「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議各分科会における「議論の整理」及びこれを踏まえた「重点戦略策定に向けての基本的考え方」について(中間報告)

平成19年6月1日

「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議


目次


本会議は、本年2月の発足以来、「基本戦略」「働き方の改革」「地域・家族の再生」「点検・評価」の4つの分科会を設置して、「子どもと家族を応援する日本」重点戦略の策定に向けた議論を進めてきた。

以下は、この重点戦略の策定に向けての基本的な考え方を中間的に整理したものである。今後、この考え方に基づいて、具体的施策についての検討を進め、税制改正等の議論も見極めつつ、平成19年末を目途に、重点戦略の全体像のとりまとめを行う予定である。

重点戦略策定に向けての基本的考え方

1 基本認識

(1) 更なる少子化の進行とその原因・背景

(人口構造の変化の動向とその影響)

「日本の将来推計人口(平成18年12月推計)」(以下「新人口推計」という。)では、近年の少子化傾向や寿命の伸びを反映して、今後、我が国は一層少子化・高齢化が進み、2055年には、合計特殊出生率は1.26、人口は9000万人を下回り、その4割が65歳以上の高齢者、一年間に生まれる子供の数は50万人を下回る、といった姿が示されている。

このように、我が国においては、急速な少子化の進行に歯止めがかからない状況が続いており、本年1月の社会保障審議会人口構造の変化に関する特別部会の議論の整理(以下「特別部会の議論の整理」という。)では、こうした人口構造の変化が、単なる人口減少に留まらず、社会経済の状況や世帯の状況、地域社会の姿などにも大きな影響を与えることを指摘している。

2055年には、50歳代以上の者の属する世帯のうち4割以上が「単身かつ無子世帯」。単身世帯は、世帯員相互のインフォーマルな支援が期待できないことから相対的に失業や疾病・災害といった社会的リスクに弱く、社会システムによる支援がより必要。経済的にも可処分所得減少の影響を受けやすい。こうした単身世帯の増大は、介護問題を始めとした支援を要する世帯の増大や負担能力の減少など、社会全体に大きな影響を及ぼす。

同様に、毎年の出生数は、2055年には50万人弱。通常の地域社会において平日昼間に目にする子どもの数は少なくなり、地域社会の支え手も相当部分が高齢者になる。

(少子化進行の原因)

このような少子化の進行について、「特別部会の議論の整理」は、

  • 1 現在の急速な少子化の進行は決して国民が望んだものではなく、国民の結婚や出産・子育てに対する希望と実態との乖離が拡大していることを明らかにし、

    新人口推計では、1990年生まれの女性では、生涯未婚率は23.5%、夫婦完結出生児数は1.70人と仮定。一方、出生動向基本調査等によれば、未婚者の9割はいずれ結婚したいと考えており、既婚者及び結婚希望のある未婚者の希望子ども数は、男性女性とも2人以上。

    また、子どもを持ちたいという国民の希望はこの30年間大きな変化はないが、出生率は今日まで低下の一途をたどっており、希望と実態の乖離が継続して拡大。

  • 2 さらに、既存の調査研究結果を基に、結婚・第一子出産・第二子以降出産といったライフステージごとに、「国民の結婚や出生行動に影響を及ぼしていると考えられる要素」を整理して、
    1. 結婚には、家庭生活を送っていく上で必要な経済的基盤や雇用・キャリアの将来の見通し・安定性の影響が、
    2. 出産には、子育てしながら就業継続できる見通しや仕事と家庭生活の調和の確保の度合いの影響が、
    3. 特に第二子以降の出産には、夫婦間の家事・育児の分担度合いや育児不安の度合いの影響が、

それぞれ示唆されることを明らかにした。

(少子化進行の背景)

我が国では、子どもが欲しいと考えている女性の約6割が出産後の継続就業を希望しているにもかかわらず、現実には第1子出産の半年後に就業している女性は約3割(育児休業中の者を含む。)であるなど、就業継続と子育てとが二者択一的となっている。

このような現在の急速な少子化の進行の背景には、

  1. 仕事と子育てとの両立が困難な「就業継続希望と結婚・出産・育児の希望との二者択一を迫られる構造」
  2. 多様な働き方の選択ができないことや非正規労働者の増大、長時間労働など、国民一人ひとりにとって自身の望む生き方の実現を困難にし、二者択一構造の原因となっている「働き方をめぐる様々な課題」

が存在している。

(2) 今後の人口構造の変化を展望した戦略的対応の必要性

急速な少子化進行の背景にある「就業継続希望と結婚・出産・子育ての希望との二者択一を迫られる構造」及び「働き方をめぐる様々な課題」については、今後の人口構造の変化と社会の持続的・安定的な発展という観点に照らして考えても重要である。

既に我が国は人口減少社会を迎えており、今後の人口減少、特に労働力人口の減少は、今後の社会経済の各面に大きな影響を及ぼすことが予想されている。新人口推計で生産年齢人口の減少率をみると、2030年以降の減少度合いが大きくなっているが、一方で、2030年頃に新たに労働力化する若者はこれから生まれる子どもたちにほかならない。2030年以降の急速な生産年齢人口の減少は、国民の結婚や出産に対する希望と現実の乖離を解消する政策努力で変えられる余地のある問題である。

その一方で、1980年代以降今日までの継続的な少子化の進行の結果、2030年までに労働力化する世代の人口は現時点でほぼ確定している。その間、我が国社会の持続的・安定的な発展を図るためには、すべての人が意欲と能力が最大限発揮できるような環境整備に直ちに着手し、若者、女性、高齢者などの労働市場への参加を促進し、労働力人口の減少の緩和を図ることも同時に必要である。

このように、今後の人口構造の変化を展望すると、我が国はこれから、

  1. 国民の希望する結婚や出産・子育ての実現により少子化の流れを変える
  2. 若者、女性、高齢者の就業参加促進を図る

という2つの要請に対して、これまでの制度・施策の効果を検証し、実効性のある制度・施策へと再構築し、戦略的に、しかも同時に応えていくことが必要となる。

(3) ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の実現の重要性

上記二つの戦略的な対応を並行して直ちに実施するためには、「女性の未婚者と有配偶者の労働力率の大きな差をもたらしている仕事と子育ての両立が困難な現在の構造」を、「女性が安心して結婚、出産し、男女ともに仕事も家庭も大事にしながら働き続けることができるシステム」へと変革していくこと、すなわち、「ワーク・ライフ・バランスの実現を目指した働き方の改革」が最優先の課題である。

(ワーク・ライフ・バランスの実現)

「ワーク・ライフ・バランスの実現」とは、個人が仕事上の責任を果たしつつ、結婚や育児をはじめとする家族形成のほか、介護やキャリア形成、地域活動への参加等、個人や多様なライフスタイルの家族がライフステージに応じた希望を実現できるようにすることであり、

  1. 国民一人一人が自らの望む生き方を手にすることができる社会の実現
  2. 労働力確保等を通じた我が国社会経済の長期的安定・持続可能性の確保

の達成を同時に目指すならば、我が国社会にとって必要不可欠の改革である。

(ワーク・ライフ・バランスの意義)

ワーク・ライフ・バランスを実現できる環境整備のためには、企業は、労働者が仕事に投入できる時間に制約があることを前提とした業務管理や人材活用に切り替えていく必要がある。そして、その取組は、企業の生産性向上への貢献、労働者の仕事の意欲の向上や人材確保にもつながる。

労働者にとっても、仕事と生活の調和の実現により、子どもや家族と過ごす時間が増え、親が子育ての喜びを実感できるとともに、子どもの健全な育ちにつながる。

また、男女がともに子育てを行うことが可能となれば、長時間保育の減少などこれまでの保育ニーズに変化が生じるだけでなく、女性の継続就業希望も実現しやすくなる。

さらに、仕事以外の生活に活用できる時間が増えることによって、地域活動への参加の機会なども増加する。

少子化の原因となっている未婚化や晩婚化の進行の背景には様々な要因があるが、未婚の男女にとっては、様々な社会活動への参加が可能となり、様々な出会いの機会の増大にも資する。

ワーク・ライフ・コンフリクト(労働者が仕事と生活の調和を図るに当たり、希望を満たすことが出来ない葛藤)は、企業内の雇用環境や職場風土だけでなく、家庭内の事情や取引先等企業間の関係、地域や社会サービスとの関係からも生ずる。その解消を図り、個人にとっても社会にとっても企業にとっても望ましい豊かな社会の実現の基盤となるワーク・ライフ・バランスを実現することは、個別の労使のみならず、社会全体で取り組むことが必要な課題である。

2 諸外国の家族政策の教訓・これまでの我が国の少子化対策の評価と課題

(1) 近年の諸外国の家族政策の基本方向の分析・評価

(経済支援中心から「両立支援」を目指したサービス支援への転換)

1990年代以降の諸外国(特にフランス、スウェーデン、ドイツ)の家族政策は、仕事と家庭との両立支援を軸に展開している。

  • フランスやスウェーデンでは、子育てに対する現金給付として国際的に比較しても手厚い児童(家族)手当が支給されているが、それよりもさらに大きい公的支出が保育や就学前教育に対してなされている。
  • フランスでは近年出生率の上昇が著しいが、その家族政策は、かつては経済的支援中心だったものが、1990年代以降、保育サービスの充実を図る政策へとシフトし、その後さらに出産・子育てと就労に関して幅広い選択が出来るような環境整備、すなわち両立支援を強める方向で政策を進めてきている。
  • ドイツでは我が国同様出生率が低位で推移しているが、その家族政策は伝統的に経済的支援を中心にしたものであった。しかしながら、近年、両立支援へと政策転換を図り、保育サービスの確保、育児休業制度の充実等を相次いで実行している。
  • アメリカでは近年においても2.0前後の出生率が維持されているが、公的施策の範囲は低所得者など極めて限定的であり、公的支出は小さい(対GDP比0.7%程度)。背景としては、低賃金労働者が多いこと等により、市場から比較的安価で保育サービスを調達できることなどが指摘されている。
(多様な働き方の選択を可能にする社会・制度の存在)

少子化対策の成功例とされるフランスやスウェーデンでは、我が国に比べ、長時間労働は少なく、多様な働き方が可能となっていること、また、税・社会保障制度も多様な働き方に対応したものとなっていることなどが、仕事と子育ての両立をより容易なものにしていると考えられる。

(多様な働き方に対応できる柔軟なサービス提供)

フランスやスウェーデンでは、施設における保育サービスと家庭的保育の組み合わせ等、多様な働き方や生き方に対応した柔軟なサービス提供がなされており、既婚女性の労働力率は8割程度、3歳未満児の4~5割が家庭的保育等も含めた認可保育サービスを利用している(我が国では3歳未満児の2割程度が利用。)。

(一定規模の家族政策関連支出の存在)

家族政策関連支出の規模は、我が国がGDP比0.75%であるのに対し、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデン等では、概ねGDPの2~3%を投入している。一方で、こうした給付が可能となっている背景には、高い国民負担があることにも留意が必要である。

  • 近年出生率が回復しているフランスを例に、給付の規模を我が国の人口構造に機械的に当てはめると約10.6兆円(GDP比では約2%)に、我が国のGDPに機械的に当てはめると約14.9兆円に相当する。

(2) 我が国の少子化対策の課題

上記のような諸外国の家族政策の変遷やその結果に照らせば、我が国の少子化対策については以下のような課題が見えてくる。

(質・量両面でのサービス基盤整備の不足(特に3歳未満))

我が国では、保育サービスが得られないことにより、就業継続を希望しつつも断念している状況が見られる。これを克服する保育環境の整備が課題である。特に3歳未満児については、育児休業明けでの年度途中入所が必要な場合が多く、また、短時間勤務などの働き方の多様化に対応するためにも、多様で弾力的なサービスの仕組みの検討が必要である。

また、短時間や隔日、夜間帯や休日など、多様な就労時間・就労形態に対応した保育時間の設定や、病児・病後児の対応など、多様なニーズに合った保育サービスの提供も課題である。

なお、保育所待機児童の問題は大都市圏に顕著に見られる課題であること等、地域ごとに特有の課題があり、それに応じた対応が求められることにも留意が必要である。

(働き方の改革に向けた取組の弱さ)

労働者をとりまく環境変化の中で、いわゆるワーク・ライフ・コンフリクトが生じ、高まっている。

若年非正規労働者は、バブル景気崩壊後、大幅な増加が見られたが、仕事により経済的基盤を確保することが難しく、雇用やキャリアの将来を描きにくい。

正規労働者も、過密な労働が求められる中で、仕事以外でやりたいことややらなくてはならないことに十分に取り組めない状況にある。

この中で、労働者が、仕事と同じように育児を重視することを希望しても仕事を優先せざるをえない、子育てと仕事のどちらかをあきらめざるをえない、といった状況が生じている。

このように、わが国の企業における働き方は、やや図式的に言えば、「過密な労働が求められる正規労働者の働き方」か「経済的基盤の確保が難しい非正規労働者の働き方」かに二極分化し、相互の行き来が難しい構図となっている。

仕事と生活に関わるニーズが、人によっても、また個人のライフステージによっても多様化する中、こうした二極分化により、労働者にとっての希望と現実の乖離が大きくなり、若年層の結婚・出生行動に影響を及ぼしていると考えられる。

(施策間の整合性・連携の欠如・政策の一元性・サービスの一貫性の欠如)

少子化社会対策が一定の効果を持つためには、経済的支援だけでは限界がある。また、育児休業制度の利用は増加しているが、出産に伴い離職する割合は約7割と依然高く、両立支援策が出産前後の就業継続の増加に必ずしもつながっていない。経済的支援と、保育サービス等の地域の子育て支援サービスの充実、育児休業や短時間勤務制度など育児期の多様な働き方の選択肢の拡大といった仕事と家庭との両立支援策の双方をバランス良く組み合わせて取り組んでいくことが必要である。

同時に、この両方の施策が切れ目なく利用できる仕組みも必要である。産休・育休から保育サービスへの切れ目のない移行や、両者の整合性の確保など、経済的支援や各種サービスが一体的に提供される利用者本位の仕組みとなるよう、制度的枠組みの在り方についても検討すべきである。

これらの施策は、画一的な推進ではなく、多様で柔軟な展開が必要である。個々人の選択に対応し得る多様で柔軟な施策の在り方について、早急に結論を得るべきである。

(税制や年金・医療等の他の社会保障制度をも視野に入れた対策の弱さ)

一例を挙げれば、産前産後の休業期間中には労働が提供されず、多くの場合賃金が支払われていないが、事業主と労働者に社会保険料が賦課されている。これは、育児休業中の取扱いと比較しても、継続就業の環境整備の観点から問題があるとの指摘がある。

多様な働き方の選択が可能で、国民が希望する結婚や出産が可能な社会の構築に向け、他の社会保障や税制をはじめとする幅広い分野において、総合的視野に立って、必要となる財源にも留意しつつ、制度の在り方について引き続き検討すべきである。

(手厚い家族政策を支える国民負担についての国民合意の不形成)

近年特に出生率が回復しているフランスやスウェーデンでは、税や社会保障負担などの国民負担率は6割以上となっており、家族政策に要する費用も、公費負担とともに、高水準の企業拠出によって賄われている。特にフランスでは、企業におけるワーク・ライフ・バランスの取組とともに、事業主が給与総額の5.4%(給付総額の約50%に相当)を家族政策の財源として拠出するなど、企業が大きな役割を果たしている。

一方、我が国の国民負担率は36%程度であり、我が国の場合、家族政策を支える負担についての明確な国民的合意が現段階で形成されているとは言いがたい状況にある。

3 重点戦略策定の方向性

(働き方の改革によるワーク・ライフ・バランスの実現)

冒頭の基本認識で述べたように、今後の人口減少社会における労働力確保の要請と、国民の希望する結婚や出産の実現による出生率回復の要請とを同時に満たす鍵は、個人が、仕事の責任を果たしつつ、家族形成やキャリア形成、地域活動への参加など個人や家族のライフステージに応じた多様な希望の実現を可能にするワーク・ライフ・バランスの実現及びそのための働き方の改革にある。

働き方の改革については、労使の自主的な取組を基本に置きつつ、政府において、制度的な枠組みの構築や基盤整備等を通じて、社会全体の取組となるような促進・支援策の実施が必要である。

また、地域によっては労働時間の短縮とともに、安定した雇用機会の創出を進めていくなど、地域によってニーズが異なることから、地域の労使団体を中心とし、それに国、地方公共団体を加えた地域において「働き方の改革」を具体的に推進する体制の構築を図り、地域の実情に応じた展開を図ることも重要である。

国民が働き方についての意識を変え、企業も行動を変えていくためには、社会全体でワーク・ライフ・バランスを達成する国民運動のみならず、関係府省や地方公共団体が一体となって、総合的かつ体系的な施策の展開を図っていく必要がある。このため、「ワーク・ライフ・バランス憲章」及び政府において「働き方の改革を推進する行動指針」を政策のパッケージとして策定することが必要である。

(包括的な次世代育成支援の制度的枠組みの構築)

ワーク・ライフ・バランスの実現を支える子育て支援サービスの基盤整備については、すべての子どもの育ちを支え、子どもの成長を育むすべての家族を、地域全体で支え、当事者でもある親も責任を持ってそれに主体的に参画していくという基本的な理念に立って進められなければならない。

このため、様々な働き方、ライフスタイルの選択に対応した子育て支援サービスの実現を目指し、3歳未満児に対する家庭的保育(保育ママ)の充実を含めた多様で弾力的な保育の拡充、子育て家庭がその生活圏内で利用できる地域子育て支援拠点等の子育て支援サービスの面的な整備を進めるとともに、産休・育休から保育サービスへの移行等利用者本位の切れ目のない支援を提供できるよう、子育て中の利用者の適正・確実な負担を含めて国民全体で支え合う包括的な次世代育成支援の制度的な枠組みの構築を図る。

さらに、すべての子ども、すべての家族を応援する観点に立って、児童虐待や障害、母子家庭など困難な状況にある子どもや家族に対する支援の強化を図る。

(税制・他の社会保障制度での対応を含めた総合的対応)

今後の人口減少社会における労働力確保の要請と、国民の希望する結婚や出産の実現による出生率回復の要請とを同時に満たす鍵となる就業継続と出産・子育てが二者択一的になっている構造の改革のためには、子育てしながら就業継続する受け皿となる社会サービス基盤の整備と、長時間労働の改善や多様な働き方が可能となる働き方の改革の双方を総合的に進めることが必要である。

さらに、「働き方の改革」を可能にする社会的条件の整備として、税や社会保障制度をはじめ幅広い分野においても、ワーク・ライフ・コンフリクトの解消に資する働き方がより自由に選択できるような制度や運用の在り方について総合的に検討していく必要がある。

また、後述するように、実効ある対策を進めていくためには一定規模の財政投入が必要になると考えられるが、必要な財源については、税制改革や社会保障制度改革の中で総合的に検討を進め、賄っていく必要がある。

(地域の実情に応じた施策展開)

ワーク・ライフ・バランスを支える子育て支援サービス基盤の整備については、地方公共団体、とりわけ住民にもっとも身近な基礎自治体が、個々人の生活圏域において、子育ての当事者や地域住民の参画のもとで、それぞれの地域の実情を踏まえて施策展開していくことが求められている。

このため、基礎自治体において、このような施策展開が着実かつ持続的に進められるよう、財源の確保を含めた制度的な枠組みについて検討していくことが必要である。

(少子化対策への効果的な財政投入)

諸外国の家族政策関連支出の規模とわが国の状況を比較したとき、働き方・男性の育児参加などの社会状況や負担に対する国民意識が異なることに留意が必要である一方、有効な少子化対策の実施のためには、一定規模の効果的財政投入の検討を行うことも必要ではないかと考えられる。

この場合、次世代育成支援の費用は、これを次世代の負担によって賄うことのないよう、必要な財源は現時点で手当しなければならないものである。

個別施策の実効性の検証、現物給付と現金給付のバランスなどにも配慮した上で、わが国において実効ある家族政策を持続的に展開するための財源規模やその負担のあり方について、税制の抜本的見直しの議論と並行して国民的議論を行うべきである。

(施策の実効性の担保―効果的かつ計画的な施策の遂行)

今後、本年中を目途に策定される重点戦略に沿った具体的な施策の見直しを進めるとともに、その実効性を担保するため、利用者の視点に立って施策の有効性を点検・評価するための手法の開発を進めるとともに、それに基づく点検・評価結果をふまえて、数値目標の見直しや新たな数値目標の設定を含めた「子ども・子育て応援プラン」の改定や次世代育成支援対策に関する地域行動計画の見直しを進め、計画(Plan)―実施(Do)―点検・評価(Check)―施策の改善(Action)といったPDCAサイクルを定着させ、効果的かつ計画的な施策の遂行を図っていく。

各分科会の議論の整理

I 基本戦略分科会の議論の整理

平成19年5月

1 はじめに

昨年末に公表された「日本の将来推計人口」では、今後、我が国は一層少子化・高齢化が進行し、本格的な人口減少社会になるとの見通しが示された。こうした動向を踏まえた人口構造の変化に関する特別部会「議論の整理」においては、

  • 2030年までは、生産年齢人口は既にほぼ確定していることから、若者、女性、高齢者の就労促進により、労働力人口減少の緩和を図ることが必要
  • 2030年以降は、生産年齢人口はこれから生まれる世代であることから、効果的な少子化対策を強力かつ速やかに講じることが不可欠

であるとの指摘がなされた。さらに、2030年までの「少子化適応戦略」と2030年以降を視野に入れた「少子化対抗戦略」とを同時に進めていくためには、有配偶の女性の継続就労の希望と、子どもを産み育てたいという国民の希望とがともに実現できる環境の整備(=ワーク・ライフ・バランスの実現)が必要である旨も指摘されている。

これらを踏まえ、当基本戦略分科会では、諸外国の例等も参考に、

  1. 現在の急激な少子化の流れを変える効果的な施策は何か
  2. そうした効果的な施策について、その財政規模はどの程度か
  3. 財政上の必要額が示された場合に、その財源の手当てはどのようにすべきか

の検討を行うことをミッションとして、本年2月に検討を開始した。

以下は、現段階における当分科会の議論の中間的な整理である。これらについては、今後、他の分科会の検討結果も踏まえ、年末の取りまとめに向けて引き続き議論を行い、国民の合意を得ていくことが必要である。

2 諸外国の家族政策(少子化社会対策)の動向から見た今後の対策の方向性

諸外国の家族政策の動向

1990年代以降の諸外国(特にフランス、スウェーデン、ドイツ)の家族政策は、仕事と家庭との両立支援を軸に展開している。

  • フランスやスウェーデンでは、子育てに対する現金給付として国際的に比較しても手厚い児童(家族)手当が支給されているが、それよりもさらに大きい公的支出が保育や就学前教育に対してなされている。
  • フランスでは近年出生率の上昇が著しいが、その家族政策は、かつては経済的支援中心だったものが、1990年代以降、保育サービスの充実を図る政策へとシフトし、その後さらに出産・子育てと就労に関して幅広い選択が出来るような環境整備、すなわち両立支援を強める方向で政策を進めてきている。
  • ドイツでは我が国同様出生率が低位で推移しているが、その家族政策は、伝統的に経済的支援を中心にしたものであった。しかしながら、近年、両立支援へと政策転換を図り、保育サービスの確保、育児休業制度の充実等を相次いで実行している。
  • アメリカでは近年においても2.0前後の出生率が維持されているが、公的施策の範囲は低所得者など極めて限定的であり、公的支出は小さい(対GDP比0.7%程度)。背景としては、低賃金労働者が多いこと等により、市場から比較的安価で保育サービスを調達できることなどが指摘されている。
多様な働き方の選択を可能とする施策の拡充

少子化社会対策が一定の効果を持つためには、経済的支援だけでは限界がある。経済的支援と、保育サービス等の地域の子育て支援サービスの充実、育児休業や短時間勤務制度など育児期の多様な働き方の選択肢の拡大といった仕事と家庭との両立支援策の双方をバランス良く組み合わせて取り組んでいくことが必要である。

なお、我が国の現状に照らせば、子育て支援サービスは、市場での私的な調達に委ねるのではなく、公的な家族政策(少子化対策)により対応していくことが望ましい。

3 ワーク・ライフ・バランス実現のための制度間連携・制度的枠組み

就業継続と子育てが二者択一的となっている現状の改革

我が国では、子どもが欲しいと考えている女性の約6割が出産後の継続就業を希望しているにもかかわらず、現実には第1子出産半年後に就業している女性は約3割(育児休業中の者を含む。)であるなど、現実には就業継続と子育てとが二者択一的となっている。こうした構造のままでは、労働力人口の確保と、国民の希望する結婚や出産の実現による出生率の回復とを同時に図ることは困難である。

  • 少子化対策の成功例とされるフランスやスウェーデンでは、我が国に比べ、長時間労働は少なく、多様な働き方が可能となっていることから、仕事と子育ての両立が可能となっている。
  • これらの国では、既婚女性の労働力率は8割程度、3歳未満児の4~5割が家庭的保育等も含めた認可保育サービスを利用している(我が国では3歳未満児の2割程度が利用。)。
多様で柔軟な施策の展開、多様な働き方を支援する制度的枠組み

こうした現状の改革のためには、子育てをしながら就業を継続する受け皿となる社会サービス基盤の整備を行い、併せて、長時間労働の改善や、多様な働き方が可能となる働き方の改革を行うことが不可欠である。

同時に、この両方の施策が切れ目なく利用できる仕組みも必要である。経済的支援や各種サービスが一体的に提供される利用者本位の仕組みとなるよう、制度的枠組みの在り方についても検討すべきである。

  • 産休・育休から保育サービスへの切れ目のない移行が可能となる施策展開
  • 児童手当、育児休業給付、子育て支援サービス等の施策の間の役割分担や連携
  • 子育て支援施策体系及び制度の周知徹底や、利用可能なサービス等の普及啓発・利用促進 等

これらの施策は、画一的な推進ではなく、多様で柔軟な展開が必要である。ワーク・ライフ・バランス実現のための多様な働き方の実現、これを支援するための集団的保育と家庭的保育の適切な組み合わせ等、個々人の選択に対応し得る多様で柔軟な施策の在り方について、早急に結論を得るべきである。

併せて、多様な働き方の選択が可能で、国民が希望する結婚や出産が可能な社会の構築に向け、他の社会保障や税制等の分野においても、制度の在り方について引き続き検討すべきである。

なお、保育所待機児童の問題は、大都市圏に顕著に見られる課題であること等、少子化対策を巡っては、それぞれの地域ごとに特有の課題があり、それに応じた対応が求められることにも留意が必要である。

4 財源の規模及びその確保に向けた検討

家族政策関連支出の規模

家族政策関連支出の規模は、我が国がGDP`比0.75%であるのに対し、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデン等では、概ねGDPの2~3%を投入している。一方で、こうした給付が可能となっている背景には、高い国民負担があることにも留意が必要である。

  • 近年出生率が回復しているフランスを例に、給付の規模を我が国の人口構造に機械的に当てはめると約10.6兆円(GDP比では約2%)に、我が国のGDPに機械的に当てはめると約14.9兆円に相当する。
  • 近年特に出生率が回復しているフランスやスウェーデンでは、国民負担率は6割以上となっており、家族政策に要する費用も、公費負担とともに、高水準の企業拠出によって賄われている。特にフランスでは、企業におけるワーク・ライフ・バランスの取組とともに、事業主が給与総額の5.4%(給付総額の約50%に相当)を家族政策の財源として拠出するなど、企業が大きな役割を果たしている。

これらの国々は、我が国とは、人口政策や家族政策に対する考え方、制度の経緯・変遷、労働時間や男性の育児参加の状況、人口構造、国民負担の水準及び構造等が異なることには留意が必要である一方、有効な少子化対策の実施のためには、一定規模の効果的財政投入の検討を行うことも必要ではないかと考えられる。

個別施策の実効性の検証、現金給付と現物給付とのバランス等にも配慮した上で、実効ある家族政策を持続的に展開するための財源規模やその負担の在り方について、国民的議論を行うべきである。

  • 我が国では、企業も、公的な負担に加え、生活給的な年功賃金、家族手当などを通して、結果的に家族への支援に大きな役割を果たしてきた。しかし、昨今の少子高齢化の進行、グローバル化による国際競争の激化、価値観の多様化等、企業を取り巻く環境の変化に伴い、こうした賃金体系や企業内福利システムにも変化が見られるところであり、こうした状況への対応にも留意が必要である。
家族政策(少子化社会対策)の財源の在り方

少子化の問題は、地域サービス基盤の状況や働き方の問題と密接に関連するものであって、地域における子育て支援サービス基盤の確保、地域での子育てを支える活動への参画、企業におけるワーク・ライフ・バランスの取組や家族への支援等の取組等を含め、国・地方公共団体、企業、地域・家族等、関係者が一体となって取り組むべき課題である。

また、次世代育成支援の費用は、これを次世代の負担によって賄うことのないよう、必要な財源は現時点で手当しなければならないものである。

現在、我が国の家族政策(少子化社会対策)に係る財源は、多様な制度の下で、国・地方の公費や企業拠出、労使折半の保険料負担等の多様な財源により賄われている。こうした負担の水準・構造については、制度体系の議論に併せ、税制の抜本的見直しの議論と並行して議論を行う必要がある。

II 働き方の改革分科会の議論の整理

平成19年5月

平成18年末に公表された「日本の将来推計人口」では、今後、我が国は、一層の少子化・高齢化が進行し、特に、出生数は、2030年には約70万人、2055年には50万人弱となることなど、本格的な人口減少社会になるとの見通しが示された。このような状況を視野に入れ、本格的な少子化に対処するため、労働者個人やその家族のニーズに対応した働き方について検討・議論を行い、「働き方の改革」の方向性や支援のあり方についてとりまとめた。

1 問題の所在

(労働者を取り巻く環境の変化)

バブル景気崩壊後の長期にわたる景気低迷や国内外における競争の激化、技術革新の進展等を背景として、企業の雇用管理や人材育成にも様々な変化が生じている。

(若年非正規労働者の増加と家族形成の困難性)

この間の企業における本格的な人件費削減への取組の影響もあり、企業は正規社員数を抑制するとともに、非正規労働者の積極的活用を進めてきた。非正規労働者の増加は若年層の意識の変化によるところも大きいと考えられるが、結果としてやむなく非正規労働者となっている若年者も多く、彼らの経済基盤は弱く、将来への見通しが立ちにくい状況の中で、特に男性において、結婚や家族形成が困難となっている面がある。

(正規労働者の長時間労働や女性労働者の継続就業の困難性)

非正規労働者の増加の下で正規労働者への負荷は一層大きくなっている。常用労働者のうち、特に子育て世代の男性において週60時間以上の長時間労働者の割合が近年高止まりしており、現状、その割合は2割強となっている。また、体力や時間的に厳しいこと等を理由に、妊娠・出産を契機に離職する女性労働者の割合が7割に上っている。こうしたことの背景には、これまでのわが国の雇用慣行や上司や同僚の意識を含めた職場風土の影響も内在していると考えられる。

(ワーク・ライフ・コンフリクトの増大)

このような状況の中で、いわゆるワーク・ライフ・コンフリクト(労働者が仕事と生活の調和を図るにあたり、希望を満たすことができないという葛藤)が生じ、高まっている。

  • 若年非正規労働者の増加の下で、仕事により経済的基盤を確保することが難しく、雇用やキャリアの将来を描きにくいことが、若年層の結婚・出生行動に影響を及ぼしている。
  • 正規労働者においては、過密な労働が求められる中で、仕事以外でやりたいことややらなくてはならないことに十分に取り組めない状況が生じている。
    例えば、未就学児を持つ父親に聞くと、希望としては、仕事と同じように家事や育児を重視したいが、現実は仕事を優先せざるを得ない状況がある。
  • こうした中で、子育てと仕事のどちらかをあきらめざるをえない状況も生じている。例えば、妊娠・出産を契機に離職する女性労働者の割合は7割にのぼっているが、実際の継続就業率は、職場の雰囲気が子育てとの両立支援や個人の生活時間確保に協力的かどうかで大きく異なっている。
  • 上でみたように、わが国の企業における働き方はやや図式的に言えば、「過密な労働が求められる正規労働者の働き方」か「経済的基盤の確保が難しい非正規労働者の働き方」かという二者択一であり、また相互の行き来の難しい構図になっているが、仕事と生活に関わるニーズが、人によっても、また個人のライフステージによっても多様化する中で、労働者にとっての希望と現実の乖離が大きくなっている。
  • こうした状況は、企業にとっても、人口減少社会で人材を確保し、有効に活用していく上で制約要因となっており、仕事の進め方や内容を見直し、時間当たり生産性を向上させていく必要性が高まっている。
  • なお、以上のようなワーク・ライフ・コンフリクトは、企業内の雇用慣行や職場風土のみならず、家族の理解と協力といった家庭内の事情や取引先等企業間の関係、さらには、地域や社会サービスとの関係からも生じうるものであり、個別の労使における取組だけでは、その解消は難しい状況にある。
(ワーク・ライフ・コンフリクトの社会全体への影響)

このようにワーク・ライフ・コンフリクトは個人や家族の結婚・出生行動に大きな影響を及ぼし、今後の少子化の加速や将来の労働力人口の一層の減少につながりかねない。労働力人口減少の加速は、企業の長期的な経営活動にとって大きな制約要因であり、また、社会保障等における現役世代の負担の増大など、社会システムの持続可能性にも大きな影響を及ぼす。

さらに、上でみたように、わが国の企業における働き方は、人々の仕事と生活に関わる多様なニーズを必ずしも満たすものとなってはいない。人口減少社会が到来する中で、こうした多様なニーズを満たし、できるだけ多くの人が自分のニーズに合わせ就業参加できる仕組みを作っていかなければ、企業の経営活動の継続、ひいては社会の持続可能性にも影響を与えかねない。

このため、以上のようなワーク・ライフ・コンフリクトを取り除き、ワーク・ライフ・バランスを実現することは、持続可能な社会を構築するために不可欠である。こうした外部性を考えると、その実現に向けて個別の労使のみならず、社会全体で取り組んでいくことが必要である。

2 目指すべき「働き方の改革」

(1) ワーク・ライフ・バランスの考え方
  • ワーク・ライフ・バランスとは、個人が仕事上の責任を果たしつつ、結婚や育児をはじめとする家族形成のほか、介護やキャリア形成、地域活動への参加等、個人や多様なライフスタイルの家族がライフステージに応じた希望を実現できるようにすることである。このワーク・ライフ・バランスを実現することにより、安心して子どもを育てることができるようにするなど、将来の社会を担い、支える国民を応援する社会環境の整備を図ることが重要である。このようなワーク・ライフ・バランスの実現には、企業と労働者の双方が協調して「働き方の改革」を推進することが必要不可欠である。
  • また、こうしたワーク・ライフ・バランスの実現に向けた「働き方の改革」は、労働者が自己実現を図る環境を整えることを通じて、仕事におけるモチベーションを高めるとともに、効率的な仕事の進め方等労使の自主的な取組による生産性の向上を一層図ることで、労働者のみならず、企業にとってメリットのあるものとしなければならない。

分科会においては、

  • せっかく教育投資した女性社員が出産を機にやめてしまうことが多かったが、ファミリーフレンドリー施策で、仕事を行っていく上での選択肢が増えたことにより、女性の勤続年数が長くなった。
  • 時間や場所の制約から解放した多様な働き方を進めることにより、社員の満足度を高め、事業の成長に結びつくという考え方でワーク・フレキシビリティー施策を実施している。
  • 経営トップの強いリーダーシップの下で、IT技術の活用等により、情報の共有化、業務の効率化を進め、定時で仕事が終わる組織への転換を図った。 などの事例が報告された。
(2) 「働き方の改革」の方向性

ワーク・ライフ・バランスを実現するための「働き方の改革」の方向性として、「どのような暮らしを実現させるか」という観点から、以下のようなことがイメージされる。

  • 若年者の結婚や家族形成が可能となるよう、就業による経済的自立を図れるようにする。
  • 長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進等により、労働者の健康保持を図るとともに、どのようなライフスタイルであっても、家事や育児を含め、普通に日常生活を送れ、希望する労働者が家族と共に触れ合い、絆を深めることができるような時間を確保できるようにする。
  • 若年期、子育て期、子育て後及び高齢期といった個人や家族のライフステージごとに変化するニーズに応じて、個人が家族との協力の中で、柔軟な働き方や労働時間を変化させるなど、多様な働き方を選択できるようにする。
  • 年次有給休暇やまとまった休暇の取得により、豊かでゆとりある生活を実現するとともに、個人が中長期的な観点から、職業キャリア形成や地域活動、社会貢献など、自らの生涯にわたるキャリアを切り拓くことができるようにする。
  • 正規労働者と非正規労働者において合理性のない「壁」がなくなり、また、短時間正社員制度が普及するなど、正規労働者の働き方が多様で柔軟なものとなるようにする。
  • 仕事の進め方や働き方の見直しを進めることにより、時間的余裕が生まれるとともに、企業にとっても生産性の向上など経営上プラスになるようにする。

3 「働き方の改革」としての支援施策

「働き方の改革」としての支援施策の検討に当たっては、以下の視点を重視した。

  • ワーク・ライフ・バランスを推進するに当たっては、労使間の協調のみならず、上司や同僚など個別労働者間での理解を含め、互いの考え方を尊重しつつ、メリハリのある働き方を進める職場風土の形成や意識改革が必要であり、これらを推進するための国民運動が不可欠であること
  • ワーク・ライフ・バランス推進のための施策の検討に当たっては、個別政策の方向性の整理のみならず、それが成果を上げるための政策運用の仕組みまで視野に入れた戦略が重要であること
  • 相乗的に各政策の有効性を高めるため、府省間、および自治体との連携を強め、それぞれの持つ資源やネットワークを活用していく必要があること
  • 以上の三つの視点に立った、総合的かつ体系的な施策の展開を図るため、「ワーク・ライフ・バランス憲章」及び政府において「働き方の改革を推進する行動指針」を政策のパッケージとして策定することが必要であること
(1) 家族形成を可能とする経済的自立に向けた支援

若年者が結婚し、安心して家族を形成するためには、就業により安定的な収入を得られることが必要不可欠である。また、雇用管理や処遇について、各々の労働者が納得をしながら、職業能力を発揮し、生産性を高めることが重要である。支援施策の考え方として以下のようなものが考えられる。

  1. 青少年が職業生活を見据え、主体的に進路を選択し、社会的に自立できるように、学校教育段階における職業意識の醸成や就業能力の向上等キャリア教育等の推進を図ること
  2. 企業によるトライアル雇用を含むフリーター等の常用就職支援、企業がフリーター等非正規労働者を正規労働者に転換する制度の導入に対する支援やこれらの者に対する職業能力の開発の支援を行うこと
  3. 正規労働者と非正規労働者の均衡処遇の在り方について検討し、多様な働き方における、働きに応じた公正処遇の実現を図ること
(2) 「働き方の改革」に向けた取組の支援

ワーク・ライフ・コンフリクトを解消していくためには、労使の自主的な取組が基本であり、政府の役割は、こうした取組を促進・支援し、制度的な枠組の構築や基盤整備等を通じて、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた社会全体の取組を図っていくことである。このような観点から、支援施策の方向性として以下のようなものが考えられる。

  1. 長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得の促進等を支援すること
  2. 短時間勤務制度の普及促進やテレワークの推進等柔軟な働き方の選択肢の拡大に向けた環境整備を図ることにより、労働者が育児等と両立させながら、継続して働きやすい環境を整えるとともに、子育て後の女性の再就職支援の推進等を図るなど、労働者のライフステージに応じた柔軟な働き方の普及促進・環境整備を行うこと
  3. 企業を取り巻く環境や雇用管理のあり方が変化する中で、労働者が生涯にわたり自律的にキャリア形成を行い、安定した経済基盤を保持できるような社会的な支援体制等について検討すること
  4. ワーク・ライフ・バランスを積極的に進める企業に対して社会的評価を付与する仕組みを推進すること等により、中小企業も含めたワーク・ライフ・バランスの自主的取組を支援すること。また、そのような取組を行う企業のインセンティブとなるよう、そうした評価を考慮に入れた入札参加制度の推進等を図ること
  5. 社会全体でワーク・ライフ・バランスを推進するため、政労使等で構成されたワーク・ライフ・バランスの推進会議の開催等を行い、職場における労働者間の意識改革を含め、国民運動を推進すること
(3) 地域における「働き方の改革」を具体的に推進する体制の構築

地域によっては労働時間の短縮とともに、安定した雇用機会の創出を進めていくなど、地域によってワーク・ライフ・バランスに対するニーズは異なることから、この推進に際しては、地域の労使団体の積極的な参画・協働を基本として、これに国や地方自治体の資源やネットワーク等を活用することが重要である。支援施策の方向性として以下のようなものが考えられる。

  1. 地域の労使団体を中心とし、それに国及び地方自治体を加えた推進体制の整備を図り、その下で、地域の実情に応じた普及、展開を図ること
  2. このような推進体制の下で、地域において社会奉仕活動を行う団体やNPO等への働きかけを通じた中小企業経営者への動機付けを行うこと
(4) 「働き方の改革」の推進に向けた社会の仕組みの見直し

ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて、企業や労働者の努力等により「働き方の改革」を進めるに当たり、そうした「働き方の改革」を可能とする社会的条件を整備することも必要である。支援施策の方向性として以下のようなものが考えられる。

  1. 働き方の多様化や個人・家族の様々なニーズに対応した子育て等支援サービスの地域における確立・充実を図るとともに、事業主による子育て支援サービスの提供を支援すること
  2. 企業がワーク・ライフ・バランスを推進する際、取引関係や消費者の理解が鍵となることが考えられることから、企業間において計画的な発注、納期の促進等を図るとともに、消費者も、サービスを提供する労働者の働き方について配慮する社会的気運の醸成を図ること
  3. 税や社会保障制度などにおいても、ワーク・ライフ・コンフリクトの解消に資する働き方がより自由に選択できるような制度のあり方について検討していく必要があること

以上のような施策を含め、国民が働き方についての意識を変え、企業も行動を変えていくためには、社会全体でワーク・ライフ・バランスを達成する国民運動のみならず、関係府省や自治体が一体となって、総合的かつ体系的な施策の展開を図っていく必要がある。このため、「ワーク・ライフ・バランス憲章」及び政府において「働き方の改革を推進する行動指針」を政策のパッケージとして策定することが必要である。

4 まとめ

今回、当分科会では、個人やその家族のライフステージごとに生じるニーズへの対応を容易とするワーク・ライフ・バランスの推進に資する「働き方の改革」について、その目指すべき方向性や支援施策等を五回にわたり、検討・議論を行い、議論の整理(中間報告)としてとりまとめた。

今後、この「働き方の改革」を進めることにより、個人やその家族がライフステージごとに希望する暮らしを実現し、将来の社会を担い、支えることになる子どもたちを安心して育てることができるよう、社会全体での環境整備が必要である。

このため、政府においては、この「働き方の改革」分科会における議論の整理(中間報告)に盛り込まれた支援施策等の提言のうち、予算措置や法制度の見直しが必要な措置については早急に検討に着手すべきである。

III 地域・家族の再生分科会の議論の整理

平成19年5月

1 今後の人口構造の変化と地域・家族をめぐる課題

我が国においては、急速な少子化の進行に歯止めがかからない状況が続いている。本年1月に発表された社会保障審議会の人口構造の変化に関する特別部会における議論の整理においては、

  • 現在の急速な少子化の進行は決して国民が望んだものではなく、国民の結婚や出産・子育てに対する希望と実態との乖離が拡大していること
  • 今後の人口構造の変化を念頭に置くと、若者、女性、高齢者の就労促進により労働力人口の減少の緩和を図るとともに、これから生まれる子どもの数の減少をできるだけ緩和し、2030年以降の急速な生産年齢人口の減少をカバーすることが必要であること
  • そのためには、仕事と子育ての両立が困難で有配偶女性の労働力率が低いという構造、すなわち就業したいという希望と子どもを生み育てたいという希望の二者択一を迫られる構造を変える必要があること
  • 各種の調査結果や研究結果からは、
    1. 結婚には、家庭生活を送っていく上で必要な経済的基盤や雇用・キャリアの将来の見通し・安定性
    2. 出産には、子育てしながら就業継続できる見通しや仕事と家庭生活の調和の確保の度合い
    3. 特に第2子以降の出産には、夫婦間の家事・育児の分担度合いや育児不安の度合い
    の影響が示唆されることが明らかにされた。

これらの課題について戦略的に取り組むことが必要であり、とりわけ、国民一人ひとりが労働者として仕事上の責任を果たしつつ、生活者として家族生活など個人や家族のライフステージに応じた多様な希望の実現を可能とする「ワーク・ライフ・バランス」の実現が重要である。このような認識のもとで、当分科会の検討テーマである地域・家族をめぐる課題を考えると、「多様で公正な働き方の選択肢が充実し、結婚や出産・子育てと就労をめぐって様々な選択ができるような環境整備が進められる動きの中で、どのような選択をとったとしても、子どもの成長を育むという家族の機能が果たされるよう、地域が家族を支援する体制を構築すること」と整理できる。

このため、多様な働き方の選択と、結婚や出産・子育てとが、二者択一にならないよう、社会的な制度や地域の子育て支援のサービス基盤を整備していくことが求められる。

また、どのようなライフスタイルを選択していたとしても、家庭における子育ては、すべての人に共通する営みであるが、これまで家族の役割に委ねられ、これに対する支援の必要性の十分な認識が共有されてきておらず、特に、専業主婦の育児不安が強いままの状態が続いている。地域における人のつながりが希薄化する中で、家庭における子育てを地域が支え、子どもの育ちを保障する体制の構築の必要性も高まっている。ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた動きの中では、このような支援の必要性は、専業主婦に限らず、多様な働き方で就労する男性にも、女性にも、共通する課題であり、さらには、企業を含めた地域社会全体での取組が求められる問題である。

さらに、近年、児童虐待が増加しているが、子育ての孤立化の深まりや、子育て家庭を取り巻く経済的な状況の不安定化、様々な障害のある子どもに対する社会的支援の不足等により、家庭における子育て機能が十分に果たせないことによって困難な状況にある子どもや家庭に対する対応も課題となっている。「すべての子ども、すべての家族を応援する」という観点からは、こうした様々な事情により困難な状況にある子どもや家族への支援についても、地域における子育て支援の延長線上の課題として取り組まれなければならない。

このように、すべての子どもの育ちを支え、子どもの成長を育むすべての家族を、子育て中の人もそうでない人も含めて地域全体で支えていくということが、今日の地域・家族をめぐって取り組むべき課題であり、地域における子育て支援の基本的な理念とされなければならない。

2 地域における子育て支援
―家庭における子育て・親子関係への支援、地域の様々な主体による子育てへの配慮

(1) 地域子育て支援の基本的なメニューの面的な整備

専業主婦(夫)や育児休業中の者、短時間勤務など多様な働き方で就労しながら子どもと関わる時間を持つ者など、個々人が選択するライフスタイル、ライフサイクルに合わせて、すべての家庭に共通する家庭における子育て、あるいは親子関係への支援体制を構築することが必要である。

各種の子育て支援事業に関しては、各地方公共団体で次世代育成支援行動計画が策定され、計画的な整備が進められつつあるが、各市町村における整備状況には地域差も大きく、国全体で打ち出されている各種の支援メニューが、個々人の生活圏の単位では必ずしも利用可能な状態にはなっていない。

このため、(1)すべての子育て家庭に対する「全戸訪問」、(2)子育て中の誰もが利用できる「地域子育て支援拠点」、(3)専業主婦(夫)や育児休業中の者のニーズにも対応する「一時預かり」、(4)特に困難な状況を抱える家庭に対する「訪問支援」をはじめとした継続的な支援を、地域子育て支援の基本的なメニューとして位置付け、子育て家庭の生活圏ごとに、面的に整備していくことが必要である。

また、乳幼児期、学童期など各段階に応じた子育て講座を、身近な地域において親の多くが集まる機会を活用して実施するなど、きめ細かな家庭教育への支援が必要である。

(2) 当事者主体の取組の重視

地域の子育て支援を進めていくに当たっては、親の子育て負担の軽減という観点のみならず、ワーク・ライフ・バランスの実現が図られる中で、親の役割の肩代わりではなく、父親・母親がともに協力し、主体的に参画していくことを促すことが重要である。NPO等による特定の課題解決に向けた取組や、自治会等地域の住民組織による子育て支援活動などが展開されつつあるが、このような子どもを育む地域住民のつながりの構築と人材の育成を図り、これらと行政とが協働して子育て支援活動を展開する中で、地域の人々のつながりに支えられ、親が自ら学び育ち、つながりの輪に加わっていくことを基本に置いた「当事者主体」の事業展開を図っていくことが必要である。

(3) 企業活動と子育て支援活動との連携、協働

社会全体で子育てしやすい地域づくりを進めていく上では、働く者が子育てしやすい環境整備や、地域の子育て家庭が利用しやすい商品・サービスの提供、子育て世帯への優遇措置の適用など、企業活動の中に子育て支援の要素を織り込んでいくことが求められる。

一部の地方公共団体では、これらの取組を進める企業に対して、「子育て応援の店」の登録制度を設けたり、入札資格における配慮等が行われているが、このように、地域づくりの中で企業による子育て支援をバックアップする取組を普及していくことが必要である。

あわせて、こうした取組が地域で進められていることが、子育て家庭に情報として伝わることが重要であり、一部地方公共団体で取り組まれているように、子育て当事者の参画の下で、「子育て支援サイト」や「子育てマップ」の作成などの方法で、子育て家庭に伝わりやすい形で情報発信することは有効である。

このような取組を各地方公共団体で進める上では、次世代育成支援対策推進法に基づく地域行動計画の策定プロセスへ、企業やその従業員、子育て中の当事者等が参画するなどの体制を整備することも求められる。

3 多様な働き方を支える保育をはじめとする子育て支援サービス

(1) 内容、量ともに多様で弾力的な3歳未満児の保育サービスの拡充

出産・子育てと就労に関して、多様な選択が可能となる中で、出産の前後を通じて就労を継続する女性の割合は、今後高まっていくことが予想される。有配偶の女性の労働力率が8割程度となっているフランスやスウェーデンでは、認可保育サービスを利用する3歳未満児の割合が4割以上となっており、現在、この割合が2割程度となっている我が国においても、就業継続を希望する者が、質の保障された保育サービスが得られないことによりそれを断念している状況を克服する保育環境の整備が課題となる。

3歳未満児については、育児休業明けでの年度途中入所が必要な場合が多く、また、短時間勤務などの働き方の多様化に対応するためにも、多様で弾力的なサービスの仕組みの検討が必要である。

また、短時間や隔日、夜間帯や休日など、多様な就労時間・就労形態に対応した保育時間の設定や、病児・病後児の対応など、多様なニーズに合った保育サービスの提供も課題である。

このような状況に的確に対応していくためには、保育所による保育サービスの拡充だけでなく、家庭的保育(保育ママ)の充実や、その質を確保し安心して子どもを預けられる仕組みの検討、事業所内保育施設の地域での活用もあわせて進めていくことが必要である。

(2) 3歳以上児の親の就労形態の変化への柔軟な対応

3歳以上児については、保育所・幼稚園を合わせてみれば、量的な整備は進んでおり、一人ひとりの親のライフステージに応じた就労形態の変化に柔軟に対応できるよう、また、地域の子育て支援の拠点としての位置付けを含め、就学前の子どものニーズに総合的に対応できる拠点として、「認定こども園」制度の普及を図っていくことが必要である。

(3) 保育の質の確保と幼児教育機能の重視

子どもの育ち(発達)を保障する観点からは、量的な保育サービスの拡充が、保育の質の劣化を招くことのないよう配慮が必要である。また、幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり、こうした幼児教育重視の流れの中で、保育所・幼稚園・認定こども園における教育機能の充実を図っていくとともに、小学校との連携を促進することが求められる。

(4) 学齢児の放課後対策

学齢期の放課後対策については、その普及状況を見ると地域差が大きく、放課後児童クラブ、18年度まで実施した地域子ども教室のいずれも行われていない空白市町村も、未だ存在している。また、放課後児童クラブは、主に小学校1~3年生を対象として進められてきたが、高学年期における安全な児童の居場所の確保や、多様な就労時間に対応した開所時間の設定も課題となっている。

さらに、本年度より「放課後子どもプラン」の推進を図ることとしているが、これを展開していく上で、子ども同士の交流や、退職者・高齢者などを活用した地域とのつながりを大切にする取組も求められている。

こうした実状を踏まえ、全小学校区への「放課後子どもプラン」の普及を図ることにより、幼児期から、高学年期まで円滑に、安全で健やかな活動場所を確保し、多様なニーズに対応した柔軟なサービスを提供していくことが必要である。

(5) 親も責任を持ち主体的に参画するサービス運営

親は単にサービスの受け手という発想ではなく、多様な経験や能力を持つ親の力を活かし、親の意見を活動に組み入れるとともに、親も責任を持って関わり、親同士が共に子どもの育ちの場をつくり出す仲間としてつながり、子どもとの関わりを深められ、親もともに育つようなサービス運営の在り方について検討する必要がある。具体的には、諸外国にみられるファミリー保育のような親仲間が主体となり運営する形態での家庭的保育や、保育所の運営、放課後子どもプラン等学齢児の諸活動に対する主体的な親の参画や、建設的な意見を反映する方策の検討が必要である。

4 困難な状況にある子どもや家族を支える地域の取組強化
―虐待等により家庭での養育が困難となった子どもたちに対する養護の拡充

(1) 家庭的養護の拡充等の社会的養護の質の向上に向けた取組

児童虐待の増加等に伴う子どもの状態の多様化・複雑化に対応するため、社会的養護の質の向上に向けた見直しが求められている。

このため、社会的養護を必要とする子どもたちを、家庭的な環境で養護していくため、里親委託、小規模グループ形態の住居・施設の検討、施設におけるケア単位の小規模化・地域化をさらに推進するとともに、子どもに対して最も適切な支援を実施できるような施設体系のあり方や、治療的ケアを含めた施設機能の強化、家庭支援を含め地域全体で子どもを支えるための関係機関間の調整と役割分担による対応など地域ネットワークの確立について、検討していくことが必要である。

また、児童養護施設に入所している子どもの高校卒業後の進学率が低いこと等の実状を踏まえ、就労や進学の支援や施設退所後の支援など年長児の自立支援のための取組の拡充を図っていくことが求められる。

また、支援の質の向上を図るため、社会的養護を担う人材とその専門性を確保するための仕組みを検討していくことが必要である。

(2) 子どもの権利擁護の強化とケアの質の確保に向けた対策

施設内虐待が相次いでいるが、子どもの権利を守るべき機関において、権利の侵害が起こることは許されるものではない。この防止等を図るため、再発防止に有効な仕組みの導入や、第三者評価の充実、子どもが意見を表明する機会の担保等、子どもの権利擁護とケアの質の確保を図る仕組みを検討する必要がある。

(3) 社会的養護体制の拡充方策

社会的養護を必要とする子どもの数の増加や子どもの状態の多様化・複雑化に対応するため、都道府県等において整備目標を含めた整備計画を策定し、これに基づいた計画的な整備を行う仕組みを検討する必要がある。

5 安心して生み育てられる産科・小児科医療体制の確保

すべての地域において、子どもを安心して生み育てられるよう、必要な産科・小児科の医療体制を確保するため、医師が集まる拠点病院づくり、周産期医療ネットワークをはじめとした医療機関相互のネットワークの構築等の対策が進められているところであり、引き続き、実効性ある対策を推進していくことが必要である。

6 国民運動の展開
―自然に子育ての楽しさや大切さが受け継がれる国民運動の展開

様々なライフスタイルの選択を受け止めた上で、

  • 孤立化しがちな今日の環境の中での子育ての大変さを理解し、
  • 子どもを育てている人も、育てていない人も含め、社会全体で、生命を次代に伝え育んでいくことや、子どもを慈しみ、守り育てることの大切さについての認識を共有し、
  • ワーク・ライフ・バランスの推進とともに、家族の中での分担、特に男性の家事・育児分担を進め、家族構成員間の絆をより深め、
  • 家族を支える地域の取組を進め、どの程度環境が改善しているのか情報を共有する

国民運動を展開し、自然に子育ての喜びや大切さが、これから子どもを生み育てていく若い世代に、また、子どもたち自身に受け継がれていくことが必要である。

7 まとめ

ここまで述べてきた家庭における子育てを支える地域の子育て支援や、多様な働き方を支える子育て支援サービスの拡充、さらには困難な状況にある子どもや家庭を支える地域の取組の強化については、いずれも、地方公共団体、とりわけ基礎自治体が、個々人の生活圏域において、子育ての当事者や地域住民の参画のもとで、それぞれの地域の実情を踏まえてニーズに応えていくことが求められている。基礎自治体において、このような施策展開が着実かつ持続的に進められるよう、財源の確保を含めた制度的な枠組みについて、検討していくことが必要である。

IV 点検・評価分科会の議論の整理

平成19年5月

1.はじめに

本分科会の主な役割は、次世代育成支援対策推進法に基づく地方公共団体の行動計画の数値目標の見直しに向けた検討等、今後の少子化対策の展開に資するため、(1)既に実施されている少子化対策について、運用面にも着目しつつ、施策の進捗状況を点検し評価を行うこと、(2)利用者の視点に立って少子化対策の有効性を点検・評価するための手法を検討することである。

ここでは、(1)を中心に議論の整理を行っているが、(2)についても重要な課題であり、今後、本分科会で検討することとしている。

2.重点的に点検・評価すべきテーマ

少子化対策に関連する施策は極めて広範囲にわたることから、本分科会では、効果的な対策の再構築を図る上で特に検証が必要であると考えられる重点テーマを設定し、集中的に議論を行うこととした。

具体的には、社会保障審議会人口構造の変化に関する特別部会「『出生等に対する希望を反映した人口試算』の公表に当たっての人口構造の変化に関する議論の整理」(平成19年1月26日)において速やかに取り組むべきとされた施策分野、「子ども・子育て応援プラン」(平成16年12月24日少子化社会対策会議決定)の進捗状況、内閣府ホームページの少子化に関する意見募集に寄せられた意見などをもとに、個々の施策の進捗状や運用改善のほか、施策間の連携に着目しつつ、次のような重点テーマを設定し、問題の所在及び今後の方向を整理することとした。

【重点テーマ】
○継続就業環境整備(育児休業制度、短時間勤務制度等が活用しやすいような働き方や仕事の仕方の見直し等)
  • 育児休業や短時間勤務の充実・普及
  • 企業の子育て支援の取組の促進
  • 妊娠初期の休暇など、妊娠中の体調不良時の母性健康管理措置の徹底・充実 等
○保育環境の整備
  • 保育所の受入れ児童数の拡大(待機児童ゼロ作戦)
  • 多様な保育ニーズへの対応(延長保育、休日保育、夜間保育など)
  • 病児・病後児保育の拡充
  • 子どもの放課後対策 等
○育児不安の解消(専業主婦も含めた地域における育児支援、家庭内の育児負担等)
  • 地域における子育て支援拠点の拡充と人材育成、ネットワークづくり
  • 産科医療システム、小児医療システムの充実 等

※点検・評価に当たっては、継続就業環境整備と保育環境整備といった施策間の連携に着目する。

3.問題の所在

2.において設定した重点テーマを中心に点検・評価した結果、これまで政府として少子化対策を推進し、継続就業環境や保育環境、地域の子育て支援の整備等は着実に進められてきているものの、制度の運用面などを中心に次のような問題点が明らかとなった。

(1) 継続就業環境整備について
(1) 女性の継続就業について

現在、女性の約7割が育児休業制度等の両立支援制度を利用する前に妊娠・出産を契機に離職しており、このうち約3割が両立環境が整わないことを理由に辞めている。具体的には、

  • 育児休業など両立支援制度が活用しにくい
  • 保育所の開所時間と勤務時間が合わない
  • 子どもの病気等で度々休まざるをえない
  • 自分の体力がもたない

などとなっている。

(2) 育児休業制度等の両立支援制度の利用について

育児休業制度等の両立支援制度は、法律に基づき該当者は誰でも利用できる制度であるが、労働者の約半数が雇用されている中小企業においては両立支援制度の利用が立ち遅れている。

中小企業において制度利用が立ち遅れている理由として、育児休業取得者等の業務をカバーできるような仕事の進め方ができていないことなどがある。

(3) 男性の子育てについて

男性の多くは、仕事優先の働き方を前提とした企業の人材活用により、子育てに十分な時間をかけられない状況にある。例えば、6歳未満児の父親の1日あたりの家事関連時間は48分(うち育児が25分)となっており、他の先進諸国と比べても極めて短い。また、女性の育児休業取得率は平成11年の56.4%から17年の72.3%と着実に向上している一方、男性の取得率は11年の0.42%から17年の0.50%と極めて低い水準にとどまっている。

男性が子育てに十分な時間をかけられない理由として、男性が子育てしやすいような職場の雰囲気がない、キャリアや業務知識への影響に対する懸念などがある。

なお、キャリアや業務知識への影響は、女性労働者が育児休業制度等を利用しない、あるいは希望よりも利用期間を短くする原因でもある。

(4) 仕事の仕方について

上記のように両立支援制度が十分に機能していない背景として、制度を利用すると、職場における業務遂行に支障が出るような業務管理・時間管理などの仕事の仕方になっていることがある。それは、労働者に両立支援制度の利用をためらわせ、上司や同僚にはその利用を積極的に受け入れにくくさせている。

(2) 保育環境の整備について
(1) 保育所の受入れ児童数の拡大(待機児童ゼロ作戦)について

保育所の着実な整備が進められ、平成16~18年の3年連続で待機児童は減少しているものの、次のような事情から抜本的な解消に至っていない。

  • 用地確保が困難(特に待機児童が多い都市部)
  • 低年齢児(0~2歳児)の受入定員の不足(3歳未満児の保育所入所割合が低い地域において、最近の保育需要に整備が追いついていない)
  • 地域内における待機児童の偏在
  • 保育所整備により保育の滞在需要が喚起される
  • 将来の保育需要が不明確(子どもの数の減少)
  • 市町村の財政的な制約
(2) 多様な保育ニーズへの対応について

就業形態・時間帯の多様化やサービス経済化等に伴い、多様な保育ニーズ(延長保育、休日保育、夜間保育、病児・病後児保育、一時保育)が高まっているにもかかわらず、十分対応できていない。

(3) 子どもの放課後をめぐる問題について

子どもをめぐる事件の多発等に伴い、小学生も安心して過ごせる居場所づくりが必要とのニーズが近年急速に高まっているが、公園など学校以外で安心して活動できる場所が少ないことに加え、すべての児童を対象とした放課後対策が十分でないこと、開所時間の延長や高学年の利用、といった課題がある。

(4) 継続就業環境整備と保育環境整備の連携について

保育所の年度途中の入所が難しいため、育児休業を途中で切り上げざるをえない、保育所の開所時間が勤務時間の実態に合っていないといった問題がある。

こうした問題の背景には、長時間労働や多様な働き方を選択できないことから、長時間の保育が必要になるなど、現在の働き方に起因している部分が大きい。

また、現在の保育環境の整備は、フルタイム労働、長時間労働を当然視する働き方を前提とした保育ニーズに基づいて進められているが、働き方の多様化が進む中、それに応じた柔軟なサービスに対するニーズが今後一層高まることが予想される。

(3) 育児不安の解消について
(1) 家庭における子育てについて

4歳以上はほとんどが保育所又は幼稚園に入所している(約95%)一方、0~2歳児の約8割は在宅で子育てされている。家庭内の子育ては、核家族化や都市化の進展等に伴い、家庭の養育力や地域における相互助け合いが低下していることもあって、孤立化する傾向にある。

さらに、男性が長時間労働等により子育てに十分な時間をかけられないことが、在宅で子育てをする母親の育児不安を増大させている面がある。

こうした状況の中、専業主婦(夫)や育児休業中の者、短時間勤務等多様な働き方で就労しながら生活時間に子どもに関わる者など、家庭における子育てに関して、身近なところで、気軽につどい、相談・交流できる場がほしい、地域における子育て支援に関する情報がほしい、保護者の急病や育児等に伴う心理的・肉体的負担の解消のため気軽に一時預かりサービスを受けたい、自らの家庭状況に応じた適切なサービスを受けたいといったニーズが高まっている。しかしながら、

  • 地域における子育て支援拠点等の整備や事業の内容がまだ十分に行き渡っていない
  • 気軽につどい、相談・交流しやすい場になっていない
  • 地域における子育て支援に関する情報の提供や個々の家庭状況に応じた適切なサービスの提供を行う体制が不十分

といった状況にある。

(2) 産科医療システム、小児医療システム

安心して妊娠、出産、子育てができる環境整備について、次のような問題がある。

  • 各病院に産科医が1人ずつ配置されるなど、医師の薄く広い配置などの勤務医の厳しい勤務環境
  • 産科における訴訟リスクの高まりに対する懸念
  • 小児科における病院(勤務医)への夜間・休日患者の集中
  • 小児科における親の専門医志向
  • 核家族化による育児不安等からくる、軽症での受診増
(4) 共通する課題

上記(1)~(3)の問題点をみると、育児休業制度等の両立支援制度を利用しやすい職場の雰囲気にない、子どもが病気になったときの対応が難しい、育児休業取得者等の業務をカバーすることが難しい、長時間労働により子育てに十分な時間をかけられない、長時間労働により延長保育や放課後児童クラブの開所時間の延長のニーズが高まるなど、その多くが仕事優先の働き方を前提とした企業の人材活用に起因したものとなっている。

近年、育児や介護、自己啓発、社会活動など、仕事以外の生活時間も充実させたい、あるいはライフステージに応じて働き方や労働時間を柔軟に変えたいという仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に対する働く人々のニーズが高まっているが、上記でみたように、多くの職場で従来の仕事優先の働き方が根強く残っており、ワーク・ライフ・バランスに対するニーズに対応できていない。

ワーク・ライフ・バランスを実現できる環境整備のためには、企業は、労働者が仕事に投入できる時間に制約があることを前提とした業務管理や人材活用に切り替えていく必要があり、その取組は、企業の生産性向上に貢献することが期待できるとともに、労働者の仕事の意欲の向上や必要な人材の確保にもつながることになる。

労働者側からみても、仕事と生活の調和が実現できることで、働く人々も子どもや家族と過ごす時間が増え、親が子育ての喜びを実感できるとともに、子どもの健全な育ちにつながる。男女がともに子育てを行うことで、これまでの保育ニーズにも変化が生じることになるだけでなく、女性が継続就業しやすくなる。さらに、仕事以外の生活に活用できる時間が増えることによって、地域活動への参加の機会などが増える。また、少子化の原因となっている未婚化や晩婚化の進行の背景には様々な要因があるが、未婚の男女にとっては、様々な社会活動への参加が可能となり、様々な出会いの機会の増大にも資することになる。

(5) その他

そのほか、本分科会において、

  • 産前産後の休業期間中には多くの場合給与が支払われていないが、社会保険料が賦課されており、育児休業中の取扱いと比較しても、継続就業の環境整備の観点から問題である。
  • 現行の統計調査では、産前産後休業者及び育児休業者も含めた労働力人口が把握されておらず、また、女性の継続就業率が継続的に把握されていない といった点が指摘された。

4.今後の方向

(1) ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて

3.でみたように、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた環境整備は、継続就業環境整備、保育環境の整備、育児不安の解消のすべてにおいて最も重要な課題となっており、次に掲げる対応方向に基づき、国、地方公共団体、企業、地域社会等が連携して取り組むことが重要であり、その取組が家族、地域社会のあり方を大きく変えることにつながる。

なお、当面、現在の働き方を前提としたニーズに対応していく必要があるが、今後、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた環境整備が進むにしたがって、国民のニーズも変化していくことに留意が必要である。

(対応方向)
  • 労使の自主的取組等を通じた、長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進等により、家族が共に触れ合い、絆を深めるような時間を確保できるようにする。
  • 仕事と生活の調和ができるような柔軟な働き方を実現するため、労働者の事情に配慮した働き方の推進、仕事と家庭の両立が図られる環境整備の推進を図る。
  • どのような働き方をしても、公正に処遇され、個々人の生活上の必要に応じた働き方を選択できる条件整備を進める。
  • 子育てや介護などをしながら安心して働き続けられる基盤の整備のため、短時間勤務など多様な働き方に対応できるように、多様かつ柔軟な子育て支援サービスの提供を図る。

上記の対応方向に沿って、3.でみた各問題点の対応策を考えると、次の通りとなる。

(2) 個々の重点テーマについて
(1) 継続就業環境整備について
  • 子育てに十分に時間をかけることができていないという問題への対応として、業務管理や時間管理など仕事の仕方の見直し等により、効率的な業務遂行と長時間労働の是正を図る。
  • 育児休業制度等の両立支援制度の利用者がいると業務に支障が出るという問題への対応として、情報の共有化等、お互いの業務をカバーできる業務体制の構築を図る。
  • 育児休業制度等の両立支援制度を利用しやすい職場をつくるため、制度利用に対する企業経営者や管理職への意識改革、従業員への周知、企業による従業員のニーズ把握の取組の促進、情報共有化など休業者が出てもカバーできるような仕事の仕方の見直しのためのノウハウ提供を行う。
  • 子どもの病気等への対応として、企業における子どもの看護休暇等の適切な運用、病児・病後児保育の充実を図る。
  • 社内規定がないなど育児休業制度等の両立支援制度の認知が不足している事業所に対し、法制度等の周知徹底を図る。
  • キャリアへの影響への対応として、制度利用者の評価ルールの明確化を図る。
  • 業務知識への影響への対応として、制度利用者に対し、育児休業中の業務関連情報の提供を図る。
  • 男性の子育てを支援するため、上記の取組に加え、男性の子育ての必要性に対する企業経営者や管理職への意識改革、従業員への周知、男性労働者の利用も念頭においた両立支援策の促進を図る。
(2) 保育環境整備について

1)保育所の受入れ児童数の拡大、多様な保育ニーズへの対応

  • 単に待機児童の解消を目指すだけでなく、今後の有配偶女性の労働力率の上昇を視野に入れた、特に3歳未満児の保育サービスの計画的な拡充を図る。
  • 待機児童の問題は用地取得が難しい都市部で顕著であること、働き方の多様化によって柔軟な保育サービスに対するニーズが高まっていることなどから、家庭的保育等の多様で弾力的な保育サービスの活用を図る。
  • 多様な保育ニーズ(延長、休日・夜間、病児・病後児、一時保育)に対応するため、保育サービス利用者の満足度を適切に把握し、それに応じた柔軟なサービスの提供を図る。その際、子どもの視点に立って子どもにとって適切な保育環境が確保されるよう、質の確保にも留意する。

2)子どもが放課後も安心して過ごせる居場所づくり

  • 平成19年度から実施する「放課後子どもプラン」においては、各地域で実施されている放課後対策の実態や親のニーズを踏まえ、事業の円滑な実施を図る。
  • すべての児童を対象とした放課後対策を含め、「放課後子どもプラン」を推進する中で、開所時間の延長の取組や高学年利用、適正規模化の課題に対応する。
(3) 育児不安の解消について

1)子育て、親子関係への支援

  • 身近に歩いて行けるような距離感で、地域子育て支援拠点を整備する。
  • 専業主婦だけでなく、育児休業中の者や男性の子育てへの支援など、すべての家庭を対象とした子育て支援の展開を図る。
  • 地域子育て支援事業を進める上で、気軽に集い、相談・交流しやすい場になるよう、父母が主体的に参画しやすい環境を整備し、行政や関係者と協働する活動を推進する。
  • 在宅子育て家庭でも気軽に利用しやすい一時預かりサービスの拡充を図る。
  • 学生・主婦・退職者等のボランティア等を活用した子育て支援の人材の確保を図るとともに、地域の子育て支援拠点における人材育成や質の確保を図る。

2)産科医療システム、小児医療システムの充実

  • 産科医の減少、分娩実施施設数の減少、地域偏在への対応として、医師が集まる拠点病院づくり、周産期医療ネットワークをはじめとした医療機関相互のネットワークの構築、産科医の確保、産科医療補償制度の検討、助産師の活用などを図る。
  • 夜間・休日患者の集中、軽症での受診増等による小児科勤務医の繁忙感から深刻化している問題への対応として、拠点病院づくり、医療機関相互のネットワーク構築、小児科医の確保、小児救急電話相談事業の充実を図る。
  • 医師の労働環境の改善を図る。
(4) その他
  • 産前産後の休業期間中の社会保険料負担の取扱いについて、必要となる財源にも留意しつつ、育児休業と同様に免除にすることを含めて検討する。
  • 産前産後休業者及び育児休業者も含めた労働力人口を把握することについて検討する。
  • 女性の継続就業率を継続的に把握することについて検討する。

5.おわりに

以上の点及び他分科会における検討も踏まえ、今後、具体的な施策の見直し等の検討を行うとともに、それらの施策を実効ある形で進めるために、地方公共団体や企業の行動計画、さらには「子ども・子育て応援プラン」の見直しにつなげていくことが必要である。


委員名簿

「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議構成員名簿

(少子化社会対策会議委員)
内閣官房長官
内閣府特命担当大臣(少子化対策)
内閣府特命担当大臣(経済財政政策)
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣
経済産業大臣
国土交通大臣
(有識者)
池田 守男(いけだ もりお) 株式会社資生堂相談役(日本経済団体連合会少子化対策委員会委員長、日本商工会議所特別顧問)
岩渕 勝好(いわぶち かつよし) 東北福祉大学教授、産業経済新聞客員論説委員
清原 慶子(きよはら けいこ) 三鷹市長
古賀 伸明(こが のぶあき) 日本労働組合総連合会事務局長
佐藤 博樹(さとう ひろき) 東京大学社会科学研究所教授
樋口 美雄(ひぐち よしお) 慶應義塾大学商学部教授
吉川 洋 (よしかわ ひろし) 東京大学大学院経済学研究科教授

〔有識者については五十音順・敬称略〕

「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議 分科会名簿

(1) 基本戦略分科会

吉川 洋 東京大学大学院経済学研究科教授
  阿藤 誠 早稲田大学人間科学学術院特任教授
  逢見 直人 日本労働組合総連合会副事務局長
  駒村 康平 慶應義塾大学経済学部教授
  杉山 千佳 有限会社セレーノ代表取締役、子育て環境研究所代表
  高橋 秀夫 (社)日本経済団体連合会経済第三本部長
  土居 丈朗 慶應義塾大学経済学部准教授
  西川 一誠 福井県知事

(2) 働き方の改革分科会

樋口 美雄 慶應義塾大学商学部教授
  阿部 正浩 獨協大学経済学部准教授
  北浦 正行 (財)社会経済生産性本部事務局次長
  木村 邦明 日本電気株式会社国内営業企画本部人事統括マネージャー
  小杉 礼子 労働政策研究・研修機構人材育成部門統括研究員
  武石 恵美子 法政大学キャリアデザイン学部教授
  長谷川 三千子 埼玉大学教養学部教授
  藤木 信彰 共立印刷株式会社取締役管理部長
  山口 洋子 日本労働組合総連合会副事務局長
  横山 知子 日本アイ・ビー・エム株式会社S&D人事部

(3) 地域・家族の再生分科会

岩渕 勝好 東北福祉大学教授
  池本 美香 株式会社日本総合研究所調査部主任研究員
  鹿毛 弘通 社会福祉法人扶助者聖母会星美ホームファミリーソーシャルワーカー
  見城 美枝子 青森大学教授
  汐見 稔幸 白梅学園大学副学長
  篠原 文也 テレビ東京解説委員
  庄司 順一 青山学院大学文学部教授
  高橋 史朗 明星大学人文学部教授
  中橋 恵美子 特定非営利活動法人わははネット理事長
  宮島 香澄 日本テレビ報道局記者
  森 貞述 高浜市長
  山縣 文治 大阪市立大学生活科学部教授
  山田 昌弘 東京学芸大学教育学部教授

(4) 点検・評価分科会

佐藤 博樹 東京大学社会科学研究所教授
  渥美 由喜 株式会社富士通総研主任研究員
  案田 陽治 日本サービス・流通労働組合連合副会長
  大日向 雅美 恵泉女学園大学・大学院教授
  大矢 和子 株式会社資生堂常勤顧問
  奥山 千鶴子 特定非営利活動法人びーのびーの理事長
  藤本 保 大分こども病院長
  前田 正子 (財)横浜市国際交流協会理事長

(注) ◎は分科会主査