第1部 少子化対策の現状と課題

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第1章 少子化の状況

第1節 最近の出生動向

1 2004(平成16)年の出生数と合計特殊出生率

(出生数の減少と合計特殊出生率の低下)
 2004(平成16)年の出生数は、約111万1千人と、前年(2003(平成15)年)よりも1万3千人減少し、過去最低を記録した。依然として、出生率が低下し、生まれてくる子どもの数が減少する少子化が進行している。
 2004年の合計特殊出生率1は、戦後初めて1.3を下回った2003年と同率の1.29となった。しかし、小数点以下第4位まで見ると、2003年は1.2905、2004年には1.2886となっており、さらに低下していることがわかる。この数値は、過去最低の水準というばかりではなく、欧米諸国と比較をしても低い数値であり、日本社会の少子化傾向をさらに強く印象付けるものとなった2
1 合計特殊出生率とは、その年次の15~49歳までの女子の年齢別出生率を合計したもので、一人の女子が仮にその年次の年齢別出生率で一生の間に生むとしたときの子どもの数に相当する。
2 欧米諸国の出生率の動向については、第4章を参照のこと。なお、人口学では、合計特殊出生率が1.3を割った国を、「超少子化国(lowest low fertility countries)」と呼ぶことがある。

第1‐1‐1図 出生数及び合計特殊出生率の推移


(母親の年齢階級別にみた出生動向)
 出生数を母の年齢(5歳階級)別にみると、従来は25~29歳の出生数が最も多かったが、2003年からは、30~34歳が最も多くなっている。さらに、2004年には、35~39歳が20~24歳を上回っている。2004年の出生数を前年と比べると、29歳以下で3万2,327人減少しているが、30歳以上では1万9,441人増加している。20代の出生数の落ち込みを30代の出生数の増加で補う形となり、結果的に合計特殊出生率に大きな変化が生じなかった要因となっている。いわゆる「団塊ジュニア世代」3の女性が30代前半となっており、この世代による出生動向が、合計特殊出生率の動向に大きな影響を及ぼしている。
 2004年の出生数を、ほぼ30年前の1975(昭和50)年と比較すると、20代の出生数の落ち込みが大きく、20~24歳では71.5%の減、25~29歳では63.5%の減となっている。一方、30代では大きく増加しており、30~34歳では29.9%の増、35~39歳では139.7%の大幅増となっている。
 このように1970年代半ば以降、20代の出生数・出生率の低下傾向と30代以降の出生数・出生率の増加傾向が続いている。1975年には、生まれてきた子どもの約8割(78.6%)は、母親が20代であったが、2004年では、30代の母親から生まれてきた子どもが、全体の半数強(51.0%)となっている。
3 第1次ベビーブーム世代(1947(昭和22)年から49(昭和24)年生まれの世代)は「団塊の世代」と呼ばれ、この世代の子ども達である第2次ベビーブーム世代(1971(昭和46)年から74(昭和49)年生まれの世代)は「団塊ジュニア」と呼ばれている。

第1‐1‐2表 母の年齢階級別にみた出生数の推移
母の年齢
1975
1985
1995
2001
2002
2003
2004
昭和50年
60
平成7年
13
14
15
16
1)
総数
1,901,440
1,431,577
1,187,064
1,170,662
1,153,855
1,123,610
1,110,721
~14歳
9
23
37
45
52
49
45
15~19
15,990
17,854
16,075
20,920
21,349
19,532
18,546
20~24
479,041
247,341
193,514
157,077
152,493
142,068
136,486
25~29
1,014,624
682,885
492,714
450,013
425,817
395,975
370,220
30~34
320,060
381,466
371,773
399,808
406,482
408,585
415,903
35~39
62,663
93,501
100,053
127,336
131,040
139,489
150,222
40~44
8,727
8,224
12,472
15,047
16,200
17,478
18,790
45~49
312
244
414
398
396
402
483
50歳以上
7
1
-
4
10
19
16
資料: 厚生労働省「人口動態統計」
 注: 総数には母の年齢不詳を含む。


第1‐1‐3図 母の年齢別出生数(1975年と2004年の比較)


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