第1回「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議「地域・家族の再生分科会」議事要旨

平成19年3月13日(火)
15:00~17:00
ホテルフロラシオン青山
(1階)はごろも

議事次第

  • ○ 開会
  • ○ 松野大臣政務官挨拶
  • ○ 委員及び事務局紹介

【議事】

  • 1.将来人口推計(平成18年推計)及び人口構造の変化に関する特別部会の「議論の整理」について
  • 2.「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議について

(配付資料)


午後 2時59分 開会
○度山少子化対策企画室長
 定刻になりました。もう一方お見えになる予定ですけれども、間もなくお見えになると思いますので、ただいまから「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議「地域・家族の再生分科会」を開催いたします。
 私、厚生労働省雇用均等・児童家庭局少子化対策企画室長の度山と申します。委員及び事務局の紹介までの間、議事進行役を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 会議に先立ちまして、本日松野厚生労働大臣政務官が出席しておりますので、議事に入ります前に、冒頭、ごあいさつを申し上げます。よろしくお願いします。
○松野厚生労働大臣政務官
 厚生労働大臣政務官の松野でございます。「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議「地域・家族の再生分科会」の開催に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 委員の皆様には、年度末の迫る大変お忙しい中、お集まりをいただきまして、まことにありがとうございます。
 わが国におきましては、ご案内のとおり、急速な少子・高齢化が進行しております。昨年末には新しい将来人口推計が公表されまして、50年後には総人口が9,000万人を割り、国民の10人に4人以上が高齢者となり、1年間に生まれる子どもの数は、現在の半分以下の50万人を割る、というように、少子・高齢化がこれまでの予測を超えて急速に進行するという大変厳しい見通しが示されました。しかしながら、このような急速な少子化につきましては、国民が望んだものであるかといいますと、決してそうではありません。若い方々の9割近くの皆さんが結婚の意思を持っておりますし、希望する子どもの数も平均をいたしますと2人を上回っております。
 人口推計と並行いたしまして、急速な少子・高齢化の進行に伴う人口構造の変化が我が国の経済社会に及ぼす影響とその対応について、社会保障審議会に特別部会を設けて審議をしていただきました。その中では、育児不安の度合いや父親の育児参加の度合い、育児休業や保育所などによる就業継続の見通しなどが、若い方々の結婚や出産・子育ての選択に影響を与えているということが示されております。このような結婚したいけれどもできない、子どもを持ちたいけれども躊躇してしまうのはなぜかというところに焦点を当てつつ、30年後、50年後の我が国の社会の姿を念頭に置きまして、国民の結婚や出産に関する希望と現実の乖離を少しでも小さくする、そういった政策努力が求められていると考えております。
 このため、政府としても「子どもと家族を応援する日本」重点戦略を策定することとし、「基本戦略」、「働き方の改革」、「地域・家族の再生」、「点検・評価」の4つの分科会を設けて検討を進めることといたしました。皆様には、子育て家庭を支える地域づくりや働き方の多様化に対応した子育て支援サービス、さらには近年増加をしている困難な状況にある家族や子どもを支える地域の取組方などにつきまして、精力的にご議論いただきますようお願い申し上げます。よろしくお願いいたします。
○度山少子化対策企画室長
 大変恐縮ではございますが、政務官につきましては、この後、所要がありますので、ここで退席をさせていただきます。
 委員の皆様におかれましては、ご多忙の折、お集まりをいただきましてまことにありがとうございます。それでは、審議に入ります前に、私の方から委員をご紹介申し上げます。
 まず初めに、地域・家族の再生分科会、当分科会における主査であります岩渕勝好委員、東北福祉大学教授でいらっしゃいます。
 次に、委員の先生方をご紹介申し上げます。
 順番に、池本美香委員、日本総合研究所調査部主任研究員でいらっしゃいます。
 鹿毛弘通委員、社会福祉法人扶助者聖母会星美ホームファミリーソーシャルワーカーでいらっしゃいます。
 見城美枝子委員、青森大学教授でいらっしゃいます。
 本日はご都合によりご欠席されておられますが、汐見稔幸委員、東京大学大学院教育学研究科教授でいらっしゃいます。
 篠原文也委員、テレビ東京解説委員でいらっしゃいます。
 庄司順一委員、青山学院大学文学部教授でいらっしゃいます。
 向かいの方に移りまして、高橋史朗委員、明星大学人文学部教授でいらっしゃいます。
 中橋恵美子委員、NPO法人わははネット理事長でいらっしゃいます。
 宮島香澄委員、日本テレビ報道局記者でいらっしゃいます。
 本日、公務のためご欠席されておりますが、森貞述高浜市長にもご参画いただいております。
 山縣文治委員、大阪市立大学生活科学部教授でいらっしゃいます。
 山田昌弘委員、東京学芸大学教育学部教授でいらっしゃいます。
 続きまして、関係省庁の担当者をご紹介させていただきます。
 内閣府・山田少子・高齢化対策第一担当企画官でございます。
 総務省・佐藤大臣官房企画課企画官でございます。
 文部科学省・湊屋生涯学習政策局男女共同参画学習課長でございます。
 向かいに移りまして、経済産業省・大西経済産業政策局経済社会政策室室長補佐でございます。
 国土交通省・金井総合政策局政策課政策企画官でございます。
 最後に、私ども厚生労働省の事務局を紹介させていただきます。
 雇用均等・児童家庭局長の大谷でございます。
 雇用均等・児童家庭局総務課長の香取でございます。
 同じく虐待防止対策室長の伊原でございます。
 家庭福祉課長の藤井でございます。
 育成環境課長の東でございます。
 遅れておりますが、保育課長の義本でございます。
 母子保健課長の千村でございます。
 社会保障担当参事官室室長補佐の佐藤でございます。
 それでは、以後、進行につきまして、当分科会主査であります岩渕主査にお願いしたいと存じます。よろしくお願いします。
○岩渕主査
 着席のままやらせていただきます。このたび「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議委員と「地域・家族の再生分科会」主査を仰せつかった岩渕でございます。ふつつか者ですが、皆様のご協力をいただきまして会議の円滑な運営に努めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議「地域・家族の再生分科会」という名前はちょっと長いのですが、霞が関では普通の長さでございます。その目的につきましては、事務局から説明していただきますが、地域・家族の再生分科会の役割については、重点戦略検討会議のもとに4つある分科会の一つとして、主に子育て家庭を支える地域づくり、それから働き方の改革に対応した子育て支援サービスの見直し、それから、児童虐待対策、母子家庭・要援護児童支援など困難な状況にある家族や子どもを支える地域の取組強化などについて議論していただくことになっておりますので、どうぞ忌憚のないご意見を賜りたいと存じます。今後につきましては、各分科会と連携しながら政策を再構築してくことが戦略の戦略たるゆえんだというふうに思います。例えば評価・点検分科会の議論を受けて、できるだけ優先順位をつけながら政策を考えるとか、地域と企業の連携を働き方分科会に提言するとか、あるいは重要な政策について財源の手当を基本戦略分科会に要望するといったようなことも可能になるのではないかなというふうに思います。いずれにせよ、皆様の間で忌憚のないご意見を戦わせていただきたいと、かように存じております。どうぞよろしくお願いします。
 それでは、早速、議事に入りたいと思います。まず、我々が議論を始めるに当たり、昨年12月に発表された新人口推計と、それに伴う人口構造の変化に対して社会経済面でどのような変化が生じ、どのような対応が必要になってくるかについて、社会保障審議会に特別部会が設置され、議論の整理が行われておりますので、その内容について事務局から説明していただくことにしたいと思います。お願いします。
○度山少子化対策企画室長
 それでは、お手元の資料に沿いまして人口推移及び特別部会の議論の整理につきましてご報告をさせていただきます。大変申しわけありませんが、座ったままで説明を申し上げます。
 まず、資料の1‐1、将来推計人口の概要という資料をごらんください。
 昨年12月でございますけれども、新しい将来推計人口が公表されております。
 ページをめくっていただきますと、将来推計人口の概要が載っておりますが、右側の方に、結果を簡単にまとめておりますけれども、先ほど政務官のあいさつにもありましたとおり、50年後の総人口は9,000万人を割り込む、その人口構成も65歳以上の老年人口が全体の人口の4割を超える水準になるということで、その下の方に前回の平成14年1月に行われました推計の結果が出ておりますが、総人口の減り方もペースアップしておりますし、それから高齢化の度合いというのも深刻になっているということがおわかりいただけると思います。
 左側の方に目を移していただきまして、人口推計と申しますのは、5年に1度行われる国勢調査を基準点にいたしまして、これまでの結婚ですとか出産のトレンドを統計学的な手法により将来に投影する形で行われる。要は、今のままの社会の変化が続けば、将来の姿はどうなるかということを映し出していると考えられるところでございます。
 そのように考えますと、1枚ページをおめくりいただきますと、例えば出生率で見たときに、実績、それから前回の推計がどうなっていたかということがわかるようにまとめております。薄い灰色のラインが前回の平成14年の中位の推計でした。50年後、2050年には1.39ぐらいの出生率になるだろうと予想しておりましたが、それと比べてこの5年間の現実の出生のトレンドは、低く推移をしているということでございます。こういったトレンドが、では、将来に向けてどのように推移していくだろうかということを統計学的に解析をいたしますと、3本ありますけれども、最も蓋然性が高いだろうというふうに思われます中位の推計でごらんいただきますと、50年後、2055年の出生率が現在とほぼ同水準の1.26となっております。一旦1.213というところまで下がって徐々に回復をいたしますが、いずれにしても、新しい推計では、今後50年間1.2台を推移すると予測されているというところでございます。
 それから、高齢化が急速に進むということにつきましては、2枚おめくりをいただきまして、人口ピラミッドの変化が載っております。俗に2007年問題と言われますけれども、これからいわゆる団塊の世代の方、最初のベビーブーマーの方が徐々に高齢者の仲間入りをされていきますので、高齢者の割合、それから高齢者人口ともこれから増えていくという変化がまず起きてまいります。2030年から後のところを見ていただきますと、もう一つの人口の大きな山、いわゆる第2次ベビーブーマーの世代が、2030年の時点ではまだ現役世代の中にいるんですが、もう何年か経ちますと、順に高齢者になってくるということでございます。この頃徐々に最初のベビーブーマーの方はお亡くなりになっていくわけですが、それと入れかわるような形で、次のベビーブーマージュニアの世代が高齢者の仲間入りをするということで、日本の人口全体としては減っていくけれども、高齢者の人口というのはほとんど維持するというのが2030年以降2055年に向かっての変化ということでございます。その下の世代ということになりますと、出生数が減り続けておりますので、社会の支え手であるこの緑色(20~64歳)の部分は減る一方ということになり、全体の人口構造としては大変急速に高齢化が進行するという結果になるということでございます。
 この人口推計は、社会保障審議会に人口部会という部会を設けまして、例えば仮定の置きかたですとか、データのことにつきまして、先生方のご意見をちょうだいしながら進めております。岩渕先生、山田先生に人口部会にもご参画をいただいておったわけでございますけれども、このように出生率が下がり続けるという前提の置き方で将来の人口を考えてよいのかどうかということが、人口部会の中でも議論になりました。ただ、一方で科学的に推計はきちんとしなければいけないということで、このような推計になっておるわけでございますけれども、将来にわたってこのような低い出生率が続くことの意味合い、単に人口推計が当たった、外れたということだけではなくて、やはりそのことの意味合いをきちんと押さえるということが必要ではないかという議論があり、もう一つの資料1‐2の方になりますけれども、これと並行する形で人口構造の変化に関する特別部会というものを設けまして、人口構造の変化の影響ですとか、あるいはそれに対しての社会全体としての対応をいかに進めていくべきかということについてご議論をいただきました。本年の1月26日付で「議論の整理」を行っております。参考資料の1‐2に議論の整理の本文を用意しておりますが、また後ほどご覧いただくことにいたしまして、資料の1‐2でポイントをまとめておりますので、それに沿ってご説明をさせていただきます。
 まず、先ほどご説明をいたしました、新しい人口推計が描く人口構造の変化をどのように理解しなければいけないだろうかということでございます。単純に人口規模が減るということだけではなくて、様々な、例えば労働力で見たとき、あるいは世帯の姿といったものが大きく変わるんだということを押さえなければならないだろうということでございます。
 労働力人口で申しますと、労働力率というものが今と変わらなければ、現役世代の人口は確実に減っていきますので、それに対応する形で減っていくということになるわけです。資料1‐1の、先ほど飛ばしましたが、5ページ目をご覧いただければと思います。前の人口推計ベースで労働力人口の将来見通しというものを示しております。既に前の人口推計ベースでも、これからは労働力人口は減少していくということが予測されておりますが、自然体でいくと、1,000万人ぐらい2030年にかけて減っていくというところですけれども、まだまだ国内には労働市場に参加の意欲を持っていても働いていない、例えば女性の方あるいは高齢者の方、あるいは若い方がいらっしゃると。そういった方の就業促進ができるような環境を整えるということで、ある程度、現役世代の人口の減少の緩和を図るということはできるだろうということでございます。ただ、問題はそこから後、2030年以降ということでございますが、徐々に第2次ベビーブーマーの世代が高齢者入りをして、その後、人口の見通しとしては生産年齢人口が急速に減少するということが予想されておりますので、前の人口推計のベースでも2050年にかけて大変大きな労働力人口の減少というものが見込まれているということでございます。新しい推計では、前回推計よりもさらに少子化が進行しておりますので、新しく推計のベースを置きなおすと、これよりはかなり厳しい結果になるだろうと考えられます。
 一方で、2030年以降、労働力人口になる世代というのは、まだこれから生まれてくる世代ということでございますので、日本の社会が30年、50年と持続的かつ、安定的に成長していくことを考えたときには、やはりこの部分をどうしていくかというのが大きな課題であろうとまとめております。
 このような人口の数という問題もあるわけですけれど、もう一つ議論になりましたのは、世帯構成とか地域の姿というものがかなり大きく変化をするだろうということでございます。
 後ほどまたご覧いただきますけれども、出生率1.26のベースになっているのは、およそ4人に1人ぐらいが生涯未婚になるだろうという計算になっております。50歳の時点で男性も女性もおおむね4人に1人が未婚ということになりますと、トータルの世帯数で申し上げると、大体4割ぐらいの世帯が単身でかつ子どももいらっしゃらないという世帯になるだろうと。ある意味ではつながりのない世帯というものが増えていったときの社会の姿というのはいかなるものであろうか。あるいは単身世帯というのは、やはり社会的なリスクに弱いとか、あるいは個人の所得の変動をまともに世帯で受けてしまうといったようなことがございます。このように考えますと、単に数の変化ではない、世帯の変化あるいはそのような世帯をもとに構成されます地域の姿というものがかなり大きく変わるということも頭に置いていかなければいけないだろうということをまとめておるわけでございます。
 このような人口構造の変化というものは、主に急速な少子化の進行によってもたらされているわけでございますけれども、これは国民が望んで起こしていることかと申しますと、そうではなく、決して国民が望んでいることではないということでございます。
 ちょっと資料が多くて申し訳ないのですが、参考資料の1‐3、2ページ目をご覧いただきますと、2055年時点での出生率1.26と申しますのは、生涯未婚が大体23.6%ぐらい、それからご夫婦から生まれる最終的な子ども数が約1.7人という仮定から来ておる数値でございます。では、このように、多くの若い方々が結婚をしたくない、あるいは子どもも1人でいい、あるいはゼロ人でもいいと思っているかというと、そうではありません。様々な調査から見えてくる結婚や子どもに対する国民の希望といいますのは、9割方の若い方は男女とも結婚をしたいと意思を持っておりますし、それからそのような方々が子どもは何人ぐらい希望するかについては、平均すると2人を超えているという状況にございます。
 これをベースに出生率を仮定試算いたしますと、おおよそ1.75程度になります。それに対して現実は1.26、あるいは将来も1.2ぐらいにとどまるということでございますので、この大体0.5近い乖離というものをどのように考えるかということ、あるいはこの乖離が大きくなり続けているということをどのように受け止めるかということが問題になるわけでございます。社会経済が発展していきますと様々な選択が可能になり、いろんな希望を国民は持つようになるということですが、実際には特に結婚や出産、子育てと就労という問題をめぐってなかなか社会的な選択肢が増えていかず、どちらかを選べという二者択一を迫られることによって、いずれかの希望の実現を犠牲にしているということになっているのではないかととらえますと、こうした様々な希望が実現できるような社会の選択肢というものを増やしていくということが、解決の方向として必要なのではないかとまとめているところでございます。
 ページをおめくりをいただきまして、2ページ目の方にまいりますが、それでは、このような希望が実現すれば日本の人口の姿はどのようになるか、希望を反映した人口試算というものを試みております。これは目標ということではなくて、子どもを生み育てやすい社会というものを目に見える形で示すとどのような社会の変化になるかということを絵にかいてみたとご理解をいただければと思います。
 先ほど申し上げましたように、生涯未婚率10%未満、夫婦完結出生児数、最終的なご夫婦から生まれる子どもの数が2人以上と仮定をおきますと、大体、出生率は1.75程度になると。これがすぐに1.75に回復するということは難しいですので、これから子どもを生み、育てる世代、1990年生まれの世代を念頭に置いておりますけれども、その方々が子どもを生み終える時点で1.75程度まで回復をしていくという仮定を置いて、人口の姿を描き出してみますと、先ほど9,000万人を割り込むと申し上げました総人口はおおむね1億人を維持し、それから、高齢化率も4割を超えるというふうに推計されておりましたものが35%程度、年間の出生数で言いますと、今の半分以下の45万人という推計になっておりますが、それが今よりは若干減りますけれども90万人弱といったような計算になるわけでございます。
 このような社会に変化していくために、どのような視点を持たなければいけないのかということを次にまとめております。先ほど資料の1‐1で見ていただきました労働力人口の将来見通しをご覧いただきながら話を聞いていただければと思います。これまでも女性の方の労働力率というのは社会全体では上がってきており、いわゆるM字カーブの底が徐々に上がってきているということはよく知られておりますが、これは女性の方が結婚して子どもを生み育てながら、働きやすくなったかというと、そうではありませんで、主に結婚しない人が増えている。未婚率が上昇しているというのが、どちらかというと主たる要因でございます。いわば仕事と子育ての両立が困難で、就労継続と結婚・子育てというものをどちらかを選べという、二者択一の状態が今でも継続をしている結果、このような状況になってきているということだと思います。この構造を残したままで、例えば皆さんが結婚するようになるということ、あるいは労働力を将来に向けて確保していくということになりますと、この2つを相並び立つことはできないということでございます。
 資料の1‐1の5ページ目、労働力人口の将来見通しというところで申しますと、持続的な経済発展というものを考えた場合には、どうしても最初の2030年までにかけての、青い矢印(上向き矢印)がございますけれども、女性をはじめいろんな方々の労働参加を高めるという取組が社会全体としては必要だと思います。ただ、これが同時に今までのように未婚率の上昇というものを伴って進行するということになりますと、後々生まれてくる子どもが減ってしまうということで、それは将来の生産年齢人口、ひいては労働力人口の減少ということを招くということになるわけです。
 逆に、この構造が変わらずに皆さんが結婚されるということになりますと、今度はなかなか労働力率が上昇してこないという問題が生じてまいります。この2つをともに実現できるということは、有配偶の女性が希望するように就労を継続できる環境の整備が必要だということになりますし、黄色い箱で囲んでございますけれども、働き続けるということと子どもを産み・育てるということの二者択一を迫られている構造を見直して、男性、女性ともに仕事も家庭も大事にしながら働き続けるということの選択ができるような社会の仕組みに変えていくという視点を持たなければいけないとまとめているわけでございます。
 ページをおめくりいただきまして、それでは様々な調査研究結果から、「結婚したいけれどもできない」、「子どもを持ちたいけれども躊躇してしまう」といったようなことに対して、どのような要因が働いているのかということを多くの調査研究結果からレビューをいたしまして、可能な限り整理をしております。もちろんこれだけの要因というわけではないだろうと思いますけれども、いろんな調査研究の中から整理をしたものをご紹介申し上げたいというふうに思います。
 例えば、結婚に対してどのような要因が働いているかということに関しては、家庭を営んでいくための経済的な基盤でありますとか、あるいは雇用・キャリアの将来の見通し、安定性といったものが影響しているというというようなことが、いろんな調査結果から示唆されております。例えば、収入が低くて雇用が不安定な男性は、そうでない男性に比べてやはり未婚率がどうしても高いという結果がございます。それから、女性に関しましても、例えば、非正規雇用の女性や育児休業が利用できない職場の女性で、未婚率が高いという傾向があることが紹介されております。
 それから、結婚された方がお子さんを産むというところで見ますと、やはり子育てしながら就業継続できる見通しでありますとか、あるいは仕事と家庭の調和というものが働いてまいります。例えば、育児休業が利用可能な会社にお勤めの方とそうでない方を比較をしますと、育児休業の利用の可能な方の方が出産確率が高まっております。あるいは、仕事と家庭生活の調和ということで申しますと、長時間労働をされておられるご家庭では出産確率が低くなってしまうといったデータが紹介されております。
 ページをおめくりいただきまして、その傾向が第2子以降になりますとより明らかになってまいりまして、男性の家事や育児の分担度合いが高いほど、就業継続できる女性が多い、あるいは追加で2人目、3人目を産みたいという女性の出産意欲も高いというような結果が出ております。
 また、育児不安の程度が高まりますと、子どもさんがお1人で手いっぱいになって、2人目の子どもをなかなか持つことができないという結果も紹介されておりまして、どのような方が育児不安が高くて、どのような方が低いかということは、いろんな要素があるわけですけれども、例えば、家庭の中でパートナーがどれくらい育児の分担をしているかという問題でありましたり、保育所・幼稚園など地域からのサポートがどれくらいあるかというものが育児不安に対して作用しているということも紹介されております。
 第3子以降になりますと、教育費の負担感というものがかなり大きな要素として浮かび上がってきております。予定子ども数以上の子どもを持たない理由は何ですかということを調べた調査で、2人というふうに答えられている方、すなわち3人までは持てないという方に、何で3人目以降の子を持てないかと聞いたときに、教育費の負担感を挙げられる方の割合が飛躍的に高まるといったような調査結果がございます。ただ、新しい世代に入ってきますと、1人目や2人目からでも教育費の負担感を上げられる方が多くなってきているというような状況にございます。
 このレポートの中では、このような結婚や出産に影響を与えている要素に焦点を当てて取り組んでいくことが必要ではなかろうかということを述べております。一番最後にまとめておりますのは、まだ現時点では9割の方が結婚したいと、それから子どもも平均すると2人以上持ちたいという希望を国民は持っておりますが、この数字が変わらないという保証はないわけでございまして、国民の希望も変化をし得るということです。希望の水準が下がってしまいますと、それがまたさらに少子化を招くということにもなりますので、希望ができるだけ実現できるような対策を早期に打っていくことが必要ではないかということを最後にまとめているということで、ご紹介を申し上げました。
 以上でございます。
○岩渕主査
 ありがとうございました。
 私も人口部会で議論してまいりました。その中で少子化の克服に向けた政策努力を一体どのように評価するかという議論がありましたが、一方では、人口推計自体は恣意性を排して、科学的な根拠を持ったものであることが求められているというような議論もございました。そのような議論の中から、今回初めて国民の希望を反映した人口試算が行われたというふうに理解しております。新人口推計では現在のような子どもを生み育てにくい社会のままなら、将来の人口はどうなるかということを客観的に推計しつつ、別途、国民の希望を反映した形で試算することにより、国民の希望と現実の乖離がどれほど大きなものとなっているか、その乖離をつくり出している社会の要因がどこにあるのか、それが特別部会の議論でかなり浮き彫りになり、我々の議論を進めていくベースになるのではないかというふうに思っております。そうした議論のベースを確認するという意味で、事務局の説明に対するご質問があれば、遠慮なくおっしゃっていただきたいと思います。いかがでしょうか。今の説明に対する質問。完璧だったですかね。
 それでは、おいおいまた折に触れて質問、その他ご意見を賜りたいと思います。
 事務局からはほかにはありませんね。追加の発言。
 ありがとうございました。
 引き続き事務局から議事2の「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議についての説明をお願いいたします。
○度山少子化対策企画室長
 それでは、お手元の資料の資料2‐1、2‐2、2‐3で、重点戦略の策定について、それからこの分科会の議論の進め方についてご説明をさせていただきます。
 まず、資料の2‐1でございますけれども、今回策定することとなりました「子どもと家族を応援する日本」重点戦略につきましてまとめております。先ほど申し上げたような新しい人口推計、あるいは国民の希望がかなえばどうなるかといったようなことを受けまして、「すべての子ども、すべての家族を大切に」という基本的な考え方のもと、「子どもと家族を応援する日本」重点戦略というものの策定を進めようということで、この検討会が設けられているわけでございます。
 先ほどご説明申し上げましたように、2030年以降の若年人口の大幅な減少というものも視野に入れまして、制度、政策、意識改革などあらゆる観点から効果的な対策の再構築・実行というものを図って、「結婚したいけどできない」、それから「子どもを生みたいけれども躊躇してしまう」という若い方々を支える、それからどのような厳しい状況におかれていても、生まれたすべての子どもたちが希望を持って人生を歩んでいけるように支援をするということを、今回の重点戦略の基本的な考え方において策定を進めていけたらと考えております。
 ページをおめくりいただきまして、検討体制でございますが、少子化社会対策基本法に基づきまして、全閣僚で構成される少子化社会対策会議という会議がございます。この会議のもとに、この「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議を置いておりまして、閣僚9名、それから有識者7名で構成しております。この会議のもとに、左から「基本戦略」、「働き方の改革」、「地域・家族の再生」、「点検・評価」の4つの分科会を設けまして検討を進めていこうとしております。
 簡単なスケジュールを次のページにまとめておりますけれども、第1回の検討会議が2月9日に開催されました。それ以降は、今日までのところ、基本戦略の分科会と点検・評価の分科会がそれぞれ開催されております。それから、働き方分科会はあさってになりますが、3月15日に第1回を開催する予定ですが、このように各分科会を大体、3~4回開催をして、5月中に一応の議論の整理をしたいと思っております。ある程度それぞれの分科会で取りまとまった段階で、第2回目の親会議を開きまして、重点戦略の基本的な考え方を取りまとめまして、政府が毎年策定をしております、いわゆる「骨太の方針」というものに反映をしていくということを考えているわけでございます。この時点では基本的な考え方ということになりますが、以後、それぞれ具体的な政策についての検討を進めまして、税制改正等の議論も見極めながら、本年中を目途に重点戦略の全体像をまとめていけたらというのが、大まかなスケジュールでございます。
 次に、資料2‐2になりますけれども、分科会につきまして、これは事務的な資料でございますが、運営規程とそれぞれの分科会の委員の名簿をまとめておりますので、ご覧ください。
 それから、資料2‐3になりますが、今後の議論の進め方ということでございます。
 1枚おめくりいただきますと、地域・家族の再生分科会のシートが出てまいります。先ほど見ていただいた4つの分科会、それぞれ設定されております検討テーマがございますが、本分科会におきましては、子育て家庭を支える地域づくり、孤立化を防止する取組、あるいは地域の子育て支援拠点の整備、意識改革などが一つ。それから、働き方の改革に対応した子育て支援サービスの見直し、そして児童虐待対策、母子家庭・要援護児童支援など、困難な状況にある家族や子どもを支える地域の取組強化が検討テーマとして設定されているところでございます。
 2月9日に行われました第1回の検討会議、参考資料の2‐1で親会議の議事録が完成しておりますのでつけておりますけれども、ここからこの分科会に関連するようなご発言を抜き出してまいりましたが、岩渕さんの方から、国民の結婚や出産に対する希望を反映した試算では、女性の労働力率が大体8割ぐらいに引き上がるという形になる、そうなると、専業主婦モデルというものはもはや成り立たないので、夫婦や家族が助け合って企業の働き方を見直し、地域が全体として支えるということでなければ子育ては難しいというご発言、あるいは子育て家庭のさまざまな料金を割り引く制度が多くの県で導入されているけれども、地域全体でその雰囲気を高めるという起爆剤として期待ができるというご発言。
 三鷹市長の清原委員に親委員会の委員になっていただいていますが、三鷹市の取組をご紹介された中で、多くの担い手に参加していただく協働、それから地域コミュニティーとの連携というものを重視しながら進めているというご紹介。
 それから、慶応大学の樋口先生ですが、直前にフランスにお出かけになられたということで、フランスでは何か一生懸命にやっているということではなくて、普通の人が普通の生活の中で仕事をし、子どもも持っている。周りの人たちの支援、地域の支援、あるいは家族の中での支援というものがあって、そのようなことが実現できている、そういう様子をご報告されました。
 右側の方にまいりますが、このような検討テーマと、第1回検討会議における意見を踏まえまして、この分科会ではこのような形で議論を進めていけばどうかというものをまとめております。
 まず最初は、国民の希望する結婚や出産と実態との乖離について、その要因が何か、関連して地域の課題がどこにあるのかということについて、特別部会の議論の整理をもとにご議論いただけたらというふうに思います。
 それから、先ほどご紹介した中で、育児不安が高まるとなかなか次の子どもを持てないということがあるわけでございますけれども、子育て家庭の孤立化というものが言われる中で、この育児不安の解消に向けた、子育て家庭を支える地域の取組というものをどのように進めていくのか。国の方でも、来年度から新たに子育て家庭の生後4か月までの全戸訪問の事業を始めようと打ち出しておりますけれども、そのようなものですとか、親子が交流できる場をどのように提供するか、あるいはちょっと困ったときのための一時預かりをどのように整備をするかなどの、子育て家庭の孤立化を防止するような取組でございますとか、あるいは子育て家庭の家族、子どももそうですし、それから親も親たるように支援をしていくということだと思います。
 そのようなことに関しまして、シニアの方あるいは若い方を含めまして地域の子育て支援を強化するために多くの世代がどのようにかかわっていくか、あるいは岩渕先生がご提起されましたように、企業も含めた幅広い主体参加で地域の子育てというものをどのように盛り上げていくかということも課題になるかと思います。
 それから、近年医療の方で、産科、小児科が地域でなかなか厳しくなっているといったような問題もあります。このような問題も、安心して子どもを生み育てられるという意味では大きいのではないかと考えております。
 それから、3つ目でございますが、就労を継続していくということになりますと、会社における対応というものと同時に、地域における子育て支援のサービスの対応というものが必要になってくるということでございます。
 働き方も多様化してくる中で、有配偶の女性の労働力率もこれから高まっていくだろうということを念頭に置きますと、男性も女性もある一定の家族的な責任というものを果たしながら同時に働いていくということを地域でどのように支えていくかということについて、制度的な対応も含めました保育を始めといたします子育て支援サービスというものをどのように拡充をしていくかということが課題になると考えます。
 それから、最後に、困難な状況にある家族や子どもを支える地域の取組です。家族の姿というものも一様ではなくなっています。社会の様々な変化の中で、片親家庭の増加ですとか、あるいは児童養育をめぐって様々な問題が生じてきている中で、このような困難な状況にある家族、あるいはそこに生まれ育つ子どもというものを地域の取組でどのように支えていくか、児童虐待、DVなど、そういった増加するニーズにどのように対応していくかということでありますとか、そのような子どもたちの養育にかかわります社会的な養護の体制というもののあり方とか、機能というものも見直していかなければいけないというポイントが挙げられるかと考えております。
 若干他の分科会についてもご紹介をさせていただきますと、1枚おめくりいただきますと、基本戦略の分科会がございます。ここでは、例えば経済的な支援のあり方ですとか、あるいは子育て支援策の財源の問題、あるいは制度的な枠組みといったような問題を取り扱うということとしております。ここではある意味ではマクロな話になるわけでございますけれども、諸外国のいろんな取組もできるだけ事実に基づいてきちんと把握をした上で、どのような効果的な対策があり得るのかということ、あるいはそれを実現するためには大体どれくらいの社会的な費用というものを考えないといけないのかという問題、あるいはそれをいかにファイナンスをしていくかという問題、そのようなテーマに、この基本戦略の分科会では検討されるということになっております。
 ページをおめくりいただきまして、次に働き方の改革の分科会です。これはまだ開催されておりませんけれども、仕事と家庭の調和ですとか、あるいは家庭の中での育児の分担というものも大きな影響を与えている問題であるということになりますと、そういった男性も女性も家族の時間を持てるような働き方、ワークライフバランスとよく申しますけれども、そのようなことが実現できるような働き方でありますとか、そうするための効率的な仕事を進めていけるような人材力の強化ですとか、そのようなことを企業がどのような社会的な責任という形で果たしていくのかいうことがテーマになるということでございます。
 最後に、点検・評価の分科会になりますが、これは平成16年に策定されました「少子化社会対策大綱」あるいは「子ども・子育て応援プラン」と、それぞれの地方公共団体や企業で行動計画が策定されておりますので、こういった取組の状況がどのようになっているのか、進捗の思わしくない事業、あるいは対策としては講じたけれども、期待されるような社会の変化というものが起きているのかどうかといった点につきまして、進捗状況を把握いたしましたり、国民からのホームページでの意見募集、それから実際に企業や地方公共団体で取り組んでおられる方からのヒアリングですとか、研究者の方の調査などを結びつけながら問題を整理していこうという流れになっているところでございます。
 最終ページでございますけれども、このような問題設定をもとに、今後、4月から5月にかけて大体このようなスケジュールで検討を進めていければというようなことを整理したものですので、ご覧いただきたいと思います。
 以上でございます。
○岩渕主査
 ありがとうございました。
 では、これから説明いただいた内容についての議論を進めていきたいと思います。回数もかなり制限されておりまして、その中で少し密度の濃い議論を展開していきたいというふうに思います。それで、本日は、せっかく人口構造の変化、特別部会の「議論の整理」も説明していただきましたので、これを念頭に置いて皆様に自由に意見を述べていただきたいというふうに思います。
 つきましては、この分科会はほかの分科会に比べまして委員の人数がやや多ございますので、皆様の意見をできるだけ多く聞くためには、少し時間を制限して、お1人方、1回につき大体3分をめどに集約してお話いただきますようご協力をお願いしたいと思います。余り野暮なことは言いたくないので、少し長いかなと思ったときには、私、ブロックサインで右手を挙げますので、そのときには速やかに打ち切っていただきたいというふうにお願い申し上げます。その上で申し上げにくいんですけれども、私自身も言いたいことがたくさんございますので、個人の意見として時々断った上で発言することをお許しいただきたいというふうに思います。
 それでは、池本委員から順にご自由にご発言いただきたいと思います。きょうはそういう意味で言いますと、特別ですので4分ぐらいまでいいかと思いますが。
○池本委員
 それでは、今のお話しを伺っていて、私自身は、保育政策、特に諸外国の今、保育政策がどんな動きになっているかということを中心に調査をしているところなんですが、その方に頭がどっぷりつかっている中で改めて今、人口が減っている中で保育政策を教育政策としてもう少し見直す必要があるなということを感じました。私は、スウェーデンですとかニュージーランドなどの事例を特に研究しているんですけれども、そこでは保育政策を福祉、子育て支援というこれまでの見方ではなくて、もう少し人材育成というか教育政策として位置づけて、もちろん投資もふやしていますし、また所管も教育省というか、日本の文部科省のところに移すなどして質の充実を図っているところです。私自身もそういった形で保育政策を日本も見直すべきだということを提言している立場なんですが、そのことをきょうますます人口が減ってくる中で一人一人の人材の質を高めなければいけないということを踏まえて、改めてそういう方向が必要ではないかなというふうに思っています。
 それから、初めだったのでまとまっていなくて申しわけないんですけれども、思っておりましたのは保育政策のあり方で教育的な視点をということと、あとは、現在、私自身が育児休暇も1歳6カ月で終わったところなんですけれども、まさに1歳8カ月の子供を育てながら地域で、また仕事でということでやっている中で、本当に子育ては大変だなということを痛感しています。
 それで、一つ議論で出てきていないことは、やはり私も含めて高齢出産が非常にふえていて、精神的なこともそうなんですが、体力的に結構きついなというのが率直な感想です。なので、これまでの子育て支援というと、いわゆる20代後半で産む人たちを支えるというイメージもあると思うんですが、そうではなくて高齢で産んでいる人、またある程度仕事をしてから子育てに入る人にとっては、より一層、子育てと仕事の生活のギャップが大きく、単に知識がないというレベルでなくて、考え方が、私自身も、仕事のように効率的にやらなければいけないという頭で子どもと接しますと、非常に子育てがやりにくかったりとか、また地域での子育てのつき合いなども、職場での人間関係とは全く違うものがそこには展開されているわけでして、私はたまたまお友達に恵まれて楽しく過ごしてきましたけれども、そこに入れないということもちょっと大変だと思いますし、虐待などもいろいろ問題になってきていますけれども、それは必ずしも貧困とか、そういうところのレベルではなくて、私の住む世田谷区などではブランドの服を着せながら虐待をしている人がいるというような話も聞きまして、ちょっと新たなタイプの親や新たなタイプの世代に対する地域の子育て支援というのを考えなくてはいけないのかなというようなことを思っています。とりあえずはそんなところで。
○岩渕主査
 では。
○鹿毛委員
 星美ホームの鹿毛と申します。私の方は、社会的に問題化している児童虐待、それからこちらの方では要支援家族という、支援児童というような形で出ますけれども、その最たるもので要保護児童の方ですね。保護を必要とされている児童関係で23年間ほど現場で働いています。今、東京都社会福祉協議会の中でいろんな調査を行っていますが、今、池本委員さんの方から世田谷の方の事例をちょっと出していただきましたけれども、本当にそういうような形で貧困イコール児童虐待にすべてつながっているわけではないような感じがいたします。ただ、やはり東京には11の児童相談所がございますが、保護率または要保護児童の数でいきますと、一番、世田谷が少ないんですね。北、失礼ですけれども足立等々につきましては非常にやっぱり多いんでございます。これが現実なんですね。やはりそこの背景にある何かというのがおのずと出てくるのではなかろうかなと思っております。
 あと、人口が非常に減っていく、出生率が減っていくという中で異常な伸びをしているのが、要保護児童の割合が非常な伸びをしております。施設なんか要らない、昔はホスピタリズム論があったんですけれども、今は施設をふやしてくれというようなところまで来ているのが実情です。一時保護というお言葉は聞いたことが皆さんあると思いますけれども、残念ながら今、一時保護という安全な場所が満床状態で入れない。受け入れている児童養護施設等々につきましてもやはり満杯で全く入れない状況になっております。家庭再統合と言われている中でもそのプログラムがなかなかつくり得ない、それを行うだけの体制がそろっていないがの現状です。
 あと、地域の中で要保護児童地域連絡協議会や要保護児童の地域で虐待防止ネットワーク等々の法律義務化がされておりますけれども、まだその運用に至るまで市区町村の方が対応できない状況になっておるのが現状でございます。確かに虐待防止法ができたおかげで発見率等々については非常な伸びを示しております。これはとてもいいことだと思っておりますが、残念ながらその子どもたちやその家庭に対して、何を支援されることが一番いいのかというところの議論までがまだいっていない。それと現場レベルの市区町村等々の関係におきましても何をすればいいのというようなお話がある状態でございます。子育てを社会で支えていく方策を考えるときに、私たちに一番求められているのかなというのが、一番下、下と言ったら失礼な言い方ですけれども、一番最悪な状況から考えていくのも一つの手かなというふうに思っております。
 今現在、零歳から入る乳児院、そして児童養護施設、それから里親さんを含めて約4万人の子どもたちが施設等々で生活しております。実は、施設に入れない子どもたちがどのくらいいるかというのは数えることはできていないようですけれども、東京で言いますと、一時保護所に入れない子どもたちが常時60人以上いるという、これが現状でございます。虐待が起き、24時又は48時間以内に発見する、確認をする努力目標等々がありましても、その子どもたちを受け入れるところがないという社会状況もあるということが現状でございます。ぜひこの辺も理解をしながら、子どもたちが安心して暮らせる、そしてご家庭が何を支援していただければということを声を上げて言えるような社会になっていただければなと思っております。
 以上です。
○岩渕主査
 ありがとうございました。
○見城委員
 見城です。私自身が4人子どもがおりまして、仕事を続けてきた中でやっぱりどれだけ大変だったかというのは、大学生になっても子どもは子どもでして、子育てというものは社会に送り出すまで本当に責任を感じるということです。日々何事もないか、自分の仕事がたとえ大変困難な状況を抱えていても常に子どものことが頭を離れません。例えば、もう大きくなったんだから食事はいいだろうと簡単に手を抜いていくのではなく、親として家族、まさに家庭ということではやはり夕食はともになるべくしたいなとか、例えばそんなようなことまで含めますと、本当に身を粉にしてやってまいりましたし、今やっております。保育所の状況も、私がお願いしてきたときと現在は随分変化はしてきています。そういうところの自分の経験や、現在の後輩がいろいろ悩みや何かを現実に私に話します、そういった状況からもこの委員会にまず出させていただけるということは感謝しております。できるだけ本当に家庭の中に子どもがいて、その子が育っていくというときに何が必要なのかということを外さないサポートシステムになるように意見を申し上げていきたいと思っております。
 それで、まずですね、家庭がどんどん閉ざされてきているということをどう開いていったらいいかという問題があると思います。私は、今、渋谷区に住んでおりますが、見えません。小学校の評議員として区立小学校へ出向きます。現場へ行って子どもたちを前に何かできることをしようと思いましても、やはり家庭は見えないんですね。特別に子どものための委員、地区で委員でもやらない限りは子どもの姿すら見えませんが、家庭は更に閉ざされているのです。それをどのように開いていくかということが必要だと思います。
 それから、貧困の質です。格差社会と言われて、先ほど養護のお話が出ましたが、経済的と人道的と、この2つを同時にフォローアップしていくということが必要です。保育園のあり方も変わってきています。私の子どもたちが保育園に通っておりましたのは1980年~90年でして、入園できず待ったものです。措置児ということで、髪ぼうぼうにして、とにかく大変だからと、下の子も抱えて社会福祉事務所に頼みに行ったらどうかと、そんなふうに言われた時代から現在はどのように変わってきたのか。以前でしたら、申し込んでもなかなかウエイティングのときは、貧しくて、人手がなくて私は死にそうですという母親なら手が差し伸べられるでしょうと言われて、そういう演出まで示唆する方がいらしたり、それから議員さんに頼みなさいとかいろんなことがありましたが、私は、公にきちんとウエイティングしてお願いしてまいりましたが、現在それはどういう状況になっているのかも改めて現場の状況を知りたいと思います。
 それから、開く。貧困の差は経済的と人道的ということで、人道的な貧しさというのは、孤立した母親なり父親なりだと思います。例えばすばらしいマンションに住み、経済的に恵まれた子育てをしているお母さん、そのきれいなヤングミセスは恵まれているのか、満たされているのか、こういったことが見えてまいりませんが、それも含めて子どもを救うためには、経済的と同時に人道的な調査等、そこを外さないサポートが必要だと思います。
 家があって、保育園があって、確かに入れればそれでいいでしょうと制度上は思えるかもしれませんが、そこにはつなぐ人が必要だったんです。保育園へのお迎え、実際、仕事と両立させるには、つてを頼り、いろんな人をつなぎながら迎えの時間に間に合わせるようにしたりとか容易ではありません。私が自分に余裕があれば自分の家を開いて、保育園とも家庭とも関係のない時間を預かってあげたいなと例えば思うくらい、自分に余裕があれば、そこが一番重要なんだろうと思っているんですが、そういうところが、では、どのくらい今度の応援するということでは応援できるのか。ここを公の制度ができても、そこ実際に人が動いていくときにつないでいく役目、ここが大事で大きなネット、ネットワークとよくいいますけれども、まさに網を広げてどこでも子どもが落ちずに、途切れずに見守ってもらえて、お母さんやお父さんのもとに戻っていくと。そういうシステムを本気でここでつくっていくべきだと思っております。
 あとは、何歳までを対象としていくかなんですが、高学歴で就学年数がふえまして非常に大きくなっても子どもは子どもという、そういう状況です。非常に経済的に困窮しても何とか学歴はきちんとつけようという親が今でもたくさんおります。小さな乳幼児だけが子どもではなく、社会へ出るまでの子どもたちという間口でしっかり育てていく。それがあれば少し産む勇気が出てくると思います。若いお母様たちも保育園や何かが終わって、そこは助けてもらっても、結局、社会へ送り出すまでが相当な年数かかる。これが果たして2人以上産めるかということで、大きくなったときがさらに経済的な困難来るかもしれないという不安にどう応えるか。私は、子育ては子どもを社会へ送り出すプロセスというふうに位置づけておりまして、自分が迷ったときも社会へ送り出すプロセスということでやってまいりましたし、今もやっておりますので、ぜひ子どもを社会へ送り出すプロセスという枠組みでサポートする制度が、この会議でまとまっていくことを願っております。
 以上です。ありがとうございました。
○岩渕主査
 ありがとうございました。
○篠原委員
 篠原と申します。私は、少子化問題の専門家でも何でもございませんけれども、たまたま60近い年で5歳の子どもを抱えていると、こういう立場からいろいろ感じることが、恐らくそれでこういうメンバーにご指名いただいたんだろうと思っておりますので、ちょっと今後の議論にもかかわるんで、その立場から幾つか特に3点ほどお話しをしたいと思います。
 一つは、先ほど来、子どもを産まない、結婚しないのはなぜなのかということで、こういう障壁があると。これをこういうふうにもっと変えていかなきゃいかんということの説明もありましたんですけれども、私は、そこのバリアをどんどん取っ払っていって産みやすい環境、結婚しやすい環境をつくるということは、非常に大事なことだとは無論思っていますが、一方でどんなにやってもどこかにバリアはあると思うんですよね。100%のこれならというものはなかなかないんだろうと。そうすると、そこをどうやってそのバリアを最後乗り越えられるかということを考えましたときにですね、やはり子どもを産んで、育てるという、見城さんがプロセスだとおっしゃったけれども、育てるということが、人生の最大の事業なんだと。ほかのことは捨て置いてもこれはすごいことなんだというような意識を、男性も含めて一種の国民運動的なものにしていかないと、いつもこういう問題があるから私はちょっとたじろぐんですよ、ということになりゃしないかなと思うんです。だから、そういう意識改革をまずこの分科会でもぜひどういう形で進めたらいいのかというのは、またいろいろ議論があるかと思いますけれども、取り上げていただきたいなという感じで思っております。
 それから、もう一つは、専業主婦の問題ですね。いろんな会議で専業主婦の問題はほとんど取り上げられないんですね。女性の方々もそういうメンバーになられている方は、働いている方が多いですから。専業主婦の代表がメンバーになっている記憶がないんですよ。そういう人たちの話しを聞くと、何か取り残されている感じがすごくありますね。もし、事務局でそういう資料があったら出していただきたいんだけれども、育児ノイローゼが一番多いのは専業主婦なんですね。チェンジオーバーが一切効かない。朝から晩まで子どもと一緒と。こういうのをどう救っていくか。先ほど岩淵さんもおっしゃったけれども、将来的にはどんどん専業主婦は減ると思います、僕も。その割合はどんどん減っていくと思いますけれども、現実には今1,100万人ぐらいいるわけですよね。子育て世代ばかりではありません。無論子育てを終わった人もいっぱいいるわけで、どれくらい今、子育てで専業主婦でやっている人がいるのかという、そこらの資料も次回で結構ですから、あったら出していただきたいと思います。
 そこはちょっと置き去りにされているのかなという私は感じがしていまして、別に専業主婦の肩を持つわけではございませんけれども、ノイローゼになる率が高いという、そういうようなことの事実があるもんですから、ここもぜひ議論の中で置き去りにしないように、何か対応の仕方があるのかという点も含めて議論を進めていただきたいなということですね。
 この2点が、私、特に申し上げたいことなんですけれども、あと、シングルマザー・ファーザーというものをどう位置づけるかですね。フランスなんかは50%ぐらいが正式な結婚じゃないそうですね。結婚したい、子どもを2人以上持ちたい人が多いということがたしかに調査では出ていますが、でもやっぱり結婚の条件面で、特に女性の最近、男性を見る目が厳しいですから、なかなかフィットしていないんじゃないかという感じが僕はするんですよね。そうすると、このシングルマザー的なものをどこまで社会的に認めて、そのための制度をどういうふうにつくっていくのか。フランスではほとんど同じ扱いになっていますよね、たしかね。フランスの場合は事実婚ですね。日本でも、結婚はしたいという方はいっぱいいらっしゃるけれども、実際、では踏み切ろうかとなると、また私は別なんじゃないかと思っているんですよ。だから、そういうものをどういうふうに今後、どの程度認めていくのか、制度的な担保をどういうふうにしていくのかというようなこともぜひ考えていく必要があるんじゃないかなと考えています。とりあえずこんなところで終わらせていただきます。
○庄司委員
 庄司と申します。皆さん、ご自分の家庭のことをお話しになりましたので、一言で言えば、実子を2人育てて、あと、今のファミリーサポートセンター事業のモデルになった民間の活動に参加して、地域の子どもを預かることをしてきました。見城さんがお近くにお住まいでしたら、少しお手伝いできたかなと思いますけれども、そういったことと、あと里親をやっています。
 今までの事務局のご説明を伺って、特別部会の議論の整理にはちょっと不満を持ちました。将来の人口構成が労働力の問題という形でとらえられていて、それももちろん大事なことですけれども、それに加えてこういう少子化社会が子育てにどういう影響を与えるかということを考える必要があるんではないか。そこから今後のあり方が出てくるんではないかというように思います。
 それから、この分科会での議論の進め方のところでは、妊娠、出産を迎える時期の若者、あるいは出産した、親となった人、そういった人たちへの支援ということが、これも浮かんでくるんですが、それも大事ですけれども、やはり子どものことを考える上でその人の子ども時代の育ちが大事で、どういう育ちをしてきたかということ、例えば余り使わないかもしれませんが、母性とか父性とかあるいは育児性ということにもかかわってくるというように思います。このことが、一つは育児不安、これも少し言葉としては議論する必要があるかもわかりませんけれども、への対策ということもありますし、子どもへの関心を持つということで、結果として子どもを産み、育ててくれるということにつながるんではないか。子ども時代への支援ということも考えなければいけないのではないかというように思います。
 それから、重点戦略の中で「すべての子どもを考える」という言葉も出てきていますが、これは大変ありがたい言葉だと思います。鹿毛さんがおっしゃいましたけれども、やはり見捨てられがちな、あるいは関心を持たれない、社会的養護のもとにいる子どもたち、そういった子どもたちを視野に入れた対策ということを考えてほしい。生まれてきたすべての子どもを大事にするということを考えてほしいと思います。
 ほかの分科会で諸外国の取組も参考にという話がありましたが、この分野はむしろ日本は先進国の中でも非常に例外的なあり方をしているというように言えるかと思います。ぜひ社会的養護のもとにいる子どもたちへの支援ということも考えていただきたい。
 それから、最後に、メニューはもう既にある、と言うと、ちょっと言い過ぎかもわかりませんが、この分科会でもいろいろ提言はできると思います。ただ、問題はどう実現していくかということで、ここについてはだれに言ったらいいんでしょう、委員長でしょうか、あるいは事務局でしょうか、ぜひ政策に反映できるようにしていってほしいというように思います。
 以上です。
○岩渕主査
 ありがとうございました。
 では、次、どうぞ。
○高橋委員
 高橋でございます。先ほどのご説明の中で、「子どもと家族を大切に」というのが基本的な考え方だということでございました。少子化対策というものを本当に家族と子どもを大切にしてきたかという視点から見直す必要があるんではないかというふうに思っております。
 渡辺京二という方が「逝きし世の面影」という本を書いておりまして、これ、平凡社ライブラリーから出ているんですが、その中の第10章に「子どもの楽園」という1節がございまして、いろんな外国人の方の紹介がある中で、モースという方が「世界中で両親を敬愛して老年者を尊敬するのは日本の子どもが一番だ」と。あるいは、「母親が赤ん坊に対してかんしゃくを起こしているのを一度を見ていない」とか、「日本の子どもほど行儀よく親切な子どもはいない」、「日本人の母親ほど辛抱強く愛情に富み、子どもに尽くす母親はいない」と、こう書いているんですが、私は、こういう美しい国・日本の家族、親子関係がなぜ今のようになったのかということをきちんと分析する必要があるんではないかと思っております。
 先ほど、池本委員からは、教育の視点ということをおっしゃいました。篠原委員からは意識改革ということが大事じゃないかと、そういうご指摘もございましたが、私は教育を専門にしておりますので、この教育の視点の議論をぜひ加えていただきたいと。きょうのお話の中には教育の視点が不足しているということが率直な感想でございます。
 皆様ご存じのとおりに、改正されました教育基本法の第10条に家庭教育の条文で「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有する」ということを明記いたしました。あるいは、第2項で「国及び地方公共団体は、家庭教育の自主性を尊重しつつ、保護者に対する学習の機会及び情報の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければならない」と、こう明記したわけでございます。そうして、また、1月24日の教育再生会議の第1次報告で、「教育委員会、自治体及び関係機関は、これから親になる全ての人たちや乳幼児時期の子供を持つ保護者に、親として必要な「親学」を学ぶ機会を提供する」という文言を盛り込んだわけでございますが、私は、少子化対策はいろいろと議論をこれからする必要があると思いますが、少子化の原因の一つは、結婚をして子どもを産み、育てたいという人が減っている。それは、外発的な動機づけのみならず、そういうふうに思わせる内発的な動機づけの施策が足りなかったんじゃないかというふうに思っております。
 別の観点から言いますと、労働者としての親支援という視点に加えて、教育者としての親支援というものをもっと充実させる必要があるんじゃないか。きょうのご発表いただいた資料の中では、資料の2‐3の1ページに議論の進め方の2つ目の丸のところで、「親(になること)支援」という表現がございましたが、この中で言えば、親(になること)支援ということにかかわる問題意識でございますが、親の人間的な成長というものをどう促していくかということがとても大事な視点ではないかと思っております。
 そのことを考えますと、従来の少子化対策が経済効率を優先してきたと私は感じておりまして、一番大事なことは、子どもの発達というものをどう保障するのかという観点、私の印象としては、どうも保護者の利便性、都合を優先している。果たして子どもの最善の利益を第一に考えているかという、そういう点について、私は、従来の保育政策を含めて少子化対策全般に疑問を抱いております。それは、保育所が持っている根本的なジレンマかもしれません。つまり保育サービスを充実すればするほど、改正教育法上で言っている「保護者は第一義的責任を有する」という意識を奪いかねないという、そのジレンマをどのように考えていくのかが重要課題です。保護者の責任意識を促しつつ、地域でどうサポートしていくのかと、労働者と教育者としての支援のバランスをどうやってこれから保障していくのか、これは大事な視点ではないかと思っております。その意味では、親が子育てをする権利をどう保障するかという視点も大事な視点だろうと思っております。
 それから、もう一つは、「子どもと家族を大切に」ということが少子化対策の原点でございますが、果たして今の教育の中で家族のきずなというものが大事だということがどれだけ教えられているか、私はその点でも疑問を持っております。
 以上、いろんなことを申し上げましたけれども、総合的に教育の視点からぜひ少子化対策を見直していただきたい。特に「親学」という、これは2つの意味を持っておりまして、「親になるための学び」という意味と、「親としての学び」という意味でございます。親になるための学びということは、つまり結婚して子どもを産み、育てたいという親になるための準備教育をもう少し充実させる必要がある、これが私が申し上げた内発的な動機づけの方策ということにつながるものでございますが。そして、篠原委員がおっしゃった意識改革ですね。これは、「家族・地域のきずなを再生する国民運動」については予算に盛り込まれているのでございますので、上からの制度改革・仕組みづくりと、下からの意識改革というものをどういうふうにドッキングしていくのか、その両方のバランスが必要だろうと思っております。
 なお、PHP総合研究所で提言を昨年の夏にまとめたんでございますが、これは現場の取材をずっとしますと、どうも教育現場の親も教師も疲れて自信を失っている。その現場を活性化しなければ、土壌が疲れて肥沃でないのに、なかなかシステムを変えてもうまく根づかないので、どうやれば親が元気になるか、育児不安ということもございましたが、その育児不安を根本的に解消するための対処療法でなくて、もっと根本的療法についても議論する必要があるんではないか、そんなふうに思っております。
○岩渕主査
 ありがとうございました。
 じゃ、次の方。
○中橋委員
 中橋です。私、香川県の方から来て、地方の中の筆頭としてここにいますけれども、よろしくお願いします。私は、主に就学前の子どもと保護者を対象とした子育て支援のNPOを運営しているわけですけれども、その活動の中の一つとして、商店街の空き店舗を使って「つどいの広場」という子育ての広場を2カ所で運営しています。
 先ほど篠原さんがご心配されていた専業主婦家庭の育児不安という問題がありましたけれども、主にというか、9割、100%に近く平日の昼間やっていますので、専業主婦の人たちが、あるいはお父さん来る場合もありますけれども、子どもを連れて、育児休業中の方もおいでますが、子どもと一緒に遊びに来るという場所なんですけれども、その中でやはり私たち、そういう子育ての広場、どんどん今ふえてきていますけれども、その中で親としての育ちのサポートをしていく、伝えるべきものを伝えていく。それは何か教えるとか、教育するというのとはちょっと違うような、みずから肌で感じ取って、親として感じ取って育てていくような場になるように、今、どんどん全国的に数がふえてきていますので、そういう場になるように、ベースになる基本のものを統一していく子育ての広場を運営していくスタッフが、そういったものをベースとして持てるようなプログラム開発であったり、研修システムみたいなものを、私も「つどいの広場全国連絡協議会」にもかかわっていますけれども、そうした中でもつくって取り組んでいきたいなというふうに思っています。
 そういう外に出ていく地域子育て支援の場であるとか、こういう子育ての広場の場がともすればある程度オーケーの人たちの集まりの場になってしまって、ちょっと心配な家庭がやっぱりなかなか出てきづらくなってきているのではないかなということも考えると、例えばちょっと虐待傾向にあるとか育児不安でほとんど引きこもり傾向のある人も出てこられるような工夫をしていかないといけないと。そのためには、アプローチの方法として、今までのように保健センターでとか行政と一緒になってPRするだけではなくて、企業の協力も得ながら、あるいは時によっては例えばパチンコ店やカラオケ点でPRをして、そういう場所に来てもらうような工夫をするとか、していきたいなというふうに思いまし、また、そういうことを自発的に当事者同士が支え合うという意味で、子育て中の人がそういう場を設けたり、でも場所がないんだという場合もあると思うんですね。公民館などでやっている子育てのサロンもたくさんありますけれども、そうした場所に逆に今度行きづらいと感じている人たちがいるようなこともありますけれども、私どもの取り組んでいる子育てマンションというのを地元の建設会社さんと一緒にしているんですけれども、そのマンションのモデルルームで週に1回だけれども子育ての広場をすると、すごく大勢の方が、きれいだしということで遊びに来る。そこでただ遊ぶだけ、親子で時間を過ごすだけではなくて、親として感じてもらうこと、あるいは子どものその人たちを一緒に見守っていくような形のことを意識していきますけれども、そうしたことが少しずつ、例えば企業の会議室でもふだんはほとんど使っていないところがあるとか、商店のフリースペースでもそういうところがあるみたいなものをもっと開放すると、企業にとってもメリットがある、地域にとってもメリットがあるというようなケースをモデルとしてつくっていきたいなというふうに思っています。
 あと、もう一点なんですけれども、子育てタクシーというのを始めてやっているんですけれども、タクシーの運転手さんを子育てドライバーさんとしての養成講座も毎週のように今やっているんですけれども、その中ですごく企業、企業の特性があって、タクシー会社さんなど24時間電話の受付の人が待機していて、何かあったらもちろん出動して、出動してと言ったら変ですけれども、タクシードライバーさんが駆けつけることができる。だれかが必ず夜中いる、私たしはその夜中の電話相談とか、電話で何かあったとき、子育てしている人たちが夜悩んだりということがあるんですけれども、そういうことを受け付けられる体制がなかなか民間でするのは難しいんですけれども、意外といろんな事業者と同じ共通のミッションを持つことを努力してやっていけば、今までできなかったことができてくるんではないかなというふうに思いますので、こうした子育て支援の機運というのをぜひ企業さんとも共有したいなと感じています。
 以上です。
○宮島委員
 宮島香澄と申します。10何年前、厚生省担当記者をやっておりまして、そのときはまだ見ぬ未来として保育を考え、取材をしていました。その後、経済部に移り、社会保障の立場などから少子化問題を見ながら、個人的には今、8歳と5歳の子どもがおります。
 今まで何回も、いわゆる重点対策会議みたいなことが開かれた中で、結局実現せずに、同じラインアップが出てきているという側面もあるのですけれども、今回、私個人的にかなり期待しておりますのは、点検・評価に一つ重点があるのかなというところです。といいますのは、専業主婦もしくは保育園ママのお友達を通じて感じますのは、政策のラインもしくは政策としては意外とそろっていると思うんですね、私自身。こういうのを新たにやってほしいという声はそんなにないんですけれども、一方で一つ一つの政策について実は使い勝手が悪いところが多い。例えばファミリーサポートセンターは、ものすごくいい制度だと思うのですけれども、よく見ますと、すごくうまくいっている地域と全然進んでいない、何家族しか集まらなかったので進まないということでとまっている市町村などもあるように思います。なぜうまくいったところはうまくいき、なぜうまくいかなかったところはうまくいかなかったのかということが、分析がないままに数だけふやそうとしているような印象が個人的にはあります。
 それから、専業主婦の方に聞いたところで、特に都内では子どもを比較的すぐに預けられるような行政措置があるんですけれども、例えば申込みの仕方ですとか、5日前に申し込まなければいけないとか、時間制限が余り現実的ではないとか、政策そのものはいいのに、実のところで何か今ひとつ使い勝手が悪いというのがものすごくもったいない。そこは改めてお金をそんなに足さなくてもいいのにできないというようなことがあると思っておりまして、今回一つ一つの政策について、改めて評価もしくは改善などが十分に検討されるのであれば、かなり前進するのではないかと個人的に期待しております。
 あと、もう一つは、多分お母さん方みんな思っていますのは、意外と大変なのが小学校に入ってからだと思います。それは横のつながりの問題でもあるんですけれども、いわゆる厚生労働省の管轄の中でこのような同じ意識でいても、小学校に入ると、文部科学省なのか市町村の教育委員会なのかわかりませんけれども、それとは全然違う。例えば1時間の保護者会が大体13時半から14時から始まります。そうすると、フルタイムの母親というのは、よほど早帰りをするか1日休んでしまうかというような選択をすぐに迫られるわけですけれども、そういう状態のために、夫婦でかなりシェアをしながらやっている家でも、まず父親の方が脱落し、保護者会に行くと父親が1人もいなくて、父親が大変浮いた存在になり、それ以降、行きたくなくなるという状況が生まれております。
 小学校の先生とお話したことがあるんですけれども、土曜日の参観日の後に保護者会をつけていただくとか、まさに父親の育児が問われているときですので、父親が小学校に足を向けるようなことって考えていただいてもいいのではないかと思います。ましてや息子の友人でもシングルファーザーのお宅がいたりとか、そういう方は恐らく小学校の情報はほとんどゼロに近いわけですね。全然ほかのお母さんからも情報も入らなければ、保護者会にも出られない。そういう状況で子育てをしているお父さん方もいらっしゃいます。午後1時半や2時に学校に行くことができなくても、小学校や子育てに積極的にかかわりたい人たち、これはいわゆる働く母親に限らず、今、意識が高くなっている父親、そういう人たちを子育てに巻き込むのが非常に必要なことだと思うんですけれども、厚生労働省の施策として男性の育児というものが出てきても、なかなか小学校など現場ではそういう意識が持たれていないというふうに思っておりまして、特に今回は連携をとっての少子化対策、ハードルを乗り越える方法を全体として考えていければいいかなと思っております。
 以上です。
○岩渕主査
 はい。次の方。
○山縣委員
 山縣と申します。まず、皆さん方は自分の立場を示されたので、私は、大学を出まして、児童養護施設の指導員をやっていました。児童養護問題からこの世界に入り、2年働いていたところで夜間保育所をつくろうという動きがあり、25年ほど前ですけれども、国の夜間保育制度に乗っかる設置を現場の方でやらせていただいた。その後は、夜間保育を通じて昼間の保育所の施策、この15年ぐらいは地域子育て支援という領域で仕事をさせていただいています。先ほど、中橋さんの話にありましたけれども、私は、国のお金はいただいておりませんが、「みなくる ハウス」というものを地域の人たちと運営しています。年間6,000人ぐらいの人たちがやってきます。年間14日間しか休みません、土日含めて全部やっておりますから。かなりの人たちがみずからつくる施設といいますか、協力させてもらっているということです。
 この会議につきましては、私は非常に評価と期待しています。その中で2つデータのことで私なりのコメントをしてみたいんですけれども、1人よりも2人の方が子育ての不安が低いとか、働いていないより働いている方が不安が低いというふうなデータが出ておりましたけれども、とするならば、働きやすい社会とか子どもを産みやすい社会をつくることが、結局、親子関係がうまくいく可能性が高まるということになるんではないかというふうな思いがありました。
 それから、もう一つのデータですけれども、男性の協力、家事育児協力に関してですね、協力度が高ければ出産希望が高まると、そういうデータが出ておりましたけれども、協力の中身をもう少し明らかにした方がいいんではないかと、個人的には思っています。あるいは、それを本当に実現できる協力の中身を社会に、あるいは男性自身に具体的に示していく必要があるんではないかということですね。調査などでは、男性が育児・家事をしているということについて、男性自身に対する評価あるいは配偶者側からの評価、両方ありますけれども、大抵協力的なものはいい関係をつくるんですけれども、男が育児・家事を協力している間、片方の女性は何をしているか、妻、母が何をしているかというと、やっぱり育児・家事をしているということですね。一方、男が協力していないというふうに言われたときに、全部すべて女性が担っておられるわけですよ。そこの関係を単純に見過ぎてはいけないんではないかと。協力の中身で結局、女性は男性が協力してもその間、男のようにビール飲んで野球を見ているわけではない。そこを我々は男として自覚をする必要があるのではないかと。みずから反省をしております。
 それから、この委員会の2つの課題を聞いていて思いました。一つは、今、生きて親子を支える社会ですね。この形が楽しく生きていく社会をどうつくるのかという課題が一つあるんだろうと。それから、もう一つは、もうちょっと長期的な視点で日本社会をどうイメージしていくのか、いわゆるサスティナブルソサイティーをどうデザインできるかということだと思うんですね。ここは恐らく、前者はある程度委員の中で共通で共有できるものが多いと思うんですが、後者について言うと、相当イメージが違うんではないかと。何がいい社会なのかということに関しては、ある程度議論を戦わさないと難しいかなと。そういう意味では、一番元気な名古屋の人が入っていないというのがひょっとしたらここの弱さかもしれない。疲弊した大阪の人間がしゃべってもだめではないかという感じです。
 あと、2分ほどしかもう時間残っていませんけれども、残った時間でとりあえず前者の方について、皆さん方の意見も少しうかがうことができましたので、私の関心のあることについて3点だけですね、私なりのコメントをして終わりたいと思います。
 一つは保育の話、一つはその延長上にある地域子育て支援の話、最後は児童養護問題という話で話しさせてください。
 1番目の保育についてですけれども、宮島さんから何となくおっしゃっていましたが、私も同感で、幼児教育とか保育に関するメニューはもうかなり日本では出そろっているんではないかと。国次元のメニューとしてです。しかし、市町村あるいは個人の生活圏レベルに落としたときにぎくしゃくしているとか、連携がうまくとれていないとか、あるいは過不足があるという状況、そこをどう再構成していくのかというのが、ここの委員会で話ができる課題ではないか。あるいは見城さんでしたかおっしゃっていましたが、マネジメントということですね。連携、そのあたりの問題がここで話ができることではないかと思います。
 2点目の子育て支援ということにつきましては、保育もしくは幼児教育はこれまで子どもを中心に考えてきたわけですけれども、親と子の関係そのもの、これは高橋委員が若干触れておられましたが、親子の関係そのものを含む支援策、それをさらに地域に結びつけていく必要性があるということです。中橋さんたちがやっておられる活動に私は非常に期待していまして、中間社会としての地域の再生あるいは地域福祉の充実というところに、社会を結構荒らしてこられた団塊の世代の人たちがもう一回謙虚になって協力いただけないかとか、あるいはNPO等の活動ですね、そういうふうにお願いをしたい。子どもの育つ力と親の子どもを育てる力と地域がそういう親子関係を育む力というのは、日本語で書いていただくと、こう「育」が3つそろうと思うんですけれども、3つの「育」という視点が恐らくここで話ができる点ではないかと思います。
 児童養護問題は、ちょっと時間がないので、鹿毛委員とか庄司委員と基本的には重なるので省略をさせてください。
 一言だけ、政府中心のあり方をとにかく変えないといけないと。何かあれば全部我々がすぐしますというやり方のところの変換ですね、これは非常に重要ではないかというふうに思います。保護施設中心のあり方から里親を含め、施設の小規模化とか地域化とかあるいはショートステイとか、そういうところを含めたいろんな、これも同じようにメニューはある程度出ているわけですから、そこをどう組み合わせていくのか、あるいはシフト変換するのかというところがここは3番目の課題でございます。
 いずれにしましても、大阪人、何かちょっと一言笑いをとらないといけないので、子育てを苦痛から普通にする工夫が要る。苦痛から普通に、「く」から「ふ」という工夫が要るんではないかという、そういうことで時間となりましたので、あと山田先生の方に。
○山田委員
 山田昌弘でございます。私は、1997年に旧厚生省の人口問題審議会の専門委員に加えていただいて、それからいろいろ発言させていただいたんですけれども、男性1人の収入では豊かな生活は営めないというのがかなり大きな要因になっていることを私ずっと言い続けてきたんですけれども、やっと認めていただけたかというふうにまずご報告で感じましたので、一言添えさせていただきます。
 ちょっと前までは私、「パラサイトシングル」というのを言っておりまして、あと最近はいろいろ「格差社会」というので流行語大賞をいただいたりしていたんですけれども、やはりいろんな意味での格差が広がっている中での少子化ということを考えなくてはいけないのではないか。多分、対策をする際にも考えないといけないと思います。例えば地域を見てみましても、東京の合計特殊出生率は低いんですが、実は10年前と比べて子どもの数、出生数自体はほとんど減少していないんですね。つまり地方から若い人が流入してきてそこで産むので、見かけ上は出生率が低いんですけれども、子どもの数は維持されている。大人はちょっと特殊ですけれども、あと滋賀県とか愛知県とか神奈川県は子どもの数は大きくは減っていない。逆に子どもの合計特殊出生率が高くても、若い人が流出している地域から子どもが少なくなっていて、東北地方のある県では10年前に比べて25%子どもの数が減っていますし、東北地方の数県では20%以上減っていて、かついろいろ私、データを調べてみましたら、いわゆる妊娠が結婚に先行する出生、いわゆるできちゃった結婚率というのも東北諸県では30%を超すということで、子どもは少なくなっている上に経済的に準備もないまま親になる、別にそれがいけないというわけではないのですが、ケースが多くなっている。そういう地域の力がかなり違っている。ただ単に大都市圏と地方という差だけではなくて、いわゆるある都道府県内部をとってみても、経済的、時間的に余裕がある人が多く住む地区もあれば、サポートしてほしい人がたくさん住んでいる地区もあるということで、あと地域の単位をどうとっていくかということも一つ問題になると思います。
 私の知り合いで要保護児童が多い地区に住み、ある地域活動に熱心な人が、男性なんですけれども、それが子どもの教育にやっぱり悪いからといって、東京都の文教地区に専業主婦の地域活動熱心な人ともども引っ越してしまったということがたまたま最近ありまして、さらにいわゆる東京ではもう4分の1が私立小・中学校に通いますので、もう自分の地域に子供を通わせるんではなくて、自分の通っている子どもは別の地域に行って、そこのPTA活動とかは熱心にするようになるといったようなこともありますので、都会の内部でもかなり地域の格差というものが出てきているわけです。いわゆる人の移動というのをとめることはできませんので、こればっかりはいわゆる地域でやるということもそうですけれども、地域がやれるような経済的条件というものを政府が全国的に考える必要があるんだと思っています。
 あと、もう一つは、先に触れましたけれども、10年前に比べて家族の経済力格差というものは明らかに拡大しているわけです。先ほど言いましたが、東京都ではもう私立中学進学率が4分の1、つまりそれだけ余裕がある親が4分の1近くいると同時に、いわゆる給食費等の就学援助を受ける親も4分の1まで高まって、ほぼ10年で倍ぐらいになっているというぐらい子どもを育てる親の経済状況というものが非常に多様化しているということをひとつ考えていただく。それも地域的に偏っていることを考えて対策を進めるべきだと思っています。
 私、教育学部ですので、各地の学校に卒業生がいるのですが、あるいわゆる要保護児童が多い地区に赴任した先生は、カウンセラーよりもケースワーカーが欲しいと。つまり子どもの親の生活を立て直すための方策が必要なんだというふうに、親をしかっても親の生活が崩れているという状況があるとか。次回、私、出席できないので、少し長めにしゃべらせていただきました。どうも申しわけございません。
○岩渕主査
 ありがとうございました。
 今、ご出席の委員の方に一通りお話いただいたんですけれども、これに対して質疑、応答、それぞれにもしあれば、ここでちょっと受けたいと思いますが、ありますか、今までの中で。
○篠原委員
 さっきから話をお聞きしていても、結局、幼児教育、教育の問題がかなりいろいろ絡むんですよね。文部科学省からどなたもご出席、今日なさっていないんですか?ああ、いらっしゃる。例えばどう子どもを育てていいかわからない、若い親たちが多いということがあって、文科省でこういうふうに育てたらいいとか、手引きみたいなものを何年か前につくったことがありましたよね。その手引き書、次回でいいですから資料として出していただけますか。座長にもお願いします。
○湊屋文部科学省生涯学習政策局男女共同参画学習課長 今も「家庭教育手帳」という3種類の小さな冊子を乳幼児や小中学生を持つ全国の親に、毎年、それぞれ100万部ぐらい作って配っています。これは子育てのヒント集として各家庭でお読みいただくとともに、例えば学校のPTAの会合を活用して行われる学習の場などでも資料として活用していただきたいと言っているところです。
 今、先生から資料提供のご依頼がありましたので、事務局と相談させていただきます。
○篠原委員
 なぜ私申し上げたかというと、当時、河村さんが文科大臣でしたけれども、昔は家庭や地域がそういう手引きなんかなくても子どもの育て方を知っていた。しかし、最近の若い人たちはそういうものがないと自信がないと。それであえてつくったんだというお話をお聞きしたことがあるもんですから。ぜひ出していただきたいと思います。
○見城委員
 今度の月曜日というのが、出席、無理かなと思います。そこで2回目の分としての発言をさせていただきます。育児不安解消に対する地域の取組という「地域」なんですが、地域があるという、昔からの向こう3軒両隣的に地域があるという感覚で事を進めると、また活用不能のシステムになると思います。まずこれが1点です。
 私の考えでは、近所がなくなって、それで地域とかコミュニティーという言葉が出てきたと、そういうふうに位置づけております。それと、商店街の消滅という、商店街が崩壊してきましたので、地域というのは随分商店街が町の周りを支えておりましたが、この商店街が崩壊する形で、地域も崩壊したのではないでしょうか。これは都市計画や都市設計と関係してくるんですが、地域はあっても郊外型のショッピングモールに人が必要なときだけ行って、あとは家庭というところの箱にこもってしまうという形になったのが一つ大きいと思うんです。
 それで、その辺なんですが、一つは、団塊の世代がこれから地域に帰ると言われております。私は100万人のふるさと回帰支援運動といって、農業とか様々な人材として各地へ住めるようにするセカンドライフのすすめを行っていますが、この世代が「地域」という中に果たして根づくのか、ここがポイントになると思います。
 それから、先ほどから親を育てるという「親の教育」ということで、何事も教育は大事なんですが、私がとても大事だと思っているのは、私がうつにもならず、こういった4人を育てながら今日もこうして仕事ができるのも、私の母とか叔母とか、周りの近所の方とか、何というんでしょうか、先人の知恵ですね、これが、とってもよく効くんです。落ち込んだときにふっと人生ちょうどいいということはない、等と言われることで目からうろこです。どうしたら教育という枠を超えてか、枠の中でもいいんですが、このような多様なものの考え方、人間模様をつくれるかというところが大きいと思うんですが。悩んでインターネットにキーワード打ち込めばいろんな情報が出てくるんですが、それでは助からない人たちには、中橋さんなどが具体的にやっていらっしゃるんですけれども、すぐ近くの人たちの力ですね。そこの部分をやっぱり落とさずに、今回、会議の中で拾っていって常に入れていっていただきたいんですね。なかなかおじいさんやおばあさんがいるという環境はつくれませんが、じゃ、そのかわりに本当に何ができるのか、それから近所の人というもの、地域という言葉で片づけないで、近所の人というのを再構築できるのか、ここが大事だと思います。
○岩渕主査
 ありがとうございました。
 時間が大分迫ってまいりましたので、きょうここにご欠席でいらっしゃいますけれども、事務局の方から森市長のご説明を紹介していただきたいと思います。
○度山少子化対策企画室長
 きょうご欠席の高浜市の森市長から高浜市の「子育ち・子育て支援施策について」ということでメモを預かっておりますので、ちょっとご紹介を申し上げます。
 高浜市は、名古屋市から南東25キロの位置にあり、面積13キロ平米という平坦でコンパクトなまちです。平成19年1月現在の人口が4万3,117人、ゼロから17歳の児童数が8,698人、就学全児童が2,970人という小規模な自治体ですけれども、人口増加が続いておって、子どもの数も増加の見込みだということでございます。小学校は平成14年に1校新設をして現在5校、中学校が2校ということです。保育所が公立4園、私立2園の6園、幼稚園が公立4園、私立1園の5園、児童センターが4か所、児童クラブが6か所、子育て支援センターが2か所、つどいの広場1か所、病後児保育室1か所ということですが、来年度からは認定子ども園1か所を民間の方にお願いをして新設の予定。ここでは子育て支援センターですとか、放課後児童クラブを実施いただく予定だと伺っております。
 特徴的な施策としては、平成14年4月にこども課というものを創設をされて、保育所、幼稚園、放課後児童クラブの窓口のほか、厚生労働省・文部科学省の子育ての関連施策の窓口を一本化したということでございます。さらに、平成18年4月より「こども未来部」を新設をして、児童手当の支給ですとか、官庁関係の青少年健全育成施策というものを統合する形で市民サービスの向上を図ってきたということです。
 次世代育成支援計画であります「たかはま子育ち・子育て応援計画」に沿って保育園での延長保育、休日保育、一時的保育や幼稚園での預かり保育、病後児保育といった保育サービスを充実されるほか、0~2歳児の家庭的保育、つどいの広場、中・高校生と赤ちゃんとの交流、それから子ども市民憲章の普及啓発、中・高校生の居場所づくり、たかはま夢・未来塾、子ども食育の推進、幼稚園・保育所の保育サービス評価あるいは共通カリキュラムの運用などを行っているということです。これらの運営などの一部には公募の市民の皆様の知恵・力をお借りをして施策を推進している。例えば中・高校生の居場所づくりにおいては、中・高校生が運営委員となるといったような若い世代のお力をお借りするとともに、児童クラブの運営ではシルバー世代のお力をお借りをしているという状況だそうです。
 最近では、地域の皆さんの力をお借りして、小学校単位としてまちづくり協議会というものを設置していただく中で、防犯パトロール、下校時の見守り、居場所づくりなどについてもご協力をいただき、子どもたちも安心して暮らせるまちづくりの推進をしていくところ。こういった取組の結果、市民の皆様の力、いわゆる地域力が向上してきていて、自分たちの力で子どもを育てていこう、見守っていこうという機運が醸成されているところです。
 こういった地域の新しい形のコミュニティーの力を十分発揮していただけるような支援をし、また役割分担を進めていくことでより具体的な市民の声をお聞きするとともに、行政と地域が持てる力を生かし、利用者が選ぶことができる選択肢を広げることで、これまで以上に子どもと子育て家庭のニーズに合った支援ができるのではないかと考えているということで、ご紹介させていただきました。
○岩渕主査
 そういうことで、事務局の方から、今までいろいろ意見が出ましたけれども、それに対するコメント何かありますか。いいですか。
 それでは、きょうのご議論を伺いまして、これだけやはり幅が広くて奥の深いテーマをどういうふうに議論してまとめ上げるというのは、大変難しい問題だなというのは痛感しておりますけれども、そういう意味で言いますと、将来的な社会のあり方はとりあえず別にいたしまして、先ほど山懸先生が区分けなさいましたけれども、当面の諸問題解決につきましては、できるだけ排除の論理をとらずに、それぞれの皆様がおっしゃったことをできるだけ生かしながら検討していきたいなというふうに思います。キーワードとしては、先ほどから出ています格差、団塊の世代、教育の問題、それから近所の問題、それからやはり夫の役割と、こういったようなことも含めましてさらにこれから議論を深めてまいりたいというふうに思います。
 それから、地域の問題を考える上では、国の制度や政策がどうなっているかというだけでなくて、それぞれの市町村あるいは都道府県のレベルでどのように動いているのかというのも見ることも重要であろうというふうに思います。私自身、出生率が上がっている市町村についての研究とかですね、各地の取組を調査してまいりまして、事務局と相談しまして、そのような自治体レベルの取組の話もヒアリングでもできるような機会も準備して議論を進めていきたいというふうに考えております。何分ひとつよろしくお願い申し上げます。
 本日はちょっと時間がもうタイムアップ寸前でございますけれども、今回はここまでにしたいと思いますが、最後にこれだけは言っておきたいという、言い忘れた、次回来れないからぜひこれだけは言っておくという、印籠を渡すような......はい、どうぞ。
○見城委員
 何かすごく時間をいただいてしまって、申しわけないんですが、先ほどから出ている少子化と、結婚したいと思う女性は結婚してできるような社会、産みたいと思っている女性が子どもを持てる社会、授かって育てていける社会というのはとても重要でポイントなんですが、何でしょう、これ国民運動的に皆さんだれもが結婚して、だれもが産んでという、そういう形に間違って受け取られたら大変なことだと思いますので、あくまでもいつか結婚してみたいなとか、自分の子どもを授かったらお母さんになってみたいなとか、お父さんになってみたいなと、そう思っている人への、どうしたら産みやすく、育てやすく、授かりやすく、病院の問題も含めてですね、小児科も少ないですから、そういったことも含めてこの会議では進めていくというのを確認させていただきたいと思います。ともするとそうではない人まで巻き込みながら、何としてでも産んで育ててふやそうというような形に受けとめられたらいけないと思うんです。それが1つ。
 もう一つは、自分では結婚したくないかもしれない、しないかもしれない、また、子どもって余り好きじゃないという、そういう人もいますので、そういう人たちも含めて税金を払うことで社会的に子育てに参加しているという、そこの意識をぜひ盛り込んだ政策にしていくべきだ、制度にするべきだということで、産む人も産まない人も、欲しいとか欲しくない人も、社会的に子育てに参加する社会というのを基本に置いて進めていただきたいと思います。ありがとうございました。
○岩渕主査
 ありがとうございました。
 これに一言何かという方がなければ、本日はこれで終わりたいと思いますが、よろしございますか。
○篠原委員
 僕が国民運動と言ったことで、多少、見城さんがこだわられているかもしれないけれども、私が言ったのは、産めよ、殖やせよの国民運動をやれということじゃなくて、要するに産んで子育てをするというのはどんなにすばらしい人生の大事業なのか、最優先の事業なんだということの意識をみんなが持てるような運動をという意味で言ったんです。
○岩渕主査
 ありがとうございました。
 それでは、時間もまいりましたので、今回はこれまでにしたいと思います。最後に大谷局長から一言お願いいたします。
○大谷雇用均等・児童家庭局長
 本日は長時間ご議論いただきまして、まことにありがとうございました。本日も皆様から貴重なご意見を承りました。当分科会としての議論のとりまとめに向けまして事務局としても最大限努力してまいりたいと存じますので、岩渕主査を初め委員の皆様におかれましては今後ともご協力のほどをよろしくお願い申し上げます。
 また、次回の開催日時につきましては、事前にご連絡を申し上げたとおりでありますが、4月9日月曜日、ちょっと遅い時間で恐縮ですが、17時から19時の間で霞が関ビル東海大学校友会館内で開催する予定でございます。委員の皆様には引き続きよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。
午後 5時01分 閉会