「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議 第3回 点検・評価分科会 議事要旨

1.日時

 平成19年4月10日(火)18:00~20:00

2.場所

中央合同庁舎第4号館 4階 共用第4特別会議室

3.出席者


(有識者)
佐藤 博樹  東京大学社会科学研究所教授(分科会主査)
渥美 由喜  株式会社富士通総研主任研究員
案田 陽治  日本サービス・流通労働組合連合副会長
大日向 雅美  恵泉女学園大学・大学院教授
大矢 和子  株式会社資生堂常勤顧問
奥山 千鶴子  特定非営利活動法人びーのびーの理事長
藤本 保  大分こども病院長
前田 正子  (財)横浜市国際交流協会理事長

(説明者)
宮本 正彦  横浜市こども青少年局調整課長
大石田 久宗  三鷹市健康福祉部調整担当部長

4.議事概要


○佐藤主査
 本日は、重点テーマのうち、地域・家族の再生について、関係省庁、地方自治体、奥山委員、藤本委員から、現状や問題点を含めて説明を伺う。地方自治体からは、横浜市こども青少年局企画調整課の宮本課長、三鷹市健康福祉部調整担当の大石田部長に出席いただいている。最初に事務局から資料について説明願いたい。

○山田少子高齢化対策第1担当企画官
参考1 当面の重点テーマについて(PDF形式:17KB)PDFを別ウィンドウで開きます
参考2 内閣府HP「少子化に関する意見募集」にお寄せいただいたご意見への対応~大臣からの返事
(「保育所の利用について」、「放課後子どもプランについて」)
参考3 内閣府HPにおける意見募集に寄せられた意見の結果について
(「地域における子育て支援拠点について」)
 参考1は、当面の重点テーマである。本日は、保育環境の整備と育児不安の解消という項目についてご議論いただきたい。
 参考2は、内閣府のホームページの少子化に関する意見募集について、高市大臣からの返事としてまとめている資料である。12月募集分の「保育所の利用について」では、「育児休業中だが、保育園の年度途中の入所は難しいため、育児育休を途中で切り上げるか、職場復帰をあきらめざるを得ない」という意見に対し、保育所の定員の弾力化や年間を通じて待機児童ゼロとなるような取組、待機児童が50人以上の市町村では保育計画の策定といった積極的な取組をしているということ、次に、「延長保育を利用しても、保育の終了時間が早いため、迎えに行けない」という意見に対し、閉所時間が19時を超える保育所が徐々に増えており、国もこうした取組を引き続き支援しているということ、次に、「病児保育を利用する場合、保育の開始時間が遅いため、会社の始業時間に間に合わない」という意見に対し、延長保育の取組により年々開所時間が早められていることと、19年度から通い慣れた保育所の医務室等において事業を実施できるようにしたことなど、少しずつ解消が図られているということ、次に、「保育所への入所が困難な場合に、他の選択肢を提示してくれるような相談窓口を設けてほしい」という意見に対し、現在、様々な情報を市町村の窓口で提供しており、地域子育て支援センターにおいても様々な情報提供に努めていることで返事をしている。
 次に、2月募集分の「放課後子どもプランについて」では、「保育園では7時ごろまで預かるところが増えてきているが、小学校に上がった瞬間に放課後児童クラブで5時までの対応といったことも多いので、預かり時間を延長してほしい」という意見に対し、18時を超えて、かつ1日6時間以上開所しているクラブへの運営費の加算、また、徐々にではあるが、18時を越えて開所するクラブの割合が増えてきているということ、次に、「サービスの一定の質を確保するという意味で、国でガイドライン等を整備してほしい」という意見に対し、19年度中に国のガイドライン等を示すべく準備を進めているということ、次に「放課後児童指導員の質や人材の確保を図ってほしい」という意見に対し、19年度に整備する箇所数に応じた人材の確保に努めるといったことと、研修などを通じて質を向上させていくといった取組をしていくということ、次に、「放課後児童クラブの大規模化が問題」という意見に対し、分割などによる適正な人数規模への転換を図っていくということ、次に、「放課後児童クラブの対象年齢を6年生までにしてほしい」という意見に対し、現行でも制度上は6年生までの利用が可能であるが、地域によって小学校3年生までとしているところも見受けられるので、担当者を集めた会議などを通じ4年生以上の受入れについて配慮するよう周知を図っていくということで返事をしている。
 参考3は、先日公表した3月分の意見の結果である。1つ目のテーマは、本日の分科会の議題にも関連する「地域における子育て支援拠点について」であり、意見として、例えば、「地域子育て支援拠点に関する情報を国民に対してわかりやすく情報提供してほしい」という意見、「子育て支援等の活動について、子どもの年齢制限をなくしたり、初めての人でも参加しやすくするなど、誰でも気軽に集え、相談したり、情報提供を受けることができる場が必要である」といった意見、「働いている人も利用しやすい施設にしてほしい」という意見などがある。
 なお、参考までに、2つ目のテーマの「働き方の見直しについて」では、運用面に関する意見として、「育児休業等の制度はあるが、利用しづらいという職場の雰囲気を変える必要がある」という意見、「制度利用によるキャリアや収入面への影響を懸念する」という意見、「保育所、学校、学童保育等の利用時間に配慮して、労働時間を是正するべき」という意見などがある。


 資料1について、重点テーマの5つの項目に沿って説明させていただく。
 まず、「保育所の受入れ児童数の拡大」について、3、4歳を超えると、ほとんどの子どもが保育所あるいは幼稚園を利用しているが、3歳手前では、2割程度が保育所を利用し、残り8割は在宅で子育てしている。このような状況の中、様々な措置によって待機児童解消の対策を講じており、平成14年度から待機児童ゼロ作戦を進め、3年間で幼稚園の預かり保育も含め15万人を超える受入れ枠の拡大を進めてきた。しかし、2万5,000人いた待機児童は徐々に減ってきたが、今なお約2万人の待機児童が全国に存在している。その構造として、年齢的に7割が3歳未満の低年齢児であること、待機児童が50人以上いるところを特定市区町村といっているが、地域の固定化の問題がある。つまり、特定の市区町村の問題であり、低年齢児の問題である。
 児童福祉法を改正した平成17年からは、待機児童が50人以上いるところには保育計画をつくり、待機児童の解消に向けて取り組んでおり、各市町村では定員増に向けて努力している。ただし、その努力に応じて待機児童が解消するかというとそうではなく、保育所をつくってもなお待機児童が増えているところもある。もともと保育所入所が低かったところに保育所をつくっているので、潜在的な需要が掘り起こされている面があり、ある程度のレベルに上がらないと待機児童の問題は解消しない。
 次は、市町村からどのように分析しているかという聞き取りの結果であるが、1つには、保育所を増やしたいが特に都市部の問題として用地確保が困難なこと。また、市町村の中でも空いている保育園が一方ではあり、人口集中の地域では足りないといった同一市区町村での偏在がある。また、整備によって潜在需要が喚起されるということがある。また、財政的な制約の問題でもあるが、市区町村の中で整備を進めようとしたとき、将来、子どもは減るという見通しでは、つくっても何年か経つと無駄になってしまうという心配もある。このような事情の中、どのように待機児童の解消を図っていくかが1つテーマになる。
 経済財政諮問会議でも、有配偶の女性の労働力率をある程度上げていかなければいけないという目標も示されているので、市町村で保育需要をどのように見積もるかというとき、これから就労継続する女性が増えていくということもある程度念頭に置いて整備していくことも必要になる。さらに、3歳児以上では、認定こども園という仕組みで幼稚園の施設も活用できるような形で保育を受けとめていく手法もできたので、これも含め、それぞれの保育の需要に戦略的に対応していくことが必要になってくる。
 次に「多様な保育ニーズへの対応」について、いわゆる保育時間の延長、休日・夜間の対応、病児の対応である。16年に策定した「子ども・子育て応援プラン」や市区町村の次世代育成支援行動計画において、各事業の目標達成に向かって、事業量は増えつつあるが、目標達成が困難な1つの代表が病児保育である。これは事業自体が難しいことに加え、利用に波があるという問題も指摘されている。その解決策の1つとしては、医療機関に付設した専用スペース、保育所に付設した専用スペースの対応に加え、保育園の医務室等を活用して保育所に配置されている看護師、地域の看護師を活用して保育中に入所児童が体調不良になった場合に対応できる、いわゆる保育園が病児の対応をある程度できるような形の病児保育事業というものをタイプとしてつくっている。
 次に、「子どもの放課後対策」について、主に放課後児童クラブの事業の目標をつくって箇所を増やしている。現在、全国の小学校区でみると約3分の2で事業が実施されている。ただし、すべての小学校区に行き渡らないということや、さらに需要が多くなってきており、基本的には小学校3年生までであるが、4年生、5年生になってもお願いしたいというニーズも出ているのが現状で、こうしたことにどう対応していくかが課題である。
 一方、国の事業の枠だけでは対応できないということがある。例えば、学校の設備をもっと活用していかなければいけないし、地域の様々な人を交えて事業を実施していく。このようなこととあわせ、文部科学省の一般児童対策の放課後子ども教室をもっと増やしていくという流れになると、両方の事業をバラバラに行うよりは、連携あるいは一体化して取り組むことが重要ではないかということで、昨年度から調整を重ねてきた。平成19年度予算では「放課後子どもプラン」という形で、それぞれの事業で予算化しており、基本的に全小学校区で展開をすることとしている。
 次に、「地域における子育て支援拠点の拡充」では、つどいの広場事業、地域子育て支援センター、預かり保育ということでは一時保育、ショートステイ、トワイライトステイ、訪問支援ということで育児支援家庭訪問事業、相互援助ということでファミリー・サポート・センターといった施策があり、「子ども・子育て応援プラン」や市町村の次世代育成支援行動計画の目標に盛り込んで事業の拡充を図っている。全般的に言えることは、例えば延長保育などに比べると、どうしても事業が後発であり、それほど普及の度合いが高くない。問題点として、一般的な子育てをしている家族の姿がなかなか見えないということがあり、昔であれば近隣の人づきあいの中でいろいろ解決できているような問題が、近隣の人づきあいが失われることによって解決できなくなってきているという問題がある。行政側では、そのようなところまで支援する必要があるのかというところで共通認識がなかなか得られないということがある。今、子育てしている家庭がどういった問題を抱えているのかということを、行政としてきちんと把握していないという面があり、19年度から、最初の足がかりとして「生後4か月までの全戸訪問」に取り組んではどうかということで予算計上している。生まれて間もない時期は、子どもが小さいのでなかなか地域に出歩くことができないということもあるし、肉体的・精神的に大変負担の多い時期でもある。この時期には、むしろ地域の側から家庭の方にアプローチして最初の接触の機会を持つ。こういった接触の機会を経て、さらに負担感を大変感じている方への支援が必要になれば、例えば育児支援家庭訪問などの事業につないでいくことが必要になる。特に孤立化傾向がある家庭については、地域における子育て支援拠点の整備のペースアップを図り、地域へ出てきてもらい、それらのサービスにつないでいく取組が必要と感じている。地域における子育て支援拠点の整備については、「子ども・子育て応援プラン」の目標で6,000か所というところ、児童館を含めた取組に広げるということでペースアップし、19年度中に達成すべく事業を新しくつくって市町村に示している。一時預かりについては、保育所で取り組んでいるが、例えば、かなり前から申し込みが必要であることなど、使い勝手が悪いといったことが指摘されており、もう少し利便性の高い場所で実施してほしいという要望もある。保育所以外の場所で保育を行う事業を、実施主体や職員配置の未解決の課題もあるので、まずはパイロット事業として創設してはどうかということで、約30市で実施し、翌年度以降、一般化の検討を進めるということで取り組んでいる。
 次に、「産科医療システム、小児医療システムの充実」について、現状と課題の概要をまとめている。産科では、産婦人科医師が少しずつ減っている問題、実際に分娩のできる施設数が減少し、特に地域による偏在が大きいといった問題がある。小児科では、医師は増えてきているが、病院勤務医で皆厳しい勤務環境におかれている問題がある。産科・小児科に共通することは女性医師の割合が増えているが、女性医師自身の出産や子育てにともない少し戦力ダウンするといった問題が指摘されている。
 こういった問題に対し、産科、小児科ともに、ある程度集約化して拠点病院づくりを進め、その拠点病院を核にして医療機関の相互ネットワークを構築することにより、例えば、休日の問題、救急の問題などに対応していくことが必要である。また、特に産科の問題では、医療事故という避けられない問題があり、いわゆる訴訟リスクということから産科を敬遠するといったこともあるので、それらの補償制度を検討していくということが課題である。一方、小児科では、救急、夜間、休日の診療において、育児不安などから軽症でも受診をするという問題が出てきており、ネットワークを組んで対応する、あるいは電話相談を充実するといった対策が講じている。産科と小児科に共通する女性医師の問題に対しては、女性医師バンクや院内保育所といったものの総合的な取組が課題になっている。
 資料では、集約化・重点化の対策のイメージを示しており、中途半端な対応しかできないような病院が各地に散らばっている状態を、拠点病院と集約化されたネットワークという形で対応していくことが必要ではないかということで予算的な措置を講じている。産科医療の補償制度について、その枠組の検討が進められていることを紹介している。救急医療の体制整備については、医療機関相互のネットワークで対応する救急医療支援事業、あるいは拠点病院の整備という形で進めるとともに、電話相談事業も並行して進めている。地域ごとの救急医療の体制の整備の状況としては、国庫補助事業または県単独の事業で取り組んでいる割合は、小児救急の医療圏域でいうと約62%で対応ができている。「子ども・子育て応援プラン」の策定を始めたときの55%という割合からは着実に進んではいるが、まだ4割が未整備という状況である。最後に、高度の周産期医療ネットワークについては、総合周産期母子医療センターを整備していくことが課題になっており、まだ未整備の県について19年度中に整備をしたいということで、各都道府県にヒアリングを行い、その結果をまとめている。

○宮本横浜市こども青少年局企画調整課長
資料2 横浜市説明資料
資料21/2(PDF形式:418KB)PDFを別ウィンドウで開きます資料22/2(PDF形式:460KB)PDFを別ウィンドウで開きます

 横浜市における子育て支援の取組について説明させていただく。横浜市は人口360万余、2020年までは人口が増加し、その後減少に転じるとの予測があり、しばらく大都市横浜という形で進んでいくと予測されている。横浜市の近年の出生数は、平成12年までは3万4,000人から3万2,000人台で増減していたが、平成12年頃から減少傾向にあり、国と同様な傾向である。合計特殊出生率の推移では、平成17年度、国が1.26、本市はそれをさらに下回る1.16ということで、共に過去最低を記録した。横浜市は一貫して全国平均よりもかなり低いところで推移している。
 こういった状況を踏まえ、横浜市では、昨年12月に中期計画を策定した。平成18年度から22年度までの5か年を計画期間とし、7つの重点政策を掲げている。その中で、子ども未来戦略、いきいき自立戦略というところが、子どもの対策である。
 具体的に、本日のテーマとの関連としては、子ども未来戦略に2つの基本施策と6つの重点事業を掲げている。1つ目の基本施策2‐1は、地域における子育て家庭への支援の推進である。重点事業としては、地域子育て支援拠点の設置、親子の居場所づくり支援、多様な保育ニーズへの対応、保育所整備、小児医療費助成の拡大が掲げられている。また、2つ目の基本施策2‐3は、子どもや青少年の健やかな成長空間の創出ということで、放課後児童育成推進を掲げている。
 それぞれの重点事業の現状や背景について説明させていただく。子育て不安については、平成16年3月に実施したニーズ調査により、約6割の母が妊娠中あるいは出産後1か月の間に精神的不安定になっている。この子育て不安の解消のための施策としては、重点事業の2‐1‐1として、地域子育て支援拠点の設置を掲げている。国の事業では地域子育て支援センターに当たると思うが、この支援拠点を各区に1か所、合計で18か所の設置を予定しており、現在5か所で設置されている。子育て支援拠点というのは、2つの機能を有しており、子どもと保護者の支援、それから子育て支援活動に取り組む人達の支援というものがある。こうした子育て支援拠点の設置に関する横浜の特徴としては、行政主導の設置ではない点である。地域で活動している団体、NPO等を中心として、地域の特性を生かした拠点を設置していくこととしている。拠点を設置する準備の段階から、地域で活動する人材に集まってもらい、地域の課題を共有して、手を携えて課題解決に向かっていく素地ができたらと考えている。
 一方、子育て支援ネットワークのイメージとして、子育て支援拠点のような場所が各区に1か所では到底足りない。拠点のほかに、つどいの広場、市民利用施設、あるいは幼稚園・保育園を活用した場所の設置に取り組んでいる。将来的には、このような居場所にベビーカーを押して通える距離、概ね小学校区に1か所程度設置することを目標としている。このほかにも各地域で自主的に活動している子育てサロンといったものもある。
 次に、保育所関係施策については、横浜市では就学前児童数が平成7年から平成16年までは増加傾向にあったが、今は微減傾向に転じている。一方、女性の労働力率をみると徐々にM字の谷が底上げされており、女性の就業志向が高まっている。横浜市の保育所の定員率が他の政令市に比べても大変低い状況にあり、今後も保育所整備は必要な状況にある。これまでの取組として、横浜市では緊急課題として、平成15年度から保育所待機児童の解消に取り組んできた。15年度から3年間で101か所、8,011人の定員増を図ったが、結果として平成18年4月現在、待機児童数353人で解消に至っていない。今後も引き続き保育所の申込み数は伸びていくと予想されるので、整備が必要と思う。3年間で8,000人分を整備したが、待機児童は約800人減った。そうすると、353人減らすためには、今後3,500人分以上を整備しなければいけないと思っており、中期計画では、22年度までに5,000人分の保育所整備を行うこととしている。整備手法について、今までは私有地貸付による整備を中心に取り組んできたが、私有地がなくなってきているため、今後は民間ビルを賃借するなどして保育所を開設する事業者に対して改修費や賃借料等を補助する形での整備促進事業を中心に、駅前周辺等に整備を進めていければと考えている。そのほかにも幼保連携型の認定こども園の推進、老朽化した民間保育所の増改築等にも取り組んでいく。あるいは、既存の保育所の定員外入所の促進ということで、今年度から新たに内装の改修費、備品費の助成制度を設けている。
 次に、重点事業の2‐1‐3で「多様な保育ニーズへの対応」としては、中期計画では特に一時保育、障害児保育、休日・年末年始保育、病児保育に重点的に取り組むこととしている。そのほかにも、病後児保育、24時間365日対応できる緊急一時保育や、長時間保育も拡充していこうとしている。また、18年度の新たな取組として、病院内のきょうだい児保育モデル事業ということで、病院に入院している児童のきょうだい児、これは感染予防の理由などから病棟に入ることができないということもあり、外で1人で待っている状況があるので、そのきょうだい児への対応としてこういったモデル事業を平成18年から実施している。
 次に、「病児保育の推進」として、横浜市では今後、病児保育に力を入れようとしている。一方、特に病児保育のニーズは高いと言われているが、実際の利用実績をみると、平均2人程度という結果が出ている。現在、定員4人と設定しているが、伝染性疾患の流行時などについては利用希望が殺到して、とても定員4人ではおさまらない。その反面、当日のキャンセルが非常に多く、利用実績は結果として2人になっている。利用を増やすため、一定の条件はつけるが、4人の利用定員を超えて受け入れることができるように、受入れ人数等について弾力的な扱いを昨年度途中から始めたところである。
 次に、「放課後児童育成施策」について、小学生の保護者が放課後の児童のための施策として横浜市に望むことは、安心して過ごせる場所、あるいは活発に遊んだり、スポーツのできる場の確保ということが平成15年の調査で明らかになっている。特に最近、子どもが事故・事件に巻き込まれるという状況が多いため、「安心」ということが1つのキーワードになっている。横浜市では放課後児童育成施策を進めていくに当たり、平成17年の12月に基本指針を策定した。基本指針の内容は、保護者の就労状況や障害の有無にかかわらず、すべての子どもたちを視野に入れていく。そして、市民と行政が協働して行う。それから、広く人材を確保し、養成に努めていく。障害児の参加を促進する。法人の持つノウハウや人材を大いに活用していく。子どもたちが自分自身で身を守る力、あるいは自ら律する力を養っていく。そして、放課後の居場所のネットワークを構築する。こういった考えに基づき、放課後施策を推進していこうとしている。横浜市では「放課後キッズクラブ」、「はまっ子ふれあいスクール」、「学童保育」、この3本柱で放課後児童施策を進めている。「放課後キッズクラブ」は、生活の場と遊びの場を兼ね備えた放課後の居場所ということで、学校の空き教室等を利用して展開している。平成13年に「はまっ子ふれあいスクール」が全市立小学校に開設したが、今後は「はまっ子ふれあいスクール」を「放課後キッズクラブ」に転換していくこととしている。また、放課後児童クラブ、いわゆる学童保育の運営をこれまでどおり支援することにより、留守家庭となる子どもたちの放課後の居場所を確保していこうと考えている。
 次に、医療体制の整備については、横浜市でも小児救急医療について大変大きな問題を抱えている。小児救急の患者がこの4年間で約1.5倍に増えており、患者数の増加が、小児科医の労働環境の悪化をもたらし、小児科医の減少によって、さらに対応が不十分になるという悪循環が生じている。さらに、横浜市では、市内を3ブロックに分けて、各病院の輪番制によって夜間あるいは休日の診療を行っているが、これに参加してくれる病院がこの4年間で4分の3になっている。このような状況を踏まえ、最近の取組としては平成13年度から24時間365日、小児科診療を行う小児救急拠点病院の整備に取り組んでいる。13年は2病院だったが、19年には7病院になる。また、昨年度からの取組として、子どもが急病などの際に適切な対応ができるように、病状別に対応方法を記載したパンフレット、「小児救急のかかり方」というものを作成し、区役所等で配布している。また、子どもが急病のときに、家庭での見守り方や、すぐに医療機関にかかる必要があるかどうかを看護師がアドバイスする電話相談も実施している。045‐201‐1174を「いいナース」というような読み方にして、普及に努めている。
 今年度から力を入れていくのは小児救急拠点病院の機能強化である。24時間365日、2人以上の医師で小児科診療を行う体制の確保を目指している。そのためには、1病院当たり11人以上の常勤医が必要になることを考えると、医師の数が限られているので、拠点病院への医師の集約化を図る必要がある。これを進めるために、3年間の時限付きではあるが、拠点病院への上乗せ助成、つまり、医師の増員数に応じて補助金を増額する等、インセンティブ施策を導入した。なお、並行して進めるべき課題としては、小児科医の育成・教育、あるいは開業医との連携などがある。
 次に、「産科医療対策における最近の取組」について、昨年度、実態把握として調査を実施した。また、産科病床の確保のため、病院の開設や増床に当たっての事前協議の実施に当たって出産を含む周産期医療を行う病院に対して優先的に病床を配分するということを行った。昨年の調査で明らかになったことは、出産を取り扱う医療機関が減少傾向にあることが改めて確認をされたことと、常勤医師の確保が難しくなっていることが明らかになった。出産に携わる医師等からのヒアリングでは、出産に関する情報が不足している、病院、診療所・助産所の連携が不十分である、助産師の活用を図る必要がある、といった課題が明らかになった。これを踏まえ、横浜市では、正確な情報流通の促進として、医療機関の情報を市民向けに発信するように民間団体に促した。今のところ、病院協会がこれに応え、協会のホームページに産科の医療機関の案内を掲載している。次に、今年度より新たに助成制度を創設し、病院間、病院・診療所・助産所間の連携を促進していく。さらに、助産師の育成策として、助産師の技術向上や潜在助産師の職場復帰支援のための研修に対する助成制度を設けた。

○大石田三鷹市健康福祉部調整担当部長
資料3 三鷹市説明資料
資料31/4(PDF形式:19KB)PDFを別ウィンドウで開きます資料32/4(PDF形式:438KB)PDFを別ウィンドウで開きます資料33/4(PDF形式:183KB)PDFを別ウィンドウで開きます資料34/4(PDF形式:222KB)PDFを別ウィンドウで開きます

 本日は、保育環境の整備として保育所を中心とした課題、育児不安の解消として子育て世代の育児不安対策への取組、その他の3点について説明させていただく。
 初めに、保育環境の整備については何といっても保育所が重要な鍵になる。ご承知のとおり、自治体財政は大変厳しく、特に公立保育園については運営費補助のカットということもあり、国で復活をということをあえて申し上げておきたい。幼稚園の廃園、保育園化に取組、新たな保育園については公設民営を、しかも、公設民営についても2段階の公設民営を考えている。初期の段階は完全に民間の事業者に委託するという方式であるが、幾つかの欠点がわかってきた。1つは人材の安定が図りにくい。もう1つは、事業者そのものの経営に対する不安もある。そこで、社会福祉事業団、三鷹市の第三セクターに公立の保育士を派遣する形で徐々に民営化を図るということを提案し、すでに既設の保育園1園を4月から公設民営化している。保育は子どもと親にとって充実した保育のクオリティーの問題が一番であるため、三鷹市は「保育のガイドライン」をつくり、それによって保育の質を落とさないということを明言しながら、今の財政状況の中で保育園の整備という王道を貫きたいと思っている。しかし、入所希望者も増加し、待機児童の解消へは課題が多い。
 次に、多様な保育ニーズへの対応としては、延長保育は概ねすべての園で実施できているが、ユニークな点としては公設2園で夕食を実施しており、希望があれば親にも提供するという施策を実施している。アレルギー対応もしており、小さいころからのアレルギー対応によりアレルギーが治るという現象もあり、大豆、小麦、牛乳、卵、様々であるが、そういったものを個別面接とドクターからの指示書によりアレルギー対応の食事を提供している。それから、年末保育を2園を拠点として実施したが、意外と需要が少なかった。病院併設の病後児保育を実施しており、ニーズは高いが、保育と療育の問題は非常に難しい。例えばドクターの診断を面倒くさがる親の声を聞くが、お子さんの命を預かるということの責任の重さがある。まさに難しい部分をNPO・市民活動が埋めるという素地が病後児保育あるいは病児保育には必要との実感を持っている。そのほか、制度上の認定こども園ではないが、先行して幼児教育、あるいは幼児教育の充実した保育園をつくろうということで、こども園を1園つくっている。ここでは、幼児教育の研究を、保育士と教諭が一緒に行う新しい形態を仕組んでいる。
 次に、子どもの放課後対策では、ユニークな例として、保育所あるいは学童保育所からタクシーの運転手がベビーシッターと子どもを乗せて拠点保育所まで送り、保育所のエレベーターの下まで連れて行って拠点保育所で保育するといった取組をしている。また、学童保育では、この1月から3月まで1時間の時間延長にトライした。それから、地域子どもクラブは子どもの居場所づくりとして非常に重要であるが、安全管理者が誰なのかという面では大きな問題がある。地域との関係が十分にあれば極めて有効な子どもの居場所になると考え、コミュニティスクールの実験、あるいは小中一貫教育という教育委員会の中のトライを前提として、いわゆる協働という仕組みを考えている。
 次に、育児不安の解消としては、例えば、三鷹市は妊産婦及び新生児訪問を助産師会に委託している。地域で助産師会と行政が団体として協力関係を組むのは難しい面もある。次に、両親学級については、歯科医師会にすべて委託というやり方もあるところを、あえて市の職員が入っている。歯磨きの仕方をきちんと一人ひとりの親に教えてあげることに目が届くということで市の職員も入っている。次に、親と子の心のケア事業というのは、グルーピングにより悩みを語り合う手法であり、いわばピアケアである。行政あるいは有識者が講義するよりも、同じ悩みを持つ人達、同じ目線、同じ感覚を持った親同士が話し合うことによって学び合うことの重要さを自覚しており、意図的にその仕組みをつくっている。次に、子育てワークショップも同様であるが、悩みをもつ者同士がグループ討議を重ねて悩みの本質についてお互いに認識し合うということであり、これを行政が支援している。
 次に、産後うつ病対策であるが、統計では13%も産後うつになるという数字がある。アンケート調査をみると、女性の場合ホルモンのバランスが崩れたり、あるいは赤ちゃんの行動を教えてくれる人がいない場合は、夜泣きが正常なものというのがわからないケースもある。そのようなことで自信をなくしたり、夫との関係で夫の口出しに悩んだり、あるいはネグレクトに悩んだり、寝不足で苦しむということがあるので、きちんとした対応をしている。
 次に、子どもの心、体の発達講座というのは、月齢に合わせ、疑問な点がたくさんあるというところを解明していく講座である。
 次は、ユニークであるが、双子の会というものがあり、双子以上の子どもが生まれた父母に集まってもらい、お互いに体験談をする。また、双子以上を育てたOBにも来てもらい、育児のノウハウを伝えるという事業である。双子というのは大いに苦労する。例えば、2人同時に授乳はできないというところから始まり、どのような工夫をしたかというOBの話を聞きながら、お互いに共感できるような関係の中で安心感と技術を学んでいく。
 次にユニークなものは、小さく生まれた子の会、いわゆる未熟児である。未熟児の場合、いろいろなことが要素にあって、例えば未熟児を産んでしまった罪悪感、不安感、こういうものが非常に閉じこもりにつながりがちであり、病院管理が長くなったりするので、小さく生まれても大丈夫だという安心感は非常に重要である。小さく生まれた子の会は、親は少ないが、4~5組がお互いの体験などを通じて安心感を得るということである。
 次に、小児医療システムについては、小児科医の不足、救急病院の問題がある中、3年にわたって地元の医師会と協議した。医療には一次医療、二次医療、三次医療がある。小児の一次医療の場合、ほとんど、お子さんの発熱、嘔吐、下痢などの対応で、医師の診断によって大きな病気ではない、あるいは投薬によって治るということであれば、それだけで親が安心するということがある。問題は、平日5日間、誰が準夜間診療事業をするかということであり、協議は難航した。三鷹市の医師会の小児科医は人数が少ないので、内科医も含めて、大病院の教授も一緒になって、一次医療を医師会館で本年1月4日から行うこととした。これにより、毎日7時半から10時半の間、子どもが体調不良のときは医師会館に行けば診てもらえる。これによって、例えば二次医療がさほど楽になるわけではないが、親の安心ということが非常に重要なことと思っている。
 次に、その他の子育て支援策では、子ども家庭支援センターネットワークによる虐待等への対応という課題がある。子ども家庭支援センターの役割の中で、虐待の場合にはどうしても必要なネットワークがあり、児童相談所と警察と教育委員会と医師、最低限それらの人々に民生児童委員が入ってネットワークを組む。その基本的な対応は困難事例である。いずれにしても、地域の総力をもって対応しないと困難事例には対応できない。まず発見が難しい。発見した後は、児童相談所でなければ権限を行使することができない。しかし、十分なデータがなければ児童相談所も簡単には判断できない。一番のデータは、例えば民生児童委員の意見、あるいは子ども家庭支援センターのケースワーカーの意見、ケーススタディの中の議論、こういうものを踏まえて児童虐待等に対応しており、状況によってはショートステイなど様々な対応をしている。かなり早い時期からネットワークがあったので、こうしたネットワークをしっかりと地域につくることが、児童虐待の困難事例への対応につながると思っている。
 最後に、問題意識として、行政だけでは困難な部分について市民活動と連携するといった意見もあるが、もう少し言えば、行政でできないというよりも、より市民のニーズの高い、あるいは市民自身が何をしてほしいかを一番わかっている分野で、市民自身がケアするほうが質的に優れているという考え方である。つまり、サービスの質がより高くなると考えている。それが協働の理念であり、子育てマップづくり、情報サイトの運営、ひろば事業の実施等は、市民と行政が一緒になって委託契約を結ぶということもかなり有効なのではないかと考えている。

○佐藤主査
 次に、奥山委員から説明願いたい。


 私は、今、子どもが3人いて、中学1年生と小学4年生、2年生である。長男が生まれたときは、こうしたNPOを立ち上げることなど考えてもいなかった。10年間仕事をしてからの子育てだったが、なぜこんなに子育てがうまくいかないのかと思い、非常に子育てに悩んだ時期があった。
 まず、行政の子育て支援というのが身近に捉えられず、努力してこちらから情報を集めないと見つからず、クチコミとかいろいろなところで、どんな支援があるのかと探した記憶がある。都市部は祖父母の支援が得にくく、横浜市などは転出入が激しいこともあって、地域の情報を得るにも時間がかかる。
 そうした経験から、地域のことを知らなくてはいけないと感じ、行政と一緒に子育て通信をつくったところから、地域の子育て支援というものに関わり、最初4年ぐらいは情報誌づくり、無償ボランティアとして保健師の方と一緒に活動した。その後、横浜市には乳幼児の居場所が少なく、自分達で空き店舗を借りてつくろうということで、おやこの広場「びーのびーの」を設立した。いくつかマスコミにも取り上げられ、視察見学も多く、その後、私たちもモデルになった形で「つどいの広場事業」が創設された。その頃から、横浜市に、こういった事業に補助金がつくならばお願いしたいということで折衝を重ね、横浜市で「つどいの広場」に取組始めることができた。私たちも応募し、毎年3か所ずつ横浜市は広場事業を広げており、現在、19か所あるが、国の事業創設初年度から補助をいただき運営してきた。
 その後、2006年1月に、幼稚園に行く前の2~3歳児を対象とし、ちっちゃなお家「ゆーのびーの」というグループ保育と一時預かりを開始した。もう少し親から離れて子ども集団で遊ばせたいけれど、親としては毎日預けるのではなく、もっと手元に置きたいといった需要に応えるため、週1回もしくは2回、1日4時間ぐらいグループで預かる事業である。これをすると、一時預かりするのにも抵抗がなくなる。
 昨年3月には、横浜市の地域子育て支援拠点事業のモデル事業ということで「どろっぷ」がオープンしている。現在、これらの区内3か所の拠点を中心に運営をしている。
 おやこの広場「びーのびーの」は毎日10組ぐらいの親子が利用している。商店街の中にあって庶民的な感じの場所である。「ゆーのびーの」はグループ保育6組という小さな事業で、妙蓮寺駅でやっている。また、大倉山駅には地域子育て支援拠点の「どろっぷ」があって、毎日80組の利用者がいる。
 6ぺージの写真は「びーのびーの」である。手前が商店街の路地であるが、車が通らない路地、三輪車を乗り回したり、電車を見たり、中では絵本やおもちゃがあって遊べる場所になっている。
 7ぺージの写真は、お昼を一緒に食べているところであるが、9時半から16時までオープンしているので、お昼も一緒に食べる。0~3歳の子育ては、子どもに食べさせること、トイレットトレーニングが非常に大変だと母親たちがよく言うのだが、家にいて親子2人きりで食事を済ませるのではなくて、保育園のように賑やかにグループで食べることで、いろいろ悩みや、うちの子は野菜を食べないという話からいろいろ情報交換ができる。公共機関では食べることは禁止というところが多く、また、母親たちは、授乳期の赤ちゃんを抱えて、どこへ行ったら授乳できるのか、どこへ行ったらおむつが替えられるのか、シミュレーションしながら外出する。食べる場所、おむつが替えられる場所、赤ちゃんが昼寝しても大丈夫な場所というのが身近な場所にたくさんないと、親たちは身動きがとれず、家に閉じこもってしまう。
 ひろばの特徴として、子どもだけではなくて、保護者が通うという点が新しい。ここは生活の空間であって、習い事のような形で関わる場所ではない。それから、いつでも開いている常設の場である。子どもがいると、雨が降ったら行けないとか、洗濯してから行きたいとか、いろいろなことがあって、思い立ったときに行けなければ意味がない。また、行って必ず話す相手がいるということが大切である。「どろっぷ」の利用者は0歳児が半分であり、0~1歳で75%である。赤ちゃんがいる母親は、会話をする相手が欲しい。そういう意味では、親の居場所でもある。いつ来て、いつ帰ってもいい、行くのを決めるのは親である。私たちは子育て当事者中心のNPOで、私も子育てに悩んだ親の一人だったが、そういった苦労を次の世代に渡したくない、自分たちができることを残していきたい、という思いで運営している。人件費もなかなか事業費のみでまかない切れないため、ボランティアを活用している。地域の人たちに支えてもらって、親子が地域の人たちと知り合える場所にしたいと考えている。
 専業主婦は一時預かりに非常に抵抗感がある。預けたことがないところに突然預けなくてはいけない。そういう意味で、「ゆーのびーの」は、慣らし保育的な形で緩やかなグループ保育であり、何かあったときに預けられる場所として認識してもらえる。こういった一時預かりが増えないと、働いていないとなかなか預けられない。こういった事業について、厚労省において「一時預かりパイロット事業」を始めるということで非常に期待している。
「どろっぷ」については、既に市内5か所で同様の拠点がオープンしており、3~4年のうちにすべての区にできる。これはNPOや地域の子育て支援に詳しい団体が受託しており、受託団体同士でもネットワークを組み、情報交換しながら運営している。土曜日も開設しているので、父親の姿が非常に多く、20~30人ぐらいの父親が来てくれる。工作やイベントの手伝いもしてくれているが、育休で父親自身が広場を使っているという例が2人出ている。平日、毎日のように通っていて、父親にとってもこういう場所があって大変助かっているということで、母親の育休に続き、父親の育休ということで利用してもらっている。
 その他の事業として、例えば、「学生によるわくわく子育てサポーター事業」がある。外国では13歳になればベビーシッターに行けるが、日本では「中学生が」という感じだと思う。しかし、中学生にとっても、社会や地域で役割があるということは非常に大事であるし、次の親になっていく世代である。まだボランティア訪問だが、2人1組で家庭に訪問し、子育てをしている家庭のケアをしている。今、近隣の中学校、高校とも連携を深め、高校とは授業の一環で2クラス受入れをしたり、文化祭に参加して子育て家庭と学生の出会いの場をたくさんつくっている。保育科の学生だけでなくて、一般の男子中学生、男子高校生も多く参加しており、今後も広がっていけばいいと思っている。
 つどいの広場については、利用の拡充だけでなくて、スタッフの力量やスキルアップが重要である。子育てひろば全国連絡協議会において研修事業を昨年12か所でやったが、さらにこうした研修事業を拡大していくことを考えている。この事業は新しい事業であり、研究事業も全国調査などをしながらやっている。
 最後に「これから」ということで、子育て支援といっても分野が大変広いので、行政が責任を持ってやる部分、NPOができる部分、市民も参画していく部分を協働しながらやっていかなくてはいけない。子育て中の母親、父親たちがなかなか声をあげにくく、そこを丁寧に拾っていかなくてはいけないので、NPOに課せられた使命も大きいと感じている。それから、そこに関わるスタッフも、単に子育て経験があればいいというのでなくて、スタッフの育成・研修ということも重要である。さらに、親の就労の有無に関わらない子どもの育ちの環境整備ということで、一時預かりも含めて検討していただきたい。また、地域の子育て支援に関わるボランティアの裾野を広げるということで、あらゆる地域の人材をもって当たっていきたいと考えている。
 先程情報誌の話があったが、社会福祉協議会を社協と訳すことも分からないし、主任児童員は地域に2人いることも子育てをしている方にはなかなか伝わらない。親たちが努力して情報を探さなくてもよいよう、行政の情報、例えば、医療制度が変わった場合に用語解説などを入れたような情報誌を当事者の親たちが編集委員となって作っている。こういったことが情報のネットワークをつくりながら拡充されていけばいいと思っている。

○佐藤主査
 それでは、最後に藤本委員から説明いただきたい。


 私は平成元年4月に開院した40床の私立の小児病院の開設者で、最初から24時間365日の救急をやってきた。平成3年からは病児保育を始め、4期8年間、全国病児保育協議会の会長を務めた。現在、県医師会でいろいろな地域医療や地域保健に携わっている。
 今回、厚労省から各県知事あてに小児科・産科の医療の集約化と重点化に関する質問があり、それに対して回答を出すため、昨年11月から3回、小児科・産科医療連携推進専門部会をつくって協議してきたので、その内容をお話ししたい。
 大分県は120 万人の人口だが、50万人が大分市、15万人が別府市、その周辺に4~5万人ずつおり、大分市、別府市、杵築市で人口の7割を占めている。それ以外は、中津で5万人、佐伯・南海地区でも5万人、日田・玖珠地区でも5~6万人という人口規模で、幸い小児が入院できるような病院が1か所ぐらいずつあるが、そこには小児科医は1人しかいない。そういう中で集約化ができるのかということだが、大分市であれば医師の偏在もあるし、集約化しようと思えばできるが、その必要はない。私の病院で、私も含めて小児科の常勤医は10名いるし、24時間365日でやっている。結論として、地方都市では小児科医の集約化はできず、そんなことをしたら地域の医療が完璧に崩壊すると思う。しかし、重点化は必要で、今後、重点化に向け努力する。
 産科医療では、中津市民病院から産科医が引き揚げ、4月から産科が閉鎖されている。その地域でお産ができるところは全くなく、約50km離れた別府市まで行かないと産科の施設はないという状況が起こっている。どこにおいても集約化はできないが、すべての地域で重点化しなくてはいけない。重点化するためには医者の数を増やすしかないが、すぐに増えるかというと、なかなか増えない。そこでどうするかというで、県が独自に予算を組んでいる医師確保対策を紹介したい。まず、医学生のときから対策をとっていく。それから、研修医、そして医師になってからであるが、研修医で特に専門研修、あるいは後期研修と言われている2年の研修が終わった後に、それぞれ入局して専門医を目指していくことになるが、そこで3年間、研修プログラムが組まれている。例えば、小児科であれば、2年の研修が終わって、次の専門研修を3年やると専門医の受験資格ができる。その専門医の受験資格ができるまでの3年間の間、小児科4名、産科4名、研修病院は県内のどこを選んでもいい。どこを選んでもいいが、いろいろな教育をしたいということで、1か所だけで研修するのではなく、研修病院は本人の希望に応じていくつかプログラムを組んで、いろいろな体験、教育をしようということである。そのときに異動を何回かすると引っ越しなどで費用がかかるため、それを補完するという意味で1人に1か月10万円支給する。産科と小児科で4人、4人で8人になり、1か月80万円で年間約 1,000万円となり、厳しい財政状況の中、予算を確保した。
 あと、産科も小児科も女性医師が増えている。この女性医師の支援をどうするかが一番大きな課題になっており、女性医師が勤務を続けやすい、あるいは復帰しやすい状況をつくるため、出産と育児をどのように支援するかが今後の検討課題である。今大きく考えられているのは、預かる場所があれば預けて働くかということではなく、それぞれ働ける時間があるから、ワークシェアのようなことができるような形をつくろうとしている。それから、一番の問題は、ある一定期間、子どものために休んで十分子育てをしたいという希望があるため、それが十分満たされると、復帰するとき1年間現場を離れると非常に不安が生じる。その際、臨床感覚を取り戻せるようなトレーニングを有効にやるということを検討している。
 資料中、「医師確保に向けた都道府県における新しい取組例」というものがあるが、医師確保対策のため、他の都道府県がどういうことをやっているかということを調査したものであり、参考にしていただければと思う。

○佐藤主査
 それでは、報告いただいた内容について、ご質問あるいはご意見があればお願いしたい。

○渥美委員
 三鷹市の大石田部長にお伺いしたい。三鷹市の子育て支援策の特徴は、親のニッチなニーズに対し、きめ細やかなサービス提供をしている点だと思う。
 市民自身が当事者として参加してイニシアチブをとるように行政が工夫していることがきめ細やかなサービス提供につながっているのだと考える。 そこでまず1つ目の質問は、具体的に行政で工夫しているところを教えていただきたい。
 2つ目は、地域・家族の再生というテーマでどうやって評価軸をつくっていくかという点を議論すべきと考えているが、今、自治体で実施しているサービスに関する評価としてアウトプット指標がある。例えば、子育て支援策として親向けのこういうイベントをやって、これだけの参加者があったということはときどき見る。しかし、それだけではおそらく分からない。当事者が参加するというところがアウトカム指標として重要であると思う。単なる集客などのデータは補足しやすいとは思うが、担い手に回るというところをどうやって補足できるか。多分それが、行政のサービスの成熟を示す指標になり得るのではないかと思う。そこで、三鷹市のそういうサービスの中に親が当事者として入っていることを何か指標化できるようなものがあるのか。

○藤本委員
 厚生労働省にお伺いしたいが、放課後対策について、夏休みや春休みなど、長期の休暇中に対して学童児にどのような計画がなされているのか。

○案田主査
 横浜市の宮本課長にお伺いしたい。病児保育、病後児保育、保育時間の延長などに対して行政の対応のみでは財政的にも非常に厳しいと思う。そのとき、両親が勤めている企業も変化し、働き方も変わって対応しなければならないと思うが、企業、あるいは働いている両親に対し、どのような視野で行政は見ているのか。

○大日向委員
 まず、厚生労働省にお伺いしたい。
 放課後児童クラブの運営費について、保護者の負担が2分の1となっているが、概算でどのぐらいになっているのか。
 地域子育て支援事業の取組の現状で、設置箇所数が増えていくということで大変心強いと思ったが、その内容について、例えば、緊急一時保育事業等は、箇所があっても、機能しているところとそうでないところがあると聞いている。そういった内容的なことについても調査する予定があるのか。
 次に、横浜市の宮本課長にお伺いしたい。放課後児童対策の「はまっ子ふれあいスクール事業」と「放課後キッズクラブ事業」の違いがよくわからない。登録児童数は、「はまっ子ふれあいスクール事業」は8万人、「放課後キッズクラブ」は7千人ということで、どのように移行していくのか。

○前田委員
 厚生労働省にお伺いしたい。放課後児童対策なども実際には保護者負担があり、運営費 240万円でできるという試算であるが、実際はこのような運営費ではできないし、保育所や小児・産科医療システムなどについても、厚生労働省の運営積算単価というのは非常に実態を反映していない。そういう点をどれだけ把握しているのか。それから、定率減税の廃止によって地方自治体は税収が増えたが、一方、地方交付税が大幅に減ったため、ほとんど義務的経費にまわり、子育て支援に回す政策的経費が全くない。運営費用や地方と国の役割分担等の実態を考えた上で予算を考えているのか。

○大矢委員
 横浜市の宮本課長と三鷹市の大石田部長にお伺いしたい。育児不安と保育環境の整備とは非常に関係が深く、望んでいることは安心したサービスの質とソフト情報の利便性ということだと思うが、こういった軸で利用者がどのように満足されているかというデータがあるのか。もしあったら、いろいろな施策の中でどれが一番効果を上げているのか。

○大石田調整担当部長(三鷹市)
 参加するイニシアチブについては、協働という手法を打ち出している。OBを活用し、現役の悩んでいる世代に解決手法を教えるというピアケアで対応している。
 アウトプットの指標は3つある。計画づくり、サービスの執行段階、評価段階の3つである。計画づくりにおいては、特に市民、公募委員の会議への参加率、サービスの執行段階では、リーダーシップを誰がとっているか、提供者の市民との距離が指標になる。評価段階では、公募委員の数が指標になると考えられる。
 利用者の満足度のデータは3つある。現実に保育サービスやあるサービスを実施したときに行われる東京都の支援を受けた第三者評価、各保育所で実施するアンケート調査や施策の事業評価がある。行政が事業執行の管理をしているため、アンケート調査、あるいは実際に行われた各種の調査を踏まえ、事業評価を庁内で行う行政評価がある。

○宮本企画調整課長(横浜市)
 企業あるいは親へのアプローチについて、働き方の見直しは横浜市でも非常に大きな課題と考えている。企業へのアプローチについては、平成17年から企業との懇談会を開催し、企業の子育て支援を、行政、市民団体、企業が一緒になって推進できる方策を考えている。この推進スタイルを「横浜モデル」と言っている。現実に働き方の見直しに直結するものはなかなか出てこないとは思うが、19年度から事業を展開する中で考えていきたい。
 それから、働き方の見直しについて議論をすると、すぐに企業がという話になるが、親の意識の問題もあるのではないかと思う。特に父親の育児参加が大きな課題になっているが、実際に育児に携わると、仕事をしていた方が楽ではないかと思ったりもして、実は仕事を理由にして育児に参加しない状況を自らつくっていることはないのだろうかという疑問もあり、そういう面での親へのアプローチも今後やっていきたい。
 「放課後キッズクラブ事業」と「はまっ子ふれあいスクール事業」の違いは、「はまっ子ふれあいスクール事業」は全児童を対象にしており、遊びの場を確保するという事業である。一方、「放課後キッズクラブ事業」は、「はまっ子ふれあいスクール事業」の遊びの場というものを継承しつつ、学童保育の持っている生活の場というものを融合させた形で新たに事業展開をしている。今後、「はまっ子ふれあいスクール事業」を「放課後キッズクラブ事業」に転換していくのだが、その途中段階として、充実型の「はまっ子ふれあいスクール」というものをつくり、普通の「はまっ子」は放課後から18時まで、充実型は19時まで、あるいは土曜日、長期休業中も時間を少し延長していくなどの取組を行いながら「放課後キッズクラブ事業」に転換していくことを考えている。
 それから、利用者満足度をはかる指標があるかについて、非常に難しいと感じていることは、次世代育成の行動計画の評価ということで、事業評価が非常に難しい。全 118事業あり、一つ一つどういう形で評価するのかというのは非常に難しい課題である。1つは、全 118事業に対して行政の自己評価という形をとっていく。その中で特に重点を置く事業として年間大体10事業ぐらいを選んで、利用者へのヒアリングやアンケートを実施して利用者満足度をはかっていくことを考えている。ところが、問題として、利用している方の満足度は出ても、利用されない方の声は拾えない、あるいは、事業者の方がどういう考えを持っているのかということが拾えないということが昨年度の次世代育成の協議会の中で問題提起され、まだはっきりした答えは出ていない。横浜市にとっても点検・評価というのは大きな課題である。

○度山厚生労働省少子化対策企画室長
 まず、放課後児童クラブの長期休暇の扱いだが、夏休み、冬休み、春休みを含めて、ずっと開けるということで対応している。そういう意味で、従来、基準開設日数を 281日で設定してきたが、最近、週休2日が大分増えてきて、土曜日が必要かという議論が出てきたので、放課後子どもプランの考え方では、基準開設日数について土曜日を除いた 250日ということで弾力化をして考え、市町村のいろいろな実情ということを踏まえ設定するという形にしている。ただし、長期休暇は外せないと考えており、夏休み、春休み、冬休みを含めた対応でお願いしている。
 実際に親がどれぐらい負担をしているかについてのデータはない。比較的しっかり徴収している市町村もあれば、ほとんど費用を徴収していない市町村もあると聞いている。事業の半分ぐらいの経費は市町村が親から徴収することを前提に組まれているので、財政的に厳しいということが出てくるかもしれない。二百数十万円というのは公的な助成の額であるので、実際に親から半分取ると、この倍の額が基準になる。放課後の時間が保育園などと比べて短く、また、専門的な資格を要しないために一般非常勤の単価になるため、予算積算上こういう額になる。この積算単価を上げることは、国の財政の仕組みからいうと難しい問題がある。
 国・地方の財源的な問題については、このように事業を増やしたときには、地方交付税の総枠の中で手当てをしている。ただし、現実問題として、地方交付税の見直しあるいは地方行革を進めているので、トータルの交付税額が増えているわけでないという問題がある。しかも、それぞれの市町村の中では税源移譲とか、いろいろな問題の中で実際に交付税の額がどれだけいくかということなので、いろいろな事業が拡充をしていく分だけ交付税が増えるという形にはなっていない。多くの市町村で交付税額が減少する中で必要な事業をつくっていかなければいけない難しさがあることは承知している。
 国も地方も、予算を縮減する中で必要な事業の拡充を図るという難しさに直面しているという点で同じと思う。財源の問題については、「基本戦略分科会」で取り扱っているので、そちらの議論に期待したい。
 地域子育て支援の内容的な部分についてデータ的に捉えることは大変難しい。今回、地域子育て支援拠点の整備について、事業をある程度一括りにしたことの背景には、先発して進めていた地域子育て支援センターの事業が、一生懸命やっているところもあれば、そうでもないところも多いということである。例えば、園庭開放しているのは週に1回、午前中だけで、残りの日は電話相談を受け付けている。これでも地域子育て支援センターの要件を満たしているが、本当に子育ての拠点になっているかという問題意識から、19年度の事業からは、センター型については、一定の経過期間は設けるものの、保育園の園内の制限で週に1回ぐらいしか開放できないという事情があるので、その場合には地域に出向いて、公民館とか保健センターとか、いろいろな場所で毎日どこかで子育て支援をしているということを新たに要件として出した。
 もう一方では、広場はどういう方がやってもいいという形になっているので、箇所数は増えてきたが、いわゆる広場でどれだけ親子が安心できる、あるいは勇気づけられるような環境になっているかという問題もある。この点については、先程奥山さんの報告にあったように、広場の全国協議会と相談し、研修事業を充実させていきたい。

○奥山委員
 まず、三鷹市の大石田部長に1つ質問したい。先程、病後児保育がなかなか難しい事業だが、NPOの力が活用できるという話があったので、うまくいっている事例があるのかというのをお聞かせいただきたい。
 それから、感想であるが、子育てというのは実際やってみたらとても大変である。親たちにアンケートをとるときに、本当に誰かに支えられて子育てをしていますかというのを聞きたい。夫に支えられたのか、地域の人に支えられたのか、自分の子育てがとても幸福感を持って周りに支えられているのか。その幸福感が今ないから、子育ても二の足を踏んでしまうと思う。こんなに大変なことを誰も支えてくれないという辛さのようなものが若い世代にも見えてきて、子どもを産んだらあんなふうになってしまうのかという負のイメージが出てくると思うので、そういった指標も欲しいと思った。

○大石田調整担当部長(三鷹市)
 NPO法人の「フローレンス」という団体で、病児・病後児保育を行っている。サポートする会員とサポートされる会員を登録し、ドクターとの契約を行い、保険も入るということである。このシステムは、責任の問題があり、行政ではやれ切れない。行政が行う病後児というのは、保育と療護の中間で、保育に寄っている部分だったら対応できるが、医療や療育の部分に寄っていれば責任問題が生じ、保育を外れるということで、議会でも相当な議論を重ねてきた。そうしたとき、フローレンスからやりたいという申出があった。

○藤本委員
 病児保育がなぜうまくいかないか。利用率の問題もあったが、病後児と病児を分けること自体がナンセンスである。すべて病児保育という形で話すが、例えば、インフルエンザ一つとっても、Aだけが流行するわけではなく、今年もAとBが同時に流行した。そうすると、Aの人が来て、Bの人が来れば一緒の部屋に置けない。そうすると、今のところは4人定員でも、2人の職員しかいなければ、1人1人診れば2名しか診られないということになる。そこで一般の風邪の人があと2人来ようとしても、そこに職員をもう1人配置できるか。財政的にゆとりがあればできるが、今の補助金ではできない。そのため、すべての病児保育施設は赤字であると思う。これからいろいろなことをやる中でも、質は絶対保障されなければならない。何を基準に考えなければいけないかというと、中心は子どもである。親が働きやすいようにではなく、子どものためにどうあるべきということから判断しなくてはいけない。そのためには、十分な補助金が必要であり、そうすれば事業として成り立つ。営利が可能なものはすべて何でもうまくいく。でも、そうでないものは必ず赤字になるだけなので、その赤字が補てんできなければ、理念がいくらあってもできなくなってしまう。
 もう1つ、質を担保するのに大事なことは、規制を緩めるべきではない。数が増えればいいというものではなく、誰かがやっていればいいというものでもない。病児保育をやる以上はかなりの知識と技術がなければできないので、安易にやるべきではない。質を保つためには、それなりの補助額は必要だが、そのために規制を強くするということが必要だと思う。そうしなければ質のいいものが増えることはない。規制を緩めて数を増やせば質は必ず落ちてしまって、利用した子どもがその被害を受けるわけであり、こんなことがあってはならない。
 それから院内保育についてであるが、自分の子どもを預けるところは超一流でありたいと思っているため、そういうものをつくらなければ、院内保育を進めていっても本当にいい保育ができるわけではない。私は最初、院内保育をやっていたが、これではだめだ、地域からも認められたいということで、実は平成3年から保育所も経営している。いろいろなところで企業内保育をするという発想もあるかもしれないが、その中でそれなりに職員が満足するものをつくらなくてはいけないと思う。
 あと、医療に関して、産科・小児科医療が今一番問題になっているが、特にある一定以上の人口規模のところでは医師は偏在する。そのため、都会での問題は解決しやすい。できないのは、絶対的に医師の数も住民の数も少なく、人口の少ないいわゆるへき地である。へき地の医療をどうするか。大分県では、今年卒業する人たち、昨年6年制になって今年国家試験を通って医師になった人たちに、12月の段階でいくつかの質問をした。それから、今現在2年のローテーションで回っている研修医たちにも質問した。「あなた方はへき地に行きますか」という質問に対して、大部分の人が行くという。ただし、3つ条件があり、へき地に行って、そこできちんと自分をサポートしてくれるシステムがあるかどうか。それから、例えば休日とか、そういうときに代替をする、医療としてのシステムのサポートではなくて、自分の生きる生活としてのサポート。要するに、医学的な技術や知識の面でサポートしてくれるものと、生活をサポートするものがあるかということである。

○前田委員
 放課後対策について、夜間保育所が増え、横浜市などは24時間保育もやっているが、放課後対策も遅くまでやってほしいというニーズが出てきている。今年ぐらいから企業型の学童保育で夜10~11時までやっているところが増えているが、公的に行う放課後対策も同じように夜9~10時までやるべきなのか。人材の確保を図って、放課後の指導員の質を図りたいといえば、短時間の嘱託の安い賃金の人は集まらない。それから、放課後の児童のケアへのニーズが多くなっている中、一律70人で切ってしまうのはどうか。他に放課後事業を行う一方で高学年も預けるとなるとさらに子どもの人数は増えることになる。物理的なスペースがないとき、本当に子どもたちに何がいいことかどうかなど、現場が今どういう状況になっているかも考えて方針をつくっていかないと現場は混乱する。

○大矢委員
 先程、藤本委員から、子どものために病児のことを考えるべきという話があった。何が一番親にとって幸せで、子どもにとって幸せなのかというある程度のモデルをつくっていかないと、病気だったら預けられることになれば、費用は益々必要になる。子どもにおける幸せは何か、親が安心できる仕組みのモデルは何かというところをつくっていく必要がある。

○佐藤主査
 これからまとめの段階に入っていくが、本日の意見を踏まえながら議論したい。

5.閉会