「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議 第8回 点検・評価分科会 議事要旨

1.日時

 平成19年11月7日(水)(木)10時00分~10時57分

2.場所

中央合同庁舎4号館4階共用第2特別会議室

3.出席者


(有識者)
佐藤 博樹  東京大学社会科学研究所教授(分科会主査)
渥美 由喜  株式会社富士通総研主任研究員
案田 陽治  日本サービス・流通労働組合連合副会長
大日向 雅美  恵泉女学園大学・大学院教授
奥山 千鶴子  特定非営利活動法人びーのびーの理事長
藤本 保  大分こども病院長
前田 正子  (財)横浜市国際交流協会理事長

(欠席者)
大矢 和子  株式会社資生堂監査役

4.議事概要



 本日は、前回の議論、更にその後、委員の皆様からいただいた意見を踏まえ、本分科会としての議論の整理をとりまとめていただいているので、それを議論し、できれば分科会としての最終とりまとめをしたい。
 それでは、今回の資料について、事務局から説明願いたい。

○今井参事官
 資料1「点検・評価分科会の議論の整理(案)」は、分科会のとりまとめの文章本体である。参考1「点検・評価分科会の議論の整理案の概要」は、これまでの分科会の議論を集約した資料1の構成の見取り図である。最初に参考1で全体の構成について説明したい。
 まず、「点検・評価の基本的視座」であるが、利用者の視点に立って施策の有効性を点検・評価する手法を構築する必要性、それから点検・評価の結果を行政施策に反映させるためのPDCAサイクルの確立の必要性の2点である。
 次に、「利用者の視点からみた点検・評価の現状と課題」ということで、主に現在の点検・評価の視点に欠けているものは6つあるということで議論していただいた。
 上から説明すると、1つは継続就業率に代表されるように、出産後も仕事を辞めずに働くことができたかなどに着目した政策目標は現状では設定されていないということ、2番目に、利用者の多様性を念頭にすべての子育て家庭に着目するといった視点が乏しいということ、3番目に、各施策が国全体でどこまで進捗しているのかの把握が中心であり地域差に着目するといった点が乏しいこと、4番目に、支援策相互の連携が取れているか、行政の組織体制の連携は取れているかといった視点が乏しいこと、5番目に、サービスの量的な整備の状況の把握が中心であって、質の評価といった視点が乏しいこと、最後に、周知されているかとか、使いやすいものになっているかといった運用面に着目するといった視点が乏しいことである。
 そして、「今後のあり方」ということで、まずは結婚、出産や子育てに対する希望の実現度に着目する必要性、利用者の多様性を念頭にすべての子育て家庭に着目する必要性、地域差に着目する必要性、支援策相互の連携に着目する必要性、量的な整備だけでなくサービスの質にも着目する必要性、支援策の周知、利用しやすさなど運用面にも着目する必要性、このような6つの視点を提示させていただいている。
 次に、「利用者の視点に立った点検・評価の導入に向けて」ということで、こういった視点をどのように具体的に取り入れていくかである。
 まず、「利用者の視点に立った施策の再構築」ということで、1つは結婚や出産・子育てに対する希望の実現という観点からの施策体系の整理である。経済的基盤や継続就業できる見通し等、結婚や出生行動に及ぼしていると考えられる要素に対応させて各施策を整理していくことが考えられる。2つ目は、利用者の視点に立った点検・評価のための指標の導入であり、例えば、支援策の利用率、周知度合い、あるいは国民の希望の実現度といった指標を新たに導入していくということである。
 右側は「点検・評価手法の充実」ということで、そのためにどのような手段を充実させていく必要があるかということであるが、1つは既存統計の改善・工夫であり、継続就業率に代表されるような指標、ワーク・ライフ・バランスの関係の実現度など、これらを継続的に把握していくということである。また、統計等で把握できない部分については利用者意向調査等を実施して把握する。
 2つ目は、それを施策に適切に反映していくということで、PDCAサイクルを確立していくということである。質の評価については、点検・評価手法を更に検討していく必要があるということである。
 以上が、今回の議論の整理、とりまとめ本体の構成である。
 続いて、資料1を見ていただきたい。これがとりまとめの文章本体であり、目次のとおり、5つの章から構成されている。2番目は「点検・評価の基本的視座」、3番目は「利用者の視点からみた点検・評価の現状・課題と今後のあり方」ということで、6つの視点を掲げ、それぞれの視点ごとに「(1)現状・課題/(2)点検・評価のあり方」という形で整理している。4番目は「利用者の視点に立った点検・評価の導入に向けて」ということで、施策の再構築と点検・評価手法の充実という、先程申し上げた構成に沿ったものになっている。
 以下、特に委員から御指摘のあった点を中心に説明する。
 「1.はじめに」というのは、中間報告に至るまでの経過、秋以降の議論の経過等を簡単に述べたものであり、これまで利用者の視点に立って点検・評価するための手法を中心に議論を行ってきたわけである。
 「2.点検・評価の基本的視座」では、(1)利用者の視点に立った点検・評価手法の必要性、(2)PDCAサイクルの確立という、2つの章立てになっており、中間報告までの議論の経過を踏まえて、目指すべき施策の在り方のイメージを大矢委員の指摘を踏まえて書いている。
 まず、(1)利用者の視点に立った点検・評価手法の必要性であるが、なぜ利用者の視点に立つことが大事なのかということについて整理をしている。少子化対策の目的は、人々が希望どおりに行動できるようにすることによって、少子化の進行に歯止めをかけることにある。その意味で、利用者がどのようにアクセスし、利用したのか、あるいは施策の内容が直面している困難、課題の解消に役立ったかどうか等について把握することが、少子化対策の施策の効果の点検・評価そのものであるといえる。そして、こうした取組は、これまでは恒常的かつ持続的な形で行われてこなかったということである。
 また、案田委員からもご指摘いただいたが、ここで利用者とはどういう方たちなのかということも、はっきりさせておく必要がある。それから、利用者の視点というときに、子ども自身の発達保障や親の成長という観点も含めたものであることを常に念頭に置くべきという点について大日向委員から御指摘いただいた。
 (2)PDCAサイクルの確立については、実際にこの点検・評価の結果を行政施策に反映させていくための道筋ということである。プランの目標を設定する段階から、利用者の視点に立った指標等を盛り込み、定期的にこれらに基づいた点検・評価を実施する、その結果を毎年度の予算編成、事業実施、更には中期的にはプランの策定という一連の行政の過程の中に反映させる、というPDCAサイクルの確立が必要であるということである。
 以上の2つの基本的視座を踏まえ、「3.利用者の視点からみた点検・評価の現状・課題と今後のあり方」をみると、まず1つ目の視点として、「(1)結婚や出産・子育てに対する希望の実現度」がある。現状・課題として、典型例に継続就業の問題を挙げている。出産半年後に就業を継続している女性は約3割であって、働き続けることと子育てが二者択一になっている状況がみられる。点検・評価のあり方については、そうしたことを踏まえて、希望どおりに出産後も仕事を辞めずに働き続けるという指標が必要であるということである。
 特に、奥山委員のご指摘では、同じ会社で働き続けるということもあるが、ワーク・ライフ・バランス等も実現しているとはなかなか言い難い現状においては、例えば、出産を機にいったん離職し、子育てが一段落してから働き始めたいという希望もあるだろう。したがってそういう希望が実現したかどうかを押さえておくことも重要であるということである。
 点検・評価のあり方としては、結婚から出産、子育ての各ステージにおいて、国民の希望がどの程度実現したかという点に着目した点検・評価を行う必要があるということである。また、その際、特定の世代が出産、子育てなどの各ステージにおいて、どのような希望を持ち、実際にどのような行動をしたかを継続的にフォローしていくという取組も重要であるとしている。
 2つ目の視点は「(2)利用者の多様性」である。現状・課題について、主に、前田委員から議論をリードしていただいたが、共働き家庭、片働き家庭、虐待、障害等困難な状況にある家庭など、非常に対象層も多岐にわたっているということであり、施策の実施に当たっては、そうしたことを想定していく必要がある。さまざまな子育て家庭の存在を視野に入れる必要があるということである。
 点検・評価のあり方としては、利用者の多様性を念頭に、すべての子育て家庭に着目するという点について、特に奥山委員から御指摘いただいた。すべての子どもの健やかな育成を支える観点から、幅広い層の利用者の声を聞くように努めるなど、利用者の多様性に即したきめ細かな点検・評価を行うことが重要である。
 3つ目の視点は、「(3)地域差」である。住んでいる場所による違いということであり、現状・課題は、例えば、待機児童問題のように、都市部とそうでない場所とで課題の様相が違うといった点と、そもそも自治体で取組格差がある。利用者の生活圏の単位では、必ずしも同じ施策メニューだと利用可能なところとそうでないところがあるということである。
 それを踏まえた点検・評価のあり方であるが、これは案田委員等にもいろいろ生活圏の関係で意見をいただいているが、地域によるニーズの違いを前提にしつつ、利用者がそれぞれの生活圏で真に必要なサービスを受けられているかという視点に立った点検・評価を行うことが重要であるとしている。
 4つ目の視点は、(4)支援策相互の連携である。現状・課題として3つの例を挙げているが、特に、2つ目の例として、妊娠期の母子保健施策から出産後の訪問事業などの子育て支援の連携が十分ではないという指摘があるという点について、奥山委員から御指摘をいただいている。
 点検・評価の在り方については、利用者が出産、子育てあるいは子どもの成長の各ステージに応じて、支援策のメニューに容易にアクセスでき、これらを切れ目なく選択することができるかといった点に着目した点検・評価が重要であるとしている。
 5つ目の視点は、(5)質と量の評価である。現状と課題として、まず藤本委員からのご指摘では、例えば、妊産婦健診を例に挙げており、受診機会の増加が図られているが、今後、質の確保という点にも着目する必要があるということである。また、大日向委員、奥山委員からのご指摘では、保育所におけるサービスは量的な整備もまだ十分とは言えず、質の面においても、今後、子ども自身の発達といった面に着目する必要があるということである。更に、前田委員からは、支援策が行き渡らないで利用できない者の存在を常に念頭に置いておく必要があるという御指摘もいただいた。
 点検・評価の在り方については、サービスの利用者である親の視点だけではなく、子ども自身の立場、子どもの発達保障という視点に立って、点検・評価を行うことが求められている。それから、各種の支援策がどの程度の割合をカバーしているのか、どの程度不足しているかということを常にカバーしておく必要がある。
 6つ目の視点は、(6)支援策の周知と利用のしやすさであり、現状と課題として、企業へのアンケートで、短時間勤務等を引き合いに出して、ニーズあるいは周知度等について、企業と従業員との間の認識ギャップを例として挙げている。地域子育て支援拠点については、制度的な位置づけがなされていないほか、地域ないしは事業の運営主体によっては、気軽に使いやすくなっていないという状況にあるという点が指摘されている。制度的な位置づけについて、特に奥山委員から御指摘をいただいた。
 また、特に少子化対策の場合、国の施策というものは、ほとんどの場合、自治体、企業、社会福祉法人、NPO法人等の主体を通じて実現されるものであり、これらの主体にとって、施策の内容が理解しやすかったり、あるいは運用しやすいものであるということが大事であって、そうなっていないと利用者が施策から十分なメリットを受けることができない。
 点検・評価の在り方については、量的な整備状況と併せて、支援策の存在が十分に知られているか、気軽に利用できる状態になっているか、不便はなかったかというような制度の利用率や、意識、満足度等に関する指標を導入する必要があるということである。また、国の施策の担い手である中間の存在、自治体、企業、社会福祉法人、NPO法人の主体に対しても、その理解が行き渡っているか、運用しやすいものになっているかということを把握しておく必要がある。
 次に、「4.利用者の視点に立った点検・評価の導入に向けて」として、以上の6つの視点を踏まえて、どのように導入していったらよいかということである。
 まず、(1)利用者の視点に立った施策の再構築ということであるが、結婚や出産・子育てそれぞれの段階における希望と現実の乖離の要因に着目して、それらへの対策別に施策を再構築する。そうすることによって、その方が施策の有効性を検証するという点からは、わかりやすいのではないかということを記述している。例えば、結婚であれば経済的基盤、出産であれば継続就業できる見通しといったことに、それぞれ各種施策を対応させて施策体系を整理していくことなどが考えられるということである。
 2番目は「利用者の視点に立った点検・評価のための指標の導入」ということであり、これまで御提示いただいた6つの視点を踏まえた新しい指標を今後のプランの見直しに向けて導入していく。そして、少子化対策の有効性を検証する手段としてのプランの機能を一層充実させていく必要があるということである。「なお」以下で、やはり国の調査の情報を、積極的に自治体に公開していくという点については、渥美委員から御指摘いただいている。
 「(2)点検・評価手法の充実」については、そうしたことを実施するために、どのようなことを具体的に準備していく必要があるかという点も含めて記述している。
 「(1)既存統計の改善・工夫」については、特に、コーホートの分析というのは非常に重要であり、ある特定の世代が出産や子育ての各ステージにおいて、どのような希望を持って、実際にどのような行動をしたか追跡するような調査の充実も重要である。ワーク・ライフ・バランスに関しては、夫の帰宅時間とか男女の家事・育児時間など、これらを継続的に把握する必要がある。それから、男女共同参画会議の専門調査会で検討している実現度指標の活用も有効であろうということである。
 「(2)利用者意向調査等の実施」について、ここにあるように、「安心」「安全」「気軽さ」「楽しさ」といった感覚的な指標も非常に大事であり把握する必要があると大矢委員から問題提起をいただいた。具体的な方法としては、グループインタビューや利用者意向調査等を行う方法があるだろうという点を、特に渥美委員からも具体的に御指摘いただいた。そのほか、アクセス層の偏りという問題があるが、インターネット等によって利用者の意向を随時把握するということである。
 渥美委員、大矢委員からは、その実施に要するコストや手間といったものにも配慮して、必要な限度において効率的に行うということが大事であるという指摘をいただいた。
 「(3)点検・評価結果の施策への適切な反映、質の評価のあり方など点検・評価手法の更なる検討」ということについて、点検・評価の結果を、毎年度の予算編成や事業実施、中期的なプランの策定という行政の一連の過程の中に反映させるといったPDCAサイクルの定着を図っていく。それを住民に開かれた形で行うことにより、点検・評価の結果として、どのように改善に結び付いたのかが明確になるということである。
 第2パラグラフであるが、定着させるためにはということで、毎年度点検・評価できるものについては、その結果を翌々年度の予算に反映する。あるいは実施に手間がかかるような意向調査等、プランの計画期間中に、次のプランの見直しに向けて実施をし、プランの見直しに反映させていくというような形が考えられるということである。
 最後のパラグラフは、妊産婦の救急については、特に前田委員からも指摘があり、差し迫った課題への対応に当たっては機動的に点検・評価を行い、恒常的かつ持続的なPDCAサイクルの中に組み込んでいくことが重要である。
 9ページ、サービスの質についてはいろいろな課題があって、藤本委員から健診の質が担保されているかどうかという観点が非常に大事である、大日向委員から、子どもの発達保障という観点も、利用者の視点に立った点検・評価の中に入れていくことも重要であるという指摘をいただいている。また、大日向委員からは、ニーズ自体の評価も必要であって、自助、公助、共助の役割分担を意識して、利用者のニーズを評価することが望ましいということである。今後、その手法等について検討されることが重要であるとしている。
 「5.おわりに」としては、点検・評価は機動的に、先ずは実施可能なものから着手し、よりよい方向に漸進させていく。新しい試みであるということもあり、実際に試していく中で改善を加えるという柔軟な姿勢が大切であるということである。そして最後に、この分科会の検討結果を踏まえ、利用者の立場に立った点検・評価の手法が今後具体化され、それがプランに反映されるとともに、毎年度の行政の施策への実施状況の点検・評価に活かしていくことが求められるという形で結んでいる。

○佐藤主査
 これまで点検・評価分科会で、少子化対策のプラン等の評価をどうするのかを議論し、利用者の視点に立った点検・評価が必要であると整理した。少子化対策は、国民の結婚や子育てに関する希望が実現できない阻害要因があれば、それを取り除き、希望が実現できるようにする、こういう考え方が非常に重要であるので、利用者である国民が利用しやすい、希望に沿ったものであるかということを点検・評価していく必要がある。
 参考1に、視座、現状・課題、導入に向けての3つに整理していただいた。前回の分科会までの議論と、それ以降いただいた意見も踏まえて作成されているので、ご意見を伺いたい。

○大日向委員
 5ページ、「(5)質と量の評価」の「(2)点検・評価のあり方」に関して、量的拡大だけではなく、質の保障ということも大切であると記述してあるが、量の確保と質の確保ということになると、現状のサービスだけでいいのかという新しい問題も生じ、多様な支援の在り方を模索することも必要となる。従来のサービスだけではなく、新たなサービスも掘り起こしながら、量的な拡大を図り、かつ、それに対して質的な保障が必要という一歩踏み込んだ記述をしていただきたい。具体的には、例えば、保育所だけで量的拡大が図れない場合に、それ以外のサービスが模索され始めている。そこに対して、質的な確保も担保するといった記述をお願いしたい。

○前田委員
 6ページについて、国がいろいろと政策メニューを立てても、実際にやるのは自治体やNPOの現場の人たちである。この点検・評価の議論の整理では、地方公共団体が独自にいろいろな調査をし、次年度の予算プランなどに反映していくということであるが、国が、実施主体である地方自治体、NPO、社会福祉法人などに対し、ヒアリングなど調査を行うことは非常に重要である。
 国の場合は、陳情や予算要望という形で意見聴取をしていると思うが、地域の現場がどうなっているのか、つどいの広場など国の政策メニューや補助金の立て方が、現場にとって使いやすくなっているのかなどについてヒアリングしていただきたい。
 例えば、放課後児童施策は文科省の施策と厚労省の施策が一本化できるようになり、使いやすくなったが、そういう補助金メニューの改革につながる点検・評価があるということを入れていただきたい。

○佐藤主査
 国が点検・評価する時に、6ページの(1)に「また」と書いてあるが、例えば、助成金など使いやすいどうか、施設に下りている一個一個は良いが、うまく連携せず使いにくいということがある。政策間の連携というのは、そういうことであると思う。

○前田委員
 明確に書いていただきたいということである。施策内容が理解しやすいものになっているか、この点検・評価が理解しやすいものになっているかを考えると、この報告書からは読み取りにくい。現状では、利用者が最終利用者のイメージしかなく、親や子どもは調査するが、実際にサービスを供給する団体に対してヒアリングをし、施策の改善に結び付けるということが明確に伝わらない。

○柴田内閣府政策統括官
 6ページ、「(2)点検・評価のあり方」の「また」の「十分に理解しているか、運用しやすいものになっているか」という言葉に意味としては入っているが、もう少し明確に書いた方が良いということであれば、そこは工夫したい。

○奥山委員
 3ページ、3(1)の「(2)点検・評価のあり方」の2つ目のパラグラフについて、「また、ワーク・ライフ・バランスが実現しているとはいえず、体力的な事情などから」であるが、正社員で働き続けることが体力的に厳しいということは、正社員は女性も男性並みに働かざるを得ないということが求められており、体力的に厳しいのであきらめたということがかなり高い確率で調査結果に出ている。また、夫の転勤などで辞めざるを得ない人も多い。例えば、両立が難しいということだけではなく、夫の転勤であって自分の都合ではないが、という内容も入れていただきたい。
 それから、「再び職に就きたい」という点について、(1)で継続就労は1つの会社の継続だけではなく、再就職ということも含め継続と捉えるということもあり、「再び職に」という記述を入れていただいたが、都会の事情ということがあるかもしれないが、子どもが近くにいるところで、生活圏内で再び職に就きたいという方もいると思う。そういったこともあり、このパラグラフに入れていただいた。他の委員の意見も伺いたい。

○佐藤主査
 現状で就業を希望する人の70%の人が辞めている。続けたいが辞めざるを得なかった人について、続けられるような両立環境が整ってない。また、正社員の働き方の問題もある。
 一方で、子育てに専念するということも一つの選択肢である。しかし、子どもが大きくなったら仕事に戻りたいという人もいる。そういうことも重要であるので、やむを得ず辞めた人が再就業したい場合の支援も必要であるという趣旨である。

○案田委員
 希望を実現するということは、家族の中でどういう役割を担うかということを家族の中で決めており、その役割分担を考え、夫の転勤などに、どのように制約されるかということについて配慮し、この指標を見ていくことが重要であり、この項目は大事である。

○大日向委員
 奥山委員や案田委員の発言のとおり、このパラグラフは重視したいと思う。
 しかし、「体力的な事情」が突出して記述されていることについて、女性についてどうか。家庭の事情、子どもが3歳になるまでは母親がという風潮、夫の転勤など、いろいろな要素がある。「体力的な事情」という言葉だけが出ると、女性が働く者として弱い印象が出てしまう。

○佐藤主査
 例えば、勤務先の両立環境の問題、地域保育サービスの問題がある。預けて働きにくいから辞めるということもある。もう一つは、夫の働き方、家事分担の話など、幾つかの要因があり、体力的だけ特出しすることは確かにどうかと思う。ワーク・ライフ・バランスという言葉は入っているが、例えば、「地域の保育環境が十分でなく」や「保育サービスが十分でなく」、または、両方入れる、さらに、辞める人もいるという点を入れるべきかどうか。

○大日向委員
 さまざまな次元から個人的、社会的な諸事情からなど、と記述してはどうか。

○佐藤主査
 工夫させていただく。

○大日向委員
 8ページに利用者意向調査の具体的な方法をいろいろと記述いただいた。(2)の「なお、利用者意向調査等は、大規模なサンプルで網羅的な事項を調査することが望ましいが」について、これは確かに必要だと思うが、大規模なサンプリングで網羅的な調査となると、地域差や個別な事情を加えることに限界があると思う。そのため、別の調査の可能性も記述していただきたい。
 例えば、数は少なくても、ケース研究でニーズの根本がわかるということがある。ケース研究を改めてするには手間がかかるように思われるが、例えば、子ども家庭支援センター等では、いろいろな事例をケースとして蓄積している。そういうところにヒアリングを行うなど、何らかのデータを個人情報は守った上で出していただくことでデータを集めることができる。事例研究、またはインタビューより突っ込んだグループインタビューといった、非常に深みのある、ケースは少なくても深いものが幾つかあることを加えていただきたい。

○佐藤主査
 8ページについて、国では新たに自分たちで調査を行うという意識があるが、改めて行わなくても、ある程度学会で認知された成果のようなものを使っていただくと良い。
 2ページ、(1)下から10行目の「一方」以降について、「これまでの少子化対策の点検・評価は、プラン等に」とあり、「プラン」と記述されているのはここが最初である。3ページ、(2)の冒頭に「現行の『子ども・子育て応援プラン』」と中身が出てくるが、最初のプランは「子ども・子育て応援プラン」で良いのか。そうであれば、2ページに記述し、以下「プラン」と記述したほうが良い。
 4ページ、「(2)利用者の多様性」(1)について、独身者と出てくる。確かに結婚前の独身者も対象であるが、ここは独身者を入れなくても良いのではないか。
 案田委員が言われた、2ページの下「ここでの利用者とは子ども自身や親、家族であり」について、奥山委員も言われたように、確かにそうであるが、これから結婚しようとする人たちが結婚して子どもを持ちたいと思えることも重要である。そのため、そのような雰囲気がどこかにあるといいと思っていた。メインは利用者を調査するということで良いと思うが、大事なのは、結婚しようと思う人が結婚して子どもを持ちたいと思えることであると思うので、そういうことがどこかにあると良いと思う。

○大日向委員
 同じところで、次の行に「母子家庭」という言葉があるが、今は父子家庭も増えているので、単身家庭、母子、父子などの言葉に修正していただきたい。

○佐藤主査
 全体の点検・評価を行う時に、既存の施策だけではカバーできないニーズがあるという指摘が点検・評価にあることをどこかに入れていただく点、施策の連携の場合、例えば、自治体が利用しやすいかどうか、理解しているかどうかだけではなく、利用主体が利用しやすいような施策の連携が取れているか否かが分かる内容を入れていただく点、利用者のニーズや意向を調べるときに、量的なアンケート調査がされがちだが、事例研究も大事な場合もあるので、特に調査数が少ない場合は事例研究を行う必要がある点、継続就業だけではなく、辞める人たちの再就業支援について辞める理由を少し加えて記述する点、利用者について、日本社会全体で結婚しようと思う人は結婚しようと思えるようになり、結婚した人たちが子どもを持ちたいと思えるような、国民全体の、日本社会として明るい希望を持てるようになることが点検・評価の中で大事である点を新たに入れたいと思う。

○佐藤主査
 本日の意見を踏まえ、事務局と案を調整し、それを委員の方々にもう一度見ていただき、本分科会での議論の整理の確定版とさせていただく。
 我々は分科会としての議論をまとめたが、今後どういう扱いになるのか事務局から説明願いたい。

○今井参事官
 分科会としては、「議論の整理」という形でまとめていただいたが、この分科会の位置づけは、重点戦略の検討の枠組であり、現在、この点検・評価分科会と、佐藤委員、大日向委員、前田委員に入っていただいている基本戦略分科会があり、その検討はまだ進んでいる。
 また、重点戦略の会議ともう一つ、ワーク・ライフ・バランスに関しては、推進のための官民トップ会議が設けられ、その下の作業部会で憲章・行動指針の策定が進められている。
 重点戦略の全体像は、基本戦略分科会の議論の整理、点検・評価分科会の議論の整理、ワーク・ライフ・バランスの憲章・行動指針の検討の成果を反映させて、重点戦略の全体像となる。
 この分科会における議論の整理は、重点戦略全体像の1つのパーツになると思う。最終的には、重点戦略の親会合において、各分科会、ワーク・ライフ・バランス関係の報告がなされ、取りまとめを行うという運びになると思う。

○前田委員
 重点戦略会議の基本戦略部会が続いており、その報告書が作られたら、全体として表に出ると思うが、実際にPDCAサイクルを回し、いつから政策検証を本格的に行うのか。個々の自治体は次世代育成の計画を作る時に、何らかの調査をしていると思うが、国としての実行のタイムスケジュールは、いつを想定しているのか。

○柴田内閣府政策統括官
 タイムスケジュールについて、重点戦略会議本体でオーソライズされれば、今後これを具体的に実行していかなければならない。実行をしていく上で、国がこれを基に行っていくと思うが、専門家の方々に、それに沿ってチェックしていただくということも考えなければならない。イメージとしては、専門家の方々にもチェックしていただきながら物事を進めていきたいと考えている。

○佐藤主査
 この分科会の議論の整理は、全体の中に入り、そこで点検・評価をどうするのか、議論されていくことになると思う。それを踏まえて政府としてどうするのかということになると思う。
 本日の分科会は、取りまとめについて了解をいただいたということにさせていただく。
 今後、利用者の視点に立った点検・評価、ここで提案したものが、今後のプランの見直し等に活かされていくことになると思う。今後も委員の方々に意見を伺うこともあるかと思うが、よろしくお願いしたい。

5.閉会