第2章 1.(1)理想と予定の子ども数
1.少子化対策についての意識
(1)理想と予定の子ども数

回答者全員に、理想的な子どもの人数(以下、理想の子ども数)と、実際に持つつもりの子どもの人数(以下、予定の子ども数)を聞いたところ、理想の子ども数としては「2人」(55.1%)が過半数で最も多く、次いで「3人」が26.7%となっている。一方、「0人」(9.6%)と回答した、子どもを持ちたいと思わない者は1割程度にとどまっている。
一方、予定の子ども数をみると、理想の子ども数と同様に「2人」(44.8%)と回答した者が最も多いが半数には届かず、「0人」(26.1%)と回答した実際には子どもを持つ予定のない者が4人に1人以上の割合となっている。
理想の子ども数を性・年代別にみると、理想の子ども数の平均に差はみられないが、男女とも年代の高い層ほど「0人」と回答する割合が増加しており、子どもを持ちたいと思わない者が多くなっている(図表1-1-1)。

一方の予定の子ども数を性・年代別にみると、男女とも年代による差が大きく、20代では「2人」(男性58.9%、女性57.8%)を予定している人が6割弱であるが、40代で「2人」の子どもを予定している者は男性34.7%、女性25.6%となっている(図表1-1-2)。
これに対して、「0人」と回答した、子どもを持つ予定のない者は40代の男性では37.8%、女性では53.3%と過半数を占めている。

理想の子ども数を性・就労状況別にみると、いずれの層でも「2人」が最も多く、次いで「3人」となっている(図表1-1-3)。
男性の無職者では、「0人」(24.0%)と回答した、子どもを持ちたいと思わない者が多くなっている。

予定の子ども数を性・就労状況別にみると、男性の無職者と女性の自営業等では「0人」(男性無職46.6%、女性自営業等51.5%)と回答した、子どもを持つ予定のない者が5割前後であるが、それ以外の層では「2人」を予定している者が最も多くなっている(図表1-1-4)。

さらに理想の子ども数を夫婦年収別にみると、いずれの年収層でも「2人」を理想とする者が最も多く、次いで「3人」となっているが、「3人」と回答した者は年収の低い層ほどやや多い傾向がある(図表1-1-5)。

予定の子ども数を夫婦年収別にみると、いずれの年齢層でも「2人」を予定している者が多い(図表1-1-6)。
年収が低い層ほど「3人」を予定している者がやや多い傾向にある。

理想の子ども数と予定の子ども数の回答について、その差の有無を示し、理想どおりの子ども数を実際に持つ予定かどうかをみた(図表1-1-7)。
「理想と予定の子ども数が一致」している回答者は56.9%となっている。一方、ほぼ4割(41.5%)は「予定が理想の子ども数を下回って」いる。
男女別にみると、「理想と予定の子ども数が一致」している回答者(男性60.6%、女性53.2%)は女性より男性に多く、女性では45.1%が、「予定が理想の子ども数を下回って」いる。

調査手法や対象者条件は異なるが、参考として国立社会保障・人口問題研究所の「第13回出生動向基本調査」の結果をみると、回答率の差はあるものの「理想と予定の子ども数が一致」する者が最も多いという傾向は、同様となっている。

性・年代別にみると、男女とも20代では「理想と予定の子ども数が一致」(男性74.1%、女性69.9%)が多数を占めているが、年代が高くなるほど「予定が理想の子ども数を下回る」という回答者が多くなり、40代になると男女ともに「予定が理想の子ども数を下回る」(同51.2%、61.8%)という回答者が最も多くなっている(図表1-1-8)。

性・就労状況別にみると、男女とも20代前半で未婚者が多数を占める学生では「理想と予定の子ども数が一致」している回答者(男性77.4%、女性78.5%)が8割弱と多数を占めるが、他の職業では、「理想と予定の子ども数が一致」する層は、学生に比べて小さくなっている(図表1-1-9)。
特に、自営業等の有職者の女性では、「理想と予定の子ども数が一致」する層は4割弱(38.7%)と他の層に比べて小さい。

さらに、すでに回答者が持っている子どもの人数(以下、現在の子ども数)と予定の子ども数を比較すると、現在の子ども数が「0人」(子どもはいない)という回答が64.3%であるのに対し、予定の子ども数が「0人」という回答は26.1%である(図表1-1-10)。

現在の子ども数と予定の子ども数の回答について、現在の子ども数と予定の子ども数が一致している者を「出産意向なし」、現在の子ども数を予定の子ども数が上回っている者を「出産意向あり」とし、今後子どもを持つつもりがあるかどうかをみた(図表1-1-11)。
今回の調査回答者では「出産意向なし」(49.6%)と「出産意向あり」(50.4%)の割合が、ほぼ半々となっている。
男女別にみると、「出産意向あり」(男性56.1%、女性44.6%)という回答の割合は、女性より男性の方が高い。

さらにくわしく、未既婚と子どもの有無で回答者を分類し、子どものいる回答者の場合は追加出産意向の有無、子どものいない回答者については出産意向の有無として分布をみた(図表1-1-12)。
本調査の回答者では、現在子どもはいるが、今後の「追加出産意向はない」という回答者が23.5%で最も多く、次いで、未既婚ともに現在は子どもがいないが「出産意向がある」(未婚19.3%、既婚18.8%)という回答者がそれぞれ2割弱である。
男女別にみると、女性より男性の方が『出産意向あり』という回答者が多く、特に、未婚で現在子どもはいないが「出産意向がある」(男性22.3%、女性16.3%)という回答は、男性の方がやや多い。
性・年代別にみると、出産意向もしくは追加出産意向のある回答者は、男女とも年代の若い層ほど多い。
