第3節 今後どのように人口は推移するのか
(急激な人口減少と「人口半減社会」の到来)
国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」(平成14年1月推計)の中位推計では、わが国の人口は、2006(平成18)年にピークを迎えた後、減少に転じ、2020(平成32)年には12,411万人、2050(平成62)年には10,059万人と、現在(2004(平成16)年)よりも約2,700万人減少する8。
この将来人口推計によれば、出生数は2010年代前半に100万人を割り込み、2020年代には80万人台になる。一方、死亡数は、今後とも増加し、2010年代には130万人台から140万人台へ、2020年代には150万人台から160万人台になる。2006年から、死亡数が出生数を上回る自然減が始まり、2020年代には、年間の自然減が70万人台にもなる。これは、毎年、現在の鳥取県または島根県1県分の人口が減少していくことを意味している。少子化が進行する一方で、高齢化率が高まり、2050年には現在の2倍近い約36%にも達する。生産年齢人口(15歳から64歳までの人口)も減少し、2050年には現在(2004年)よりも約3千万人も減少する。総人口に占める生産年齢人口の割合は、2000(平成12)年の68%から2050年には約54%に縮小する。
このように、2050年の総人口は、日本が初めて1億人を超えた1967(昭和42)年当時の水準に戻ることが予測されている。1億人というと、2000年時点で世界10位前後の人口規模であり、決して少なくはないというイメージがあるが、同じ1億人でも、1967年当時は、日本人の中位数年齢(人口を年齢順に並べて数え、ちょうど真ん中に当たる年齢)は30歳、高齢化率は6%台と「若い国」であった。それに対して、2050年には、中位数年齢は53歳、高齢化率は約36%と、世界的にみても大変「年老いた国」へと変貌してしまう。2000年には高齢者1人あたり生産年齢人口が4であったのが、2050年には高齢者1人あたり生産年齢人口は1.5人となり、人口構成が大きく変わってしまうのである。
さらに、この人口推計における参考推計では、2100年には6,414万人(中位推計)と、現在の総人口から6,000万人もの人口が減少するという「人口半減社会」を迎えることが予想されている。
この将来人口推計によれば、出生数は2010年代前半に100万人を割り込み、2020年代には80万人台になる。一方、死亡数は、今後とも増加し、2010年代には130万人台から140万人台へ、2020年代には150万人台から160万人台になる。2006年から、死亡数が出生数を上回る自然減が始まり、2020年代には、年間の自然減が70万人台にもなる。これは、毎年、現在の鳥取県または島根県1県分の人口が減少していくことを意味している。少子化が進行する一方で、高齢化率が高まり、2050年には現在の2倍近い約36%にも達する。生産年齢人口(15歳から64歳までの人口)も減少し、2050年には現在(2004年)よりも約3千万人も減少する。総人口に占める生産年齢人口の割合は、2000(平成12)年の68%から2050年には約54%に縮小する。
このように、2050年の総人口は、日本が初めて1億人を超えた1967(昭和42)年当時の水準に戻ることが予測されている。1億人というと、2000年時点で世界10位前後の人口規模であり、決して少なくはないというイメージがあるが、同じ1億人でも、1967年当時は、日本人の中位数年齢(人口を年齢順に並べて数え、ちょうど真ん中に当たる年齢)は30歳、高齢化率は6%台と「若い国」であった。それに対して、2050年には、中位数年齢は53歳、高齢化率は約36%と、世界的にみても大変「年老いた国」へと変貌してしまう。2000年には高齢者1人あたり生産年齢人口が4であったのが、2050年には高齢者1人あたり生産年齢人口は1.5人となり、人口構成が大きく変わってしまうのである。
さらに、この人口推計における参考推計では、2100年には6,414万人(中位推計)と、現在の総人口から6,000万人もの人口が減少するという「人口半減社会」を迎えることが予想されている。
8 この中位推計では、合計特殊出生率は2000年の1.36から減少して、2004年の合計特殊出生率は1.3168となり、2007年まで低下した後、上昇に転じて2024年からは1.38となり、2050年には1.39の水準に達することを前提にしている。
第1‐1‐19図 わが国の人口構造の推移

(昨年の合計特殊出生率による将来推計)
実際の合計特殊出生率は、前述の中位推計の前提よりも低い数値で推移している。仮に、2004(平成16)年の年齢別出生率が将来も一定であると仮定9をして、人口を機械的に推計すると、総人口のピークは中位推計と同じ2006(平成18)年であるが、総人口が1億人を下回るのは2048(平成60)年で、中位推計よりも3年早まる。高齢化率は2050(平成62)年で36.9%と、中位推計よりも1.2%高くなる。総人口は、中位推計よりも300万人少ない9,724万人となる。
さらに、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」(平成14年1月推計)で公表された参考推計によると、2100年には、中位推計では約6,400万人となる。低位推計では約4,650万人となり、現在の総人口の約3分の1という少なさになる10。これは、明治時代の人口規模とほぼ同様の水準である(ちなみに、1900(明治33)年の人口は、4,385万人)。
わが国は、このままの合計特殊出生率で推移をすると、2100年には、20世紀に増加した人口の全てが失われて、19世紀の人口に逆戻りすることになる。
さらに、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」(平成14年1月推計)で公表された参考推計によると、2100年には、中位推計では約6,400万人となる。低位推計では約4,650万人となり、現在の総人口の約3分の1という少なさになる10。これは、明治時代の人口規模とほぼ同様の水準である(ちなみに、1900(明治33)年の人口は、4,385万人)。
わが国は、このままの合計特殊出生率で推移をすると、2100年には、20世紀に増加した人口の全てが失われて、19世紀の人口に逆戻りすることになる。
9 将来人口の推計に必要なデータのうち、年齢別出生率以外の将来の平均寿命や出生性比、国際人口移動については、中位推計の前提と同じとしている。
10 中位推計の場合、合計特殊出生率は2000年の1.36から2007年の1.31まで低下した後は上昇に転じ、2049年には1.39の水準に達する。低位推計の場合には、2000年の1.36から低下を続け、2049年に1.10に達すると仮定している。
10 中位推計の場合、合計特殊出生率は2000年の1.36から2007年の1.31まで低下した後は上昇に転じ、2049年には1.39の水準に達する。低位推計の場合には、2000年の1.36から低下を続け、2049年に1.10に達すると仮定している。
コラム 中世以降の日本の人口の変化
歴史人口学では、日本の人口は、平安時代末期(1150年)には約680万人、慶長時代(1600年)には約1,220万人、江戸時代には、17世紀に人口が増加し、18世紀以降、おおむね3,100万人から3,300万人台で推移したと考えられている。明治以降の伸びはめざましく、明治元(1868)年には3,400万人、明治45(1912)年には5,000万人を超え、昭和42(1967)年には1億人の大台に到達した。現在(2004年)の人口(約1億2,800万人)は、明治元年の人口の約3.8倍となっているが、将来推計では2100年には、約6,400万人から約4,600万人と予測されている。日本の歴史上、これほど急激な人口減少を経験することはない。
第1‐1‐20図 日本の長期人口趨勢

(国別人口の順位の低下)
わが国のこれまでの人口の動向や将来推計人口の動向をみると、表のとおり、1950(昭和25)年時点では、世界第5位の人口と、世界中の国の中で有数の人口が多い国であったが、2000(平成12)年時点では第9位(世界の人口の2.1%)となり、2050(平成62)年では第15位に後退することが予想されている。
第1‐1‐21表 人口の多い国(1950、2000、2050年)
(千人) | ||||||
順位 |
1950年 |
2000年 |
2050年 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
国名 |
総人口 |
国名 |
総人口 |
国名 |
総人口 |
|
1 |
中国 | 554,760 |
中国 | 1,275,215 |
インド | 1,531,438 |
2 |
インド | 357,561 |
インド | 1,016,938 |
中国 | 1,395,182 |
3 |
アメリカ合衆国 | 157,813 |
アメリカ合衆国 | 285,003 |
アメリカ合衆国 | 408,695 |
4 |
ロシア | 102,702 |
インドネシア | 211,559 |
パキスタン | 348,700 |
5 |
日本 |
83,625 |
ブラジル | 171,796 |
インドネシア | 293,797 |
6 |
インドネシア | 79,538 |
ロシア | 145,612 |
ナイジェリア | 258,478 |
7 |
ドイツ | 68,376 |
パキスタン | 142,654 |
バングラデシュ | 254,599 |
8 |
ブラジル | 53,975 |
バングラデシュ | 137,952 |
ブラジル | 233,140 |
9 |
イギリス | 49,816 |
日本 |
127,034 |
エチオピア | 170,987 |
10 |
イタリア | 47,104 |
ナイジェリア | 114,746 |
コンゴ民主共和国 | 151,644 |
11 |
フランス | 41,829 |
メキシコ | 98,933 |
メキシコ | 140,228 |
12 |
バングラデシュ | 41,783 |
ドイツ | 82,282 |
エジプト | 127,407 |
13 |
パキスタン | 39,659 |
ベトナム | 78,137 |
フィリピン | 126,965 |
14 |
ウクライナ | 37,298 |
フィリピン | 75,711 |
ベトナム | 117,693 |
15 |
ナイジェリア | 29,790 |
トルコ | 68,281 |
日本 |
109,722 |
資料: | 国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集」(2005年) |