少子化社会対策推進専門委員会報告の事務局案・6委員案について

(渥美委員)

事務局案 「1現状 在宅育児に対する支援策の課題」

  • 「また、現在、民間企業事業者に対するベビーシッター利用制度があるが、利用者の視点に立った改善が望まれる。」という部分が削除されているが、「という意見があった」と記述していただきたい。

事務局案 「4待機児童ゼロ作戦の推進等、保育サービスの拡充」

  • 「総合的な対策を進めていく必要がある。」の文章の後に、「この他、地方自治体独自の基準による認証保育所の活用も必要という意見があった。」と入れていただきたい。

事務局案 「2 妊娠・出産における負担の軽減」

  • 私は最若輩の委員ということもあり、周囲に30歳代、40歳代で不妊治療を受けている知人たちが少なからずいる。いずれのカップルも助成拡大ニーズを強くもっている。そういう方々が肩身の狭い思いを味わわないように細心の注意を払うべきだと思うが、基本的に私は助成拡大の方針に賛成である。助成拡大ニーズが少なくないことも記述してほしい。

6委員案 「出生率の低下傾向の流れを変える」という記述

  • 事務局案の「反転につながることが期待される」という記述の方が私の考えに近い。いわゆる「産めよ、増やせよ」に関する、わが国の不幸な歴史的経緯は存じているが、出生率低下によるマイナスの影響を考えると、私は「反転を期待」する。

6委員案 「確かに、子育ての要望として「経済的支援」があげられることが多い。しかし、専門委員会はその「経済的支援」を要望する背景にある、子育て中の親や子どもたちにとって真に必要なものは何かについて、議論を重ねた。そして、子育てを支える環境が十分に整備されていない日本社会の現状では、経済的支援のみでは子育ての安心感の保障にはつながらないこと、経済的支援は、先にあげた「地域や家族の多様な子育て支援」や「働き方に関わる施策」が十分に展開された上でないと、有効に機能しないものであるとの認識に至った。」という記述

  • 私は、地域の子育て支援、両立支援、経済的支援3分野いずれも拡充させることを目指すべきだと思う。事務局案を何度も読み返したのだが、一部の方がおっしゃるような「地域の子育て支援、両立支援を軽視し、経済支援を偏重している」ようには読めない。「地域や家族の多様な子育て支援」、「働き方に関わる施策」の充実とともに、経済的支援についても引き続き充実を図るべきであると考える。
  • 社会資源の配分のあり方という点で、私は、高齢者給付費と比べて著しく低い、児童・家庭給付費割合の引き上げが最大の課題だと考えている。我が国の児童・家族に対する経済的支援策をヨーロッパ諸国と比較をすると、児童手当を例にしてもその水準や対象範囲が限定的なものとなっており、これが、児童・家族関係支出の対GDP比がOECD諸国の中でも下位となっている一因である。児童・家族関係支出の対GDP比を適正な水準に引き上げるためにも、一定規模の経済的支援は必要と考える。
  • 異論は多々あると思うが、私は保育サービス利用者向けの「保育バウチャー」と保育サービスを利用せずに自分で子育てしたい人向けの「在宅育児手当」の組み合わせを第2回目の専門委員会で提言した。
  • 私は、保育サービスが不十分な現状、特に都心部では70万人以上といわれる保育所待機児童に加えて、最近では学童保育の待機児童が増えていることを懸念している。認可保育所に入れずに、一定以上の質の民間保育所に預けるとなると、かなりの出費を覚悟せねばならない。単に、お金の問題だけではない。高額サービスゆえに需要が伸び悩み、その結果サービス供給も増えず、サービスを利用したくても利用できずに、仕事をやめざるをえない人たちがいるという「負の連鎖」がある。これを断ち切るためには、一部の人しか利用できない施設に対する補助という現行の仕組みではなく、利用者がサービス選択できるように直接補助という仕組みを導入して、市場原理が機能するようにする必要がある。
  • 両立支援を進めていくためにも、「保育バウチャー」を活用した保育サービスの拡充は必要だと考えている。一方で、保育サービスを利用せずに自分で子育てしたい人もいる。こういう方々に対してはバウチャーを使用しない代わりに、バウチャーの半額程度を「在宅育児手当」として給付するということを考えている。
  • なお、私はデータを正確に取り上げた上で、分析(批判を含む)をすればいいと思う。内閣府が2005年3月に実施している「少子化社会対策に関する子育て女性の意識調査」をみると、経済的支援を望む声は高く、その中でも最も望ましいのは「保育料または幼稚園費の軽減」で68%の人が回答している。こうしたデータの分析をもとに、私は「保育バウチャー&在宅育児手当の組み合わせ」を主張してきた。「要望の背景にある要因」を浮かび上がらせるような調査は必要であるし、回答結果がただちに政策に結びつくわけではないと思うものの、データはデータとして取り上げていいのではないか。

6委員案 財源に関する記述のうち、「育児保険や子育て基金等」という記述が削除されている点

  • 私は、かねてから「子育て基金」を作るべきだという主張をしており、専門委員会での最初のプレゼンでも提案した。私自身は、他の委員の先生方の主張はできるだけ尊重しようと心がけており、削除の申し入れをしたことは一つもないので、修正案で削除されていたことは、残念に思う。「国や地方自治体の歳出全般の見直しや、社会保障制度や税制の見直し等による方法に加えて、いわゆる育児保険や子育て基金等、社会で負担を分かち合う仕組みを議論していくことが必要である。」と記述していただきたい。