少子化社会対策推進専門委員会(第10回)議事要旨

1.日時

平成18年5月15日(月)16:00~17:00

2.場所

内閣総理大臣官邸 4階大会議室

3.出席者

(少子化社会対策会議委員)

猪口 邦子
内閣府特命担当大臣(少子化・男女共同参画)

(有識者)

渥美 由喜
株式会社富士通総研主任研究員
案田 陽治
日本サービス・流通労働組合連合副会長
大日向 雅美
恵泉女学園大学・大学院教授
大矢 和子
資生堂執行役員企業文化部長
奥山 千鶴子
特定非営利活動法人びーのびーの理事長
佐藤 博樹
東京大学社会科学研究所教授
藤本 保
大分こども病院長
前田 正子
横浜市副市長

4.議事概要


○猪口内閣府特命担当大臣
 前回の専門委員会でのご議論を踏まえ、事務局において修正を加え、修正案を週末にご確認いただいた結果、さらにご意見をいただいた。本日は、それを踏まえて加筆・修正した最終案をお示ししているので、ご議論いただきたい。
○増田内閣府少子化担当参事官
 お手元の「これからの少子化対策について(第4次案)」という資料をもとにご説明する。
 3次案との比較で変わっているところにアンダーラインを引いてある。
 昨日、6人の方々による委員修正版を佐藤委員からいただいた。また、渥美委員と藤本委員から別途ご意見をいただいたので、そういった点を加味して修正している。
 目次では、第2章に、第1節「課題の検討にあたって」がつけ加えられており、節がずれている。
 2ページの下段の字句の修正は委員の方々の修正案に基づく修正である。
 3ページの修正部分も同じである。修正の方では「要望の背景」だけだったが、「要望とその背景」としている。
 4ページの修正も、委員の方々からの修正意見で直したところであり、出生率の低下傾向のところは、「流れを変える」というところで、前は「反転」という言葉があったが、そこは委員の方々の意見どおり修正している。
 6ページも同じような修正である。家族政策のところは、昨年の少子化社会白書の文言が上の段落に行き、その下に、委員の方々からのご意見を踏まえて若干言葉を足して載せている。
 7ページは新しくつけ加わった部分である。委員の方々の修正文書をもとに作成している。少し変えたところとしては、最初の段で、「委員会では重要であるとの認識に至った」というところがあったが、渥美委員、藤本委員からは、やはり経済的支援は大変重要であるという意見もあったので、「意見が多かった」ということにして、別途、経済的支援に対しての文言を下の方で足すという形にしている。
 第2段落については基本的に修正の意見どおりだが、ここで「確かに」以下の部分については下記の文章でいかがかということで、皆様方に今朝お送りした。
 原案の方は、「要望では経済的支援が挙げられることが多い。しかし、環境が十分に整備されていない日本の現状では、それのみでは安心感の保障につながらない。地域や家族の多様な子育て支援や働き方にかかわる施策が十分に展開された上でないと有効に機能しない」、ということだが、少し言い切り過ぎでないだろうかということで、事務局の方で下にある文章、「子育てを支える環境が十分に整備されていない日本社会の現状では、安心感の保障につながらないことに留意しつつ、先に挙げた2点が十分に展開される中で支援を行うことが必要と考えている」、という文章を考えた。これはまたご意見をいただきたい。
 最後のところは、経済的支援に関してはやはり要望が高い、ヨーロッパ諸国と比較しても児童・家族関係支出の対GDPが小さい、「子ども・子育て応援プラン」の中でも1項目しか挙げられていない、ということで、二つの分野と並んで経済的支援が大変重要であるといった意見も踏まえて文章を加えている。
 8ページも委員の方々の意見どおり修正している。
 「現状」の一番最後のなお書きは、今朝、渥美委員からの意見で加筆している。
 9ページも6人の委員の意見の修正である。
 10ページの修正も、同じである。
 4「待機児童ゼロ作戦」の推進のところで、地方自治体独自の基準による認証保育所の活用というところは、一番最後に持ってきて、意見があったというふうにしている。
 11ページも基本的には委員の方々の意見で修正している。
 12ページ以降の「働き方に関わる施策」で、いろいろと字句の修正があるが、これもすべて修正の意見に基づいて直している。
 14ページも同じである。「企業の自主的な取組」のところは、案田委員からのご意見を踏まえて、少し文章を足したところである。
 15ページもご指摘どおりの修正である。
 「経済的支援」では、16ページで、「若い世代に対する支援の必要性」の最初の2行は、6人の委員の修正案では削除とあったが、これは既にこの委員会の中でも世論調査の結果として説明しているところであるので、そのまま生かしている。
 3番目のパラグラフは、今までの議論にあったように、若年層の親の場合、子供が小さいときに支援が必要だということで書くとともに、「同時に、」ということで委員の方々の意見をつなげている。
 17ページの、「2 妊娠・出産における負担の軽減」の不妊治療のところは、修正の意見では「慎重に対応」とあったが、不妊治療に対しては要望が多いことから、「プレッシャーを増加させることがないよう十分配慮しながら取り組む必要がある」という修文をしている。
 それから「3 子育て費用の負担軽減」の医療費負担の軽減は、従前からいろいろとご意見のあったところであるので、つけ加えている。
 「特に、子どもの誕生前後」云々というのは、前回までは「ゼロから3歳児に着目して特別な給付」とあったが、全体の流れを踏まえて、親の年齢が若い時期、所得水準も低い時期に対策が必要であるといった修文としている。
 19ページ、「おわりに」は、新しくつけ加わった部分であるが、アンダーラインを引いてあるところは、前半部分は修正のご意見どおり加えている。経済的支援については、やはりここは重要だという意見があったことから、今後、経済的支援に対しての議論を進めていくべきであるといった文言をつけ加えている。
 20ページにあるように、「この部分全体が新たにつけ加えた第2章第1節との重複感があることから、削除することも考えられます」と今朝のメールでご連絡したが、ここについてもご意見をいただきたい。
 「さいごに」では、イントロの部分に江戸時代の話があったが、削除するというご意見があったので、削除している。
○猪口内閣府特命担当大臣
 それでは、委員の先生方にご議論いただきたい。
○大日向委員
 2点ほど確認させていただきたい。
 第1点は、先日、佐藤委員を代表として、事務局にこの報告書の取り扱いについて6名の名前でお尋ねしたが、そのお返事をまだいただいていない。この私ども6名で作成したペーパーが専門委員の報告書としてまとめていただけるのか、それとも事務局案なのかあのメールのお尋ねに対してお答えいただきたい。
 もう一点は、新聞報道がいろいろなされている。新聞報道をいちいち気にするわけではないが、今日も日経に、この委員会の報告をもとに乳幼児手当新設という記事が載っていた。私にもNHKから取材の申し込みがあり、乳幼児手当の新設に関してお母さんたちを集めてインタビューをしたいと言われた。
 私どもは乳幼児手当新設に関して、どのくらいの規模のお金がかかるのかもご説明いただいていないし、そもそもそういうことに対して議論も十分していない中で、この専門委員会の意見として出ることに対しては、納得がいかない。
 私どものペーパーが100%とは思っていない。しかし、私どものペーパーは専門委員会のペーパーとして、まとめていただきたい。幾つか異論もあろうが、異論に対しては両論併記という形でなり、出させていただきたい。それを政治的にどうやっておとりになるかは大臣のご判断だが、このあたりについて、まず確認させていただいてから議論に入りたい。
○増田内閣府少子化担当参事官
 前半の部分については、今朝お送りしたメールの中に書いたつもりだが、この専門委員会の報告は、これまでのいろいろな議論を取りまとめたものである。専門委員会は、少子化担当大臣と有識者で構成する委員会であり、その委員会の議論を取りまとめたということである。
 もう一つの件については、恐らく新聞記者の方々がいろいろと取材をして書かれているかと思うが、私どもとしては、まだ原案にあるレベルのものである。つまり、ゼロ歳から3歳未満に着目した特別な給付というが、今までの議論を踏まえてあるのではないかといったレベルであり、細かな点については、これから政策を詰めていく中で議論していくことである。
 この専門委員会の報告については、本日、少子化社会対策推進会議に報告して、その後、政府与党の対策協議会等でこれから詰めていく話であり、現時点では確たるものは一切決まっていない状況である。
○猪口内閣府特命担当大臣
 決まっていないとご理解いただいていいと思う。
 報道については、不本意な内容で出ている部分もたくさんあるかと思うが、それだけ社会の関心が子育ての分野に集まってきている中で、政府としても情報管理を徹底しているつもりである。
 それでは、報告書の内容について、ご議論いただきたい。
○前田委員
 この場に事務局案とは別に6名の委員で修正案を出させていただいた。私どもがどういうつもりでこの修正案をまとめさせていただいたか、ぜひ述べさせていただきたい。
 私どもの認識では、経済的支援の必要性を否定するものではないが、自治体の現場で実際の子育て支援を預かっている者としては、現金を配っても、なかなか効果に結びつかないことを実感している。何回も申したように、お母様方から、「5,000円、1万円配るお金があるなら、つどいの広場をつくるなり、病院や公園をつくるなり、個人の力ではできないことをするのが、今喫緊の課題である」という真剣な問いかけを受けている立場である。今回、この委員会の報告書が経済支援重視という一連の報道がされている中で、私も子育ての現場を預かる専門委員としての責任を果たすために、まず地域の子育て支援の整備と働き方の改革に重点を置きたいと思い、それを強調した修正をさせていただいた。専門委員としてのスタンスをはっきりさせていただきたい。
 何回も申し上げたように、これをもとにどのような政策を立案なさっても、私どもの及ぶところではないが、現場を預かる人間として、現状において、求められているものが何かが明確にわかる形で報告書をまとめたいと思い、修正案を出したことをご理解いただきたい。
○猪口内閣府特命担当大臣
 先生方の思いと私の思いは、本当に同じだと思う。そこがまさに日本の現場で欠けているので、そこに重点化を進めていきたいと思う。少子化対策として特効薬も即効薬もない。いろいろなご議論もある中、総合的にこの分野が一気に拡大する分水嶺となる、そういう専門委員会であったという流れが今、できつつある。
 内容については、念のため、読む人が誤解しないように十分に修正を加えてここに至ったと思う。特命室のスタッフは相当の情熱をもって先生方のお考えをできるだけ忠実に反映して、読む人の誤解がないように苦心した。私も相当程度監督して、この最終的なものになったので、誤解は生じないと思う。働き方の見直し、そして地域のいろいろな取組、こういう部分を重点化したい。
 私自身が先生方のところを視察したことも、国民にこういうところをわかってほしい、大臣が行けば報道され、広く、各県から問い合わせが出てくる、そういうことも考えてやっている。私の軸足がこういうところにあることは信じていただきたい。
○前田委員
 事務局の方も大変だったと思うが、6名の人間は働きながら、土日、夜も寝ずに事務局案とは別の委員6名によるこの修正版をつくった。それは評価していただきたい。それぐらい真剣に私たちの報告書としてまとめ上げることに、誤解がないように努力した。それは取り入れていただきたい。
○大日向委員
 私も、その点で少し申し上げたい。
 大臣が言われるように、事務局の方が大変ご苦労くださったことはわかる。しかし、私どももこの土日、ほとんど寝ていない。寝ずにパソコンの前に張りついて、皆やっている。
 何でこんなぎりぎりのところになって意見をメールで交換しなくてはならないのか。もっと前に事務局の方が私どもの中を回ってくださって誠心誠意聞いてくださったら、こんな─ここ土日、3日ぐらい私ども、少なくとも6名の委員はほとんど寝ていない。そのくらいの思いでこの修正案を出している。私ども、長年子育て支援に命を懸けてやってきた者である。専門家として、自分たちの真意と違うものが出ることに対して、ペーパーとして出ることに対して非常に危惧している。
 何度も申しているが、既に取材ラッシュである。全部断っている。しかし、記者の方々からは「なぜ先生たちが入っていて、こんな現金給付に偏った経済的支援重視のようなことになるのか」というお問い合わせが少なくない。私は、そうではないと思いながらも、今日の今日まで一切ノーコメントを通している。
 今、前田委員が言われたように、私たちが何をポイントとしたいかというと、昨日の千葉でのタウンミーティングで申したが、少子化対策には労働政策と地域の育児力と、それから経済的支援、この三つがある。その三つを構造的に─私たちは「ストーリー」や「構造」という言葉を使ったが、限られた厳しい資源の中でどうやって最大限の効果を出すかに苦慮してまとめたわけである。
 そのあたりが、修正案6ページの第1節、「課題の検討にあたって」というところである。それから、最後の「おわりに」というところ、ここに私どもの思いが込められている。ここがかなり修正・加筆されている。
 昨日もタウンミーティングで大臣は、働き方の見直しが大事だと力説してくださった。しかし、ここが事務局案のように書きかえられることによって、「やはり現金給付経済的支援が最優先なんだ」そういう受け取り方をされかねない。
 私どもは決して経済的支援の必要性を否定しているわけではない。地域支援にももっとお金が投入されるべきである。しかも、この厳しい財政下では、児童手当の対象拡大など、目下図られている現行制度の効果を見極めるべきだと考える。それ以上に拡大するのであれば、財源を含めた緻密な議論が必要であり、それはここではしていない。していないのに、現金給付と受け取られるような文言が入ったものを、私どもは認めるわけにいかない。少なくとも働き方の見直しと地域の子育て支援、この人々の生活環境の整備があって初めて経済的支援も効果を上げることができるという、このストーリーを私たちはぜひとも強調したいという思いでこの修正案を出したということを、ごらんいただきたい。
○藤本委員
 質問させていただきたい。
 途中の経過を私は余りよく知らないし、金曜日も出席できなかったので先生方のご意見がよくわからない。果たしてこの原案は、本当に経済的支援だけが突出したような印象を持たれる文章だったのか。私が読んでも余りそうは感じなかった。すべてが並立で、どれも大事であるというふうにしか読み取れない。マスコミの取り上げ方で世間が騒いだことは事実だが、報告書そのものが本当に経済的支援が突出した書き方になっていると評価されているのか、お聞きしたい。私は、そうではないのではないかと思っている。
○佐藤委員
 私も経済的支援は大事だと考えているが、今の日本の子育て環境を、子育てしやすい社会に変えていくことがすごく大事で、その構造を変えると言ったときに、先ほど並列というお話があったが、私は並立ではないだろうと思っている。今、経済的支援がなぜ必要かというと、地域の子育て環境や子育てしながら働き続ける環境がないからである。まず地域の子育て環境なり仕事を続けられる働きやすい環境をつくる。それをまず動かさなければ、逆に経済的支援をすることによって、現状の地域の子育て環境、あるいは職場の働き方の現状を固定化することにもなりかねない。
 地域の子育て環境を充実し、仕事をしながら子育てできるようにすることがやはり大事だという意識を持つことが必要である。その上で、財源に余裕があれば経済支援をすることについて、政治的判断でやることについて、もちろん私は反対というわけではない。私は、今の日本社会の子育ての構造を変えていく、そのためには、まずどこに軸足を置くべきだというメッセージを出すべきではないかと思っている。
○藤本委員
 そのことはよくわかるし、十分理解している。しかし、報告書は読んだ人がそういうふうにとるのか、私は疑問を持っている。
○奥山委員
 既に「子ども・子育て応援プラン」があって、メニューが出てきていることを考えると、そこに盛り込まれていない新しいものがここで出てきたときに、マスコミの方々はそういうところに目がいくのではないかと思う。前回は、ゼロ歳から3歳児の手当、特別な給付というのが入っていたので、やはりマスコミの人たちはそういうところが目につくのだろう。
 地域の子育て支援ということで言うと、法的な根拠が非常に乏しく、それぞれの地域で工夫してやっているが、全国一律的な形での施策がとても乏しく、例えば保育であれば保育、幼稚園であれば幼稚園というきちんとした法整備がある中で、地域子育て支援というのは一体何なのかということが非常に脆弱だとこの委員会を通じて改めて感じた。
 佐藤委員がおっしゃったように、一時預かりをするといっても、ではその担い手は一体どこにいるのか、その仕組みはどんなふうに展開していくのか、はっきり言って本当にまだまだ乏しい状況である。経済的支援は若い人たちにとっては大変重要な施策だと思うが、地域における支援策、制度的なものがきちんと位置づけられないままに現金給付があったときに、どのような使われ方をするのか。地域の支え合いに活かしていけるのかどうか、大変考えるところがあり、私のところにも心配の声が寄せられた。
 私のところにも、NHKのニュースで放送したいので乳幼児手当の件でお母さんたちの声を聞きたいといった情報が既に入っていて、私たちが議論しているのはそういうことではないと申し上げているが、何か既成事実化しているような形でそういう取材があることについて、この委員会としての位置づけ、私たちの役割に対してきちんとした位置づけをしていただきたい。
○猪口内閣府特命担当大臣
 9ページに「法定化を行い......」と入れている。非常に重要な点である。
○大矢委員
 この専門委員会で議論がされた中で、この三つの課題について、私どもは構造的なストーリーをつけて報告したいということはお願いしてきた。経済的支援は具体的な議論が余りされておらず、専門委員会のまとめをするには、やはり若干弱い部分がある。もちろん、我々の意見がきちんと情報開示されて、いろいろな意見の中でこういったものもでているというのはいいが、専門委員会の意見によってこの経済的支援が決められたというような扱いになるには、議論は未熟であったと我々は感じている。専門委員会の扱いについては、私どもが出したように構造的な部分を明確にしていただく。そして我々の議論を情報開示していただくということ、更にプロセスを明確にしていただけないかというのが私の意見である。
○猪口内閣府特命担当大臣
 経済支援については、議論はなされており、その重要性を指摘する意見はあり、否定するものでは決してないという全員の一致したご理解があった。そして、今、非常にこの分野を拡大するという流れができているので、議論を踏まえてバランスよくまとめた内容と考えている。
 藤本委員のご質問についてのお答えとしては、報道に誤解が生まれないように、念のためこのように書きかえさせていただいたということである。
○案田委員
 私ども6名の案は第3次案をどう修正すべきかという意見であり、それを踏まえてこの第4次案を事務局で出していただいたということであるが、6名以外の委員からの意見も踏まえると最終のまとめ方はこういうふうになるということで理解はしたい。
 いろいろ意見がまだ煮詰まっていないとか、最終的に違う意見も最後まであるかもしれないので、委員会としてまとめをするには、両論併記なのか、あるいは枠を持たせるのかということの中でご苦労されたんだろうと思う。
 第4次案の19ページで、下の方のアンダーラインのところに「経済的支援については、対象者や給付内容、財源等、検討すべき課題がたくさんあるが、今後、政府において真剣に議論を進めていくことが重要である。」という書き方がされている。この部分は、経済的支援について今後どういうふうにすべきかについては、この中では最終的に具体案までは詰まっていないが、子育ての地域の問題とか働き方の問題、こういう政策がどういうふうに進むかという問題と、それを踏まえて本当に必要なところにどういう支援をすべきかというのは、今後、この委員会ではなくて、今までの意見を踏まえて政府の中で議論をして決めていってもらいたいということが書かれているので、この委員会から政府に対しての提案の内容としては、安易に手当水準だとかそういうものを決めずに、ここについては慎重にやるべきだと提案しているということを、猪口大臣も含めて確認したいということを私の意見としたい。
○猪口内閣府特命担当大臣
 「慎重に」というより「真剣に」議論は進めていくということで理解している。
○案田委員
 検討すべき課題について、最も適切な経済的支援のあり方を考えるべきだということである。
○猪口内閣府特命担当大臣
 それはここに書いてあるとおりである。給付内容などは、今後、政府において真剣に議論を進めていく。そして、なお書きが重要であり、「その際には、…」と書き切っているわけだから、そこはこれからの子育て支援の分野の大きな飛躍に向けて、決意がある文章になっていると考えていただいていいのではないか。
○渥美委員
 私は、3分野はいずれも重要なテーマだと考えており、政府としては、いずれも全力を尽くして推進していただきたいという考えである。
 厳しい財政情勢を考えると、財源の問題は本当に大きなネックだと思うが、一方で、税調等、子育て支援税制に関する議論が始まっていて、今後、消費税等、少子化対策としていろいろ論点が挙がってくると思う。この専門委員会の中で、経済的支援だけが他の2分野よりも劣位にあるような文を挿入するというのは、少子化をめぐる議論全体を考えると逆にバランスが悪いのではないか。
 藤本委員が、報告書のバランスはいいのではないかとおっしゃったが、私も同感で、目次を見ても、節の中で項目数、地域の子育て支援6項目、働き方にかかわる施策5項目、経済的支援4項目、これは本当に単純な例だが、報告書の分量もそんなに経済的支援に割かれているわけではない。専門委員会の結論として、経済的支援だけが突出しているという報道は問題だと思うが、報告書自体は、私はとてもバランスよくまとめていただいたと感謝している。
 私自身は他の6人の方のように違和感を持っていなかったので、こういう議論になってしまったのは残念である。政府には、少子化対策は三つの分野とも全力を挙げてやっていただきたい。
 「構造的ストーリー」ということについてであるが、社会保障のあり方懇談会の報告書案で、少子化対策として、両立支援、若年層への就労対策の推進、子育ての経済的負担の軽減、子育て支援やサービスの基盤整備といった各種の施策を総合的に組み合わせるという考え方が提示されていた。私は、総合的に取り組んでいくという考え方でいいと思っており、この報告書は総合的に取り組んでいくという考え方を示していると思う。
○猪口内閣府特命担当大臣
 「総合的に」というときに、地域の子育て支援、あるいは働き方の見直し、深い工夫の要るところについて見落とされがちだという懸念が多くの先生方にあったと思う。「総合的な」ということをこれから進めていくときに、いろいろと考えるところはあったが、委員の先生方の思いを真正面から受けとめて、この最終案としたわけである。私も非常に大きな決意をもって、この最終案を事務方と詰めるときに努力した。従来、重要性は認識されていても、政策的な深い配慮と工夫が十分でなかったところを、これから十分にしていくという流れをつくるためにも、こういう項目立てとなった。そこはご理解いただければありがたい。
 決して経済的支援は二の次、三の次というような位置づけの最終案としているわけではない。地域、そして働き方、この二つを社会にきちんと理解してもらいたい。国民的合意をつくっていきたいという意気込みで、この委員会はやっていたと思う。経済的支援についても、議論はこの委員会の席上でなされ、その必要性について世論も非常に強くあり、それは専門家の先生方も受けとめていらっしゃると考えている。
 それぞれご不満はあるかもしれないが、私は、最終的にいいバランスで構造的な変化の重要性を十分に理解してもらえる内容となったのではないかと考えている。
○前田委員
 もうここまで来たので、事務局がまとめられた努力に敬意を表して反対しないが、なぜ6名の委員が修正案を出したかいま一度申し上げると、13日の日経に、12日に委員会の報告書の全容が明らかになったという記事が出た。どういうふうに書かれていたかというと、並列的に書かれたことがまさに批判されており、新しいアイデアが総花的にあり、焦点が定まらず、専門家が集まった割には貧相ではないかというような批判があった。これは私どもが前々から言っていた「構造化する」「何が重要課題かを示していく」ということが明らかに伝わっていないと思ったため、それから徹夜してまとめたものである。
 報告書が出た以降は、個人的にいろいろこの報告書に対して意見を求められる場も多いと思うが、私としては重点課題は明確であったと述べていきたい。
○大日向委員
 先ほど渥美委員が、経済政策と労働政策と保育は同じトーンで総合的にと言われた。「総合的」と「平板」は、やはり違うと思う。
 何度も申しあげるが、どういう社会を目指すべきかということが大切。私たちは経済的支援を要らないと言っているわけではないが、経済的支援が効果的であるためにも、働き方の見直しと、そして地域の保育を含めた子育て支援に注力することが必要といっている。そこが仮に現金給付のような経済的支援の方が特化するようなことになったとしたら、先ほど佐藤委員が言われたように、働き方の見直し、あるいは地域の子育て支援、保育機能の充実の方が現状で固定され、あるいは厳しい財政の中で後退することを懸念する。
 その意味で、先ほど案田委員が大変大事なことを言ってくださったと思うが、19ページ「おわりに」の下の4行は、経済的支援として具体的に何をするかは、この委員会では結論に至っていないという私どもの思いを事務局がまとめてくださったと思う。具体的にどこのお金を使うかということは、それこそ財政の専門家の方々にきちんとご議論いただけると思う。そのためにも、今どういう支援が最も必要かということを書かせていただいたのが私どものペーパーである。
 それに関して、もう一点お願いしたいのは、取材を受けたとき、私たちはノーコメントと言い、でも議事録をどうか読んでください、そうしたらわかるからと言っているが、議事録がアップされていないと言われている。3月何日かの段階でアップが止まっている。そうなると、やはりいろいろな憶測で記事が書かれてしまっても仕方ないと思う。
 したがって、これまでの議事録を速やかにアップしていただくことと、今日6名が提出した修正案も資料として、こういう意見があったということで、ぜひともアップしていただきたい。
○増田内閣府少子化担当参事官
 議事録については遅れていて、まことに申しわけない。
 資料の掲載の仕方については、検討させていただきたい。
○奥山委員
 概要版をつくるのであれば、私たち委員にも事前に見せていただきたい。
 また、私たちは、「おわりに」のところに結構大事なことを、理念を込めて、気持ちを込めて書いたつもりである。これは第2章第1節とは違う形で入っているので、ぜひこのまま入れていただきたい。
○猪口内閣府特命担当大臣
 そろそろ取りまとめをしたい。「おわりに」は、一部重複するというご意見もいただいたが、奥山委員のご希望どおり、これはこのままということで全員の了解をいただけるだろうか。
(異議なし)
○猪口内閣府特命担当大臣
 7ページの「*」部分は、これでご了解いただければありがたい。
(異議なし)
○猪口内閣府特命担当大臣
 全体の報告書についてご了解いただければ、これを最終的な案として推進会議に報告したいが、いかがか。
(異議なし)
○猪口内閣府特命担当大臣
 それでは、これで推進専門委員会の報告書が確定できた。
○大矢委員
 修正版の資料について、こういった議論もあったということでホームページにアップしていただくことについてのご回答は、どうご判断いただけるのか。
○増田内閣府少子化担当参事官
 今までもすべて載せていたわけではなかったが、そういったご意見が非常に多いようなので、その方向で考えたい。別途、藤本委員と渥美委員のご意見も同じように対応したい。
○佐藤委員
 私もその方がいいと思う。我々の意見だけというのは......。もし問題がなければ、委員会ではこういう議論をしましたということをみんな出していただくのは、大賛成である。
○猪口内閣府特命担当大臣
 最終的にもう少し事務と相談させていただければありがたい。
 この後、引き続き推進会議を開催し、専門委員会のこの報告書の内容を報告して、関係閣僚が加わった場での議論を行っていきたい。
 本日の推進会議を踏まえて、今後、政府内、それから政府与党間での調整を進めていく。この専門委員会の報告書を踏まえて、6月の、これからの少子化対策の取りまとめに向けて全力を尽くす所存であるので、よろしくお願いしたい。

5.閉会