第4節 労働時間の短縮等仕事と生活の調和のとれた働き方の実現に向けた環境整備を図る
1 労働時間対策
○近年、労働時間の長い者と短い者の割合が共に増加する、いわゆる「労働時間分布の長短二極化」の進展、年次有給休暇の取得率の低下傾向などの新たな課題が発生している。これらを踏まえ、第163回特別国会において、時短促進法を「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」に改正し、2006(平成18)年4月1日から施行したところである。○フレックスタイム制等の弾力的労働時間制度については、労働者がその生活と仕事の都合との調和を図りながら効率的に働くことを可能とするものとして、制度の周知などによる普及促進を図っている。
2 「多様就業型ワークシェアリング」の普及
○個人の生活設計に応じた柔軟で多様な働き方を選択できる「多様就業型ワークシェアリング」の導入を促進するために、2003(平成15)年度より「多様就業型ワークシェアリング導入モデル事業」を3か年実施するとともに、2005(平成17)年度には、「制度導入マニュアル」を作成し、制度の周知・普及促進を図っている。3 ライフスタイルに応じた多様な働き方の推進
○パートタイム労働者は近年著しく増加し、2005(平成17)年には、1,266万人と、雇用者総数の約4分の1を占めるまでになっている。2003(平成15)年8月に、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」(平成5年法律第76号)に基づく指針(「事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等のための措置に関する指針」)の改正を行い、就業の実態や正社員との均衡等を考慮して処遇するとの考え方を具体的に示すとともに、正社員への転換に関する条件の整備、労使の話合いの促進のための措置の実施等、新たな措置を講ずるよう努めることを示した(2003年8月25日厚生労働省告示、10月1日施行。)4 テレワークの推進
○事業主と雇用関係にある者が、情報通信機器を活用し、労働時間の全部又は一部について自宅で業務に従事する勤務形態である在宅勤務について、導入・運用ガイドブックの作成やシンポジウムの開催等を通じた普及促進のための事業を実施しているほか、〔1〕在宅勤務の適切な労務管理の在り方、〔2〕テレワークシステム構築時及び運用時における情報セキュリティ上の対策をそれぞれ示したガイドラインについて、事業主等への周知・啓発を図っている。その他、SOHO事業者に対する支援活動の周知等に取り組んでいる。5 公務員の働き方の見直し
○国家公務員の勤務時間制度の在り方について検討するため、2003(平成15)年10月に「多様な勤務形態に関する研究会」が立ち上げられ、2005(平成17)年7月に、最終報告として「勤務時間の弾力化・多様化への提言」が提出された。これを受け、同年8月、国会及び内閣に対し、人事院としては1日4時間勤務や周3時間勤務等の勤務形態の型を示している。また、育児を行う職員の早出遅出勤務について、2006年3月、小学校就学前の子の養育に加え、放課後児童クラブの保育時間後の子の出迎えも対象とするよう改正を行った(2006年4月1日施行)。○地方公務員については、一般的に公務の世界に多様な働き方を導入するため、「地方公務員法及び地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律の一部を改正する法律」(平成16年法律第85号)により、任期付短時間勤務職員制度を創設し、制度の周知を図っている。