第15節 児童手当の充実を図り、税制の在り方の検討を深める

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1 児童手当の充実

 児童手当制度は、児童養育家庭の生活の安定に寄与するとともに、児童の健全な育成及び資質の向上を図ることを目的として、1972(昭和47)年に発足し、以降、数度にわたり充実が図られており、2004(平成16)年6月には、急速な少子化の進行等を踏まえ、総合的な次世代育成支援対策の一環として、児童手当法(昭和46年法律第73号)が改正され、同年4月にさかのぼって、支給対象年齢が、義務教育就学前から、小学校第3学年修了前(9歳到達後最初の年度末)までに引き上げられた。
 現在の児童手当制度は、以下のようになっている。
○支給対象 第1子以降0歳から小学校第3学年修了前(9歳に到達後初めての年度末まで)
  支給対象児童数 約940万人
○手当額 第1子・第2子 5,000円/月
  第3子以降 10,000円/月
○所得制限 596.3万円未満 ただしサラリーマンは780.0万円未満(収入ベース)(扶養親族 被扶養配偶者+子ども2人の場合)
○給付総額 約6,420億円(平成17年度予算額)

2 税制の在り方に関する検討

 政府税制調査会は、2003(平成15)年6月、少子・高齢社会における税制の在り方について報告をまとめた。
 この中で、個人所得課税における人的控除の基本構造について、扶養に対する配慮の検討が報告されている。少子・高齢社会における子育ての重要性を考え、今後、児童など真に社会として支えるべき者に対して扶養控除を集中することが考えられる。その際、控除の仕組みを所得控除制度ではなく、税額控除制度とすることも検討課題とされた。
 少子・高齢社会における税制の在り方についての報告を踏まえて、政府税制調査会においても検討が進められてきたが、2005(平成17)年6月には、個人所得課税に関して論点整理が行われている。その中で、少子化の急速な進展を踏まえ、子どもを生み育てることについての政策的支援の要請が高まっており、税制面でもそれにどのように応えていくのかが重要との指摘がされている。具体的には、子どもの扶養を担税力の減殺要因ととらえて所得控除によって対処してきたものを、政策的に子育てを支援するとの見地から、税制において、財政的支援という意味合いが強い税額控除という形態を採ることも考えられ、今後も少子化対策全体の議論の中で、他の政策手段との関係、諸外国の事例も踏まえ、引き続き検討を深めていく必要があるとされている。

3 年金制度における次世代育成支援措置

 世代間扶養の仕組みを基本に運営されている公的年金制度においても、少子化対策、将来の支え手となる次世代育成支援の充実は重要な課題であり、可能な限り取組を進める必要がある。
 これまでは、育児休業を取得した厚生年金の被保険者について、子が1歳に達するまでの間、被保険者本人及び事業主分の保険料を免除するとともに、給付算定上、育児休業取得直前の標準報酬月額で保険料納付が行われたものとして取り扱っていたところであるが、2004(平成16)年6月に成立した国民年金法等の一部を改正する法律(平成16年法律第104号)では、年金制度における次世代育成支援措置を拡充する観点から、2005(平成17)年4月より、
〔1〕育児休業中の保険料免除措置について、子が3歳に達するまでの間に延長する
〔2〕子が3歳に達するまでの間、勤務時間の短縮等により標準報酬月額が低下した場合、保険料は実際に低下した賃金に基づいて算定する一方、将来の年金額を算定する際には、従前の標準報酬月額に基づいて算定する
〔3〕育児休業等を終了した者が、復帰後育児等を理由に報酬が低下した場合には、育児休業終了後3か月間の報酬月額を基に標準報酬月額を改定する
措置を講じることとしたところである。

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