第2節 家庭と社会全体の子育て費用

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1 家庭における子育て費用

○財団法人こども未来財団の「子育てコストに関する調査研究」によると、妊娠・出産費用の平均額は約50万4千円、0歳児の子育て費用は約50万6千円、1歳から3歳までは毎年50万円前後、4歳から6歳までは毎年65万円前後となっている。生まれてから小学校にあがるまでの子育て費用は、約440万円と計算される。

○子どもが小さい頃の世帯は、親の年齢が20代から30代という若い世帯が多いので、世帯収入の概して低い時期にあたる。世帯主が30代で6歳未満の子どもがいる世帯のうち、所得が「400万円未満」の世帯が全体の32%を占めている。こうした世帯では、子どもをもつ経済的負担が大きい。前述の意識調査において、保育料や幼稚園費の軽減や児童手当の引上げなどの経済的支援策に対する要望がトップにあるのは、こうした若い世代における子育て費用の負担の重さも背景にあるものと考えられる。

第1‐5‐8図 年齢別子育てコストの推移

2 社会全体の子育て費用

○社会全体としては、育児や教育等の子育てに対してどのくらいの費用をかけているのであろうか。また、そのうち、国や地方自治体等の公費負担はどのくらいだろうか。そこで、社会全体の子育て費用推計の研究を行った。

○研究結果によると、2002(平成14)年度における18歳未満の子育て費用総額は、38.5兆円、対国民所得比では7.6%である。1997(平成9)年度と比較をすると、子どもの数の減少により若干減少している。

第1‐5‐13図 子育て費用総額(18歳未満)


○分野別では、「教育費」が20.3兆円と最も多く、子育て費用全体の53%を占めている。次いで「その他生活費」が33%、「医療費、妊娠・出産費」が8%となっている。

○公費負担・私費負担別にみると、公費負担が全体の費用の52%(20兆円)を占めている。公費負担の内訳では、「学校教育費」が圧倒的に多く、全体の64.5%を占めている。

○家庭内で親が行う育児活動を「家庭内育児活動費用」として金銭換算をすると、年間8.1兆円の規模となる。このうち、女性(妻)労働分が7.4兆円であり、家庭内育児活動のほとんどを女性に依存している状況となっている。

第1‐5‐14図 分野別にみた子育て費用総額(18歳未満)


○子ども1人あたりの子育て費用は、年間173万円である。年齢階層別でみると、0~5歳では115万円、6~11歳では182万円、12~14歳では212万円、15~17歳では218万円となる。6歳以降では、教育費のウエイトが大きい。0~5歳では、家庭内育児活動の部分が大きく、これを金銭換算して加えると、他の年齢階層と同じか、やや高くなる。

第1‐5‐15図 分野別・年齢(3段階)別にみた子育て費用総額(18歳未満)


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