少子化社会対策推進専門委員会におけるこれまでの議論の整理について

資料3

※専門委員会では第1~3回では総論的に、第4~6回では個別の検討項目ごとに議論を行ってきた。以下では、今後の取りまとめ作業に資するように、これまでの議論の整理を行った。なお、議論の取りまとめにあたっては、これまでの専門委員会で説明をした地方ブロック会合で出された提案等も組み入れていく予定。

1 基本的な考え方

【現状認識】

  • 予想以上の少子化の進行と人口減少社会の到来、少子化対策への国民のニーズの高まり
  • 第二次ベビーブーム世代(団塊ジュニア)がまだ30代にあるここ5年間が特に重要。少子化対策は「時間との闘い」の局面に入っている。

【新しい少子化対策の考え方】

  • 子どもはみな国の宝、社会の宝、地域の宝、家族の宝
  • 子どもの視点に立った対策(生まれてから成長するまでの間の健全育成と自立支援等)が必要
  • 子育て家庭を社会全体で支援する対策(妊娠、出産、子育て、仕事との両立支援など、子どもを産み育てやすい環境づくり)が必要
  • 家庭や地域を支える対策(家族や地域のきずなを深める施策)が必要

2 総論的な意見

(スピード感を持った取組の重要性)

  • 少子化の流れに歯止めをかけるには、団塊ジュニア世代が出産、育児期にあたるこの5年間が特に大事。予算や人材の確保、制度や慣行の見直しについて社会的コンセンサスを得ながら進めていく必要がある。

(優先度を明確にして取り組むことの重要性)

  • 少子化対策の政策メニューは出揃っている。今後は優先順位をつけ、短期・長期の目標を設定しながら取り組むことが重要。特に「女性の労働継続支援」と「地域の子育て力の回復」に注力すべき。

(ターゲットを絞る―小さな子を優先)

  • 10歳(小学3年生)頃までをターゲットに集中的に施策を打ち、また、3歳未満のほとんどは家庭保育であり、専業主婦の家庭も含め、在宅の子育て支援に対して集中的に施策を打っていくことが重要。
  • 最初の子どもを持つときに重点を置いた施策が大事ではないか。1人目の子どものときに、仕事を辞めなくてすむ、安心して生み育てることができる、ということが2人目、3人目につながるのではないか。

(家族政策という視点)

  • 少子化対策というよりもすべての子どもに対する支援、「家族政策」という視点で語ることが必要。

(阻害要因の除去)

  • 子どもを持つかどうかは個人の選択であるが、子どもを持つことの阻害要因をひとつひとつ取り除かなければ、少子化に歯止めはかけられない。

(予算配分の大胆な見直しの必要)

  • 現在、高齢者向けに手厚い社会保障給付の配分を、もっと子どもに振り向けていくべき。

(地方の取組の格差など地方自治体の問題)

  • 地方自治体の役割が重要であるが、市町村間でサービス内容や水準に格差があること、補助制度の仕組みが使いにくいこと、子育て支援の予算が不足、特に、現在の子育て支援は施設保育(保育所)中心で、在宅の支援の予算が少ないこと、財政難で新規事業ができないばかりか既存の事業も縮小していること等、多くの課題を抱えている。

(政府一体の取組の必要)

  • 子育て支援の地域の資源を有効に活用し、柔軟に機動的に作業できるよう、細かい補助要件・申請書類等を省庁間で統一するなど、国の総合的、統一的な体制推進の必要。

(地域格差の是正)

  • 子育ち環境格差(ケアの格差)が広がっており、これを埋めるための子育て支援が必要。

(地域、企業、NPOなど民間の力の重要性)

  • 国や地方自治体の施策だけでなく、NPOや企業、地域の住民など民間の力を十分に活用した取組が必要。

3 働き方に関わる施策

(1)企業の取組の推進

【これまでの議論と考え方の整理】

(地域と企業の協力)

  • 地域の一員でもある地元企業における子育て支援の取組を促すことを大きな課題にしている自治体が少なくない。地域と企業が協力して子育て支援に取り組む仕組み作りが重要。
    具体的には、子育て支援を宣言する企業を県が登録したり、県知事による子育て応援企業の表彰制度を設けたりしている県がある。また、県内企業の協賛を求め、子育て世帯が買い物やサービス購入の際に割引等の特典を与える仕組みを構築している県が出てきている。

(子育て支援企業に対する地域や社会からの評価)

  • 地域で子育て支援に積極的な企業を社会的に評価したり、意欲ある企業経営者を目にする機会を多くしたりすることが必要。

(情報提供の拡大)

  • 企業に付する積極的な情報提供が必要。特に、企業における子育て支援の取組が、企業業績や人材確保にプラスとなっているとの情報、逆に安心して働けない環境が家族や社会に悪影響を与えているとの情報。

(企業のインセンティブ)

  • 企業における両立支援策の制度はできているが、使えないところが問題。運用ノウハウを企業や管理職に提供していくことが大事。企業のインセンティブとして、産休・育休がコスト増という誤解を解く一方。様々な経済的インセンティブ、人材ニーズへの対応、入札方式の検討などが重要。

【具体的施策の進め方、さらなる検討】

(企業の自主的な取組の促進)

  • 子育て支援に取り組む企業が自発的に宣言することを地方自治体や国が推進する仕組みもありうる。これにより企業の知名度を上げることもインセンティブになる。

(企業と自治体トップの意思疎通)

  • 若年層を中心に労働力が減少する中で、より生活しやすく働きやすい職場の再構築は、人材の確保・定着のみならず、適切な人事管理の下、従業員一人一人の活力の維持と能力の発揮を促すことにつながる。こうした観点に立ち、地域において自治体トップと、企業・経済界のトップが少子化対策について密接に連携する機会を一層広げてはどうか。

(自治体と労働局の協力)

  • 子育て支援には保育ニーズ多様化に応じたきめ細かなサービスが必要であるが、サービスを提供する市町村と地元企業との連携が重要であるが必ずしも十分ではない。企業における働き方に関わる諸制度や様々な支援策についての知識やノウハウを持つ労働局や次世代育成支援対策センターなどと、協力する仕組みをさらに充実すべきである。

(子育て支援に取り組む企業に有益な情報の提供)

  • 子育て支援に積極的に取り組んだ企業が生産性、従業員1人当たりや企業全体のパフォーマンス、定着率や人材確保等に与えるプラスのデータを作成し、各省、各機関でばらばらに提供するのではなく、厚生労働省の取組事例のサイトも活用しつつ一元的にアクセスできる仕組みがいるのではないか。

(企業の取組に対する様々な経済的インセンティブ)

  • 子育て支援などに積極的に取り組む企業を入札の評価に入れる地方自治体が増えているが、国において、ガイドラインの作成や情報提供などの取組はできないか。
  • 企業に対する税制的支援は既に損金扱いでインセンティブにならないというが、中小企業の負担は大きくどのような仕組みであれば有効か。
  • 子育て支援に取り組む企業に対し、一定の基準の下、金融機関の低利融資を適用する取組をさらに広げられないか。

(企業へのきめ細かな働きかけ)

  • 中小企業における子育て支援の取組を進めるため一律的な働きかけだけでなく、企業の取組姿勢をアンケートなどで把握した上で働きかけることが効果的ではないか。

(2)育児休業の取得促進等、勤労者に対する子育て支援

【これまでの議論と考え方の整理】

(育児休業をとれない風土、要因の是正)

  • 育児休暇を取らない理由は「職場に迷惑がかかる」が多数。我が国では企業は、人に仕事をつけ、仕事に人をつけていない。仕事の仕方の再構築が必要。
  • 代替要員だけでは対応できない、どうしても同僚に迷惑がかかる。また、育休による人事評価等のハンディを次年度以降に持ち越さない人事評価が重要。
  • 育児休業取得促進には、所得ロス、キャリアロスの問題解決が重要。

(企業の経済活動との整合性が大事)

  • 企業は利潤を上げ生き残らなくてはいけない。これと子育て支援をどうバランスさせるかが重要。

【具体的施策の進め方、さらなる検討】

(企業の取組を支援する仕組み)

  • 育休中の代替要員の活用には企業内の仕事の見直しが必要であり、そのためのコンサルタントの活用や人材バンクの仕組みは有効ではないか。また、そのための助成金のほか税制優遇措置なども必要ではないか。
  • 社員の子持ち率や育児休業取得率など、わかりやすい指標を企業が公表して、競いあうことにするなど、企業のインセンティブを検討する必要がある。
  • 一定の基準を設定して両立支援企業の認証や、その広報機関を設置したらどうか。また、ドイツのように地域ブロック単位で取り組んだらどうか。

(ワーク・ライフ・バランス運動)

  • 両立支援の対象を、育児ばかりでなく、介護や自己啓発、社会貢献活動などまで対象にするなど、幅を広げ職場全体の雰囲気を変える取組を進めるべき。そのための助成金のほか税制優遇措置なども必要ではないか。
  • キャリアロスをなくすため、ITをさらに活用し、テレワークなどの働き方をさらに進めるべきではないか。

(コスト問題など正確な情報の提供)

  • 企業側に従業員が出産・育児などで休業する場合の賃金や社会保険料などのコスト問題について、あるいは労働者側も出産、育児について必ずしも正しい理解がなされていないとの指摘もあり、諸制度についての正しい知識や理解が得られる機会を増やすべき。
  • 企業の取組の好事例など、できるだけ一元的に、またはワンストップで、利用する企業が情報を得られる仕組みも必要ではないか。

(3)仕事と生活の調和のとれた働き方の実現

【これまでの議論と考え方の整理】

(職場全体で話し合うことの必要)

  • 長い人生の中で労働の中断は誰にでもありうることを前提とした働き方の実現が重要。
  • 産休をとるには上司が職場の中で仕事の配分をきちんとできることが重要。職場全体で、仕事のコミュニケーション、割り振り、生産性の高い職場をどう作るか話し合うことが重要。
  • セクシャル・ハラスメントやクールビズなど、企業内で定着している運動のやり方を研究・参考にしながら、企業の両立支援の運動を企業内に浸透させる必要がある。

【具体的施策の進め方、さらなる検討】

(有給の取得促進が育休にも好影響)

  • 育児休業取得促進のためには、まず、10日ぐらいの連続した有給休暇の取得が出来る職場作りが必要。
  • 制度の普及だけではなく、なぜ企業が子育てをサポートしなくてはならないか、企業において労使が十分議論する必要がある。
  • 企業が子育て家庭に対して影響を与えていること、人口減少が日本社会の未来に警鐘を鳴らしていること、それに対する企業の責任も重いことなどについて、企業トップへの啓蒙もさらに広く行っていくべきと考える。

(4)女性の再就職等の支援策の推進

【これまでの議論と考え方の整理】

(仕事の中断や再就職の情報の不足)

  • 就職、育児、退職、再就職など一連の流れについて、制度を含め個人が知らなすぎることが問題。
  • 高学歴女性ほど再就職が進んでおらず、企業情報へのアクセスがわからない、自分のスキル低下などの不安がある。マザーズハローワークだけでなく、既存のハローワークでも子育て支援企業の情報を提供できる仕組みが重要。
  • 地域で起業するという選択があることも重要であり、コミュニティビジネス等の支援が大事。また、職場復帰に限らず社会にきちんと復帰できるような場づくり(就業以外の分野における再チャレンジ)も必要。
  • 制度の整備が進むにつれ、M字カーブの分岐点が移動し、放課後児童クラブが、保育所を利用していた子どもたちの半分くらいしか利用できていない状況であるため、子どもが小学校に上がった時点で退職するケースも出てきている。

【具体的施策の進め方、さらなる検討】

(身近な情報、身近な相談の必要)

  • 妊娠から出産、育児休業、就職復帰するまでの一連の流れを支援する情報が必要ではないか。子育てする女性の相談の場所はできつつあるが、そこにある程度の仕事の情報もアクセスできる仕組みにはできないか。

(様々な再就職環境の整備)

  • 有期雇用を反復して行っている場合は、無期雇用に変える仕組みなど再就職の環境整備を様々な側面から進める必要があるのではないか。
  • 放課後児童クラブの問題や時間外保育が見つからないなど、企業側だけでなく、地域の問題、保育や学童の問題と一緒に連携して論じていくことが必要。

4 地域や家族の多様な子育て支援

(1) すべての子育て家庭への支援

【これまでの議論と考え方の整理】

(働いているいないにかかわらず、すべての子育て家庭に対する支援の必要)

  • 家庭での養育に欠ける子どもたちへの支援だけでなく、すべての子育て家庭を視野に入れるべき。まだ行政としては、問題のある家庭には何か支援をするが、すべての家庭に対してのフォローが必要だというところまで頭が切り替わっていないので、すべての子育て家庭の状況の把握が不十分。
  • ゼロ歳~2歳児の85%は、家庭において子育てが行われているが、多くの方が初めての子育てで、身近なところでの公的なサポートがほとんどない状況。
  • ゼロ歳~2歳児を在宅で育てている人たちへの支援をどう考えていくか、保育園の制度に比べて地域子育て支援のメニューや法的位置づけが非常にあいまいで、公的な予算も非常に格差がある。
  • 中学校区の中に、子育て支援施設が一つもないところもあり、在宅での育児をサポートする状況にはない。子育て中の親子がベビーカーを押して歩いていける、身近なところでのサポートが必要。

(多様な子育てニーズを支える側の必要性)

  • 親の養育力不足が目立つ一方で、地域社会で子どもを育てようという意欲が減退している。
  • すべての家庭に対する支援というときに、その支援を担う人はだれかという議論が十分ではない。
  • 専業主婦でも自分の所属する場所があることはとても大きなこと。

(子育ての不安、ニーズを把握することの重要性)

  • 市町村は、最も適切な子育て支援事業の利用ができるように相談・助言を行うことや、あるいは各種事業の利用のあっせん、調整、要請等を行うことになっているが、現実にはこうした機能を十分にまだ市町村が担い切れていない。地域の子育カウンセラーやコーディネーター(仮称)から、逆に情報収集を行うことによって、それぞれの地域に必要とされる対策も明確になるのではないか。
  • 子育ての問題においては、母親達は、漠然とした孤立感、不安感の中で、子育てに対する負担感が大きくなるので、子育て中の母親達との会話の中で、自分は何に不安を感じ、どのような支援があったらよいと考えるのかを見つけるプロセスが重要。
  • 孤立した子育てによる不安感、負担感の解消のため、親子が気軽に集える場での一時預かり、ファミリー・サポート・センター等の事業の拡充が必要と考えるが、現行制度では、専業主婦の利用は厳しい状況にある。
  • すべての子育て家庭の状況をきちんと把握し、何かサービスにつなげていくことが必要ではないか。

(子育てサービスに関する情報提供の課題)

  • 現状の制度がどれだけ理解されているかが問題。必要になる前に子育て支援サービスに関する情報が伝わる仕組みが重要。

【具体的施策の進め方、さらなる検討】

(地域の子育て支援を担う人材の養成)

  • 地域の子育て力向上や子育て支援に関しては、子育て・家族支援のための人材養成が、ひとつの箱物をつくる以上に大事。地域の子育て支援のマインドをしっかりと身につけた人々をポストの数ほど増やしていくことが、本当の地域の育児力向上である。
  • 企業からのボランティアや、子育て経験のある専業主婦の方たちも巻き込んだ相談窓口を、全国に展開すべきではないか。

(子育て支援のためのネットワークの構築)

  • 個別の家族に対して制度や必要な支援をつなぐ役割の専門家を育成し、地域子育て支援に関しては、地域の中でのサポートの仕組みをきちんとつくることが必要と考える。特に、0~3歳では地域子育て支援が非常に少なく、情報を得られにくい。地域にある支援を家庭に伝える制度が必要ではないか。たとえば、「マイ保育園制度」や、医療・保健・福祉の連携例として、大分方式のペリネイタルビジットが有効(これは、妊産婦の不安を解消し、問題の解決を図るため、胎児期から、産科、小児科、行政が一体となって育児支援を行うという仕組み)。

(子育てニーズの把握――訪問事業の重要性)

  • はじめて子どもを持った人を支える仕組みとして、ヘルパー、ボランティアなど多様な人が家庭を訪問する事業が重要。
  • 虐待などの問題は家から外に出て来ない親子に起きている等の状況にあることから、産後ヘルパーなどの訪問事業は、この点からも意味があり、事業拡大が必要と考える。

(多様な保育ニーズを提供する拠点の整備)

  • 家庭で子育てをしている人でも一時預かりが利用できるよう、一時預かりの担い手等をどう育てるか、支援のあり方について検討する必要がある。その際は、保育所よりも子育て家庭が気軽に集える場(つどいの広場)の方が費用対効果が大きいので、地域における子育て支援(保育サービス以外)に対してもっと予算措置をする必要があると考える。

(2)地域の子育てへの支援の強化

【これまでの議論と考え方の整理】

(働き方と、保育ニーズの関係)

  • 企業の両立支援と地域の子育て支援との連携が大変大事。
  • 単にニーズがあるから、例えば土日、深夜の保育をやればいいではなく、働き方も見直す必要。家庭保育、事務所保育、施設保育の役割分担を描くことが必要。
  • 子どもの誕生を祝い、これから地域の人もこの子どもの健康と幸せな成長を一緒に見守るというメッセージを伝えていくような制度が必要。

【具体的施策の進め方、さらなる検討】

(地域における場所、人材等の既存の資源の活用)

  • 学校側や行政側が支援することも大事だが、つどいの広場や放課後児童クラブ、小学校での地域の居場所づくりといった形で地域の人々が参加する事業を拡大すると、地域の育児力向上につながっていくと考える。

(地域における働き方と保育サービスの調整)

  • 育児休業を取得しやすくして、企業の両立支援策を促進するのであれば、育休後は1歳から預けられる保育所があり、定員もそうした需要に合わせて増やすということが必要になるのではないか。

(地域における多様な人材の活用)

  • 地域の子育て支援機能のネットワークとして、時間があり経験が豊富な、特に男性に児童を家庭で引き受けてもらい、いろいろな話をしたり夕食を提供するなど、共働きの両親が帰ってくるまで預かるような取組が必要ではないか。
  • 学生の家庭支援ボランティアの育成は、学生の時期から多様な家庭を知る、小さい子と触れ合うことが大事だとわかる重要な事業で、さらに広げていく必要があるのではないか。
  • 大学生や高校生をボランティアという形で地域の集いの広場等に受け入れ、子どもやその親との関係を築く出会いの場ができると良い。

(3)待機児童ゼロ作戦の推進等、保育サービスの拡充

【具体的施策の進め方、さらなる検討】

  • 土日の保育も非常にニーズが高いが、日曜日まで施設を開けるのは、なかなか支出の面で難しいとなると、保育ママや家庭内の保育に対しての支援を考えていく必要はないか。
  • 病気のときほど親が困ることはないので、病時保育の拡充、充実を図っていく必要があると考える。その場合に、何も保育所に行く子どもだけと限らないで、どの親も十分利用できることが必要。
  • 保育所利用予備群はどのくらいいるのか。待機児童の数だけではなく、潜在的なところも出していかないと、今後の見通しも出てこないのではないか。

(4)放課後児童対策

【これまでの議論と考え方の整理】

  • 定員の制限がなければ利用者が増えていってしまう。すると、1人当たりに対する目配りが薄くなりがちである。定員があるところには待機児童が生じている。
  • 子どもが小学校に上がってから就労継続しにくくなってやめざるを得ないという声もよく聞く。

【具体的施策の進め方、さらなる検討】

  • 放課後児童クラブの設置促進、担い手の育成、施設基準(安全基準等)の明確化など、もっと大々的に放課後児童クラブに力を入れていくことが必要。

5 経済的支援

【これまでの議論と考え方の整理】

  • 子育て世帯、特に若い世帯は、子どもなし世帯と比べて相対的に所得水準が低い。賃金における家族手当が縮小・廃止の傾向の中で、子育て家庭への経済的支援策の拡充は、若年労働者の所得保障の観点からも進めていくべき。
  • 子育てコストの軽減のためには、出産・子育てに関わる直接的な費用の軽減ばかりでなく、子育ての機会費用の軽減も重要。
  • 児童手当と税制との関係を考えると、児童手当等の経済的支援策の方が望ましいのではないか。税制の児童扶養控除を廃止するのであれば、その財源を家族給付の充実に重点的に充てるべき。
  • 子どもを出産する前後は、親の所得も低く経済的負担が大きいため、この時期に重点的に支援を行うことが、子どもを持とうとするインセンティブにつながるのではないか。
  • 働き続けることができれば1人目の出産費用はそれほど負担ではないので、1人目は、仕事をやめずに働き続けることができる環境を企業がつくることが重要。2人目からは地域の支援や経済的支援が効いてくるようにする。
  • 経済的支援のみ考えるのではなく、企業の取組や地域の支援との連携の中で、経済的支援を考えていくことが必要。
  • 女性が出産後7割はやめてしまうという現状を前提に経済的支援を考えるのではなく、女性が第1子をもっても働き続けることができるようにしながら経済的支援について考える必要がある。
  • 現金給付のような社会の子ども達の保障は国がやるべきで、地方自治体は主に現物給付を担当するという国と地方の役割分担が必要。
  • 経済的支援の財源は、介護保険のようにみんなで支えあうものとすることが重要。福岡市による子ども未来基金(企業から寄付を募り、寄付を行った企業に対して税制優遇する仕組み)が参考になる。
  • 個々の子育て家庭に小額の給付をすることよりも、その財源により保育所の整備や子育て支援センターを整備することも重要。経済的支援は、現物給付との組み合わせで考えることが必要。

【具体的施策の進め方、さらなる検討】

  • 経済的支援策として、子どもがいる世帯の税制優遇措置の導入や公的な無利子ローン、児童手当の支給の拡充、育児休業中の支援策、出産関連医療費の無料化等を提案。
  • 児童手当の給付延長のほかに、1人当たりの給付水準をもう少し上げるなども必要。
  • 経済的支援策としては、児童手当のみならず保育バウチャーと在宅育児手当の組み合わせがベター。保育サービス利用世帯はバウチャーで負担を軽減し、利用しない世帯はバウチャーの一定割合を在宅育児手当として給付する方策がよいのではないか。
  • 保育バウチャーに関して、全世帯に配るとなると、膨大な財政規模となり反対。現金給付よりも、在宅の母親に対して、子育てを学べる場、リフレッシュする場の現物給付として財源を投入する方がよい。
  • 育児休業期間中の社会保険料免除も経済的支援のひとつであるが、育児休業取得が進展すると免除額も増大することになる。また、産前産後休業中も、企業の負担軽減のために、育児休業と同様に社会保険料を免除にすべきではないか。
  • 出産後の就業継続のために、祖父母によるサポートを支援する方策があるのではないか(例.シンガポールでは、就業している女性が、子どもの保育を父母(子どもからみると祖父母)に頼んだ場合、祖父母控除がある)
  • 教育費の負担軽減のために、孫のための教育費積立金制度の導入が検討できないか(例.シンガポールでは、子どものために政府の補助も加わった積立制度がある)
  • 身内の祖父母だけでなく、地域の高齢者の力を活用する社会的な支援制度の方がよいのではないか。
  • 祖父母の世代が、自分の孫だけでなく、学童の見守りなど地域全体の子ども達を有償活動で支援していく仕組みが、地域の育児力向上につながっていく
  • 約9万円かかっている妊娠中の検診費用の負担軽減や、出産育児一時金等の現物給付が行われると本人も医療機関にとってもメリットが大きいのではないか。
  • 経済的支援のあり方として、児童手当、教育費負担の軽減、地域の支援、意識改革の4点セットで考えるべき。児童手当は、短期的なムーブメントを起こすための起爆剤になる。2人目、3人目と段々と上がってくるのがよい。教育費負担については、奨学金と教育費の税控除を。両立支援策の推進としては、代替要員の費用(人件費以外に教育費等も企業の負担)についての税控除や、女性が勤めやすい企業のランキング等の公表を。
  • 教育費の問題は幼稚園のときと大学のときが課題。教育ローンも経済的支援策。
  • 一時保育の部分が手薄であるが、在宅での子育て支援のために、一時保育の利用料の補助を行うべき。
  • ファミリー・サポート・センターの利用料負担の支援のために、使用先を特定した保育バウチャー等を支給するという方法がある。

6 その他

  • 少子化対策として何が最も適当であるのか、客観的に判断できる実証分析を深めていくべき
  • 未婚の人に対する対策も重要。構造的になかなか結婚しにくい要因があるとすれば、いろいろと対策を講じていくことが必要。
  • 職住接近の都市づくりや公園の整備、保育所の敷地開放等、子育てに適した住環境づくりが重要。
  • 子どもの死亡原因の第1位は不慮の事故によるものであり、いろいろな事故原因の調査し、対策が重要。