第2章 3.1
2 調査結果
2.3 子育て支援
2.3.1 地域の子育て支援
(1)子育ての楽しさと辛さ
「子育てが楽しい」と感じることが多いと思うか、それとも「辛い」と感じることが多いと思うかについて、子どもを持つ者を対象に質問している。その結果、「楽しいと感じることの方が多い」とする回答が55.6%となっており、「楽しいと感じることと辛いと感じることが同じくらい」とする回答は31.9%である(図3-1)。
図3-1 子育ての楽しさと辛さの割合

(2)子育ての楽しさの促進と辛さの解消につながる支援・対策
どのような支援・対策があれば、「子育ての楽しさ」や「子育ての辛さの解消」につながると感じるかについて、子どもを持つ者を対象に質問している。その結果、「仕事と生活の両立の推進」が最も回答率が高く(36.0%)、子どもを持つ者にとっては、仕事と生活の両立の推進が、子育ての楽しさを促進し、辛さの解消につながるとする回答が相対的に多い(図3-2)。「地域内での育児関係費用の補助サービス」も期待されている(33.6%) 。
図3-2 子育ての楽しさの促進と辛さの解消につながる支援・対策

(3)気軽に子育てについて相談できる相手の有無と相談先
子育てについて、気軽に相談できる人(場所)の有無について、子どもを持つ者に質問している。ほとんどの者が「いる」と回答しているが、全体の1割強が「いない」と回答している(図3-3)。
図3-3 気軽に子育てについて相談できる相手の有無

子育てについて、気軽に相談できる人(場所)が「いる」と回答した場合に、その相手先について、質問している。その結果、「親や家族(89.2%)」の回答が最も多く、次いで「友人や知人(76.9%)」となっている(図3-4)。「保育士や幼稚園教諭(17.9%)」や「近所の人(15.3%)」も相談先として挙げられている。
図3-4 気軽に子育てについて相談できる相手先

(4)地域子育て支援サービス※の利用の有無
※この調査における「地域子育て支援サービス」とは、地域子育て支援拠点(地域子育て支援センター、つどいの広場等)、家庭訪問事業(生後4か月までの全戸訪問事業、育児支援家庭訪問事業等)、子育て相談事業、子育ての情報提供、一時預かり事業などとしています。
「地域子育て支援サービス」を利用しているかどうか、子どもを持つ者を対象に質問している。その結果、「利用している(26.9%)」、「利用していない(67.7%)」となっている(図3-5)。地域別に分析した結果からは、利用度に顕著な差異は見られていない。
図3-5 地域子育て支援サービスの利用の有無

(5)地域子育て支援サービスの利用満足度と不満足の理由
地域子育て支援サービスを利用している者を対象として、その満足度を質問している。地域子育て支援サービスを利用している者のうち6割強が満足(「満足」+「やや満足」)と回答している(図3-6)。
図3-6 地域子育て支援サービスの利用者満足度

地域子育て支援サービスを利用していて不満足である者を対象として、その理由を質問している。その結果、「利用したい時に利用できない(42.7%)」、「利用時間が合わないから(31.1%)」、「利用料がかかるから(23.3%)」の順となっている(図3-7)。利用したいときにできないことや利用時間が合わないという時間的な理由や、利用料金といった理由から、満足していない様子がうかがえる。
図3-7 地域子育て支援サービスの利用者の不満足の理由

(6)地域子育てサービスを利用していない理由
地域子育てサービスを利用していない者を対象として、利用していない理由を質問している。その結果、「特に理由はない(29.4%)」とする回答が最も多いが、次いで「サービスの利用方法が分からない(23.3%)」、「自分がサービスの対象者になるのかどうかわからない(18.5%)」、「利用したいサービスが地域にない(17.2%)」との回答が多い(図3-8)。
図3-8 地域子育て支援サービスを利用していない理由

(7)希望する地域子育て支援サービスの利用
<1>子どもを持つ者全体の分析
子どもを持つ者を対象として、希望する地域子育て支援サービスを、利用できているかどうか質問している。その結果、希望する地域子育てサービスを利用できている(「そう思う」+「ややそう思う」)とする回答は、全体の24.9%にとどまっており、そう思わない(「あまりそう思わない」+「そう思わない」)とする回答のほうが多くなっている(28.1%)(図3-9)。
図3-9 希望する地域子育て支援サービスの利用の可否

<2>地域別の分析
希望する地域子育て支援サービスを利用できているかどうかについて、地域別に分析している。その結果、希望する地域子育てサービスを利用の有無は、地域により顕著な差異は見られていない(図3-10)。
図3-10 地域別の希望する地域子育て支援サービスの利用の可否

(8)安心して妊娠・出産できるための支援や保健医療サービス
<1>子どもを持つ者全体の分析
子どもを持つ者を対象として、安心して妊娠・出産できるための支援や保健医療サービスが整っているかどうか質問している。その結果、整っている(「そう思う」+「ややそう思う」)とする回答は、全体の24.2%にとどまっており、整っていない(「あまりそう思わない」+「そう思わない」)とする回答のほうが多くなっている(41.6%)(図3-11)。
図3-11 安心して妊娠・出産できるための支援や保健医療サービス

<2>地域別の分析
安心して妊娠・出産できるための支援や保健医療サービスが整っているとかどうか、地域別に分析している。その結果、地域により差異が見られており、男性女性ともに地方のほうが整っていない(「あまりそう思わない」+「そう思わない」)とする回答が多くなっている(図3-12)。地方は都市よりも、安心して妊娠・出産できるための支援や保健医療サービスに対する整備が不十分であると感じている傾向にある。
図3-12 地域別の安心して妊娠・出産できるための支援や保健医療サービス

(9)子どもが病気になったときも安心して医療にかかることができる環境
<1>子どもを持つ者全体の分析
子どもを持つ者を対象として、子どもが病気になったときも、安心して医療にかかることができる環境が整っているかどうか質問している。その結果、整っている(「そう思う」+「ややそう思う」)とする回答は、全体の47.4%となっており、整っていない(「あまりそう思わない」+「そう思わない」)とする回答は24.7%となっている(図3-13)。
図3-13 子どもが病気になったときも安心して医療にかかることができる環境

<2>地域別の分析
子どもが病気になったときも、安心して医療にかかることができる環境が整っているかどうか、地域別に分析している。その結果、地域により顕著な差異は見られていない(図3-14)。子どもが病気になったときも、安心して医療にかかることができる環境の整備については、地域に関わらず、5割弱が整っている(「そう思う」+「ややそう思う」)と回答している。
図3-14 地域別の子どもが病気になったときも安心して医療にかかることができる環境
