有識者委員の意見の概要(要約版)

  • 以下は、第1回少子化社会対策推進会議(平成17年10月28日)並びに第1回及び第2回少子化社会対策推進専門委員会(平成17年11月25日及び12月15日)における有識者委員の意見を、内閣府少子化対策推進室が整理・要約したものである。

1 総論的な意見

  • 少子化対策の政策メニューは出揃っている。今後は優先順位をつけて、短期・長期の目標を設定しながら取り組むことが重要。
  • 子どもを持つかどうかは個人の選択であるが、子どもを持つことの阻害要因をひとつひとつ取り除かなければ、少子化に歯止めはかけられない。
  • 現在、高齢者向けに手厚い社会保障給付の配分を、もっと子どもに振り向けていくべき。
  • この5年間が特に大事であり、10歳(小学3年生)頃までをターゲットに集中的に施策を打っていくこと、また、3歳未満の8割は家庭保育であり、専業主婦の家庭も含め、在宅の子育て支援に対して集中的に施策を打っていくことが重要。
  • 少子化対策というよりもすべての子どもに対する支援、「家族政策」という視点で語ることが必要。
  • 地方自治体の役割が重要であるが、市町村間でサービス内容や水準に格差があること、補助制度の仕組みが使いにくいこと、子育て支援の予算が不足、特に、現在の子育て支援は施設保育(保育所)中心で、在宅の支援の予算が少ないこと、財政難で新規事業ができないばかりか既存の事業も縮小していること等、多くの課題を抱えている。

2 働き方に関わる施策

  • 女性の労働力率をあげていくために、女性の就労継続支援や、子育て等の理由で退職した後の再就職支援が重要。
  • 仕事と家庭の両立に関する企業の取組推進には、企業経営者への啓蒙が必要。
  • 企業における両立支援策の制度はできているが、使えないところが問題。運用ノウハウを企業や管理職に提供していくことが大事。
  • ライフスタイル・価値観に応じて選択できる多様な働き方の実現が重要。
  • 子育てによる短時間勤務が特別なことではなく、当たり前のこととして捉えられる風土づくりが重要。
  • 社員の子持ち率や育児休業取得率など、わかりやすい指標を企業が公表して、競い合うことにするなど、企業のインセンティブを検討する必要がある。
  • 代替要員確保費用の一部助成や一定の水準を満たした企業に対して、税制優遇などのインセンティブを強化することを要望。
  • 次世代育成支援計画では、社員の成長と会社の業績アップという視点に立つことが重要。

3 地域や家族の多様な子育て支援

  • 親の養育力不足が目立つ一方で、地域社会で子どもを育てようという意欲が減退している。
  • 地域の子育て力向上や子育て支援に関しては、子育て・家族支援のための人材養成が、ひとつの箱物をつくる以上に大事。地域の子育て支援のマインドをしっかりと身につけた人々をポストの数ほど増やしていくことが、本当の地域の育児力向上。
  • はじめて子どもを持った人を支える仕組みとして、ヘルパー、ボランティアなど多様な人が家庭を訪問する事業が重要。また、年配の方々が相談相手や預かり支援などを行う「メンター家庭制度」が必要。
  • 親子が気軽に集える場、一時預かり事業の拡充が必要。この場合、保育所よりも、つどいの広場の方が費用対効果が大きいので、地域子育て支援に対してもっと予算措置が必要。
  • 個別の家族に対して制度や必要な支援をつなぐ役割の専門家を育成して、高齢者のケアマネジャーのような「子育てケアマネジャー制度」の創設が重要。
  • 学生の家庭支援ボランティアの育成は、学生の時期から多様な家庭を知る、小さい子と触れ合うことが大事だとわかる重要な事業。
  • 医療・保健・福祉の連携例として、大分方式のペリネイタルビジットが有効。これは、妊産婦の不安を解消し、問題の解決を図るため、胎児期から、産科、小児科、行政が一体となって育児支援を行うという仕組み。

4 経済的支援

  • 子育てコストの軽減のためには、出産・子育てに関わる直接的な費用の軽減ばかりでなく、子育ての機会費用の軽減も重要。
  • 子育て世帯、特に若い世帯は、子どもなし世帯と比べて相対的に所得水準が低下している。年功序列型賃金体系が崩れ、賃金における家族手当が縮小・廃止の傾向の中で、子育て家庭への経済的支援策の拡充は、若年労働者の所得保障の観点からも進めていくべき。
  • 経済的支援策としては、児童手当のみならず保育バウチャーと在宅育児手当の組み合わせがベター。保育サービス利用世帯はバウチャーで負担を軽減し、利用しない世帯はバウチャーの一定割合を在宅育児手当として給付する方策がよいのではないか。
  • 保育バウチャーに関して、全世帯に配るとなると、膨大な財政規模となり反対。現金給付よりも、在宅の母親に対して、子育てを学べる場、リフレッシュする場の現物給付として財源を投入する方がよい。
  • 税制の児童扶養控除を廃止するのであれば、その財源を家族給付の充実に重点的に充てるべき。
  • 経済的支援策として、子どもがいる世帯の税制優遇措置の導入や公的な無利子ローン、児童手当の支給の拡充、育児休業中の支援策、出産関連医療費の無料化等を提案。

5 その他

  • 子化対策として何が最も適当であるのか、客観的に判断できる実証分析を深めていくべき
  • 未婚の人に対する対策も重要。構造的になかなか結婚しにくい要因があるとすれば、いろいろと対策を講じていくことが必要。
  • 職住接近の都市づくりや公園の整備、保育所の敷地開放等、子育てに適した住環境づくりが重要。

有識者委員の意見(概要)

  • 以下は、第1回少子化社会対策推進会議(平成17年10月28日)並びに第1回及び第2回少子化社会対策推進専門委員会(平成17年11月25日及び12月15日)における有識者委員の意見を、内閣府少子化対策推進室が整理したものである。

1 総論的な意見

  • 少子化対策の政策メニューは出揃っている。また、最近の各種提言の中に子育て支援に必要な施策はほとんど盛り込まれているので、今後は優先順位をつけて、短期・長期の目標を設定しながら取り組むことが重要。特に「女性の就労継続支援」と「地域の子育て力の回復」に注力すべきと考える。
  • 子どもを持つかどうかは最終的には個人の選択であって、出生率の上昇は、個人の選択の結果という問題認識の上で、子どもを持つ選択の阻害要因をひとつひとつ取り除かなければ、少子化に歯止めはかけられない。
  • 現在、高齢者向けに手厚い社会保障給付の配分を、もっと子どもに振り向けていくべき。日本と欧米諸国で、高齢者向けの配分に偏っている国ほど出生率が低いという逆相関の関係がある。
  • この5年間が大事であるなら、高校生・大学生に対してよりも、子どもが1人で行動できない小学3年生くらいまでをターゲットにして集中的に施策を打っていくこと、また、0歳児から2歳児までの8割は家庭保育であることから、この間の在宅の子育て支援に集中的に施策を打っていくことが重要。
  • 働きながらの子育てを考えると、1子、2子、3子で出産選択を規定する要因が異なる。1子目のときは、企業の両立支援策が重要、2子目では、夫の子育て支援があるかどうかが重要、3子目では経済的支援が重要。全体として、これら3つの組み合わせが大事。
  • 育児に関わる意識改革が重要。育児は家庭がするものだということから、子どもは社会全体で育むものだという意識改革がぜひ必要。
  • 少子化対策というよりも、すべての子どもに対する支援、「家族政策」という視点で語ることが必要。
  • 地方自治体の役割が重要であるが、次のような課題を抱えている。
    • 国が施策を講じても、住んでいる市町村にその施策がなければ実際には利用できない。
    • 各自治体によって保育に対する取組に格差があり、どこに住んでも一定水準のサービスを受けられるように国から働きかけてほしい。
    • 地方自治体に対する補助制度の仕組みが使いにくい。大枠で補助があり、地域の実情に応じて細かな施行ができるような仕組みが良い。子ども関連交付金の柔軟さの確保。たとえば、地域子育て支援センターは国の細かな既定が阻害要因。ファミリーサポート事業も「1自治体1運営主体」では実情から乖離)「1自治体1運営主体」という設定は、人口が多い政令指定都市では不適当。
    • 子育て支援の予算が不足。さらに、現在の子育て支援は施設保育(保育所)中心で、在宅の支援の予算が少ない。たとえば、横浜市では、子ども関係の施策に540億円かけているが、そのうち85%は保育所の運営費に充当。ただし、保育園の利用者は子育て世帯全体の15%。
    • 財政難で新規事業ができないばかりか既存の事業も縮小している、高齢者問題にマンパワーが奪われている、主体的に事業を展開する意図が乏しい、子どもの視点に立った対策が少ない等の問題をかかえている。
  • 地方自治体がサービスとして子育て支援をするだけでなく、課題意識・当事者の意見を反映させられる力をもったNPO、企業など民間の力を充分に活用した、自治体とNPOのパートナーシップの視点から具体的施策を考えてほしい。より効果の上がる実態のある政策をつくっていくためには、協働による政策提言、実行、評価が必要である。

2 働き方に関わる施策

  • 若い女性たちは、結婚・出産に必ずしも否定的ではない。消極的にならざるを得ない状況が問題。すなわち子育て機会費用が大きい。男性の育児休業取得者を出すことは大事だが、そのためにも子育期の夫婦が無理なく子育てと仕事のバランスを取れる支援が必要。企業にはワーク・ライフバランスの支援を。同時に行政は保育機能の充実に継続して注力を。待機児童対策を理由に保育の質を下げることがあってはならない。
  • 少子化への対応と同時に、マクロでは、労働力人口の減少に国として取り組んでいく必要がある。そのためには、女性の労働力率をあげていくために、女性の就労継続支援や、子育て等の理由で退職した後の再就職支援が重要。
  • 仕事と家庭の両立に関する企業の取組を推進する上では、企業経営者を啓蒙していく必要がある。
  • 仕事と家庭の両立のためには、夫の働く企業と妻の働く企業双方と地域社会の関わりが結びついた施策が必要。
  • 企業における両立支援策は制度はできているが、うまく使えないところが問題。両立支援制度が、活用できるようにするためには、働き方や人材育成の見直しが不可欠であり、そのためにはライン管理職の役割が重要。
  • 専業主婦の子育て負担感が高い。家庭の中では子育てに対する夫の支援が少ないし、保育園のネットワークも利用できない。妻が専業主婦であっても男性の働き方の見直しが大事だというメッセージを出していく必要がある。
  • 企業の両立支援の推進は重要であるが、認定マークについては、(1)取組の絶対水準ではなく今後の取組を評価することの疑問、(2)男性の育児休業取得実績という条件の妥当性、(3)育児休業の定義の問題等がある。
  • 企業へのインセンティブについて、社員の子持ち率や育児休業取得率など、わかりやすい指標を企業が公表して、競い合うことにする。たとえば、障害者雇用のように諸指標が規定を下回っている企業には罰金を科して、それを子育て基金としてプールする一方で、指標を上回る企業に配分するという方策、韓国で検討されているような税制優遇措置や政府の監督の緩和、が考えられる。
  • サービス産業では多くの女性が働いているが、
    • サービス産業は消費者へのサービスの提供が長時間化する一方で、仕事の集中する曜日と時間帯が限られる。そのため、交代性の勤務やシフト勤務、パートタイマーの雇用等が行われているが、こうした中では、育児のための休業や短時間勤務に対しては、職場の他のメンバーの負担増や、代替労働力を確保する負担増などが発生する。
    • 女性だけが育児休業と育児勤務を取得すると、短時間での勤務が長期間にわたってしまい、結果として男性と比べてキャリアや処遇の面において厳しい環境に置かれてしまう。
    • 休職期間を長く持つよりは、短時間勤務を選択して仕事と育児を両立させたい要望の方が多い。
    といった課題や要望があげられている。
  • ライフスタイル・価値観に応じて選択できる多様な働き方の実現が重要。たとえば、企業においては、キャリア断絶を起こさない制度の実現(育児休業や短時間勤務取得後、同じ職場への復帰。育児休業等を取得した場合の公正な処遇や人事評価等)、短時間勤務が取得しやすい環境整備(短時間勤務やフレックスタイム制度の導入、同一価値労働同一賃金を前提として均等待遇等)。
  • 男女共に、子育てによる短時間勤務が特別なことではなく当たり前のこととして捉えられる風土づくりが重要)
  • 国、地方行政の支援の拡充として、企業に対しては、代替要員確保費用の一部助成や一定の水準を満たした企業に対して、税制優遇などのインセンティブを強化する。
  • 資生堂では、80年代後半から、フレックスタイム制度の導入、育児休業制度の実施、育児時間制度の導入、福利厚生による育児支援、ウイウイ(wiwi)という育児復帰支援のサービス事業、企業内託児所(カンガルーム汐留)の開設、男女共同参画への意識改革など、さまざまな事業に取り組んできている。次世代育成支援計画では、社員の成長と会社の業績アップという視点に立つことが重要。
  • 男性の育児休業を促進するために、短期育児休業制度(子どもの誕生以降、3歳になるまでの期間内で、連続2週間取得でき、有給扱い)を導入。これまで男性の育児休業取得者は1名しかいなかったが、半年間で8名に増加。また、次世代育成のための社会貢献として「子どもを資生堂に招く日」を創設している。
  • 企業としてさらに取り組むべき課題としては、
    • 管理職に対する両立支援についての正しい理解とマネジメント力の醸成
    • 職場復帰支援策
    • 中途採用の拡大、短時間正社員などの多様な就業形態、フレックスや在宅勤務、地域限定採用など、柔軟な勤務体系といった多様な働き方
    • 公平で公正な人事評価制度・処遇
  • 両立支援策として、出産・子育て後に復職する人を休職する前の雇用条件で受け入れる等の多様な雇用対策、育児推進企業への支援として、代替要員の費用の税控除、模範的企業への税制的援助などを行政に要望。

3 地域や家族の多様な子育て支援

  • 子育て支援は家族支援でもあり、地域の育児力の向上につなげるという視点が不可欠。地域の子育て支援は、支援センター等の箱物つくりが先行しがちだが、人材養成も大切。自らの子育て経験や職業経験を地域の子育て・家族支援に活かす人が地域に数多く存在してくれてはじめて、その地域が子育てにやさしい街になる。NPO法人<あい・ぽーとステーション>が実施している子育て・家族支援者養成は、子育てのために社会参加の機会を失った女性たちやシニア世代が地域の育児力向上に力を発揮してもらうための企画と実践である。
  • 親の養育力不足が目立つ一方で、地域社会で子どもを育てようという意欲が減退している。
  • 地域の子育て力向上や子育て支援に関しては、子育て・家族支援のための人材養成が、ひとつの箱物をつくる以上に大事。地域の子育て支援のマインドをしっかりと身につけた人々をポストの数ほど増やしていくことが、本当に地域の育児向上である。
  • 専業主婦で育児不安が高い、社会的にいらいら感が蔓延している、夫の帰宅が深夜になるなど遅い、といった状況の中で、家族の中で誰が子どもを育てるのか、子どもを育てたい社会なのか、子育てをしながら非常に不安を持っている。
  • 高齢者のケアプランと同じように、子育て支援サービスを利用しやすいように、個別の家庭に対してコーディネイトする仕組みをつくったらどうか。
  • はじめて子どもを持った人を全力で支える仕組みとして、イギリスのホームスタート事業や横浜市の産後支援ヘルパー派遣事業のような、専門家だけでなく、ヘルパー、ボランティアなど多様な人が家庭を訪問する事業が重要。また、横浜市のほっと・ホームステイ・サポート事業のような、年配の方々が相談相手や預かり支援などを行う「メンター家庭制度」が必要。
  • 0・1・2歳児を中心に、子どもを社会的に保護すべき年齢(小学3年生頃まで)を視野に入れた集中的施策として、親子が気軽に集える場所を社会的に整備して、一時預かり事業の拡充が必要。その場合、保育所よりも、つどいの広場の方が費用対効果は大きいので、地域子育て支援に対してもっと予算措置が必要。ファミリーサポート事業は、専業主婦にはなかなか使われず、ほとんど保育園の送迎に使われている。行政が半額補助するなど、1時間単価を半額にすればもっと使えるのではないか。たとえば、福井県の「すみずみ子育てサービス事業」。
  • 個別の家族に対して制度や必要な支援をつなぐ役割の専門家を育成して、高齢者のケアマネジャーのような「子育てケアマネジャー制度」の創設が重要。
  • 学生の家庭支援ボランティアの育成は、学生の時期から多様な家庭を知る、小さいこと触れ合うことが大事だとわかる重要な事業。
  • 子育て支援が親をだめにする、甘やかすという視点の除去と同時に、親自身がエンパワーされ、主体的に子育てに関われる支援の展開が重要。
  • 育児の社会的支援として、希望する者全員が入所できる保育所、学童保育(学童保育に対する希望も非常に高い)の充実、子どもを地域で安心して育てられる仕組み、保育事業に関わる規制緩和、バウチャー制度の導入、所管省庁が異なる幼稚園と保育所の一層の連携を行うこと。
  • 医療・保健・福祉の連携例として、大分方式のペリネイタルビジットが有効である。これは、妊産婦の不安を解消し、問題の解決を図るため、胎児期から、産科、小児科、行政が一体となって育児支援を行うという仕組み。全初産婦と育児不安のある経産婦を対象に、産科医から連絡を受けた小児科医や保健師が保健指導を行うというもの。約95%の人が小児科医の指導に満足している。
  • 横浜市では、24時間緊急保育や病後児保育などさまざまな取組を行っているが、保育サービスを充実して、親のあらゆる働き方にこたえていくのには限界がある。また、長時間保育は例外的なものにすべきで、働き方や労働時間の見直しが必要。親が子ども一緒に過ごす時間をどう保障するのかという視点も必要。
  • 認可保育園の一時保育の利用者は週に2日、3日のパートや不定期勤務の人がほとんどで、専業主婦のリフレッシュには使いがたい状況にある。ファミリーサポートセンターシステムも、働く女性の二重保育に多く使われている。しかも、利用者とケアをする人(預ける人と預かる人)との間で意識のギャップがある。
  • 保育所の地域子育て支援センターとしての機能をもっと有効に活用できないか。(藤本。専門委員会)。地域子育て支援センター事業は、保育所の10分の1くらいで、午前中で終わってしまう。地域子育て支援施設が増えて、身近なところにあることが大事な支援。
  • 小児医療費の補助制度を行っているが、夜間救急に夜間診察代わりに来る子どもの増え、本当に診療が必要な子どもが後回しになることが関係者から危惧されている。親に対する救急医療の考え方や子どもの病気のケアの基礎知識の提供も必要。
  • 就労していない専業主婦は、知識が豊富なゆえに不安に陥っている場合が多い。こうした育児緊張にある人たちを支える施策が必要。
  • 事業アイディアとしては次のとおり。
    • 子ども見守りキャンペーン
    • 専業主婦向けの保育プログラム(育児力の低下を補うプログラムが必要)
    • 小中高の乳幼児とのふれあい
    • 親の働き方の見直し(ワークシェアリング、定時退社、短時間勤務の普及。保育園ですべての働き方をカバーするのは非現実的であり、子どもに良くない)
    • ニート・パート・アルバイト対策
    • 社会的養護が必要な子どもたちへの資源投入
    • 子ども関連事業の財源確保(地方自治体では、高齢者の数が急増しているため、高齢者関係の予算を削減して子どもに回すということは不可能)

4 経済的支援

  • 子育てコストの軽減のためには、出産・子育てに関わる直接的な費用の軽減ばかりでなく、子育ての機会費用の軽減が重要。
  • 子育て世帯の所得水準は、近年、ほかの世帯に比べて低迷している。特に若い子育て世帯は、子どもなし世帯と比べて相対的に所得水準が低下しており、さらに、子育て世帯内の所得格差も拡大している。こうした子育て世帯の経済環境の悪化に対する対応策は、ひとつは機会費用の削減、もうひとつは子育てにかかる直接的費用の軽減である。
  • 年功序列型賃金体系が崩れつつあり、また、賃金における家族手当が縮小・廃止の傾向の中で、子育て家庭への経済的支援策の拡充は、若年労働者の所得保障の観点からも進めていくべきである。
  • 経済的支援策としては、児童手当のみならず保育バウチャーと在宅育児手当の組み合わせがベター。保育費用の軽減が望ましい経済的支援策の第1にあげられており、保育サービス利用世帯はバウチャーで負担を軽減し、利用しない世帯はバウチャーの一定割合を在宅育児手当として給付する方策がよいのではないか。
  • 児童扶養控除を廃止するのであれば、その財源を家族給付の充実に重点的に充てるべき。
  • 個別世帯や個人に対しては、児童手当等の対応に加えて、子どもがいる世帯の税制優遇措置の導入や公的な無利子ローンの導入を検討すべきではないか。
  • 子育て家庭への経済的支援(児童手当の支給の拡充や育児休業や育児時間の経済的支援)。
  • 出産関連医療費の無料化。
  • 子育て世帯に対する経済的援助には賛成で、児童手当の増額もよいことであるが、保育バウチャーに関して、全世帯に配るとなると、膨大な財政規模となり反対である。在宅の母親に対して、子育てを学んだり楽しめる場、リフレッシュする場を提供する現物給付に財源を投入することは必要だと思うが、ただ現金を配るのは問題。

5 その他

  • 少子化対策として何が最も適当であるのか、客観的に判断できる実証分析を深めていくべき。
  • 未婚の人に対する対策も重要。構造的になかなか結婚しにくい要因があるとすれば、いろいろと対策を講じていく必要。未婚化の背景要因の中には、職場や地域社会の構造変化がある。
  • 職住接近の都市づくりや公園の整備、保育所の敷地開放等、子育てに適した住環境づくりが重要。
  • 婚外子差別規定の撤廃と、シングルマザー・ファザーへの支援の拡充が必要。
  • シングルマザーや婚外子に対する差別は撤廃すべきであるが、10代の出産には問題が多い。自立した大人になってから結婚、出産するという教育を徹底すべき。
  • 出生率回復の目標を設定する。(渥美。専門委員会)。少子化対策は、出生率をせめてOECDの先進国並みに回復すること。
  • 対策の効果はすぐには出ない。時間を要すると同時に効果のあり方は多様であろう。出生率の上昇は最終的な結果であって、効果について段階的に、かつ多様な評価基準を作ることが必要。