「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議 第6回 点検・評価分科会 議事要旨

1.日時

 平成19年10月5日(金)11:00~12:30

2.場所

中央合同庁舎第4号館 4階 共用第2特別会議室

3.出席者


(有識者)
佐藤 博樹  東京大学社会科学研究所教授(分科会主査)
渥美 由喜  株式会社富士通総研主任研究員
案田 陽治  日本サービス・流通労働組合連合副会長
大日向 雅美  恵泉女学園大学・大学院教授
大矢 和子  株式会社資生堂監査役
藤本 保  大分こども病院長
前田 正子  (財)横浜市国際交流協会理事長

(欠席者)
奥山 千鶴子  特定非営利活動法人びーのびーの理事長

4.議事概要


○佐藤主査
 本分科会では、5月までは、特に検証が必要であると考えられる重点テーマを設定して、集中的に議論を行い、その成果を重点戦略の中間報告に反映させたところである。
 本日からは、今後の少子化対策の展開に資するため、利用者の視点に立って少子化対策の有効性を強化するための指標を中心に検討していただく。
 それでは、まず事務局から説明願いたい。

○今井内閣府少子・高齢化対策第1担当参事官 資料1 「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議中間報告以降の経過(報告)
資料1
資料11/2(PDF形式:490KB)PDFを別ウィンドウで開きます資料12/2(PDF形式:79KB)PDFを別ウィンドウで開きます
資料2 利用者の視点からみた点検・評価の課題(~これまでの議論から~)
資料21/2(PDF形式:138KB)PDFを別ウィンドウで開きます資料22/2(PDF形式:453KB)PDFを別ウィンドウで開きます
資料3 子ども・子育て応援プランについて(PDF形式:35KB)PDFを別ウィンドウで開きます
 資料1をご覧いただきたい。
 6月に中間報告を取りまとめていただいたが、その後の経過、動きについて報告させていただく。
 3つ動きがあり、1点目は、「骨太の方針」に中間報告の基本的な考え方が盛り込まれたということ、2点目は中間報告で示された検討課題に即して、秋から新しい検討体制がスタートしたということ、3点目は、ワーク・ライフ・バランスに関して、官民トップ会議というものが設けられたということである。
 1ページ目は骨太の話である。左半分は労働市場改革関係で、ワーク・ライフ・バランスのことが盛り込まれている。この改革のポイントというところにも書いてあるが、「ワーク・ライフ・バランス憲章」及び「行動指針」を策定するということが書かれている。
 右半分が、持続的で安心できる社会の実現というところの中に少子化対策が入っており、重点戦略の中間報告の基本的な考え方が盛り込まれている。4点あり、(1)働き方の改革によるワーク・ライフ・バランスの実現、(2)包括的な次世代育成支援の制度的な枠組みの構築、(3)本分科会の役割とも関わりがある、施策の有効性の点検・評価である。利用者の視点に立って施策の有効性を点検・評価するための手法を開発するとともに、プランの改定等を進め、PDCAサイクルを定着させるということである。(4)少子化対策の財源の検討。以上の4点、基本的な考え方が盛り込まれている。
 次に、2ページの中間報告に示された今後の課題を踏まえた検討体制について、一番右側の箱を見ていただきたい。まずワーク・ライフ・バランスの関係で、ワーク・ライフ・バランスの官民トップ会議と行動指針策定のための作業部会が設けられ、検討が進められている。重点戦略検討会議については、基本戦略分科会が9月からスタートしている。今回の基本戦略分科会は、「各分科会の議論との連携を図るため、他の分科会の主査及び主査が指名する者も交えて議論する」ということである。そして、「点検・評価分科会」は、本日から検討を始める。
 次に、3ページ目は、秋からの基本戦略分科会のメンバーである。今までの基本戦略分科会のメンバー8名に加え、それぞれの分科会からメンバーが参加している。この点検・評価分科会からは、佐藤委員、大日向委員、前田委員に参画いただいている。
 4ページ目は、ワーク・ライフ・バランスについてである。官民トップ会議と行動指針の策定作業部会を設けたということである。
 5ページ目は、スケジュールである。11月を目途に官民トップ会議で憲章・行動指針をとりまとめるということで、重点戦略にも反映させる予定で進めている。
 6ページ目は、官民トップ会議の構成員名簿である。6名の閣僚、それから労使を含む団体の代表者5名、それから佐藤委員も含む有識者4名である。右側半分が行動指針の策定作業部会である。佐藤委員をはじめとする有識者7名と使用者・労働者代表それぞれ3名ずつで検討を進めている。
 以上が6月に中間報告をいただいてからの経過報告である。
 次に、資料2である。
 中間報告あるいはそれに至る議論の過程で指摘された「利用者の視点からみた点検・評価の課題」を網羅的に拾ったものがこの資料である。本日の議論の素材ということで準備した。
 1ページ目は、この資料の目次である。まず、「点検・評価分科会の基本的な視点」であり、この分科会の役割である。重点戦略中間報告では、利用者の視点に立って少子化対策の有効性を点検・評価するための手法を検討し、地方公共団体や企業の行動計画、さらにはプランの見直しにつなげていく、そしてPDCAサイクルを定着させるということについて言及がある。具体的な施策をそれぞれ国、自治体で毎年予算を組んで事業実施するというサイクルで進めていく、そしてプランをそれぞれ、自治体も行動計画を作っているので、そのフォローアップもするということである。毎年のサイクルの中で、利用者の役に立った事業ができているかどうかについて、その実施状況の効果測定ができる点検・評価の指標を提示していただきたい。
 それから、「利用者の視点からみた点検・評価の課題(~これまでの議論から~)」というところだが、これは、中間報告に指摘されている課題の中で、特に利用者の視点から見た課題、点検・評価の課題を拾ったものである。
 大きく箱が4つある。一番上の箱は、使いやすさはどうかということである。○が3つあるが、1つ目が、例えば、短時間勤務のニーズに対する企業側と従業員の認識のギャップ、制度の従業員に対する周知が不十分ではないかという理由により、利用が進まないという点。2点目が、地域における子育て支援拠点が整備されても、気軽につどい、相談・交流しやすい場になっていないなどの理由により、利用が進まないという点。それから、各地域の取組が住民ニーズを踏まえた形で展開されていないという点である。矢印は、これはどういうことを示しているかを書いている。今の点検・評価は、プランの中にいろいろ指標が入っているが、事業の整備の進捗状況とか事業量の把握等が中心になっている。利用者にとって使いやすいものになっているか、地域によるニーズの差異を踏まえた視点が希薄ではないのかということである。
 2つ目の箱は、施策の連携は十分かということである。保育所の年度途中の入所が難しいため、育児休業を途中で切り上げざるを得ない、育児休業中は社会保険料が免除されているのに、産前産後の休業期間中はこれが賦課されているなどである。矢印にもあるように、現在は各施策それぞれの進捗状況の把握という視点が中心であり、施策間の連携等に関しての不整合をチェックするという視点が乏しいのではないかということである。
 3つ目の箱は、継続就業の問題である。子どもが欲しいと考えている女性の6割が出産後の継続就業を希望しているにもかかわらず、現実には第1子出産の半年後に就業している女性は約3割である。現行のプランは、育児休業取得の目標などが中心で、その前に、育休の利用前に妊娠・出産を機に離職するというような継続就業の問題に係る目標は設定されていないということである。
 4つ目の箱は、特にプランの見直し等を意識して、事務局で案を作成したものである。1つ目は、各施策の効果であるが、少子化の歯止めに直接寄与するよりも、経済的基盤の確立、継続就業の見通し等に対する効果を通じて少子化の歯止めにつながっていく。それを国民の目から見てわかりやすく施策を整理するという視点も必要なのではないかということである。2つ目は、それまでの実施状況を適宜反映して、毎年、実効性を高めていくことが求められるということである。この点では、例えば、毎年の事業の予算、あるいは予算を組むに当たっての前々年、前年の実績の評価というものが、国民に見えやすいプロセスでどういう形で評価されているかがわかりやすくなっている必要があるのではないかということである。
 次のページ以降は、この1ページ目の目次に沿って、中間報告の引用又はこれまで出てきた統計をもう一回整理したものである。
 2ページ目は、点検・評価分科会の基本的な視点ということで、中間報告そのものを引用している。先ほど紹介したとおりのことが書かれている。
 次のページは、短時間勤務のニーズの関係である。重点戦略の中間報告では、制度利用に対する企業の経営者や管理職への意識改革、従業員への周知、企業による従業員のニーズ把握の取組の促進、情報共有化など、休業者が出てもカバーできるような仕事の仕方の見直しのためのノウハウ提供を行うという指摘がなされている。
 4ページ目の調査は、雇用者、企業側それぞれに調査しているものであるが、各種の育児支援制度について、左側の方は、雇用者に対してどういう制度を利用しているか、「利用しているか」、「利用していないけれども、できれば利用したいか」を聞いたものであり、短時間勤務制度は、これからできれば利用したいという人も含めて46.1%と非常にニーズがある。その一方で、企業の側では、それらの制度を導入していないと答えた企業の中から、その導入していない理由を聞いたものである。短時間勤務については、21.6%が「ニーズがない」という認識である。
 次のページは、1つの企業を対象に調査をしたもので、その企業の中のトップの経営方針、その企業の中の管理職、その企業の中の一般社員それぞれについて、育児休業制度等の両立支援制度についての周知の意識を聞いたものである。一番上が企業調査で、自社の育休などの仕事と家庭の両立支援を従業員に周知しているかという経営トップの認識であり、一番下は一般社員の認識である。やはり企業トップの方針と管理職、一般社員の間で認識のギャップが存在しているということが表れている。
 6ページは、子育て支援拠点の使いやすさという問題である。これは実施主体による差異もあり、使いやすいところもあれば、そうでないところもあると思うが、重点戦略の中間報告では、ニーズが高まっているとされながらも、「気軽につどい、相談・交流しやすい場になっていない」ということが、「事業量が十分ではない」ということと同時に指摘されている。
 次のページは、地域差の話である。地域差の話は、地域ごとに特有の課題があり、それへの対処という切り口と、もう一つは、各市町村における事業の整備状況によって地域差があり、どこに住んでいるかによって支援メニューが行き届かない場所もあるのではないかという切り口である。
 待機児童の例で8ページをご覧いただきたい。待機児童1万8,000人の内訳である。ピンク色の四角(保育所入所待機児童1万8千人の内訳)の下にも書いてあるが、特定市区町村、つまり待機児童50人以上の市区町村において、この待機児童は9,000人と3,000人で大体その総数の70%を占めている。右側に地図があるが、色の濃いところで非常に甚だしいということである。
 9ページ目は、希望する時期より保育所に入所が遅れた児童の割合(地域別)になっている。待機の期間別に色分けしてあるが、総数では11.6%の児童が希望する時期より保育所に入所が遅れている。これを人口別に見ると、指定都市が一番高く、全体の20%ぐらいの方が待機児童になっている。中でも4.8%は、1年以上、12カ月以上待機したということである。
 次のページをご覧いただきたい。同じ統計を子どもの年齢別に出したものである。1歳児、2歳児について、特に待機の割合が高い。1歳児のところの、例えば1.8%は12カ月以上であり、ゼロ歳のときに申し込み、1歳のときに入ったということである。
 次のページは、年齢別に保育所の入所児童数を4月と10月と3月に表したものである。特に3歳未満児については、育休明けなどで年度途中で入所する児童が少なくなく、入所児童数の差が3歳以上児に比べて大きい。
 12ページ目は、中間報告で我が国の少子化対策の課題で、産前産後の休業期間中の社会保険料免除のことが記載されている。育児休業中は、今、社会保険料が免除されているが、一方、産前産後の休業期間中は、多くの場合賃金が支払われていないが、社会保険料が賦課されている。これは継続就業環境の観点から問題があると指摘されている。
 13ページ目は、女性の出産後の就業継続についてである。この調査は、意識調査で「子どもが欲しいですか」とまず聞き、「欲しい」と答えている女性に対して、さらに、子どもが生まれるまでの間、それから生まれて以降、それぞれ年齢別にどのような就業形態をとりたいかということを聞いたものである。「子どもが1歳になるまでの間」というところに○がしてあるが、これを見ると、育児休業の取得も含めて継続就業を希望する者が6割ぐらいいる。
 次のページは、実際にどうであったかというものである。同じ人に、出産の1年前と、それから出産半年後に聞いたものである。出産の1年前には全体で、常勤やパートや自営業を含めて73.5%の人が有職であったが、出産の半年後では、育休取得中の人も含め、25%ぐらいの方しか継続就業していない。そのため、出産1年前に有職であった割合を100とすると、大体3割の方が出産後も有職であり、先ほどの調査と合わせると、6割ぐらいの方が出産後の継続就業を希望しているが、実際のところ有職の方は3割ぐらいということである。
 次のページの調査は、継続的に同じ対象者に対し調査を行い、出産の1年半後、2年半後の傾向がこの調査で出ている。出産の前後ほどの大きな差はないが、だんだんと出産前からの継続就業者割合が減っており、その一方で、出産を機に1回仕事を離れたが、再び職についたという方もいるということがわかる。
 16ページは、子どもの出生年別に、第1子出産前後の就業経歴を母親に聞いたものである。それぞれの要素棒の一番下が育児休業を利用して就業を継続したという方の割合であり、下から2番目が育児休業を利用しないで就業継続したという方の割合である。その2つを合わせて、結果として就業の継続が図られた方ということになるが、育児休業を利用して就業を継続した方の割合は、年々、5.1%から徐々に上がって、2000年から2004年のところでは13.8%で、その割合は上がっているが、育休なしで就業継続した方を足し合わせると、その割合は25%ぐらいで余り変わっていない。要は、継続就業の割合は、必ずしも全体として増えていない。育休の割合は増えているが、全体として継続就業の割合は増えていないということがわかる。
 資料2の説明は以上である。
 資料3は、現在の点検・評価の指標はどうなっているかということで、今の「子ども・子育て応援プラン」の内容である。
 子ども・子育て応援プランは、1枚目の下の右側にあるとおり、「4つの重点課題」という章立てでつくられている。若者の自立とたくましい子どもの育ちから、子育ての新たな支え合いと連帯までという、結婚、出産といったライフステージに応じて施策が分類されている。
 次のページをご覧いただきたい。実際どんな指標があるのかというのを見るために、3分野ぐらいをピックアップしてみた。まず、若者の就労支援としては、今後5年間の目標として、例えばトライアル雇用の常用雇用移行率を80%にする、キャリア・コンサルタントを5万人養成する、というものがある。
 2番目は、継続就業環境整備ということで、次世代法に基づく認定企業数を計画策定企業の2割以上にする、ファミリフレンドリー企業700社以上を表彰企業数にする、育休を全企業で就業規則に定めるようにするという目標である。
 3番目は、地域子育て支援センターなど地域の子育て支援拠点の目標である。これは、全国で6,000カ所、全国の中学校区の9割、全部で整備する。待機児童などは、保育所の受け入れ児童数215万人に拡大という受け入れ児童数でその指標が設定されている。主に事業量の整備といった割合が多い。最終的には、こういったところに利用者の視点に立った指標が盛り込まれるかということになってくる。
 資料の説明は以上である。

○佐藤主査
 今日は資料2をメインに議論していただく。その前に、中間報告以降の経緯の資料1について、質問があれば伺いたい。

○案田委員
 私どもの動きと、ワーク・ライフ・バランス推進官民トップ会議のところの動きがあるが、ワーク・ライフ・バランスは、私たちの中でも議論しており、子育てにとって非常に重要な環境整備である。子育てをする方たちの中で、特に子育てに関連した働き方のあり方というものがこの分科会の中では中心的な指標になってくる。ただ、そこだけが突出してしまうということは難しく、企業の中で見れば、ワーク・ライフ・バランスということで、他の方たちの働き方ということも同じように進めていかなければならない、子育てだけが突出するのはなかなか難しいという議論もあったと思う。私どもが今後点検・評価というものを出していく指標とワーク・ライフ・バランスの考え方の中で出してくる指標は、余りワーク・ライフ・バランス推進官民トップ会議を意識しないで、私どもは私どもの中で進めていくということでいいのかどうか、あるいはその部分は向こうが重点になるのかを伺いたい。

○柴田内閣府政策統括官
 資料の4ページをご覧いただきたい。ワーク・ライフ・バランス推進官民トップ会議が、7月に第1回が行われ、その後は、具体的にこの下に設置された行動指針策定作業部会で議論している。このトップ会議及び策定作業部会の役割は、ワーク・ライフ・バランスの憲章をつくるということと、具体的にどう進めていくかというものを記した行動指針をつくることである。現在、憲章と指針をそれぞれどう書き分けるのかという話があり、ここから先は具体的に議論が出ているところと出ていないところがあると思うが、まずは、指針の中で一定の取組の方針を書く場合に、どういうところを目指すかという目標数値を決めなければいけない。これは、骨太の方針にも、例えば、就業率とか労働時間に関する目標数値を設定すると書いてあるので、まずはその辺をやっていくというのが一つ。
 それから、もう一つは、目標数値を決めても、それがどれだけ進んでいるかという進捗状況を見る指標を考えなければいけない。ここについては、もちろん労働という面もあるが、ワーク・ライフなので、生活の面でワーク・ライフ・バランスがどのように進んでいるのかというのを見る指標をある程度つくり、その指標に照らしながらどのぐらい進んでいるかを見ていかなければならない。その指標作りについては、男女共同参画会議の下の専門調査会でその指標のあり方について今検討が進められている。11月に、できれば憲章と行動指針をまとめたいと思っているが、その中では具体的な指標、これとこれを使うというよりは、こういう考え方で指標を考えていくべきではないかというところまでになると思うが、憲章と指針を決めたら、その後、国民全体で取り組んでいかなければいけないので、その取組状況の進捗状況を先程の指標なども使って見ていこうと考えている。
 このワーク・ライフ・バランスの中で考えられている進捗状況の指針は、今発言したとおりだが、作業部会なりトップ会議で議論した内容については、この場にも報告し、もし何か気をつけた方がいいのではないかという話があれば、話も聞き、関係のところにもフィードバックしながらやっていくことになる。

○佐藤主査
 この点検・評価分科会で、中間報告でも、メインは少子化対策の点検・評価だが、働き方の方が大事で、そこからワーク・ライフ・バランスが出てきたわけだが、働き方に係るワーク・ライフ・バランス全体については、憲章なり行動指針で、そこに目標も入ってやっていくと思う。
 我々は、働き方全体については向こうに移ったが、こちらが点検・評価するときに、少子化対策に関わるところの働き方については当然議論する、事務局の方に出ているが、議論の範囲には入ると思うが、全体の方は向こうに移るという理解でよいか。働き方についてここで全く議論しないという意味ではなく、少子化との兼ね合いで、こちらでは点検・評価する議論の中に入ってくる。
 資料2について意見を伺うが、その前に、回数も少なく時間も限られているので、私から確認させていただく。
 資料2の1ページ目、一番上に「基本的な視点」と書かれており、ここでは、利用者の視点に立って少子化対策の有効性を点検・評価手法を検討する、それによって、これまでの地方自治体、企業の行動計画や応援プランの見直しにつなげ、さらに計画的な施行につなげると書かれている。
 何を議論するかだが、幾つかあり、1つは手法を検討する。つまり、利用者の視点で、利用者のニーズに合っているか否か、利用者が使いやすくなっているか否かという点検。もう一つは施策の連携である。施策の連携が取れているか否かという点で見直しを行い、目標も従来の目標の立て方で良いか、利用者ニーズや施策の連携ということを考えたときの目標になっているかである。最後は回し方である。そういう手法を考えるということがある。
 もう一つは、手法だけではなく、同時に利用者ニーズや施策の連携、目標と言ったときに、具体的にこういう点を見直した方がいいという内容まで議論するかという点である。内容まで言うときに、例示的に挙げるのか、具体的に、こういうことを新しい少子化対策に入れる、利用者ニーズに合うようにする、施策の連携、目標についても内容までここで議論するのか。両方あると思うが、例えば、目標が育児休業取得率だったが、継続就業率が大事ではないか。これは、点検・評価のときの目標をもう一度きちんと見直し、その目標のあり方の議論の仕方だけなのか、もしくは、目標の中身まで、こういう目標が大事であるというところまで我々は議論をするのかで、距離がある。事務局は、どのように考えているのか。

○今井内閣府少子・高齢化対策第1担当参事官
 基本的なイメージは、佐藤主査が指摘された前者の方が中心になる。例えば、プランの関係では、今のプランは平成21年度までである。その中身は、もしそれが整備目標とか、あるいは率も含めて、例えば新しい年度が近くなった段階での実施状況を踏まえて、まさにこの分科会で提案いただいく指標等を踏まえて何か実施状況を評価して、それでつなげていくということになるかと思うので、その段階である程度それまでの実績というものを見て、実際の中身が数字の高さとかそういう問題であるとすれば、そういった部分を見る点も出てくるかと思う。ただ、今の段階で施策連携の問題等を見通せるような内容もあるのではないか、提言いただけるような内容ももちろんあるのではないか、そのように思っている。

○佐藤主査
 施策の連携が利用者ニーズの点からも大事であるとここで言った場合、例示としてこういう点を見直す必要があると中身についても言うのか、そこは実際動いている。そうすると、委員の方にどこまで意見を伺うかというのがある。

○柴田内閣府政策統括官
 例えば、施策の連携が必要だというときに、この辺はやはり足りないのではないかという話がないとその話に行きませんから、この11月までの限られた時間の中ですべて網羅的にやれるかというところは現実問題として難しいところがあると思うが、目につくような話は指摘いただいて構わないと思っている。

○佐藤主査
 今の進め方についてでも結構である、質問なり意見を出していただきたい。

○藤本委員
 今のことに関連して言えば、いろいろな施策があるが、特に母子保健事業は、事業の主体が市町村単位になっているが、これは非常に利用しにくさやいろいろな格差の原因になっている。少なくとも県単位、あるいはもう少しその幅を広げるような、要するに道州単位のような大きな中で取り組まないと、均一した良いサービスができないのではないかと思う。そういうことになると、今の枠組みの中では非常にやりにくい。少しやりやすくなるような制度的な何か取り決めがあった方が良いと思う。そういうことまで議論の中に入るのか。

○柴田内閣府政策統括官
 要するに点検・評価を何のためにするかと言うと、その次の話にもちろんつなげるというのがもともとの大目的である。例えば、今の母子保健事業をこういう方向に持っていくべきではないかというところまで言えるか否かというのは、この限られた時間の中ではなかなか難しいかもしれないが、例えば今までこういう観点が足りなかったのではないかなど、そういう指摘は当然いただきたいと考えている。

○佐藤主査
 施策の連携と言った場合、例えば企業の働き方の見直しと地域の保育差の連携が必要であるなど、例示を挙げるような意味を考えれば良いのか。施策の連携の中に、指摘いただいたことが大事であったら、「こういう連携が大事で、例えばというような形で挙げる」というようなイメージであるのか。そうすると今みたいなことでまた議論して良いのだが、事務局の用意した箱は、今は、利用者ニーズ、施策の連携、目標・PDCA、動かし方と、この箱が4つでいいかどうかということも含めて、もう1個ぐらい実は大事というのがあるかもしれない。あとは箱の中にメインなものとして施策の連携といったときに、こういう連携が問題であるというようなことを挙げていただく。目標といったときに、やはり利用者ニーズ、こういう目標を見ないと、実は利用者ニーズに即した少子化対策は進んでいないのではないかという点を、ある程度新しい視点から見ていただきたい。例示もあれば説得力があると思う。

○大矢委員
 実際に点検・評価をするに当たっては、目標が明確になっていないと、たくさん調査するだけで連携がよくわからないことがある。繰り返しになるが、基本戦略分科会との非常に綿密な連携と、それからその目標の具体性というのをお互いに連携し合わないとうまくいかないと思うので、その辺は是非お願いしたい。
 今の話は、調査の結果をもって評価に反映していくというところだが、実は評価をする、その調査設計に当たっても方針が重要になってくる。また、それをすることによって情報の発信とか共有化というのが非常に実務的にうまくいくと思うので、この辺は是非よろしくお願いしたい。
 また、基本的な視点、つまり、安心、安全、楽しいなど、数字に出にくい、いわゆる意識的なところを目標にするに当たっては、その点も点検・評価の中に入れてほしい。

○柴田内閣府政策統括官
 利用者の視点から見た点検・評価の手法は、問題意識はありながら、確立されていなかった。評価に当たって数字で押さえられるもの、それから利用者や関係者の方に聞いて積み上げていくものと、その2つを組み合わせていかないと、おそらく利用者の視点から見た点検・評価はうまくいかない。聞き取りの方法については、私案であるが、やはり利用者に直接アンケートをとるとか、あるいはネットや何かで少し意見を寄せてもらうとか、できるだけ利用者の方々が何を考えているかを直接聞くような仕組みを併せて並行して行う必要があると思う。PDCAサイクルということからすると、翌年度の予算にすぐ反映するというのは現実問題として難しいので、前年度の実績を踏まえて、翌々年度の予算に反映するという、2年サイクルのようなものを念頭に置いてやらないといけない。データや情報の収集方法は、2年サイクルで回すことを念頭におくべき。なお、このような調査は、例えば毎年やらなくても節目でやるなど、いろいろな組み合わせがあると思う。私案であるが、そのようなことも御議論いただけたらと思う。

○大矢委員
 やはり企業の中でも、消費者やお客様に説明するときには、今は情緒的なことだけではなかなか説得できない。その情緒性を導き出すための数値目標がもちろんあると思う。そこのところと連携していかないとなかなか浸透していくのが難しいと思うので、是非お願いしたい。

○案田委員
 今の意見に関連して、結局、そういう手段と目的が連鎖していきながら、最終的には、私の理解では結婚や出産に関する国民の希望の実現ということであるので、その実現度とギャップがどうなっているかが最終的な形だと思う。その政策の効果性がどうかということについて、手段と目的がどうつながっていくかが大事であり、それから政策と同時に運動という視点をかなり入れていくという部分があるので、そこの部分は、政策が運動と絡み合いながらどういうふうに着地していくかでつながりを見るということだと思う。いろいろな調査は、できるだけ数値に表していきながら、どこに課題があるかを見ていくという視点が大事と思う。

○大日向委員
 自治体の施策と住民ニーズのずれをどう埋めていくかということを考えると、自治体によって住民ニーズと自分たちがやっていることはずれていると自覚がある自治体と自覚のない自治体がまずある。自覚のない自治体にどうやって自覚を持ってもらうかという手法の提携がある。
 また、自覚はしているが、他の自治体、国など社会全体の動きに引きずられて、それをしないとどうも遅れていると住民から言われるのではないか、そういうネガティブな方向で走らざるを得なくて、本当のニーズは違うのではないかと思いつつも、財源の問題もあってなかなか踏み込めないという自治体もあるだろうということが2つ目の問題である。
 それから、先ほどの話で、数値目標なのか、もう少し具体的にヒアリングするのかという点についてである。どの自治体も漠然としたアンケートだけをやろうとしているところは少なくて、次世代育成支援対策推進法の基づく行動計画の進捗状況をチェックする委員会として会議を立ち上げているところも幾つかあり、チェックの結果を施策に反映するような手法をどう取り入れているかということをある程度公表することもあると思う。また、パブリックコメントを取り入れるところもあって、かなりきめ細かく手法は提言できる段階に来ていると思う。そのタイミングに、今回、資料2の1ページのような案を出していることは有意義であると思う。

○渥美委員
 これまで十数年、会議があったが、PDCAサイクルがうまく回っていなかった。プランの再構築の資料については、特にDの「実施」とCの「チェック」の間が分断されていると思う。この点では、点検・評価分科会は有意義だと思うし、今回の議論は大切だと思う。
 DとCの分断について、子ども・子育て応援プランをまとめた資料3を配布しているが、例えば4つの重点課題で上げているもの、さらに例示された数値目標はそれぞれ大切だと思う。子育てしやすい環境、生みやすい環境につながるとは思うが、プランは総花的に、つまり、特に関連省庁が関連するものを出してきたものを全部まとめたような感もある。そうすると、結局優先順位がつけにくいし、それを実施することによって、Doの実施をした後、では少子化の傾向に歯止めがかかるかどうかの検証がすごく難しい。
 出生行動に影響を及ぼしている要素は、人口構造の変化に関する特別部会の議論の整理が示すように幾つかあるが、まず、結婚を考える段階では、経済的基盤がかなり打撃を受けたいわゆる失われた10年の間に、若い世代は非常に経済的に難しい状況もあったと思う。企業では、賃金カーブ、出社年次が数年違うだけでかなり変わっていて、若い人たちの経済基盤をどうするかということが1つあると思う。
 特に女性は、就労継続したい人たちが多い中でできない。希望6割と現実3割のギャップにも関連して、片働きモデルから共働きモデルに変換すべきだった十数年に、企業は経済的状況が厳し過ぎて、そのモデルチェンジがうまくできなかった。そこで今一生懸命やろうとしているのがワーク・ライフ・バランスであるが、その就労継続できる見通しというのは軸としては重要だと思う。
 さらに結婚してからは、私も1歳児を妻と一緒に育てようと日夜奮闘していて、自分の意見が常に妻からチェックを受けて、言行不一致にならないように夫婦間の家事・育児の分担がかなりシビアに妻からチェックを受けている。やはり男性の働き方を見直すというところは重要な要素なので、今後、施策にこのような要素をリンクさせて、次のプランの再構築、目標の再構築というのはあってしかるべきかと思う。
 私は、点検・評価分科会の再開までの空き時間に、せっかくなので各自治体、都道府県と政令市を全部回ってヒアリングしようと思い、3分の2ぐらい回り終えた。国の基本的な方針に従う中で、地域の特性、地域の住民ニーズにできるだけ即してやっている自治体とそうでない自治体の濃淡がある。ユニークなアイデアもたくさんあり、自治体間で情報交換して、良い取組は積極的に全国的に広げるというやり方をしている。そういう意味では、大日向委員の意見のとおり、自治体からの情報収集は、優先的にこのチェックの部分でもやった方が、国の施策の検討にとっても良いと思う。

○佐藤主査
 点検・評価分科会の進め方としては、利用者の視点に立った少子化対策の評価の重要性について、しっかり議論した方が良いと思う。大日向委員の意見では、その点の理解が浅い自治体があるようなので、そういう視点が自治体、企業、国も含め、なぜ評価の仕方が重要なのかをしっかり記述するほうが良いと思う。具体的な利用者の視点とは、利用者のニーズ、利用のしやすさ、施策の連携といった視点だと思う。

○案田委員
 1つの地域の中で企業の施策と地域社会の中の施策とがどう連携をとって具現化されるかということで見たときに、小さく見た方がいい地域もあると思う。やはりベビーカーで回れる地域という単位で見ることも必要であるし、都市型であれば、通勤距離がかなり遠い場合、居住地域だけでなく広域的な見方が必要な地域もあると思う。その点が重要だと思う。

○大矢委員
 利用者の立場からみるのであれば、ベストプラクティスという事例が既に幾つかあると思う。その事例をもとに、評価を決める手法もあると思う。非常に効果のあったプランを吸い上げて、その中で何が効果的かといった手法もあると思うので、検討してほしい。

○前田委員
 このような子育て支援策等を検討する委員会等で、委員各々がもつ子育て世帯のイメージが多種多様である。高所得の共働き夫婦をイメージしている方もあれば、私の方は、虐待などのハイリスクをもつ世帯がどうしても頭に浮かぶ。最近では月額利用料が20万円ほどの学童保育もあるそうで、どんなにお金を払っても長時間預かってほしいという階層もあれば、4,000円、5,000円でも厳しい世帯など、随分ギャップがあると思う。
 藤本委員からも指摘があったが、母子保健関係の指標がないと思う。例えば、産婦人科の崩壊が急速な勢いで進んでいるが、基本的に生む場所がない。実際に産婦人科へ行くと、医師がふらふらになって診療している状態がわかる。かかりつけ医を持たない、健診経験の全く無い妊婦さんが救急車で運ばれてくる例も増えている。そのような妊婦のお産はハイリスクである。それから、出産後、赤ちゃんを置いて逃げるような母親もいる。そうしたケースなど出産関係には様々な問題があり関心が集まっているのに、母子保健関係の喫緊の指標のようなものが、少し抜けている気がする。
 「保育所の年度途中の入所が難しいため、育児休暇を途中で切り上げざるをえない」というのは、解決策は簡単である。保育所をいつも定員割れさせていれば良いわけだ。定員割れを常に起こすような状態にしておけばいつでも入所できる。都心で待機児童があるような状態で、果たしていつでも入れるような状態をつくることが可能かどうかということを考えれば、今の何倍ものお金をつぎ込む覚悟が必要なのである。そんな状態に本当になるのか。
 それから、つどいの広場などの地域子育て支援拠点は義務的事業ではない。保育所の増設や児童手当の拡充は自治体にとって義務的経費の増であり、子育て支援関係予算全体の割合の多くを占めている。放課後児童クラブ、乳幼児の一時預かり、つどいの広場事業などの、小さな子育て支援関係の事業が圧迫されていることは事実である。一昔前にいろいろな整備をしてきた自治体は、今は財政難で、既存のサービスを維持できるかどうかの際どい状況まできている。それが実情なので、数値であらわされることは良いことであるが、資源がない状態で頑張れと言われても非常に難しいというのが実情ではないかと思う。つまり、指標を設定するのであれば、自治体の立場としては、厚生労働省の子育て関係予算の伸び率はどうなっているのかと、当然着目するわけなので、その点も考えてほしいと思う。

○佐藤主査
 利用者ニーズについて、どのような利用者を想定するかは非常に重要である。実際の子育て期の人だけでなく、結婚してまだ子どもはいないがこれから子どもを持とうと思える意識を持てるような子育て支援の状況があるかどうかが大事で、将来の利用者も対象だと思う。将来の利用者が、安心してこの地域で子どもを生んで育てながら、例えば仕事をしたい人は続けようと思えるかどうかということも大事な視点との議論が先日もなされたと思う。

○渥美委員
 先ほどの前田委員からの利用者イメージの相違という点について、まず所得で見ると、本当に低所得で困っている人たちはアンケートに回答してこない、つまり、そのサンプルマイナスが発生しやすいので、データに基づいて考えるために統計というのは重要だと思う。それを全国規模で、もっと自治体レベルで分析できるようなサンプル数の拡充というのは是非お願いしたいが、それでもまだ捕捉できないニーズというのは確かにあると思う。こんにちは赤ちゃん事業などで、行政が家庭訪問のチャンスをつくって、そこに行政サービスが行き届くようにという、そういうアプローチ自体は正しいと思うが、ニーズの捕捉は、例えばグループインタビューやつどいの広場に出向いて、意見集約などいろいろな方法はあると思う。
 また、地域還元ということがさらに重要かと思う。例えば、アンケートを実施するときに、国はこうなっているけれども、自治体の特性としてはこういう住民ニーズがあるようだというところでの差別化で施策を地域の住民ニーズに合ったものに、オーダーメイドにすることだと思う。国がしっかりつくって、それを早い段階で情報提供すれば、同じ手法できめ細やかなニーズ把握ができると思うので、検討していただきたい。

○藤本委員
 利用者の視点ということになった場合、数値化できない部分もあると思うが、一番代表的に取り上げるべきは、利用した方の満足度だと思う。どのような施策でも満足度を高めるには質が必要だと思う。1つの例として、妊婦健診があげられる。産科の領域では、妊婦健診を受けたことがない、いわゆる飛び込みのお産が一番怖い。しかし、健診の回数をこなせばよいということでもない。どういうところで、どういう健診を受けるかが大事である。質の評価は、何回受診したかでなく、その健診の質が高まれば高まるほどその健診から異常が見つかるということ。異常が見つかったからいいではなくて、異常が見つかったら、それをどう解決するかというところまで踏まえた評価をするシステムをつくらないと、本当の意味では点検して評価したことにならないと思う。今回、時間的な制限はあるが、そういったところまで踏み込んだ評価方法を決めていった方がよいと思う。

○佐藤主査
 利用者の視点からみた点検・評価の方法についてしっかり議論してきた。利用者ニーズといっても利用者はどのような立場の人か、また、今後利用する人も含めて、目標も数値だけではなくて質も配慮したものというようなことだと思う。施策の連携も、企業や地域の保育サービス、医療を含めた考慮が必要であるし、地域の範囲をどこまで考えるかということもある。PDCAサイクルの具体的な回し方の問題もある。質の評価では、やはり例示をあげないといけないと思う。ただ、それを我々が全くゼロからはできないので、中間報告の中で議論したものを使いながら、少し評価の仕方の例示が書ければいいかと思った。

○藤本委員
 妊婦健診について市町村に通達されたようで、健診について助産師を活用するというような通達だと思うが、果たして本当にそれでいいのかどうか。やはり指標や目標については、質を高める意味でも初めからきちんとした計画に基づいてやらなくてはいけないと思う。最初の通達を出すときにしっかりとした基準で、その後のアウトカムを評価できるようなものでないといけないと思う。既存のものを、あらためて点検し直す必要があるかと思う。

○渥美委員
 自治体を回っていると、ワーク・ライフ・バランスの推進に関して、企業にアプローチしたり、例えば、地域で先進企業の事例は、是非他企業に知らしめるために知りたいということを考えたときに、なかなか先進事例が自治体の人の目には入りにくい。行動計画を策定している企業は幾つもあるが、そこを労働局が集約して持っているが、その情報を自治体には流さない。企業名はまず出さないし、内容も、行動計画の中身も見られないので、結局またゼロから探すような形になってしまう。厚生労働省から、情報共有するようにという通達があるのは知っていて、その通達も見ているが、実態として情報共有が現場でできているかというと、本当に皆無に近い状況である。その点に自治体はかなり不満を持っており、せっかく国の方針に自治体として協力しようと思って、行動計画を立てる企業だったらそういうことに理解があるだろうし、先進事例としてユニークな事例を連携してやりたいのに、そこがボトルネックになっているということをどこでも言われてしまう。そこが何とかならないかと思う。情報を厚生労働省が集約して各自治体に流すことなども良いと思う。自治体が動きやすいような情報提供というのは、国として是非考えていただきたい。

○柴田内閣府政策統括官
 今後、点検・評価分科会という名称のままで存続するかは別だが、点検・評価を行うのは、我々役所ではなく、いろいろな分野の有識者の方からお話を伺う、指摘をいただく、そういう仕組みで点検・評価をしていくということは、恐らく今後、この11月の後も、ずっと続けていくべきものがあると思う。また、利用者の視点からの評価はこれまでも余り考慮されていなかったということもあるので、どの程度かははっきりしないが、前に進もうと考えている。行き着く先が100点満点、何をもって100点満点かわからないともいえるが、今までほとんどやっていなかったということからすれば、50点でも60点でも、まずできるところからやっていくということが大事なのではないかと思う。その後の50点もしくは40点の差のところは、さらにその後、このような組織が続いて議論をいただくということであれば、その中でさらに整理していくというやり方があるのではないかと思う。また、少子化対策における利用者の視点という話になると、どうしても親や保護者の立場になりがちなので子どものことはどうかという話がよくでる。それは確かに大事ということは言えるが、では一体子どもの育ちにとってどうプラスになっているのかを評価するというのは、これはなかなか簡単ではないというところもある。利用者主体の評価ということであれば、長い目で見ればその点も入れていかなければいけないと思うが、今すぐにというのはなかなか難しい。つまり、今できることから、少しでもこの利用者の視点から点検・評価することができるものをやっていく。それで、徐々にそのレベルを上げていくということではないか。点検・評価の仕組みというのはこれからも残るので、足りないところがあればまた議論していくということもあるのではないかと思う。今回の取りまとめでは、そういうことも含め、具体的なものがあってももちろん結構であるし、今後議論していくときに、そのようなことを考えながら議論していただければ幸いである。

○佐藤主査
 ただ今の説明のように、点検・評価の考え方、必要性、仕組みを我々としてまとめて、最終的には、そのような仕組みを国、自治体でやってくださいということも当然記述することになると思う。断言するわけではないが、何らかの形で提案するだけではなくて、そういうことやってくださいということを記述したいとは思っている。

○大日向委員
 柴田統括官の説明の特に後半では、同じようなことを考えていた。私たちは今まで、ニーズにいかに応えるかということを議論してきたと思うが、そのニーズそのものを評価することも必要かと思う。特に、説明の中でも触れていた子どもの発達保障という点から考えたときに、親のニーズと子どもの発達保障、特に保育の質ということを考えたときには、どういうバランスで考えていくかということもいずれ重要な課題だと思う。すべてのニーズに応えることが適切かどうかということも、ここでいずれは、評価というときにはニーズ評価もできると考えて良いかと思う。

○佐藤主査
 そのように、利用者ニーズは何なのかという視点を入れることは大事だと思う。考え方をきちんと整理することも大事だが、ではすべてかと言うと、我々時間が限られているので、基本的な考え方は、少なくとも整理しておいた方がいいかと思う。
 さて、それでは、今後の進め方について事務局から説明していただく。

○今井内閣府少子・高齢化対策第1担当参事官
 今後の進め方及び日程に関して説明する。既に各委員には日程調整をしていただき、感謝申し上げる。次回は、10月19日金曜日の10時から12時まで。渥美委員から、本日の議論も踏まえていろいろと発表していただく。また、事務局の方で整理し、課題の整理のようなものを示し、また議論いただきたい。次回はそのように考えている。次々回は11月7日で、もし可能であれば、取りまとめの文章の案のようなものができたらと考えている。予備日として11月12日、13時から15時を考えている。

○佐藤主査
 事務局には、本日の議論の論点を整理したものを次回配布するよう、お願いしたい。

○柴田内閣府政策統括官
 先ほど、大日向委員からの子どもの育ちとの関連であるが、これは、言うはやすくして、なかなか現実にどうするか難しいところがある。だから、それをいきなり評価などということではないが、どういうアプローチを試してみる必要があるかというようなことは、小さいサンプルでも何でもいいので、そういうところでやってみるのも一つの方法かと思う。ただし、その方法については、いろいろとご示唆をいただきたい。

(上川内閣府特命担当大臣入室)

○上川内閣府特命担当大臣
 今日は、第6回の点検・評価分科会ということで、大変お忙しい中、御熱心に御議論いただき、感謝申し上げる。
 今、日本は急速に少子化が進み、昨年末の将来推計人口でも大変厳しい見通しが示されている。私も地域で活動していると、地域社会の中から子どもの姿がどんどん見えなくなっている。子どもは希望の象徴であり、また子どもを中心に地域が活力を得ていくものと思っているので、この少子化の問題は、地域の問題とも非常に密接にかかわるという意味で、今度の福田内閣の中でも地域活力の問題ということで取り組んでいるが、そうした面での関係も大変深いものだと思う。少子化に歯止めをかけるためには、結婚、出産し、子どもを育てるということに喜びを感じていただけるような施策のパッケージが必要ではないかと思う。
 6月に「子どもと家族を応援する日本」の重点戦略ということで中間報告の取りまとめをいただき、この中で点検・評価分科会の中間報告として委員の皆様から今後の分科会のテーマとして、利用者の視点に立って、少子化対策の有効性を点検・評価するための手法などの検討を行う必要があるという指摘があったと承っている。現在、少子化対策としては、あらゆる施策を総動員しようということでさまざまな施策が講じられているが、それらはいずれも利用者にとって真に役立つものでなければ意味がないので、そのための利用者の視点に立った点検・評価は御指摘のとおりであるし、そして、そのことを十分に生かしていくためにも、この分科会でさらなる精力的な御議論をいただきたいと心からお願い申し上げる次第である。
 これから年末に重点戦略を取りまとめということであるが、施策のパッケージをしっかりと提言できるように、お力を頂戴して実り大きいものにしていきたいと思っているので、よろしくお願いしたい。

○佐藤主査
 次回、本日の議論を踏まえて、上川大臣が発言された形で点検・評価の仕組を検討していきたいと思う。

5.閉会