第2節 地域別にみた少子化の状況

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1 都道府県別にみた子どもの数と合計特殊出生率

(都道府県別にみた合計特殊出生率の状況)

 2004(平成16)年の合計特殊出生率は1.29(小数点以下第4位まで見ると、1.2886)であるが、これを上回る都道府県は35、下回る都道府県は12であった。このなかで合計特殊出生率が最も高いのは沖縄県(1.72)であり、以下、宮崎県(1.52)、福島県(1.51)、鳥取県(1.50)、佐賀県(1.49)、島根県(1.48)の順となっている。最も低いところは、2003(平成15)年にはじめて1を割ったものの、2004(平成16)年にはわずかに上昇した東京都(1.01)であり、以下、京都府(1.14)、奈良県(1.16)、北海道(1.19)の順となっている。
 なお、ほぼ30年前の1975(昭和50)年について見ると、合計特殊出生率は1.91であり、最も高いのは、沖縄県(2.88)、以下、岩手県(2.14)、福島県、滋賀県及び長崎県(2.13)の順となっている。最も低いところは東京都(1.63)であり、以下、京都府(1.81)、北海道(1.82)、福岡県(1.83)、奈良県(1.85)の順となっている。
 この30年近くの間の変化を見ると、すべての都道府県で合計特殊出生率の水準は低下しており、少子化の進行は、地域差を持ちながら全国的に同じように進行している現象であるといえる。特に、1975年と2004年の合計特殊出生率の年次差をみると、全国平均では、0.62の落ち込みとなっているが、最も大きな落ち込みとなっている沖縄県では、1.16となっている。
 また、2004年と2003年を比較すると、東京都、千葉県、富山県、愛知県、香川県、長崎県、宮崎県の7都県で、2003年に比べ上昇している。2003年時の対前年(2002(平成14)年)では、石川県、鳥取県、愛媛県の3県のみが上昇していたことを考えると、2004年では、東京都、千葉県、愛知県という大都市圏での出生率の上昇と、上昇した県数が増えたことは、今後の動向を考える上で注目される。大都市部での出生率が、わずかであっても上昇したことについては、もともと大都市部では晩婚化・未婚化が他の地域に比べて進んでいたが、これから第2次ベビーブーマー世代(団塊ジュニア世代)の中の未婚者が結婚し、出産をする人が増えてくるのではないかという可能性を示唆している。
第1‐1‐11図 2004(平成16)年都道府県別出生率地図


第1‐1‐12図 都道府県別合計特殊出生率(2004年)


コラム 結婚・離婚はどの季節が多いのか

 英語のジューンブライド(June bride、6月の花嫁)は、ローマ神話で家庭の守護神ジュノーの月が6月であることに由来して、「6月に結婚すると幸せになる」という意味で使われている。わが国では、6月に結婚するカップルは多いのだろうか。
 厚生労働省の人口動態統計に基づき、月別婚姻件数の平均値(2002年から3年間の平均値)をみると、梅雨入りしている地域が多いわが国では、6月の結婚はそれほど多くなく(少ない方から5番目)、気候のいい春や秋の方が多い。具体的には、3月が最も多く、次に11月、12月となっており、逆に、最も少ない月は、1月で、次いで8月、9月となっている。正月という特殊な1月を除けば、夏の暑い時期は敬遠されているようである。婚姻件数は、夏の暑い時期や冬の寒い時期を避けて、過ごしやすい春や秋に結婚式を行う人が多いことの影響と考えられる。
 一方、離婚件数については、3月が最も多くなっているものの、どの月も同程度の件数で月別の差はほとんどない。3月が多いのは、子どもがいた場合、学年途中で親が離婚し、姓が変わるということを避けるため、年度末を選ぶという親の配慮も影響しているのではないかと推測できる。しかし、離婚を決めるにあたっては、時期を考えるというよりも、決断したらできる限り早く別れたいという心理的な要因も関係するので、月別の変動が婚姻ほど顕著に現れないものと考えられる。
 一般に3月は、会計の年度末や学校の卒業と「別れの季節」であるが、この月に離婚も結婚も多いということは、日本の四季や日本人の行動パターンが影響を与えているようであり、興味深い。
第1‐1‐10図 月別婚姻件数・離婚件数の平均件数


(子どもの数と子どもの割合の変化)

 2004(平成16)年10月1日現在の推計人口(総務省統計局)によると、子どもの割合は、全国平均では13.9%となっている。
 都道府県別では、沖縄県が18.6%で最も高く、次いで滋賀県15.5%、佐賀県15.2%、愛知県15.1%、福島県14.8%の順となっている。低い方では、東京都が12.0%で最も低く、次いで秋田県12.3%、高知県12.9%、北海道13.0%となっている。子どもの割合が、全国平均よりも高いのは29府県、低いのは18都道府県となっている。

(都道府県別にみた人口の動向)

 住民基本台帳に基づく人口調査(2005(平成17)年3月31日現在)から都道府県別の人口の増減をみると、前年同時点(2004年3月31日現在)と比較をして、新たに人口が減少に転じた京都府、大阪府、群馬県の3府県を加えた35道府県において人口が前年割れとなっている。
 各都道府県の人口と増減率は表のとおりであるが、人口減少率の大きな県は、秋田県(0.80%)、青森県(0.73%)、島根県(0.67%)、以下岩手県、高知県、長崎県と続いている。一方、全国人口の増加率(0.04%)を上回っているのは、沖縄県(0.75%)、東京都(0.71%)、神奈川県(0.51%)、愛知県(0.50%)、滋賀県(0.40%)、以下、千葉県、埼玉県、兵庫県、福岡県、栃木県の10団体となっている。
 人口増減を自然増減と社会増減に分けてみると、死亡者数が出生者数を上回る自然減少の都道府県は、28県で、自然増加となった19県を大きく上回っている。前年同時点では、自然増加の県は24県であったので、自然増加の県は減少している。社会増減については、東京都、神奈川県、愛知県で社会増加が大きく、社会増加となっている県は、11県であり、社会減少は、青森県、長崎県、岩手県をはじめ36県で社会減少となっている。人口減少率の大きな県は、社会減少に限らず、この自然減少の程度も大きくなっており、秋田県についてみれば、自然減少率が社会減少率を上回る状況である。

第1‐1‐13表 住民基本台帳人口・増減率(都道府県別)
都道府県 人口(万人) 増減率(%)   都道府県 人口(万人) 増減率(%)  
自然増加率 社会増加率 自然増加率 社会増加率
北海道
563
-0.33
-0.09
-0.23
滋賀
136
0.40
0.24
0.16
青森
147
-0.73
-0.23
-0.50
京都
257
-0.01
0.01
-0.02
岩手
140
-0.60
-0.21
-0.39
大阪
865
-0.01
0.14
-0.15
宮城
235
-0.09
0.05
-0.14
兵庫
557
0.08
0.07
0.01
秋田
116
-0.80
-0.42
-0.37
奈良
143
-0.31
0.00
-0.32
山形
122
-0.58
-0.25
-0.33
和歌山
107
-0.59
-0.26
-0.33
福島
211
-0.40
-0.11
-0.29
鳥取
61
-0.40
-0.15
-0.25
茨城
299
-0.10
0.03
-0.13
島根
75
-0.67
-0.32
-0.35
栃木
201
0.07
0.03
0.03
岡山
196
-0.10
-0.01
-0.09
群馬
202
-0.10
-0.00
-0.10
広島
287
-0.05
0.02
-0.07
埼玉
700
0.22
0.22
0.00
山口
150
-0.49
-0.28
-0.21
千葉
601
0.23
0.17
0.06
徳島
82
-0.52
-0.26
-0.27
東京
1,217
0.71
0.07
0.65
香川
103
-0.19
-0.08
-0.11
神奈川
864
0.51
0.26
0.25
愛媛
149
-0.41
-0.20
-0.20
新潟
245
-0.41
-0.19
-0.22
高知
80
-0.60
-0.34
-0.25
富山
112
-0.20
-0.11
-0.09
福岡
501
0.07
0.06
0.01
石川
117
-0.25
0.03
-0.28
佐賀
87
-0.35
-0.06
-0.29
福井
82
-0.29
-0.04
-0.26
長崎
150
-0.60
-0.13
-0.47
山梨
88
-0.20
-0.06
-0.14
熊本
186
-0.26
-0.06
-0.20
長野
219
-0.25
-0.07
-0.17
大分
122
-0.18
-0.13
-0.05
岐阜
211
-0.13
0.02
-0.15
宮崎
117
-0.38
-0.06
-0.32
静岡
377
0.02
0.08
-0.06
鹿児島
176
-0.39
-0.19
-0.20
愛知
706
0.50
0.27
0.23
沖縄
137
0.75
0.57
0.19
三重
186
0.01
-0.02
0.04
全国
12,687
0.04
0.04
-0.01
資料: 総務省「住民基本台帳に基づく人口・人口動態及び世帯数(2005年3月31日現在)」

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