第9節 小児医療体制を充実する

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 小児救急医療については、少子化が進行する中で、今後の我が国の社会を担う若い生命を守り育てるため、保護者の育児面における安心の確保を図るという観点から、その体制の整備が急務となっている。
 小児救急医療体制の整備については、一般の救急医療の場合と同様に、初期(主として外来医療「かかりつけ医」)、二次(入院が必要な重症患者に対応)、三次(救命救急センター)の体系に沿い、地域ごとの実情に応じた機能分化と連携に配慮した体制の整備を図るとの方針の下、二次医療圏単位で当番制により小児救急対応が可能な病院を確保する「小児救急医療支援事業」の実施や、二次医療圏単位での体制の構築が困難な地域において、複数の二次医療圏ごとに小児救急患者を受け入れる「小児救急医療拠点病院」を整備するなど、全国的な体制の整備に取り組んでいる。
 また、小児の急病も含む地域の医療については、保護者の大病院指向や「ぜひ、小児科を専門とする先生に診てほしい」とする専門医指向の強まり等により、多数の軽症者を含む小児患者が夜間、病院へ集中し、これに伴い病院勤務の小児科医への負担が増大するなど、様々な問題が生じている。しかしながら、政府としては、まずは地域に密着した第一線の機関であるかかりつけ医によって包括的な対応が図られることが適当であるという観点から、〔1〕全国共通番号(#8000)で保護者が夜間等に安心して小児救急医療に関する相談ができる窓口を設ける「小児救急電話相談事業」の創設や、〔2〕地域の内科医等が積極的に小児救急医療に従事できるよう小児救急に関する研修を行う「小児救急地域医師研修事業」の実施、〔3〕小児科医以外の医師がITを活用して小児救急患者の病理画像等を小児科専門医の所在する医療機関に伝送し、診療支援を受ける遠隔医療システムの導入の支援、〔4〕小児科医と小児科医以外の医師が共同作成した小児初期救急診療ガイドブックを小児科医以外の医師に対して普及させるなど、地域の小児救急医療体制の整備を推進している。
 また、2002(平成14)年度から2004(平成16)年度にかけて、厚生労働科学研究において、小児科医・産科医の確保・育成に関する研究が行われたところであり、この成果をも踏まえ、小児医療・周産期医療の効率的な実施のための具体的な施策について検討を進めているところである。
 さらに、小児医療についての診療報酬上の措置については、2004年度の診療報酬改定において、小児入院医療管理料の算定要件の緩和、新生児入院医療管理加算の引き上げ、小児科を標榜する医療機関における時間外加算の見直し、地域連携小児夜間・休日診療料の要件の緩和等、小児医療に配慮した見直しが行われた。

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