第3章 生命の大切さ、家庭の役割等についての理解

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第1節 乳幼児とふれあう機会の充実等を図る

 児童生徒の豊かな人間性や社会性などを育むためには、成長段階に応じて、ボランティア活動など社会奉仕体験活動や自然体験活動をはじめ、様々な体験活動を行うことが有意義である。2000(平成12)年4月の中央教育審議会報告「少子化と教育について」においても、すべての高等学校で保育体験学習を推進することが盛り込まれていることも踏まえ、家族・社会の一員として、さらに将来の親として必要な基礎・基本を習得できるよう、家庭を持つことの重要性等について理解を深められるようにすることが重要である。
 2002(平成14)年度から順次実施されている現行学習指導要領においては、「総合的な学習の時間」や特別活動などの中で、ボランティア活動などの体験活動を行うことを明示し、学校教育における体験活動をより一層充実させる内容としている。
 また、2002年度から実施している「豊かな体験活動推進事業」では、「体験活動推進地域・推進校」、「地域間交流推進校」、「長期宿泊体験推進校」等を指定して、乳幼児の保育体験など、他校のモデルとなる体験活動を実施するとともに、その成果をブロック交流会等を通じて全国に普及している。
 また、私立高等学校や私立幼稚園において円滑に保育体験学習が実施されるよう、保育体験学習に関する経費を補助する都道府県に対し、所要経費の一部を補助している。
 さらに、児童館等の公的施設を活用し、児童の健全な育成のための取組を推進し、将来の子育てに関する貴重な予備体験を通じて育児不安の防止や虐待の予防につながるものとして2003(平成15)年度から「児童ふれあい交流促進事業」を実施しており、本事業においては、小学校高学年、中学生及び高校生が、赤ちゃん講座などの事前学習を行ったうえで、乳幼児と出会い、ふれあい、交流をする事業を実施した。また、事前学習の実施に当たっては、乳幼児の発達、生命や性についての講義、赤ちゃん人形等の教材を使用した乳幼児の安全な抱き方の体験、乳幼児健診の場や児童福祉施設の見学等を行うことにしている。

第2節 生命の大切さ、家庭の役割等についての理解を進める

 将来の親となる世代が子どもや家庭について考え、子どもとともに育つ機会を提供するとともに、国民一人ひとりが家庭や子育ての意義について理解を深められるようにするため、教育分野において、次の取組を実施している。
 学校教育においては、子どもたちに乳幼児との触れ合いの機会をできるだけ多く提供するとともに、将来親となった際に必要となる子育ての基本的な知識・技能・態度等を習得することが重要である。また、少子化とそれがもたらす社会への影響、子育てや男女が共同して家庭を築くことの大切さなどについても理解を深めることが重要である。
 このため、小学校、中学校、高等学校の各学校段階で、関係教科、道徳、特別活動及び総合的な学習の時間において相互の連携を図りながら子育てへの理解を深める教育が実施されている。
 2004(平成16)年5月には、このような指導を行う際の基本的な考え方や指導体制の先進的な事例を紹介した『子育て理解教育指導資料』を発行した。
子育て理解講座(静岡県)


 また、各都道府県教育委員会や学校の創意工夫により、地域人材の参加・協力や体験活動を生かした実践研究である「児童生徒の心に響く道徳教育推進事業」を実施しており、生命を大切にする心や思いやりの心、協力し合う態度を育成する道徳教育の一層の推進を図っている。
 家庭や地域における取組としては、「夫婦で共同した子育てをする」ことなどについて盛り込んだ、子育てのヒント集としての家庭教育手帳等を作成し、乳幼児及び小・中学生を持つ親に配布している。また、子育て中の父親の役割等について学習する集いの開催など、父親の家庭教育への参加を促進する取組の支援を行うとともに、将来親となる中・高校生を対象とした子育て理解講座を開設しており、若いうちから家庭教育についての理解を深める取組を推進している。
 このほか、家庭教育に関するフォーラムを開催し、直接子育てに関わっていない大人等も含めて、国民一人ひとりが家庭教育支援の重要性について認識するなど、家庭教育への支援についてあらためて全国的に考え、行動する機運を高めるための取組を行っている。
 あわせて、独立行政法人国立女性教育会館においては、各地の子育て支援団体と行政等との連携を図るための「子育てネットワーク研究交流協議会」を開催している。また、子育て支援団体や教育委員会の関連事業等のデータベースを作成し、会館のホームページで公開している。

第3節 安心して子どもを生み、育てることができる社会の形成についての理解を進める

 少子化に対応するためには、国民的な理解と広がりをもって、家庭や子育てに夢を持つことができる環境を整備する必要がある。このため、各界代表者の参加により1999(平成11)年より開催されている「少子化への対応を推進する国民会議」の開催を通じ、職場、家庭、地域、学校等における取組を促進し、広く国民に向けた情報発信を行っている。
 また、安心して子どもを生み、育てることができる社会の形成のためには、家庭、学校、地域、職場などで理解を深めていけるような働きかけが重要である。このため、少子化への対応や子育てに関する意識の醸成を図るため、「次世代育成支援推進全国フォーラム」の開催や、男性の育児参加キャンペーンポスター等の作成・配布による意識啓発キャンペーンを実施している。
 さらに、2004(平成16)年度においては、学識経験者及び子育て団体関係者等によるシンポジウム等を通じて、少子化社会の課題をともに考え、各地域における子育て支援の取組の促進と機運の醸成を図るため、「少子化を考える国民の集い」を、全国3か所(埼玉県、岡山県、宮城県)で実施した。2005(平成17)年度には、全国6か所での開催を予定している。
 2005(平成17)年3月には、小泉内閣の国民対話(タウンミーティング)として、横浜市において「少子化社会を考えるタウンミーティングイン横浜」を開催した。出席した内閣府特命担当大臣(青少年育成及び少子化対策)、厚生労働大臣、文部科学副大臣、一般からの参加者との間で、未婚対策や企業の子育て支援の在り方、経済的支援、保育サービス、子育て環境等について活発な質疑応答が行われた。
タウンミーティングイン横浜(神奈川県)

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