第2章 4.(2)仕事の満足度
4.仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)
(2)仕事の満足度

有職者(7,426人)に、仕事の満足度を"内容・やりがい"と"労働条件"に分けて聞いた。
"内容・やりがい"について「満足している」(9.1%)という回答者は1割に満たないが、「どちらかといえば満足している」(46.3%)という回答者を合わせると、過半数は『満足』していると回答している。
一方、"労働条件"について「満足している」回答者は12.5%で、「どちらかといえば満足している」(43.6%)と回答した者を合わせると、"内容・やりがい"と同様に『満足』している回答者は過半数である。
男女別にみると、『満足』(「満足している」と「どちらかといえば、満足している」の計)している層は、"内容・やりがい"(男性54.0%、女性57.6%)、"労働条件"(同53.9%、59.6%)ともに女性の方が男性より多くなっている(図表4-2-1)。

性・年代別にみると、"内容・やりがい"に対する満足度は男女とも20代(男性59.6%、女性59.5%)で6割と高くなっている(図表4-2-2)。
女性は、いずれの層でも『満足』が過半数と年代差が小さいが、男性では年代が高くなるほど満足度が下がる傾向にあり、特に40代になると『満足』していると回答した者が48.1%と他の年代より低く、同年代の男女差も大きくなっている。
また、"労働条件"についても、男女とも若年層ほど満足度が高くなる傾向がある(図表4-2-2)。特に女性の20代は、62.7%が『満足』と回答している。

"内容・やりがい"に対する満足度を性・ライフステージ別にみると、男女とも未婚で子どものいない層では満足度が4割台と低い(図表4-2-3)。
女性は、未婚で子どものいない層以外は、満足度が6割を上回って高くなっている。一方の男性でも、長子が未就学の層では、6割が『満足している』(60.2%)と回答している。
一方、"労働条件"への満足度を性・ライフステージ別にみると、男性の未婚者で子どものいない層では満足度が48.9%と、他の属性に比べて低い(図表4-2-3)。
最も満足度が高い層は子どものいない女性の既婚者で、『満足している』者(66.6%)が7割近い。
前述の結果とあわせてみると、仕事の満足度は、"内容・やりがい""労働条件"のいずれも、年代ではなくライフステージによる影響の方が強い。

性・就労状況別にみると、まず"内容・やりがい"については、男女とも非正規従業員の満足度が低い。特に男性では、『満足』(39.8%)している者が4割にとどまり、正規従業員(55.7%)と自営業等(53.0%)との差が顕著である(図表4-2-4)。
一方、女性でも非正規従業員の満足度は他の層に比べて低い(55.5%)ものの過半数は満足しており、男女差が大きい。
"労働条件"についても、男性の非正規従業員では、『満足している』者(43.1%)が4割強で、「不満である」(21.7%)もしくは「どちらかといえば不満である」(35.2%)と回答した『不満』を持っている者が過半数である。これに対して、女性の非正規従業員では、『満足』(60.9%)と回答した者が6割で、男性と対照的な結果となっている(図表4-2-4)。

さらに、配偶者と同居の子どものいる有職者(2,287人)について、仕事の"内容・やりがい"への満足度を"労働(通勤を含む)"時間の長さ別にみると、男性では、通勤を含む労働時間が8~9時間(63.2%)、10~11時間(62.0%)の層はそれぞれ6割台が『満足』しているが、12時間以上の層では『満足』(53.1%)という回答が5割台と低くなっている(図表4-2-5)。
女性では、通勤を含む労働時間が10~11時間(74.1%)の層の満足度が7割台と最も高くなっている。
一方、 仕事の"労働条件"への満足度を"労働(通勤を含む)"時間の長さ別にみると、男性では通勤を含む労働時間が8~9時間の層は7割台が『満足』(72.0%)しているが、10~11時間の層では『満足』(62.0%)という回答が6割台に下がり、12時間以上の層(43.5%)では4割台と低くなっている。
女性では、通勤を含む労働時間が7時間以下(65.1%)、8~9時間(62.8%)の層の満足度がそれぞれ6割台だが、10~11時間の層(56.8%)では5割台とやや低くなっている(図表4-2-6)。
特に男性で、通勤を含む労働時間が12時間以上と長時間労働の層では、労働条件だけでなく仕事のやりがい、内容の満足度も低くなっている傾向がみられる。
<配偶者と同居の子どものいる有職者>

