少子化社会対策推進会議(第3回)議事要旨

1.日時

平成18年5月15日(月)17:30~18:00

2.場所

内閣総理大臣官邸 4階大会議室

3.出席者

(少子化社会対策会議委員)

安倍 晋三
内閣官房長官
猪口 邦子
内閣府特命担当大臣(少子化・男女共同参画)
小坂 憲次
文部科学大臣
中野 清
厚生労働大臣代理
松 あきら
経済産業大臣代理
松村 龍二
国土交通大臣代理
桜井 郁三
総務大臣代理

(有識者)

渥美 由喜
株式会社富士通総研主任研究員
案田 陽治
日本サービス・流通労働組合連合副会長
大日向 雅美
恵泉女学園大学・大学院教授
大矢 和子
資生堂執行役員企業文化部長
奥山 千鶴子
特定非営利活動法人びーのびーの理事長
佐藤 博樹
東京大学社会科学研究所教授
藤本 保
大分こども病院長
前田 正子
横浜市副市長

4.議事概要

1 あいさつ

○安倍内閣官房長官
 我が国の総人口は昨年から減少に転じたものと見込まれるなど、予想を上回るスピードで少子化が進行している。こうした状況に対応するため、さまざまな施策を総合的に組み合わせ、効果的な対策を講じることが求められている。
 こうした観点から、少子化対策推進会議においては、「少子化社会対策大綱」及び「子ども・子育て応援プラン」の課題をはじめ今後の少子化対策についての検討を進めてきた。また、今年3月には、政府と与党における検討の連携を図るため、少子化対策に関する政府・与党協議会を開催したところである。今後、与党とも十分に調整しながら、6月までにこれからの少子化対策を取りまとめたいと考えている。
 今年1月に開催した前回の推進会議では、昨年中に行われた専門委員会での有識者委員のご意見を踏まえた議論を行った。本日は、前回の推進会議以降8回にわたる専門委員会においてさらにご検討を深めていただいた結果と、猪口大臣が今年4月までに全国で実施した知事などとのブロック会合の成果について、ご報告をいただくこととしている。
 関係閣僚も加わった本日の推進会議での議論を踏まえ、今後、政府内の調整、政府・与党間の調整を進めていくので、活発なご意見を賜りたい。
 人口減少という新たな時代を迎え、国民に対しても強いメッセージ性のある少子化対策を打ち出していきたい。

2 専門委員会での議論の報告等について

○猪口内閣府特命担当大臣
 昨年11月に第1回会議を開催して以来、本日まで10回にわたって専門委員の先生方から活発なご議論をいただいた。
(資料1)少子化社会対策推進専門委員会報告書(PDF形式:278KB)PDFを別ウィンドウで開きます、 少子化社会対策推進専門委員会報告書(HTML形式)
 報告書は全体で2章構成となっている。第1章では、今後の少子化対策に関する基本的な考え方を整理して、第2章では、本専門委員会が議論のテーマとした「子ども・子育て応援プラン」に掲げられた三つの課題、地域や家族の多様な子育て支援、働き方に関わる施策、経済的支援を中心に、現状と今後の施策案について議論の結果を取りまとめている。
 第1章「基本的な考え方」では、少子化対策は時間との戦いということを強調している。
 4ページの上の段で、「子ども・子育て応援プラン」を着実に実施していく、推進していくことが必要であることを前提にした上で、さらに少子化対策を強化・拡充するものとして、今回の施策案の提案をするということである。
 4ページの下のところでは、少子化対策の基本的な考え方としては、実際に持つ子どもの数を理想の子どもの数、持ちたい数に近づけることができるような環境整備が必要である、そのことが結果的に少子化の流れを変えることにつながる、こういう考え方をとらせていただいている。
 4ページの下から3行目では、今後の少子化対策を考える視点として、四つ挙げている。いずれも従来に比べて、新たな視点が入っている。子どもの視点に立った対策が必要という考え方、子育て家庭を社会全体で支援するような対策が必要であるという考え方、ワーク・ライフ・バランス、生活と仕事の両立、及び男女共同参画の推進が必要であるという考え方、家族政策という観点から少子化対策を推進することが必要であるという考え方である。
 7ページでは、第1節で課題の検討に当たっての留意事項を記述している。三つの分野のうち、「地域や家族の多様な子育て支援」と「働き方に関わる施策」が特に重要との意見が多かったと記している。一方、経済的支援についても、重点的に充実を図るべきという意見もあったと記している。
 8ページ以降、「地域や家族の多様な子育て支援」、「働き方に関わる施策」、及び「経済的支援」について個別に記述している。
 8ページでは、在宅育児に対する支援の課題、子育て家庭の支援の方法、「子育てマネジャー」等が必要であるという考え方、放課後対策として対応が必要であるという考え方を書いている。
 9ページの「地域における子育て支援拠点の拡充と人材の育成」では、地域の育児力の向上が必要であることから、つどいの広場、ファミリー・サポート・センターなど地域の子育て支援拠点の大幅な量的拡充が必要と記してある。また、それを支える人材の育成の重要性として、学生のボランティア、主婦や高齢者、子育てのノウハウをお持ちの方等、きめ細かく書いている。
 10ページでは、「子育て支援のためのネットワークの構築」として、訪問事業の重要性、子育て支援のためのネットワーク、また、「待機児童ゼロ作戦の推進等、保育サービスの拡充」と書いている。
 「放課後児童対策等」としては、11ページの上に、厚生労働省と文科省の連携による施策について書いている。
 また、登下校時の安全対策として、スクールバスの導入等について書いている。
 「魔の8時間」対策は、このような総合的な対策によって、対応できるものと考えている。
 そして、小児科医、産婦人科医の確保の必要性を書いている。
 第3節は、「働き方に関わる施策」。
 次世代育成支援対策推進法のさらなる課題について書いている。
 また、「育児休業の取得促進等、勤労者に対する子育て支援」について、12ページから13ページに記述している。
 企業の行動計画の策定推進と取組の支援は、次世代育成法の推進を一層強化する必要があるという観点から書いている。
 また、ワーク・ライフ・バランスについて書いている。
 その推進のためには国民的な運動が必要であることから、国民の意識改革を推進するという点、企業の自主的な取組が必要であるという点、そして、女性の再就職支援と育児等の理由で家庭に入った方々の社会へのカムバック推進等、それにかかわる適切な情報提供について書いている。既に施策として実施されているマザーズハローワークなどについても記述している。
 15ページの「非正規労働者に対する処遇の改善」は、就職氷河期からフリーターとなっている方々のこと等、処遇の改善が必要という観点から書いている。
 第4節は、「経済的支援」について、現状をカバーし、税制における子育て支援、他のサービスと組み合わせるという観点、妊娠、そして、出産における負担の軽減、子育て費用の負担軽減、経済的支援やサービス拡充に関する財源の確保が必要であると記述している。
 「おわりに」では、施策の具体化を図るために、現状の少子化対策のどういうところに問題があるのかを分析し、認識して推進する必要があるという観点で、地域における子育て支援、仕事と育児の両立支援の重要性についての意見が多かったということを書いている。
 最後は、結語としてまとめている。
 次に、ブロック会合について説明させていただく。
(資料2)
[#1]少子化担当大臣と地方自治体トップのブロック会合について(PDF形式:278KB)PDFを別ウィンドウで開きます
 少子化担当大臣と地方自治体トップのブロック会合について(HTML形式)
[#2]地方自治体における主な少子化対策の取組と国に対する要望―「少子化担当大臣と地方自治体トップのブロック会合」での意見から―(PDF形式:106KB)PDFを別ウィンドウで開きます
 地方自治体における主な少子化対策の取組と国に対する要望―「少子化担当大臣と地方自治体トップのブロック会合」での意見から―(HTML形式)
 詳細については資料2のとおりである。関係閣僚の皆様も関係があるところを見ていただき、知事等からのご意見の中には現場のご要望を踏まえた、また、実践的な内容も多々あるので、これを機会に推進をお願いいたしたい。
 このブロックプロセスは、昨年12月から本年4月にかけて、担当大臣と県知事等の意見交換、政策対話の場として全国10カ所で推進してきたものである。それぞれのところで非常に特徴的な、いい提案もいただいている。
 例えば石川県のプレミアムパスポート事業。これは子育て家庭に対していろいろな割引を協賛企業が行ってくれるというような取組で、全国に広がりつつある。
 また、共通のご要望として、産婦人科医あるいは小児科医の確保、事業主の行動計画の公表の促進、あるいは各種経済的な支援が必要であるというような要望が寄せられている。
 もう一つ、資料として「少子化対策に関する最近の意識調査等の結果について」というものも配付している。
 私からの説明は、以上である。
 (資料3)
 少子化対策に関する最近の意識調査等の結果について(PDF形式:213KB)PDFを別ウィンドウで開きます
 少子化対策に関する最近の意識調査等の結果について(HTML形式)
○安倍内閣官房長官
 それでは、専門委員会における議論の報告書、そしてブロック会合の成果について、ご発言をいただきたい。
○佐藤委員
 今回、専門委員会の報告書をまとめさせていただき、これから政府で取り込んでいただくに際してお願いしたいことを少しお話しさせていただきたい。
 時間との戦いということで、短い期間に日本の子育て環境を、子どもを育てやすいような社会環境に変えていくことが大事である。そのために、専業主婦も含めて地域で子育てしやすい、地域で子育てする、あるいは子どもを持ちながら仕事を続けられる社会にしていくことが大事である。それを踏まえた上で経済的支援を考えることが大事である。
 子育てというのは、長い期間である。したがって、大事な経済的支援とは何かというと、女性が妊娠、出産で仕事をやめてしまうのではなくて、働きたい人が働き続けられる、そして自分で収入を得られるということが実は大事な経済的支援である。したがって、そういう地域の子育て支援と働きながらも子育てできるような仕組みをつくると同時に、もしそれで足りないとすれば経済的支援をする。三つ挙げているが、構造を変えていくことが大事なのではないかと思う。
○大日向委員
 私は、子育て中の母親や若い女性たちの声を長年聴いてきた。子どもを産みたい、子育てをしたいという気持ちはみんなとても強い。しかし、なぜ実際には子育てを楽しめないのか、そういう観点から意見を申し上げてきた。
 今の女性は、子育ても楽しみたいけれども同時に働き続けたい、社会参加の希望が非常に強まっている。一方男性も、働くことだけではなくて家庭生活もと願っている。この願いをかなえていくためには、やはり子育てと仕事が無理なく、バランスよくできるために、働き方の見直しがまず大事だろう。そして、親が安心して働けるために、地域の保育機能、あるいは放課後対策、子どもの居場所づくり、そうした地域の育児機能の向上が大事で、それが結果的に機会費用の軽減につながって、経済的な支援につなげていくことが大切だと申し上げた。
 したがって、今、佐藤委員が言われたように、労働支援策、保育政策、そして経済的政策、いずれも大事であるが、そこにはやはり構造的ストーリーを持って取り組んでいただきたいということを強調させていただいた。
 マスコミは、わかりやすさ、目立ちやすさということからか経済的支援、現金給付の方に目がいく。十分この議論を知らない段階で、乳児手当が新設されるとか現金給付的なことが決定したようなことが言われているが、私どもはその点についても、また財源についても議論していない。この厳しい財政下で、経済的支援のあり方については、別途専門家の方々がご議論くださるのではないかと思う。
 そのあたりが、報告書の19ページ、「おわりに」の下のあたりに、経済的支援については今後、財源も含めて真剣にご議論いただくということで、具体的に「こういう施策」ということは、この委員会では提言していない。三つの施策をストーリーを持って構造的に展開するということ、一見地味なようにお考えになるかもしれないが、これが官房長官も言われた一番のメッセージ、今の若い人たちが一番求めていることをかなえる施策ではないかと申し上げたい。
○前田委員
 私もここでぜひお願いしたいのは、現在、自治体の現場で子育て支援に携わっているが、これまでの少子化対策は、保育所の待機児童に集中していたが、今は、専業主婦の方の子育て環境をどう改善するかということが喫緊の課題である。
 つどいの広場や虐待予防のためのネットワークづくりなど、さまざまな細かな施策があるが、現在の、財政難の中では、自治体は、この仕組みづくりのわずかな財源も回すことが非常に厳しい状況である。今、お母さんたちが求めているもの、すぐできるもの、必要なものと考えると、ここで重要な二つの施策は、まず地域の子育て支援と両立支援だと申し上げたい。自治体の現場には、この両立支援と地域の子育て支援のための仕組みをつくるために、まず優先的に資源が配分されるべきである。子育てを支える仕組みやいろいろなネットワークや基盤なしには、ただ現金を配っても効果が薄いということを実感している。
 どのように資源配分なされるべきかということを、ぜひこの報告書を読んでいただき、ご配慮頂きたい。お母様方や子どもたちが一番喜ぶ形で資源配分をしていただきたいということを要望させていただく。
○奥山委員
 横浜で地域子育て支援のNPOをしている。
 大臣にも私どもの子育て支援の拠点をオープン前に見に来ていただいたが、オープンしてから連日80組を超える利用者で賑わっている。
 子育てをしている今の若いお母さんたちは、インターネット等で情報はとれるといっても、顔を合わせて子育てのいろいろな体験をいろいろな人たちと共有しながら子どもを育てていくという経験の場が非常に足りないと感じている。地域を見回しても、そういった助け合い、支え合いの仕組みがもう随分薄れてきている。また、新たなそういったネットワークをつくるためにも、今回、課題に挙げた地域と家族を支える支援にもっと光が当たるべきである。
 当然、土曜日はお父さんも利用している。夫婦で子育てをすることがこれから求められてくるため、この拠点でもそういう観点で進めていきたい。女性がチャレンジして、地域で子育てした後、再就職をする、そういったところもぜひ支援をしていきたい。
 そのような基盤整備ができて初めて個人給付が効いてくると思う。そのような報告書になっているので、ぜひさらにご検討を続けていただきたい。
○藤本委員
 小児科医として、医療の現場、福祉や保健の中で働いている中で、実感していることを少しお話しさせていただきたい。
 最も大事なのは、健全に生活し、健康な生活を営んでいる多くの方々が持っている不安をいかに取り除くかである。それはそう大きなことをしなくてもできるのではないか。私どもは具体的な取組として、「ペリネイタルビジット」を行っている。初めて子どもを妊娠し、出産を迎え、子どもを育てる方々に、妊娠中の不安を取り除き、分娩を快適にし、困難を抱かずに子育てができる具体的な支援をぜひお願いしたい。
 そのためには、具体的な給付が必要になると私は考えている。例えば、妊娠中に心置きなく何度も健康管理の検診ができること、それから、子どもを持ちたいと思っている方々がもし不妊に悩んでいるなら、その不妊治療が経済的理由によって中断されないようなこと、あるいは分娩のときにはだれもが快適に、安全に分娩できること、これらが、いわゆる現物給付で行われることが望ましいのではないかと思っている。
 健康な育児がスタートできる準備を子どもを妊娠したときから進めていく、こういうことをぜひ大きく施策の中で打ち出していただきたい。
○大矢委員
 私は、資生堂でカンガルームという保育園を運営している現場にいる。働きながら子育てすることに対して、社会の目はまだまだ冷たい。そういった意識を、子どもは社会の宝だという意識に変えることが第一優先ではないかと考えている。
 アンケートでは経済支援が大事だという答えが出てくるが、経済コストの中には子どもを1人育てるのに1,000万円、1,500万円かかるとか、育児をするにあたっての1人の女性や男性の時間というコストのロスもある。そういった意味から、両立支援を支える地域における子育て支援が重要だと考えている。
 経済的支援は非常に重要だと考えているが、今回のレポートの中では、対象者の給付内容とか財源等、検討すべき課題がたくさんあり、乳幼児手当などの具体的な検討は宿題となっている。今後、政府においては真剣に討議を進めていただいて、大事な財源を慎重に有効に使っていただくことをお願いしたい。
○案田委員
 国民的運動の推進が検討されていかなければならないと思っている。
 これまで子育てと男性の労働力というものは、企業の中で結びつけて考えられてこなかったが、これからは、男性も含めて企業、労働者、そして子育ての家庭環境がどういうふうにバランスをとっていくべきなのかということが、この社会運動の中で問われてくると思っている。
 この運動が成功するように期待をして、発言とさせていただく。
○渥美委員
 今回、バランスのとれた報告書をまとめることができて、嬉しく思っている。
 この報告書にさまざまな提言が盛り込まれているが、これを実現するためにはかなりの財源が必要となると思う。その財源の確保について、ぜひ政府・与党の皆様には積極的に議論を展開していただきたい。
 例えば、国や地方自治体の歳出全般の見直しのほかに、今、少子化対策はばらばら、かつ細切れに財源があるが、そういったものを一本化して、例えば子育て基金や育児保険といったような形で、社会全体で負担を分かち合うような制度づくりの検討も、今後、始めていただけたらと願っている。年金、医療、介護とともに「子育て」を社会保障分野における4本目の柱としていただきたいと思う。
○安倍内閣官房長官
 政府側からどうぞ。
○経済産業大臣代理(松副大臣)
 地域や家族の子育て支援の仕組みがないと、ばらばらに経済支援をしてもなかなか成り立っていかないということを、先生方のお話を伺って私自身もつくづく実感している。それがあって初めての経済的な支援ということであろう。
 当省の取組についてお話ししたい。
 一つは、少子化対策として、まずは結婚していただき、子どもをつくれる環境をつくっていくことが大事である。
 今、親切おばさん・おじさんがだんだんいなくなり、若い人たちはなかなか出会いの場がない。結婚相談所、あるいは結婚情報サービスは、いいところもあるが、いいところばかりではないということで、このたび優良なサービスを提供する業者には、認証を行う取組を始めた。安心していいところをチョイスできるというふうにさせていただきたい。
 2点目は、キッズデザイン協議会というものが発足する。六本木ヒルズでの事件もあり、子ども向けの遊具、あるいはベビーカー、子どもを対象としていないものに対しても「これは子どもにやさしいものである」というものに対して、キッズデザインマーク、あるいはキッズデザイン賞などの事業を、この協議会と一緒になって、これからさせていただきたい。安全情報の共有は大事な観点である。
 また、働き方、特に働き方における育児支援では、中小企業における育児支援、例えば子育て中の勤務時間の短縮や、出産後にもとの職場に復帰できる、これは実は大企業よりも中小企業の方が非常に柔軟にやってくださっている。したがって、そうした事例をきちんと調査、分析して普及していくことが、中小企業における前向きな取組になっていくのではないかと考えている。
○小坂文部科学大臣
 それぞれお話いただいたように、両立支援、地域の子育て支援、経済的支援の総合的な対策が必要なことは間違いない。文部科学省としても、これまでも関係省庁と連携しながら少子化対策を進めてきているが、今後、特に力を入れていくべきこととして幾つかある。一つは、安全・安心な子育ての推進のために、地域全体での幼児教育を含めた学校安全対策の整備を進めることが重要であると考えており、「子ども安心プロジェクト」を初めとした予算取りをしながら対策を行っている。
 2点目として申し上げたいことは、「放課後の安全・安心な子どもの居場所づくり」の取組を進めてきたが、これを一層推進するために、猪口少子化担当大臣からのご提案も踏まえて、私と厚生労働大臣が、両省の事業を一体的な連携をもって実施する「放課後子どもプラン」を創設することで合意している。この事業では市町村の教育委員会が主体となり、両省の予算を使えるという立場を確保した上で、福祉部局との連携のもとに、原則として小学校内において、学ぶ意欲のある子どもたちに対する学習機会を含むさまざまな活動の機会を提供する取組を進めることにしており、今後、その具体化を図ってまいりたい。
 幼児期についても、「認定こども園」制度を導入する等の対策も行っている。
 第3点として、少子化の要因の一つと言われる教育に伴う経済的負担の軽減策として、幼児教育段階における保護者負担の軽減や、奨学金の事業、あるいは私学助成、こういったものの充実をさらに図ってまいりたい。
 第4点目として、家族のきずなの再生が求められていることを踏まえて、中高生に対する「子育て理解教育」など、学校教育や家庭教育の中で命の大切さと家族の絆、家庭の役割についての理解促進にさらに努めてまいりたい。
 本日いただいた専門委員の皆様の報告を踏まえて、関係省庁と連携して、文部科学省としての新たな、さらに充実した取組を進めてまいりたい。
○厚生労働大臣代理(中野副大臣)
 厚生労働省としても、今、文部科学大臣がおっしゃった連携を深くして、特に放課後の児童についてやらせていただきたい。
 また、少子化については、若者の雇用の問題が非常に重要であり、これもしっかりやらせていただきたい。
 皆様方が少子化の問題を時間との戦いとご認識なさり、家族のあり方とか働き方に関する支援を展開する中での経済的支援というお考えは、非常に大事だと考えている。ただ単にお金を出せばいいものではないことについては我々も同感である。
○安倍内閣官房長官
 専門委員の方から、さらに重ねてということがあれば。
○藤本委員
 それではもう一つ、お願いをしたい。
 専門委員会の中でも何度かお願いしたが、子どもの安全に関してである。
 先ほど、子どもの遊具以外にも子どもの安全に対する基準を設けたいというお話、非常にありがたいと思う。いろいろな子どもの事故があちこちで起こっているが、このサーベイランスがされておらず、実態がつかめていないのが実情である。死亡するとニュースになるが、死亡に至らないが危険だった状態、要するに入院を必要とするような状況のもの、それ以外の小さなものについてはそれほど必要ないと思うが、入院を必要とするような事故は、全部一括して情報が収集できるシステムを、ぜひおつくりいただきたい。
○経済産業大臣代理(松副大臣)
 つくる予定である。
○安倍内閣官房長官
 本日もいろいろとご意見を賜った。主に先生方からは、個人給付も大切ではあるが、個人給付の前に、いわゆる地域の子育て支援のインフラ整備をしっかりとやるべきではないだろうかと。例えば両立支援、また専業主婦をはじめ子育て支援ができる地域の機能をしっかりとつくり上げて、その後にというか、それと同時に給付サービスをするべきではないかという考え方。そのためにも構造的な、意識の変革を含めたストーリーをつくっていくようにというご指摘もあった。
 それと同時に、藤本委員からは医療の現場から、給付も必要なものはしっかりとやっていくようにというご意見等々をいただいた。
 また、松副大臣からは、結婚紹介所の登録。現在、いわゆるお見合い制度というのが日本ではほとんどなくなっているが、お見合いで結婚するパーセントが減った分が大体晩婚化率に上乗せされているという現実もある。そういう意味でも、政府もしっかりと取り組んでいきたいというご意見をいただいた。今日いただいたご意見、ご議論も踏まえながら、報告書をもとに、これからの少子化対策の取りまとめに向けて、さらに政府及び政府・与党での調整を進めてまいりたい。
 与党においても、自民党、公明党で提言がまとめられており、また、政府部内でも政務官PTが提言を取りまとめている。少子化対策は大変重要な課題になっているので、こうした提言を総合的に勘案して、国民に対してメッセージ性のある対策を取りまとめるために努力をしていきたい。

3.閉会