「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議 第1回 点検・評価分科会 議事要旨

1.日時

平成19年3月7日(水)18:00~20:00

2.場所

中央合同庁舎第4号館 2階 共用220会議室

3.出席者

(関係閣僚)
高市 早苗
内閣府特命担当大臣(少子化対策)
(有識者)
佐藤 博樹
東京大学社会科学研究所教授(分科会主査)
渥美 由喜
株式会社富士通総研主任研究員
案田 陽治
日本サービス・流通労働組合連合副会長
大日向 雅美
恵泉女学園大学・大学院教授
大矢 和子
株式会社資生堂執行役員企業文化部長
奥山 千鶴子
特定非営利活動法人びーのびーの理事長
藤本 保
大分こども病院長
前田 正子
横浜市副市長

4.議事概要


○高市内閣府特命担当大臣
 佐藤主査をはじめ本分科会の皆様におかれては、昨年の「新しい少子化対策について」の取りまとめでも大変ご苦労いただき、40項目にもわたる総合的な少子化対策をまとめていただいた。現在審議中の平成19年度予算案が成立すると、いろいろな新しい施策がスタートする。
 今回、総理からの指示で、「子どもを産みたいけれども躊躇する」「結婚したいけれどもできない」といった阻害要因も取り除くための戦略を策定するということで、再び集まっていただいた。
 子育てを一生懸命している人達を社会全体で応援するため、社会全体の空気を変えていくということである。例えば、電車の中で、特に妊娠初期はお腹も目立ちにくい時期であり、最近はそんなに赤ちゃんを大きくない状態で生むため、妊娠後期でも目立ちにくい。そんな女性にできるだけ社会みんなで手を差し伸べる、応援するという空気を作りたい。会社でも様々なプランはあるが、実際には使いにくい、育児休暇もとりにくい、産休でも相当気を遣うといった声もあるため、昨年取りまとめた施策が有効に機能していくための点検・評価をしていただきたいと考えている。
 それから、「子ども・子育て応援プラン」をしっかりと評価していただいて、運用改善をした方がいい点があれば、どんどん提言いただきたい。昨年決定した「新しい少子化対策」についても、より効果的に進めていくための工夫のようなことでもいい。
 先般開催された検討会議では、有効な施策を各分科会できちんと作っていくためには、これまでの施策の効果をしっかりと評価しなければならないという意見があった。したがって、この点検・評価分科会の役割は非常に重く、最も注目されると思っているので、どうかよろしくお願いしたい。
 また、内閣府のホームページで、私が就任してから運用面で何か改善できることはないか、国民の皆様から毎月2つずつ私がテーマを決めてご意見を募集している取組がある。寄せられたご意見の中で、検討に値するものについては、厚生労働省等とも協議しているが、制度に踏み込んだものについては協議の対象になっておらず、運用面でもなかなか腰が重いようなものもある。そちらも合わせてご検討をいただきたい。
 短期決戦であるが、今までご尽力をいただいたことをとにかく効果的に進めてまいりたい。よろしく力添え願いたい。

○佐藤主査
 この分科会は「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議の分科会として設けられているので、検討会議でどういう議論がされ、そこで何をやるべきかということと、その中でこの分科会としてどういう課題があるのかということを可能な限り共有し、その中で何を検討すべきかということを理解できるような会合にできればと思う。
 まず、1つ目の議事として、新人口推計及び今後の人口構造の変化に伴う課題について説明していただく。その後、この分科会での点検・評価の進め方について議論したい。

 今回の重点戦略の検討会議の出発点になっている昨年12月に発表した新人口推計に加え、人口構造の変化に関する課題というものを特別部会を設けて整理したので、それについて報告させていただく。
 昨年12月20日に発表した将来推計人口は、社会保障・人口問題研究所において、日本の将来の人口の姿がどうなるかということを、5年に1度国勢調査を出発点にし、それまでの社会のいろんな変化を織り込み、将来の人口がどうなるかという姿を推計するというものである。
 今回の推計は、昨年の国勢調査結果をベースにし、2055年までの人口を推計している。人口推計は、ここ数回にわたって見直すたびに出生率の見通しが下方修正をされ、人口が減少していくという形になっている。今回も、平成14年の中位推計で予測をした出生率の値を下回って実績が推移した。それだけ出生率の要素となる晩婚化、未婚化が予想よりも進行し、夫婦の出生児数の減少もみられている。今回は、そのような傾向も踏まえて、将来の出生率がどのように推移していくかを予測している。
 今回推計では、前回推計の中位推計である2050年に1.39という出生率よりも低い水準で推移し、50年後に現在と同水準の1.26というところで出生率が落ち着くのではないかという予測をしている。
 もう一つ人口を決める要素として、平均寿命がある。これもこれまでいろいろモデルをつくって、将来の平均寿命を予測してきたが、現実の変化はそのモデルの予測値を既に超えており、特に男性でいうと80.95歳というのが前回推計の2050年の仮定値であるが、それよりも大体3歳ぐらい上回るような形で推計されている。女性の方も大体1歳ぐらいだが、平均寿命が90歳の大台に乗ると予測されている。
 この2つの要素を掛け合わせると、これまでの推計よりもはるかに速いスピードで少子高齢化が進行し、総人口では、50年後には9,000万人を切り、8,993万人となる。それから、社会の構成も大きく変わる。社会の支え手である生産年齢人口の割合が、現在、3人に2人であったのが2人に1人ぐらいの割合に減る。高齢者が今は5人に1人ぐらいであるが、これが5人に2人、40%を超えるような高齢化率になることが予測されている。
 資料1‐1の4ページは、人口ピラミッドが50年でどう変化をするかということを示している。いわゆる団塊の世代と言われる最初のベビーブーム世代、その後の第2次ベビーブーム世代が日本の人口構造の大きな山をなしているが、2030年に向け、最初のベビーブーマー世代が高齢化の仲間入りをし、高齢化率が急速に上がっていく。
 2030年以降は、最初のベビーブーマーが徐々に死亡し、それと入れ替わるような形で第2次ベビーブーマーが高齢者の仲間入りをする。2030年から2055年ぐらいにかけて、人口全体は減っていくのに対し、高齢者の数はほとんど変わらない。問題は、その子どもたちの世代で、少子化が進み、第3次ベビーブームが来ていないため、現役世代が大きく減少をする。その結果、高齢化率が極端に上昇する。
 以上が昨年12月に出した将来推計人口である。この将来推計人口は、社会保障審議会の人口部会で、推計の手法やデータを報告し、議論を進めているが、議論の中では、これからの少子化対策をどのように講じていくのか、それを推計人口の上ではどのように考えるのかという議論があった。
 ただ、推計人口自体は、統計学的な手法を使い、科学的に行うということが国際標準になっているため、それとは別に、人口構造の変化を前にして社会全体にどのような課題があるのかということを整理していくことが必要ではないかということで、資料1‐2にあるとおり、別途、人口構造の変化に関する特別部会を設置し、このような人口変化をどのように社会全体で受けとめていけばいいかという議論を行った。
 まず、人口構造の変化の影響をどのように受けとめるかという点については、単純な人口規模の問題ではなくて、社会構造、例えば労働力や世帯、地域の姿というものが大きく変わるということをよく考えなければいけないという議論があった。
 生産年齢人口が減少するため、労働力人口の減少は避けられないが、2030年までに大人になる人は大体ほぼ生まれているので、この世代で考えると、若者、女性、高齢者など、まだ働く意欲を持っていながら労働市場に参加していない人の就業促進をしていくという、いわゆる少子化に対応する戦略というものがある。2030年以降は、生産年齢人口の減少の度合いがかなり大きいため、一方ではそういった努力もしながらも、もう一方で効果的な少子化対策を今から打っていかないといけない。
 それからもう一つ、社会的な問題としては、将来の出生率の1.26ということのベースになっているのは、実は生涯未婚がほぼ4人に1人、夫婦から生まれてくる子どもの数が約1.7人ということである。男性も女性も50歳ぐらいまでの間に4人に1人は未婚を通すという姿が展望されている。今の生涯未婚の率はせいぜい5、6%ぐらいということを考えると、今とはかなり違う地域像、高齢者像というものが見えてくる。また、単身世帯が多くなるため、いろんなリスクに脆弱な単身世帯の増加を社会全体でどのように受けとめるかといったことも議論になってくる。
 このようなことが人口構造の変化の影響として考えられるが、出生率が当たるとか外れるではなくて、実はこのような大きな社会の変化というものを前にしているという認識に立って、少子化の問題を考えていかなければならないということを確認したところである。
 ところで、このような急速な少子化は、決して国民の望んだものではない。未婚者にアンケートをとると、9割の方はいずれ結婚したいという結果が出ている。それから、子どもの数も減っているが、多くの方は2人以上持ちたいという結果になっている。この30年間このような状況に大きな変化はないため、希望と現実にどんどん乖離が生じてきている。
 社会が発展すると、いろんな希望が拡大してくる中で、社会の側の選択肢が増えていかないために、いずれかの希望をあきらめて、その結果、子どもが減ってきているというように考えると、いろんな国民の希望が実現できるように、社会的な選択肢、特に出産や子育て、就労をめぐる選択肢を拡大していくということが必要ではないかとまとめている。
 結婚や子ども数について、国民の希望が一定程度実現したと仮定すると、将来の人口の姿はどのようになるだろうか。9割ぐらいは結婚をしたい、夫婦でも大体2人は子どもが欲しいといったことを計算式に当てはめると、将来の出生率というのは1.75程度にはなるという結果が出ている。この1.75ぐらいがこれから40年ぐらいで実現していくと仮定すると、50年後の人口規模は1億人をキープする、高齢化率も35%程度にとどまる、年間の出生数も90万人ぐらいということで、随分姿としては違う。
 では、このような社会にしていくというときに、今どのように考えなければいけないかということでまとめたのが、まず、結婚・育児と仕事の両立をどう考えるかということである。一方で、労働力人口の減少をカバーしていくためには、もっと女性に労働市場に参加してもらうことが必要であり、現実にそのような変化は起きているわけであるが、それは同時に未婚率の上昇を伴っている。この状況が続くと、当座の労働力人口の減少をカバーするため将来の首を絞めている状態になる。一方では、既婚女性、特に子どもを持った女性が働きにくいという構造を残したまま希望どおり結婚をしていくことになると、今度は労働力市場の方がショートする。
 結局、この両立を実現していくことが、2030年の前後を通じて持続的な経済発展を考えたときに必要な要素である。就業したいという希望と子どもを産み育てたいという希望の二者択一を迫られる構造を変え、両立ができる、女性も男性も共に仕事も家庭も大事にしながら働き続けられる、そのような選択が可能になるような社会に変えていくということが、この人口構造の変化からも言えるのではないかということでまとめている。
 このレポートの最後は、そういった社会を実現していくため、現実に結婚や出生行動にどのような要素が影響しているかということを様々な調査結果をレビューして紹介している。
 結婚に関しては、経済的な基盤、雇用・キャリアの将来の見通しや安定性というものが結婚するしないということに影響している。出産のところでも同様に、子育てしながら就業継続できる見通し、仕事と家庭との調和がどれぐらいとれているかということで、子どもが生まれている家庭はどういう家庭かということを、例えばパネル調査を使って分析すると、就業継続の見通しができる、例えば、育児休業がきちんと利用できる会社に勤めている女性は子どもをよく生んでいるとか、ワーク・ライフ・バランスをとり男性が長時間労働を見直した家庭に多く子どもが生まれているとか、そのようなデータを紹介している。
 2番目の子どもを生もうという意欲にどのようなことが影響するかというようなことでみると、夫婦間での家事・育児の分担の度合いが高ければ出産意欲が高いということ、逆に、子育ての負担が集中してしまい女性の方の育児不安が強いと、第2子の出産意欲がかなり減退をするということがある。
 3番目以降の子どもになると、教育費の負担感というものが頭をよぎるということも紹介している。
 特に、少子化対策については、多子促進的な政策をとるのかというような様々な議論があるが、現実に結婚や出産に関する希望と現実の乖離のどこが大きいかということをみると、結婚したいけれどもできない、子どもを持ちたいけれども持てないということがかなり大きい。このことを考えると、当面は、結婚をしたいけれどもできない、子どもを持ちたいとか、2人目を何とか持ちたいといったことに焦点を当てて、先ほど申し上げたような要素を変えていく政策をどのように打っていくかということが必要ではないかとまとめている。
 最後に議論になったのは、国民の希望も変わり得るのではないかという点である。子育てが難しい現状が続くと、希望水準自体が下がり、それがさらに少子化を加速させることになってしまう。そうならない前に対策をきちんと講じなければいけないということも最後に触れている。

○佐藤主査
 1つは将来推計人口であり、これまでもやってきたことである。もう一つは、人口構造の変化に関する特別部会での議論で、1つは、現状のまま推移すると将来どういう社会になるのか。今紹介があったように、例えば2055年になると約4割の世帯が単身だけの世帯、つまり、このままいくとそういう社会になってしまう。だから、それは国民としてそういう将来像を共有して、これからどうするのかということを議論する。
 もう一つは、今の少子化の傾向は、別に国民が望んだものではないので、国民が希望することが現実的にはどういうふうになっていくのか、逆にまた、希望を実現することを阻害している要因が何かということを少し明らかにして、その希望を阻害する要因を取り除くためには何に取り組む必要があるか、それを議論したということで、これから我々が議論する上でも非常に大事なベースになるレポートだと思う。
 それでは、ご質問やご意見があれば、お願いしたい。

○案田委員
 結婚のところで、なぜ結婚ができない状況かというのがあるが、出会いの機会とか、同じ価値観を持った男女の出会い、そういうものもかなり影響が大きいのではないかと思う。そういった記述はこの中にないと思うが、どういう議論がされたかについてお伺いしたい。

○度山厚生労働省少子化対策企画室長
 今回は、様々な調査や研究の結果をレビューし、データに現れているものを紹介した。なぜ未婚のままにとどまっているのかということに対し、なかなかいい相手と出会えないという、アンケート調査は、ずっと人口推計を行う際の基礎調査においてとっており、それは一つの要因であるかもしれない。しかし、社会的にどういう方が結婚を多くしていて、どういう方が結婚が難しいかという目で見たときに、そのような分析ができるデータが十分になかった。その点は、実は佐藤主査が研究されておられるので、その成果もご紹介いただきながら検討していければと思う。

○佐藤主査
 参考1の12ページの下のパラグラフに、今指摘のあった点が少し書いてある。研究はそれほど進んでいないが、大事な点である。
 それでは、こういった人口推計あるいは国民の希望がなかなか実現できない阻害要因についての整理を踏まえた上で、これから議論していきたい。
 続いてこの分科会の進め方について内閣府から説明願いたい。

 参考資料から紹介させていただく。
 参考4は、「子どもと家族を応援する日本」重点戦略の概要をまとめた資料であり、2月9日の検討会議で配布されている。
 今、厚労省から説明があった人口関係の議論を踏まえ、重点戦略の策定の基本的な考え方として、「すべての子ども、すべての家族を大切に」ということで、2030年以降の若年人口の大幅な減少を視野に入れ、制度・政策・意識改革など、あらゆる観点からの効果的な対策の再構築・実行を図るということである。「結婚したいけどできない」という若い人、あるいは「子どもを生みたいが躊躇する」という若い家族を支えて、この社会に生まれたすべての子どもたちが希望を持って人生を歩んでいけるように、国民総参加の子育てに優しい社会づくりを目指すということである。
 検討体制であるが、少子化社会対策会議というのは、少子化社会対策基本法に基づき、総理が会長で、全閣僚で構成している。この対策会議の下に重点戦略検討会議というのを設け、内閣官房長官を議長に、関係閣僚9名と有識者7名で構成されている。この検討会議の下に基本戦略、働き方の改革、地域・家族の再生、点検・評価という4つの分科会を設ける。
 基本戦略分科会は、経済支援のあり方、子育て期の所得保障のあり方、財源、制度的枠組みの再構築といったことを議論していただく。働き方の改革分科会は、ワーク・ライフ・バランスや多様で柔軟な働き方の実現、若者の社会的・経済的自立の支援、人材力強化、企業の取組の促進と意識改革といったことを議論していただく。地域・家族の再生分科会は、子育て家庭を支える地域づくり、子育て支援サービスの見直し、困難な状況にある家族や子どもを支える地域の取組強化といったことを議論していただく。点検・評価分科会は、「少子化社会対策大綱」、「子ども・子育て応援プラン」、次世代育成支援に係る行動計画のフォローアップ、運用改善、行動計画の数値目標見直しに向けた検討といったことを議論していただく。
 今後のスケジュールであるが、検討会議が2月9日に開催をされ、2月から5月にかけて、各分科会を3、4回開催し、5月中には各分科会で議論を整理していただく。6月頃に検討会議の第2回を開催し、重点戦略の基本的な考え方を取りまとめる。その結果は経済財政諮問会議等に報告し、骨太方針2007にも反映する。以後、具体的施策についての検討を進め、税制改正等の議論を見極めながら、本年末を目途に重点戦略の全体像を提示できればと考えている。
 参考5の分科会規程については、分科会の会議の公開といったことを定めている。
 参考6であるが、19年度の少子化社会対策関係予算案のポイントということで、検討会議でも配付をされている。
 参考7は、子ども・子育て応援プランであり、適宜ご参照いただきたい。
 参考8は、「子ども・子育て応援プランの進捗状況」ということで、各施策項目ごとに各省庁において進捗状況を確認してもらい、まとめたものである。
 項目ごとにいろんな進捗状況の評価がされているが、目標を上回って進捗している、計画どおりにおおむね進行している、目標の達成には一層の努力が必要、といったような形で点検・評価されている。例えば、25番のファミリー・フレンドリー企業の普及促進といった項目があるが、これに関しては、目標達成には今後の一層の努力を要するといったことを所管省庁において評価をしている。さらに、27番の育児休業の関係であるが、これに関しても、男性の育児休業取得率については今後一層の努力を要するといった評価をしている。
 それから、33番の年次有給休暇の取得促進という項目があるが、これに関しては、17年度においては47.1%という率になっており、目標達成のためにはさらなる取組が必要といった評価になっている。37番のテレワークの項目に関しても、一層の普及促進が必要といった評価になっている。
 次に、67番、68番、69番のあたりは多様な保育ニーズの対応ということであり、休日保育、夜間保育といったものがあるわけであるが、これは目標に向けて推進を図る、あるいはさらなる改善に向けて引き続き取組を実施していくといった記述がされている。
 それから、90番の小児救急医療体制の推進あるいは91番の小児科医師等の確保・育成といった項目があるが、これについては、進捗状況のところでは、年々体制の整備済み地区数が増加しているものの、すべての地区をカバーするには至っていない。全地区における体制整備を目指し、さらなる施策の推進を図る、あるいは目標の達成に向けて取組の支援を行っているところといったような記述になっている。
 最後に、103番は、周産期医療ネットワークの整備という項目であるが、これについても、さらなる改善に向けて引き続き取組を実施していくといったような記述になっていある。
 参考9であるが、先程高市大臣から話があったように、内閣府ホームページで、国民の皆様からさまざまな意見をお聞きをするという取組をしており、これに対して寄せられた意見ということでまとめたものである。
 参考10は、第1回の検討会議で尾身財務大臣が提出した資料であり、日本と先進諸国の比較表になっている。家族関係の社会支出、これは対GDP比で何%かということ、それから合計特殊出生率がどうなっているかということ、あるいは高齢関係のこういった数字が並んでおり、日本は家族関係の社会支出も少なく、合計特殊出生率も低いといったことが示されている。
 次に、本資料について説明させていただく。
 資料2‐1は、第1回の検討会議における意見と議論の進め方が書かれている。
 検討会議の意見については、まず、問題の所在と事実をどこまでも正確に把握することが必要という意見、諸外国の事例も含めて、既に実施された施策について、なぜ効果があったのか、なかったのかを分析という意見、施策間の連携、特に働き方の見直しと地域の子育て支援強化の連携が大切という意見、我が国は出生率が低く、家族関係の社会支出も少ない、有効な対策をとったらどの程度の財政負担が生じるのか、数字を出してほしいというご意見、OECDの指摘では、保育所待機児童と経済的負担を解消すれば、日本も出生率が2.0まで回復する余地があるという意見、国、自治体、企業、地域社会の役割を明確にすべきという意見などがあった。
 基本戦略分科会の議論の進め方であるが、希望を反映した試算、特別部会の議論の整理の下に議論をするということ、諸外国のレビュー、働き方の見直しと地域子育て支援に関する制度・施策間連携に関する課題の把握、家族政策の費用及びその財源の検討、例えばフランスと同水準の家族政策を実施するとした場合に、どの程度の財政規模になるのかといったシミュレーションなどを行うといったこと、それから、国、自治体、企業、地域社会の役割についての整理といったことで議論を進めていくこととしている。
 2ページ目は、働き方の改革分科会関係と地域・家族の再生分科会関係で、検討会議の方で出た主な意見を整理している。この2つの分科会はまだ開かれていないため、議論の進め方という内容は入っていない。
 働き方の関係では、働き方、仕事の進め方を見直すことにより、自己実現できる社会をつくるとともに、企業の時間当たりの生産性を高めること、それが少子化対策にもつながっていくという意見、働き方の二極化の解消、男女双方の仕事と私生活の調和の実現といったことが必要ではないかという意見、ワーク・ライフ・バランス、多様な働き方の追求を将来の投資と位置づけることが必要であり、それに対する財政的支援、経済的インセンティブが必要であるという意見、時間制約も働き方の効率化に結びつくのではないかという意見、経済産業研究所のレポートによれば、女性が第2子を生みたくなくなる最大の原因が、育児の大変さに対する理解のなさによる不信感、不満感といったことにあるという意見である。
 次に、地域・家族の再生分科会の関係であるが、主な意見として、希望を反映した試算においては、30代前半の女性労働力率が現在の6割から8割に引き上がることを前提にしており、専業主婦モデルはもはや成り立たないという意見、子育て家庭の料金を割り引く制度が約半数の県で導入されており、子育て支援の雰囲気を盛り上げる起爆剤として期待ができるのではないかという意見、三鷹市長の意見であるが、三鷹市の取組の特徴は、その推進方法にあり、多くの担い手に参加していただく協働と地域コミュニティーとの連携であるという意見、フランスでは、普通の人がその生活の中に仕事も子どもも持っているという状況で、女性が子育てするだけではなくて、周りの人たちの支援、地域の支援、夫・家族の支援があって実現できているという意見があった。
 次に、3ページ目は、点検・評価分科会関係の意見である。既に実施された施策について、なぜ効果があったのか、なかったのかを分析する必要があるという意見、これまでの施策あるいは提言がなぜ実行できなかったのか、遅かったのか、評価分析をきちんとする必要があるという意見、政府の取組で一番遅れているのは未婚化のところであり、結婚したい人たちができていないとすれば、どこにその構造的な問題があるのかということを明らかにするということが必要であるという意見、自治体で成功している例として、例えば福井県では3番目の子どもに対して医療費と保育料を3歳まで無料として、出生率が1.5になった、宮古市では、窓口を一本化して取り組んで、出生率が上がった、さまざまな施策を行えばできるということを踏まえて議論していただきたいという意見が出されている。
 今後の点検・評価分科会の議論の進め方については、イメージとして、先程の特別部会の議論の整理をもとに議論していただくということ、「子ども・子育て応援プラン」の進捗状況を把握するということ、内閣府ホームページの意見募集での運用改善といった3点を踏まえ、重点的に点検・評価すべき項目を設定して議論していただいてはどうかということで、今後、関係省庁からの報告、企業・自治体からのヒアリング、研究者等からのヒアリングといったことを実施していき、それを踏まえ、問題点、取組方向を整理していくといった形ではどうかということでまとめている。
 資料2‐2では、進め方について、1つは、「子ども・子育て応援プランの進捗状況」ということで、先ほどの参考資料で若干紹介したが、目標を上回って進捗、計画どおり進行、目標達成には今後一層の努力を要するといった状況があることが各省庁の確認で分かってきたということである。
 次に、内閣府ホームページによる意見募集とうことで、問題点や改善方向について、寄せられた意見の中からこの分科会において議論していただくようなものがあるかどうかということである。
 それから、先程説明のあった希望を反映した人口試算ということで、結婚、第1子、第2子、第3子、それぞれ出生行動に影響を及ぼすと示唆される重要な要素があるということで、今後速やかに取り組むべき施策分野がある。
 この3つの視点をベースにして、効果的な対策の再構築を図る上で検証が必要と考えられる重点的なテーマというものを設定していく。その際の点検・評価の視点としては、個々の施策の状況のほか、施策間の連携にも着目していく必要がある。重点テーマを設定し、現状の確認、調査研究などで問題点を整理するということで、具体的には関係省庁からの報告、企業・自治体からのヒアリング、研究者等からのヒアリングといったことで議論していただく。それを踏まえ、問題点、取組方向を整理し、他の分科会に報告するといったこともあるし、今後の施策展開に反映させるといった流れではどうかということである。
 2枚目は、重点テーマというのはどういったものになるだろうかということで、事務局でイメージを整理をさせていただいている。施策の分野として、先程の希望反映型の人口試算の中でも議論のあった重要な分野を項目として掲げている。
 1つは、継続就業の環境整備ということで、育休、短時間勤務制度が活用しやすいような働き方や仕事の仕方の見直し等ということが言われているため、それに対応する項目として、育休、短時間勤務の充実・普及、企業の子育て支援の取組の促進、妊娠初期の休暇など、妊娠中の体調不良時の母性健康管理措置の徹底・充実といったものが考えられる。
 それから、保育環境の整備については、具体的な項目として、保育所の受け入れ児童数の拡大、待機児童ゼロ作戦、多様な保育ニーズへの対応、病児・病後児保育の拡充、子どもの放課後対策といったものが考えられる。
 それから、第2子以降で大きな障壁になっている育児不安の解消ということで、専業主婦も含めた地域における育児支援、家庭内の育児負担等という分野がある。それに対応する項目として、地域における子育て支援拠点の拡充、産科医療システム、小児医療システムの充実といったものが考えられる。
 もう一つの視点として、施策間の連携といったことが非常に重要な要素としてあり、例えば、継続就業環境の整備と保育環境の整備の連携といったことが考えられる。
 3枚目は、重点テーマに関して事実や現状の確認、関連する調査研究などにより問題点を整理するということで、具体的には、関係省庁からの報告、企業・自治体からのヒアリング、研究者等からのヒアリングを今後行いたいと考えている。
 4枚目は、分科会の今後のスケジュールである。本日の第1回を皮切りに、3月から4月にかけて、さらに3回程度開催したいと考えている。そのうち、1回目は働き方の改革に関するテーマについて、2回目は地域・家族の再生に関するテーマについてといったことで議論していただいた上で、その2回の報告、ヒアリングあるいは意見交換の結果、内閣府ホームページの意見といったものを踏まえ議論していただき、5月中に議論の整理といったところまで行ければとイメージをしている。6月以降については、少子化対策の評価手法といったことについても議論していただければと考えている。
 最後に、資料2‐3であるが、内閣府ホームページ意見募集における主な意見である。昨年11月から毎月テーマを設定し、広く意見を募集しているが、寄せられた意見については高市大臣に報告し、改善が必要と思われる点については関係省庁にも伝え、検討をお願いしている。
 例えば、出産育児一時金など、出産時の経済的負担について、昨年10月からの一時金の引上げに伴い、分娩費を値上げした病院があり、負担軽減になっていないという意見があった。それに対する考え方としては、自由診療のため個々の医療機関の判断で設定するものだが、関係団体は実態にそぐわない低廉な価格で努力してきたという事情があり、保険財政の状況を踏まえつつ、できるだけ実態に即した給付水準となるように検討するということで、既に大臣からの返事という形で内閣府のホームページに掲載している。
 また、支払い手続きの改善では、これまで医療機関の利用者が窓口で一旦負担をし、後から保険者からその分をもらうという形になっていたが、そこを保険者から直接医療機関に支払うという改善を早く進めてもらいたいという意見があった。それに対する考え方としては、約3,700の保険者において、昨年10月から実施をお願いしているものであり、一定期間を経た時点で実施状況を把握し、様々な機会をとらえて関係者への周知等を図っていくということで、返事をさせていただいている。
 不妊治療について寄せられた意見としては、どこでも高度な不妊治療が受けられるよう、地域の医療体制を充実してほしい、病院によって、治療方法や治療費に差があることを改善してほしいという意見があった。これに対する考え方としては、助成対象については、一定の質を確保するため、指定医療機関に限定をしているということと、現在、厚生労働省の検討会において、全国的な事業の実績や成果を把握し、事業の検証を行い、今後の事業のあり方に反映させるための検討を行っているということで返事をさせていただいている。
 また、他県の指定病院で治療を受けた場合も助成を受けられるようにしてほしいという意見が寄せられたが、これは現行制度においても助成が受けられるということであり、ただ、十分その周知がなされていない部分もあるため、厚生労働省に周知徹底を求めるということで返事をさせていただいている。
 2枚目は、保育所の利用と企業における子育て支援制度について寄せられた意見である。現在、所管省庁と調整中であるが、保育所の利用については、育休中だが、保育園の年度途中の入所は難しいため、育休を途中で切り上げるか、職場復帰をあきらめざるを得ないという意見、延長保育を利用する場合、終了時間が早いため、迎えに行けないという意見、病児保育を利用する場合、保育の開始時間が遅いため、会社の始業時間に間に合わないという意見、保育所への入所が困難な場合に、他の選択肢を提示してくれるような相談窓口を設けてほしいという意見が寄せられている。
 企業における子育て支援制度については、制度はあるけれども実際には使われていないことが多く、職場の意識改革が必要という意見、長時間労働の抑制や父親の育休の促進について職場の意識改革が必要というご意見、育休取得後になかなか職場復帰できず、会社から退職を求められているという意見、会社の制度として育児休業、時短制度なども使えるが、キャリアや収入に響くため、実際にはなかなか利用できないという意見、就学前の子どもがいても、正社員の場合、職場からきちんと働いてほしいというプレッシャーがあるという意見が寄せられている。

○佐藤主査
 これまでも「少子化社会対策大綱」や「子ども・子育て応援プラン」をはじめ、さまざまな少子化対策を実施してきており、効果を発揮したもの、うまくいかなかったものなど、いろいろある。それをきちんと評価して、施策としてはよかったけれども連携がうまくいかなかったらやれなかったなど、そういうことを検討し、これからの施策に生かすということがメインの役割と考えている。
 一方、スケジュールとして、5月頃までに議論の整理を行う必要があるが、これまでの施策をすべて検討するのは時間的な制約があるため、ある程度重点的に検討の領域を決めておく必要がある。1つには、「出生等に対する希望を反映した人口試算」を踏まえて、当面取り組むべき施策分野として資料2‐2に挙げられていることなど、いくつか大きな領域を決めて、その分野についてこれまでの施策を評価し、新しい施策あるいは今までやってきたものを更に強化するにはどうしたらいいかということを整理することが本分科会の位置づけと考えている。

○大日向委員
 本分科会ではこれまでの点検・評価を行い、他の3つの分科会では主に今後の施策を検討するといった関連性を考慮すると、タイムラグがもう少しあった方がよいのではないか。

○佐藤主査
 時間にゆとりがあれば、点検・評価分科会の議論を踏まえ、他の分科会を進めることが理想的なパターンと考えられるが、実際には時間制約があるため、他の分科会での検討においても、ある程度これまでの施策を見ながら議論を行い、本分科会においても、今後の施策に向けて検討する他の3つの分科会の分野の議論もみながら進める必要が出てくるのではないかと考えている。

○山田内閣府少子・高齢化対策第1担当企画官
 ケースによっては他の分科会への報告といったことも考えられる。また、点検・評価がメインではあるが、今後の解決策に向けて議論していただきたいと考えている。

○藤本委員
 点検・評価の対象範囲は、参考資料8の「子ども・子育て応援プラン」の進捗状況に掲げられた各施策になるのか。

○佐藤主査
 すべてを議論するには時間的な制約がある。資料2‐2にあるように、出生等に対する国民の希望を阻害している要因や重点テーマの設定イメージもみながら、ここが大事であると我々が考えた領域のこれまでの施策を見るということであり、これまでの施策について何を取り上げるかについてもご議論をいただきたい。事務局からは、「例」「等」とあるようにすべて提案であることから、これが大事だから挙げるべきという意見についても挙げてほしい。

○渥美委員
 これまで十数年にわたって少子化対策に関する会議が立ち上がっては消えるという状況が続いていたが、今回の4つの分科会の中でも一番画期的なのは、この点検・評価分科会だと思う。そもそも政策評価というものは、日本では試み自体が始まったばかりで、欧米の研究動向と比べるとまだ確立されていないというのが研究者としての実感である。
 政策評価で、よく使われる言葉が3つある。少子化対策やそれぞれの事業にどの程度の予算を投入するのかという「インプット」、これは配布資料の中では予算措置として掲載されている。それぞれの事業をどの程度達成したかという「アウトプット」、同じく「進捗状況」として掲載されている。日本ではこれまで主にこの2つについてのみ、政策実績が評価されてきた。しかしこれだけで測定できるのはごくわずかであり、重要なのは全体としての少子化対策、また個々の事業が国民生活や社会経済に及ぼした影響、いわゆる「アウトカム」である。このアウトカムは、事務局が提案している資料の「等」の中に入っているとは思うが、もう少し明確に出した方がよい。
 最近、仕事と家庭の両立支援と働き方の見直しの部分で興味深いデータ結果が出たので紹介したい。
 参考資料8の「子ども・子育て応援プラン」の進捗状況で、仕事と家庭生活の両立について、行動計画の策定が義務付けられている企業では100%近く策定しており、また、ファミリー・フレンドリー企業も、今は270企業だが、いずれ700企業を目指すという数字が挙がっている。アウトプットとして数字が出ているのは分かるが、施策の効果を測定することはできない。富士通総研で、これまでも国内外の300社にヒアリング調査し、中小企業を含めると2,000社のデータベースをつくっているが、その中で幾つかの企業に協力していただき、企業ごとに女性従業員の「合計特殊子ども率」という指標を算出してみた。その企業に女性がずっと就労した場合に何人子どもを授かるか、子どもの数を確率として計算する合計特殊出生率の企業版をつくってみたが、非常におもしろい結果が出た。
 両立支援の取組で「先進企業」として高名なところでも、大企業では合計特殊出生率は1.25を切っているところが大半で、逆に、あまり有名ではないが中小企業において実態として利用しやすい環境をつくっている企業で2前後のところがいくつかある。ちなみに、データの制約はかなりあったが、海外企業の協力により、今の方法で合計特殊出生率をみると、両立支援策先進企業はその国の平均の合計特殊出生率よりも高い数値が出た。
 一方で、従業員満足度の調査も行った。日本で両立支援策先進企業と言われている企業に勤めている従業員に協力していただき、企業の取組の評価をしていただいた。大企業の特徴としては、一部ではあるが、制度は整っているが利用しにくい上、両立支援策先進企業として有名になってしまったため、最近経営陣は安穏としていて、逆に制度を利用しづらいという声もある。すなわち、我が国では中小企業の中には建前と実態の乖離がないところも少なくないが、両立先進企業として有名な大企業といえども、まだまだ「産みやすい育てやすい」環境にはほど遠い実態がある。
 しかしながら、大企業の行動計画の策定率100%というと、こうした実態が見えなくなってしまう。行動計画策定率のように評価しやすい対象を限定すると、その時点で政策評価が過大評価されるというマイナス面があると懸念している。
 この分野の政策評価を進めるときに重要なのは、評価対象の選定、評価手法の確立、費用対効果の視点の3つだと思う。
 まず、1つ目は「評価対象の選定」だ。企業を対象に調査している限りはやはり建前というのはどうしてもつきまとう。一方で、従業員に聞くと、実態との乖離がある。昨年末にイギリスに行ってきて、民間主導で行われている従業員評価に基づく「企業ランキング制度」というのが非常に流行っていて、この制度がイギリスの政策評価を後押ししている。
 2つ目は「評価の手法」だ。何を軸として評価していくかということがないと、議論が錯綜してしまう。
 3つ目は、「費用対効果」について専門的な知見を取り入れ、できるだけ継続して点検していくということ。インプットの部分とアウトプットをうまく結びつける必要がある。費目相互の比較で、「多すぎる、少なすぎる」という議論をしても、余り意味がない。同一費目の国際比較など、個別に精緻かつ多様な比較軸で議論をしていかないと、議論は収れんしていかない。

○佐藤主査
 事務局の資料2‐2の3ページのように、5月、6月までの当面、政府のそれぞれの施策の進捗状況をとりあえず把握するということであり、渥美委員の意見のように、評価をその段階でやるというのはなかなか難しい。この分科会の課題としては、これまでの点検・評価のほか、政策をきちんとモニターしていくということは大事だと思うので、6月以降、そういう評価手法についても少しまとめて議論したい。

○渥美委員
 もし可能であれば、私が考えている色々な評価の軸を次回以降、ご紹介させていただきたい。

○佐藤主査
 例えば、両立支援策では、企業の行動計画、さらに一定の基準を満たす企業については認定という仕組みがあり、その基準には、女性や男性の育児休業取得率がある。他方、働く女性の約7割は産前産後休業をとる前に辞めてしまうといった状況があり、希望して勤めたい人は勤められるが、そのようなことは政策目標に入っていない。その点も議論できればと思う。

○案田委員
 重点テーマの施策分野ということでは、資料2‐2の2ページの例のような3分野という気はするが、最終的には、持ちたい子どもの数にその実態を近づけるということと、持ちたい子どもの数そのものもその中では上がってくるという期待がある。そのための政策の実現と効果を測定する中で、事実をきちんと見ていくことは重要であるが、数値化できるものだけで見るのは疑問である。もう少し数値化できないものの中で、社会的な様々な不安定要因などが次の世代に託していこうということをかなり阻害している面があるのではないか、そういったものをどのように数値化するか、あるいはアンケート結果などを数値化して見ていくかということは重要な要素である。
 それから、施策の連携は非常に重要な要素で、ある部門だけが先行していっても、全体のバランスがとれていなければならない。バランスがとれているかどうかはかなり地域性がある。家族のあり方ということで家族政策的に進める面と、働き方では一部個人というものにもっと焦点を絞っていくという政策もあったりする。それぞれが地域性がある中で、どういうバランスのとり方がされているかということを見るには、全国的な平均的な物の見方だけでなく、地域性とあわせてどのように見ていくかということが効果的である。

○佐藤主査
 施策の連携のほか、一貫性ということがある。例えば、現行の育児休業中の所得保障の一つとして社会保険料免除があるが、産前産後休業中の社会保険料の免除はない。普通に考えると一貫性がないということであり、そのような点も重要である。施策の連携といった場合、政府の様々な省庁の連携が、地方自治体や企業の側としてはうまく施策を活用できないなどということもある。施策を活用する側、地方自治体や企業が、あるいは個人も含め、それをうまく効果的に組み合わせられないなど、そういうことも検討できればと考えている。

○大日向委員
 先程厚生労働省から「出生等に対する希望を反映した人口試算」の説明を聞き、打つべき少子化対策は本当に明確になったと思った。つまり、女性、男性ともに、決して結婚や子育てに否定的ではない、むしろ望んでいる、でも、それができないのは就労継続がかなわないという現実がある。一言でいうと、ワーク・ライフ・バランスをいかに着実に実行していくかということを重点的に推進していくべきである。これは、昨年の少子化社会対策推進会議のときの意見ともつながってくる。
 参考資料8の中で、ワーク・ライフ・バランスに関しては軒並み良い進捗になっている。一番進んでいないと思ってみてみると、着実に実施していると書いてあり、本当にそうだろうかと思うところもある。このあたりは、案田委員の意見のように、設置箇所や数値だけでなく、ヒアリングや地域性など、きめ細かな評価の手法というのも今後は検討できたらと思う。

○大矢委員
 そもそも「子どもと家族を応援する日本」重点戦略の最終目標というものをもう少し明確にすることが、点検・評価分科会の中でどういう指標をつくるかということにとっても非常に重要になると考えている。
 例えば、基本的な考え方として、すべての子ども、すべての家族を大切にして、結婚したいけれどもできないという若い人たちの指標はどのようになるのか、子どもを生みたいけれども躊躇する人たちをどのように促進するのか、安心して子育てできる子育てに優しい社会ということはどういうことなのか、それをもとに指標化していくべきである。出生率だけでは非常に出てくるまでにも時間がかかる。結婚したくなったという気持ちということでの定性的な情報を収集することや、子どもを持ちたくなったという気持ちというものに着目しながら、総括していくということが重要である。先程の案田委員の意見と同じであるが、国勢調査だけなく、もっと詳しく層別にどのようになっているのかなど、細かく見ていかないといけない。

○佐藤主査
 今の意見は重要な点である。参考4にあるような重点戦略の最終目標に掲げられていることを念頭に置きながら、点検・評価をやるということが大事である。

○奥山委員
 大矢委員の意見のとおり、重点戦略の目標と、実際私たちが評価しなければいけない参考8の乖離というところが一番の課題である。内閣府のホームページに寄せられた意見を見ても、やはり意見を言える人というのは、保育園を利用している方など意見を出しやすい人達である。結婚して地域で子育てしていると、社会から一歩引いた立場になり、こういうことに意見を言うことすらできないというような立場に置かれてしまう。子育て世代は若い世代であり、若い人たちにわかる言葉で伝えないと意味がない。私にも小学生の子どもが3人いるが、今の子育て世代の人たちがインターネットなどで意見交換をしたり、ブログなどで書いているのを見ると、もう当事者から離れているかもしれないと思うことがある。どうしてもこういった支援策は、偉い方や年配の方から発信することになってしまうので、子育て当事者を支援するNPOとしては、今現在の親たちのニーズというものをどれだけ把握して、このような評価に結びつけるかということがとても大事であると思う。
 それから、地域子育て支援の分野については、「子ども・子育て応援プラン」の中では、もともと非常に少ない。資料2‐2の2ページの重点テーマの設定イメージのところで、育児不安の解消というところに地域における子育て支援拠点の拡充というのがあるが、実は就業と保育の土台に地域子育て支援というのがあって、親が働いていようが働いていまいが必要なインフラである。
 このようなことから、私たちの運営する乳幼児を支援する広場では、地域のあらゆる子育て支援の情報を伝え、保育所のことも伝え、幼稚園のことも伝え、子どもたちを育てるところについての不安や、地域にある支援メニュー、民間が提供するものも含め、あらゆることを親たちに伝えている。決して育児不安だけの解消ではない。5年やっていれば、地域の子育ての様々な情報は伝えられるぐらいの人材になっている。そういう人たちは、目に見えないが地域において非常に重要な役割を果たしている。
今、子育て中の親たちが必要なのは、国の情報でも、県の情報でもない。自分の生活している半径何キロ以内の子育て支援の情報、少なくとも自分たちが住んでいる地方自治体の情報である。やはり一人一人の子育てについてサポートをする地域の人材をきちんと育て、きちんとお金もつけていく。全国の子育て支援のNPOで結構ネットワークもあって、福岡に引っ越しすると言われたら、福岡にはこんな人がいて、こんな施設があって、そこに訪ねていってというふうに、人と人とのつながりの中でお母さんたちを紹介している。
 そのように、顔の見える関係のネットワークを構築していかなくてはいけないと思っており、是非そのような部分を何か盛り込めたら良いと思う。

○佐藤主査
 奥山委員の意見は、ここでの政策評価の政策の担い手がパブリックセクターに限らず、NPO等がそういう活動をしやすいような環境整備をあわせて議論してはどうかということか。

○奥山委員
 そのとおりである。

○藤本委員
 私として関係が深いのは、医療や福祉や保健の部門になるので、参考8の86番から93番ぐらいまでである。例えば、障害児への支援の推進をはじめ予防接種の推進までを見た場合、計画どおりに進捗していないものとして黄色のマークがついているのは小児救急医療体制の推進や小児科医師の確保・育成だけとなているが、それ以外が本当に計画どおり進行しているのかと思う。
 目標値の設定など目標自体が正しかったのか、きちんと正しく評価できるような基準があったのか、といったことをこの分科会で議論するのかと思っている。

○佐藤主査
 事務局の資料で計画どおりとしていても、そうではないのではないかということはもちろん議論するし、評価の仕方も議論できると理解している。

○藤本委員
 障害者自立支援法の施行以降、障害者やその家族にとって、様々な支援システムが以前よりもよくなっているとは誰も思っていない。これは計画どおりに進行したとはとても評価できない。

○佐藤主査
 今後、いろいろと資料や報告を出していただき、評価の仕方や目標の立て方についても議論したい。先程も話したように、育児休業取得率も大事であるが、例えば、社員の継続就業率として途中で辞めないで続ける人がどれぐらいかということをモニターすることも大事である。

○前田委員
 今も行政側として悩んでいることは、表面的に出てきている一つ一つのニーズに応えているだけでは問題解決にはならないということである。例えば、小児救急医療の整備について、横浜市で24時間365日の小児救急を作った。医師も宿直回数が減るなどで、医師の人数がいるところにさらに集まる。11人の小児科医を集めて拠点を全市的にやっているが、そうすると何が起こるかというと、実際に救急の子も来るが、お母さんたちは夜間診療所として使ってしまう。そうすると、大切な医療資源である医師たちの結局取り合いになって、軽症の子を見て医師が疲れると、本当に命の危険な重病な子が後回しになってしまう。
 医師が命の危機がある子を優先すると、その医者は対応が悪かったと後回しにされた軽症の親から個人名で批判され、消耗してしまう。小児救急を充実することは、一方で大切な医療資源を本当に重病な命の危険がある子を優先的に治療するという救急医療を使うときのマナーなどがワンセットでないといけないが、なかなかそこまではできていない。
 今はNICUも満杯であるが、医療にできることはやはり限界がある。不妊治療をいろいろ充実するのは良いことであるが、基本はやはり出産適齢期に産むのが一番よいのではないかと考える。しかし、医療で解決できると思うと、高年齢で無理な不妊治療をすることになり、早産や多胎児など難しい出産が多くなり、周産期医療センターにお産が集中してくる。治療助成費制度などで不妊治療を奨励しているが、それだけでなく健康に妊娠する体をどうつくるかなど、そういうこともワンセットにすることが必要である。
 また、ファミリー・サポート・センターでは、病気の子でもいつでもすぐに預かってほしいと母親達は言う。ファミリー・サポート・センターでは、基本的には地域の人が自分の余力で子育てに困った人を助けるという善意の相互関係のシステムであり、お金で売り買いするサービスではない。基本は、地域の人たちが子育てを支える人間関係をつくっていくということであるのに、そこに安くて便利なベビーシッターサービス目当ての人たちが入ってしまうと、その善意のシステムが崩壊してしまう。親からは便利で長時間見てくれるシステムにしてほしいといわれるが、見る人にとっては大事な子どもを預かるわけだから、信頼関係のない人の子は預かれないし、子どもが病気になったら責任もあるので、事前に顔合わせをして人間関係をつくってから預ける関係になりたいと考えている。
 このようなことから、今の施策については、総合的にパックとして、担い手も受け手も満足できるシステムをどうするかといった議論が必要である。

○佐藤主査
 これからの進め方をもう一度確認したいと思うが、資料2‐2の2ページの重点テーマの設定イメージや参考8の子ども・子育て応援プランの進捗状況などから、もう少し大事な領域も検討しながら、どういう取組状況かというようなものを出していただくということか。また、それを踏まえ、資料2‐2の3ページにあるように、重点テーマについて問題点の整理をするということでよいか。また、4ページのスケジュールについて、関係省庁からの報告、企業や地方公共団体からのヒアリングをするということであるが、2ページと3ページのところを事務局からもう一度説明してほしい。

○山田内閣府少子・高齢化対策第1担当企画官
 資料2‐2の2ページと3ページについて、2ページでは、先ほど説明したように、「子ども・子育て応援プラン」の進捗状況や、内閣府のホームページに寄せられた意見、あるいは先程の希望反映型の人口試算での議論、結婚、出産に重要な影響を与えていると示唆される要素といった3点をもとに、重点的に点検・評価をしていただくのにふさわしいと思われる分野とそれに応じた項目というものを、事務局としてイメージとして、問題はないかということで、示している。3つの大きな施策分野に対応して、それぞれ大枠というか、継続就業環境整備で言えば、育児休業や短時間勤務等といったことが非常に大きな要素である。あるいは、企業の子育て支援の取組の促進、これが非常に重要な位置を占めるものではないか。だから、内閣府のホームページにおいても、この2つの項目については、特に、制度があるけれどもなかなか利用しづらいといったような意見も生の声として出てきているということがある。
 また、保育環境の整備、これは待機児童ゼロ作戦ということで進めているが、これは子ども・子育て応援プランの進捗状況という意味では、計画どおりの進行となっている項目であるが、待機児童は減ってきてはいるけども実際にまだ2万人近い待機児童がいるので、あえてこの項目は大きな項目としてここに出しているということがある。
 また、多様な保育ニーズへの対応に関しては、進捗状況においても努力が必要といったような表現になっており、内閣府ホームページにおいても、この多様な保育ニーズに関してはいろいろとご意見があると。延長保育が終わる時間が早い、病後児保育については開始時間が遅くて始業時間に間に合わない、といったような生の意見も出てきているということで、ここに出している。
 それから、育児不安の解消、これは厚生労働省の議論の整理の中でも、第2子ということに関して言うと、育児不安ということが非常に大きな要素というか、障壁となっているというようなことがあるので、それに対応する大きな項目として、地域における子育て支援拠点のことと、それから医療面ということも非常に大きな育児不安につながる面があるというようなことで、このイメージとして出している。
 施策間の連携についても視点として大事ではないかということで、2ページ目に入れており、3ページ目には、それぞれのテーマについて選定をしていただ後に、関係省庁から報告してもらうとともに、企業や地方自治体からの現場の声といったものをヒアリングする。それから、研究者の方からもヒアリングをさせていただければと思っている。

○佐藤主査
 資料2‐2の2ページ目の重点テーマの設定イメージについて、先程奥山委員から追加してほしいという意見があった。また、3ページ目について、関係省庁から、例えば育児休業、短時間勤務の充実・普及ということであれば、それについてどういう目標があり、どのような状況なのかを詳しく出してもらうというようなことを当面進める。

○渥美委員
 委員のみなさんから、「地域性」や「子育て世代のニーズ」という言葉が幾つか出たと思うが、私も子育て世代の一人なので、そうしたことへの関心が強い。地方自治体の方々にも話を聞き、「こういうところで子どもを育てたいかどうか」といった視点で見ている。「育児休業取得率」ばかりが喧伝される傾向にあるが、それだけを取り上げることに私は懐疑的だ。育児休業取得率80%よりも100%の企業の方が育てやすいとは全然思っていない。というのも、地方の中小企業では、そもそも企業が非常に柔軟な対応をしてくれるので、育休をとる必要がないというところもある。また、地縁・血縁によるサポート体制があるから育休を取る必要がないという地域もある。その結果、育児休業取得率は低いならば問題はないと思う。
 先ほど佐藤主査から、そもそも育児休業取得率以前に就業継続率が低いという話があったが、企業レベルでは就業継続率について数字を出すのは困難だ。というのも離職理由は、自己都合、会社都合にとどまり、そもそも妊娠・出産・育児などの理由を把握をしていない。中小企業だったらあの人そうかなという見当はつくが、大企業だと把握できない。そのような点を幾つか重点テーマとして設定することは全く異論はないが、どのような軸で評価するかという点についても意見を出し合いたいと思う。

○佐藤主査
 これまでの政策評価と同時に、これから政策を遂行していくときに、どういう形で評価したらいいかということも当然議論する。例えば、今までは、1つは、両立支援で育児休業取得率、100%が目標ではないが、とれる人はとれるようにというのがあるが、先ほど言ったように、育児休業を取得する前に辞めているわけで、その点をもう少しデータによりモニターするというようなことを、この場できちんと行うことが大事だと思う。

○案田委員
 働き方について、基本的に、長時間労働や短時間の不安定雇用をどのように是正するかということがあった上で、育児休業、短時間勤務という話になると思うので、そういった指標を入れるべきである。

○藤本委員
 今ほとんど母子保健事業等は市町村単位で行われている。その目標、ねらいは、手の届くところで利用しやすくということがあったと思うが、逆に、市町村単位になっているために非常に利用しにくいということがある。次世代育成支援対策法に基づく行動計画についても、市町村単位でもつくっているわけであるが、その施策に非常に温度差がある。住民は、隣の市町村であればもっといいサービスだろうと思って利用したいと思ったらできないような状況が生じている。だから、もう少し県単位であるとか、行政区分を乗り越えても利用できるようなシステムを提唱し、そういうところで評価していかなければ非常に難しくなるかと思う。
 特に、日本では分娩のために里帰りするが、産科医が不足している中で、そういうことが非常に難しくなっている。産科医は急には増えないのだからシステムそのものを少し工夫しなくてはいけない。

○佐藤委員
 確かに、政策の過渡期の問題として、過渡期には応急的にやらなければいけないことと中期的にやらなければいけないことがあり、その点もきちんと議論したい。

○大矢委員
 おそらく施策の進捗状況を数値で報告すると思うが、やはり数値化できない気持ちのところの調査をその対象者に対して聞いた上で、気持ちとしてどのように変化したのかというところをトレースしてほしい。

○佐藤主査
 子育てに優しい社会づくりということであるが、内閣府が行った国際意識調査で自分の国が子どもを生み育てやすい国かどうかを聞いた結果では、日本では「そうは思わない」が多かったと思う。中長期的には、子育てをしやすい、子育てに優しい社会になっていくのかということも当然モニターしていくということが重要である。

○藤本委員
 各施策の連携ということが重要である。これから結婚し、妊娠し、出産する女性は、昔に比べると年齢が上がってきている。また、不妊治療ではすぐに妊娠は難しいので、さらに年齢が上がる。そうすると、非常にリスクの高い妊娠と出産になる。そういう中で、今後、公費負担で妊娠中の健診を5回以上行うという措置がされているが、実際に、そうした措置を実行できない市町村もある。1つのところでうまくいっているかいないかではなく、評価、目標設定、それから施策そのものも、類似したものはもう少しまとめられないかと思う。

○佐藤主査
 今のいろいろな施策を、例えばこのようにまとめたら、あるいは同じようなものはもう少し重点的に、ということも少しご議論いただきたい。そういう意味では、地方自治体側からのヒアリングも必要であるし、関係省庁からの意見も必要である。例えば、文部科学省にこのような施策を実施してもらえれば、こちらの省はこの施策を実施しやすいなどの意見があると思う。地方自治体サイドからもそのような意見があればよいと思う。

○渥美委員
 意識の変化の把握について、これから6月までにアンケート調査を実施するのはスケジュール的には難しいと思う。ただし、地方自治体がの行動計画を策定するにあたって、住民のニーズ調査をしているところは多く、それを策定時だけでなく、継続して調査している先進的な自治体もある。そういったデータを厚生労働省が集約して、資料として提出していただけないか。それを見れば意識の変化がわかると思う。

○度山厚生労働省少子化対策企画室長
 「子ども・子育て応援プラン」の策定に関わったが、先ほどからお話の出ている、数値ではないというところについては、アウトカム意識をしてつくった。つまり、21年度までの施策目標は目標として、それとは別途目指すべき社会の姿というところでは、アウトカム的なことを随分意識をしてつくった。
 実績が1年分しか出ていないことから、まだ実態に変化を与え、気持ちに変化を与えるところまでは行ってないとは思うが、これは継続的にウォッチをしていくことが必要である。例えば、バリアフリーのところなどは、安心して外出できると思う人が増えるということを書いているが、そのようなことは主観的な評価を聞かないと把握ができないので、それを継続的にウォッチしていく調査を考えている。幾つかの自治体を全国の標準になるようにピックアップして調査をかけることを考えている。4月、5月の段階で報告することは難しいかと思うが、分科会全体の議論には役立つような形で提供できると考えている。

○藤本委員
 次世代育成支援対策法に基づく行動計画について、もう各市町村から100%出たのか。

○度山厚生労働省少子化対策企画室長
 次世代育成支援法に基づく行動計画については、昨年10月の時点で全市町村で策定済である。

○奥山委員
 行動計画の策定後、評価するための協議会が各自治体でできているが、実態調査をやっていただいた方がよいと思う。横浜市で私も委員として参加しているが、年2回開催し、6月頃に今年の目標が示され、3月頃に報告ということで終わっており、今後どうするかという意見交換の場になっていない。もう少し実態のある形で評価に結びつく協議会にしていかなければならない。この分科会でそういった資料がつくれると、各自治体に示すことができるのではないか。
 利用者アンケートをすると、一時預かりを利用している母親は99%「非常に助かる」という答えになる。しかし、実際にはそれを使えない人の方が多い。そういう人たちの評価はどこに行ってしまうのかということがあり、また、そもそも制度自体を一般の国民が知っているかどうかも疑問なので、評価をするというのは非常に難しいと感じている。

○渥美委員
 子育て世代の「産みやすさ、育てやすさ」というのは、自治体間における子育て世代の移動でわかる面がある。少子化対策について、バラエティーに富み、面白いことをやっている自治体があると、その自治体に移動する子育て世代は少なくない。もちろん所得が高い人ほど、移動しやすい傾向にある、あるいは転勤や入園を決めるときに移動するといったデータの制約もあるが、「産みやすく、育てやすい自治体」を見極めるための一つの指標となるのではないか。もし、厚生労働省で調査をする予定がなければ、自分でデータを分析して、資料を提出したいと思う。

○佐藤主査
 本日は、点検・評価分科会においてどのような範囲で議論をするかについて理解していただいたと思う。進め方として、当面5月頃までに議論を整理するということ、さらに本日の意見も踏まえ、6月以降、評価の仕方についても議論したい。

5.閉会