第4節 人口減少社会の到来

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1 初めての人口の自然減

○人口動態統計によると、2005(平成17)年は、出生数(106万2,530人)よりも死亡数(108万3,796人)が2万1,266人上回った。出生数と死亡数の差である自然増加数は、前年の8万2,119人より10万3,385人減少し、自然増加率(人口千対)はマイナス0.2と、前年の0.7を下回った。人口動態統計が現在の形式で調査を開始した1899(明治32)年以降、統計の得られていない1944(昭和19)年から1946(昭和21)年を除き、初めて人口の自然減となった。

2 人口減少社会の到来

○国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」(平成14年1月中位推計)によれば、わが国の人口は、2006(平成18)年にピークを迎えた後、減少に転じると予想されていた。しかし、2005(平成17)年の国勢調査結果では、2005年10月1日現在の総人口は、1億2,776万8千人で、前年(2004年)10月1日現在の推計人口(1億2,779万人)を2万2千人下回っていることが判明した。10月1日現在の人口が前年を下回ったのは、第2次世界大戦後初めてのことであり、わが国が「人口減少社会」に突入したことが明確となった。

3 人口減少の影響

○少子高齢化により、生まれてくる子どもの数が減少する一方で高齢者の死亡数が増加することから、今後、わが国の人口減少は加速度的に進行していくものと予想されている。「日本の将来推計人口」では、2050年には現在よりも約2,700万人減少して、約1億人になると推計していた。
○人口減少による影響として、まず労働力人口の減少がある。労働力人口がこのまま減少していくとすると、技術革新や規制改革、若年者の労働能力の開発、中高年層の労働能力の再開発等、1人当たりの労働生産性を向上させない限り、経済成長に対してマイナスの影響を与えることになる。また、高齢者人口の増大により、年金や高齢者医療費・介護費は年々増大する。さらに、地方においては、人口減少は地域の存立基盤にも関わる問題であり、人口減少下においても地域社会の活力を維持していく取組が必要となってくる。
○2050年の人口構成は、高齢者(65歳以上)1人に対して生産年齢人口(15歳から65歳未満人口)は1.5人と、「超少子高齢社会」のものに変わってしまう。さらに、2100年には、現在の総人口から6,400万人もの人口が減少するという「人口半減社会」を迎えることが予想されている。このような急速な人口減少は、経済産業や社会保障の問題にとどまらず、国や社会の存立基盤に関わる問題と認識すべきである。
○今後、技術革新等による労働生産性の向上や社会保障制度の不断の見直しなど、人口減少社会に適応した社会経済システムづくりが重要であることはいうまでもないが、あわせて、少子化の流れを変えて出生率を反転させることにより、人口減少の度合いを小さくする少子化対策への重点的取組が必要不可欠である。
○最近の婚姻数をみると、2005(平成17)年後半から回復傾向にある。また、毎月の出生数を前年同月と比較をすると、2006年2月以降、8月まで7か月連続で毎月上回って推移している。こうした本年になってからの出生数や婚姻数の明るいきざしをより確実なものとするためにも、引き続き少子化対策を強力に推進していく必要がある。
第1‐1‐18図 わが国の人口構造の推移

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