家族関係社会支出」という(3)で1人当たりの金額を出しております。そしてこれを円換算したものを日本の同じような年齢の人口に掛けまして、最後の「家族関係社会支出(3)×(4)という欄の数字をはじき出しております。
これはどういうことになるかといいますと、フランスのその制度を丸ごと日本に持ってきて、状況は全く違いますけれども、同じような利用率があったとして、同じ金額の支給、もしくは同じようなサービスを同じ金額を掛けてやったという場合にどうなるかという機械的な試算でございます。これをごらんいただきますと、家族手当については、日本の人口規模に機械的に換算した場合には4兆円程度。出産・育児休業につきましては1.1兆円程度。保育・就学前教育、これは幼稚園も入ったものですが、これについては4.1兆円程度、その他について1.4兆円程度ということでございまして、合計、縦に足しますと10.6兆円程度ということであります。
参考までに、2003年のフランスと揃えて2003年の家族関係の社会支出の実績を一番右に載せております。家族手当については9,000億、出産・育児休業については6,000億弱、保育・就学前教育については1兆6,000億、その他については5,500億ということでございますが、ただ、このときには2003年でございますので、児童手当が最近拡充されておりますので、ちょっと現在と状況が違いますので、御参考までに一番上の家族手当のところにつきまして、平成19年の予算でどうなっているかということで1.6兆円程度になっている。7,000億ぐらい、このときの状況よりは全体として増えているだろうというようなことで載せてございます。
上の表の一番下の欄をごらんいただきますと、家族関係の社会支出計ということで、フランスについて、対GDP比3.02%ということでございます。日本は先ほどごらんいただきましたように0.75%であります。先ほどの換算した10.6兆円がどれぐらいの規模になるかということを見るために、下の参考指標として、日本とフランスの総人口、GDP、1人当たりのGDPの比較をしております。
日本のGDPは大体500兆ぐらいでございますので、それで見ていただきますと、2%ぐらいのものかなということになろうかと思います。あと、1人当たりGDPをごらんいただきましてわかりますように、このレートで換算いたしますと、1人当たりのGDP、経済力につきましては、大体フランスと日本同じぐらいの規模ということでございます。
次のページでございますが、先ほどの10.6兆円といいましても、その財源構成が少し異なっておりまして、そういった意味でフランスの家族政策を支える財源という表を用意いたしました。フランスにつきましては「社会保障拠出金」とCSG(一般社会拠出金)というものがございます。社会保障拠出金といいますのは、賃金の5.4%相当を事業主が拠出するというものでございまして、これが全体の半分以上を担っているということがございます。
一番下の歳入総計ということで475億ユーロございますが、これは先ほどのフランスの全体の中のほとんど一般国民を対象にしている部分の家族金庫で行っている制度の部分でございます。ほかに公務員分というものがございますが、これでおおむねカバーしているものでございます。このうちの大体277億ユーロ(58.3%)がこの社会保障拠出金でございまして、この中には自営業者等も入っておりますので、特に賃金労働者に対する事業主負担ということで、244億ユーロ、大体51%ぐらいになりますが、こういった財源があるということでございます。
それから、CSG(一般社会拠出金)、これは目的税でございまして、これは個人所得に対して1.1%分が充てられておりまして、これが97億ユーロ(20%ぐらい)。
その他、これが大体一般会計から出ている普通の税金から充てられているものということで101億ユーロ、合計して475億ユーロという状況でございます。
それから、3ページ目をごらんください。仮に先ほどの換算した10.6兆円という数字、日本人口規模に換算してありますが、これを将来に伸ばしてみたらどうなるかということをやってみたものでございます。これは年末に公表されました将来推計人口に基づきまして、20歳未満の人口で伸ばしてみたものでございます。実線のグラフが2本ございまして、下の方の線でごらんいただきますと、これがいわゆる中位推計でやったものでございまして、例えば2055年をごらんいただきますと、今、10.6兆円のものが2005年の価格に換算いたしまして4.5兆円まで下がると。仮に出生率が改善して、国民の希望が叶ってということで前御説明いたしましたが、試算をしましたが、その試算の一番高いケース、出生率が1.75まで回復するケース、これを「ケースI」と呼んでいますが、ケースIの場合であっても8.0兆円まで下がるとういことでございます。ですので、経済の一定規模の額をある程度確保しておきますと、将来それをさらに超えて増えるという性格のものではなくて、子どもの人口が相当減ってまいりますので、隙間ができるといいますか、減っていくというか、そういう状況になるだろうということを示したものでございます。
資料については、以上でございます。
○吉川主査
 どうもありがとうございました。
それではただいまの事務方からの御説明を踏まえて、我々委員の間で質疑を行いたいと思います。時間は十分にあるのですが、どなたからでも、どのような論点でもどうぞ。
○駒村委員
 資料について幾つかお尋ねさせてください。資料1の方の費用のこの中には、例えば保育・就学前教育、これはどういう費用が含まれているのか、人件費も含めて全部カバーされて、保育所やそういったものの人件費が含まれているかどうかという点。
 それから、イギリスについてはタックス・クレジットのようなものがカウントされているというお話でしたけど、他の国についてはどういう扱いになっているのかということ。税制上の優遇がどうなっているか。
 年金や社会保険の保険料に対する減免みたいなものについてはどうなっているか。このあたりを教えていただけますでしょうか。
○吉川主査
 それでは、御質問に対してすぐ答えていただいた方がみんな忘れないでいいと思いますので、具体的な御質問ですからお答えいただけますか、可能な限りで、よろしくお願いします。
○度山少子化対策企画室長
 この社会支出でとらえている範囲がどこまでかということでございます。まず1点目の保育サービスの人件費のようなものはすべて含まれております。
それから、2点目の租税支出の扱いでございますけれども、いわゆる税として徴収する部分から税額を減らすという形の部分につきましては、例えば日本の所得税制におきましても38万円の扶養控除があるわけですが、その類のものについてはここには入っておりません。イギリスのところで御説明いたしましたのは、イギリスの税額控除につきましては、いわゆる負の所得税のような形をとっておりますので、低所得者に対しては、これはむしろ税額を減らすというよりは給付をするという構成になって、その給付の部分が、これは歳出計上されて社会支出のデータの中にも入ってきているということでございます。
例えば有名なフランスのN 分N乗方式で税額が安くなる部分でございますとか、あるいはアメリカのようにチャイルド・タックス・クレジットという形で税額が減る部分につきましてはこの支出額の中には入ってきていないという整理になってございます。
3点目の年金や社会保険料の控除ということにつきましても、これはいわゆる政府の歳出ベースで押さえておりますので、歳入を控除するという形のものについてはここには入っていないというふうに御理解いただけますでしょうか。
○高橋委員
 資料2について3つほど質問があります。1つは有配偶の方の労働力率が日本は際立って低いということですけど、どうして低くなっているかということについて日本の有配偶の方は自分の意志で進んで低くなっているのか、それとも労働に参加する機会がなくて低くさせられているのか、その辺の分析みたいなものがあったのでしょうか。
 それから、8ページ以降で、通常の労働時間というのが書いているのですが、日本も確かに長いのですが、アメリカはそれにまして男性も女性も長い。一方で日本は労働時間が長いから、男性が特に子育てに参加できないのだと言われますが、アメリカの場合はどうして労働時間が長いにもかかわらず出生率が下がってないのかよくわかりません。そこのあたりはどうなっているか。
 3つ目は、保育が非常に大事だということで13ページに書いてあるのですが、日本は特に待機児童が非常に多い。保育所を作っても待機児童がどんどん増えるということで、保育が問題だと私も思うんですけど、例えばドイツとか、そういうところでは待機児童というような問題は指摘されていないのでしょうか。
 以上です。
○香取雇・児局総務課長
 まず1点目ですが、今の表で言いますと、資料2の2ページのところになるわけですが、前回にお示しをしたかもしれませんが、日本の場合、結婚をした後、特に子どもが生まれた段階で離職をされる方が全体の7割近くいらっしゃるというデータがあって、この例で言いますと、例えば25歳とか29歳で結婚をされますと、その段階でかなりの方が仕事をおやめになるということで、おやめになられた方は下のグループに入るということになりますので、逆にいえば、結婚をしなければそのままの上の方の数字ということですので、昔は結婚でやめたということで、最近は第1子でやめる方が多いということなのですが、そういった結婚・出産に伴って離職をされる方がかなりいらっしゃるというデータが別のところでありますので、この差はそれによって生まれていると。
 下の表で赤のグラフを見ていただくと、2005年の25-29の有配偶率がちょっと上がっていますので、若干最近結婚ではなく出産で離職をするということで、昔は寿だったのが、今は出産になりましたので、その意味では若いところで若干有配偶の出生率の回復が見られるということだと思います。
○度山少子化対策企画室長
 2点目のアメリカの出生率がということでございます。資料1の3ページ目のところにアメリカの家族政策について書いてございますが、小さな政府ということで知られますように、いわゆる公共政策としての家族政策はほとんどとられていないと申しますか、そのような形の国でございます。いろんなことが言われておりますが、労働市場で申しますと、大変フレキシビリティーが高いということ。これはいわゆる一旦離職した人が再就職するという意味のフレキシビリティーも高いですし、働く時間ということにつきましても、例えば随分朝早くから働いて昼過ぎには仕事をやめる方とか、あるいは逆に昼過ぎから夜遅くまで働く方とか、いわゆる働き方のフレキシビリティーが高いということと、もう一つは、働くからには子どもを預けるということになるわけですが、子どもを預けるいわゆる保育の民間市場が大変発達していると。それをアメリカの場合には、これも公共政策として、例えば保育料を助成したりとか、公が保育所をつくったりということはないわけでございますが、いわゆる保育費用を税から控除するという形で、民間サービスの保育サービスを基礎として、それを税によって調整するという形で、公の支出としてあらわれない形でやっているということで、比較的、他の国に比べて労働時間が長く、しかも家族政策に対してそんなにお金も割いていないのに出生率が高いということについては、そのような分析があるということを御紹介をさせていただきます。ただ、これが理由だという確たることはちょっと申し上げられませんが、そのようなことが言われておるということでございます。
 それから、3点目の、他国において待機児童の問題はないのかということでございますが、これはそんなことはなくて、日本のように何万人というデータを残念ながら見たことはございませんが、あると思います。特にドイツでも、西ドイツは先ほど御説明したように保育の整備数字が低うございますので、そういう意味で、本来利用したいのに利用できない方は多いだろうというふうに想像をいたします。
 フランスは大変充実をしておると申しましたが、例えばパリなんかではなかなかいい保育ママさんを見つけるのが難しいといったようなことをパリ在住の日本人の方がレポートを書いていたりしましたので、地域によってはそういった保育サービスをうまく見つけられないということの問題はやっぱりあるようでございます。
○吉川主査
 1つだけ交通整理させていただきますと、今のアメリカの例なんかでもそうですが、要するに出生率というのは、あるいは出生率を決める変数というのはたくさんあるわけですね。複雑な現象といいますか、そう簡単に出生率をぴたっと、すべてを説明できるわけにはいかない。我々にとって必要なものは部分的な影響がプラスであるかという、とりわけポリシーにかかわるような変数で、その変数が有意にポジティブな影響を与えているかどうか、それをアイデンティファイするというか、見きわめるのが1つの重要なこの委員会なんかではミッションだろうと思うんですね。アメリカについても、私も専門家でないですけれども、聞くところではエスニックグループとか出生率は随分違うというようなことも聞きますし、それぞれの国で、とにかく出生率については国固有の変数というのが当然あるのだろうと思うんですね。
 繰り返しですが、部分的な影響でいいのだろうと思うんです。x1ならx1という変数が、出生率を有意に上げる効果がある。また、このx1なるものが政策によって変えられるような変数であるということが見きわめられれば、そういう部分的なパーシャルなプラスの効果で十分我々にとっては有用なインフォメーションを得たということになるのではないかと思います。
いかがでしょうか。事務局から、どなたか御発言、よろしいですか。質問事項等もたくさんありますので、事務局の方も議論に加わっていただけたらと思います。
○香取雇・児局総務課長
 今のドイツの話ですが、申し上げたように、直接的に待機児童の数というのはないのですが、ドイツは待機児童がいるという話はドイツの担当者から話を聞いたことがあります。それを少し傍証するデータとしては、先ほどの資料2の一番最後のページの13ページを見ていただきますと、フランス、スウェーデンに比較してドイツは有配偶女性の労働力率は明らかに低いこと。それから、保育のサービス水準が、先ほど申し上げたように、旧西ドイツ地域では10%以下で、東ドイツ地域を足しても14%ぐらいしかないということ。
 それから、もう一つは、同じ資料2の6ページを見ていただきますと、ドイツは日本と同じで未婚女性と有配偶女性の20代、30代の労働力率にかなり大きな差があると。ということになりますと、恐らく日本と同じことで、結婚した後、就労を継続することが恐らく困難な状況にあるということが考えられる。
 もう一つは、資料1の9ページで、ドイツの家族政策の、先ほどレファレンスということで細かく御説明しませんでしたが、そこの右下の「2005~2007年保育・育児休業の充実」というところの3行目あたりを見ていただきますと、保育所の整備水準を20%に上げたいということを政策として持っているということで、明らかにこれは保育のサービスが不足しているという認識を政策当局は持っているということですので、基本的には、数字はちょっとないので申し上げられませんが、今の日本と同じような保育サービスについてはタイトな状況にあるということが推測できるのではないかと思います。
○吉川主査
 どうもありがとうございました。他にいかがでしょうか、土居委員。
○土居委員
 フランス、あとスウェーデンについては、特に婚外子が増えているということがこの出生率上昇に寄与しているというような話もあるわけですけれども、資料1、資料2で御説明いただいたところの中で、婚外子に対する政策というか、特別な配慮というもの、ないしは婚外子を差別しないという政策がどのようなところで効いているかというところを少しお伺いしたいと思うんですけれども、例えば資料1の2ページからの家族政策の概要の中で、どのあたりに政策として織り込まれているかということ。
資料2で労働力率があるわけですけれども、未婚、有配偶それぞれ分けているわけですが、恐らく婚外子を持っている女性ということになると未婚である可能性があるということは、このデータでは、私がそういうふうに認識しているわけですが、それが正しいのかどうかというところをお伺いしたいと思います。
○吉川主査
 いかがでしょうか。
○度山少子化対策企画室長
 いわゆる婚外子をどのように扱っているかということにつきまして、今日準備をした資料の中に直接的にそれに関わるものについては記述といいますか、資料はちょっと準備をしておりません。ただ、恐らく1980年代くらいかと思いますけれども、フランスもスウェーデンも法律婚以外のカップルから生まれてくる子どもの割合というものが高くなってきておりまして、たしか両国とも半数近くになってきていたというふうに思います。
 以前、別の会議の関係でお求めがあって調べたことがあるのですけれども、むしろある政策をとったから婚外子が増えたというよりは、実態として婚外子、いわゆる同居をしても法律婚にならないといいますか、届けを出さないという形がかなり増えてきて一般化して、それが不利益なことにならないようにということで、例えば俗に言います婚外子差別というものを廃止すると。あるいは婚姻の形態でも法律婚に準ずる形で、スウェーデンですと、サムボという、あるいはフランスですとパックスという市民連帯協約という制度が設けられておりますが、そのような制度が整備をされていったというふうに承知をしております。
 それから、資料2のデータで、未婚と有配偶ということでございますけれども、確かにそういったふうに考えますと、日本のようにきれいに未婚と有配偶、これは分けられないわけでございますが、このデータはEuro statのデータなんですが、それによれば、制度的な、例えばフランスのパックスのような形については有配偶の方に入れていると。それから、単なる同棲の方は未婚の方に分類されているということでございます。
○杉山委員
 質問ではなくて感想とか意見とかでも大丈夫ですか。
○吉川主査
 もちろん。
○杉山委員
 資料1の7ページ、8ページのあたり、フランス、スウェーデンの出生率の推移、日本が点線で出ているのですけれども、私も以前、昨年ですか、内閣府の少子化と男女共同参画の方でもこういったような分析の委員会に出席をさせていただいて、1985年あたりが1つポイントになっていて、その後フランスであったり、スウェーデンは出生率が日本と交差して、最初は日本の方が上回っていたのに、ここからフランスであったりスウェーデンであったりというところは上がっていくようなカーブになってくるのに、日本はただただずっと下がってみたいなところがあるのかなというふうに思うんですけれども、ただただ下がっていくのを黙って見ていたのですかというのが6ページのグラフで、このGDP比の比較を見て、別に割合をどうこうする必要もなくて、もう少し増やせばいいのではないですかということだと思うんですよね。それをどういうふうに財源を持ってこようかというような議論をすれば済むことなのかなという印象を受けました。
内閣府の議論のときにも、女性の就労であったり、働き方の問題というのはすごく議論になったのですけれども、いっとき女性が働くことによって若干出生率は下がるのですけれども、そこからまた政策とか社会環境を変えることによって回復に向かっていくと、そういう結果が出ていました。やはりそれは国の方針というか、共働きの家族形態を求めていくかどうするかというような、そういった大きな見通しみたいなことを決めて、共働きの国になるのだといって、やるかやらないかという部分がすごく大きいのではないのかしらという気がしています。
例えば日本の、資料1の13ページを見たりしても、出生率が下がってきた1990年ぐらいが多分1.57ショックだったと思うのですが、そこからしばらくは保育のお金がそんなに増えてないわけですね。ということは、このときは、仕事と家庭の両立に関して余り力を入れてきていなかったのではないかというような、そういう印象も持つわけです。
ちょっとデータとは関係ないのかもしれないのですけれども、どうしても子育ての意識みたいな部分というのが非常に大きく影響していて、3歳まではお母さんがおうちで子育てみたいなことをまるで常識のように思っている機運があると、どうしてもそこで自分のキャリアを失いたくないというふうに考えたりとか、共働きをするというのはとても大変なことなのだというふうに思ったりといって、産み控えたりするという傾向はあるだろうというふうに思うので、そこのあたりを、この国はどっちに向かっていくのだということを明確にあらわして、で、増やすということが必要なのではないのかなという気がしています。
以上です。
○西川委員(代理・飯島副知事)
 子育てに就学後の教育費が大変かかるというのは、子どもを持つ、持たないの、これは非常に大きなファクターだと思うのですが、家族関係社会支出には就学後の、例えば高校、大学の教育費が入ってないというのは少し違和感があるのですけど、その辺はいかがなんでしょうか。
○度山少子化対策企画室長
 OECDではいろんなデータベースをつくっているのですけれども、もう一つ、教育支出のデータベースというものがございまして、文部科学省さんなんかがそれからいろんなデータをつくられておられます。いわゆる公教育に対する支出のデータベースもございます。それも見たことがあるのですけれども、確かに日本は公教育の部分に関しても他国に比べてそう支出割合が高くなかったというふうに承知をしております。
就学前教育だけがちょっとここに入り込んできている理由は、先ほどちらっと申し上げましたが、日本の場合には幼稚園と保育所という2つの制度がきれいに分かれておるわけでございますが、スウェーデンではプレスクールということで、両方の施設が半ば一体化をしておるような現実がございます。フランスは3歳を超えると皆さんが幼稚園に行くというスタイルが、幼稚園というのがいいのか、保育学校というのがいいのかわかりませんが、スタイルですけれども、日本の幼稚園とはちょっと異なりまして、給食も出ますし、夕方ぐらいまでやっているというような形ですので、恐らくOECDの方で、そういった状態がある中で各国を比較するときには両方足して考えた方がいいだろうというふうに整理をされて、一番新しく公表されましたこの2007年のデータベースからはそのような形で分類をされているという状況でございます。
○吉川主査
 よろしいですか。
○西川委員(代理・飯島副知事)
 はい。
○駒村委員
 先ほどの一人親世帯に関することですが、フランスはよくわからないのですけど、スウェーデンについて、以前調査したことがあるのですけど、そのときは、日本のイメージしている一人親世帯とは全然違っていて、婚外子というイメージは、結婚する前に子どもが生まれている、あるいは同棲状態で生活がスタートする。2番目の子どもは、割とお父さんも一緒にいる状態で生まれてきているので、かなり婚姻概念というのでしょうか、それがかなり違うのではないかと思います。94年あるいは96年に、家族法か相続法が変わったときに、今、法律的に結婚しないと後で不利になりますよということが起きて、急にそのときに一緒に暮らしていた人が結婚したなんていうことがあったようなので、一人親世帯が増えているというよりは、結婚と出産のタイミングが日本と違うだけではないかと私は思います。
 あとは質問ですが、どう評価するかなんですけれども、経済状況との関係は、各国ともどう評価できるのか、出生率は、景気とか失業率との関係でかなり強い関係があって、これは各国ともその経験をしたのかどうかということ。それから、同じ給付、確かにドイツは他の国よりも少ないわけですけれども、そこそこ出しているんですけれども、ちょっとバランスが悪い感じがして、構成比としてはやや現金給付の方に偏っている感じもするんですね。要するにうまく組み合わせというのか、バランスみたいなものも政策的な効果に差が出てくるのかどうか。その辺、阿藤先生の方が専門かもしれませんけれども、わかっていれば教えていただけたらなと思います。
○香取雇・児局総務課長
 まず1点目ですが、これは駒村先生の御指摘のとおりではないかと思っていて、いわゆる婚外子とか同棲とか結婚の概念で言いますと、恐らくフランスとかスウェーデンの婚外というのは、法律的な届出をしていない結婚というふうに理解した方が恐らくよいのではないかと。日本の場合ですと、例えば同棲をしていたり、内縁関係であっても、多くの場合、子どもができた段階で、子どもの姓の問題とかいろいろありまして、かなりの方がその段階で婚姻届を出されますので、そこで結果的にも法律婚になりますが、諸外国ですと、法律上の届出をすることのメリットといいますか、ある意味ではあまりない。逆に言うと届出してない状態でも社会的な制度の利用がもちろんできますし、いろいろな手当ももらえるということなので、届出をすることにあまり意味がないというと語弊がありますが、あまりそういったインセンティブがわかない。あるいは社会的な規範としても届出をしていないことによって特段の差別がないということもあって、日本でいう婚外子のイメージよりは、届出をしていない結婚で子どもが生まれていると恐らく理解した方がよいのではないかと思います。
2点目は、経済との関係ですが、同じく資料1の8ページのスウェーデンのグラフを見ていただくとおわかりになるかと思うんですが、スウェーデンの場合、90年代に一遍出生率が2.13まで上がるのですが、その後、出生率が一旦下がります。これは下に書いてありますけれども、経済情勢が悪くなったということで就労環境も悪くなったということ。もちろん政府の歳出削減ということもありますけれども、働きながら子どもを育てているということに対する支援が多いということで、逆に言いますと、働いている状態で子どもを産むと非常に手当とかがいっぱい出るということで、働けない状態、お母さんが失業している、あるいは就労できない環境だと、例えば育児休業手当なんかは出ないことになりますので、むしろ就労していない時期は経済的にも厳しいということと、いろんなサービスが受けられないということで、むしろ出産調整をするというのがありまして、経済がよろしくない時期は、スウェーデンなんかの場合には出生率が逆に下がると、いわば産み控えるということが起こっていると。
あと、最近の日本、ここのところ実は出生率も婚姻も少し上がっていまして、いいんですけれども、これもちゃんとした分析はもちろんありませんが、一般的には経済情勢が大分改善してきたので、特に若年者の状態がよくなったということで、少しそれは婚姻なり出産にはプラスの影響があるのではないかということが一般的に言われております。
それから、現金、現物、サービスのバランスの話ですが、これはむしろこの分科会でどういうふうにそこを考えればいいかということを御議論いただきたいということなんですけれども、その関係で言いますと、一番最初の御質問とも関係しますが、資料1の6ページのところに、各国のGDP比の比較が出ておりまして、これにいわゆるtax expenditureがのっているか、のってないかというお話がございます。実はこれはベースが違うので、単純に足し算ができないということで積んではいないんですけれども、おおむね諸外国のいわゆる税制上の優遇措置をtax expenditureで換算しますと、GDP比でいくと0.5%から1%ぐらいの間に大体おさまります。
ベースが違うので比較できないのですが、ドイツに関しては、先ほど申し上げましたように、税制上の優遇措置がかなり大きくて約1%近くtax expenditureであるというふうに推計がされております。ちなみに日本の場合には大体0.5%内外ということなので、ある程度それぐらいの数字がのったもので見ていただければと思います。
○逢見委員
 非常に興味深いデータを示されて、しげしげと眺めて、いろいろ疑問もわくのですけど、興味持ったのは、スウェーデンについては、90年代に下がって、また回復すると。それが景気が回復することと、一旦削減した児童手当とか親保険給付を改善するという2つ、どっちだろうと、効果として、なかなか分析しきれないのかもしれないけど、もし仮に給付の削減とかというのは産み控えということに決定的に効くのであれば、こういう給付というのは非常に重要だということになるのだろうと思うんですが、そこはどういうふうに考えればいいのかということと、もう一つ、ドイツとフランスの家族政策の比較という表が資料2にありますけれども、ドイツが旧西ドイツと旧東ドイツで比べると、旧東ドイツの方はまだ保育サービスの施設はあったと。旧西ドイツが不足しているという問題が指摘されているのですけど、そうするとデータが90年以前は、旧西ドイツのデータですが、旧東ドイツの出生率はどうだったのかというのがちょっと疑問としてあるんですね。とれるのかどうかわかりませんけど、あまり違わないのですか。
○度山少子化対策企画室長
 まず1点目のスウェーデンの関係ですが、すみません、大変申し訳ありませんが、そこまでの分析を私は目にしたことがないのですが、これも伝聞した話ということで、こういった場でお話できるような話ではないのですけれども、資料1の8ページ目の右下の紫色のところなんですけれども、「厳しい雇用・経済情勢で出産時期を遅らせる傾向(特に就職難で学生生活を続けている女性)」と書きましたけれども、聞きました話では、就職が決まると子どもを産むと。これはもちろん経済給付ということもあるでしょうし、ある程度、将来の先の見通しを立ててから子どもを産むということが言われておりますので、もちろん経済給付のメリット、特にスウェーデンの親保険の場合には、現状で申しますと、従前所得の80%という高率でございます。これが仮に就職しておりませんと、最低保障額に下がってしまうということがございますので、もちろんそういったメリットもあるわけですが、それもありますけれども、それに加えてといいますか、ベースはむしろ、ちゃんとこれから働いて、生活の見通しが立つかどうかというところも大きいのではないか、両方ではないかと考えておるところでございます。
それから、旧東ドイツの出生率ですが、すみません、今、手元に持っておりませんが、データとしてはございます。これも同じく資料の9ページ目でございますが、91年以降、旧東ドイツも含めた全ドイツのデータになってきておりますけれども、東西統合など、特に旧共産圏では非常に国営企業が倒産をしたりしてかなり経済混乱がございまして、この時期に旧東ドイツ地域の出生率は1を割ったということがございます。最近は落ちついてきて、そこのところも回復をしてきて、全ドイツでも1.3という数字になっておりますが、一時期1.24まで落ちたのは、特に旧東ドイツが落ちたということがございます。こういったことも、いわゆる経済的な要因というものが出生というものにちょっと影響するということも1つの証左ではないかというふうに思います。
すみません、直接のお答えにはならないかもしれませんが。
○吉川主査
 1点、スウェーデンの件で確認ですが、今日いただいたこの資料をつくられるときに、スウェーデンについては、スウェーデンの何らかの報告書は一応見られて、それで90年代の出生率の低下は、経済の状況と給付などの削減、そうしたものが両方とも効いているということは言っているわけでしょう。どちらがどれだけの寄与をしているかというところまではわかってないけれども、例えば失業率が上がるとか、そういうような意味での経済情勢の悪化ということも、これも直接的な給付の削減とかというのと並んで、スウェーデンの報告書やなんかではよく挙げられていると、そういう理解でよろしいですか。
○度山少子化対策企画室長
 そういう趣旨でございます。
○吉川主査
 そういうことですね。ちなみにスウェーデンは、90年代に金融危機というんですか、不良債権の問題で大変苦しんで、日本の不良債権処理のときにもスウェーデンの経験というのが全く別のコンテキストでしばしば挙げられていったわけで、非常に厳しい経済情勢ですね。
○阿藤委員
 今のスウェーデンの例で一番きれいに出てくるのですけど、そういう経済要因、それから、政策要因を語る場合にというか、あるいは一緒にという意味ですけれども、出生率、特に合計特殊出生率が先進国全般で、一種のポストポーメント、先送り傾向があったんですね。これが一般にずっと進んできて、そのときにどこの国でもほとんど20代の出生率がずっと下がってくるんですね。それは日本やイタリアのような低い国でも、スウェーデンやフランスのように高い国でも全く同じ経験をしているんですね。一番違うのは30代で、それを取り戻したかどうかというキャッチアップというんですけれども、それがあるかないか、日本やイタリアはほとんどない。オランダも含めて割に上がった国というのは、ほとんどキャッチアップをしていると。どの程度するかは別ですけれども。
 スウェーデンの場合、よく言われているのが、70年代に落ちてきて、政策強化で、例えば上がったと。特に90年の頭ぐらいまでに一挙に上がったのは、ここにも書いてありますけれども、2年半以内に子ども2人目を産んだら、従前の給付と同じぐらい得られるという、そういう政策がスピードプレミアムになって、次々と2人目を産んだという議論があるんですね。
 実はどこの国でもおおむねコーホートの出生率、あるいは夫婦が望む、一人ひとりが望む子どもの数は大体2人ぐらいで変わってないわけですね。そうすると、例えばこういう時期に、90年ごろに一挙に産んでしまうと一種のエアポケットに落っこって、つまり年齢の若い人も30代の人も両方産んでしまうと。そうすると次に産む人はいなくなってしまう、極端にいえば。そういうことで非常にタイミングの変化によって全体の出生率が物すごく動くという、そういうことも一方であるわけです。そうすると、これまた95年で下がって、また、2005年で上がっているというのも、そういう一種のタイミングをずらして、結局コーホートとしては、多くの人は2人産もうとしているという、非常にドライにいえば、デモグラフィックな要因というものが非常に強く働いているのではないかと。
 もちろんそれに対して、一旦落っこった分が上がっていくというときに、経済の状況とか、あるいは政策がうまく働くということは多分あると思うんですけれども、そういう人口学的なものがベースにあるということは知っておいた方がいいのではないかと思うんですね。
○吉川主査
 いかがでしょうか、土居委員。
○土居委員
 今、阿藤委員の話を聞いて少し思ったことといいましょうか、もし可能ならば事務局にそういう資料を出していただければと思ったことがありまして、それはまさに、女性が生涯で何人子どもを産んだかという分布といいましょうか、特に日本ではそもそも一人も生まないという女性から、一人、二人、三人、それ以上ということは当然あり得るわけですが、一人も産むつもりもなかったけれども、何かきっかけがあって第1子をもうけようと思うというところと、それから、一人でいいかなと思っていたのだけれども、何らかのきっかけで第2子をもうけるということになったということとは、そのあたりは少なくとも非常に重要な影響を与えているのではないかと。
 前回の会議でも、私はまずは最初に子をもうけようと思う人と、既に子を持っていて、さらに追加的にもう一人子を産もうと思う人に対する政策はある程度分けて考えた方がいいのではないかと申し上げたわけですけれども、そのようなあたりについて、もし可能ならば、そういう資料を出していただければと。もし可能ならば、さらにぜいたくな要求かもしれませんが、比較可能な国があれば、諸外国でどういう分布になっているかと。
 日本が他国と比べて顕著に違うところがあれば、そこがある意味でてこ入れする必要があるところではないかと。特に少し前に、少し前というか、大分前からもしれませんが、ディンクス、ダブルインカム・ノーキッズという言葉が日本で風靡したように、ある世代ではノーキッズが、ある意味でよいというふうに思った人が多いという現象があるわけで、日本では。そういう意味では、そういうものが、当然ながら、先ほど来、議論になっているように、日本の出生率の低下が下げどまらない、特に80年代から下がり始めているというところの最初のフェーズのあたりに効いているとも思うわけでありまして、カップルの間で何人子どもをもうけるかということが、どのような分布になっているかというのがわかれば、出生率を、もちろんそれ自体を直接動かすというわけではないにしても、どういうところにてこ入れをすればいいかというのがある程度わかるのではないかと思います。
○吉川主査
 事務局の方で今の件で発言ありますか。
○佐藤社会保障担当参事官室長補佐
 女性が生涯に産む子どもの数といいますと、これを確定するのが結構大分たってからということになりますので、どのようにデータをとるかというのはあるかと思いますけれども、どういったものをとるか、検討してみたいと思います。
○土居委員
 産み終えるまでカウントすると相当難しいということであれば、第1子や第2子の出産の平均年齢、そういうのでも構わないと思います。
○杉山委員
 事務局に質問なんですけれども、資料3のところの2ページに「フランスの家族政策を支える財源」ということで出ていて、以前どこかで見たような気もするのですが、日本の家族政策を支える財源の内訳みたいなものというのは、今日の資料にはないんですね。また、次回でも、わかるのであれば、どういう内訳になっているかなどを教えていただきたい。
○香取雇・児局総務課長
 それは既存の資料がございますので御用意しますが、ざっくり申し上げると、日本は基本的には公費(税金)で、国・地方の財源でやっていると。いわゆる企業や個人の拠出の財源が入っているのは、この表でいうと、育児休業給付、これは雇用保険のお金ですので、一部国庫負担も入っておりますが、労使の財源と。児童手当については、0~3歳のところについては企業の拠出が入っておりますので、金融拠出も入っているということですが、それ以外は労使の財源と。
 諸外国で言いますと、フランスとスウェーデンはそれぞれ企業拠出やフランスにありますように、労使の拠出が入っておりますけれども、それ以外の国は基本的には公費が出てきているということになります。財務構成を調べたものは既存の資料ございますので、次回にお届けいたします。
○高橋委員
 こういう見方をしていいのかどうかをお聞きしたいのですけど、資料2の2ページに、有配偶の人の労働力率が書いてあって、85年と95年は緑と青だと思うんですけど、これは全く25-29歳のところは上がってない。先ほど香取さんも言ったように、2005年になると、約10%ぐらい上がってきているということです。一方で、資料1の13ページを見ると、日本の保育にかけるお金が出ていて、85年と95年はほとんど変わってない。一方で、97年からかなり大きく膨らんできているということで、これは保育の効果があって、労働力率が上がったと見るのは早計なのかどうかということが1つ。
 もう一つ、保育について非常にニーズが強いということはお聞きしていまして、特に0歳児、資料2の13ページ、保育のところを見ると、0歳児が7%しかありません。1歳児22%、2歳児29%、に比べて0歳児について需要が多くて、待機児童解消のために保育の供給を増やしても、ニーズが大きいので、実際に待機児童が余り解消してこないという話も聞いています。それだけニーズがあるということは、皆さんお母さんがそれを望んでいるということなので、ここをどんどん増やしていけばひょっとしたら労働力率が上がっていくのではないかと見ているのですが、それはそういうふうに単純に考えちゃいけないのでしょうか。
 3つ目は、よくある要望に、延長保育とか、休日保育もやらせてくれという意見があって、そういう意見もわからないでもないのですが、一方で延長保育とか、休日保育を認めると、長時間労働を助長して、必ずしもよくないという気もしますので、保育を整備するに当たって、その辺はどういうふうに考えているのか、行政として何か考えがあればお教えていただければと思います。
○香取雇・児局総務課長
 基本的には高橋委員の御指摘のとおりだと思っておりますが、さまざまな諸外国のデータを見ても、これは既にこの分科会でも御説明していますが、社会全体の労働力需給という観点から見ても、できるだけ労働力率を上げていって確保していくことが社会的な要請でもありますし、個々人のライフスタイルから考えても就労を継続すると、あるいは結婚しても仕事を続けたいと考えておられる方はかなり多いということがございますので、それとの関係で言いますと、仕事をすることと家庭生活を両立させるための1つの社会的なサービスとして非常に大きいものが保育のサービスですので、当然保育所を増やしても待機児童が減らないというのは、逆にいえば保育所があれば仕事を続けたいと思っておられる方がかなり多いということに潜在需要があるということですので、基本的には保育サービスを充実していくということは、女性の有配偶者の労働力率を上げていくということにつながるということだと思っております。
もう一つは、特に0歳児ぐらいですと、仕事を中断して子育てをすると、育児休業、その間の所得保障をするということで育児休業給付をどのように考えるかということもございまして、基本的には保育ともう一つは育児休業、そういうものを含めた就労の継続あるいは両立支援。もちろんベースには、御指摘のように長時間労働の問題ございまして、家庭における子育てを男女ともに支援をしていく、あるいは女性自身の就労でも、いわゆる男性並みといいますか、いうところの男性の長時間労働を女性がするという前提で考えますと、仮に保育のサービスがあってもかなり肉体的にも厳しいということで、長時間労働とのことで言いますと、延長とか夜間保育が多ければいいという議論にはならないという議論ももちろんあります。
ただ、他方で、働き方が多様化をしていますので、それこそ都市部ですと夜働いておられる方もかなり多いと。あるいは夜勤とか3交替とかという働き方もありますので、そういう意味でいうと、休日働かれる方もいるということで言うと、月~金曜、9~5時だけで対応できるかというと、その意味では働き方がさまざまあるということに合わせた保育のサービスの形というのは恐らく必要になるだろう。
もう一つ、日本とフランスの比較で言いますと、日本は保育所の施設保育といいますか、いわゆる集団保育の形がほとんどなわけですが、フランスの特徴として、先ほど御説明したように、在宅の保育といいますか、保育ママであるとか、日本でいうファミリーサポートセンターのような、ああいう形のサービスでの保育、こちらの方がある意味では非常に柔軟性が高いし、家庭的な保育に近いということで、そういったさまざまな形の保育サービスがあって、それを柔軟に利用できるという形があるということで、一種そういうサービスの多様性というか、利用のしやすさみたいなことも、これは質的な問題、量というより質の問題になりますが、そういった問題もあるのではないかということになろうと。
別に分析したわけではないのですけれども、一応有配偶の労働力率は上がっているというのは、厚生労働省的には保育で頑張ったので、それなりにいい数字が出たと考えたいというふうに思っております。
○吉川主査
 さらに検討を要するということですが、私もちょっと司会を仰せつかっているのですが、感想のようなものを述べさせていただきますと、2つくらいあるのですが、今の高橋委員の御質問、先ほど既に駒村委員と事務局の間のやりとりもあったわけですが、子育て支援といっても、大きく分けるとお金で応援すると。現金給付のようなもの、お金で応援する。それから、保育所を充実させるというよな現物給付というのですか、現物の保育サービスのようなものが典型かもしれませんが、そうした形でインカインドで応援する。大きく分けて2つにあるわけですけれども、私の印象はフランスとドイツの比較等を通じて見ると、政策が効果を持つためには、お金で応援するだけでは限界があるのではないか。やはり保育サービスの充実のようなインカインドの支援を充実させる。それと合わせて効果が出てくるのではないか、そういうような印象を私は持ちました。
 偶然、今週フランスの財務省のお役人さんが訪ねて来られて、全く別件で会っていたのですが、ちょうどいいと思って、もちろん専門家ではないですが、財務省ですからあれですが、フランスの子育て支援の話を出して、今のような論点を質問してみたら、フランスでも当然そういうような認識を持っているから、お金だけではなくて、保育サービスのようなものを充実させると。両方でこの問題を考えていくのだと。お金とインカインドと、両面作戦で考えるというのがフランスの常識、あるいは共通の理解だと、こういうようなお話でした。
 それから、もう一つは全く別ですが、資料3の1ページ、資料1の5ページ、これを見ていたわけですが、資料3の方は、前回、我々の委員の方から、事務方にこういうことをやっていただけないかというリクエストをして、それに正面からお答えいただいたと思っています。もちろん我々の委員会として、フランスの制度がベストであって、それをそっくりそのまま日本に移入するのが今の段階ではそれがいいのだというような考えを持っているわけではないのですが、1つの頭の体操としてこういうことをやってみようと。フランスの制度はなかなか優れたパフォーマンスを上げているようだから、フランスの制度をもし日本に移すとしたら、一体どれくらいお金がかかるものなんだろうか。これは前回リクエストして、その答えが10兆6,000億という形ではっきりとした答えを出していただいたわけですね。現状が3兆6,000億ですか、単純に考えますとギャップが7兆あるということなので、そうした財源をどういうふうに考えるか、いろいろこれから問題になっていくのだろうと思うんですね。
資料1の方に戻りますと、5ページ、日本の社会支出全体の対GDP比が18.6%ですから、これの100分の1というのは、つまりは社会支出の1%を対GDP比で見ますと、0.186%ですから、0.2%、約5分の1%、ちょうど日本のGDP500兆ですから、1兆円に相当するということで、それで、この5ページの真ん中のグラフを見ますと、日本では社会支出のうち、いわゆる家族政策に向けている比率が、フランスとかスウェーデンに比べると低いという先ほども御説明があって、日本では約4%。しかしフランスとかスウェーデンだと10%超くらいだと。このギャップが6%ですから、先ほどのGDP比1%が1兆円くらいのあれだとすると、仮にですが、日本の社会支出のトータルは変えないとして、配分を変えるということで、日本の社会支出の中で家族を応援すると、そういう方向へ使うシェアを仮にフランス、スウェーデン並みに上げると。つまり10%という、内訳を変えるという意味ですが、そうすると大体6兆円くらいということで、先ほどのギャップが7兆ということですから、そのくらいのものなのかと。もちろん私が今こう申し上げているのは、それをやるべきだと申し上げているのではなくて、そもそもフランスの政策を日本に持ってきたらと、これも1つの頭の体操として、我々考えているわけですけれども、10兆6,000億円くらいで、それに対する現状とのギャップが7兆くらいで、また、日本では社会支出の中で家族を応援するというシェアがフランス、スウェーデンなどに比べると相当低いと。
これは去年とか一昨年あたりでも社会保障全体を考えるときに時々出ていた論点だろうと思うんですね、年金の改革あるいは医療保険等の改革をするときにも時々頭を出していた論点だと思うんですが、パーセントと同時に実額でも何兆円というようなことでも、いろいろ考えていかなければいけないのだろうと思いますが、そんなような感想を持ちました。
すみません、他の委員の方々の御発言を、阿藤委員、駒村委員。
○阿藤委員
 私も今日いただいた国際比較のデータ、大変よくできていると思うんですね。そこから、この委員会にとって、どういうサゼスチョンが得られるかということをちょっと申し上げようと思ったら、主査に先に指摘されてしまったということもあるのですが、しかし3つぐらいあると思うんですね。
 1つは、アメリカとヨーロッパの比較という意味では、市場対応と家族政策対応といいますか、これが非常に際立って違うわけですね。お金は使わないで、むしろ保育市場とか労働市場のフレキシビリティー、あるいは供給に頼るといいますか、それを待つと、そういうアメリカ型と、積極的に政府が介入していくというヨーロッパ型、日本はどの辺をとるのかということが1つあります。アメリカ型であればそれほどお金がかからないと。しかし日本の場合、なかなかアメリカのようなマーケットメカニズムが十分に働くということも考えにくいので、そこはヨーロッパ型にもっとシフトするのかなと個人的には思っております。しかし、それが1つの議論だと思います。
 2番目の議論は、仮にそういう家族政策を重視する場合に、先ほど主査はインカインドとインキャッシュということで区別されましたが、中身としては、仕事と子育ての両立支援ということと、子育ての経済支援と、今、この2つに例えば分けられる。そうしますと、今日の資料からいろいろ出てくるのは、スウェーデンは圧倒的に両立支援にシフトしていると。フランスとドイツの比較で言いますと、ドイツは伝統的に経済支援が非常に強かったと。実際に出生率は低かったということで、ドイツとスウェーデンの比較でいえば、ドイツ型ではなかなかうまくいかないのではないかというサゼスチョンが得られる。それから、ドイツ、フランスの比較でも、フランスの方がキャッシュのみならず両立支援、保育の支援が強いということでうまくいったのかなと。
 同時にフランスも、かつては現金給付中心だったものが、近年になって両立支援に非常に力を入れてきているという政策転換が明らかにあるんですね。そういう意味では、このフランスの両立支援を強めているという点は我々学ぶべき点が多いと思います。
 それから、ドイツについても、ドイツの専門家がつい最近行って帰ってきて、ちょうどここのデータにあるようなことを話していましたが、本当につい最近になってドイツも政策転換をしつつあるのだと。それはやはり経済支援から両立支援に移りつつあるといいますか、それを強化しつつあるということです。そういう幾つかの比較と各国のトレンドを見ると、どちらかというと、仕事と子育ての両立支援ということがこの政策のキーポイントではないかと思います。
ただ、子育ての経済支援を全くやっていない国はありません。両方やりながら、しかし、女性の就労・社会進出ということを踏まえて両立支援にかなり強く力を入れていくべきではないかということがあると思います。
第3点は、今お話のあったような、どちらかに力を入れるかどうかではなくて、むしろ全体水準というものが、どれだけお金をかけるかという点がやはり重要で、その点では日本とスウェーデン、フランスの比較という点では、日本はまだまだだなと。ただ、ドイツのようにお金をかけていても、少し方向が違うとなかなか出生率にはつながらないというふうな教訓が得られるのではないかというふうに思った次第です。
○吉川主査
 どうもありがとうございました。今の阿藤委員の、事務方からお答えいただくというよりは、我々の基本的な理解の1つということでよろしいのだろうと思んですが、駒村委員、それから土居委員。
○駒村委員
 資料1の13ページを見ると、この10年間で金額的には倍まで増やして、GDPのわずか0.75という、とんでもなく低い状態であるわけですね。今後増やしていくということで、今まで主査からも、阿藤先生からもお話があったように、財源政策や政策の最適なコンビネーションを考えていかなければならないのだろうと思います。資料については、また次回か、もし現在答えていただければ助かるのですけれども、先ほど保育政策の充実の話の影響についてお聞きしながら、どうなっているのかなというのを教えていただきたい。
 1つは、この労働力率、就業率について、これは非常に技術的に細かいことなので確認なのですけれども、就業率については、育休の人の扱いというのは、各国とも調整されているから、これは大変少ない変化なのでそんなに影響ないと思います。
 それから、もう一つは、資料2の2ページのこれなんですけれども、これは未婚と有配偶のみで分けているのですけれども、保育所充実が果たす効果があったかどうかというのは、例えば最年少の子どもが、例えば6歳とか2~3歳未満の子どもを持っている人がどう変わったかというのがよりダイレクトだと思うんです。その辺、もし可能であれば、諸外国と比較して、非常に差があるのか、いや、そこについては差がないのか、そこのところはもしわかればと思います。
 以上です。
○吉川主査
 それでは土居委員から続いてお願いします。
○土居委員
 今日の配布していただいた資料で大変いろいろ勉強させていただいて、いろいろ示唆に富むものがあったと思います。私は3点ほどコメントをこれから申し上げたいと思いますけれども、資料3で、フランスの家族政策に関してのより具体的な数値を伴ったイメージで我が国に引き当てながら議論できる素材ができたと思います。ただ、フランスの社会経済構造からすると、資料1にもあるように、家族政策は非常に充実しているというところとともに、もう一つは、フランスの労働規制、労働者の保護というものが手厚いということが重なっていると。それが結局フランスの国民負担率6割を超えると、スウェーデンでも同様ですけれども、それぐらいの国民負担を伴っているということがパラレルになっているということは注意深く見なければならないのではないか。
 つまり、我が国が、さらに家族支出をより手厚くするということになると、フランスのように目指すということであるならば、当然のことながら、このような現状の低い税率でおさまるわけではないと。つまりフランスのように、もし労働規制もそれほど緩めずに、かつ家族政策も充実させようということであれば、高い負担を伴うのだということを理解していただかなければならないだろうと思います。なかなか日本国民はそこまで高い負担を望んでいないと。増税をそれほど渇望しているわけでもないということになれば、当然のことながら、より少ない負担で効果的な政策を考えていかざるを得ないということになろうかと思います。そういう意味では、今日の資料はいろいろ考えさせられるものがあったと思います。
 より効果的な政策ということで、私自身今回の資料を見て改めて感じたのは、各国それぞれ家族観、労働観があって、その上に結婚・出産というところが形づくられているというところを改めて感じた次第ですが、もう少し別の言い方で要約すれば、やはり出産・育児には適度なお金と時間が必要だということなんだと思います。フランスはほどほどに所得もありながら、それでいて労働力率も高くて、労働時間も低く抑えられているがゆえに、それなりの所得も得ながら育児・出産のための時間を十分に充てられるというような状況はやはりあると思います。
 先ほど来、議論が出ているように、現金給付なのか現物給付なのかという話も、適度なお金と時間という話と平仄を合わせる形で考えていく必要があるのではないかなと。つまり、特に日本の今の子育て世代は、確かに長時間労働を強いられている人にはそれなりの所得があるのだけれども、家族のために割く時間がないと。逆に余り働けない、いわゆるフリーターとか、そういうような形で不十分な労働しかできないと思っている人たちはなかなか結婚ができなくてと、お金がないというような状況があるわけで、そういう意味では、お金が必要なところには現金給付で対応するということは必要だと。特に流動性制約にかかっている人たちに対して現金給付というのは重要だろう。
 ただ、お金をあげればそれでいいというわけではないというのはもう片方の長時間労働を強いられているというか、結局日本ではヨーロッパほどワークシェアができていないということがあるがゆえに、より低い労働力率とより長い労働時間の人が構成比で多いという組み合わせになっているところがあると思います。そういう人たちに対しては、育児サービスとか、現物給付で対応するという連関があるのだろう。ただ、現物給付だけで済むものでもなくて、労働市場、育児市場に対する制度改正も併せて行っていかなければいけないと思うわけであります。
 最後に財源の話をさせていただきたいのですが、ある程度広く国民に負担をお願いしなければならないという局面が今後来ると思うのですが、どれほど出産・育児のためなら負担してもいいというふうに多くの国民が思うかという合意形成は不可欠だろうと思います。さらに追加的な財源を求めるというときになると、いや、もうちょっと高齢者のために給付を充ててくれという声も出てきたりするかもしれないので、ある意味で分捕り合いということが起こるかもしれない。そのためには、出産・育児のためにどうして必要なのかということを説得的に説明することが求められると思います。
 それから最後に、ちょっとつまらない指摘になるのですが、資料3の2ページに書いてあるところで、社会保障拠出金の説明なんですけれども、先ほど事務局の口頭での説明は、まさに正しくお話になられたと思うんですが、文面上の文言では、事業主が負担していると書いてあります。事業主が全て負担しているということは経済学的には実は正しくなくて、必ずしも事業主という主体が負担しているかどうかはわからない。労働者はひょっとしたら手取りの賃金をそれほど増やしてもらえないという形で潜在的に負担を強いられているかもしれないという可能性もあるわけで、これは法人税の転嫁と帰着という話と全く同じ話なわけですけれども、そういう意味では、事業主に負担を求めるという、ある意味で納税義務というか、拠出義務を課すという形の財源ということは、行政の手法としてはあり得るとは思いますけれども、それが一体実質的には誰の負担になっているかということも多少見据えながら議論する必要はあるのではないかと思います。
 以上です。
○高橋委員
 土居先生から鋭く指摘していただきましたが、私も資料3の2ページを見て、正直言って、これだけ事業主が負担して、フランスの企業は不満がないのかということを率直に思いました。幾つか聞いたところ、これが不満がないのです。不満がないのはいろんな理由があるのですけど、そもそもこの家族手当の起源がかなり前にあって、19世紀にアルメルという方が、自分の工場で働く扶養家族のいる低所得者に所得を保障する基金を創設したということから始まったようです。1918年にグルノーブルの製鉄所の経営者が同じようなことを、企業間協定で家族手当保障金庫をつくりました。その後、フランス全体に家族手当が普及していきました。その結果、義務化して、政府もだんだんお金出してきています。
今、不満がないというのは、1つは5.4%はむしろ下がっているらしいのです。当初12%が入って、それをだんだん下げてきたということで、フランスの企業はむしろ負担が減ってきているというような印象があるのかもしれません。
それから、もう一つは、フランスの人件費は非常に高い。その他、社会保障負担も高いものだから、こんなのは大した負担ではないということで、それほどの不満もなく、国際競争力上も大して影響もないというようなことを聞いています。
もう一つ、これは日本から見ると、日本の家族扶養手当と一体どこが違うのかがよくわからない。フランスにもそういう家族扶養手当もあるようですが、ない企業もあるということを聞いていると、日本の家族扶養手当と一体どこが違っているのかなという気がします。厚生労働省の2005年調査で、日本の企業の71%が家族手当を持っています。配偶者手当が1万5,000円ぐらいで扶養家族手当が1人5,000円ぐらいです。家族4人で合わせると2万5,000円ぐらいになります。これと児童手当を合算すると、結構子どもにはお金が払われているのではないかなと思います。一方で企業が最近手当を縮減し始めていまして、こういう属人的な手当は見直そうということで、そのときのアンケートでも、縮小廃止したいという企業は17.7%。基本は配偶者手当を廃止するということです。奥さんに対する配偶者手当を廃止して子育てを応援するということで幾つかの優良企業ではファミリーフレンドリーファンドとか、次世代育成手当とか、そういう形で子育て優遇に企業の方も大分シフトしているということは言えると思います。
一言、去年の通常国会で、中野副大臣が日本の児童手当は少ないのではないかという質問に対して、「生活給的な企業の年功序列賃金や家族手当の有無、扶養控除などの税制等を考えて全体として検討すべきであって、児童手当だけを単純に比較することは難しい」と答えられているので、私も同じ意見です。
○杉山委員
 事務局に次回で構わないのですが、資料のお願いなのですけれども、先ほど来、現物給付をちょっと注目していきましょうという御議論もあったかと思うんですけれども、例えばフランスと日本でいいかと思うのですが、保育サービスの中でも、フランスの場合ですと集団託児所、ファミリー保育所、認定保育ママなどいろいろあると。特に幅広い選択ができるというのが1つフランスの特徴になっていたと思うんですが、であるならば、保育以外の現物給付もぜひ見てほしいのですが、どういうメニューがあって、どういう配分になっているのか、どれぐらいお金が分配されているのか、日本はどうなのかというところを数字で出していただけるとありがたいかなと思います。できる範囲で結構です。よろしくお願いします。
○西川委員(代理・飯島副知事)
 フランスの家族政策につきまして、恐らく地方政府の役割は大きいと思います。これからフランスの家族政策の適用の検討に当たりまして、ぜひとも地方の財政の在り方についても十分御配慮いただきたいと思います。
○逢見委員
 今日出された資料、非常に有益なものでして、今後も議論する上でも非常に参考になると思います。私も幾つかコメントをしたいと思うんですが、国際比較すると、明らかに日本が家族分野への社会支出が低いことは歴然としているわけであって、これの比率を全体として増やしていく必要は緊急性があってやっていく必要があるだろう。ただ、これが将来的にどんどん伸びていくかというと、資料3の最後のページにあるように、人口規模換算等のシミュレーションをやっていくと、決してどんどん増えていくものではない。そういう認識のもとに、思い切って、ある時期増やすという政策判断があってもいいじゃないか。
 負担はどうするのかということなんですが、これもすべてが一般財源に頼る必要はないのだろうと。これはフランスの資料3の2ページにあるように、事業主拠出に頼る部分もあるわけであって、イコール増税ということではないのだろうと思います。
 あと、今まで企業が家族手当などを出してきたという部分がありますが、これは大企業と中小企業と非常に格差があって、企業自らの福利厚生施策に依存するというのは余り効果が上がらないのではないか。前回、私が申しましたように、中小企業に働いている普通の人でも安心して子どもが産み育てられるような社会をつくらなければいけない。そうすると、公共サービスの役割は非常に大きいと思いますので、そういう施策を志向すべきです。
 もう一つ、有配偶の女性の就業率が低いというデータがあります。ドイツの経験にも学ぶとすれば、保育サービスということを充実させることによって、有配偶の人が働きながら子育てができるという政策を目指す必要があるのではないかと思います。
 それから、労働時間についても、子育て世代の労働時間が国際的に見ても明らかに長いという問題があって、こうした働き方の仕組み、これはここの分科会のテーマではないのかもしれませんけれども、労働時間の問題も併せて入れていかないと、現金給付あるいはサービス、施設を充実しただけではなかなか効果が上がらない。この労働時間問題もセットにした政策ということが必要なのではないかと思います。
○吉川主査
 どうもありがとうございました。それでは、ほぼ時間になりましたので、本日の質疑はこれまでとさせていただきたいのですが、駒村委員、どうぞ。
○駒村委員
 1点だけ。今、土居先生のおっしゃった点、まさにそのとおり、負担に関する合意というのはまさに分捕り合戦になってしまうので、議論の切り口としては、給付負担の関係性というのですか、透明性みたいなものも、財源の在り方も議論しなければならないと思います。
 それから、先ほど企業内福祉の話があって、前回も企業内福祉がどうなっているのだというお話したのですけれども、客観的に年功生活給的な、企業内福祉がどうなっているのかというのは、データで規模間格差もどうなっているのか、これは確かに児童手当との補完関係があると思いますので、事務方に用意していただければと思います。
○吉川主査
 活発な御議論ありがとうございました。 最後に事務局から、よろしくお願いいたします。
○薄井政策統括官
 今日は大変遅い時間まで御議論いただきまして、誠にありがとうございます。資料も幾つか今日御要請ございましたので、できる限り整理をさせていただきたいと思います。
 委員の皆さんから御発言ありましたように、今日はいろんな給付、現金給付なり、あるいは現物給付と、こういったものを中心に整理をさせていただきましたけれども、こういうふうな給付と併せまして、働き方とか意識の問題、こういうふうなところを組み合わせて、どのようなことがベストミックスといえるかどうかわかりませんけれども、いいのか、有効なのか、こういうことを引き続き御議論いただけたらと思っているところでございます。今日出ました御意見も含めまして、事務局で論点として整理した上で、次回の会合には中間的な取りまとめの議論の材料というふうなことでお示しをさせていただきたいと思っております。
 今日、もし御発言ができなかったとか、あるいは追加してこういうことがあるのではないかというお気づきの点があれば、今月の20日ごろぐらいまでに事務局の方にメールなり、あるいはペーパーでも結構でございますので、お示しをいただければ、それも踏まえて整理をさせていただきたいと思っております。委員の皆様方におかれましては、今後ともそういうことで御支援のほどよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それから、次回の開催の日程でございますけれども、一応5月の中旬ぐらいということで考えておりますが、改めて事務局の方で、皆様方の御日程を調整させていただきまして御連絡をさせていただきたいと思います。
 本日はどうもありがとうございました。
○吉川主査
 では、これで閉会します