地域や家族の多様な子育て支援(1)

[目次]  [戻る]  [次へ]


  1. すべての子育て家庭への支援と地域の子育て支援の強化

  2. 待機児童ゼロ作戦の推進等、保育サービスの拡充

  3. 放課後児童対策


1.すべての子育て家庭への支援と地域の子育て支援の強化

課題

  • 働いている、いないにかかわらず、すべての子育て家庭が安心して子育てをするためには、どのような支援策が必要か。 現行の施策で改善が必要なものについては、どのように改善すればよいのか。
  • 個別の家庭の多様なニーズに対して、的確な支援が行き届くためにはどうすればよいのか。このような観点から、 現在行っている子育て支援センターやファミリー・サポート・センター等の施策について、地域の子育て支援の充実の観点からさらに機能を高めていくには、何が必要か。
  • 親の育児力、地域の育児力を向上させていくためには、どのような取組が効果的か。また、高齢者や学生等、地域の 人材活用をどのように進めたらよいか。
  • 行政と民間団体、専門家と地域住民の活動が連携、協働し、様々な支援が総合的につながる体制づくりをどのように進めていくか。

意見・取組 【いつでもどこでも相談できるしくみ作り】

  • 専業主婦は、知識が豊富なゆえに不安に陥っている場合が多い。 こうした育児緊張にある人たちを支える施策が必要。 (専門委員会)
  • 乳幼児を持つ母親の子育てに関する悩みを携帯で相談できる「プレママネット」 (会員制)を整備(高知県)
  • 里帰り出産のときでも円滑にサービスを利用できる ための「安心子育て応援ページを開設」(九州・山口共同取組)

【リフレッシュする場の提供】

  • 在宅のお母さんたちは非常に息詰まることもあり、週に1回ぐらいは子どもを預けてお母さんが自由になれる場は必要なので、 保育の場、子育てを学べる場、リフレッシュする場の現物給付に財源を投入することが必要。 (専門委員会)
  • 認可保育所の一時保育の利用は週に2日、3日のパートや不定期勤務の人がほとんど で、専業主婦のリフレッシュには使いがたい状況にある。ファミリーサポートセンターシステムも、働く女性の二重保育に多く使われている。しかも、利用者とケアをする人(預ける人と預かる人)との間で意識のギャップがある。(専門委員会)
  • ファミリーサポート事業は、専業主婦にはなかなか使われず、ほとんど保育所の送迎に使われている。 行政が半額補助すればもっと使えるのではないか。(専門委員会)

【身近に利用できる拠点の整備】

  • 保育所の地域子育て支援センターとしての機能をもっと有効に活用できないか。 (専門委員会)。地域子育て支援センター事業は、保育所の10分の1くらいで、午前中で終わってしまう。 地域子育て支援施設が増えて、身近なところにあることが大事な支援(専門委員会)
  • 親子が気軽に集える場所を社会的に整備して、一時預かり事業の拡充が必要。その場合、保育所よりも、つどいの広場の方が費用対効果は大きいので、地域子育て支援に対してもっと予算措置が必要。 (専門委員会)
  • 地域での支援対策として、全小学校区に「子育て交流サロン」を、区ごとに「子どもプラザ」を設置する方向(福岡市)

【専門家による各種支援策】

  • 横浜市の産後支援ヘルパー派遺事業のような、家庭を訪問する事業が重要。(専門委員会)
  • 妊産婦の不安を解消するために、産科、小児科、行政が連携し育児支援を行う大分方式のペリネイタルビジットが有効。 産科医から連絡を受けた小児科医や保健師が保健指導を行い、約95%の人が満足(専門委員会)
  • 産後うつ病の早期発見支援のために、妊娠、出産、育児の連続したサポートを県独自で施策化(熊本県)
  • 産後ホームヘルプサービスを含む訪問育児支援の充実 (熊本市)

【個別の家庭の多様なニーズに応える仕組み】

  • 個別の家族に大して制度や必要な支援をつなぐ役割の専門家を育成 して、高齢者のケアマネージャーのような 「子育てケアマネジャー制度」の創設 が重要。(専門委員会)
  • 「マイ保育園登録制度」( 母子健康手帳配布時に「マイ保育園」を登録して、育児体験や出産後の 一時保育を利用できる制度 )を実施(石川県)

【すべての母親を対象とした子育て教育】

  • 子どもにとって必要なことを親がするという知識を持たない親が非常に増えている。 保育所等で子どもたちはこういうふうに遊ぶとか、子どもたちにはこういう食べ物が必要といった教育が必要(専門委員会)
  • 子育て支援が親をだめにする、甘やかすという視点の除去と同時に、親自身がエンパワーされ、主体的に子育てに関われる支援 の展開が重要。(専門委員会)

【地域住民の自主的な取組を支援】

  • 自らの子育て経験や職業経験を地域の子育て・家族支援に活かす人が地域に数多く存在してくれてはじめて、その地域が子育てにやさしい街になる。(専門委員会)
  • 「のびのび子育てサポート事業」(子育てを支援してほしい人と手助けしたい人を会員組織化し、仲介を行う事業)の拡充(名古屋市)
  • 「とやまっ子さんさん広場モデル事業」( 地域住民等が地域において多様な形で自主的に取り組む子どもの 居場所づくりを支援 )(富山県)
  • 団塊の世代、自治会、NPO等の「人材」や、コミュニテセンター、学校の空き教室等の「既存施設」を 活用 して、地域独自のやり方で取り組むための使い道を定めない交付金を支給(群馬県)

【子育て支援者の支援力の向上】

  • 子育て・家族支援のための人材養成が、ひとつの箱物をつくる以上に大事。 地域の子育て支援のマインドをしっかりと身につけた人々をポストの数ほど増やしていくことが、本当に地域の育児力向上 である。(専門委員会)
  • 子育て支援のコーディネートを行う人材や育児サークルのリーダー等の養成・育成(熊本県)
  • 子育て支援関係NPOに対して、予め登録された「教え隊」(おもちゃづくり、読み聞かせなどの講師)を派遣(香川県)

【地域全体の子育て意識の向上】

  • 親の養育力不足が目立つ一方で、地域社会で子どもを育てようという意欲が減退している。(推進会議)
  • 子育て世代と周りの人々の心に届く少子化対策にかかるスローガンを(神奈川県)

【高齢者や学生の人材活用】

  • 2007年に大量に発生する団塊世代退職者を地域の子育て支援に(神奈川県)
  • 学生の家庭支援ボランティアの育成 は、学生の時期から多様な家庭を知る、小さいこと触れ合うことが大事だとわかる重要な事業。(専門委員会)

【学生のベビーシッターの検討】

  • イギリスの例のように、学生のベビーシッターを養成したらどうか。(国会等)

【関係者の連携強化】

  • 全小学校区に、地域団体や医療機関、行政などで構成する「子育て支援ネットワーク」 を設置する方向(熊本市)
  • 子育て支援に関係する団体間の連携を図る、子育て総合支援センターを設置予定(徳島県)

児童(未就学児から中学生)数の推移

(単位:万人)
  2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2010年 2015年 2020年
0~14歳 1,834 1,817 1,801 1,781 1,765 1,707 1,620 1.510
総人口に占める割合(%) 14.4 14.3 14.1 13.9 13.8 13.4 12.8 12.2
0~5歳(未就学) 712 709 705 697 688 652 608 566
0~2歳 358 352 350 344 338 319 298 277
3~5歳 355 357 355 353 350 333 310 289
6~11歳(小学生) 723 721 720 717 715 698 661 615
6~8歳 357 359 360 356 356 347 323 301
9~11歳 366 362 360 361 358 351 338 314
12~14歳(中学生) 399 387 377 367 362 358 351 328

資料:総務省統計局「わが国に子どもの数」~「こどもの日」にちなんで~
2010年以降の数字は、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」(平成14年1月推計)
注:人口は万人単位に四捨五入しているので、内訳の合計は必ずしも総数に一致しない。


末子の年齢階級別にみた父母の就業状況別児童のいる世帯数の構成割合

末子の年齢階級 児童のいる世帯
    父のみ
仕事あり
父母とも
仕事あり
母のみ
仕事あり
父母とも
仕事なし
その他 (再掲)母に仕事あり
  (千世帯) 構成割合(単位:%)
総数 21,947 100.0 44.3 45.3 7.3 2.2 0.8 52.6
3歳未満 3,161 100.0 67.8 27.3 2.4 2.3 0.2 29.8
3~5歳 2,225 100.0 50.8 40.2 6.4 2.3 0.3 46.6
6~8歳 1,885 100.0 40.9 48.7 8.0 1.9 0.5 56.7
9~11歳 1,785 100.0 32.8 54.6 9.9 1.9 0.7 64.6
12~14歳 1,819 100.0 28.7 58.1 9.8 2.3 1.1 68.0
15~17歳 2,073 100.0 28.3 55.8 10.5 2.7 2.7 66.3
(再掲)最年長の
児童が6歳未満
3,437 100.0 64.5 28.5 4.4 2.5 0.2 32.9

資料:厚生労働省「平成15年国民生活基礎資料」
注:「その他」は、「父母の仕事の有無不詳」、「父母なし」及び「父母の有無不詳」の世帯である。

乳幼児期の子どもの居場所

 ○0~2歳の85%は家庭において子育てが行われている。

第1-51-21図 就学前児童の居場所

就学前児童の居場所(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます


子育ての負担感

 ○地域協同体の機能が失われていく中で、相談相手や自分に代わって短時間子どもを預けられる人が得られず、 子育てが孤立化し、負担感が大きくなっている。

  • 周囲や世間の人々に対してどのように感じているか (妊娠中又は3歳未満の子どもを育てている母親)

周囲や世間の人々に対してどのように感じているか

周囲や世間の人々に対してどのように感じているか(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます

  • 地域の中での子どもを通じた付き合い(未就学児の母親)

地域の中での子どもを通じた付き合い

地域の中での子どもを通じた付き合い(CSV形式:1KB)ファイルを別ウィンドウで開きます


児童虐待相談処理件数の推移

 ○全国の児童相談所における児童虐待に関する相談件数は、児童虐待防止法施行前の平成11年度に比べ、 直近の平成16年度においては3倍に増加。

平成2年度 平成3年度 平成4年度 平成5年度 平成6年度 平成7年度 平成8年度 平成9年度
(1.00)
1,101
(1.06)
1,171
(1.25)
1,372
(1.46)
1,611
(1.78)
1,961
(2.47)
2,722
(3.73)
4,102
(4.86)
5,352
平成10年度 平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度 -
(6.30)
6,932
(10.56)
11,631
(16.10)
17,725
(21.13)
23,274
(21.56)
23,738
(24.13)
26,569
(30.34)
33,408
-
(注)表中、上段( )内は、平成2年度を1とした指数(伸び率)である。

児童虐待相談処理件数の推移折れ線グラフ


(参考)養育支援が必要となりやすい要素

 ○平成15年7月1日から同年12月末日までの児童虐待による死亡事例として厚生労働省が把握している24事例の検証結果

養育環境
【22事例・91.7%】
養育者の状況
【19事例・79.2%】
子どもの状況
【12事例・50.0%】
種別 件数 割合 種別 件数 割合 種別 件数 割合
ひとり親家庭・未婚 12 50.0% 育児不安 8 33.3% 未熟児 7 29.2%
内縁関係の家庭 3 12.5% 養育者の性格 5 20.8% 双子・三つ子 2 8.3%
子連れ再婚家庭 2 8.3% 養育者の感情 10 41.7% 子供の疾患・障害 2 8.3%
転居してまもない 8 33.3% 養育者の精神疾患 4 16.7% 発育の遅れ 4 16.7%
地域からの孤立 13 54.2% 養育者が長期の疾患 2 8.3% 問題行動(多動など) 2 8.3%
長期分離有り 2 8.3% 養育者のいずれかが10代 1 4.2% 保育所・学校等の長期欠席 1 4.2%
経済不安 8 33.3% 配偶者への暴力 2 8.3% その他 1 4.2%
健康診査未受診 3 12.5% 養育者の生活環境 6 25.0% - - -
その他 2 8.3% 薬物・アルコール依存 0 0.0% - - -

[目次]  [戻る]  [次へ]