バリアフリー新法の解説1

資料2

高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律

ユニバーサル社会の実現をめざして

国土交通省・警察庁・総務省


この法律でこう変わります。

高齢者や障害者など、あらゆる人たちが社会活動に参加し、自己実現できるために、近年、建築物や交通機関などにおいて着実にバリアフリー化が進められてきました。しかし、施設ごとにバラバラにバリアフリー化が進められ、連続的なバリアフリー化が図られていない、ソフト面での対策が不十分などの課題がありました。

そこで、<高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律>が制定されることにより、従来対象となっていた建築物、公共交通機関、道路に加えて、路外駐車場、都市公園にも、バリアフリー化基準(移動等円滑化基準)への適合が求められるなど、バリアフリー化が促進されます。また、駅を中心とした地区や、高齢者、障害者などが利用する施設が集中する地区において、面的なバリアフリー化が進められます。

さらに、住民参画などのソフト面での施策の充実も図られます。

この法律でこう変わります。


この法律の内容は...

一般的・総合的なバリアフリー施策を維持するために、ハートビル法と交通バリアフリー法を統合・拡充した「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」が策定されました。(平成18年6月21日公布、12月20日施行)

この法律の内容は以下のとおりです。

1.法律の趣旨

高齢者、障害者(身体障害者・知的障害者・精神障害者・発達障害者を含む、全ての障害者)、妊婦、けが人などの、移動や施設利用の利便性や安全性の向上を促進するために、公共交通機関、建築物、公共施設のバリアフリー化を推進するとともに、駅を中心とした地区や、高齢者、障害者などが利用する施設が集まった地区において、重点的かつ一体的なバリアフリー化を推進します。また、バリアフリー化のためのソフト施策も充実します。

2.法律の基本的な仕組み

(1)基本方針の策定

主務大臣が、バリアフリー施策を総合的かつ計画的に推進するための「基本方針」を作成します。

(2)バリアフリー化のために施設設置管理者等が講ずべき措置

公共交通機関(駅・バスターミナルなどの旅客施設、鉄道車両・バスなどの車両)、並びに特定の建築物、道路、路外駐車場及び都市公園を新しく建設、導入する場合、それぞれの事業者・建築主などの施設設置管理者に対して、施設ごとに定めた「バリアフリー化基準(移動等円滑化基準)」への適合を義務づけます。

また、既存のこれらの施設等について、基準適合するように努力義務が課されます。

バリアフリー化のために施設設置管理者等が講ずべき措置

(3)重点整備地区におけるバリアフリー化に係る事業の重点的かつ一体的な実施

ア.市町村による基本構想の作成

市町村は、国が定める基本方針に基づき、旅客施設を中心とした地区や、高齢者、障害者などが利用する施設が集まった地区(「重点整備地区」)において、公共交通機関、建築物、道路、路外駐車場、都市公園、信号機などのバリアフリー化を重点的かつ一体的に推進するため、当該地区におけるバリアフリー化のための方針、事業等を内容とする「基本構想」を作成することができます。

イ.基本構想に基づく事業の実施

関係する事業者・建築主などの施設設置管理者及び都道府県公安委員会は、それぞれ具体的な事業計画を作成し、事業を実施します。

バリアフリー化を重点的に進める対象エリアを旅客施設を含まない地域にまで拡充

(4)住民などの計画段階からの参加の促進を図るための措置

基本構想を作成する際に高齢者、障害者などの当事者参加を図るために、協議会制度を法律に位置づけ、また、高齢者、障害者などから、市町村に対して、基本構想の作成・見直しを提案できる制度を創設しました。

(5)「スパイラルアップ」と「心のバリアフリー」の促進

ア.「スパイラルアップ」の導入

具体的なバリアフリー施策などの内容について、高齢者、障害者など当事者の参加の下で検証し、その結果に基づいて新たな施策や措置を講じることによって、段階的・継続的な発展を図っていく「スパイラルアップ」を国(地方自治体)の責務としました。

イ.「心のバリアフリー」の促進

バリアフリー化の促進に関する国民の理解・協力を求める「心のバリアフリー」を国(地方自治体)や国民の責務としました。

(6)その他(移動等円滑化経路協定)

基本構想で定められた重点整備地区において、駅~道路~建築物などの連続的なバリアフリー環境を、安定的に維持するために、その土地所有者などが、全員の合意により、経路の整備や管理に関する事項を移動等円滑化経路協定として締結することができるようにしました。なお、協定は市町村長の認可を受けなければなりません。

これにより、継続的に協定内容が効力を発揮することができます。


基本方針とは...

バリアフリー化を総合的・計画的に推進するために、主務大臣(国家公安委員会・総務大臣・国土交通大臣)が以下の事項からなる基本方針を定めました。

1.バリアフリー化の意義及び目標に関する事項

(1)バリアフリー化の意義

  • バリアフリー化を進めることにより、「どこでも、だれでも、自由に、使いやすく」をいうユニバーサルデザインの考え方に基づいた、すべての人に利用しやすい施設等の整備も実現できます。
  • 身体障害者のみならず、知的障害者・精神障害者・発達障害者を含む全ての障害者が法対象。
  • バリアフリー化を進めるに当たっては、高齢者、障害者等の意見の反映が重要。

(2)バリアフリー化の目標

バリアフリー化の促進に当たり、次の事項を達成することを目標とします。

 目標年目標
旅客施設(鉄軌道駅・バスターミナル・旅客船ターミナル・航空旅客ターミナル(注1) 平成22年(2010年) 100%
鉄軌道鉄軌道駅(注1) 100%
鉄軌道車両 約50%
バスバスターミナル(注1) 100%
乗合バス低床バス 平成27年(2015年) 100%
ノンステップバス 平成22年(2010年) 約30%
船舶旅客船ターミナル(注1) 100%
旅客船 約50%
航空航空客船ターミナル(注1) 100%
航空機 約65%
タクシー福祉タクシー 約18,000台
道路主要な鉄道駅周辺等の主な道路 100%
建築物不特定多数の者等が利用する建築物(注2) 約50%
都市公園園路及び広場 約45%
駐車場 約35%
便所 約30%
路外駐車場 約40%
信号機等信号機等の移動等円滑化が実施された主要な鉄道駅周辺等の生活関連経路 100%
(注)
現状及び目標の数値は、施設毎に設定されたバリアフリー化に係る基準の達成割合等を示す。
(注1)
利用者数5,000/日以上のもの。
(注2)
特別特定建築物

2.施設設置管理者が講ずべき措置

施設設置管理者は、次の措置を適切に講じて、バリアフリー化を進めることが必要です。

(1)施設及び車両等の整備

  • 施設において、連続したバリアフリー化された経路を1以上確保する事。また、確保に当たり高齢者、障害者等の移動上の利便性・安全性の確保に配慮すること。
  • 特定建築物などバリアフリー化が義務づけられていない施設についても、積極的なバリアフリー化の取組が望ましい。

(2)適切な情報の提供

  • 視覚情報・聴覚情報により、緊急時を含め情報を分かりやすく適切に提供することが必要

(3)職員等関係者に対する適切な教育訓練

  • 乗車・利用拒否の発生を防止し、円滑なコミュニケーションを確保するために、計画的な研修、マニュアルの整備などによる職員教育を一層充実させるよう努めるべき。

3.基本構想の指針

市町村は、次の事項に基づいて基本構想を定めることが必要です。

(1)重点整備地区におけるバリアフリー化の意義に関する事項

  • バリアフリー化を速やかに、効果的に進めるためには、重点整備地区を定めることにより事業を重点的かつ一体的に推進することが必要。
  • 基本構想の作成に際して、施設設置管理者、高齢者、障害者等関係者の積極的な協力が必要。
  • 可能な限り具体的かつ明確な目標を設定するとともに、都市計画、福祉に関する計画、条例などとの調和が必要。

(2)重点整備地区の位置及び区域に関する基本的な事項

  • おおむね400ha(2キロメートル四方)未満の地区で、生活関連施設※1のうち旅客施設や特別特定建築物※2がおおむね3以上存在し、施設相互間の移動が通常徒歩であることが見込まれる地区。
  • 重点的かつ一体的なバリアフリー化を図るための事業を実施する必要がある地区。

【※1 生活関連施設】高齢者、障害者等が利用する旅客施設、官公庁施設、福祉施設、病院、文化施設、商業施設など

【※2 特別特定建築物】誰もが日常的に利用する官公庁施設、商業施設や主として高齢者、障害者などが利用する老人ホームなど

(3)生活関連施設及び生活関連経路並びにこれらにおけるバリアフリー化に関する事項

  • 長期的展望を明らかにする観点から、対象施設・経路を必要な範囲で幅広く記載すること。

【※ 生活関連経路】生活関連施設相互間の経路

(4)生活関連施設、特定車両及び生活関連経路を構成する一般交通用施設についてバリアフリー化のために実施すべき特定事業その他の事業に関する基本的事項

  • 事業の着手予定時期、実施予定期間をできる限り明確に記載すること。

【※ 一般交通用施設】道路、駅前広場、通路その他の一般交通に関する施設

(5)その他重点整備地区におけるバリアフリー化のために必要な事項

  • 特定事業の順調な進展のため、実施状況の把握、連絡調整の適切な実施などが重要。
  • 協議会の活用などにより、事後評価を含め、利用者や住民の参加によるスパイラルアップが重要。

4.その他バリアフリー化の促進に関する事項

  • 国は、スパイラルアップと心のバリアフリーに関して責務があります。
  • 地方公共団体は、国の責務に加えて、地域特性に合わせて建築物のバリアフリー化基準の強化に努めることが必要。
  • 国民は、バリアフリー化の促進に関する理解・協力の責務があり、視覚障害者誘導用ブロック、車いす使用者用駐車施設の駐車などに関して適切な利用の確保に協力することが重要

本法(関係資料含む。)並びに関係政省令及び基本方針の本文は、以下の国土交通省バリアフリーユニバーサルデザイン施策のページ別ウィンドウで開きますなどで閲覧可能です。

バリアフリー新法関係省庁担当窓口

国土交通省

〒100-8918 東京都千代田区霞が関2-1-3

バリアフリー施設全般、基本方針について...
総合政策局政策課
Tel 03-5253-8256 Fax 03-5253-1548
公共交通のバリアフリー化施策(基準等)について...
総合政策局交通消費者行政課
Tel 03-5253-8306 Fax 03-5253-1551
道路のバリアフリー化施策について...
道路局地方道・環境課道路交通安全対策室
Tel 03-5253-8907 Fax 03-5253-1622
路外駐車場のバリアフリー化施策(基準等)について...
都市・地域整備局街路課
Tel 03-5253-8416 Fax 03-5253-1592
都市公園のバリアフリー化(基準等)について...
都市・地域整備局公園緑地課
Tel 03-5253-8419 Fax 03-5253-1593
建築物のバリアフリー化施策(基準等)について...
住宅局建築指導課
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警察庁

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