第4節 アジアにおける国際比較

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(アジア諸国の合計特殊出生率の動向)

 前述したとおり、アジアでも、合計特殊出生率が2.00を下回っている国が2割程度存在する。一方で、4.00以上の国も2割を超えている。地理的な傾向をみると、前者では香港、シンガポール、韓国などの東アジアや東南アジアにおいて経済成長が著しい国や地域である。これは、少子化傾向が欧米先進諸国だけの現象ではないことを物語っている。後者では、イエメンやアフガニスタン、サウジアラビアといった中央アジア、西アジアで多い。
 東アジア及び東南アジアにおいて経済成長が著しい韓国、台湾、香港、シンガポール及びタイの合計特殊出生率の動向をみてみよう。
 1970年の合計特殊出生率の水準をみると、わが国が2.13であったのに対して、タイが5.02、韓国が4.50、台湾が4.00であり、当時の全世界平均(1970~75年平均:4.48)に近い水準にあった。また、香港、シンガポールでもそれぞれ3.29、3.10とわが国を大きく上回っていた。
 その後、これらの国々でも合計特殊出生率は低下していくが、シンガポールと香港では、1980年代前半にわが国の合計特殊出生率の水準に近くなり、1985年の数値をみると、わが国の合計特殊出生率を下回った。韓国、タイ、台湾でも低下傾向をたどり、韓国では1985年、タイでは1990年、台湾では1985年の数値が人口置き換え水準を下回った。
 その結果、2000年の各国及び地域における合計特殊出生率は、タイで1.90、台湾は1.68、シンガポールは1.60、韓国は1.47、香港は1.00とわが国の水準(1.36)と近いものとなってきた。最新の合計特殊出生率をみると、タイが1.80(2002年)、韓国が1.19(2003年)、台湾が1.24(2003年)、シンガポールが1.26(2003年)、香港が0.94(2003年)となっている。タイを除けば、わが国(2003年に1.29)の水準を下回っており、特に香港は同じ年の東京都(0.9987)の水準をも下回っている。こうした低出生率に各国政府も危機感を持ち始め、シンガポールで顕著であるが、出生率回復のための政策が積極的に講じられるようになっている。
第1‐補‐8図 アジアの主な国・地域における合計特殊出生率の動き

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