第3回「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議「地域・家族の再生分科会」議事要旨

平成19年4月17日(火)
18:00~20:04
厚生労働省内 省議室
(厚生労働省9階)

議事次第

○ 開会

【議事】

働き方の多様化に対応した子育て支援サービスについて

(配付資料)


午後 6時00分 開会

○岩渕主査
 それでは定刻になりましたので、ただいまから「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議「地域・家族の再生分科会」を開会いたします。
 去る4月9日に当分科会の第2回を開催し、「育児不安の解消に向けた子育て家庭を支える地域の取組」をテーマに、実際にさまざまな取組を実施されている自治体の方をお招きして、その説明を伺いつつ議論を行ったところでございます。
 本日は、前回までにいただいた説明、意見を踏まえつつ、「働き方の多様化に対応した子育て支援サービス」について議論を深めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 まず、事務局から今回のテーマである「働き方の多様化に対応した子育て支援サービス」について、その議論の背景と現在の課題等について御説明いただきたいと思います。お願いします。
○度山厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課少子化対策企画室長
 それでは、事務局から最初にお時間をいただきまして、資料1の「働き方の多様化に対応した子育て支援サービスについて」という資料を準備しておりますが、この資料に沿って御説明申し上げます。
 資料は3部構成になっておりますが、まず1番で「働き方の多様化に対応した子育て支援サービス」、こういったことをどういうふうに考えていけばよいかという考え方をまとめてございます。
 まず、働き方の多様化ということは一体どういうことを意味するか。そして、今どういうふうに政策が動こうとしているかということでございますが、2ページ目でございます。先々週になりますが、4月6日に経済財政諮問会議の中に設けられました労働市場改革専門委員会というところの第1次報告がまとめられまして、同日開催されました経済財政諮問会議の方に報告をされております。
 そのエッセンスをちょっと抜いてまいったわけでございますけれども、「働き方を変える、日本を変える」―《ワークライフバランス憲章》の策定―」というタイトルになっております。どのような内容のことを言っているかと申しますと、働き手というものの立場から今の働き方というものを考えてみると、いろいろな働き方の間に大きな「壁」が存在をしている。例えば、正社員と非正社員、正規の働き方と非正規労働者、それから男性と女性ですとか、あるいは年齢や国境や官民といったことが指摘をされておりますけれども、このような「壁」というものは生活の豊かさを享受する機会であるとか、あるいは将来に向けて意欲を持って働く機会を狭めるものであるとともに、経済成長を制約する要因になる。あるいは、これから日本の人口が減っていく時代を迎えている中で、貴重な人的資源をある意味では浪費をしているといったことを言っております。また、働くことと生活が両立できないということは、結婚や出産、子育てというものを抑制をして少子化を加速しているといった記述もございます。
 こういった状況の中で、目指すべき10年後の労働市場の姿の実現のかぎはどういうところにあるかということを言っていますが、「働き手が、多様で公正な働き方の選択肢から、ライフスタイル、ライフサイクルにあわせて選択できるようになること」である。そういったことの中から、ワーク・ライフ・バランスという課題が出てきているわけです。これは、働き方と生活がバランスが取れない。不均衡であるということは、一方では働き手も含めて生活者であるわけですので、働き方の選択ができないということを意味する。そうしますと、いろいろな意味で働き方の間に壁をつくってしまって、うまく一人ひとりの能力が生かされない。それがひいては個々人の生活の豊かさという意味でも、それから日本経済全体にとってもマイナスであるということを言っているわけです。
 こういったことの中から、すべての就業希望者にとって充実した働き方が可能になるように就業率の向上を進めるとともに、そうした就業が豊かな家庭ですとか地域生活と両立をするように、労働時間の短縮と合わせた取組を進めるということを言っておりまして、下にグリーンの箱が二つ書いてございますけれども、就業希望者が就業できるようにということで、今さまざまな年齢の中で、例えば十分に就業のできていない若い方ですとか既婚の女性の方、あるいは高齢者の方の就業希望に合わせた形で就業率を10年かけて引き上げていけばどうだろうか。
 それとともに、そういう働き方が生活と両立するようにフルタイム労働者の労働時間を短縮するということで、例えば年次有給休暇の100%取得であるとか、残業時間の半減であるとか、そういったことを進めていけばどうだろうかということが提案をされているということでございます。
 同日の経済財政諮問会議の中では、例えば議論としては、働きたい人もいるんだ、そういう人に残業を半減しろというのは疑問であるとか、働くこと自体が生きがいといった面も考えなければいけないとかという意見も出たには出たんですけれども、最後に安倍総理が発言をしておりまして、長時間労働を前提に経済が成り立つというのはやはり間違っているのではないか。家族と時間を過ごすということは、家族がしっかりしていなければ国も成り立たないという根本にもさかのぼる。そういった問題であろう。そういった観点からワーク・ライフ・バランスというのは大切であり、少子化対策などの観点からも重要なテーマであろうということで、安倍内閣として本格的に取組たい。それで、「働き方を変える行動指針」というものを政府部内で十分連携をして取りまとめることとしたいということで、このテーマの議論を締めているということでございます。
 こういった話になっておりますので、ワーク・ライフ・バランスということについては、この「働き方を変える行動指針」の策定というものに関係省庁で連携をして取り組んでいくという流れにこれからなっていくということでございます。
 では、働き方の分野でこういった問題提起がされているということを、現在のこの分科会との関係で地域の側に立って見るとどういった課題になってくるかということが3ページ目でございます。
 上の箱に書いてございますけれども、多様で公正な働き方が実現をしていく。そういった形で多くの方が希望に沿って就労をしていくという中で、家族の機能というものが営めるようにそれぞれの地域において家族をサポートしていく。そして、すべての子ども、すべての家族を大切にしていく。そういった動きが地域の側には必要であろうということでございます。
 これを少し分解いたしますと、まず真ん中の箱になりますけれども、いろいろな働き方の選択肢ができて、いろいろな方がそういった選択肢の中から自分の生活スタイルに合った形であれば自分の人生設計に沿った形で働くことになるわけですが、そういった働くことと結婚をする、あるいは子どもを生み育てるということが二者択一にならないように、社会的な制度でありますとか地域のサービス基盤を整えていかなければいけない。ここのところが今日のテーマになるわけでございます。
 もう一つは、さまざまなライフスタイル、ライフサイクルに合わせた家庭で子育てを行うということの支援が必要になるということでございます。いわゆるワーク・ライフ・バランスのライフの方の家庭生活ということを子育てという面から、これは地域がどのようにサポートをしていくかということになるわけです。
 地域の子育て支援に関しましては、前回議論をいたしました。従来はとかく専業主婦対策という面が強調されていたように思いますけれども、翻って考えますと、この就労と家庭・地域生活についてはさまざまなバランスとか姿というものが実現をしていく。ワーク・ライフ・バランスということを進めていきますと、例えば就労者でも生活時間というものの中で地域に存在をしていろいろな活動を行っていくということもございます。あるいは就業を継続した方にとっても、例えば育児休業を取っていらっしゃるとか、あるいは部分的な就労、休業、いわゆる短時間勤務ですとか隔日勤務のような形で、労働者ということの側面と家庭で子育てをしているという両面を1人の中に併せ持つということも出てくるわけです。
 あるいは、長い人生の選択の中で一時的な離職や再就職という選択を取られる方もいらっしゃるでしょうし、それから男性も女性も家庭の中で専業をするということもあるだろう。あるいは、家庭の姿もさまざまで、ひとり親家庭のような家庭も出てきている。どういったライフスタイルを選択することになっても、家庭において子育てを行うということがなくなるわけではございませんので、そういったことについての支援をいろいろな形で進めていくということがテーマになろうかと思います。このことについては、主に前回いろいろな自治体の取組も含めて御議論をさせていただいたところかと思います。
 4ページ目以下ですが、これはまず諸外国といろいろ比較する中でいかに日本の現状が二者択一的状況になっているかということでございます。OECDの資料から、まず6歳未満の子どもを持つ母の就業率というもののデータを比較しておりますけれども、3歳未満と3歳から就学前ということで区切っておりますが、どの年齢層で見ても断トツに日本は低いということが見ていただけます。それだけいわゆる小さい子どもをもっている間の両立がいかに難しいかということを表していると思います。
 5ページ目ですが、これはよく知られたデータでございますけれども、出産前に仕事をなさっていた方の7割くらいが出産に伴って離職をするというのが私たちの国の現実であるということでございます。
 次に6ページ目でございます。就労希望に沿って就労をしていくために就業率が引き上がるようにしていくんだという議論がございます。これもよく知られたことですが、我が国の女性全体の就業率のカーブは子育て期に一たんダウンするというM字カーブを描くわけでございます。このM字カーブの底はだんだん年代が後になるにしたがって上がってはきているわけでございますが、これはどちらかというと主に社会全体で未婚者の割合が増えたから上がってきているという側面がございまして、右側のグラフを見ていただきますと、未婚者のカーブと有配偶者のカーブはあまりこの20年間で変わりがないということを見ていただけると思います。
 それから7ページ目ですが、では諸外国では有配偶の女性の年齢層によるカーブはどういう形状になっているのかということで、スウェーデン、フランス、ドイツと日本を比較をしてございます。スウェーデンやフランスのように出生率も高く、女性の就業者の割合も高い国ではあまりカーブが落ち込まないということがあろうかと思います。ドイツは、日本とフランスやスウェーデンの中間のラインをいっているという現状でございます。
 8ページ目になりますが、これはそれぞれフランスとスウェーデンで有配偶と未婚の方のカーブの形状がどうなのかということでグラフを重ねてみたところでございます。フランスは多少有配偶の方の労働力率は落ちますけれども、形状としてはほとんど未婚者と有配偶者のカーブが変わらないということが御理解いただけるかと思います。それに比べまして、日本の未婚者と有配偶者のカーブの差はかなり大きいということも比較をすると見ていただけると思います。
 では、このような状況はどのような社会的な条件で可能になるのかといったようなことがあるかと思います。一つは、こういった両立を支える地域のサービス基盤の問題というものがございます。9ページ目でございますけれども、子育て世代の女性の労働力率と、それから3歳未満児のうち認可された保育サービスを利用している者の割合というものを表にして比較をしてみたところでございます。見ていただきますとわかるように、20代後半から30代にかけて、フランスやスウェーデンでは7、8割の方、スウェーデンは30代後半になりますと9割近くの方が労働力化されているわけですが、こういったものを支える上で3歳未満のいわゆる認可された保育サービスを利用する方の割合というものは4割から5割近くになっているということでございます。
 日本の現状で言いますと、後でまた図が出てまいりますが、0歳、1歳、2歳を通しますと、生まれた子どもの数に比べますと2割くらいの方が保育所を利用していて、残りの8割の方が在宅という状況でございます。
 こういった状況で、例えば女性の方が7、8割働けるようになってくるということになりますと、もちろん育児休業もあるわけでございますけれども、ここのところの率がもう少し高いということが求められるのではなかろうかと思います。
 それと併せまして10ページ目になるわけでございますが、もう一つ両立を支える仕組みとして育児休業制度というものがございます。よく育児休業明けに保育所を利用できるかどうかというのが女性が就業を続ける上でかなり大きなかぎになるという話があるわけでございますけれども、育児休業と保育がきちんとつながっているということが大変重要なことであろうと思います。
 多少制度的な御紹介をいたしますと、フランスでは2004年から乳幼児迎入れ手当という仕組みがございます。これは家族手当の一種でございますけれども、3歳未満の時期に休業している間は休業中の所得保障をする。それから、今度は働き出したときには保育ママさんを雇用してということになりますけれども、子どもを預けて職業活動に従事をしている程度に応じまして保育費用、保育ママさんの雇い賃を助成する。こういったスタイルになっていて、ここが切れ目なく支援をするという仕組みで、この原形になるものが1980年代くらいから議論をされて少しずつ積み重ねられて、2004年にこういったきれいな形で完成をしておるということでございます。
 それから、下のスウェーデンでございますけれども、親保険による両親手当の支給と、それからコミューンと言っていますもので日本で言うと市に当たるものですが、市による保育サービスの提供というものがうまくつながっているということでございます。
 スウェーデンの育児休業の仕組みというのは国際的にもかなり高く評価をされてございますが、両親合わせて480日間、親保険制度というものがございまして、休業中の所得保障をする。最後の90日間はちょっと低いのですが、残りの期間につきましては休業前の給与の80%の手当が出るという仕組みをとっていまして、スウェーデンでは子どもを生んで育児休業を取らない方はいらっしゃらないくらいの利用率だというふうに言われているところでございます。
 大体産休と合わせますと、この期間が1年半くらいになるわけでございますが、その後につきましてはほとんどの子どもが就学前保育といいますか、教育といいますか、英語で言いますとプレスクールという名前が付いてございますけれども、そういったものを利用しているということになっておりまして、社会サービス法というものが規定されていまして、日本で言う市には申請を受けてから3、4か月以内に保育の場を保障するということが義務づけられているということがございまして、グラフを見ていただきますとわかりますように2歳児以上になりますと9割以上の方がこのプレスクールを利用されているという形で、休業と保育サービスがつながっているという現状にございます。
 もう一つの要素は、もう一つの働き方の改革分科会のテーマになろうかと思いますけれども、労働時間の問題でございます。日本も一生懸命、時短の取組を進めてまいっておるわけでございまして、1,800時間という目標についてはこの年間平均労働時間1,775時間と、数字だけ見るとクリアしているように見えますけれども、この背景には短時間労働者が増加をしているということがございまして、正社員の残業の実態はあまり変わっていないというふうに言われます。
 それを裏付けるデータとして右側が週に50時間以上働く労働者の割合で、ちょっと古いデータになりますけれども、この割合が際立って日本は高いということが御理解いただけると思います。こういった働き方ですと、なかなかライフの方とうまくバランスが取れない、両立をしないということになりますので、一方で子育てという家庭での営みと両立をすることが大変難しい状況になっているということで、この分野での改革、それから先ほど申し上げました社会の側の必要なサービス基盤の整備というものが整って、冒頭に申し上げましたような働きたい人が働くということが可能になるということが実現をしていくのではないかと考えられるわけです。
 それで、我が国の実情で12ページでございますけれども、昼間、就学前の児童がどういった場所で養育をされているかということを図に落としております。3歳より上を見ていただきますと、保育所、幼稚園を含めて、特に4歳以上につきましてはほとんどの子どもが保育園か幼稚園という場所で育っているという現状にございます。量的に言えば、両方合わせればかなりの部分をカバーしていると言えると思います。後ほど御説明申し上げますが、ここにつきましては親の就労形態に柔軟に対応できるようにということで、認定こども園制度というものもつくったということでございまして、量的なキャパシティという意味ではこういった制度をうまく活用していくことによって対応できるのだろうと考えられます。
 左側の0歳、1歳、2歳と、年齢が上がっていくごとに少しずつ利用率が増えてまいりますが、全体を通して見ますと先ほど申し上げましたように2割くらいのカバーになっている。ここは、就労継続の希望が増えていくということでサービス基盤の整備というものが課題になると思いますし、ここでの働き方というのは多様である。毎日昼間働いているという方だけではなくて、例えば在宅で働いている方もいらっしゃるでしょうし、週に3日働くという方もいらっしゃるでしょうし、1日に4、5時間働くという働き方も出てくるでしょうし、そういった多様な働き方に対応した、ある意味では弾力的なサービス供給というものが必要になってくるだろうということでございます。
 それからもう一つは、先ほどフランスやスウェーデンの状況を申し上げましたが、フランスやスウェーデンといえども大体この率は4割から5割くらいということでございますので、この図で言いますと黄色い部分につきましては半分以上残るということでございます。ここはまさに、家庭における子育てというものが育児休業も含めて考えられなければいけないということですので、ここのところはワーク・ライフ・バランスを実現していく中で男女を通じた家庭における子育ての支援というものも課題になるということではなかろうかということでございます。
 大分時間を使ってしまいましたので、次の「働き方の多様化に対応した保育サービス」の課題という方に移りたいと思います。
 保育サービスにつきましては、前の小泉政権のときから待機児童というものが問題になりまして、この待機児童を解消していくということの取組を待機児童ゼロ作戦ということで繰り広げてきたところでございます。幼稚園の方にも預かり保育というものを進めていただきまして、3年間で15万人を超える受け入れ増を図りまして、2万数千人いた待機児童をゼロにしようという取組でございました。
 定員を拡大するということに関しては成功したわけでございますけれども、待機児童がゼロになったかというと、御存じのとおり減ってはきておりましたが、まだ2万人程度の待機児童がいるというのが現状でございます。
 この待機児童2万人の中身を細かく見てみますと、15ページになります。実は待機児童は全国に均等に分布をしているわけではございませんで、むしろ人口集中地域に集中をしているということがございます。それから、年齢的に申しますと、これも各年齢で均等に分布しているわけではありませんで、低年齢児で7割を占めるということでございます。待機児童2万人のうち1万人は、実は人口集中地域の、しかも低年齢児の問題であるということが御理解をいただけると思います。
 16ページになりますが、国も待機児童ゼロ作戦を進めるとともに、自治体の方でも待機児童が50人以上いるところについては特定市町村ということで待機児解消計画をつくっていただきまして取組を進めていただいております。かなり頑張った市町村もあるわけでございますけれども、依然として待機児は残っているということです。一番上のA市は待機児童が最も多かった市でございますけれども、9,000人近く定員をこの数年間で増やしたことによって1,000人以上いた待機児を800人くらい減らすことに成功してございます。
 ただ、こういったことの背景には、もともと3歳未満児の入所割合で見ますと非常に低かったということがございます。要は、8,000人つくっても待機児童が700人しか減らないのは、こういったもともと低いところにサービス基盤が整いますと就業希望というものが出てきて、それが顕在化をしてくるといったことがあるわけでございます。そういった意味では、待機児童をゼロにするというのは待機児童の数だけつくればいいということではなくて、一方で就業の希望というものと照らし合わせながら考えていかなければいけないということだろうと思います。
 17ページ目でございますけれども、特に待機児童の多い3歳未満児の保育の一つの特徴といたしまして年度途中の入所が多いということでございます。子どもは毎月、毎月生まれますので、育児休業から復帰をするというタイミングも毎月、毎月やってくるということでございます。17ページの資料を見ていただきますと、3歳児、4歳以上児につきましてはどちらかというと学年で進んでいきますので、年度を通じてあまり子どもの数の変動がないということですが、3歳未満児につきましては年度初めと年度の終わりで12万人くらいの差があるということでございます。これは、いわゆる育児休業明けで保育所を利用することがあるということです。
 もう一つは、4月、10月、3月のポイントを取ってございますが、年度の前半に比べて年度の後半の増加が小さくなっているということは、これは年度の後半に保育所に入りにくいということを意味するものだろうと思います。一言で言いますと、キャパシティに応じてある程度弾力的な対応が3歳未満児にとっては必要だということを意味するということです。
 18ページは「多様な子育て支援サービス」で、主に3歳未満児を念頭に置きまして今やっていることの全体像を書いてございますけれども、妊娠・出産期から子育て期において、家庭における子育ての支援と、就労している間の子どもの発達を支える保育という面で、こういうふうに重なり合っていろいろなニーズが出てくる。それぞれさまざまな事業をしているわけでございますけれども、保育所における通常の保育というものもベースに置きまして多様な保育サービスの提供というものが求められている。
 例えば、勤務時間に応じた柔軟な保育サービスという意味では特定保育という事業をやっておりますし、休日や夜間に働くというふうに勤務時間帯がシフトしているような人もいらっしゃるということに対応して休日・夜間保育というものもある。それから、残業の問題等もございまして保育時間の延長が必要だ。あるいは、病気のときにも仕事がなかなか休みづらいといった方に関しまして延長や病児の対応もやっている。あるいは、保育所のキャパシティがなかなかすぐには整備できないということに対応いたしまして、一部家庭的な保育事業というものにも取り組んでおりますし、事業所が託児施設をつくるということに関しても一部助成を行っているというような現状がございます。それぞれ資料を準備いたしておりますので、簡単に申し上げます。
 まず19ページの「多様な保育サービスの実施状況」ですが、延長保育、休日保育、夜間保育、病児・病後児保育というものをそれぞれ事業化をしてやっておりますし、新しい子ども・子育て応援プランでも21年度の目標というものを進めて、市町村の方にも計画をつくっていただいて推進をしているというのが現状でございます。
 それから、20ページの方になりますけれども、「家庭的保育事業」ということです。これは、待機児がなかなか解消できないといったことに対応する一つの応急措置ということで、保育士や看護師の資格を持っていらっしゃる家庭的な保育者の方、いわゆる保育ママさんが保育ママさんの御自宅において数人の就学前児童を保育をするといった事業をしているということでございます。
 ただ、日本の住宅事情といった問題ですとか、あるいは保育士や看護師の資格を有する者ということに要件をかけているといったようなこともございまして、まだそれほど広く普及をしているわけではないというのが現状でございます。
 それから、21ページの事業所内託児施設の方ですけれども、これは毎年調査を行っておりまして、すべてを拾い切れていないかもしれませんが3,400か所くらい、子どもの数にいたしますと5万人程度の子どもさんが事業所内託児施設を利用しているということでございます。古くから病院、看護師さんが多いということで院内保育施設が多うございましたけれども、最近は一般の企業においてもこれを整備していこうといった動きが出ておりまして、雇用保険の方の事業になりますけれども、両立支援レベルアップ助成金という仕組みの中で設置費や増築あるいはその運営費につきまして一部助成を行っているということが現状でございます。
 22ページ目はファミリー・サポート・センターの事業ですが、前回のこの会議におきましてファミリー・サポート・センターといろいろな事業についてどのように考え方を整理をしているかというような御発言がございました。ファミリー・サポート・センターにつきましては、22ページ目の資料にございますように相互援助のコーディネートをしているということでございます。実際にかかる費用についての利用料につきましては、これはお互いでということで、1時間700円とか800円とかという取り決めで動いていらっしゃると思いますけれども、例えばこれを5時間とか10時間にいたしますと4,000円、8,000円ということになるわけで、保育所のようないわゆる公的な助成があるわけでもございませんので、主に使っていらっしゃる方、例えばお迎えに行けないときの間とか、保育所が終わった後のしばらくのつなぎに使うとか、そういった意味では既存のサービスがあり、そのサービスの代替ではなくて補完という形で利用しておられる方が多いというふうに認識をしております。
 そういった意味では18ページの図に書きましたけれども、もちろんファミリー・サポート・センターはお互いの合意があればいろいろなことのサービスの代替にはなるわけでございますけれども、これがあるからすべての事業が要らないかというとそうではなくて、いろいろな事業の中の補完をするといったことが役割としてあるのかなと考えているところでございます。
 23ページ目には「認定こども園」制度につきまして概要をまとめておりますが、昨年の10月からスタートをして今年の4月くらいから本格化をしているというふうに考えております。現在、全国の調査をいたしますと94か所の認定が行われているというところでございますが、これはまだこれから増えてくるだろうと思っております。
 24ページ目以下は「保育の質を支える仕組み」ということで、保育環境の面では職員配置や施設整備の関係で最低基準というものを設けている。それから、職員の資格としては保育士の資格というものをやっている。保育内容につきましては、保育所保育指針というものを定めているところでございます。
 この保育所保育指針につきましては、25ページ目に現行の保育所保育指針のアウトラインをまとめておりますけれども、保育の目標ですとか保育の方法、保育の環境あるいは保育の内容構成というものについての基本的な事項をガイドラインということで提示をしているところでございますが、子どもの発達段階に応じまして年齢ごとに保育のねらいとか、内容というものを提示をしております。総則というところを見ていただきますとわかるように、乳幼児の最善の利益を考慮するということでありますとか、あるいは家庭養育の補完を行って健康・安全で情緒の安定した生活ができる環境を準備をして子どもの健全な心身の発達を図るといったようなことが言われているということを御紹介させていただきたいと思います。
 26ページ目には、この保育所保育指針につきましては現在改定の検討が行われておりまして、左側に書いたような子どもの生活環境の変化ですとか、保護者の子育て環境の変化ですとか、あるいは幼児教育重視の流れというものを受けまして、右側に書きましたような、例えば大臣告示化をする、あるいは基準としての性格を明確化するといったことでございますとか、あるいは幼児教育の充実、小学校との連携ですとか、昨今、前回も議論になりました地域の子育て拠点機能というものを充実していくとか、そういったことも検討が行われているということを御紹介させていただきたいと思います。
 27ページ以降は学齢期になってからの問題ということで、子どもの放課後対策につきましてまとめてございます。
 28ページですが、厚生労働省の方では共働き家庭など、昼間留守になってしまう家庭のおおむね10歳未満の子どもに対しまして、子どもの健全育成対策ということで放課後児童クラブをずっとやってきたところでございます。平成9年に児童福祉法が改正されてからはこの事業が法定化をされまして、現在全国の小学校のおおむね3分の2くらいで普及をしている。それで、70万5,000人くらいの子どもたちがこの放課後児童クラブを利用しているという状況でございます。
 放課後児童クラブの現状が29ページ目に載っておりますけれども、昨今、子どもの安全の問題から利用希望が大変多くなってきておりまして、例えば規模別の実施状況というところを見ていただきますと、かなり子どもの数の多いクラブも増えてきているといった現状にあるわけです。
 それから、どういった場所で営まれているかということに関しましてはその下のグラフになりますけれども、やはり小学生を対象にした事業ということですので学校の余裕教室ですとか、あるいは学校の施設内に専用施設をつくるというところで半分近く、そういう意味ではいろいろな意味で学校の協力がないとなかなか進められない事業であるといった性格がおわかりいただけるかと思います。
 これと合わせまして30ページ目の方になりますが、地域子ども教室推進事業という事業が文部科学省さんの方で平成16年度からスタートしている。これは放課後、それから週末、学校も5日制になりましたので、そういった子どもの課外活動を安全な形で充実をしていくということが地域において必要な課題になったということで、16年から18年の3か年事業として展開をされたものでございます。実施箇所数も徐々に増えてまいりまして、18年度においては8,300か所ぐらいで実施をされたという状況でございます。
 31ページ目の方には、予算的なものでありますとか、どういった場所で実施をされているかとか、どのぐらい開催をされているかといったデータが出ておりますが、この二つの事業の普及度合いというものを32ページ目にまとめております。放課後児童クラブ、地域こども教室を合わせまして、これは基本的には学区エリアで展開されるというふうに考えまして、それぞれの小学校の数と比較をしてどの程度普及をしているかということの割合を示したところでございます。都道府県単位のデータではございますけれども、都道府県単位で見てもかなり普及率に差があるということがおわかりいただけると思います。
 一番右側には未実施市町村というものがありましたが、要は両方の事業ともやっていない市町村がまだ全国に132、市町村の数で言いますと7.2%くらい存在をする。そういう意味では、子どもの放課後対策が全くの空白になっている地域がまだ全国には存在をするということでございます。
 課外活動の充実、それから子どもの安全、いろいろな意味でこういったことを総合的に推進をしていくことが必要だという議論の中で、両省連携をいたしまして平成19年度からは「放課後子どもプラン」という形で取り組むことといたしました。これは、両方の事業の対象が子どもという意味では重なっているということもございますし、地域のいろいろな方々を交えて活動を充実させるということについては両方とも必要なことだということで一体化をする、あるいは連携をして実施をするということを、それぞれの市町村の実情に応じてプランニングをして取り組んでほしいということをそれぞれの市町村にお願いをして、そのような総合的な取組を「放課後子どもプラン」という形で支えるということになっているところでございます。
 財源の問題から、文部科学省、厚生労働省、それぞれ予算措置はしておりますけれども、都道府県を通じました補助金という形になりますので、実施のところではこの二つのお金を一本化する形で交付要綱も一本化をいたしまして、それぞれの実情に応じた取組がしやすいように取り組んでいきたいと考えております。
 34ページには、すべてを一体化してやるという選択肢以外にいろいろな形での連携というものが考えられるということで、その連携の仕方というもの、あるいは連携を推進するための方策ということについてまとめているところでございます。
 こういったことを参考にしていただいて、それぞれの市町村で実情に応じて、例えば学校も余裕教室のあるところとか、もう満杯のところとか、いろいろ地域によって違いがございます。あるいは、児童館の整備が進んでいるところとそうでないところとさまざまな違いがございますので、そういった違いに合わせてプランニングをして取り組んでほしい。目指すは、すべての必要な小学校区において子どもが安全で安心できる課外活動の場をつくっていくということに向けて取り組んでいただくようにお願いをしているところでございます。
 説明が長くなりましたが、以上でございます。
○岩渕主査
 ありがとうございました。
 それでは、続きまして前回汐見委員から御指摘のあった子育て支援に資するまちづくりの取組などにつきまして、国土交通省より簡単に説明を聴取したいと思います。よろしくお願いします。
○長崎国土交通省総合政策局政策課政策企画官
 国土交通省でございます。今、御紹介がありましたように、前回の分科会で乳幼児を抱えたお母さんが外出しやすいまちづくりですとか、あるいはベビーカーの似合うまちづくりとか、そういうお話がございました。そういった点に関しまして、多少なりともお役に立てるかなという取組を国土交通省はしておりますので、ごくごく簡単に御紹介いたしたいと思います。
 御承知の方は多いかと思いますが、従来から国土交通省では道路や公園、鉄道、施設あるいは建築物について、いわゆるバリアフリー化ということに取り組んできております。そういった中で、今日パンフレットを用意しておりますが、昨年、以前ありました法律を統合すると同時に拡充いたしまして、バリアフリー新法というものを制定施行いたしました。正式名称はこのパンフレットにオレンジ色のバックで書いてあるのですが、「高齢者、障害者等の移動の円滑化」云々と非常に長いタイトルになっておりますように、主に高齢者、障害者等を想定して、妊娠中のお母さんくらいまでは法律も想定しているのですが、正直申し上げましてその後のベビーカーを押している方は法律自体は想定しておりません。ただ、結果的にはそういう方にとってもかなり移動しやすい環境づくりにお役に立っているのではないかと思います。たまたまこの表紙の絵にも、ベビーカーを押しているお母さんが描いてあるのですが。
 それで、最初に開いていただきまして見開きの1ページ、2ページというところで、この法律に基づいてまちづくりをするとどう変わるかというイメージ図が出ております。ちょっとつまみ食い的に御紹介いたしますと、左の上の方に黄色いエレベータが出ております。最近、駅にエレベータが非常に増えているということに気がつかれたと思いますが、駅にエレベータを設置してホームまでの段差をなくしていこうという取組をしておりますし、それから左の下の方に車いす使用者用トイレという写真があります。これもやはりどうしても大きなトイレになりますから、ベビーカーでもそのまま入れますし、それから義務づけられてはおりませんけれども、おむつ交換台を中に設置しているトイレも非常に増えております。そういう多目的トイレという形でできてきております。
 それから、右の下の方で幅の広い歩道ですとか、公園などにも段差があればスロープを付けるとか、あるいは右の上の方にありますが、ノンステップバス、床の高さが非常に低いバスというものも導入を促進いたしております。
 こういったことをそれぞれの施設の管理者、あるいは設置者に義務づけておりまして、法律の詳細につきましては3ページから多少詳しく書いておりますが、今日は説明は省略いたします。御関心がありましたら、後ほど見ていただければと思います。
 最後に、こういった取組が今どれぐらい進んでいるのかというところを最後の裏表紙の裏、14ページで簡単に御紹介したいと思います。幾つかグラフがございますが、左の上、旅客施設、駅などのバリアフリー化かどれぐらい進んでいるのか。紫色のグラフは段差解消、つまりエレベータですとかスロープですとか、そういうことでホームまでスムーズに行ける。注書きに書いてありますが、毎日5,000人以上の方が利用されている駅に対して平成17年の段階で56.5%が既にそういう措置がなされております。目標といたしましては、平成22年には100%に持っていきたいという目標を掲げております。また、障害者用トイレの設置につきましても42.9%できておりまして、これも同様に22年には100%に持っていきたいと考えております。
 それから、先ほど低床バスの話もしましたが、中段の右の方が乗り合いバスのバリアフリー、ノンステップあるいは低床バス化の推移でございます。現在28.1%という率になっております。これはバスの交換時期等の問題がありますので、現時点では平成27年に100%低床バスにしようという目標を掲げております。民間事業者はたくさんございますので100は厳しいかもしれませんが、それに向けて現在一生懸命取り組んでいるところです。 一番下のグラフは今、申し上げた施設あるいは乗り物ごとのバリアフリー化ではなくて、もう少し面的に進めていくための重点整備地区というものを市町村につくっていただいております。旧法の時代からのそういう重点整備地区の基本構想策定件数がどうなっているかというグラフでございまして、現在260くらいまできております。全国の市町村、今は1,800くらいでしょうか、まだまだこれからですが、そういったところにも国土交通省といたしまして計画をつくって、駅の周りですとか、あるいは病院の周り、ショッピングセンターの周り、そういったところをどんどんバリアフリー化していくように取り組んでいきたいと考えております。
 以上、極めて簡単でございましたが、説明とさせていただきます。ありがとうございました。
○岩渕主査
 ありがとうございました。
 それでは、今までの事務局の説明を踏まえて、委員の皆様から御意見を伺いたいと思います。なお、前回議論をする時間をもう少し取りたいと申し上げましたが、夜8時を過ぎますとワーク・ライフ・バランスの問題もこれあり、家族の再生に支障を来すおそれもございます。その上、今日はまだこれからやや時間的に余裕がありますので、一巡した後も若干議論をする時間を取りたいと思います。更に深い議論につきましては次回もう少し時間を取れるようでございますので、そのようにさせていただきたいと思います。
 今回も前回同様、お1人まず4分くらいで簡単に御意見を伺いたいと思います。お約束どおり、今回は山田委員から時計回りによろしくお願いいたします。
○山田委員
 前回欠席いたしましてどうも失礼いたしました。
○岩渕主査
 では、後にまわしますか。
 それでは、森委員からお願いいたします。
○森委員
 今日、拝見させていただいた資料の中でとりわけ最初の9ページと、それから12ページです。特に新聞にも保育の利用率のパーセントが出ていましたが、これを私ども自分のところで当てはめてみました。そうしましたら、やはり0、1、2未満児のところが私どもの中でも大変厳しいということが出てきました。3、4歳児以上は幼稚園とか保育園を含めて十分達成できているんですけれども、未満児の問題がひとつ大きい。たしか日本が20%で、私どもがこの4月1日現在で0、1、2で16%なんです。
 これをどういうふうにということで、先ほどお話がございましたように私どももいわゆる保育所とか、今年の4月から認定こども園もできましたけれども、やはり潜在していたものが顕在化してくる。私どもは第2次産業の就業者率が高いものですから、どんどんそういうことでニーズが増えてくる。
 そうすると、これはある面で施設だけを追い求めていくということは大変厳しいということが現実にございます。それをどういうふうにということは、やはり家庭的保育も含めた、例えば公民館もそうですし、私ども宅老所等もやっておりますけれども、こういう既存のものをうまく活用しながら保育ママ的な、それは看護師さんだとか保育士が一番理想的でしょうけれども、私どもでは先般もお話をしましたが、21世紀職業財団がやっているとか、いろいろなそういうサポーター、こういう方たちを地域の中でたくさん養成をしていくことを続けていくことによって例えば少人数、今、私どもが宅老所でやっているのが5人で、0、1、2未満児をやっていますけれども、先ほどもお話がございましたように、年度の途中で就業するということが出てくるときにそういう方たちが活用されるとか、ある面では少人数でそういうことをすることによって、あるいはまた宅老所を含めた他世代のそういう共生をすることによって支えていく。つどいの広場もそうでしょうけれども、いろいろな意味で地域の中のそういう仕掛けをいかにやっていくことによって未満児の対策をしていくか。これが今、私どもに課せられた役割ではないだろうか。今日の資料もそうでございますけれども、とりわけ未満児の問題というものが私どもにも大きな課題であると思っております。
 そういう点で、先ほど申しましたようにそれができれば、サポーターがたくさんできれば、私どもは小学校区を一つの単位としています。というのは、乳母車を引いて、ベビーカーを引いて行ける範囲というのは私どもの小学校区という考え方で、そういうところにそのような仕組みをつくっていく。サポーターを養成し、その方たちが活動できる場が地域の中にあれば、その方たちが今度はファミリー・サポート・センターあるいは私どもの社会福祉協議会がやっているふれあいサービス、こういうもののバックアップ体制ができるのではないかと思って、そういう人的資源の養成と、それに裏打ちされた小学校区単位での居場所づくり、これをやっていくことによって未満児を解消していくことができればというふうに、私どもも実際にこのグラフを見て自分のところに当てはめてみたらこういう状況だったということで御報告させていただきます。
○岩渕主査
 ありがとうございました。それでは、宮島委員どうぞ。
○宮島委員
 宮島です。私も前回欠席いたしましたので、もし前回とダブるようなお話があったら申し訳ないんですけれども。
 今、地域とのつながりという意味で子育てをみたときに、保育園、小学校、中学校と継続してこの地域で子育てできるなという感覚を持ちにくいと思っております。
 地域のお母さん方との間で割と話題になるんですけれども、保育園に行くにはあの区だったらものすごくシステムが整っている、でも小学校になったらこちらの区の方が子育てがしやすい、というようなことがあると。もっと連続性を持って、自分が住んでいるその地域の中で安心した形で子育てをしたいと、思っていると思います。
 これまでNPOの方のお話などを聞いていますと、主に専業主婦の方々が参加している、地域の子育てセンターみたいなところにおいては、かなりお母さん方の意見を取り入れて、NPOを通じて一緒に子育てを行政とやっていこうという形が進んできたなと感じるんですけれども、保育園もしくは学童保育などの場では、まだ保育が母親にとっては与えられるものから出ていないと思うんです。
 例えば、公立保育園においては基本的なルールは全部もちろん行政や保育園が決めまして、園長先生が変わるとものすごく方針が変わったり、担任の先生が変わると方針が変わる。そして、卒園して何年かたって子供が保育園に遊びに行っても、知っている先生はいないというのが現状です。親たちは自分たちが本当はこうしてほしいんだということを言う窓口もないし、どこに言ったらいいかわからない。もちろん、それぞれ園の中に目安箱みたいなものはあるんですけれども、そこに出した意見がその後どう扱われたのかよくわからないなというような気持ちを持っています。
 そんな中、私が記者として取材した中で、保育園の民間委託で、NPO法人が保育所の運営を委託されたケースが練馬区にあります。御存じの方もいると思うんですけれども、その理事長さんのお話を伺う機会がありまして、こうした取組はものすごく大変なんだけれども、親たちの力を使いながら保育園を運営するというのはある意味ですごく可能性があることだと思いました。
 といいますのは、練馬区の場合は突然民間委託が決まり、そして民間委託の業者をあまりいいと父母が思わなかったために自分たちが立ち上がったということではあるんですけれども、結局自分たちでどんな保育園が欲しいかを徹底的に話し合って、そしてどういうふうに保育園を運営していくかを親たちと行政と、もしくは保育士さんたちが話し合って成り立っているんです。それは普通の公立保育園とは全然違う形だと思いました。この組織は将来は、学童保育ですとか、その地域における連続的な子育てに関わっていきたいという希望もあるようです。この立ち上げは本当に難しい大変な作業だったようですけれども、地域における子育てのひとつの可能性ではないかと思い、今後こうした形も研究されるといいのではないかと思いました。
 彼等の話では、やはり行政にいろいろアプローチをしたときに幾つか困難な点があって、もちろん納得できる困難もあるんですけれども、ここはもうちょっとこうしただけで保護者がいろいろなことをやりやすくなるのにというような意見がありました。そうした意見も十分行政が吸収できるような形を何らかの形で整えて、こうした動きを後押しできればいいと思います。「地域の人」と言っても子育てが終わった「地域の人」という意味ではなく、親たちも含めた、親の力も十分使った形での保育園の運営や学童保育の運営というものができるいいと思います。
○岩渕主査
 ありがとうございました。
○中橋委員
 まず一つは、10ページのフランスの乳幼児迎入れ手当のところを見て、3歳未満の子どもの休業中の保障が随分金額を見るといただけるんだなということで、確かに育児休暇を取ってうちの子育ての広場に来ている人たちなども、本当は子どもともっと関わりたいんだけれども、家庭の経済的なことで職場に戻らなくてはいけないという方もいますので、休むときにゆっくり十分休めるだけの金額的な保障みたいなことも必要になってくるのかなと思うことがまず1点です。
 それから今日、私は午前中にうちの子育ての広場のケース会議をしていて、毎日来る育児休業中のお父さんが1人いるんですけれども、そのお父さんがすっかり居着いてしまって、ほかのいろいろな子育てのところに行っても、町を歩いていても、どうもけげんそうに見られて、あそこのお父さんはどうしてぷらぷらしているのかなというようなことを言われるから行き場がなくて、うちの子育ての広場が開く前から来て、閉まった後に片付けまでして帰ってくれるという毎日になっていて、彼をどうやって外に出していくかというケース会議をしていたんです。
 しまいにうちのスタッフに雇ってほしいというようなことを言い出して、ちょっと困ったなと思っているのですが、でも実際は本当はお父さんもそういった働き方ができるような受け皿になれればいいなと思いますし、もっとお父さんが休んでも不自然ではない、お母さんとシェアをしながら子育てができるような、育児休業もシェアできるようにもっと自然になってくればいいなということで、今日午前中ずっとその会議をしていたので頭がいっぱいなんですけれども、会社もそういう環境を整えていく。男性も休めるとか、ある一定の保障をしていくということを企業が気付くきっかけの中で、うちの子育ての広場の担当をしてくれている社労士さんが初めてNPOの社労士として私たちと関わって子育てをしている現場を見ている中で、自分が担当しているいろいろな企業さんに、もっと従業員にこういう制度がありますよとか、こういうふうにしたらどうですかとか、アドバイスの仕方が随分変わってきて、そういう子育ての情報をほかの企業さんにも発信するようになって、企業が働きやすい職場づくりを目指してくるというようなところがあったので、一般の企業に関わっている社労士さんもそうですし、税理士さんとかもそうかもしれないですけれども、そういったところへの勉強会とかアプローチみたいなこともできたらいいということを感じています。
 まとまらないんですけれどもあと1点だけ、保育ママさんであったり、ファミリー・サポート・センターであったり、専門職でなくても当事者同士の預かり合いのシステムの中で、乳幼児であるとか小学校低学年くらいまではその制度の中で見てくれるんですが、小学校も2年生、3年生くらいになるともう大丈夫だろうということで、どこにも受け皿がなくなってしまう。あるいは、中学生くらいになったら本当に大丈夫だろうと放ったらかしになってしまうんですけれども、放ったらかしになることで多分、家の中で一人でいる分には問題ないんですが、遊びに行く場もないし、家の中で孤になっているというか、本当は地域の中で保育ママさん的なファミリー・サポート・センターの預かり会員さんのような方が中学生、小学生くらいになればそんなに手がかからないから、1対1で見るのではなくて3対1くらいで預かってくれるような、見てくださるような方がいれば、大人との関わりもできるし、それ以外の子どもたちとの関わりもできるし、そんなに施設を持たなくても家庭の中で見られるような、子どもの成長とともに預け先というか、見てくれる先がどんどん少なくなってきてしまうので、そこでつまずいたり、困ったりしている方も大勢おいでなので、そうしたところにも少し目を向けていただければありがたいと思います。以上です。
○岩渕主査
 ありがとうございました。
 次は高橋委員なのですが、途中から来られたので何でしたら2周目にまわしてもいいですが。
○高橋委員
 では、一言だけいいですか。今、政府の教育再生会議第二分科会のヒアリングで子どもの発達と脳科学、それから親学と家庭教育ということについて今まで議論をしてきたんですけれども、全体の資料は後で見ますので補足は後でさせていただきますが、子どもの脳の発達を保障するという視点の重要性について議論しました。緊急アピールを出すようでございますが、私は前回の会議で、子育て支援策に、子育て代行という傾向が強いと親心の喪失を招きかねない。こういう根本問題について考える必要があるのではないかということを申し上げたかと思います。
 それで、もう一つ放課後プランについても議論になりました。これは議事録で正確に見ていただいた方がいいかと思うのですが、厚生労働省と文部科学省の縦割り行政ではない一体化した取組ができないか。今のお話の中にも、市町村で連携をして一体化していくこともOKという話がございましたけれども、そのことに関連して改めて議論ができればと思っております。
 それからもう一つは、親学との関係で放課後子どもプランが従来の預かり保育の延長線だけではなくて、「親学の拠点」という視点を導入できないか。例えば、発達障害などのさまざまな問題を抱えた親たちが学びをする場とか、あるいは親と子が交流する場とか、もう少し親学という観点から放課後プランをモデル化できないかというお話も少し出てきたということを御紹介申し上げて、あとで発言を補足させていただきます。
○岩渕主査
 それでは、庄司委員どうぞ。
○庄司委員
 2点だけ指摘したいと思います。
 第1点は保育サービスといいますか、あるいは子育て支援サービスの質の問題があまり論じられていないと思います。資料の24ページに「保育の質を支える仕組み」というものがあるのですが、これだけで十分なのかどうか。一番気になっているのは特に保育所で3歳児あるいは4、5歳児の保育士と子どもの割合ですね。1対20、1対30というふうになっていますけれども、多分アメリカ、ヨーロッパの国々ではこの比率というのは20人いるならば保育士が複数配置されているとか、あるいは1人の保育士が十数人程度ではないかと思います。もし欧米の国々の資料があったら後で教えていただきたいと思います。保育サービスの質はこれだけではないんですけれども、やはり保育士の配置基準の問題が大きいのではないかと思います。
 また、保育サービスあるいは子育て支援サービスの質を考えるときに、人材養成といいますか、研修の仕組みを考えることも必要だろうと思います。
 2点目は9ページで、認可された保育サービスという割合の中で先ほども話がありましたが、欧米では保育ママあるいはファミリー・サポートなど家庭的保育の位置付けがあって、多分日本ではこのパーセントに乗らないくらい数が少ないのではないかと思います。先ほど待機児対策等もありましたけれども、そういったことも欠かせないとは思いますが、やはり家庭的な保育の意義ということも考えて、多様な保育サービスという観点から考えていくことが必要ではないかと思います。
 保育ママあるいはファミリー・サポートを増やすにはどうしたらいいか。いろいろあると思いますが、一つはその人たちが働いている姿をもう少し身近に見る機会が必要で、これは個人的な経験ですけれども、わが家ではファミリー・サポートのモデルになった民間の活動をやってきたのですが、やっていくと団地の中で同じように子どもを預かるという人が増えてきたという経験を持っています。
 それから、これに関係して先ほど地域の中でも継続して見ていけること。宮島委員、それから中橋委員も同じようにおっしゃったと思いますが、これも個人的な経験ですけれども、うちでは幼児期に二重保育として預かった子どもが今でもかかわりがあります。高校生になっていますけれども、そういったこともこういう保育ママとかファミリー・サポートであるとやりやすいのかなと思いますので、ここの普及を考えるのが大事なことかと思っております。
○篠原委員
 私は、この会議の初会合のころから意識改革ということを言わせていただいているんですけれども、子育てを現在していらっしゃる方々へどういう支援をしていくかということは非常に大事なことでは無論あるわけです。問題は、そのいろいろな支援をして、こういうふうに子育て環境というものが、テンポはともかくよくなってきていますよということ、あるいはこれからよくなっていきますよということを未婚の方や、あるいは既婚で子どもを持っていらっしゃらない方々にどういうふうに伝えていくかということだと思うんです。その意味では、そういう人たちのインセンティブをどうやって起こしていくかというところがちょっと欠けているのではないか。そんな気がします。
 これは厚生労働省の方からいただいた資料ですけれども、子ども未来財団というところがちょっと前にした意識調査を見ますと、実際に子育てをされている方々よりも子どものいない既婚の方、あるいは未婚の方の方が子育ては大変だというイメージを持っている割合が高いんですね。だから、そういう方々にどうアピールをしていくか。それが出生率の向上にもつながっていくのではないか。そういう観点は、是非この会議の中でも押さえていきたいという感じがひとつしております。
 それからもう一つ、私は専業主婦の問題をよく言うんですけれども、先ほどの資料の12ページに幼稚園と保育所の割合が載っていましたね。これは厚生労働省の方にもお聞きしたいんですけれども、3歳、4歳児で幼稚園の割合というのは結構高いですね。でも、幼稚園というのは無論専業主婦だけではないと思うんです。働いている方で幼稚園に子どもさんが行っていらっしゃる方もあるでしょう。だけど、どちらかというと専業主婦がやはり多いんでしょうね。この辺はどうなんでしょうか。
○香取雇・児局総務課長
 日本の場合には幼稚園は大体午後2時で、水曜日はたしかお昼までということになります。ですので、恐らく普通のフルタイムの方は事実上利用できないということになりますので、幼稚園はそういうこともあって午後も預かる。利用者側のニーズに合わせて預かるという体制をとっています。先ほど預かり保育という言葉が出てきましたが、それは保育園が午後、幼稚園の終わった後に5時、6時くらいまで預かる。今はその形をとっている保育園、幼稚園が大分出てきまして、8割くらいはその形をとっていますので、その形になりますと働いておられる方で幼稚園に入れる方も増えていると思います。
○篠原委員
 そうすると、この幼稚園のパーセンテージは例えば4歳児以上で55.5%と出ていますけれども、これは必ずしも専業主婦の方が多いわけではないんですね。
○香取総務課長
 今、手元にデータはありませんが、働いていると保育園で専業主婦は幼稚園というわけではありません。かなりの方はそういった形で働いておられる方で幼稚園を利用されている方もおられます。
○篠原委員
 幼稚園はかなり最近減ってきていますよね。少子化の影響もあるし、私の家の近くでも幼稚園がなくなったりしています。これは、要するに少子化とともに保育所にシフトしているということもあるんですか。
○香取総務課長
 全体としては子どもの数は微減になりますので、幼稚園、保育園を合わせてお客さんの数は減っている。
 他方で、特に低年齢児を含めて預けたいというニーズは非常に多くなっていますので、その意味で言うと利用率は上がってきている。
○篠原委員
 保育所の方は増えているんでしょう。
○香取総務課長
 申し上げたように、結局働いている方が多いので、幼稚園側からするとお昼までしかやらないとか、2時までということになるとお客さんが少なくなってしまうことになりますので、預かり保育その他という形でいろいろな努力をされて利用者を確保しているということでございます。
○篠原委員
 わかりました。
 あと1点いいですか。保育所の問題です。例えばこの間、羽田に認証保育所をできて結構話題を呼びましたけれども、これはここの女性の委員の方々にも御意見を聞きたいのですが、職場の近くに子どもを預ける場所があった方が便利なのか、あるいは最寄りの駅のそばにあった方が便利なのか。女性に聞くと、満員電車に揺られて職場まで連れて行くだけでも大変だという方もいらっしゃるし、そういう面では駅のそばがいいんだという人もいるし、昼休みに子どもの顔が見られるから職場の近く、あるいは職場の施設の中の方がいいとか、いろいろな意見があるようです。
 保育所のサービスを考えるとき、その設置場所というのはかなり女性あるいは男性の方にとっても大きな問題なのではないかという感じが最近しているんですが、その辺はどうなんでしょうか。
○岩渕主査
 いろいろ預ける人の事情、ロケーションによっても違ってくるかとは思うんですが、それについて役所側から何か答弁はありますか。
○香取総務課長
 恐らく通勤の形態によるかと思います。地方などですと自動車通勤とか、あるいは職住接近ですので自転車通勤とかもありますので、家の近所でも別に職場の近くでも問題ありませんが、都市部は通勤時間が長いということと、おっしゃるように電車移動の問題がありますので、職場まで連れて行くのはかなり負担であるということがある。そういう意味で言うと、病院ですとか3交代の工場以外のところではなかなか一般的に都会のオフィスで職場型の保育というのはそんなには多くないだろうと思います。
○篠原委員
 保育所の問題もいろいろなバックアップは大事だと思うんですけれども、それぞれ利用されている方々のニーズをきめ細かくくみ取って、どういうものがいいのか。地域によっても無論違いますし、そういうところまで視野を広げて、設置場所も含めてやる必要があるのかなという感じを持ちました。以上です。
○岩渕主査
 では、汐見委員お願いします。
○汐見委員
 最初に、御説明いただいた経済財政諮問会議の労働市場改革専門委員会の第1次報告の2ページですけれども、就業希望者が就労できるようにするという中に、25歳から44歳の既婚女性の就業率を57%から71%に引き上げるという目標が出ていますね。これは具体的に何人くらいの就業人口の増加になるんですか。
○香取総務課長
 今、手元にありませんが、これは計算して出している数字がございますので、後でお届けします。
○汐見委員
 多分200万とか、そのくらいの数字になるのではないかと、さっきちょっとちょこちょこと計算してみたんですけれども。
 そうしますと、将来、労働力世代の人口減が著しく進む中で、経済を支える人たちをどこから確保してくるかというような問題が当然出てきますよね。対応策として、女性の労働力率を高めていくことでクリアしていくという戦略が一番合理的で妥当だと思うのですが、これが仮に200万人くらいで、この200万人の女性にちゃんと働いてもらうということになりますと、二つの大きな問題が出てくるなと思って聞いていたんです。
 一つは、そういう人たちの育児をも支えていくというふうにするならば、結局現在の育児サポートシステムにプラスして相当な財政支出が必要になってくるということで、この数に見合うだけの子育てサポートシステムづくりの費用というのは具体的にどの程度のことをこれから計上しなければいけないのか。もし、この人たちが仕事を始めたんだけれども、逆に子育てがとてもこれではできないとなってしまうとなれば、少子化がもっと進んでしまう可能性が逆にあるわけです。
 そうではなくて、仕事にも出てもらわなければいけないけれども、同時に出産・育児もしてもらわなければいけないとなると、それを支えるだけの財源は相当必要ではないかと思って私は聞いていたのですが、そこのところが議論されているのであれば後で教えていただきたいと思います。
 それからもう一つ、今、学生などにも聞いていたら、やはり子どもを生むということに対してはすごい決意が必要なんですね。かなりの率で結婚していませんし、教育学部なんかにいるからやはり頑張って少子化に貢献しようということで生んでいる人はいるんですが、新聞、マスコミ等で聞けば聞くほど生むことに対する不安が高まっていくというふうな社会機運があるんですね。ですから、これは71%、更にその先は80%くらいとなっていくと、働きながら子育てをするということはこんなに面白かったのね、こんなに楽しかったのねというふうな社会的な雰囲気をどうつくっていくかということについてのまじめな戦略を持たなければ、大変実は難しい問題でもあるなと思いました。
 前回申し上げました、ベビーカーで外に出たときのバリアフリーというのはたいへん大事なことなんです。日本は本当にベビーカーで外に出にくい社会なんです。例えば電車などでも今、私は中央線に乗っていますけれども、1号車は女性専用になっているわけです。女性専用の後ろにベビーカー専用のところをつくらないと、ベビーカーで出かけるということは大変難しいんです。ベビーカーに対する社会の視線の冷たさというのは、一回連れ出したらすぐわかるんです。そういうことではなくて、ベビーカーを押している人を見たときに、皆がさっと寄ってきて、あらかわいいわねとなるような社会を一体どうやったらつくれるのかということを真剣に考えないと、実際にこの数を増やすということだけをやっていても問題はどこかにずれると思いながら聞いていました。そこは相当な決意が要るのではないかということでした。
 二つ目は、フランスが今日大分紹介されたのですが、フランスには相当保育ママさんがいて、前に私が調べたときには50万人くらいでしたか、日本の人口割合でいくと、百何十万人の保育ママさんがいることになります。保育ママさんだけでつくっている保育園もあるんです。
 日本の場合、東京は一回保育ママさんをなくすということを言い始めて、それで大変だということで保育ママさんたちが結束して集まって、保育ママというのは実は大事なんだということを言い出したのを機にようやく少しずつ広がってきているんです。
 ただ、例えばこの間、町田市が保育ママさん募集ということでやったんですが、応募者はゼロでした。ここをどうクリアーするかですね。私は、自分の子どもをしばらく保育ママさんに見てもらって本当に助かったし、保育ママさんとの関係は今でも続いています。1人の保育ママさんが家で3人だけ見てくれるというのですごく安心できます。今、逆に0歳児保育をどんどん増やすということで一つの大きな部屋に24人とか30人の子どもを入れて見ているような保育室がたくさんできているわけです。そういうところの質ということを考えたら、むしろ保育ママさんの方が安心できると思うんです。
 そういう意味で、保育ママというものをもう少し柔軟に、なぜ増えないのかということを少し研究した上で、そのインセンティブを高めるような施策を考えないといけないと思います。
 それから、保育園の方が自分の地域の中にどれだけ保育ママさんがいるかということを全然知らないんです。これは、全く別の系統でやっているところが多いからなんです。だから、私は保育園が保育ママさんを掌握していて、それで、いろいろ相談に来られたら、こういう人がいるからということで紹介できるようなシステムをつくっていくことをやった方がいいような気がします。ここのところをもう少し研究していただきたいと思います。たくさん保育所をつくるとか、日本はどうしてもそういう器をつくるということになり過ぎて、もう少し家庭的な雰囲気を大事にしたような保育をした方が、実はお金もかからないんです。そこのところを何かやってほしいということです。
 先ほど庄司委員が、質の問題ということをおっしゃいました。この数を増やしていくということは同時に必ず質の問題を議論していかないと、数だけ増やしていくと放っておくと必ず質は下がるんです。経済的な問題もありますから、そういう意味でもすべてを保育所にというだけではないような施策を少し議論したいと思いました。
○岩渕主査
 ありがとうございました。現時点で事務局はいいですか。
○香取総務課長
 まず諮問会議の報告書を前提に考えると、仮にこういう就業率を実現するということを考えますと、それを実現するためにいろいろなサブシステムが必要だ。まさに今日、冒頭に私どもの少子化室長から御説明申し上げましたように、それを支える地域のサービスということになって、そのことで申し上げますと資料の9ページをもう一度見ていただきたいと思います。
 フランスの今の35歳から39歳の労働力率がおおむね81%、あるいは30代後半は78%、これは日本が諮問会議でも想定している水準にやや近い、あるいはそれを上回る水準です。この水準を、いわば出生率の影響を考えて両立を可能にするという前提で、地域の子育て支援サービスがどれくらい必要かということで考えますと、例えばフランスの場合ですと3歳児未満の41%をカバーできるサービス量が必要だ。日本が今ほぼ20ですから、これの想定で言えば今のほぼ倍の水準のサービスが必要だと、計算上はそういうことになります。
 もう一つは、御説明でも申し上げましたし、今、汐見委員からのお話もありましたが、集団的な保育、施設における保育、幼稚園も含めてですが、ああいう形の保育以外に特にフランスはさまざまな家庭的な保育、日本で言うと家庭的保育と言っていますが、いわゆる認定保育ママでありますとか、そういう個別的な保育サービスなり、いろいろなサービスで保育をカバーするということがあります。
 これは、働き方が多様であるとか、利用する側の都合ということを考えますと、さまざまな形態のサービス、高齢者の介護などでもそうですが、施設、在宅とさまざまなものがあるという意味では、おっしゃるように一つある。
 もう一つは、休業をして、特に0歳児の間は自分で見る。家庭で見られるという方がいらっしゃいますので、こういった保育のサービスと育児休業との関係ですね。特にお話がありましたように、経済的な理由でなかなか休めない方ですとか、キャリアの継続ということを考えますとあまり長い時間休めないという方もいらっしゃいます。そうすると、育児休業と保育との関係が連続的になるかどうかが問題になるだろうということで、これは先ほど私どもの少子化室長からも私どもの問題意識として申し上げたところです。
 金目の問題については同様に、仮にフランス並みにやったら幾らかかるかという話がありまして、これは基本戦略の分科会の方で少し試算をして、だれがどう負担するかということも含めて御議論がありますので、そちらの方の議論もある程度まとめまして、お互いに横で情報提供するような形で各分科会の議論をそれぞれ途中段階で御紹介するような機会を設けたいと思っております。
○汐見委員
 金が要るんですね。ここはそういうことを議論する場ではないかもしれませんけれども、やはりちゃんと金、財源を確保しなければ日本の先はないということを書くべきだと思ったんです。
○岩渕主査
 ありがとうございました。見城委員、どうぞ。
○見城委員
 御説明をありがとうございました。見城です。
 やはり子どもに関しての発言でが難しいのは不妊ということがありまして、どうしても子どもを持っている者が情報発信ということでは、子どもはいい、楽しい、かわいいということを控えるということが長年続いてきたと思います。これは大きいと思うんです。そこへまた社会的に女性が働く権利をいろいろと獲得してくる中で、例えば結婚して子どもを生むのが一つの女性の道というようなことも一切世間が口を閉ざしたということもやはり大きくて、それは長く響いているということを感じます。若い女性たちがどういう自分のライフプランをつくろうかというとき、これだけ情報があふれているのですが、子をもつ楽しさや良さについての情報が少ない。限られているのではないかと私は分析しております。
 どういう情報が多く出るかというと、例えばセレブです。ミッドタウンができた途端に現役大学生の女性たちが行ってみて、結婚して子どもを生んで地道に生きていこうという気は失せるわねという発言をしたんです。マスコミの言うセレブへの幻想がある。こういうことは絵空事とかいいかげんなざれごとの言葉ではなくて、結構真実を突いているだろうと思いました。ですから、こちらがこれだけすばらしい子育て支援サービスがあって、国としてもいろいろな形で提案をし、皆の希望も聞いていくんだというシステムがあるということをどれだけ情報発信するかということが勝負という気がいたします。そうでない情報、つまりセレブ的に大学を出たり、短大を出て働いたらお金が入る。そうたらミッドタウンであれ何であれ、もしかしたらここに住むかもしれないというような情報で思考が動いていって、そんなことはあり得ないと思いながらもそういうライフプランをどこかに持ってしまう。逆を返すと、例えば仕事をし、結婚をし、子育てをするというときにどんな反応があるかというと、大変でしょう、とてもそれはできないということがすぐ返ってくるという現状があります。ですから、まず情報発信ということが大事だと思います。
 それから、不妊の問題とか深刻な問題がいろいろありますが、そういう方々を傷つけずに、いかに子どもを出産していくということも大事か。そういうことをどう表現していくかということもとても大事なところで、それはスタートラインという気がいたします。いつまでもその辺を語らないで、女性の自立という言葉だけが先にきていますと、なかなかいろいろなサポートシステムがあってもそのことへ到達していく若い女性が少ないのではないか。アクセスしてくる女性が少ないのではないかと思います。これはとても重要だと、現実の若い人たちといろいろな交流をしていて感じるところです。
 それで一つ提案なんですけれども、今、伺った子育て支援サービスを拝見し、御説明を受けましたら、非常に具体的ですし、経済財政諮問会議がワーク・ライフ・バランスということでとらえてくださったのならば、これだけあるんですけれども、トータルな情報センターをいち早くつくってもらいたいということなんです。0120で昼夜を問わずありとあらゆることに答えてくれる情報センターです。つまり保育所にぶつかって保育所の問題を聞く。そうしたら社会福祉事務所というのではなくて、生む前の方から結婚前でもいいですし、もちろん妊娠前でも出産前でも、自分がこれから子どもを持って生きていこうかと思ったときに、0120でとりあえずいろいろな情報を聞けるということが必要なのです。生んでから困難に出会って一つひとつ解決していかなければならないというのではなくて、若い少女時代、大学生時代、そういったときからでも0120でいろいろな情報が得られる。そのくらいの便利さ、使い易い情報センターを是非つくるべきだと思います。
 それは私自身が体験して、社会福祉事務所は一体何かという度に、時間は限られていますし、仕事を持っていて戸惑うことばかりでした。それに、はっきり言って雰囲気がよくなかったです。ですから、だれもがアクセスできる。それではインターネットも必要なのですが、生身の声でいろいろな相談に乗ってくれるということが大事だと思いました。これが一つです。
 それから、日本、フランス、スウェーデン、ドイツといろいろ出していただいたのですが、例えば保育サービスは低いのに就業率が高いドイツというのは何がカバーしているんだろうか。この点は質問です。
 2番目の質問は、フランスは保育ママが多いという御説明を受けました。こちらで言うと10ページですが、例えば保育ママはフランスなどの場合、アジアからの労働力、それからデンマーク、オランダなどが多いのですが、そういったところからの語学留学も含めた住み込み保育ママ志願者というのは非常に多い現実があります。そういった点も明らかでないまま、例えば保育ママが多いというだけでは日本の解決につながらないだろう。この辺を日本型にするにはどうしたらいいかということも含めて、もう少し分析したものを教えていただきたい。そして、日本型というものへの着手を早くしていくべきだと思います。 それから、30ページの地域子ども教室で、平成18年に8,318か所で実施しているということですが、これは全体の何%くらいになっているのかというパーセンテージです。
 それから放課後子どもプランですが、これは私は退職教員、放課後先生というものを提案していまして、やはり現役の先生の日常はかなり手いっぱいな状況で、現役の先生と放課後の先生というのは連携プレーでいくべきだろうと考えているんです。現役の先生はなるべく現役の学業と教育で充実していただきたいですし、放課後になったときに、ではどういう方が必要かというと、やはり先生というのが必要だろうと思いますので是非退職教員、特に団塊の世代がたくさん出てきますので、この方たちへの働きかけで放課後先生というものをきっちり確立していただけたらと思います。
 それからもう一つは、いろいろといい法制度とかシステムを考えられているのですが、私がある町に行きましたときに市長が、このような時代にあって食育が言われているときに給食センターを新たに建てるということを出して市長選で闘っているんです。そういうものを見ましたときに、既にいろいろな根回しができていて、建設関係も選挙でのいろいろな支援もあって、教育や保育を担うべき市長の立場で本当の子育て支援を考えている人がどれだけいるのかということも疑問で、是非そういったことでは確実に隅々まで行き渡るような形で発信していくべきだと思います。どうも長くなって失礼しました。
○岩渕主査
 この段階で事務局から何か質問に対するお答えはありますか。
○香取総務課長
 フランスの認定保育ママは人種構成などを調べてみないとわからないのですが、ただ、これはかなり歴史のある制度なので、そういう低廉な外国人労働力をベースに、背景にできている制度では恐らくないのではないか。ドイツの介護が現金給付中心で、ドイツの場合には東欧の労働力がかなり介護を支えているということが言われていますが、フランスの保育ママについてはあまりそういう話は聞いたことがございません。一応調べてみますけれども。
 それからドイツですが、御指摘のように保育所の数は少なくて女性の労働力率は高い。で、9ページの数字にありますように有配偶の労働力率が低い。したがって出生率が低いということになっておりまして、日本ほどは低くないですが、明らかにフランス、スウェーデンと比べれば保育サービスあるいはそういった公的なサービスが少ないことで就労継続ができない、あるいは出生率が低いということになっているのではないかということです。
○岩渕主査
 それでは、どうぞ。
○鹿毛委員
 なかなか私の名前を「かげ」とは読めないかと思うんですけれども、鹿毛と申します。よろしくお願いします。
 幾つかあるんですけれども、まずは皆様が言われたとおり、少し制度に固まり過ぎているのかなということはあります。例えば学童保育の延長とか、自治体によっては6年生までやっているところもあれば、3年生で終わりというところもあるので、必要に応じてその辺はできるようにしていく。ちょっとひねれば簡単なことだと思うんです。多分そこはいろいろ公正性云々の問題があるんだろうけれども、本当の公正性というのは何なのか。必要な人に与えるのが第一条件ではないかと思いました。
 それと、一生懸命就業率の問題が出されていますけれども、私はあまり就業率にこだわらなくてもいいのかなと。こんなことを言ったらいけないのかもしれませんが、私はいいんじゃないかと思います。日本の文化でありましたし、先ほど日本的というお話も出ましたけれども、たしか前回、子どもを育てる楽しさというようなことがうたわれていたわけですから、ある意味で0歳、1歳、2歳と一緒にずっと育てていいんじゃないかと、私はある意味でそういうふうに思っております。
 そこで28.5%が低いのかどうかということはあまり私は気にしていないんですけれども、それよりも本当に必要な人、例えば母子家庭とか父子家庭で経済的にきつい人が働かなければいけないわけですね。その人がなかなか利用できない。日本のサービスというのは恐らくある意味でお金があり、裕福でいろいろ知識などがある人はいろいろなサービスが利用できるんだろう、または幼稚園などに行かれるんだろうなと思います。でも、本当に必要な人にそういうところを利用することが保障されるんだという安心感を与えてほしい。そういう制度にしてほしいと思います。それが経済的な面についてもそうなのかもしれないと思います。
 それから、私のところもショートステイ、トワイライトステイという事業を児童養護施設でやっております。確かに安いんです。1日お泊まりして食事が付いて利用者負担は2,500円くらいです。半分は行政が出してくれますから、経済的にさほど余裕がある人でない人たちは本当に助かっている制度だと思います。
 では、なぜ保育園に預けないのか。なぜもっと年中云々というと、私たちなどはよく窓口で帰ってきたお母さんにいろいろ話を聞くんですけれども、だって高いもの、払えないもの、だからだれかに預けて、お友達に預けて、そのお友達が今日は都合が悪いからここに来たのというのが結構あると感じました。そういう意味では、そういう人たちがやはり安心して安心感が持てるような、すべてオールマイティ全部保障しろと言っているわけではないんですけれども、そういうことが必要なのかと思っております。
 保育ママにしても同じだと思います。今度は保育ママを育てるということが非常に大変なのかと思います。保育ママは今はどちらかというとボランティア的な意味合いでとらえているところがあるのではなかろうかと思います。欧米諸国でも、フランスは高いですけれども、逆に言えばたくさんの子どもをお預かりしてお金をいただいて虐待が行われているなどというケースも結構ありますし、保育ママの家に隠しカメラ、監視カメラが付いていたなどということもあります。そういう意味では保育ママを育てるというところ、それから保育ママにどのような責任を取らせていくのか。また、保育ママをバックアップする責任者はだれなのかということをもう少しきちんと決めていけば、保育ママもやりやすくなるのではないか。
 なかなか日本の風習は社会的に保育園とか施設に預ける方が安心なんです。個人に預けるというのは実は不安なんです。多分そういうことはサービスの違いがあったりとか、日本人というのはそういうところがあると思いますので、そういう意味では保育ママのきちんとした制度をつくり上げていく。先ほどバックアップをするところとか云々ということがありましたけれども、そうしていただきたい。
 ファミサポも同じだと思うんです。ファミサポの利用料金は私はいつも高い、高いと言っているんです。利用料金を800円払わなければサービスが受けられない。でも、ファミサポを利用したい人は実は650円くらいの時給の人たちなんです。それはアンバランスだと思いましたので、その辺は何とかならないかと感じました。
 あとはコミュニティの問題で、保育ママも恐らく地域の保育ママになっていくわけですからコミュニティをやはり利用していくんだろう。コミュニティには金を付けなければ育たない。ボランティアになってしまいますので、そこをどういうふうにしていくのかと思いました。
 それから、もう一つは大学や専門学校の利用をもう少し考えた方がいいんじゃないかと思います。地域における大学とか専門学校、今は学校教育の中でかなり教育学部の人たちを入れ込んでいるというようなお話も聞いております。そういう意味でも、地域でそういう実習型ということも失礼ですけれども、そういうものは利用可能なのではないか。これから大学はつぶれていく時代にあるでしょうから、地域で求められるような大学になればいいんじゃないかと思いました。
 最後に、これは次回に言おうと思いましたけれども、今日のところにも出ていましたので申し上げますと、最低基準という言葉については早くどうにかしましょう。子は宝ですよね。子は宝なのに、最低基準で守られているというのは何かおかしな感じがいたしまして、これは次回に私の分野になると思いますので申し上げたいと思います。以上です。
○池本委員
 今日はワーク・ライフ・バランス憲章というお話が出て、私はまずは働き方を変えるところからだと思っておりましたので、こういう方向で是非どんどん進めていってほしいと思いました。
 先ほど女性の就業率がフランス、スウェーデンなどと比べて低いというお話でしたが、ではなぜ低いのかというと保育所が足りないんだという話になりがちなんですけれども、これも労働時間が大きく違うというところが大きいと思います。スウェーデンの保育時間の平均利用時間を見たら6時間ぐらいだったんです。それで、結局6時間ぐらいの利用で済むのは父親が早く迎えに行ったりということができるからで、保育ニーズを増やさないで1人当たりの利用時間を少なくすることで、より多くの人に保育を提供できるということですので、まず労働時間を短くする、あるいは柔軟化することによって保育所のニーズを減らすというか、無駄な保育ニーズを増やさないことが大切ではないかと思いました。
 特に、どうしても女性と保育所と子どもで何か物を解決しようとする傾向があるんですけれども、父親の労働時間を柔軟化する、短縮するということがまず一番重要で、なぜ今、女性が働かないかというと、独身時代にものすごい長時間労働をしてきていますので、それが子育て後も続くかと思うと、普通の人だったら辞めるのが常識ある人の判断だと思いますので、そうでない働き方ができてくれば就業率も上がってくると思います。
 もう一つ、労働時間のことと保育所の量のことに加えて問題なのは、保育所の質だと思います。何度も先ほどからお話が出ていますけれども、私の周りで同じ保育園に行こうとしていてやめてしまった人は、とてもここの保育所に子どもを預ける気にはなれない。それは世田谷区で最もよいと言われている認可保育所でも、そう感じる保護者がいるということです。
 認可のお金が十分に入っているところでさえ、スタッフの数が本当に十分なのか。国際的に見ても問題が多いと思いますけれども、そうでない認証保育所ですとか、保育室ですとか、認可外の保育所が今はどんどん増えている状況ですので、保育の質が低いままで数を増やしたところで女性は働かないと思いますし、またそれで働くことになった場合には逆に子どもの教育上非常に大きな問題が出てくるのではないかと思っております。先ほどお金のこともというお話がありましたけれども、今回は諸外国の保育所の利用率が高いということもありましたが、では一体フランス、スウェーデンでどれだけのお金を保育に投じているかということも是非きちんとオープンにして、そこをきちんと議論していくべきではないかと思います。
 諸外国の制度を調べてみますと、いい制度をやっているところはそれなりに公的な投資が入っているのは当然と言えば当然なんですけれども、保育士の資格についても学校教員並みの資格要求をして、また処遇についても上げていくことで保育の質を上げていくという形がスウェーデン、フランスにはあると思いますので、そこは先ほど紹介されました待機児童を解消するための定員の弾力化などというものは、本当にやめてほしいと思います。一人でも多くの子が保育を受けられるようにということはありますけれども、それはイコール質の低下で、保育士の人たちも本当に今それに対しては困っているところですし、子どもにとっても十分な質の保育を受けられない環境になっていると思います。
 もう一つは質の観点で、先ほど宮島委員がおっしゃったことに私も非常に共感したんですけれども、質を高める場合に保育士の処遇を上げていくことも一つですが、やはり親が参加して親の細かなニーズを聞いて内容を決めていくということがとても重要なのですが、今の日本の制度はなかなかそういうものが想定されていないということで、先ほどスウェーデン、フランスの方の説明になかったんですけれども、スウェーデンにもフランスにも親がつくる保育所というものがきちんと制度の種類としてできています。ですから、親としては、公立に預けるのか、親たちが自分でつくるのかという選択肢が保障されているというところが大きな違いだと思います。
 そういう選択肢があれば、今は保育所がなかったらどうするんだと、親は途方に暮れてしまうわけですけれども、そうであればちょっと足りなさそうであれば育児休暇が1年とかあるわけですから、その間に保育所を復帰までに準備することもできるのではないかと思いました。
○岩渕主査
 それでは2周目に入ります。山田委員、お願いします。
○山田委員
 先ほどはどうも失礼いたしました。
 何点かあるんですけれども、ほかの委員の発言を聞いている間に幾つか言いたいことも出てきましたので、まずそれについてひとつ申し上げます。
 篠原委員から、企業内保育所のことについてどういうふうな意見を持っているんだということはまだ女性の方から出ていませんので一言、言わせていただきますと、やはり厚生労働省がお答えになったように地域によって全然違うと思います。私は、和倉温泉の加賀屋旅館の企業内保育所を見学してきました。旅館の仲居業というのは朝と夕方忙しいので、その間、預かってくれる。それで、私は昼に見学に行ったら、昼の空き時間を利用して子どもと会って子どもと一緒に遊んだり、御飯を食べたりして、また夕方戻っていってというパターンになっていますので、多分時間が非典型的な仕事が増えていますので、看護師とかもそうだと思いますけれども、そういう仕事をしている人にとっては多分、企業内保育所というのはかなり救いになるのかなという気がいたしました。それが第1点です。
 あとは私が言いたい何点かなんですけれども、鹿毛委員がおっしゃったように、どうもいろいろな発言を聞いてみますと、いわゆるキャリアの正社員の大卒女性を念頭に置いている人が多いかのような状況が、もちろんそういう人たちの対策も大切なんですけれども、女性の4大進学者は少数派です。
 現在でも4割位だし、今の30代前半女性だと4大卒の人は2割を切っている。つまり、必ずしも皆さんがキャリアで働きたいと思っている人たちばかりではないということを前提に考えなくてはいけないと思っています。
 特に一番重要なのは、そういう意味で子育て期の親に非常に経済的な格差が出てきてしまっている。大企業や公務員でキャリアで共働きをしている親たちには結構補助とか援助とかサポート制度がいろいろ整っているわけです。逆に20歳前後でできちゃった結婚をしてしまって、夫も妻も定職についていないといったような家族も増えていますけれども、そういう人たちにはもちろん育児休業制度とかはないわけですし、経済的に苦しい中で働かざるを得ないんだけれども、働きに対するサポート制度が整っていない。そもそも職が紹介してもらえない。職さえもないといったような状況があるという現実を見ていかなければいけないと思っております。
 特に先ほどの5ページの図ですけれども、第1子出産前後の女性の就業状況、これは平成14年の時点でのことなので今はまた状況が変わっているかもしれません。例えば、有職の女性は3人に1人は勤め続けているけれども、パート、アルバイトの女性はほとんどが辞めているのか、辞めざるを得ない。辞めさせられるというか、雇い止めされるという形で就業できないという状況にあります。つまり、就業に関してはまさに今、未婚女性の非正規率は4割くらいになっていると思いますので、その人たちの立場も考えなくてはいけないでしょうというのが一つです。
 もう一つは、数としては少ないんですけれども、自営やフリーの人にはあまりサポートがない。つまり、正社員で勤めている人が育児休業を取って育児に専念しようと思えば休業手当等はきますけれども、自営の人やフリーの人に対して育児休業手当というものが支給されません。私の知り合いでフリーの編集者は、子どもが小さいころは子どもを連れながら取材して記事を書いたというような人もいらっしゃいます。
 つまり、一方で働き方を多様化させようとか、例えば子どものいる女性に起業を勧めるというようなことを進めながら、一方で、ではそういう人たちに対してフルタイムで働く人と同等のサービスや支援、金銭的支援があるかと思えば、それは全くないわけです。
 つまり、働き方の多様化というのであれば、そのすべてを平等にカバーするような社会保障、社会福祉の制度というものが必要になってきていると思います。これは先ほどの加賀屋旅館の例もそうですけれども、働き方が多様化するということは働く時間も多様化せざるを得ないんです。地方などに行きますとスーパーは24時間稼働していまして、夜中も働く人がいるわけですから、そういう人たちに対してもサービスをしなくてはいけない。そうでなければ、ヨーロッパのように24時間スーパーなどは土日は商店を全部休みにするというようなことをしなければ対応できない。どちらの道を選択するかはともかくとして、そういうことがあると思います。
 もう一つは、半分質問というか、半分意見なんですけれども、やはり幼保一元化というものをこれからは進めていかなくてはいけないと思います。なぜかというと、今までは夫の収入が安定していてずっと専業主婦の人が幼稚園に行く。一方、いろいろな意味で働かざるを得ない人が保育園に行くという形で二元化されていたと思います。でも、今は夫の収入が安定していると思って幼稚園に入れたんだけれども、結果的に夫がリストラされてしまったとか、逆に保育園に入れていたんだけれども、夫の収入が上がったので幼稚園に変わりたいとか、そういうニーズが出てきていて、更に今後増えると思います。
 つまり、幼保一元化といったときに幼保の中間的な施設をつくるのではなくて、ライフコースの中であるときは主婦になったり、あるときは働いたりといったことが交互に出てくる可能性があって、それに対応した施設であってほしい。つまり、幼稚園に入れても保育園に入れても似たようなサービスや教育が受けられるようにしておいてほしいというのが、多分多くの親の願いだと思いますので、実験的に進めているということは私も承知しておりますが、是非将来にわたって就学前保育教育というものを一体化させて運営してもらえばいいと思います。
 つまり、多様化した働き方というのは、単に横の時点で区切ったときにいろいろな働き方があるということではなくて、男性も女性もいろいろな時点でいろいろな働き方になり得るということを前提にした就学前保育教育の設計というものを是非根本的に考え直してもらいたいというのが私の願いでございますが、幼保一元化の進み具合に関してはいかがなさっていますかというのが質問です。
○義本雇・児局保育課長
 資料で紹介させていただきましたが、まずはこども園をスタートさせていただきまして、現状では94でございますけれども、32の都道府県の見込みとしては今860くらいをここ1、2年でつくっていくということでございまして、それに向けて普及、定着をしっかりさせていただくというのが現状でございます。
○岩渕主査
 それでは、山縣委員お願いします。
○山縣委員
 せっかく早目の順番のチャンスをいただいたにもかかわらず、遅れてしまいまして申し訳ありませんでした。今までのお話を聞いていて3点、私の意見を言わせてください。
 一つ目は、基本的にはほとんど重なっています。正直、いろいろな意見が出尽くしていると思いますので重なっていますが、1点は就労支援で、今日のテーマは「働き方の多様化に対応した子育て支援サービス」ということになっていまして、当面、今の保育所制度が必要であるという前提には立っていますけれども、やはり時代に応じて変えていく必要がある部分があるのではないかと思っています。
 それで、これは何人かの方から議論が出ていました、取り分け乳児期ですね。0、1歳くらいについて言うと、家庭的なスタイルあるいは小規模ケアですね。そういうところを強化していく必要があるのではないだろうか。現行制度で言いますと、保育所実施型の家庭的保育制度がありますけれども、これはものすごく少ないわけです。そこを家庭的保育と呼ぶとなかなかうまくいかないならば、サテライト保育とか、いわゆる保育所本体がきっちりあるんですよと。そこに1歳になったらつながっていけるんです。
 家庭的保育に関する今の不安は、密室の不安と、もう一つは家庭的保育の後、次に本当に保育所に入れるんだろうかという不安と二つあると思うんです。そこをつないでいく仕掛けをある程度つくっていく必要があるのではないか。
 それに応じて保育士養成で、今きっと皆さん方は保育士養成と言えば赤ちゃんのこともきっとやっていると思われていると思いますが、正直なところほとんどやっていませんで、3歳以上の集団保育型の保育士養成になっています。実習場面でも、0歳児保育の実習を長期にできる人はほとんどいません。ですから、個を見るという発想の保育士養成をもう少し導入する必要があるのではないかと考えています。
 2点目ですけれども、これは前回の議論からのつながりなのですが、地域子育て支援と就労支援の連続性をどう確保するかということではないかと思っています。今日のデータにもありますけれども、3歳未満の8割弱は家で保育を受けている。親と一緒に1日24時間向かい合っている。小学校に入る前、全体でも4割くらいがそうである。そこに対して、それが地域子育て支援と就労支援という全く別の制度として設計していくのか。そこの連続性をどう確保していくのか。
 ともすれば今、保護者の間でそこが対立構造になってしまっている部分があります。お金の使い方とかですが、そこら辺は決していい関係ではないと思っていまして、前回は地縁と知縁のチェーンという話をしたのですが、今回は助け助けられる関係という助け合いの縁、助縁ということを是非提起してみたい。助演女優賞ならぬ助縁市民賞というものを是非普及していただいて、助け、助けられ上手な市民というものをもっと際立たせていくということが必要かと思っております。
 3点目、最後になりますが、今の山田委員と一緒で認定こども園に対して私は非常に期待をしています。山田委員は親の方の視点から言われましたけれども、親の就労とか家庭環境で与えられるサービスが異なるというのは、私の中ではやはりどうしても理解できない。基本的には共通のものが保障される仕組みがあり、その中で家庭において今、欠けている部分とかできない部分を社会が補っていく、あるいは親が求める部分を補っていく。そういう仕掛けに向けて認定こども園がもっと拡充をしていく必要があるのではないだろうか。
 今日、幼稚園担当の文部科学省、それから保育所担当の厚生労働省、プラス私は自治体を担当している総務省の方々の力というのは非常に大きいのではないだろうかと思っています。是非、総務省の方々にも認定こども園に向けての協力をいただきたいということを思っています。以上です。
○岩渕主査
 ありがとうございました。
 もう時間がまいりましたけれども、高橋委員、補足でということで短時間でひとつお願いします。
○高橋委員
 時間がないので次回にまわしますけれども、最低限のことだけ申し上げます。
 一つは、ずっと私が引っ掛かっておりますのは、この会議は「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議でございますが、子どもを応援するという視点がこれまでの議論には欠けていると思うんです。。
 それは、私が県の教育委員をしている埼玉県の教育委員会で問題になったんですけれども、最近保育士の虐待が増えている。あるいは、都内の保育園に日本語がわからない外国人の方が採用されていて、理由を尋ねたら、0歳児は言葉がわからないからいいではないかというような話がありました。
 これは例外中の例外かもしれないんですが、つまり保育の質をどう支えるかが最大の課題といえます。今日は24ページにその資料があるわけですけれども、実際は多様な保育サービスに応じて補助をするというふうに切り替わったために、経験のある保育士の雇用維持が困難になっている。あるいは、サービスの度合いをポイント制にしたために、子どもの発達を保障するという視点がおろそかになっているのではないか。まだ申し上げたいことはございますが、時間がありませんので次回に残りはまわさせていただきます。
○見城委員
 すみませんが、国土交通省の方に30秒だけよろしいでしょうか。せっかく国土交通省の方がいらっしゃるのですみませんが、日本の道路はベビーカーに非常に悪い状況で、かつて乳母車というのは上にあったんですね。それでシッョックアブソーバーがよかったのですが、こういう、ぱちゃんとなるベビーカーになってから非常に道路に近くなって、がたがたと本当によくないんです。それで、頭にもきっとよくないのではないか。心理状況にもよくないのではないかと思って、日本の道路の歩道ということも、もう少しここに子育て支援であるならば盛り込んでいただきたいと思います。
○山田委員
 今の高橋委員の意見に加えまして、私はこの前、若者調査をして、すごく話していて優秀なある女性の若者に、子ども好きなので保育士になりたかったんだけれども、周りの大人に止められた。今、保育士では絶対食えない。
 保育業界というのは非常にいびつでして、公務員として採用された年配の保育士の給料は非常に高いんですけれども、新しく採用される保育士はかなり臨時委嘱が多くて、特に地方はそうですね。だから、本当に食えない額のお金しか出さないところが多い。これでは質は絶対低下すると思います。
 まさにその点においてもどうすればいいかというのはいろいろあるでしょうけれども、全く保障するのも何ですが、少なくとも保育とか、そういう命の安全に関わる仕事に就く人に対しては給与面での配慮というものを相当しなくてはいけないと私は考えております。そうでなければ、優秀な人材は入ってこないと考えております。
○岩渕主査
 時間も大分過ぎましたので、本日はこれまでにしたいと思います。
 最後に、事務局からどうぞ。
○大谷雇用均等・児童家庭局長
 本日も、大変遅い時間まで御議論いただきましてありがとうございました。
 今日のテーマは「働き方の多様化に対応した子育て支援サービス」についてということでありましたが、これも含めて、これも超える視野で幾つか重要な論点、視点が浮き彫りになってきたのではないかと感じるところであります。次回は、社会的養護を必要とする子どもたちへの対応の問題、それから産科・小児科の医療の問題に関するテーマについて御議論を賜りたいと考えております。引き続き、御協力をよろしくお願い申し上げます。
 次回の日程でありますけれども、事前に御連絡させていただいておりますが、5月14日月曜日17時から20時の時間帯におきまして、厚生労働省内のこの省議室で開催させていただきたいと思います。ちょっと時間を長目に取るかもしれませんが、そのときは御容赦をいただきたいと思います。
 本日はどうもありがとうございました。
○岩渕主査
 どうもありがとうございました。
午後 8時04分 閉会