第2章 4.(5)家事・育児の分担の満足度
4.仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)
(5)家事・育児の分担の満足度

有配偶者(6,356人)に現在の家事・育児分担の満足度を聞いたところ、「満足している」回答者は19.6%で、「どちらかといえば満足している」(51.3%)という回答者を合わせると、7割は現在の家事・育児分担に『満足』している。
男女別にみると、「満足している」(男性20.6%、女性18.5%)という回答者に大きな男女差はみられないが、「どちらかといえば満足している」(同59.8%、43.1%)を合わせた『満足』度は、男性80.4%、女性61.6%と男女差が大きくなっている。
性・年代別にみると、男性は年代による差がみられないが、女性では年代が高くなるほど満足度が低くなっている(図表4-5-1)。

性・ライフステージ別にみると、男性は、全体では8割前後の満足度である。長子が未就学児の場合、満足度は76.6%であるが、子どものいない層と長子が小学生以上の場合は満足度が8割を上回っている。
これに対して、女性では、子どもがいない場合は満足度が70.5%であるが、子どものいる回答者では子どもの成長段階にかかわらず『満足』している者が5割台である(図表4-5-2)。
女性は、子どもの有無による満足度の差が大きく、特に長子が小学生以上の層では男女差が大きい。

さらに性・共働き状況別にみると、男性では共働き状況にかかわらず満足度が8割前後であるのに対して、女性では6割前後と、男女差が大きい(図表4-5-3)。

また、配偶者と同居の子どものいる有職者(2,287人)の家事・育児の分担の満足度を、"労働(通勤を含む)"時間の長さ別にみると、男性では、通勤を含む労働時間が8~9時間(82.1%)、10~11時間(83.8%)の層はそれぞれ約8割台が『満足』しているが、12時間以上の層では『満足』(73.9%)という回答が7割台と低くなっている(図表4-5-4)。
女性では、男性よりも全般的に満足度が低いが、通勤を含む労働時間が8~9時間の層の満足度が4割台(45.3%)とやや低くなっている。
前述した"仕事の内容・やりがい""労働条件""生活全般"の満足度(p.69・p.74参照)と同様に、特に男性で、通勤を含む労働時間が12時間以上と長時間労働の層では、家事・育児の分担の満足度も低くなっている傾向がみられる。
<配偶者と同居の子どものいる有職者>

さらに、夫婦の家事・育児役割分担別にみると、夫の役割分担が4割になるまでは、夫の分担割合が高くなるほど男性の満足度が高く、"夫4割、妻6割"の層で満足度が86.5%と最も高くなっている(図表4-5-5)。
一方、女性では"夫2割、妻8割"という層から満足度が目立って高くなり、"夫4割、妻6割"(94.3%)もしくは"夫5割、妻5割"(95.6%)の層では満足度が9割を上回っている。
夫が家事・育児を6割以上分担する世帯では、女性の満足度は72.0%とやや低くなる。
